JP2018115282A - 柑橘系香料の香り立ち増強剤と改良香料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、飲食品を喫食した際、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちを強くする香り立ち増強剤、及び香り立ちが増強された清涼感のある柑橘系香料を、誰にでも簡便に実施できる方法で提供することである。また、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品、その製造方法を提供することである。【解決手段】柑橘系香料にハイオレイック油脂を有効成分とする香り立ち増強剤を配合する。前記ハイオレイック油脂としては、全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が65質量%以上であるものが用いられ、例えば、ハイオレイックナタネ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油及びハイオレイック大豆油からなる群から選ばれる1種又は2種以上が用いられる。【選択図】図1

Description

本発明は、清涼感のある柑橘系香料の香り立ち増強剤、香り立ちが増強された清涼感のある柑橘系改良香料(以下、「改良香料」ともいう。)、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品、飲食品の清涼感のある柑橘系香料の香り立ちの増強方法、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品の製造方法に関する。
詳しくは、食用油脂を使用していても、喫食の際に、油脂のコク及び旨味が弱くあっさりしており、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが強く感じられる、柑橘系香料の香り立ち増強剤及び改良香料などに関する。
飲食品のおいしさにとって、見た目の美しさ(形・色)はもちろん重要であるが、口に入れた際に感じる、味、香り、食感がおいしさを決める主要な要因となっている。その中でも特に、口に入れる前と後で感じられる香りは、おいしさのバロメーターであり、例えば、ワインのテイスティングでは、まず鼻先で匂いを嗅ぎ、次いで、口の中に含んで喉越しを味わい、鼻に抜ける香りを楽しんでいる。ここで、前者の鼻先で感じる香りはオルソネーザルアロマ(鼻先香)といわれ、食欲を刺激する要因と考えられており、また、後者の口に含んだときに喉の奥から感じられる香りはレトロネーザルアロマ(口中香)といわれ、おいしさを左右する重要な要素と考えられている。
飲食品には数多くの香気成分が含まれており、例えば、コーヒーでは800種以上の香気成分があるといわれている。これら香気成分の多くは鼻先で感じる香り(鼻先香)となり得るが、口の中で感じられる香り(口中香)とは異なることもある。すなわち、鼻先で感じられる香気成分は主に揮発性成分であるが、口の中で感じられる香気成分には、唾液の中に含まれる酵素等によって新たに生じたものもあるからである。
このように、飲食品のおいしさにとって口に入れる前と後で感じられる香りは重要な要素であるため、飲食品のおいしさを向上させるために、これまで様々な香料が用いられてきた。その中でも特に、柑橘系香料は、飲食品に対して独特の清涼感や果汁感を与えるため、日本人の生活の中に広く浸透しており、様々な飲食品に使用されている。この柑橘系香料の中には、例えば、リモネン、シトラール等の香気成分が含まれているが、これらの香気成分の喫食の際の香り立ちを増強することができれば、飲食品分野で多大な貢献が見込める。そこで、これまで柑橘系香料の香り立ちを増強する技術が求められてきた。
例えば、柑橘系香料に(E)−6−ノネナールを極微量添加して、柑橘特有のフレッシュでピール感のある香味を付与する柑橘香味増強剤が知られている(特許文献1)。
また、4−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンを極微量添加して、柑橘特有のピール感を増強することができる香酸柑橘様香味増強剤が知られている(特許文献2)。
しかしながら、これらの有効成分はいずれも一般に容易に入手できるものではなく、誰でも簡便に実施できる技術ではなかった。また、これら香味増強剤は、飲食品を喫食した際、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちを強くするものであるかどうかは不明であった。
特許第4183142号公報 特許第4360654号公報
本発明の課題は、飲食品を喫食した際、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちを強くする香り立ち増強剤、及び香り立ちが増強された清涼感のある柑橘系香料を、誰にでも簡便に実施できる方法で提供することである。
