JP2004130264A - 電解水の製造方法 - Google Patents

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Yuji Okauchi
岡内 優司
Noriyuki Kitaori
北折 典之
Kiyoteru Osawa
大沢 清輝
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Abstract

【課題】有効塩素濃度が従来と同等でも、より殺菌効果に優れ、殺菌効果の持続性や洗浄力に優れた電解水を簡易に製造できる方法を提供する。
【解決手段】pH調整剤と界面活性剤と塩素化合物と水とを含有する被電解水を、無隔膜式の電解部で電気分解して、pH3〜8.5の電解水を製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺菌や洗浄等に有用に用いられる電解水の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、広範な環境における殺菌消毒剤として、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤が広く用いられている。中でも次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩は、価格面と効果の点で汎用されているが、医療、食品工業等、種々の分野で要求される微生物の殺菌、滅菌に対して、更にその効力を向上させるための多くの提案がなされている(特許文献1〜3)。通常、このような組成物は、各成分を水中に添加するか、各成分を含有する水溶液を混合することで調製される。更に、電解酸化水に表面張力を減少させる薬剤を加えた電解酸化水が提案されている(特許文献4)。
【0003】
一方、電気分解により生成される電解水が、農業、食品、医療等の分野において、有用であることが知られている。特に、近年では、電解水の優れた殺菌、消毒作用に着目し、医療現場や家庭での利用、例えば患部、切開部、留置カテーテルの経皮開口部等の殺菌、消毒、あるいはキッチン用品、ベビー用品、家具等の家庭用品、トイレ、浴槽等の住居まわりの殺菌、消毒に使用することが検討されている。このような電解水は、溶解によりイオンが生じる溶質、例えば塩化ナトリウム等を添加し、また必要に応じpH調整のための酸を添加した水(被電解水)を、電気分解することによって得られる。電気分解は、陽極および陰極よりなる電極対を有する電解槽、またはさらに陽極と陰極の間に隔膜を配置した構成の電解槽を用いて行われる。また、例えば、医療現場や家庭でより簡易に殺菌、消毒等を行うために、携帯可能な小型の電解水噴霧器が提案されている(特許文献5〜7)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−253803号公報
【特許文献2】
特開2001−342496号公報
【特許文献3】
特開2002−145710号公報
【特許文献4】
特開平7−328638号公報
【特許文献5】
特開2000−79393号公報
【特許文献6】
特開2000−197889号公報
【特許文献7】
特開2001−276826号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
保存安定性の点では、次亜塩素酸又はその塩や界面活性剤等の全成分を水溶液中に含有させた組成物の形態は不利であり、特許文献5〜7のように適用直前に電解水を生成させる方法が望ましい。しかし、このような形態では、多量の塩素ガスの発生を避けるため、また、効率良く大量の電解水を得るため、一般に有効塩素濃度は低いレベルに設定される。従って、電解水の殺菌効果の持続性が十分でなく、特に汚染面に適用された電解水は失活してしまう。
【0006】
本発明の課題は、有効塩素濃度が従来と同等でも、より殺菌効果に優れ、殺菌効果の持続性や洗浄力に優れた電解水を簡易に製造できる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、pH調整剤と界面活性剤と塩素化合物と水とを含有する被電解水を、無隔膜式の電解部で電気分解して、pH3〜8.5の電解水を製造する方法に関する。
【0008】
また、本発明は、容器と、該容器に収容されたpH調整剤と界面活性剤と塩素化合物と水とを含有する被電解水と、該被電解水を無隔膜式で電気分解する電極と、電解水の噴霧装置とを有し、pH3〜8.5の電解水を噴霧する噴霧器に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔被電解水〕
<塩素化合物>
塩素化合物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩酸などが挙げられ、塩化ナトリウムが好ましい。塩素化合物は、被電解水中に0.001〜20重量%、更に0.1〜10重量%の範囲で用いられるのが好ましい。
【0010】
<界面活性剤>
本発明に用いられる界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。
【0011】
