JP2018112709A - 鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アコースティックピアノの構造とは異なる構造によってアコースティックピアノに近いタッチ感を実現すること。【解決手段】本発明の一実施形態における鍵盤装置は、鍵と、フレームと、フレームに対して鍵を回動させるための可撓部であって、長手方向を有し、可撓部の長手方向に直交する断面において、スケール方向に直交する第1方向の長さが端部に近づくほど連続的に増加する領域を有する可撓部と、可撓部の領域より端部側を支持し、スケール方向に沿った側に凹部が配置された支持部と、を有する。【選択図】図10

Description

本発明は、鍵盤装置に関する。
電子鍵盤装置において鍵を回動する構造の一例として、可撓性を有する薄板を水平に配置した構造がある(例えば、特許文献1)。この薄板を変形することにより、鍵を上下方向に回動させることができる。特許文献1には、さらに垂直に配置した薄板を併用し、水平に配置された薄板に対して直列に接続することで、鍵の並び方向への移動を許容することができる構造についても開示されている。
特開2008−191650号公報
アコースティックピアノにおける鍵のタッチ感を、電子鍵盤楽器で再現することが望まれている。タッチ感とは、押鍵のときに鍵を通して演奏者の指に与えられる所定の感覚のことをいう。アコースティックピアノで得られるタッチ感は、アクション機構の動作など様々な要素の組み合わせによって実現されている。特許文献1に開示される構造によれば、水平に配置された薄板において、鍵の延びる方向のどの位置においても曲げ変形が可能な構造である。そのため、鍵の後端部分が強く押下されると、複数の位置において逆方向の曲げが生じてしまう。そのような変形の結果、鍵の回動に伴って、鍵の後端部が沈み込んでしまうという状況が発生することもある。一方、アコースティックピアノでは、どのような押鍵によっても鍵の後端部(バランスピンに近い部分)が沈み込んでしまうと言うことは生じない。このような鍵の動きの違いは、アコースティックピアノで得られるタッチ感を電子鍵盤楽器で得ることができない要因の一つとなっていた。
本発明の目的の一つは、アコースティックピアノの構造とは異なる構造によってアコースティックピアノに近いタッチ感を実現することにある。
本発明の一実施形態によると、鍵と、フレームと、前記フレームに対して前記鍵を回動させるための可撓部であって、長手方向を有し、前記可撓部の長手方向に直交する断面において、スケール方向に直交する第1方向の長さが端部に近づくほど連続的に増加する領域を有する可撓部と、前記可撓部の前記領域より端部側を支持し、スケール方向に沿った側に凹部が配置された支持部と、を有することを特徴とする鍵盤装置が提供される。
前記支持部は、前記領域に対して両側の前記端部側に配置されてもよい。
前記領域の第1の端部側に配置された前記支持部は、前記鍵に対して位置関係が固定された部材に接続される鍵側支持部であり、前記領域の第2の端部側に配置された前記支持部は、前記フレームに対して位置関係が固定された部材に接続されるフレーム側支持部であってもよい。
前記長手方向は、前記鍵の押下方向よりも前記鍵の前後方向に近くてもよい。
前記長手方向は、前記鍵の前後方向よりも前記鍵の押下方向に近い
前記可撓部は、前記断面において曲線を含む外縁を有してもよい。
前記可撓部は、前記断面において角を含む外縁を有してもよい。
前記断面の前記第1方向の長さと前記第1方向に直交する第2方向の長さとが同一であってもよい。
前記断面の前記第1方向の長さは、前記第1方向に直交する第2方向の長さよりも短くてもよい。
本発明によれば、アコースティックピアノの構造とは異なる構造によってアコースティックピアノに近いタッチ感を実現することができる。
第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。 第1実施形態における音源装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。 第1実施形態における鍵盤アセンブリを上面から見た場合の説明図である。 第1実施形態におけるフレームのうち回動部が接続される部分を上面から見た場合の説明図である。 第1実施形態における白鍵の詳細の構造を説明する図である。 第1実施形態における回動部の構造を説明する図である。 第1実施形態における回動部を他の部材から取り外す方法を説明する図である。 第1実施形態における回動部を他の部材から取り外した後の構造を説明する図である。 第1実施形態における棒状可撓性部材、鍵側支持部およびフレーム側支持部の構造を説明する図である。 第1実施形態における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。 第1実施形態における鍵側支持部の断面形状を説明する図である。 第1実施形態におけるフレーム側支持部の断面形状を説明する図である。 第1実施形態における鍵(白鍵)を押下したときの鍵アセンブリの動作を説明する図である。 