JP2011040557A - 偏光変調レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号品質を維持しつつ高速な偏光変調動作が可能である偏光変調レーザ装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、対向して配置されたDBR層102及びDBR層112と、DBR層102とDBR層112との間に配置された活性層103とを有する共振器構造を備える。変調層108と変調層110とは共振器構造内を往復する光をそれぞれ異なる方向に偏光させる。また、変調層108及び変調層110に入力される変調信号に応じて、変調層108及び変調層110のいずれか一方向の偏光強度が選択的に大きくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は偏光変調レーザ装置に関し、特に光通信の分野で用いられる偏光変調レーザ装置及びその製造方法に関する。
大容量伝送が可能な光通信は、早くから、特に長距離通信において広く実用に供されてきた。その一方、近距離の通信には、主に電気信号伝送が用いられてきた。ところが、データ伝送の高速化に伴い、近距離においても電気信号の問題点である信号歪やクロストークが無視できないレベルになっている。このため、近距離通信にも光伝送が適用されつつある。特に近年、同じ室内にある情報処理機器間、あるいは機器内といった、より近距離にも光通信を用いる光インターコネクションが注目され、盛んに研究されている。
小型、低消費電力、低コストという特長を有する面発光レーザは、光インターコネクション用光源として望ましく、ギガビットイーサネット(登録商標)用の光源などに広く利用されている。この面発光レーザの変調手段としては、直接変調方式が用いられている。直接変調方式とは、レーザへ入力される電流量を増減(変調)し、これによりレーザから放射される光の強度を変調する簡便な変調手段である。しかし、直接変調方式における変調速度は、レーザの緩和振動周波数によって制限されるので、その変調速度には限界がある。
外部変調器を用いることによって変調速度を向上させることが可能である。しかし、変調器自体のコストと、レーザと外部変調器とを光接続するためのコストと、が必要となり、直接変調方式に比べてコストが大幅に増大する。このコストは、レーザと外部変調器をモノリシックに集積することにより低減が可能であり、例えば、エッジエミッタ型レーザとEA(Electronic Absorption)変調器を集積したEML(Electro−absorption Modulator integrated Laser diode)が長距離通信用として実用化されている。
ところが、面発光レーザでは光の共振方向が基板主面に対して垂直方向である。そのため、面発光レーザと外部共振器を集積するには、基板主面に対して垂直方向に積層された構造からなる変調器を形成することになる。この場合、変調器を構成する各層の厚さは数μm程度が限界であり、上述のEMLのように数百μmもの長さの吸収層に光を導波させることは事実上不可能である。また、屈折率変化を用いた変調器でも、層の厚さに同様の制約がある。従って、いずれにしても十分な機能を有する変調器を集積することはできない。このため、面発光レーザを用いた場合には、直接変調方式を超える高速変調は困難であった。
この問題を解決するため、偏光変調方式が提案されている。この方式では、面発光レーザからの出射光の偏光方向を入力信号に応じて切り替える。偏光子を通してこの出射光を受光して偏光方向の変化を強度信号に変換することにより、高速変調を実現する。この偏光変調方式を実現する方法として、幾つかの方式が提案されている。特許文献1では利得の偏光方向依存性を有する量子細線が設けられた2つの活性層を用いる構造が開示されている。この2つの活性層のそれぞれの偏光方向は互いに直交している。そして、それぞれの活性層への電流注入量を制御することにより偏光変調を行う。
特許文献2では、波長の長短に応じて偏光方向が切り替わる構造が開示されている。本構造では、電流注入、光励起又は温度変化により波長を変化させ、偏光方向を切り替えることができる。
特許文献3では、量子細線を用いた偏光制御層および矩形メサ構造を有する構造が開示されている。本構造によれば、偏光制御層へのバイアスが無い場合は矩形メサ構造によって偏光方向が規定されるが、バイアスをかけることによりその方向を変化させて変調を行うことができる。本構造では、矩形メサ構造により、無バイアス(電圧無印加)時の偏光方向が決定される。
図10は、特許文献3の偏光変調面発光レーザ装置における損失の偏光方向依存性を示す図である。図10において、A方向は矩形メサの短手方向、B方向は長手方向を示している。図10に示すように、本構造は、光導波路損失が偏光方向により差異があることを利用している。