陽イオン界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(炭素数12〜18)ジメチルアンモニウムクロライド等のジアルキルジメチルアンモニウム塩;アルキル(炭素数12〜14)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;置換ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩等のモノカチオン化合物の他、N−アルキル−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−プロピレンアンモニウム塩等のポリカチオン化合物が挙げられ、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、置換ベンザルコニウム塩が好ましく、特に、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキル(炭素数12〜18)ジメチルアンモニウムクロライド、アルキル(炭素数12〜14)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムが好ましい。
【0012】
陰イオン界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸エステル塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸エステル塩、高級アルコールエーテル置換の酢酸塩、脂肪酸とアミノ酸の縮合物、脂肪酸アミドのアルキロール化硫酸エステル塩、脂肪酸アミドのアルキル化スルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、アミドエーテルカルボン酸又はその塩、エーテルカルボン酸又はその塩、N−アシル−N−メチルタウリン又はその塩、アミドエーテル硫酸又はその塩、N−アシルグルタミン酸又はその塩、N−アミドエチル−N−ヒドロキシエチル酢酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸又はその塩、N−アシル−β−アラニン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルグリシン又はその塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボニルメチル硫酸又はその塩等が挙げられる。なかでも高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩又は高級アルコール硫酸エステル塩が好ましい。
【0013】
非イオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド等が挙げられ、前記各種脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数又はアルキルポリグリコシドのアルキル基の炭素数は6〜24が好ましく、6〜18がより好ましい。非イオン界面活性剤としては、製剤化を容易にする観点及び殺菌性能向上の観点から、ポリグリセリン(好ましくは縮合度2〜50)脂肪酸(好ましくは炭素数6〜24)エステル、アルキル(好ましくは炭素数6〜24)ポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
【0014】
両性界面活性剤としては、アルキル(好ましくは炭素数6〜22)ジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド、アルキルジメチルアミノ脂肪酸ベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等のベタインなどが挙げられ、アミンオキサイドが好ましい。
【0015】
界面活性剤は、被電解水中に0.0005〜30重量%、更に0.001〜20重量%、特に0.005〜10重量%の範囲で用いることが好ましい。また、界面活性剤は塩素化合物に対して、界面活性剤/塩素化合物=0.0003/1〜45/1、更に0.001/1〜30/1、特に0.003/1〜15/1の重量比で用いるのが好ましい。
【0016】
<pH調整剤>
pH調整剤としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸又はその塩、有機酸又はその塩等が挙げられる。これらの中でも殺菌効果向上の観点から有機酸又はその塩が好ましい。アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。無機酸又はその塩としては、塩酸、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。有機酸又はその塩としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和二塩基酸又はその塩や、フマル酸、マレイン酸等の不飽和二塩基酸又はその塩、更にクエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等が挙げられる。好ましくは飽和二塩基酸又はその塩、より好ましくは炭素数3〜10の飽和二塩基酸又はその塩であり、製剤安定性の観点から、特にコハク酸又はその塩が好ましい。
【0017】
pH調整剤は、生成する電解水のpHが3〜8.5、好ましくは3.5〜8、より好ましくは4〜7となるように用いられるが、被電解水中に0.0005〜1重量%、更に0.001〜0.1重量%の範囲で用いられるのが好ましい。なお、このpHは、20℃のものであり、ガラス電極pHメーターにより測定されたものである。
【0018】
<防腐剤>
