JP2018114474A - オゾン水製造方法及びオゾン水を用いた殺菌方法 - Google Patents

オゾン水製造方法及びオゾン水を用いた殺菌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない電力で高い濃度のオゾン水を製造することが可能であって、殺菌後において殺菌対象物表面にシミやべたつき等の異物付着の少なく、環境への影響も小さいオゾン水を製造する方法の提供。【解決手段】水を電気分解することによってオゾン水を製造する方法であって、該水には水溶性の非イオン性界面活性剤が0.001〜0.01質量%未満含まれている。非イオン性界面活性剤はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体であることが好ましく、さらには、エチレンオキサイドの重合度は10〜30であり、プロピレンオキサイドの重合度は10〜40であり、(該エチレンオキサイドのモル数)/(該プロピレンオキサイドのモル数)の値は0.3〜1であることが好ましいオゾン水製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電気分解によるオゾン水製造方法及びそれによって得られたオゾン水を用いた殺菌方法に関する。
従来、広範な環境における殺菌消毒剤として、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤が広く用いられている。しかし、これらの塩素系の殺菌剤は、残留性があることや、耐性菌を産出してしまう等の問題が生じるため、これらの代替として、近年では水にオゾンを溶解させたオゾン水による殺菌が注目されている。
オゾン水による殺菌方法の大きなメリットとしては、以下の点が挙げられる。
(1)オゾンから発生するOHラジカルの殺菌効果は細胞壁の酸化破壊であり無差別性のため耐性菌が存在しないといえる。
(2)塩素系材料と比較すると除菌・消臭効果が高い。
(3)残留性がない(電解法では水を原料としてオゾン水を生成し、除菌・消臭後は直ぐに酸素に戻るため、オゾン自体は全く残存しない)。
これらのことから、オゾン水は現在、工業分野をはじめ医療や食品工業等様々な分野への応用が検討されている。
オゾン水の製造方法としては、放電法により一旦オゾンガスを発生させた後に水に溶け込ませるオゾンガス溶解方式と、水を直接電気分解することによって発生したオゾンを水に溶け込ませる直接電気分解方式の2種類がある。
放電法によるオゾンガス溶解式は、浄水処理、食品洗浄分野で利用されているが、以下のデメリットがある。
(1)オゾンをいったんガスとして発生させ、その後、水に溶解させる2つの工程を必要とすること。
(2)後述する電解法に比較して濃度が低いため高圧下で水中に注入し、溶解させ、製造する必要があること。
(3)発生電源が高電圧・高周波のため、小型化しにくいこと。
(4)放電によるオゾン水生成装置では、オゾンガス発生能力が安定するまでの時間(数分間の待機時間)を要し、瞬時に一定濃度のオゾン水を調製することが困難であること。
これに対し直接電気分解方式は、小型化が可能であり、原理的に直流低圧電源を用いるため、瞬時応答性、安全性に優れており、小型のオゾンガス、オゾン水発生器としての利用が期待されている。
しかしながら、直接電気分解方式による小型のオゾン水生成装置では大電力の印加が難しく、高濃度のオゾン水生成が難しい問題点がある。このため、小型のオゾン水製造装置を殺菌等に用いる場合、殺菌に必要なオゾン濃度が得られず、十分な殺菌効果を得られないおそれがあった。こうした問題を解決すべく、小型の直接電気分解方式によるオゾン水製造装置において、オゾン濃度の高濃度化やオゾン水の殺菌力の向上のため、種々の手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、電気分解セルへの供給水を予め脱気し、その水を電気分解することによって、溶存オゾン濃度を向上させるオゾン水製造装置が提案されている。
また、特許文献2では、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される界面活性剤を0.01質量%以上4質量%以下の濃度で含有し、塩化物イオン濃度が0.03質量%以下である原料水を電気分解してオゾン水を生成させ、生成オゾン水を殺菌対象に接触させる殺菌方法が提案されている。この殺菌方法によれば、オゾン水を殺菌対象に接触させた場合、殺菌対象物に対する濡れ性が向上し、カビや細菌の細胞膜との親和性も向上するので、オゾンによる殺菌効果が向上することが記載されている。
しかしながら、特許文献1の殺菌方法では、脱気装置が必要なため装置が煩雑になり、また脱気装置の為の電力が余分に必要となるという問題がある。
また、特許文献2の殺菌方法では、生成するオゾンが界面活性剤の酸化分解に消費されて、却って、得られるオゾン濃度は低くなるおそれがある(このことは特許文献2の表1の結果からも支持される)。また、特許文献2の殺菌方法の替りに、界面活性剤を含有しない原料水を電気分解してオゾン水を製造した後、界面活性剤を混合させ、これを殺菌に用いた方が殺菌効果が高くなるはずであり、あえて界面活性剤を含有させた水を電気分解してオゾン水を製造する意義は存在しない。さらには、特許文献2のオゾン水の製造方法によって得られるオゾン水は、比較的高濃度の界面活性剤が含有しているため、殺菌後においても殺菌対象物表面に界面活性剤が残存してしまい、そのままでは該表面においてシミやべたつきが生じるため、除去するための工程が必要になる。さらには、環境面への負荷も大きくなるといった問題もある。
