JP2018113302A - 変調光源及び光モジュール - Google Patents
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Abstract
Description
このような変調光源としては、例えば、シリコン細線光導波路を用いた微細なリング変調器を用いたものがある。
つまり、変調フィルタリングと呼ばれる手法を用いて、例えば図2に示すように、2つの反射鏡によって構成される光共振器の中に光学利得媒質を設けて構成されるレーザ共振器の中に、例えば10〜100Gb/s程度の高速電気信号が入力されて動作する光路切替スイッチ(高速光路スイッチ)を設け、レーザ共振器内の光をレーザ共振器外へ導くカプリング係数の変調を行なうことで、小型・低消費電力の変調光源を実現することが考えられる。
しかしながら、このような変調光源では、光路の切り替えに伴って光共振器の内部光に歪が生じ、内部光に変調を加えた出力光の波形(出力波形)にも歪が生じてしまうことがわかった(図2参照)。
本発明は、内部光の歪を抑え、出力波形の歪を抑えながら、消費電力を低減することを目的とする。
1つの態様では、光モジュールは、変調光源と、変調光源に接続されたドライバ回路とを備え、変調光源は、光共振器と、光共振器内に設けられ、量子ドットを有する光学利得媒質と、光共振器内に光を留める第1光路と光共振器外に光を取り出す第2光路とを切り替えて出力光の強度変調を行なう光路切替スイッチとを備える。
本実施形態にかかる変調光源は、変調フィルタリングと呼ばれる手法を用いた小型・低消費電力の変調光源であって、高速の光路切替スイッチをレーザ共振器の中に設け、レーザ共振器内の光をレーザ共振器外へ導くカプリング係数の変調を行なうものである。
このように、本実施形態では、光学利得媒質2を光共振器1の中に設けてレーザ発振させるとともに、高速の光路切替スイッチ4を設けて、光共振器1に光を留める第1光路(経路A⇔B1)と、光共振器1外に光を取り出す第2光路(経路A⇔B2)を切り替えることで、出力光の強度変調を行なえるようにしている。
また、量子ドット3は、同じ材料からなるウェッティング層を有する量子ドット、即ち、Stranski-Krastanow量子ドットである。
ここでは、P側電極10及びN側電極11に電圧を印加することで、量子ドット3に電流によるキャリア注入が行なわれ、量子ドット3によって光学利得が得られるようになっている。つまり、光共振器1を構成する光導波路及びこれに接続された量子ドット光学利得媒質2が、光学利得導波路として機能し、レーザ発振するレーザ光源を構成している。
ここでは、光路切替スイッチ4には、例えば10〜100Gb/s程度の高速電気信号が入力され、これに応じて、第1光路(経路A⇔B1)と第2光路(経路A⇔B2)とがアナログあるいはデジタル的に切り替えられることで、出力光の強度変調が行なわれるようになっている。
今後需要が高まる1Tb/s以上のチップ間、パッケージ間相互接続を実現する技術として検討されている変調フィルタリングと呼ばれる手法を用いて、シリコン細線光導波路を用いた小型・低消費電力の高速光変調器(光路切替スイッチ)をレーザ共振器の中に設け、レーザ共振器内の光を共振器の出力ポートへ導くカプリング係数(光結合量)の変調を行なう変調光源を実現することが考えられる。
これにより、これまで最も小型・低消費電力と言われているVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)よりもさらに小型・低消費電力の変調光源を、例えば、低コストで量産性に優れるシリコン光集積回路上に実現することが可能である。
特に、光学利得媒質に注入する電流が小さいと、光共振器内の光パワーが大きく変調を受け、結果として、出力波形を歪ませる要因となっていることがわかった。
そこで、内部光の歪を抑え、出力波形の歪を抑えながら、消費電力を低減するために、上述のような構成を採用している。
つまり、上述のように、光学利得媒質2に量子ドット3を用いることで、出力波形の歪を抑えることができ、注入電流が小さくても良いため、消費電力を低減することが可能となる。
この場合、光路切替スイッチ4としてのリング変調器は光波長フィルタとして機能する。つまり、レーザ共振器6では複数のFabry-Perot(FP)モードでレーザ発振が起こるが、光波長フィルタとして機能するリング変調器4によって、これらの中から単一のモードのみが選択されて発振することになる。そして、発振した光は、リング変調器4に変調信号を入力することで、出力ポートへの結合効率が変化して強度変調されることになる。
ここでは、変調フィルタリングを用いてシリコン光集積回路上に設けられた小型・低消費電力の変調光源を例に挙げて、図4を参照しながら説明する。
この具体例の変調光源では、光学利得媒質2として、InP基板13上に成長したInGaAsP層14上に形成されるInAs Stranski-Krastanow量子ドット3を活性層7に有するゲインチップ12を用いる。
また、このゲインチップ12では、一方の端面に反射鏡5としての高反射コート(反射膜)15が施され、他方の端面に無反射コート16が施されている。
