JP2018115692A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の急制動時のノーズダイブ姿勢の抑制を、自動変速機を制御することにより行う制御装置を提供する。【解決手段】制御装置(30、44)は、リアドライブ車両(1)の自動変速機(12)の制御を行う制御装置であり、ブレーキオン時の減速加速度が所定の閾値以上の場合に、後輪の摩擦抵抗を増加させる制御を行う。【選択図】図3
Description
本発明は、車両の自動変速機を制御する制御装置に関する。
車両が急制動状態にある場合、前荷重状態となってノーズダイブ姿勢となるため、後輪の荷重が抜けて、不安定な状態となる。
ところで、車両のピッチまたはバウンス振動を抑制する手法として、車体バネ上下の振動力学モデルを用いて車体の振動を抑制する方法がある(例えば、引用文献1)。しかし、この方法では、制御や演算式が複雑となり、マイコンの処理負荷が大きくなる。
ところで、車両のピッチまたはバウンス振動を抑制する手法として、車体バネ上下の振動力学モデルを用いて車体の振動を抑制する方法がある(例えば、引用文献1)。しかし、この方法では、制御や演算式が複雑となり、マイコンの処理負荷が大きくなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の急制動時のノーズダイブ姿勢の抑制を、自動変速機を制御することにより行う制御装置を提供することにある。
請求項1に記載した発明によれば、制御装置(30、44)は、リアドライブ車両(1)の自動変速機(12)の制御を行う制御装置であり、ブレーキオン時の減速加速度が所定の閾値以上の場合に、後輪の摩擦抵抗を増加させる制御を行う。
この構成によれば、急制動時においてもノーズダイブ姿勢が軽減されるため、車両の安定性が向上する。
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通または関連する要素、または実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1及び図2に示すように、車両1はエンジン10、自動変速機(オートマチックトランスミッション)12、及び制御装置30を備える。自動変速機12は、トルクコンバータ18、オーバードライブ機構20、及びギアトレーンユニット22を備える。トルクコンバータ18、オーバードライブ機構20及びギアトレーンユニット22はパワートレーンを構成している。
図1及び図2に示すように、車両1はエンジン10、自動変速機(オートマチックトランスミッション)12、及び制御装置30を備える。自動変速機12は、トルクコンバータ18、オーバードライブ機構20、及びギアトレーンユニット22を備える。トルクコンバータ18、オーバードライブ機構20及びギアトレーンユニット22はパワートレーンを構成している。
エンジン10と自動変速機12との間はエンジン出力軸10aにより相互に駆動結合されている。ここで、車両1は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)、MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)、RR(リアエンジン・リアドライブ)などの後輪駆動方式の車両、すなわちリアドライブ車両である。
エンジン10は、図示しない吸気管内に図示しないスロットルバルブを備えている。エンジン10は、スロットルバルブにより制御された吸気量の空気と、図示しないインジェクタからの噴射により供給された燃料との混合気が、図示しない点火プラグのスパークにより点火されることにより原動機として動作し、エンジン回転数Neを発生する。エンジン回転数Neはエンジン出力軸10aに伝達される。
自動変速機12は、オーバードライブ機構20及びギアトレーンユニット22の選択的な締結により対応変速段を選択可能に構成されている。自動変速機12の出力軸12a(以下、自動変速機出力軸12aと称する)にはデファレンシャルギア14が接続されている。自動変速機出力軸12aには、デファレンシャルギア14を介して左右の後輪16が結合される。エンジン10からの駆動力は後輪16を介して路面に伝達される。
変速アクチュエータ24すなわち変速用ソレノイドはエンジン出力軸10aと自動変速機出力軸12aとの間の回転比を制御する。自動変速機12は、オーバードライブ機構20により、自動変速機出力軸12aの出力回転速度を増速することができる。これにより、自動変速機出力軸12aの更なる高速駆動が可能となる。