偏光制御層に電圧を印加するにつれて変調器における損失が増加し、矩形メサ構造に起因する損失よりも大きくなる。これにより、合計の損失が小さくなる偏光方向がA方向からB方向へと移る。すなわち、レーザは損失の小さい方向の偏光方向で発振するため、電圧無印加時はB方向、電圧印加時はA方向で発振する。従って、印加電圧の有無により偏光方向を切り替えて偏光変調を行うことができる。
特開平10−261842号公報 特開平6−232501号公報 国際公開第2006/011370号
しかし、特許文献1〜3に開示された方法には、それぞれ以下のような問題がある。特許文献1に記載された方式では、2つの活性層への電流量を変化させる必要があるため、直接変調と同様に緩和振動周波数による変調速度制限を受ける。したがって本方式では、先に述べた偏光変調方式による高速化が原理的に実現不可能である。
特許文献2に記載された方式では、偏光方向を安定して切り替えるためには、波長を大きく変化させることが必要である。これには、共振器内の光路長を大きく変えねばならないが、そのためには厚い屈折率変化層が必要である。上述のように、面発光レーザに厚い層を集積するのは、極めて困難である。また、屈折率を大きく変えるために、高い電圧又は大きな電流量が必要となる。
特許文献3に記載された方式では、電圧の有無により、最小の損失、すなわち発振する偏光方向(図10のA方向又はB方向)の損失が原理的に異なる。このため、変調時の偏光方向の変化に伴い、光出力の変動が生じる。この光出力の変動は雑音となり、信号品質を劣化させてしまう。
本発明は、上記のような背景に基づいて成されたものであり、信号品質を維持しつつ高速な偏光変調動作が可能である偏光変調レーザ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様である偏光変調レーザ装置は、対向して配置された第1の反射鏡及び第2の反射鏡と、前記第1の反射鏡と前記第2の反射鏡との間に配置された活性層と、を少なくとも有する共振器構造を備え、前記共振器構造は、前記第1の反射鏡と前記第2の反射鏡との間に、当該共振器構造内で生じるレーザ光をそれぞれ異なる方向に偏光させる複数の変調部をさらに備え、複数の前記変調部に入力される変調信号に応じて、複数の前記変調部のいずれか一つの偏光強度が選択的に大きくなるものである。
本発明の一態様である偏光変調レーザ装置の製造方法は、第1の反射鏡を半導体基板よりも上層に形成する工程と、活性層及び複数の変調部を前記第1の反射鏡よりも上層に形成する工程と、第2の反射鏡を前記活性層及び複数の前記変調層よりも上層に形成する工程と、を少なくとも備え、複数の前記変調器は、前記第1の反射鏡、前記第2の反射鏡、前記活性層、複数の前記変調器からなる共振器構造内で生じるレーザ光をそれぞれ異なる方向に偏光させ、前記変調信号に応じて、複数の前記変調部のいずれか一つの偏光強度が選択的に大きくなるものである。
本発明によれば、信号品質を維持しつつ高速な偏光変調動作が可能である偏光変調レーザ装置及びその製造方法を提供することができる。
実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の構成を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の製造工程を模式的に示す断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置の変調層に設けられた量子細線に印加される電圧と光の吸収係数との関係を示すグラフである。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置に印加される変調信号を示すグラフである。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置における量子細線の転換例を示す拡大断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置における量子細線の転換例を示す拡大断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置における量子細線の転換例を示す拡大断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置における量子細線の転換例を示す拡大断面図である。 実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置に印加される変調信号を示すグラフである。 