このため、ゲインチップ12によって構成される光学利得導波路以外の光導波路は、SOIプラットフォーム17を構成するSOI基板のSOI層を加工することによって作製したSi細線導波路18である。
ここで、Si細線導波路18は、シリコン導波路コア20を含む光導波路である。ここでは、光導波路コア20がSiであり、光導波路クラッド21がSiO2である。
そして、リング変調器19を構成するリング状のSi細線導波路18の近傍に、変調電極23が設けられており、これに、例えば10〜100Gb/s程度の高速電気信号(変調信号)を入力することで、第1光路(経路A⇔B1;例えば図1、図3参照)と第2光路(経路A⇔B2;例えば図1、図3参照)とがアナログあるいはデジタル的に切り替えられ、出力ポートへのカップリング係数(結合効率)が変化して、出力光の強度変調が行なわれるようになっている。
なお、量子ドット3の材料は、上述の具体例で挙げたものに限定されるものではなく、例えば、GaAs基板上に成長したInAsドットでも良いし、その他の基板材料、ドット材料であっても良い。つまり、量子ドット3の材料は、求められる発振波長に合わせて選択することが可能である。
また、上述の具体例では、レーザ共振器6を、Si細線導波路18に設けられたDBR22とゲインチップ12の高反射コート15とで構成しているが、これに限られるものではなく、その他の反射鏡、例えば導波路で構成したループミラーなど、所望の反射率が得られる光反射機構を用いて構成すれば良い。
また、上述の実施形態及び具体例では、光路切替スイッチ4としてリング変調器19を用いているが、これに限られるものではなく、光路切替スイッチ4は、光共振器1内に光を留める第1光路(経路A⇔B1;例えば図1、図3参照)と光共振器1外に光を取り出す第2光路(経路A⇔B2;例えば図1、図3参照)とを切り替えて出力光の強度変調を行なえるものであれば良い。例えば、マッハツェンダ変調器、Arrayed Waveguide Grating(AWG)などの回折格子を用いたものであっても良い。また、例えば、複数のリング変調器を用いても良い。
また、例えば、光共振器1は、ループ状の光導波路を含むリング共振器によって構成されていても良い。つまり、光共振器(レーザ共振器)は、ループ状の光導波路に量子ドットを有する光学利得媒質を設けたリング共振器であっても良い。例えば、リング状のSi細線導波路上に、量子ドットを有する光学利得媒質を設けることで、レーザ共振器を構成しても良い。
特に、変調フィルタリングと呼ばれる手法を用いた小型・低消費電力の変調光源の消費電力をさらに低減することが可能となる。例えば、変調フィルタリングを用いてシリコン光集積回路上に設けられた小型・低消費電力の変調光源において消費電力をさらに半減させることが可能になる。
図5(A)中、符号Xで示すように、比較例の変調光源(図2参照)では、光学利得媒質への注入電流が40mA以下の低電流では低周波領域の平坦性が劣化している。
出力光波形(変調出力信号波形)で見ると、図6(A)、図6(B)に示すような違いとなる。
このように、上述の実施形態の変調光源(図1、図3、図4参照)によれば、出力光波形の歪を抑えながら、消費電力を半減させることが可能になる。
例えば、図7に示すように、光送信器モジュール27は、上述の具体例のように構成される変調光源26と、ゲインチップ12に接続されたゲインチップ用ドライバ回路28と、リング変調器19の変調電極23に接続された変調器用ドライバ回路29と、リング変調器19のヒータ24に接続されたヒータ電極25に接続されたヒータ用ドライバ回路30とを備えるものとして構成される。
このように、光モジュール(光送信器モジュール)27は、変調光源26と、変調光源26に接続されたドライバ回路28〜30とを備えるものとし、変調光源26を、上述の実施形態のように構成されるものとすることができる。
以下、上述の実施形態に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
光共振器と、
前記光共振器内に設けられ、量子ドットを有する光学利得媒質と、
前記光共振器内に光を留める第1光路と前記光共振器外に光を取り出す第2光路とを切り替えて出力光の強度変調を行なう光路切替スイッチとを備えることを特徴とする変調光源。
前記光学利得媒質は、前記量子ドットを有する量子ドット半導体層と、前記量子ドット半導体層を挟んで設けられたP型半導体層及びN型半導体層と、前記P型半導体層及び前記N型半導体層のそれぞれに接し、前記量子ドットにキャリア注入を行なうためのP側電極及びN側電極とを備えることを特徴とする、付記1に記載の変調光源。
前記光路切替スイッチは、1GHz以上の帯域で動作することを特徴とする、付記1又は2に記載の変調光源。
(付記4)
前記量子ドットは、同じ材料からなるウェッティング層を有する量子ドットであることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の変調光源。
前記光共振器を構成する光導波路、前記第1光路及び前記第2光路は、シリコン導波路コアを含む光導波路からなることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の変調光源。
(付記6)
前記光路切替スイッチは、リング変調器を含むことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の変調光源。