また、本発明の課題は、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品、その製造方法を提供することである。
本発明者らは、誰でも容易に入手できる食用油脂に着目し、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、食用油脂の種類によって、喫食の際の柑橘系香料の香り立ちが異なることを見いだし、さらに、柑橘系香料に対して、特にハイオレイック油脂を有効成分とする香り立ち増強剤を配合することによって、本課題を解決できることを見いだして、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のものを提供する。
〔1〕全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が65質量%以上であるハイオレイック油脂を有効成分として含有する、柑橘系香料の香り立ち増強剤。
〔2〕前記ハイオレイック油脂が、ハイオレイックナタネ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油及びハイオレイック大豆油からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、〔1〕に記載の香り立ち増強剤。
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載の香り立ち増強剤、及び柑橘系香料を含む、香り立ちが増強された改良香料。
〔4〕前記柑橘系香料の含有量が、前記香り立ち増強剤中のハイオレイック油脂の質量100質量部に対して0.01〜1質量部である、〔3〕に記載の改良香料。
〔5〕〔3〕又は〔4〕に記載の改良香料を含む、柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品。
〔6〕柑橘系香料に全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が65質量%以上であるハイオレイック油脂を混合することを特徴とする、柑橘系香料の香り立ちを増強する方法。
〔7〕飲食品の製造工程において、飲食品の原料に、〔3〕又は〔4〕に記載の改良香料を混合することを特徴とする、柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品の製造方法。
本発明によれば、誰でも容易に入手できるハイオレイック油脂を用いて、飲食品を喫食した際、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが増強された改良香料を簡便に製造することができる。また、本発明の柑橘系香料の香り立ちが増強された改良香料は、様々な飲食品に対して配合でき、柑橘系香料に由来する清涼感や果汁感を簡単に増強することができるため、従来の飲食品では満足できなかった人々の需要に応えることができる。特に、たれ、つゆ、ドレッシング等の液状調味料の分野において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが強く感じられる新たな商品を提供することができる。
各種油脂のコク及び旨味と、香料の香り立ち増強剤の有効成分となり得る各種油脂による柑橘系香料の香り立ちの増強効果の程度との関係を、実施例で得られた結果を参考にして作成したイメージ図である。
[柑橘系香料の香り立ち増強剤]
本発明の一態様は、ハイオレイック油脂を有効成分として含有する、柑橘系香料の香り立ち増強剤である。以下、当該柑橘系香料の香り立ち増強剤について詳しく説明する。
[柑橘系香料]
本発明における柑橘系香料とは、柑橘系の果物や柑橘系の果物に似た香りを有するハーブなどから抽出された成分を含む香料であれば特に制限されない。例えば、レモン油、オレンジ油、グレープフルーツ油、柚子油、ベルガモット油、マンダリン油、ライム油などが挙げられ、リモネン、ヌートカン、オクチルアルデヒド、デシルアルデヒド、オクチルアルコール、ノニルアルコール、ゲラニオール、ノニルアルデヒド、ビサボレン、P−サイメン、シトラール、リナロール、アンスラニル酸メチル、ネロリドール、ミルセン、α−ピネン、β−ピネン、サビネン、酢酸オクチル、カンフェン、酢酸リナリル、ネロール、シトロネラール、α−テルピネオール、オクタノールなどの香気成分を含むものが挙げられる。
[ハイオレイック油脂]
本発明の柑橘系香料の香り増強剤は、ハイオレイック油脂を有効成分として含有する。ここで、ハイオレイック油脂とは、全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が65質量%以上(より好ましくは66重量%、さらに好ましくは68質量%以上、殊更好ましくは70質量%以上)である油脂を意味する。具体的に、ハイオレイック油脂としては、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックナタネ油、ハイオレイックサフラワー油及びハイオレイック大豆油からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。ハイオレイック油脂は市販のものを用いることができる。例えば、ハイオレイックナタネ油(日清オイリオグループ株式会社製;商品名:ヘルシーライト)、ハイオレイックサフラワー油(日清オイリオグループ株式会社製;商品名:日清べに花油)などが挙げられる。