第2実施形態における回動部の構造を説明する図である。 第3実施形態における回動部の構造を説明する図である。 第4実施形態における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。 第5実施形態における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。 変形例(1)における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。 変形例(2)における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態における鍵盤装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率(各構成間の比率、縦横高さ方向の比率等)は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
<第1実施形態>
[鍵盤装置の構成]
図1は、第1実施形態における鍵盤装置の構成を示す図である。鍵盤装置1は、この例では、電子ピアノなどユーザ(演奏者)の押鍵に応じて発音する電子鍵盤楽器である。なお、鍵盤装置1は、外部の音源装置を制御するための制御データ(例えば、MIDI)を、押鍵に応じて出力する鍵盤型のコントローラであってもよい。この場合には、鍵盤装置1は、音源装置を有していなくてもよい。
鍵盤装置1は、鍵盤アセンブリ10を備える。鍵盤アセンブリ10は、白鍵100wおよび黒鍵100bを含む。複数の白鍵100wと黒鍵100bとが並んで配列されている。鍵100の数は、N個であり、この例では88個であるが、この数に限られない。鍵100が配列された方向をスケール方向という。白鍵100wおよび黒鍵100bを特に区別せずに説明できる場合には、鍵100という場合がある。以下の説明においても、符号の最後に「w」を付した場合には、白鍵に対応する構成であることを意味している。また、符号の最後に「b」を付した場合には、黒鍵に対応する構成であることを意味している。
鍵盤アセンブリ10の一部は、筐体90の内部に存在している。鍵盤装置1を上方から見た場合において、鍵盤アセンブリ10のうち筐体90に覆われている部分を非外観部NVといい、筐体90から露出してユーザから視認できる部分を外観部PVという。すなわち、外観部PVは、鍵100の一部であって、ユーザによって演奏操作が可能な領域を示す。以下、鍵100のうち外観部PVによって露出されている部分を鍵本体部という場合がある。
筐体90内部には、音源装置70およびスピーカ80が配置されている。音源装置70は、鍵100の押下に伴って音波形信号を生成する。スピーカ80は、音源装置70において生成された音波形信号を外部の空間に出力する。なお、鍵盤装置1は、音量をコントロールするためのスライダ、音色を切り替えるためのスイッチ、様々な情報を表示するディスプレイなどが備えられていてもよい。
なお、本明細書における説明において、上、下、左、右、手前および奥などの方向は、演奏するときの演奏者から鍵盤装置1を見た場合の方向を示している。そのため、例えば、非外観部NVは、外観部PVよりも奥側に位置している、と表現することができる。また、鍵前端側(鍵前方側)、鍵後端側(鍵後方側)のように、鍵100を基準として方向を示す場合もある。この場合、鍵前端側は鍵100に対して演奏者から見た手前側を示す。鍵後端側は鍵100に対して演奏者から見た奥側を示す。この定義によれば、黒鍵100bのうち、黒鍵100bの鍵本体部の前端から後端までが、白鍵100wよりも上方に突出した部分である、と表現することができる。
図2は、第1実施形態における音源装置の構成を示すブロック図である。音源装置70は、信号変換部710、音源部730および出力部750を備える。センサ300は、各鍵100に対応して設けられ、鍵の操作を検出し、検出した内容に応じた信号を出力する。この例では、センサ300は、3段階の押鍵量に応じて信号を出力する。この信号の間隔に応じて押鍵速度が検出可能である。
信号変換部710は、センサ300(88の鍵100に対応したセンサ300−1、300−2、・・・、300−88)の出力信号を取得し、各鍵100における操作状態に応じた操作信号を生成して出力する。この例では、操作信号はMIDI形式の信号である。そのため、押鍵操作に応じて、信号変換部710はノートオンを出力する。このとき、88個の鍵100のいずれが操作されたかを示すキーナンバ、および押鍵速度に対応するベロシティについてもノートオンに対応付けて出力される。一方、離鍵操作に応じて、信号変換部710はキーナンバとノートオフとを対応付けて出力する。信号変換部710には、ペダル等の他の操作に応じた信号が入力され、操作信号に反映されてもよい。
音源部730は、信号変換部710から出力された操作信号に基づいて、音波形信号を生成する。出力部750は、音源部730によって生成された音波形信号を出力する。この音波形信号は、例えば、スピーカ80または音波形信号出力端子などに出力される。