トルクコンバータ18は、内部作動流体によりトルクを伝達する装置である。トルクコンバータ18は、必要に応じてエンジン出力軸10aと自動変速機出力軸12aとの間を直結したロックアップ状態にすることができる。
エンジン10からの回転はエンジン出力軸10aから自動変速機12に伝達される。エンジン10からの回転は、自動変速機12のトルクコンバータ18、トルクコンバータ出力軸18aを経て、オーバードライブ機構20及びギアトレーンユニット22に接続されて伝達される。自動変速機12は、エンジン10の回転を、選択された変速段に応じて変速する。変速後の回転は、自動変速機出力軸12aからデファレンシャルギア14に伝達され、後輪16に伝達される。これにより、車両を走行させている。
エンジン出力軸10aの回転数(以下エンジン回転数Neと称する)と、トルクコンバータ出力軸18aの回転数(以下、タービン回転数Ntと称する)との間にはストール回転数という許容範囲があり、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの差はストール回転数以上の回転数差が発生しない構成となっている。
図2に示すように、車両1は制御装置30を備えており、制御装置30はエンジン制御部42及び変速機制御部44を備えている。制御装置30は、ECU(電子制御装置)により構成されており、CPU、ROM及びRAM等の記憶部、I/Oなどを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。制御装置30はROMに格納されているコンピュータプログラムを実行することで仮想的にエンジン制御部42及び変速機制御部44を実現し、これによってエンジン10、自動変速機12に対する制御を実行している。
制御装置30には、アクセル開度センサ32及びエンジン回転センサ34が接続されており、アクセル開度センサ32からのアクセル開度信号APO、及びエンジン回転センサ34からのエンジン回転数Neはエンジン制御部42に送信される。アクセル開度信号APOはアクセル開度センサ32により検出され、アクセルペダル踏み込み量に応じた信号である。エンジン回転数Neはエンジン回転センサ34により検出され、エンジン回転数に応じた信号である。
エンジン制御部42は、アクセル開度信号APOに応じてスロットルバルブのスロットル開度を制御する。また、エンジン制御部42は、インジェクタにおける燃料噴射量及び点火プラグの点火タイミングを制御する。これらによりエンジン10の駆動状態が制御される。
自動変速機12の変速制御、及びトルクコンバータ18の制御は、変速機制御部44によって行われる。アクセル開度信号APO信号及びエンジン回転数Ne信号は、エンジン制御部42を経由して変速機制御部44に入力される。
また、制御装置30には、ブレーキストロークセンサ36、加速度センサ38、変速機出力回転センサ40が接続されている。ブレーキストロークセンサ36からのブレーキストローク信号、加速度センサ38からの加速度信号、及び変速機出力回転センサ40からの変速機出力回転数No信号は変速機制御部44に入力される。
ブレーキストロークセンサ36は、ブレーキペダルの踏み込み量、及び踏み込み速度からブレーキストローク信号を生成する。加速度センサ38は車両1の前後左右方向の加速度信号を検出する。変速機出力回転センサ40は自動変速機出力軸12aの変速機出力回転数No信号を生成する。
変速機制御部44は、これら入力信号に応じて決定される所定の変速マップを用い、自動変速機12の変更後変速段を決定して、自動変速機12を現在選択中の変速段から変更後変速段への変速が行われるように制御する。
次に、第1実施形態の作用について説明する。図3に示すように、第1実施形態においては、まず、制御装置30の変速機制御部44は、ブレーキがオンされたか否かについて判定する(ステップA1)。ブレーキがオンされた否かの判定は、ブレーキストロークセンサ36により検出されたブレーキペダルの踏み込み量信号、及び踏み込み速度信号により行う。例えば、ブレーキペダルの踏み込み量信号、または踏み込み速度信号が所定の閾値を超えたか否かにより判定する。
ブレーキがオンされていない場合は(ステップA1:NO)、制御装置30は通常の変速制御を行う(ステップA2)。