特許文献3にかかる偏光変調面発光レーザ装置における損失の偏光方向依存性を示す図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1では、0.98μm帯の面発光レーザを例として説明する。まず、実施の形態1に係る偏光変調レーザ装置100の構成について説明する。図1は偏光変調レーザ装置100の構成を模式的に示す断面図である。偏光変調レーザ装置100は、例えば、n型のGaAsからなる半導体基板101上に、DBR(Distributed Bragg Reflector、分布型ブラッグ反射鏡)層102、活性層103、Al0.98Ga0.02Asからなる半導体層104a及び酸化AlGaAs層からなる電流狭窄構造104b、p型GaAsからなる半導体層105が順に形成されている。
DBR層102は、n型GaAs層とn型AlGaAs層とが繰り返されて構成されている。活性層103は、InGaAsからなる井戸層とGaAsからなる障壁層とが繰り返されて構成されている。
半導体層105上には、アンドープGaAsからなる半導体層106、n型GaAsからなる半導体層107、量子細線108bが形成された変調層108、p型GaAsからなる半導体層109、量子細線110bが形成された変調層110、n型GaAsからなる半導体層111、誘電体からなるDBR層112が順に形成されている。
変調層108に形成された量子細線108bと、変調層110に形成された量子細線110bと、はそれぞれ同じ構造を有し、かつ90°回転して配置されている。例えば、図1に示すように、量子細線108bは紙面に対して垂直な方向に形成されている。一方、量子細線110bは、紙面鉛直方向を軸として量子細線108bに対して90°回転し、紙面に対して平行な方向に形成されている。
また、偏光変調レーザ装置100では、DBR層102とDBR層112とに挟まれた領域が共振器となる。よって、DBR層102とDBR層112との間には、定在波が存在する。変調層108及び変調層110は、この定在波の光強度が同等となる位置に配置されている。
半導体基板101上には電極113が形成されている。また、半導体層105上には電極114が、半導体層107上には電極115が、半導体層109上には電極116が形成されている。さらに、半導体層111上には電極117が形成されている。
次に、偏光変調レーザ装置100の製造方法について説明する。図2A〜Eは、偏光変調レーザ装置100の製造工程を示す断面図である。まず、例えばMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法などにより、半導体基板101上に、DBR層102、活性層103、半導体層104a、半導体層105、半導体層106、半導体層107及びアンドープGaAsからなる半導体層108aを順に形成する(図2A)。
次いで、フォトリソグラフィとエッチングにより、半導体層108aに回折格子状の溝を形成する。続いて、例えばMOVPE法により、半導体層108aに形成された回折格子状の溝をアンドープInGaAsで埋め込んで、量子細線108bを形成する。その後、アンドープGaAsからなる半導体層108cを形成する。半導体層108a〜108cは、GaAs層で埋め込まれた量子細線108bを有する変調層108となる(図2B)。
次いで、例えばMOVPE法により、変調層108上に半導体層109及びアンドープGaAs層からなる半導体層110aを形成する(図2C)。続いて、量子細線108bに対して90°回転した方向に回折格子状の溝を形成する。その後、例えばMOVPE法により、半導体層110aに形成された回折格子状の溝をアンドープInGaAsで埋め込んで、量子細線110bを形成する。その後、アンドープGaAsからなる半導体層110c及び半導体層111を形成する。半導体層110a〜110cは、GaAs層で埋め込まれ、量子細線110bを有する変調層110となる。その後、例えばスパッタにより、SiO2膜とSiN膜を9組交互に積層する。その後フォトリソグラフィとエッチングにより、直径約10umの円筒形状の誘電体DBR層112を形成する(図2D)。
次いで、例えばフォトリソグラフィとドライエッチングにより、直径約30umのメサ構造を形成する。メサ以外の部分は半導体基板101が露出するまでエッチングされている。なお、このメサは、当該メサの中心と誘電体DBR層112の中心とが一致するように形成する。続いて、例えば水蒸気酸化により、Al0.98Ga0.02As層からなる半導体層104aを選択的に酸化させる。この際、中央の7umは未酸化部分として残す。酸化された半導体層104aは絶縁体となり、電流狭窄構造104bが形成される(図2E)。