[鍵盤アセンブリの構成]
図3は、第1実施形態における筐体内部の構成を側面から見た場合の説明図である。図3に示すように、筐体90の内部において、鍵盤アセンブリ10およびスピーカ80が配置されている。すなわち、筐体90は、少なくとも、鍵盤アセンブリ10の一部(接続部180およびフレーム500)およびスピーカ80を覆っている。スピーカ80は、鍵盤アセンブリ10の奥側に配置されている。このスピーカ80は、押鍵に応じた音を筐体90の上方および下方に向けて出力するように配置されている。下方に出力される音は、筐体90の下面側から外部に進む。一方、上方に出力される音は筐体90の内部から鍵盤アセンブリ10の内部の空間を通過して、外観部PVにおける鍵100の隣接間の隙間または鍵100と筐体90との隙間から外部に進む。なお、スピーカ80からの音の経路は、経路SRとして例示されている。このように、スピーカ80からの音は、鍵盤アセンブリ10の内部の空間、すなわち鍵100(鍵本体部)の下方側の空間に到達する。
鍵盤アセンブリ10の構成について、図3を用いて説明する。鍵盤アセンブリ10は、上述した鍵100の他にも、接続部180、ハンマアセンブリ200およびフレーム500を含む。鍵盤アセンブリ10は、ほとんどの構成が射出成形などによって製造された樹脂製の構造体である。フレーム500は、筐体90に固定されている。接続部180は、フレーム500に対して回動可能に鍵100を接続する。接続部180は、板状可撓性部材181、第1支持部183および回動部185を備える。板状可撓性部材181は、鍵100の後端から延在している。第1支持部183は、板状可撓性部材181の後端から延在している。
回動部185は、棒状可撓性部材1850、鍵側支持部1851およびフレーム側支持部1852を備える。鍵側支持部1851およびフレーム側支持部1852は、それぞれ、棒状可撓性部材1850の長手方向の両端を支持している。この例では、鍵側支持部1851は、鍵100に対して位置関係が固定された部材(第1支持部183)に接続され、この部材よりも下方に向けて延びる部材(後述する支持板18511)を有し、棒状可撓性部材1850の手前側を支持する。一方、フレーム側支持部1852、棒状可撓性部材1850の奥側を支持している。すなわち、フレーム側支持部1852は、鍵側支持部1851よりも鍵100の前端側に配置されている。これによって、棒状可撓性部材1850は、鍵100よりも下方、すなわちフレーム500側に配置されている。以下、棒状可撓性部材1850の長手方向を主軸方向という場合がある。
棒状可撓性部材1850は、主軸方向に対して垂直な方向に可撓性を有する。一方、鍵側支持部1851およびフレーム側支持部1852は、棒状可撓性部材1850と同じ材質であるが、棒状可撓性部材1850よりも剛性を有する形状である。鍵側支持部1851とフレーム側支持部1852との位置関係は、棒状可撓性部材1850の変形に応じて変化する。この例では、棒状可撓性部材1850の主軸方向は、ほぼ鍵100の前後方向に沿っている。そのため、棒状可撓性部材1850を上下方向に曲げることによって鍵側支持部1851がフレーム側支持部1852に対して上方に移動し、鍵100がフレーム500に対して回動することができる(図14参照)。回動部185の詳細の構成は後述する。
回動部185は、第1支持部183およびフレーム500の第2支持部585によって支持されている。このとき、第1支持部183と鍵側支持部1851とは着脱可能に接続され、第2支持部585とフレーム側支持部1852とは着脱可能に接続される。着脱可能に構成することで、製造の容易性が向上(金型の設計の容易化、組立作業の容易化、修理作業の容易化など)したり、それぞれの材料の組み合わせなどによるタッチ感および強度が向上したりする。
板状可撓性部材181および第1支持部183は、鍵100と一体に成型され、同一の材質を有する。また、フレーム500も板状可撓性部材181と同一の材質を有するが、異なる材質を有してもよい。一方、回動部185(棒状可撓性部材1850)と板状可撓性部材181とは異なる材質を有するが、同一の材質を有してもよい。この例では、板状可撓性部材181は棒状可撓性部材1850よりも硬質である。
これらの構成によれば、鍵100とフレーム500との間において、直列に接続された板状可撓性部材181および棒状可撓性部材1850が配置されているともいえる。さらに、言い換えると、鍵100と棒状可撓性部材1850との間に板状可撓性部材181が配置されている。また、板状可撓性部材181とフレーム500との間に棒状可撓性部材1850が配置されている。
鍵100は、前端鍵ガイド151および側面鍵ガイド153を備える。前端鍵ガイド151は、フレーム500の前端フレームガイド511を覆った状態で摺動可能に接触している。前端鍵ガイド151は、その上部と下部のスケール方向の両側において、前端フレームガイド511と接触している。側面鍵ガイド153は、スケール方向の両側において側面フレームガイド513と摺動可能に接触している。この例では、側面鍵ガイド153は、鍵100の側面のうち非外観部NVに対応する領域に配置され、接続部180(板状可撓性部材181)よりも鍵前端側に存在するが、外観部PVに対応する領域に配置されてもよい。