前記光共振器は、2つ以上の反射鏡を含むことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の変調光源。
(付記8)
前記光共振器は、ループ状の光導波路を含むリング共振器を含むことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の変調光源。
変調光源と、
変調光源に接続されたドライバ回路とを備え、
前記変調光源は、
光共振器と、
前記光共振器内に設けられ、量子ドットを有する光学利得媒質と、
前記光共振器内に光を留める第1光路と前記光共振器外に光を取り出す第2光路とを切り替えて出力光の強度変調を行なう光路切替スイッチとを備えることを特徴とする光モジュール。
前記光学利得媒質は、前記量子ドットを有する量子ドット半導体層と、前記量子ドット半導体層を挟んで設けられたP型半導体層及びN型半導体層と、前記P型半導体層及び前記N型半導体層のそれぞれに接し、前記量子ドットにキャリア注入を行なうためのP側電極及びN側電極とを備えることを特徴とする、付記9に記載の光モジュール。
前記光路切替スイッチは、1GHz以上の帯域で動作することを特徴とすることを特徴とする、付記9又は10に記載の光モジュール。
(付記12)
前記量子ドットは、同じ材料からなるウェッティング層を有する量子ドットであることを特徴とする、付記9〜11のいずれか1項に記載の光モジュール。
前記光共振器を構成する光導波路、前記第1光路及び前記第2光路は、シリコン導波路コアを含む光導波路からなることを特徴とする、付記9〜12のいずれか1項に記載の光モジュール。
(付記14)
前記光路切替スイッチは、リング変調器を含むことを特徴とする、付記9〜13のいずれか1項に記載の光モジュール。
前記光共振器は、2つ以上の反射鏡を含むことを特徴とする、付記9〜14のいずれか1項に記載の光モジュール。
(付記16)
前記光共振器は、ループ状の光導波路を含むリング共振器を含むことを特徴とする、付記9〜14いずれか1項に記載の光モジュール。
2 光学利得媒質
3 量子ドット
4 光路切替スイッチ
5 反射鏡
6 レーザ共振器
7 量子ドット半導体層
8 P型半導体層
9 N型半導体層
10 P側電極
11 N側電極
12 ゲインチップ
13 InP基板
14 InGaAsP層
15 高反射コート(反射膜)
16 無反射コート
17 シリコン光集積回路(SOIプラットフォーム)
18 Si細線導波路
19 リング変調器
20 光導波路コア
21 光導波路クラッド
22 分布ブラッグ反射鏡(DBR)
23 変調電極
24 ヒータ
25 ヒータ電極
26 変調光源
27 光送信器モジュール
28 ゲインチップ用ドライバ回路
29 変調器用ドライバ回路
30 ヒータ用ドライバ回路
31 光ファイバ
Claims (9)
- 光共振器と、
前記光共振器内に設けられ、量子ドットを有する光学利得媒質と、
前記光共振器内に光を留める第1光路と前記光共振器外に光を取り出す第2光路とを切り替えて出力光の強度変調を行なう光路切替スイッチとを備えることを特徴とする変調光源。 - 前記光学利得媒質は、前記量子ドットを有する量子ドット半導体層と、前記量子ドット半導体層を挟んで設けられたP型半導体層及びN型半導体層と、前記P型半導体層及び前記N型半導体層のそれぞれに接し、前記量子ドットにキャリア注入を行なうためのP側電極及びN側電極とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の変調光源。
- 前記光路切替スイッチは、1GHz以上の帯域で動作することを特徴とする、請求項1又は2に記載の変調光源。
- 前記量子ドットは、同じ材料からなるウェッティング層を有する量子ドットであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変調光源。
- 前記光共振器を構成する光導波路、前記第1光路及び前記第2光路は、シリコン導波路コアを含む光導波路からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の変調光源。
- 前記光路切替スイッチは、リング変調器を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の変調光源。
- 前記光共振器は、2つ以上の反射鏡を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変調光源。
- 前記光共振器は、ループ状の光導波路を含むリング共振器によって構成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変調光源。
- 変調光源と、
変調光源に接続されたドライバ回路とを備え、
前記変調光源は、
光共振器と、
前記光共振器内に設けられ、量子ドットを有する光学利得媒質と、
前記光共振器内に光を留める第1光路と前記光共振器外に光を取り出す第2光路とを切り替えて出力光の強度変調を行なう光路切替スイッチとを備えることを特徴とする光モジュール。
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