次いで、フォトリソグラフィ、エッチング、蒸着及びリフトオフを繰り返すことにより、半導体基板101、半導体層105、半導体層107、半導体層109、半導体層111上にそれぞれ電極113、電極114、電極115、電極116、電極117を形成し、その後アロイを行う。する。なお、例えば電極113、電極115及び電極117はAuGe/AuNi/Ti/Pt/Auからなり、電極114及び電極116はTi/Pt/Auからなる。最後に、半導体基板101の厚さが200umになるまで半導体基板101の裏面を研磨した後、ダイシングにより切り分けて、図1に示す偏光変調レーザ装置100が完成する。
次に、本実施の形態に係る偏光変調レーザ装置100の動作について説明する。この偏光変調レーザ装置100では、電極113及び電極114を介して活性層103に直流電流を供給することにより活性層103を発光させる。この直流電流は、電流狭窄構造104bに囲まれた導電領域である半導体層104aを通過する。よって、半導体層104a近傍に位置する活性層103で発光が生じる。活性層103で発生した光は、DBR層102及びDBR層112で反射されることにより増幅されてレーザ発振する。
レーザ光は、変調層108及び変調層110により変調される。図3は、変調層に設けられた量子細線に印加される電圧と光の吸収係数との関係を示すグラフである。図3では、変調層108及び変調層110に対して逆バイアスがかかる方向を正の電圧として表記している。なお、図3に示すように、電極115〜117に電圧が印加されていない場合に量子細線108b及び量子細線110bが所定の吸収係数を有するように、レーザ発振波長、量子細線108b並びに量子細線110bの吸収波長、及び半導体層107、半導体層109、半導体層111のビルトインポテンシャルが設定されている。
図4は、この偏光変調レーザ装置に印加される変調信号を示すグラフである。変調信号S11は電極115と電極116との間に印加される電圧であり、変調信号S12は電極117と電極116との間に印加される変調信号である。
例えば、変調層108及び110の双方が接する電極116を基準として、電極115に正、電極117に負の電圧を印加する。すなわち、変調層108には逆バイアス、変調層110には順バイアスがかかることになる(図4の期間T1)。すると、図3に示すように、変調層108の光吸収は増加し、変調層110の光吸収は減少する。よって、レーザ光は量子細線110bの長手方向に偏光される。
一方、電極115に負、電極117に正の電圧を印加すると、変調層108には順バイアス、変調層110には逆バイアスがかかることになる(図4の期間T2)。すると、変調層108の光吸収は減少し、変調層110の光吸収は増加する。よって、レーザ光は量子細線108bの長手方向に偏光される。すなわち、変調層108と変調層110とに、逆位相の電圧をそれぞれ交互に印加することにより偏光方向を90°回転させて、レーザ光を偏光変調することができる。
すなわち本構成は、それぞれレーザ光を異なる方向に偏光させる2つの変調層(図1の変調層108及び変調層110が相当)及び活性層(図1の活性層103が相当)が、2つの反射鏡(図1のDBR層102及びDBR層112が相当)に挟まれた構造を有している。そして、変調層に入力される変調信号に応じて、いずれか一方向の偏光強度が強くなる。これにより、発振するレーザ光を偏光変調することができる。
本構成では、変調信号となる電流を活性層に注入せずともよいので、変調速度は緩和振動周波数に依存しない。従って、より高速に偏光変調を行うことができる。さらに本構成では、量子細線の光の吸収係数を変化させるに足る電圧を印加すればよく、特許文献2の構造のように波長を変えるために大きな屈折率変化を生じさせたり、特許文献3の構造のように矩形メサ構造に起因する光導波路損失を逆転させるほどの損失を生じさせたりする必要は無い。このため、本構成に係る偏光変調レーザ装置100では比較的低電圧の入力信号(変調信号)により偏光変調を行うことができ、低消費電力での駆動が可能である。
さらにまた本構成では、変調層108に形成された量子細線108bと、変調層110に形成された量子細線110bと、は同様の構造を有し、かつ光強度が等しくなる位置に配置されている。従って、変調層108と変調層110とに印加する電圧の大きさが等しければ、変調層108に正、変調層110に負の電圧を印加した場合の光損失と、変調層108に負、変調層110に正の電圧を印加した場合の光損失とは等しくなる。よって、偏光変調レーザ装置100においてレーザ光を偏光変調する際の光出力は一定に保たれるので、光出力の変動に起因する雑音が生じないという利点を有する。
なお、光出力の変動を抑えるには、活性層と変調層とを電気的に十分に分離することが必要である。電気的分離が不十分の場合には、変調層に入力された変調信号が活性層に印加されているバイアスに重畳される。その結果、活性層への注入電流量が変調を受けるため、光出力に変動が生じるからである。本構成では、活性層103と変調層108及び変調層110との間に、比較的厚いアンドープ半導体からなる半導体層106を設けることにより、両者を電気的に十分に分離している。