ブレーキがオンされた場合は(ステップA1:YES)、減速加速度が所定の閾値を超えているが否かを判定する(ステップA3)。減速加速度は、制御装置30が、加速度センサ38により検出された車両1の加速度信号を受信することにより取得される。所定の閾値としては、あらかじめ行った試験により準備された数値が用いられる。
ブレーキがオンされた場合は(ステップA1:YES)、減速加速度が所定の閾値を超えているが否かを判定する(ステップA3)。減速加速度は、制御装置30が、加速度センサ38により検出された車両1の加速度信号を受信することにより取得される。所定の閾値としては、あらかじめ行った試験により準備された数値が用いられる。
減速加速度が所定の閾値を超えていない場合は(ステップA3:NO)、第1コーストダウン制御が実施される(ステップA4)。ここでのコーストダウン制御とは、ユーザによる減速操作時すなわちブレーキオン時に、通常の変速制御よりも早くダウンシフトを実施する制御を意味する。通常の変速制御では、車両のスピードに合わせてダウンシフトを行うため、ほとんど制動力が生じない状態である。
ここで、ステップA4におけるコーストダウン制御におけるダウンシフトは、後述するステップA5で実施されるコーストダウン制御と区別するために「第1コーストダウン制御」と称することとし、後述するステップA5で実施される制御の一つであるコーストダウン制御は「第2コーストダウン制御」と称する。第2コーストダウン制御におけるダウンシフトの変速タイミングは、第1コーストダウン制御におけるダウンシフトの変速タイミングよりも早い変速タイミングで制御される。ステップA4においては、第1コーストダウン制御を実行することにより、第2コーストダウン制御により発生する制動力よりも小さい制動力が発生する。
次に、減速加速度が所定の閾値を超えている場合は(ステップA3:YES)、姿勢改善制御が実施される(ステップA5)。ここで、減速加速度が所定の閾値を超えている場合とは、急制動状態を意味している。所定の閾値としては、あらかじめ行った試験により準備された数値が用いられる。
また、ステップA3での判定において、減速加速度が所定の閾値を超えているかどうかの判定方法に代えて、ブレーキストロークセンサ36により検知されたブレーキペダルの踏み込み量、及び踏み込み速度を用いて、これらが所定の閾値を超えているかどうかにより急制動状態であるか否かを判定する方法としてもよい。
急制動状態では車両1は前輪荷重となりノーズダイブ姿勢に遷移していくが、第1実施形態では下記制御によりこのノーズダイブ姿勢を抑制している。第1実施形態における姿勢改善制御では、以下に説明する制御により後輪の摩擦抵抗を増加させることによりノーズダイブ姿勢を抑制している。
第1の姿勢改善制御では、ダウンシフト制御により後輪に制動力を発生させることにより後輪の摩擦抵抗を増加させ、これにより車両1のノーズダイブ姿勢を抑制する。図4に示すように、時刻200でブレーキがオンされると、変速機制御部44は時刻201でギア段を例えば4速から2速にダウンシフトする。これにより、エンジン回転数Neは4速での走行における回転数202から、ダウンシフトした2速のギア段に対応した回転数205まで上昇しようとする。しかし、実際にはストール回転数206を頭打ちに回転数が抑えられるため、この回転差203によるエネルギー204(図中に斜線で示す)が負荷となり、自動変速機出力軸12aの回転数を下げようとする力として作用する。
後輪16に制動力が与えられるメカニズムを以下に具体例で説明する。
(前提となる車両状態)
定速走行中の車両状態を以下のように想定する。定常走行中として、例えば60km/h、変速機出力回転数No=2000rpmを想定する。
(前提となる車両状態)
定速走行中の車両状態を以下のように想定する。定常走行中として、例えば60km/h、変速機出力回転数No=2000rpmを想定する。
・4速(ギア比:1.00)の場合のエンジン回転数Neは、
No×ギア比(2000×1.0)となり2000rpmになる。
・2速(ギア比:1.75)の場合のエンジン回転数Neは、
No×ギア比(2000×1.75)となり3500rpmになる。
ここで、トルクコンバータのストール回転数を1700rpmとする。また、ストール回転数は、|Ne−No|の許容差である。
No×ギア比(2000×1.0)となり2000rpmになる。
・2速(ギア比:1.75)の場合のエンジン回転数Neは、
No×ギア比(2000×1.75)となり3500rpmになる。
ここで、トルクコンバータのストール回転数を1700rpmとする。また、ストール回転数は、|Ne−No|の許容差である。