特開2014−113549号公報 特開2009−125628号公報
本発明は、上記従来の課題に鑑み成されたものであり、少ない電力で高い濃度のオゾン水を製造することが可能であって、殺菌後において殺菌対象物表面にシミやべたつき等の異物付着が少なく、環境への影響も小さいオゾン水を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、非イオン性界面活性剤を含有させた水を電気分解してオゾン水を製造するという上記特許文献2の方法において、非イオン性界面活性剤の濃度と得られたオゾン水中のオゾン濃度との関係について調べた。実験前においては、製造されるオゾン水のオゾン濃度は、界面活性剤の濃度が0に近づくにしたがって、単純に、原料水に界面活性剤を含有しない場合のオゾン濃度付近に収束するであろうと予測された。
ところが、この予想に反して、極微量の非イオン性界面活性剤を含有する原料水を電気分解して生成するオゾン水のオゾン濃度は、原料水に界面活性剤を含有しない場合のオゾン濃度よりも顕著に高くなるというピーク的効果を示す結果となった。本発明者らは、この驚くべき発見に基づいて更に研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のオゾン水製造方法は、水を電気分解することによってオゾン水を製造する方法であって、該水には水溶性の非イオン性界面活性剤が0.001質量%以上0.01質量%未満含まれていることを特徴とする。
本発明のオゾン水製造方法では、電気分解される水には0.001質量%以上0.01質量%未満という微量の水溶性の非イオン性界面活性剤が含まれている。ここで「水溶性」とは、常温(25℃)で電気分解する場合において非イオン性界面活性剤が水相と分離して別の相をなしたり、水相中に溶解せずに白濁して分散したりする場合を含まないことを意味する。この微量の水溶性の非イオン性界面活性剤の影響で、この方法で製造されたオゾン水には、単なる水を電気分解して製造したオゾン水よりもオゾン濃度が顕著に高くなる。このため、少ない電力で高い濃度のオゾン水を製造することが可能となる。また、水溶性の非イオン性界面活性剤は含まれているものの、その濃度は0.001質量%以上0.01質量%未満という極めて低濃度であるため、殺菌後において殺菌対象物表面に非イオン性界面活性剤が残っても、シミやべたつき等の原因となることはほとんどない。さらには非イオン性界面活性剤の濃度は極めて低いため、COD等の環境への影響も小さいものとなる。
水溶性の非イオン性界面活性剤としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体であることが好ましい。特に好ましいのは、前記エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体における該エチレンオキサイドの重合度は10以上30以下であり、該プロピレンオキサイドの重合度は10以上40以下であり、(該エチレンオキサイドのモル数)/(該プロピレンオキサイドのモル数)の値は0.3以上1以下である。
上述したように、本発明のオゾン水製造方法で製造したオゾン水はオゾン濃度も高く、殺菌力が高い。また、水溶性の非イオン性界面活性剤は含まれているものの、その濃度は0.001質量%以上0.01質量%未満という極めて低濃度であるため、殺菌後において殺菌対象物表面に非イオン性界面活性剤が残っても、シミやべたつき等の原因となることはほとんどない。
本発明のオゾン水製造方法を用いることにより、少ない電力で高い濃度のオゾン水を製造することが可能となる。また、オゾン水に含まれている非イオン性界面活性剤の濃度も0.001質量%以上0.01質量%未満という極めて低濃度であるため、殺菌後において殺菌対象物表面に非イオン性界面活性剤が残っても、シミやべたつき等の原因となることはほとんどない。また、CODを高くする等の環境への悪影響も少ない。
電気分解式オゾン水製造装置の模式図である。 電気分解式オゾン水製造装置における電解モジュール4の拡大図である。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明のオゾン水製造方法では、水に0.001質量%以上0.01質量%未満という極めて低濃度の非イオン性界面活性剤が添加されている。このため、非イオン性界面活性剤が添加されたことにより得られた原料水を電気分解して生成するオゾン水のオゾン濃度が、原料水に界面活性剤を含有しない場合のオゾン濃度よりも顕著に高くなる。その理由については、完全に解明された訳ではないが、以下のような作用機構によるものと推測される。
すなわち、原料水に添加された水溶性の非イオン性界面活性剤は、原料水の電気分解によってオゾンが生成されるとき、電極と電解液の界面の濡れ性を向上させる。このため、電気分解時に発生する酸素は電極表面から速やかに除去され、電極と電解液との接触面積が大きくなり、オゾンの発生も多くなり、オゾン濃度の高いオゾン水が得られる。一方、陰イオン性界面活性剤や、陽イオン性界面活性剤や両性界面活性剤では、イオン性を有しているため電気分解反応に関与し、界面活性剤自体が酸化もしくは還元され、同時にオゾン生成反応のための印加電力を消費してしまうので、オゾンの発生効率が低下し、その結果、オゾン濃度の高いオゾン水は得られない。