以上より、本構成によれば、信号品質を確保しつつ高速変調が可能な偏光変調レーザ装置を実現できる。
その他の実施の形態
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施方法は上記した形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形が可能である。実施の形態1にかかる偏光変調レーザ装置100は、直列に配置された2つの変調層及び活性層が2つの反射鏡に挟まれる構成であるが、2つの反射鏡に挟まれていることを条件に、2つの変調層及び活性層の配置を適宜変更することができる。例えば、2つの変調層をそれぞれ入れ換えてもよいし、変調層で活性層を挟みこんだ構成としてもよい。
また、本実施の形態では量子細線108b及び量子細線110bの断面形状を矩形としているが、量子細線の断面形状は矩形に限られない。図5〜8は変調層108における量子細線の転換例を示す拡大断面図である。図5では、半導体層107と半導体層109とに変調層108が挟まれている。変調層108は、アンドープGaAsからなる半導体層108a及び半導体層108c、アンドープInGaAsからなる量子細線108dを有する。量子細線108dの断面形状は台形である。図6では、量子細線108eの断面形状は三角形である。その他の構成は図5と同様なので説明を省略する。図7では、量子細線108fは、台形が薄い半導体層で連結された断面形状となっている。その他の構成は図5と同様なので説明を省略する。図8では、半導体層107上に台形の量子細線108gが形成され、その上を半導体層109が覆っている。
図5〜8に示す量子細線108d〜gは、いずれも量子細線として機能することができる。従って、図5〜8に示す変調層を適用した偏光変調レーザ装置は、図1示す偏光変調レーザ装置100と同様の動作を行うことができる。さらに、図5、図7及び図8に示す台形の量子細線は、上底と下底が入れ替わってもよい。また、図6に示す三角形の量子細線108eは上下逆の形状であってもよい。
実施の形態1では、変調層に量子細線を形成する構成について説明したが、レーザ光の出力方向に対して垂直な面内での光吸収係数に異方性を付与することができる他の構造を用いてもよい。例えば、当該面内の形状や歪分布に異方性のある量子ドットなどを用いることができる。
実施の形態1では、2つの変調層にそれぞれ逆位相の電圧を印加した場合について説明したが、2つの変調層に印加する電圧は両者とも正又は負であってもよい。図9は、偏光変調レーザ装置100に印加される変調信号を示すグラフである。変調信号S21は電極115と電極116との間に印加される電圧であり、変調信号S22は電極117と電極116との間に印加される変調信号である。すなわち、例えば電極116を基準として、電極115及び電極117に、図9に示す変調信号S21及びS22を加えても良い。また、量子細線108b及び量子細線110bは、無バイアス時にある程度の吸収を有するように設定しているが、無バイアス時の吸収がほぼゼロになるように設定しても良い。
なお、変調層は2つに限定されず、3つ以上設けることにより、光の吸収量変化を大きくすることができる。例えば、4つの変調層を設ける場合には、4つの変調層を2組の変調部に分けて制御するとよい。すなわち、一方の変調部に対し、もう一方の変調部には逆相の電圧信号を入力するとよい。
さらに、例えば変調層を3つ設け、それぞれの変調層による偏光方向が異なるようにしてもよい。例えば、3つの変調層による偏光方向がそれぞれ60°異なるようにしてもよい。
変調信号は電圧信号に限られず、電流信号でもよい。また、電流信号を加える場合には、変調層が利得を有するように構成してもよい。さらに、2つの変調層の一方が光を吸収し、もう一方が利得を有する構成とし、それが電流信号(変調信号)により入れ替わるようにしてもよい。
半導体層109は2つの変調層108及び変調層110に接しているが、変調層108と変調層110のそれぞれに独立して接する2つの半導体層としてもよい。すなわち、変調層108と変調層110とがそれぞれ独立なp型半導体層及びn型半導体層に挟まれていてもよい。
また、本発明にかかる偏光変調レーザ装置は、他の半導体材料を用いることが可能である。例えば、1.3μm帯の面発光レーザであれば、活性層や変調層にGaInNAs又はAlGaInAsなどの他の半導体混晶を用いることができる。また、DBR層は、例えばInGaAsP層とInP層とで構成することができる。また、DBR層112は誘電体に限らず、半導体により構成されてもよい。