(ダウンシフト制御を実行した場合)
例えば、4速でスロットル全閉の減速状態(ロックアップOFF)では、エンジン回転数Neはほぼアイドル回転数(例えば800rpm)である。
例えば、4速でスロットル全閉の減速状態(ロックアップOFF)では、エンジン回転数Neはほぼアイドル回転数(例えば800rpm)である。
ここで、2速にダウンシフト制御を実行することによりエンジン回転数Neを3500rpmに上げようとする。しかし、ストール回転数があるため、エンジン回転数Neは、800+1700=2500rpmが許容できる回転数となるため、2500rpmで頭打ちとなる。従って、3500rpmと2500rpmの回転差すなわち1000rpmの差により変速機出力回転数Noを下げようとする力が働き、後輪16の制動力が増加する。
以上がダウンシフト制御時に後輪16に制動力が与えられるメカニズムである。
この作用により後輪16に制動力が生じ、路面との摩擦抵抗が増加する。これにより車両1のノーズダイブ姿勢が抑制される。ダウンシフト制御によれば後輪に比較的強い制動力を与えることができる。
この作用により後輪16に制動力が生じ、路面との摩擦抵抗が増加する。これにより車両1のノーズダイブ姿勢が抑制される。ダウンシフト制御によれば後輪に比較的強い制動力を与えることができる。
第2の姿勢改善制御では、ロックアップ制御により後輪に制動力を発生させることにより後輪の摩擦抵抗を増加させ、これにより車両1のノーズダイブ姿勢を抑制する。図5に示すように、時刻300でブレーキがオンされると、変速機制御部44は時刻301でロックアップ制御を実施する。これにより、エンジン10と自動変速機出力軸12aが直結状態となる。この時、後輪16からの動力伝達によりエンジン回転数Neは現状の3速のギア段に対応した回転数304まで上昇させようとする。しかし、エンジン10と自動変速機出力軸12aにデファレンシャルギア14を介して接続された後輪16は直結状態となっているため、後輪16に対してエンジンブレーキ力が働き、これが自動変速機出力軸12aの回転数を下げようとする力ひいては後輪16に対して回転数を下げようとする力となる。
以下にロックアップ制御による制動力増加のメカニズムについて具体的に説明する。ここでの前提となる車両状態は、ダウンシフト時に用いた「前提となる車両状態」と同じである。
(ロックアップ制御による制動力増加メカニズム)
例えば、4速でスロットル全閉の減速状態(すなわちロックアップOFF)では、エンジン回転数Neはほぼアイドル回転数(例えば800rpm)である。ここで、ロックアップクラッチを係合することにより、機械的にエンジン出力軸10a(エンジン回転数Ne)と自動変速機出力軸12a(変速機出力回転数No)を直接接続した状態になるため、変速機出力回転数Noを2000rpmから800rpmに下げようとする力、つまりエンジンブレーキがかかり後輪16の制動力が増加する。
例えば、4速でスロットル全閉の減速状態(すなわちロックアップOFF)では、エンジン回転数Neはほぼアイドル回転数(例えば800rpm)である。ここで、ロックアップクラッチを係合することにより、機械的にエンジン出力軸10a(エンジン回転数Ne)と自動変速機出力軸12a(変速機出力回転数No)を直接接続した状態になるため、変速機出力回転数Noを2000rpmから800rpmに下げようとする力、つまりエンジンブレーキがかかり後輪16の制動力が増加する。
この作用により後輪16に制動力が発生し後輪16と路面との摩擦抵抗が増加する。これにより、車両1のノーズダイブ姿勢が抑制される。
第3の姿勢改善制御では、第2コーストダウン制御により後輪に制動力を発生させることにより後輪の摩擦抵抗を増加させ、これにより車両1のノーズダイブ姿勢を抑制する。第2コーストダウン制御では、以下に説明されるように、図3のステップA4すなわち減速加速度が所定の閾値よりも小さい場合に実施される第1コーストダウン制御よりも早い変速タイミングでシフトダウンが実施される。
第3の姿勢改善制御では、第2コーストダウン制御により後輪に制動力を発生させることにより後輪の摩擦抵抗を増加させ、これにより車両1のノーズダイブ姿勢を抑制する。第2コーストダウン制御では、以下に説明されるように、図3のステップA4すなわち減速加速度が所定の閾値よりも小さい場合に実施される第1コーストダウン制御よりも早い変速タイミングでシフトダウンが実施される。