また、ハイオレイック油脂の酸化安定性に鑑みて、ハイオレイック油脂に含まれるリノール酸含量は全構成脂肪酸中の25質量%以下(より好ましくは23質量以下、さらに好ましくは20質量%)である。さらに、ハイオレイック油脂に含まれるリノレン酸含量は全構成脂肪酸中の3.0質量%以下(より好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下)である。
本発明の柑橘系香料の香り立ち増強剤は、有効成分であると上述したハイオレイック油脂を含有するもので、ハイオレイック油脂そのものであってもよく、柑橘系香料の香り立ち増強剤中のハイオレイック油脂含量は、95〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%であることがより好ましく、85〜100質量%であることが最も好ましい。
ハイオレイック油脂以外の成分として、例えば、ヤシ油、パーム核油、パーム油、パーム分別油(パームオレイン、パームスーパーオレイン等)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、乳脂、ココアバター等やこれらの混合油、加工油脂等の他の油脂、デキストリン、澱粉等の賦形剤、その他の添加剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
ただし、本発明の「柑橘系香料の香り立ち増強剤」は、柑橘系香料の香り立ちを増強するためのものであるため、柑橘系香料はこれに含まれない。
また、先に説明をしたハイオレイック油脂以外の成分を含有する柑橘系香料の香り立ち増強剤は、ハイオレイック油脂とそれ以外の成分を混合することにより製造することができる。混合は、従来から公知の方法に従って行うことができる。例えば、混合する手段は、通常の攪拌で常用されるミキサーであればよく、パドルミキサー、ヘンシェルミキサー、流動層ミキサー、ホモゲナイザー等を挙げることができる。
[改良香料]
本発明の改良香料は、先に説明をした柑橘系香料の香り立ち増強剤と柑橘系香料を含むものである。ここで、「改良」という意味は、柑橘系香料にハイオレイック油脂を添加したものを喫食した際、他の油脂(比較の基準としては、キャノーラ油が挙げられる。)を添加したものと比較して、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが強く感じられることをいう。すなわち、改良香料とは、香り立ちが増強された清涼感のある柑橘系改良香料をいう。なお、柑橘系香料とハイオレイック油脂は、上述で定義したとおりである。
本発明の改良香料における柑橘系香料の含有量は、柑橘系香料の香り立ち増強剤中のハイオレイック油脂の質量100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましく、0.05〜0.5質量部であることがより好ましく、0.1〜0.3質量部であることが最も好ましい。このような数値範囲であれば、柑橘系香料が適度な香り立ちを有しており、ハイオレイック油脂による本発明の効果をより良く認識できるからである。
ハイオレイック油脂が、他の油脂に比べて、柑橘系香料の香り立ちを増強するメカニズムについては定かでないが、油脂に熱をかけると油脂から揮発性成分が発生し、柑橘系香料の揮発性成分と相互作用して、柑橘系香料の香り立ちを妨害することが考えられる。しかしながら、ハイオレイック油脂は熱をかけても揮発性成分があまり出ないか、あるいは、揮発性成分が出ても、柑橘系香料の香り立ちを妨害することがないようなものであることが考えられる。特に、多重結合の多い脂肪酸が多く含まれていると、多重結合の多い脂肪酸は酸化安定性が低いため、多数の酸化物が発生し、柑橘系香料の香り立ちを妨害するおそれが高いのではないかと推測される。一方、ハイオレイック油脂はオレイン酸が多く、オレイン酸は多重結合が少なく、酸化安定性の高い脂肪酸であるため、香り立ちを妨害しないのではないかと考えられる。しかし、ここに説明したメカニズムは本発明の理解する上での参考程度にすぎず、本発明はこのメカニズムによって何ら制限されない。
[改良香料の製造方法]
本発明の改良香料は、先に説明をした柑橘系香料と、先に説明をしたハイオレイック油脂を有効成分とする柑橘系香料の香り立ち増強剤を混合することにより製造することができる。混合は、従来から公知の方法に従って行うことができる。例えば、混合する手段は、通常の攪拌で常用されるミキサーであればよく、パドルミキサー、ヘンシェルミキサー、流動層ミキサー、ホモゲナイザー等を挙げることができる。
[飲食品]