原料水に添加する非イオン性界面剤の添加量は、水中濃度として0.001質量%以上0.01質量%未満である。添加量が0.001質量%未満では水溶性の非イオン性界面活性剤の添加によるオゾン水の濃度を高める効果が得られ難い。
一方、水溶性の非イオン性界面活性剤の濃度が0.01質量%を超えると、生成したオゾンが界面活性剤の酸化分解に消費される割合が大きくなり、オゾン発生の電解効率が悪くなる。また、得られたオゾン水中に含まれる非イオン活性剤の濃度が高くなるため、このオゾン水を殺菌に用いた場合、殺菌対象物表面を乾燥させたとき、非イオン性界面活性剤が残留してシミやべたつきを生じさせるおそれがある。このため、さらに殺菌対象表面を水で洗浄する等の非イオン性界面活性剤の除去工程が必要となる。
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、水溶性であれば特に制限はなく、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体等のポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の一般に知られている非イオン性の界面活性剤を用いることができるが、特にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を使用することが好ましい。
非イオン性界面活性剤としてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を用いる場合、エチレンオキサイドの重合度は10以上30以下であり、プロピレンオキサイドの重合度は10以上40以下であり、(該エチレンオキサイドのモル数)/(該プロピレンオキサイドのモル数)の値は0.3以上1以下であることが好ましい。エチレンオキサイドのモル数がプロピレンオキサイドのモル数に対して0.3未満の場合はブロック共重合体の疎水性が増大するため原料水へ溶解し難くなる。
また、エチレンオキサイドのモル数がプロピレンオキサイドのモル数に対して1を超える場合、得られるオゾン中のオゾン濃度が低下する。この原因については完全には明確にはなっていないが、エチレンオキサイドのモル数がプロピレンオキサイドのモル数に対して1を超える場合、親水基の割合が多くなるため、これが電気分解反応に何らかの影響を与え、オゾンの発生効率が低下するものと推測される。
電気分解に用いられる水には、特に電解質を添加する必要はなく、一般の水道水や、それを浄水器に通した浄水を使用できるが、より高濃度のオゾン水を得るためには、蒸留水、又は逆浸透膜(RO膜)やイオン交換膜を通して調製したイオン交換水等の純水を主原料とすることが好ましい。この純水の水質は導電率として表わすと、1μS/cm以下が好ましく、更には0.1μS/cm以下がより好ましい。
純水に非イオン性活性剤のみを添加した電解液を用いた場合、得られるオゾン水は微量の水溶性非イオン性界面活性剤を含むのみであり、環境や人体への負荷が少なく、かつ高い殺菌力を有している。このため、こうして得られたオゾン水を室内、水回り、食器、衣類等の家庭用あるいは業務用の消臭、殺菌、漂白に用いたり、例えば手指等の人体の殺菌、消毒等に広く使用することができる。
本発明に用いる電気分解法には特に制限はないが、原料水の電気伝導度が低い場合には、オーム損による電力の無駄な消費を低減させるために、固体電解質を用いたSPE電解法を用いることが好ましい。また、電気分解を行うための陽極には、白金、二酸化鉛、導電性ダイヤモンドといった一般にオゾン発生用電極として用いられている電極を使用できるが、電極のオゾン発生能力や、溶出した際の安全性により、導電性ダイヤモンドを使用することが好ましい。また、固体電解質としては、プロトン伝導性のある固体電解質膜を用いることが好ましい。固体電解質膜の材質は、フッ素樹脂系、炭化水素樹脂系のいずれでも良いが、オゾンや過酸化物耐食性の面で前者が好ましい。固体電解質膜は、前述の通り、陽極、陰極で生成した物質が反対の電極で消費されるのを防止するとともに、液の電導度の低い場合でも電気分解反応を速やかに進行させる機能を有するため、伝導性の乏しい純水等を原料として利用する場合には必須となる。固体電解質膜としては、Dupont社のNafion(登録商標)等が使用できる。
また、固体電解質として固体のイオン交換能を有する多孔性材料(固体高分子電解質)を電極間に充填してもよい。多孔性材料の例としては、市販のイオン交換樹脂粒子があり、炭化水素系樹脂としてはスチレン系、アクリル酸系、芳香族重合体等があるが、耐食性の面からはフッ素樹脂製が好ましい。また適当な多孔性支持部材にイオン交換能を有する成分を形成することも可能である。ウェブ状に繊維化した材料も利用しやすい。材料の空隙率としては液の均一な分散と抵抗率の考慮から20〜90%が好ましい。孔或いは材料粒子のサイズは0.1〜10mmが好ましい。
また、本発明における電気分解において陰極で行われる反応は主に水素発生であり、陰極には水素に対して脆化しない電極触媒の使用が好ましい。例えば、白金族金属、ニッケル、ステンレス、チタン、ジルコニウム、金、銀、カーボン等が使用できる。