図6に示すように、時刻500でブレーキがオンされた後に、加速度センサ38(図中では「Gセンサ」と表記)によって取得された減速加速度が所定の閾値を越えると判定されると(ステップA3:YES、図5のタイミング504)、それ以降の期間503では第2コースト変速点を用いて変速タイミングとする制御を実施する。この場合、変速機出力回転数Noが第2コースト変速点と交わるタイミング、すなわち交点Aとなるタイミング505で、制御装置30はギア段を5速から3速にシフトダウンする制御を実施する。
この制御により、ダウンシフトが実施され、後輪16に制動力が発生し、路面との摩擦抵抗が増加する。なお、第2コーストダウン制御におけるダウンシフトのタイミング505は、第1コーストダウン制御におけるダウンシフトのタイミング506よりも早いタイミングとなり、その際のエンジン回転数Neと、変更されたギア段に対応するタービン回転数Ntとの差が大きくなるため、その分ストール回転数以上の回転数差が大きくなり、後輪16に発生する制動力が大きくなる。すなわち早いタイミングでシフトダウンすると、後輪16に発生する制動力がより大きくなり、後輪16の摩擦抵抗がより増加する。
なお、比較のため、図3のステップA2における通常の変速制御での変速タイミングと、第1コーストダウン制御における変速タイミングについて説明する。図6に示すように、図3のステップA2における通常の変速制御による変速タイミングは、通常変速点と変速機出力回転数Noとの交点Cで示されており、この場合はタイミング507においてダウンシフトを実施することとなる。
また、第1コーストダウン制御における変速タイミングは第1コースト変速点とタービン回転数Ntとの交点Bで示されており、この場合はタイミング506においてダウンシフトを実施する。期間501では、ブレーキはオフであり、通常のコーストダウン制御により通常変速点が用いられる。期間502では、ブレーキはオンであるが、減速加速度は所定の閾値以下であるため、第1コースト変速点が用いられる。
上述のように、変速タイミングすなわちダウンシフトタイミングは、早い順に、ステップA(タイミング505)、B(タイミング506)、C(タイミング507)となり、第2コーストダウン制御における変速タイミング505が最も早く、次に第1コーストダウン制御における変速タイミング506、最も遅い変速タイミングとなるのが通常の変速制御により変速タイミング507となる。後輪16に発生する制動力は、この順に大きい。最も大きい制動力を発生させるのが第2コーストダウン制御、次に第1コーストダウン制御、最も小さいのが通常の変速制御におけるダウンシフトとなる。
上述のように、ステップA5の姿勢改善制御においては、車両1の状況に対応して上記3つの手法による制御、すなわち、ダウンシフト制御、ロックアップ制御、及び第2コーストダウン制御のいずれかを実施することができる。
以上に説明した第1実施形態に係る制御装置30によれば、ブレーキがオンとされて減速加速度が所定の閾値を超える場合、すなわち急制動の場合に姿勢改善制御を行うことで後輪16に制動力を付与し、後輪16と路面との間の摩擦抵抗を大きくすることができる。これにより、車両1のノーズダウン姿勢を抑制することが可能となり、車両1の安定性が向上する。
また、ブレーキがオンの状態で、減速加速度と所定の閾値との大小に応じて、後輪16に発生する制動力が比較的小さい第1コーストダウン制御と、後輪16に発生する制動力が比較的大きい姿勢改善制御と、を切り替えることで、車両1の制動状態に応じた最適な姿勢制御を可能とする。これにより、車両1の安定性をより向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図を用いて説明する。図7に示すように、第2の実施形態における処理フローが、第1の実施形態におけるフローと異なる点は、ステップA1からステップA4の処理に加えて、さらに第2の所定の閾値である「閾値2」を用いて、車両1の状態にさらに適した制御を行う点である。以後の説明及び図7において、ステップA3における閾値を「閾値1」とする。
次に、第2の実施形態について図を用いて説明する。図7に示すように、第2の実施形態における処理フローが、第1の実施形態におけるフローと異なる点は、ステップA1からステップA4の処理に加えて、さらに第2の所定の閾値である「閾値2」を用いて、車両1の状態にさらに適した制御を行う点である。以後の説明及び図7において、ステップA3における閾値を「閾値1」とする。