本発明において、被電解水は防腐剤を含有することができる。ここで、防腐剤とは、塩素化合物を含有する被電解水の防腐効果を有する化合物からなるものであり、具体的には、(1)安息香酸又は安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩、(2)パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等のパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、(3)デヒドロ酢酸ナトリウム、(4)フェノキシエタノール、(5)ソルビン酸、(6)トリクロルサン、(7)エタノール、(8)ポリリジン等が挙げられ、パラオキシ安息香酸メチル、ポリリジンが好ましい。防腐剤は、被電解水中に0.0001〜5重量%、更に0.001〜1重量%の範囲で用いられるのが好ましい。
【0019】
〔噴霧器〕
本発明の噴霧器は、容器と、該容器に収容された上記特定の被電解水と、該被電解水を無隔膜式で電気分解する電極と、電解水の噴霧装置とを有する。
【0020】
本発明の噴霧器は、携帯可能な小型の電解水噴霧器が好ましく、噴霧器本体には、前記塩素化合物、前記界面活性剤、前記pH調整剤、更には前記防腐剤を含有する被電解水が収容される。
【0021】
特に、上記特定の被電解水と、被電解水を収容する容器と、該容器から吸引した溶液を噴霧する噴霧装置とを含む噴霧器であって、前記容器と前記噴霧装置との間の溶液の吸引経路に前記被電解水を電気分解する電極を備え、電気分解により生成した次亜塩素酸又はその塩の溶液を噴霧する次亜塩素酸生成噴霧器が好ましい。該噴霧器の噴霧装置は、トリガースプレーヤーが好ましい。また、前記吸引経路が管状体により形成され、該管状体内部に電極を有することが好ましい。この管状体の先端は先細形状となっていることが好ましい。トリガースプレーヤーには、トリガーの操作により電極への電圧の印加をオン−オフするスイッチが設けられていることが好ましく、更にトリガーの操作開始から0.1〜1秒で電気分解により生成した次亜塩素酸又はその塩の溶液を噴霧できることが好ましい。該噴霧器の電気分解のための電源は電池が好ましい。該噴霧器に上記本発明の被電解水を充填し、噴霧することにより、電解水がその生成とほぼ同時に噴霧される。図1に、このような噴霧器の概略図を示した。図1の噴霧器1は、容器2と、噴霧装置であるトリガースプレーヤー3とからなっている。容器2は、内部に塩素化合物を含有する被電解水を収容している。該噴霧器では、容器2とトリガースプレーヤー3との間の溶液の吸引経路が先細形状のディップチューブ11により形成され、且つ該ディップチューブ11は溶液を電気分解する電極30a、30bを備えており、電解部を形成している。トリガースプレーヤー3には、電池32が収容され、電池32の一端のスペースには回路部33が設けられている。この回路部33は、電池32の電圧を電極30a、30bに印加する。トリガー7をA方向に引くと電解が開始され、ノズル9から電解水が噴霧される。
【0022】
〔製造方法〕
本発明では、上記被電解水を、無隔膜式の電解部で電気分解する。電解部の規模、実施条件は、pH3〜8.5の電解水が製造されれば、何れでもよい。また、電解部の形状は、電解槽のような容器型、図1のような管状型(開放形)が挙げられる。生成する電解水のpHは、例えばpH調整剤の添加量を調整することで所望の値とすることができる。特に、被電解水を収容する容器と、被電解水を電気分解する電極と、電解水の噴霧装置とを有する噴霧器を用いることで、安定性や殺菌効果の持続性に優れた電解水が製造できる。
【0023】
上記以外に、本発明の被電解水は、本発明の性能を損なわない範囲内で、香料、色素、界面活性剤以外の殺菌剤、増粘剤、酵素、漂白剤、キレート剤、塩素化合物以外の電解質、ビルダー、防錆剤等の添加剤を含有することができる。
【0024】
図1のような噴霧器を用いて無隔膜式で電解水を製造する本発明の方法の一例を以下に示す。図1の噴霧器は、塩素化合物の溶液を収容する容器本体2の口部に、トリガースプレイヤー3が装着されてなる。該トリガースプレイヤー3は、互いに連通する水平管路(図示せず)及び垂直管路(図示せず)が設けられると共に該水平管路及び垂直管路に液状物を供給するピストン・シリンダー機構(図示せず)が配設されたスプレイヤー本体(図示せず)と、該スプレイヤー本体に回動自在に装着されたトリガー7と、上記水平管路の前方部に装着されたスピンエレメント(図示せず)と、該スピンエレメントの前方部に装着されたノズル部材9と、上記垂直管路に装着されたインテイク(図示せず)と、該インテイクに装着されたチューブ11とを備え、且つ上記スプレイヤー本体及び上記インテイクが、上記容器本体2内に外気を導入する外気導入孔(図示せず)を有し、上記チューブ11内に前記溶液を電気分解する電極30a、30bを備え、電気分解により生成した次亜塩素酸又はその塩の溶液を噴霧する。該噴霧器において、(1)被電解水としてpH調整剤と界面活性剤と塩素化合物を含有するpHが3〜8のものを用いる、(2)電極を管状体(ディップチューブ)の内部に設置する、(2)電圧を2.6〜30Vに設定する、(3)電解時間を0.1〜1秒に設定する、(4)pH調整剤の量を調整する、などの要件を適宜調整することで、pH3〜8.5の電解水を噴霧することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、有効塩素濃度が従来と同等でも、殺菌効果の持続性や洗浄力に優れた電解水を簡易に製造できる方法が提供される。
【0026】
【実施例】
実施例1〜4及び比較例1