また、電極モジュールの材料は、電気分解反応時に発生するオゾンや過酸化物と接触するため、酸化耐性に優れた材料の使用が好ましい。本発明に使用できる電極モジュールとして、例えばデノラ・ペルメレック(株)社製のスパイラル式ダイヤモンド電極 型番:Y5672が挙げられる。
本発明において、原料水の温度は、オゾンガスの溶解性から0℃以上60℃未満とすることが好ましく、さらには0℃以上40℃未満とすることが好ましい。原料水の温度が高い場合、オゾンガスが十分に水に溶解できず気化するため、生成したオゾン水のオゾン濃度が低下する。
本発明において、電気分解時に印加する電圧・電流の大きさは、消臭あるいは殺菌、洗浄等の生成したオゾン水の使用目的や必要濃度、電気分解される溶液の容積等に応じて、適宜定めることが好ましい。
本発明における電源としては直流電源を使用する。その際、定電圧駆動が好ましく、印加する電圧は1〜50V、より好ましくは5〜20Vである。印加電圧が低すぎるとオゾンの発生が行われず、電極の消耗だけでなく、ガス発生量が増大することにより電解抵抗が上昇し、発熱が生じる。
電気分解の際の電流密度は0.01〜1A/cmとすることが好ましい。電極間距離は抵抗損失を低下させるためになるべく小さくすべきであるが、水を供給する際の圧力損失を小さくし、流れ分布を均一に保つために0.1〜5mmにするのが好ましい。生成した過酸化物の安定性や電解モジュールへの影響から、電気分解時の温度は0℃以上60℃未満とすることが好ましい。
次に本発明によるオゾン水生成に関する実施例を比較例と比較しつつ説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)オゾン水製造装置
実施例及び比較例に用いた電気分解式オゾン水製造装置の模式図を図1に示す。容器1中の原料水2をポンプ3によって電解モジュール4が入った電解セル5に供給し、電気分解され生成したオゾン水が得られる構成となっている。容器1、ポンプ3及び電解セル5は5mmφのシリコンチューブ6により接続されており、原料水はシリコンチューブ6内を通り、電解セルにより電気分解された後、吐出される。電気分解のための電力は直流電源7によって供給される。
本実施例及び比較例では、電極モジュール4として、デノラ・ペルメレック(株)社製のスパイラル式ダイヤモンド電極 型番:Y5672を用いた。この電解モジュール4は図2に示すように、導電性ダイヤモンド触媒を担持した金属棒である陽極8の周囲に、イオン交換膜から成る隔膜9の帯を巻き、この隔膜9の周囲に金属線から成る陰極10を巻き付けて構成されている。図2では陽極8の周囲に巻き付けた隔膜9の間隔が一定になっていないが、等間隔にしても良い。
(2)オゾン水製造試験
(実施例1)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−62、EO=モル10、PO=30モル)を0.005質量%となるように溶解させたものを用い、原料水を流量20mL/minで電解モジュールへ供給し、0.7Aの電流で電気分解を行い、得られたオゾン水のオゾン濃度を測定した。
(実施例2)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を0.001質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(実施例3)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を0.005質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(実施例4)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を0.008質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(実施例5)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王製エマルゲン1135S−70)を0.008質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(実施例6)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、ポリエチレングリコールモノラウレート(花王製エマノーン1112)を0.008質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(比較例1)
原料水として、純水を用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(比較例2)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を0.0005質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(比較例3)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を0.01質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(比較例4)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を0.1質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(比較例5)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−64、EO=モル25、PO=30モル)を1.0質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(比較例6)