図7に示すように、ステップA3で減速加速度が閾値1を超える場合に(ステップA3:YES)、制御装置30は減速加速度が閾値2を超えるか否かを判定する(ステップB5)。ステップB5は閾値1を超えているので急制動の範囲ではあるが、第2実施形態では、さらに急制動の程度で場合分けを行う。所定の閾値2はあらかじめ行った試験により準備された数値が用いられる。閾値1と閾値2は、閾値1<閾値2の関係を有する。減速加速度が閾値2以下の場合(B5:NO)は、減速加速度が閾値2を超える場合(B5:YES)よりも、減速加速度が小さい。
減速加速度が所定の閾値2以下の場合には(ステップB5:NO)、第1姿勢改善制御が実施される(ステップB6)。減速加速度が所定の閾値2を超える場合には(ステップB5:YES)、第2姿勢改善制御が実施される(ステップB7)。
第1姿勢改善制御においては、フレックスロックアップ制御が実行される。第2姿勢改善制御においては、ロックアップ制御が実行される。フレックスロックアップ制御とは、ロックアップ係合率が0%〜100%の範囲で任意に設定された制御を意味する。ロックアップ係合率は、制御対象の減速加速度に対応して、最適値を選択すればよい。ロックアップ制御は、ロックアップ係合率100%のフレックスロックアップ制御に該当する。
第1姿勢改善制御においては例えばロックアップ率50%のフレックスロックアップ制御が実行される。第2姿勢改善制御においてはロックアップ制御すなわちフレックスロックアップ率100%のフレックスロックアップ制御が実施される。
減速加速度が所定の閾値2より小さい場合は(B5:NO)、例えば50%係合率のフレックスロックアップ制御すなわち第1姿勢改善制御を実行する。減速加速度が所定の閾値2を超える場合は(B5:YES)、例えば100%係合率のフレックスロックアップ制御すなわちロックアップ制御、言い換えれば第2姿勢改善制御を実行する。このように、第2実施形態においては、所定の閾値2により判定された減速加速度の大小により、フレックス係合率を切り替えたフレックスロックアップ制御を実行することにより、後輪16に発生させる制動力の大きさを切り替える制御を行う。
フレックスロックアップ制御、及びロックアップ制御は、以下のように制御される。図8に示すように、時刻600においてブレーキがオンすると、図7のステップA1〜A3を経て、時刻601でフレックスロックアップ制御が実行されるが、ステップB5において減速加速度と所定の閾値2との大小が判定されており(B5)、その大小関係により、フレックスロックアップ制御(B6)と、ロックアップ制御(B7)との切り替えが実行される。
ロックアップ制御の場合には、図8に示すように、エンジン回転数Neは現状のギア段に対応した回転数603まで上昇しようとするが、エンジンと自動変速機出力軸12aが100%直結状態となっているため、エンジンブレーキが働く。このため、エンジン回転数Neの回転数上昇が抑制され、自動変速機出力軸12aの回転数を下げようとする力が働く。これにより、後輪16には大きな制動力が発生し、後輪16と路面との摩擦抵抗が大きく増加する。
一方、フレックスロックアップ制御(ここでは係合率50%とする)の場合には、図8に示すように、エンジン回転数Neは回転数603より低い回転数604まで上昇しようとするが、ロックアップ率が50%となっているため、エンジンブレーキがロックアップ制御時に比較して弱く働く。そのため自動変速機出力軸12aの回転数を下げようとする力もロックアップ制御時に比較して弱くソフトに作用する。これにより、後輪16にはロックアップ制御時に比較してより小さな制動力が発生し、後輪16と路面との摩擦抵抗もロックアップ制御時に比較して小さくソフトに増加する。
以上説明したように、第2の実施形態では、減速加速度に応じたさらに最適な制動力を後輪16に発生させることができ、車両1のよりきめ細かな姿勢制御が可能となるため、車両1の安定性をさらに向上させることができる。
第2の実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2の実施形態では、車両1の姿勢制御において、減速加速度の大きさによりさらに詳細に後輪16における制動力を制御することができるため、車両1の安定性がさらに向上する。
(その他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