本発明で用いられる「飲食品」としては、柑橘系香料、及びハイオレイック油脂を有効成分として含有する柑橘系香料の香り立ち増強剤を配合できるものであれば、特に制限されず、当業者であれば目的に応じて適宜選択することができる。例えば、例えば無果汁飲料、果汁入り飲料、野菜飲料、乳酸菌飲料、茶飲料、炭酸飲料、コーヒー飲料、スープ飲料、アルコール飲料、ミネラル含有飲料、ビタミン含有飲料、機能性食品素材を含有する飲料等の飲料類、乳飲料、乳酸菌飲料、はっ酵乳、練乳、濃縮乳、ヨーグルト、アイスクリーム等の乳及び乳を主原料とする製品、ゼリー、ババロア、プリン等のデザート食品類、チョコレート、キャラメル、キャンディー、スナック食品等の菓子類、つゆ、たれ、ドレッシング等の調味料、レトルト食品などの調理済み食品、およびその他のインスタント食品などを挙げることができる。特に、本発明の飲食品としては、つゆ、たれ、ドレッシング等の液状調味料が好ましい。
[柑橘系香料の香り立ちを増強する方法]
柑橘系香料にハイオレイック油脂を混合すると、他の油脂に比べて、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが強く感じられることから、本発明は、柑橘系香料にハイオレイック油脂を混合することを特徴とする、柑橘系香料の香り立ちを増強する方法にも関する。
柑橘系香料とハイオレイック油脂との混合は、従来から公知の方法に従って行うことができる。例えば、混合する手段は、通常の攪拌で常用されるミキサーであればよく、パドルミキサー、ヘンシェルミキサー、流動層ミキサー、ホモゲナイザー等を挙げることができる。
ここで、柑橘系香料、ハイオレイック油脂、柑橘系香料の含有量や好ましい範囲等については、上述で定義したとおりである。
[柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品の製造方法]
本発明の柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品の製造方法は、飲食品の製造工程において、飲食品の原料に、先に説明をした改良香料を混合することを特徴とするものである。
ここで、飲食品の原料とは、飲食品を製造するための原材料のことであり、柑橘系香料の香り立ちが増強される前の(通常の)飲食品自体を含み得る。柑橘系香料の香り立ちが増強される前の(通常の)飲食品には、本発明の改良香料は含まれていない。
また、本発明の柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品の製造方法には、飲食品の原料に改良香料を加えることのほか、場合によっては、予め柑橘系香料を含む飲食品の原料に対しハイオレイック油脂を加える、もしくは、予めハイオレイック油脂を含む飲食品の原料に対し柑橘系香料を加えることも含み得る。後者の場合、飲食品の原料の中で、柑橘系香料とハイオレイック油脂が組み合わされ、改良香料ができている。
ここで、飲食品、ハイオレイック油脂、該柑橘系香料の含有量や好ましい範囲もしくは混合工程については上述で定義したとおりである。
次に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
以下において「%」とは、特別な記載がない場合、「質量%」を意味する。
油脂に含まれるトリアシルグリセロールの組成の分析は、ガスクロマトグラフ法(JAOCS,vol70,11,1111−1114(1993)準拠)及び銀イオンカラム−HPLC法(J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)準拠)を用いて行った。
油脂に含まれるトリアシルグリセロール(TAG)の有する構成脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて行った。
<柑橘系香料>
(1)レモン油香料
レモン油(小川香料株式会社製、商品名:レモンフレーバー)
(2)オレンジ油香料
オレンジ油(小川香料株式会社製、商品名:オレンジフレーバー)
(3)グレープフルーツ油香料
グレープフルーツ油(小川香料株式会社製、商品名:グレープフルーツフレーバー)
(4)柚子油香料
柚子油(高田香料株式会社製、商品名:柚子オイル)
<柑橘系香料の香り立ち増強剤に使用した油脂>
(1)ハイオレイック油脂
ハイオレイックナタネ油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清ヘルシーライト。全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が70質量%である。なお、図1では「HOLLキャノーラ」と示す。)
ハイオレイックサフラワー油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清べに花油。全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が78質量%である。)