原料水として、純水に非イオン性界面活性剤として、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体(ADEKA製プルロニックL−71、EO=モル5、PO=35モル)を0.008質量%となるように添加したものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。なお、L−71は原料水に完全には溶解せず、添加後の原料水は白濁した。
(比較例7)
原料水として、純水に陰イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(花王製エマール20C)を0.008質量%となるように溶解させたものを用い、実施例1と同条件で電気分解を行い、オゾン濃度を測定した。
(3)評 価
1)オゾン濃度測定
吐出されたオゾン水を採取後、ヨウ素滴定法によりオゾン濃度を測定した。オゾン濃度の測定結果を表1に示す。
Figure 2018114474
表1の結果から、非イオン性界面活性剤を0.001質量%以上0.01質量%未満で溶解させた実施例1〜実施例6では、原料水が純水のみ(比較例1)の場合と比較して、明らかにオゾン濃度が高いオゾン水が得られることが分かった。特に、非イオン性界面活性剤としてエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を用いた実施例1〜4では、オゾン濃度の高いオゾン水を得ることができた。
一方、陰イオン性界面活性剤を用いた比較例7では、純水のみの比較例1と比較してオゾン濃度が低下した。また、非イオン性界面活性剤の添加量を0.001質量%未満とした比較例2では、純水のみの比較例1とほぼ同等のオゾン濃度であり、、0.01質量%以上とした比較例3〜5では、純水のみの比較例1と比較してオゾン濃度が低下した。さらに、非イオン性界面活性剤が完全には溶解せずに白濁した比較例6においても、純水のみの比較例1と比較してオゾン濃度が低下した。
2)殺菌効果試験
実施例1〜6及び比較例1〜7のオゾン水、並びに水道水について、手指を対象とした殺菌試験を実施した。オゾン水又は水道水の50mLを手指に噴きかけ、30秒間待った後、手指の表面をウエスでふき取り、SCDLP寒天培地を用いてスタンプ試験を行った。採取した菌は、インキュベーターを用いて35℃で24時間培養し、コロニー数をカウントした。結果を表2に示す。表2における「ND」は未検出の意味である。なお、オゾン水又は水道水を手指に噴きかけないで、そのまま手指の表面をウエスでふき取り、SCDLP寒天培地を用いてスタンプ試験を行ったものをブランクとした。
3)殺菌対象物表面のべたつき感触試験
実施例1〜6並びに比較例1〜7のオゾン水を5名のモニターの手指にそれぞれ50mL噴きかけ、1分間待った後、手指のべたつき感の有無を評価した。その結果を表2に示す。5名全員がべたつき感を感じた場合は「5/5」、5名全員がべたつき感を感じなかった場合は「0/5」と表記した。
Figure 2018114474
表2より、菌数については、ブランクでは1000cfu/10cm以上の菌が検出されたが、実施例1〜6では未検出又は3cfu/10cm以下となり、比較例1〜7と比べ良好な結果となった。
また、実施例1〜6では、殺菌効果が高く、かつ、べたつき感も感じられないことが示された。

Claims (4)

  1. 水を電気分解することによってオゾン水を製造する方法であって、
    該水には水溶性の非イオン性界面活性剤が0.001質量%以上0.01質量%未満含まれていることを特徴とするオゾン水製造方法。
  2. 前記水溶性の非イオン性界面活性剤はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載のオゾン水製造方法。
  3. 前記エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体における該エチレンオキサイドの重合度は10以上30以下であり、該プロピレンオキサイドの重合度は10以上40以下であり、(該エチレンオキサイドのモル数)/(該プロピレンオキサイドのモル数)の値は0.3以上1以下であることを特徴とする請求項2記載のオゾン水製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法によって製造したオゾン水を殺菌対象に接触させることを特徴とする殺菌方法。

JP2017008066A 2017-01-20 2017-01-20 オゾン水製造方法及びオゾン水を用いた殺菌方法 Active JP6178528B1 (ja)

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