第1の実施形態においては、上述のように、ステップA5の姿勢改善制御において、上記3つの手法による制御、すなわち、ダウンシフト制御、ロックアップ制御、または第2コーストダウン制御のいずれかを実施することができるものとして説明したが、これに限らない。ステップA5の姿勢改善制御において、これらダウンシフト制御、ロックアップ制御、または第2コーストダウン制御のいずれかの制御を組み合わせて実施してもよい。例えば、ロックアップ制御は、切り替え時間が短いため、まずロックアップ制御による姿勢改善制御を実施していち早く制動力を得るようにし、その後に例えば制動力が強いダウンシフト制御、又は所定のロックアップ係合率で実施されるフレックスロックアップ制御、又はコーストダウン制御のいずれかに切り替えるなどの制御を採用してもよい。
また、第2の実施形態において、上述のように、第1姿勢改善制御ではフレックスロックアップ制御を実行し、第2姿勢改善制御ではロックアップ制御を行う例を示したが、これに限定されない。例えば、ダウンシフト制御、上述の第1コーストダウン制御(早い変速タイミングでのダウンシフトを行うコーストダウン制御)、上述の第2コーストダウン制御(第1コーストダウン制御よりは遅く、通常の変速制御よりは早い変速タイミングでダウンシフトを行うコーストダウン制御)、ロックアップ制御、及びフレックスロックアップ制御のうちから最適な制御を適宜選択するようにしてもよい。
また、第1姿勢改善制御でロックアップ率50%のフレックスロックアップ制御を用い、第2姿勢改善制御ではロックアップ制御すなわちロックアップ率100%のフレックスロックアップ制御を実施する例を用いて説明したがこれに限定されない。例えば、第1姿勢改善制御でロックアップ率30%のフレックスロックアップ制御を用い、第2姿勢改善制御においてロックアップ率70%のフレックスロックアップ制御を用いるなど、閾値に応じた異なるロックアップ係合率を採用してもよい。
また、さらに、閾値3、閾値4のように、さらなる閾値を設定し、減速加速度をより細かく分けて、その減速加速度に最適な制御を選択するようにして制御してもよい。
1…車両、10…エンジン、12…自動変速機、16…車輪、18…トルクコンバータ、30…制御装置、32…アクセル開度センサ、34…エンジン回転センサ、36…ブレーキストロークセンサ、38…加速度センサ、40…変速機出力回転センサ、42…エンジン制御部、44…変速機制御部(制御装置)、46…アクセル開度信号、48…エンジン回転数信号、Ne…エンジン回転数、Nt…タービン回転数、No…変速機出力回転数
Claims (8)
- リアドライブ車両(1)の自動変速機(12)の制御を行う制御装置(30、44)であって、
ブレーキオン時の減速加速度が所定の閾値以上の場合に、後輪(16)の摩擦抵抗を増加させる制御を行う制御装置。 - 後輪の摩擦抵抗を増加させる前記制御は、ダウンシフト制御である請求項1に記載の制御装置。
- 後輪の摩擦抵抗を増加させる前記制御は、ロックアップ制御である請求項1に記載の制御装置。
- 後輪の摩擦抵抗を増加させる前記制御は、所定のロックアップ係合率で行われるフレックスロックアップ制御である請求項1に記載の制御装置。
- 後輪の摩擦抵抗を増加させる前記制御は、コーストダウン制御である請求項1に記載の制御装置。
- 後輪の摩擦抵抗を増加させる前記制御は、初めにロックアップ制御を行い、次いで、ダウンシフト制御、所定の係合率で行われるフレックスロックアップ制御、またはコーストダウン制御のいずれかを行う制御である請求項1に記載の制御装置。
- 前記コーストダウン制御におけるダウンシフトの変速タイミングは、ブレーキオン時の減速加速度が前記閾値より低い場合におけるコーストダウン制御におけるダウンシフトの変速タイミングよりも早い変速タイミングである請求項5または6に記載の制御装置。
- 前記所定の閾値は複数が設定されており、前記複数の閾値に応じて異なる係合率を用いてフレックスロックアップ制御を行う請求項4または6に記載の制御装置。
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JP2017006058A JP2018115692A (ja) | 2017-01-17 | 2017-01-17 | 制御装置 |
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- 2017-01-17 JP JP2017006058A patent/JP2018115692A/ja active Pending
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