さらに、上述の実施の形態では面発光レーザについて説明したが、本発明は必ずしも面発光レーザに限定されるものではなく、他の形態のレーザ装置が偏光変調を行う場合にも適用することが可能である。
上述の各変形手段は、適宜組み合わせることが可能である。
100 偏光変調レーザ装置
101 半導体基板
102、112 DBR層
103 活性層
104a、105〜107、109、111 半導体層
108a、108c、110a、110c 半導体層
104b 電流狭窄構造
108、110 変調層
108b、108d、108e、108f、108g、110b 量子細線
113〜117 電極
S11、S12、S21、S22 変調信号
T1、T2 期間

Claims (12)

  1. 対向して配置された第1の反射鏡及び第2の反射鏡と、
    前記第1の反射鏡と前記第2の反射鏡との間に配置された活性層と、を少なくとも有する共振器構造を備え、
    前記共振器構造は、前記第1の反射鏡と前記第2の反射鏡との間に、当該共振器構造内で生じるレーザ光をそれぞれ異なる方向に偏光させる複数の変調部をさらに備え、
    複数の前記変調部に入力される変調信号に応じて、複数の前記変調部のいずれか一つの偏光強度が選択的に大きくなる、偏光変調レーザ装置。
  2. 複数の前記変調部は、前記共振器構造により発生する光の定在波の強度が同等となる位置に配置されている、
    請求項1に記載の偏光変調レーザ装置。
  3. 複数の前記変調部は、前記変調信号が入力されることにより、前記共振器構造の共振方向に対し垂直な方向の光の吸収係数または光学利得が変化する、
    請求項1又は2に記載の偏光変調レーザ装置。
  4. それぞれの前記変調部における前記光の定在波の強度と前記光の吸収係数または前記光学利得との積は同等である、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  5. 前記光の吸収係数または前記光学利得が変化する方向は前記変調部ごとに異なる、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  6. 複数の前記変調部は、前記共振器構造の共振方向に対し垂直な面上に形成された量子細線を備え、
    前記量子細線の長手方向は前記変調部ごとに異なる、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  7. 前記変調信号は電圧信号または電流信号である、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  8. 複数の前記変調部は第1の変調部と第2の変調部とからなり、
    前記第1の変調部は、前記第2の変調部と逆相の変調信号が入力される、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  9. 前記活性層と複数の前記変調部とは電気的に分離されている、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  10. 当該偏光変調レーザ装置は、
    半導体基板を更に備え、
    前記第1の反射鏡、前記活性層及び複数の前記変調部は半導体層からなり、
    前記第2の反射鏡は半導体層または誘電体層からなり、
    前記第1の反射鏡は前記半導体基板より上層に形成され、
    前記活性層及び複数の前記変調層は前記第1の反射鏡よりも上層に形成され、
    前記第2の反射鏡は前記活性層及び複数の前記変調層よりも上層に形成された面発光レーザである、
    請求項1乃至9のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  11. 前記第1の反射鏡及び前記第2の反射鏡は分布型ブラッグ反射鏡である、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の偏光変調レーザ装置。
  12. 第1の反射鏡を半導体基板よりも上層に形成する工程と、
    活性層及び複数の変調部を前記第1の反射鏡よりも上層に形成する工程と、
    第2の反射鏡を前記活性層及び複数の前記変調層よりも上層に形成する工程と、を少なくとも備え、
    複数の前記変調器は、
    前記第1の反射鏡、前記第2の反射鏡、前記活性層、複数の前記変調器からなる共振器構造内で生じるレーザ光をそれぞれ異なる方向に偏光させ、
    前記変調信号に応じて、複数の前記変調部のいずれか一つの偏光強度が選択的に大きくなる、偏光変調レーザ装置の製造方法。
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