ハイオレイックヒマワリ油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清ひまわり油。全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が85質量%である。)
(2)キャノーラ油
キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清キャノーラ油)
(3)大豆油
大豆油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:大豆サラダ油)
(4)精製胡麻油
精製胡麻油(竹本油脂株式会社製、商品名:太白胡麻油)
[実験例1]改良香料の製造及び評価
上記各油脂を100質量%含有する香り立ち増強剤の質量100質量部に対して上記各柑橘系香料を0.2質量部添加、混合し、実施例1〜3の改良香料および比較例1〜3の香料(対照)を製造した。
そして、専門パネラー4名により、各改良香料及び香料(対照)を鼻で嗅いだときの香り(鼻先香)と、口に入れた後に鼻に抜ける香り(口中香)とを、以下の評価基準に従って評価した。得られた4人の評価点を平均し、評価結果とした。その評価結果は表1〜4に示した。なお、表1はレモン油香料、表2はオレンジ油香料、表3はグレープフルーツ油香料、及び表4は柚子油香料を用いた場合の結果を示す。
評価基準
5:香り立ちがとても強い
4:香り立ちが強い
3:香り立ちがある
2:香り立ちがやや弱い
1:香り立ちが弱い
上記表1〜4から明らかであるとおり、実施例1〜3は、比較例1〜3と比べて、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが強く感じられた。このように、ハイオレイック油脂は、他の油脂と比較して、柑橘系香料の香り立ちを増強できることが判明した。
なお、実施例1〜3は、比較例1〜3と比べて、油脂のコク・旨味が弱くあっさりとしていた。一方、比較例1〜3は、実施例1〜3に比べて、油脂のコク・旨味が強く感じられた。より詳細には、比較例1と3では、香り立ちは感じられるが、油脂のコク・旨味も強く感じられた。また、比較例2では、油脂のコク・旨味も強く感じられることに加え、香り立ちそのものが弱く、油脂によって香りがマスキングされているように感じられた。
[実験例2]飲食品の製造及び評価
上記各油脂を100質量%含有する香り立ち増強剤の質量100質量部に対して上記レモン油香料を0.2質量部添加、混合し、実施例1〜3の改良香料および比較例1〜3の香料(対照)を製造した。そして、実施例1〜3の改良香料および比較例1〜3の香料(対照)を、市販の焼き肉のたれ(エバラ食品工業株式会社製、商品名:焼肉のたれ 醤油味)の全質量に対して5質量%となるように混合して、評価対象となる焼き肉のたれ(飲食品)を製造した。
そして、専門パネラー4名により、各焼き肉のたれを鼻で嗅いだときの香り(鼻先香)と、口に入れた後に鼻に抜ける香り(口中香)とを、実験例1と同じ評価基準に従って評価した。得られた4人の評価点を平均し、評価結果とした。その評価結果を表5に示した。
上記表5から明らかであるとおり、実施例1〜3は、比較例1〜3と比べて、鼻先香と口中香の両方において、清涼感のある柑橘系香料の香り立ちが強く感じられた。このように、ハイオレイック油脂は、他の油脂と比較して、飲食品の形態(焼き肉のたれ)とした場合であっても、柑橘系香料の香り立ちを増強できることが判明した。

Claims (7)

  1. 全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が65質量%以上であるハイオレイック油脂を有効成分として含有する、柑橘系香料の香り立ち増強剤。
  2. 前記ハイオレイック油脂が、ハイオレイックナタネ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油及びハイオレイック大豆油からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記載の香り立ち増強剤。
  3. 請求項1又は2に記載の香り立ち増強剤、及び柑橘系香料を含む、香り立ちが増強された改良香料。
  4. 前記柑橘系香料の含有量が、前記香り立ち増強剤中のハイオレイック油脂の質量100質量部に対して0.01〜1質量部である、請求項3に記載の改良香料。
  5. 請求項3又は4に記載の改良香料を含む、柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品。
  6. 柑橘系香料に全構成脂肪酸中のオレイン酸含量が65質量%以上であるハイオレイック油脂を混合することを特徴とする、柑橘系香料の香り立ちを増強する方法。
  7. 飲食品の製造工程において、飲食品の原料に、請求項3又は4に記載の改良香料を混合することを特徴とする、柑橘系香料の香り立ちが増強された飲食品の製造方法。
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