縦30mm、横5mm、厚さ0.2mmの白金製の電極に、端部に切り込みを入れ、その部分を折り曲げて、他方の電極に向かって突出した凸部を有する電極を、図1で示すようなトリガー式の噴霧器のディップチューブ内に配置した。電極間の距離は3mmである。電力は9Vの乾電池を用い、抵抗を入れ5Vに調整し、直流の電気が、トリガーを引くと同時に流れるようにした。被電解水は、1重量%の塩化ナトリウム、表1に示す量の界面活性剤、生成する電解水のpHが5となる量(pH調整量)のコハク酸、及び残部の水からなるものを用いた。得られた噴霧器を用いて、以下の評価を行った結果を表1に示す。
【0027】
(1)電解水の有効塩素濃度
毎秒1回の割合で噴霧器のトリガーを20回引き、噴霧された電解水の有効塩素濃度を、JIS K−0101“ヨウ素法”により測定した(以下の実施例、比較例も同様)。
【0028】
(2)殺菌力の評価方法
被験菌として大腸菌(E.coli IFO3972)又はセレウス菌(Bacillus cereus IFO13494)を用い、定法により処理を行い、得られた菌を試験に供した。大腸菌の場合は、前培養した菌を一白金耳かきとり、SCD培地(日本製薬(株)製)に接種し、37℃で24時間振トウ培養したものを遠心分離し、10cells/mlに調整したものを試験に用いた。また、セレウス菌の場合は、SCD寒天培地(日本製薬(株)製)に前培養した菌を一白金耳かきとり、1mlの滅菌水に懸濁し、65℃、30分間の熱処理後、2回遠心分離洗浄を行ったものを試験に用いた。この試験用芽胞菌液を10cells/mlに調整した。
【0029】
それぞれの菌を0.1ml採取し、それぞれ50mm×50mmのステンレス板(SUS304)の上に塗布した。上記の噴霧器から電解水を1回噴霧し、セレウス菌の場合は5分間、大腸菌の場合は1分間接触させた後、滅菌した綿棒で表面をふきとった。該綿棒を、チオ硫酸ナトリウム3.3%水溶液を添加したSCDLP培地(日本製薬(株)製)に浸漬し、付着物を十分に分散させた。37℃で48時間培養後、菌の生育の有無を確認し、以下の基準で評価した。
○:完全に滅菌されている(菌の生育が全く見られない)
×:滅菌が不完全である(菌の生育が見られる)。
【0030】
【表1】
Figure 2004130264
【0031】
(注)表1中の成分は、以下のものである(以下同様)。
*1:サニゾールC〔花王(株)製〕
*2:エマール20C〔花王(株)製〕
*3:MCA−750〔阪本薬品工業(株)製〕
*4:アンヒトール20N〔花王(株)製〕。
【0032】
実施例5〜6及び比較例2
表2に示す組成の被電解水を用い、実施例1の噴霧器を用いて以下の試験を行った。結果を表2に示す。
【0033】
(3)殺菌力の持続性の評価方法
実施例1の(2)で調製した大腸菌0.1mlを採取し、50mm×50mmのステンレス板(SUS304)の上に塗布した。上記の噴霧器から電解水を1回噴霧し、2時間放置した。その後、同じ大腸菌0.1mlを、電解水を噴霧した箇所に更に塗布した。12時間後、滅菌した綿棒で表面をふきとり、実施例1の(2)と同様に菌の生育の有無を確認し、評価した。
【0034】
【表2】
Figure 2004130264
【0035】
実施例7〜8及び比較例3
表3に示す組成の被電解水を用い、実施例1の噴霧器を用いて以下の試験を行った。ただし、噴霧器は有効塩素濃度50ppmの電解水が噴霧されるように調製した。結果を表3に示す。
【0036】
(4)殺菌試験
鶏挽肉ともやしとを2:1の重量比で混合したもの2gを、120mm×200mmのポリプロピレン製まな板に擦り付け、被殺菌物とした。該被殺菌物に、噴霧器から電解水を5ml噴霧し、1分間まな板全体をスポンジでこする。その後流水で30秒間洗い流し、まな板の中央付近を50mm×50mmの範囲を滅菌した綿棒でふき取り、実施例1の(2)と同様に菌の生育の有無を確認し、評価した。
【0037】
【表3】
Figure 2004130264
【0038】
(注)表3中の成分は、以下のものである。
*5:エマルゲン707〔花王(株)製〕
実施例9
表1の実施例3の被電解水において、水の一部をパラオキシ安息香酸メチル0.2重量%に代えた被電解水を開放系で24時間放置(25℃)した後、実施例1の噴霧器に充填して40℃で2週間保存したところ、内容物にはカビの発生は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の噴霧器の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:次亜塩素酸生成噴霧器
2:容器
3:噴霧装置
11:ディップチューブ
30a、30b:電極

Claims (7)

  1. pH調整剤と界面活性剤と塩素化合物と水とを含有する被電解水を、無隔膜式の電解部で電気分解して、pH3〜8.5の電解水を製造する方法。
  2. pH調整剤が、有機酸である請求項1記載の方法。
  3. 被電解水が、更に防腐剤を含有する請求項1又は2記載の方法。
  4. 容器と、該容器に収容されたpH調整剤と界面活性剤と塩素化合物と水とを含有する被電解水と、該被電解水を無隔膜式で電気分解する電極と、電解水の噴霧装置とを有し、pH3〜8.5の電解水を噴霧する噴霧器。
  5. 被電解水が、更に防腐剤を含有する請求項4記載の噴霧器。
  6. 噴霧装置がトリガースプレーヤーである請求項4又は5記載の噴霧器。
  7. 管状体により形成された被電解水の吸引経路を備え、該管状体内部に電極を有する請求項4〜6の何れか1項記載の噴霧器。
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