ハンマアセンブリ200は、鍵100の下方側の空間に配置され、フレーム500に対して回動可能に取り付けられている。このときハンマアセンブリ200の軸受部220とフレーム500の回動軸520とは少なくとも3点で摺動可能に接触する。ハンマアセンブリ200の前端部210は、ハンマ支持部120の内部空間において概ね前後方向に摺動可能に接触する。この摺動部分、すなわち前端部210とハンマ支持部120とが接触する部分は、外観部PV(鍵本体部の後端よりも前方)における鍵100の下方に位置する。
ハンマアセンブリ200は、回動軸520よりも奥側において、金属製の錘部230が配置されている。通常時(押鍵していないとき)には、錘部230が下側ストッパ410に載置された状態であり、ハンマアセンブリ200の前端部210が、鍵100を押し戻している。押鍵されると、錘部230が上方に移動し、上側ストッパ430に衝突する。ハンマアセンブリ200は、この錘部230によって、押鍵に対して加重を与える。下側ストッパ410および上側ストッパ430は、緩衝材等(不織布、弾性体等)で形成されている。
ハンマ支持部120および前端部210の下方には、フレーム500にセンサ300が取り付けられている。押鍵により前端部210の下面側でセンサ300が押しつぶされると、センサ300は検出信号を出力する。センサ300は、上述したように、各鍵100に対応して設けられている。
図4は、第1実施形態における鍵盤アセンブリを上面から見た場合の説明図である。図5は、第1実施形態におけるフレームのうち回動部が接続される部分を上面から見た場合の説明図である。なお、これらの図においては、鍵100の下方に位置するハンマアセンブリ200およびフレーム500の構成は、その一部を省略して記載している。具体的には、接続部180近傍のフレーム500の構成(第2支持部585など)を記載し、手前側の構成等の一部については記載を省略している。他の説明においても、図示の際に一部の記載を省略することがある。
図4に示すように、第1支持部183bは、第1支持部183wよりも奥側に配置される。この位置は、鍵100の回動中心となる棒状可撓性部材1850の位置に関連する。このような配置にすることによって、アコースティックピアノの白鍵と黒鍵の回動中心の違いを再現している。この例では、黒鍵に対応する板状可撓性部材181bが、白鍵に対応する板状可撓性部材181wよりも長い。このような配置に対応して、フレーム500の第2支持部585bは、第2支持部585wよりも奥側に配置される。そのため、フレーム500の奥側(第2支持部585)の形状は、図5に示すように第2支持部585bが第2支持部585wよりも突出した形状となる。
図5において回動部185の記載は省略しているが、隣接する回動部185の間、特に隣接する棒状可撓性部材1850の間には大きな空間が存在する。この空間は、図5に示す音通路AP1、AP2に対応する。スピーカ80から出力された音は、鍵盤アセンブリ10の外部から、音通路AP1、AP2を通過して内部に到達し、隣接する鍵100の隙間から鍵盤装置1の外部に放出される。外観部PVから音が外部に放出されるまでの間の経路において、棒状可撓性部材1850の存在により、フレーム500(第2支持部585)と接続部180(第1支持部183)との間に音の通過を遮蔽する要素が少ないため、音の減衰量を抑えることもできる。また、第2支持部585bが第2支持部585wより突出した形状であることにより、第2支持部585wが隣接する部分の音通路AP1よりも、第2支持部585wと585bとが隣接する部分の音通路AP2の幅が広くなる。さらに、第2支持部585bの手前側において、第2支持部585wのスケール方向に、開口部586が配置されていてもよい。この場合、この開口部586も音通路になり得る。
支柱590は、筐体90と接続し、筐体90に対するフレーム500の位置を固定するための部材である。支柱590は、非外観部NVにおける白鍵100wが隣接する部分の間、すなわち「E」の白鍵100wと「F」の白鍵100wとの間、および「B」の白鍵100wと「C」の白鍵100wとの間に設けられている。
[白鍵の構造]
図6は、第1実施形態における白鍵の詳細の構造を説明する図である。図6(A)は、白鍵を上面から見た図である。図6(B)は、白鍵を側面(左側)から見た図である。図6(C)は、白鍵を奥側から見た図である。図6(D)は、白鍵を手前側から見た図である。
まず、以下の説明で用いる方向(スケール方向S、ローリング方向R、ヨーイング方向Y、上下方向V、前後方向F)について定義する。スケール方向Sは、上述したように、鍵100が配列する方向(演奏者から見た左右方向)に対応する。ローリング方向Rは、鍵100の延びる方向(演奏者から見た手前から奥側方向)を軸として回転する方向に対応する。ヨーイング方向Yは、鍵100を上方から見たときに左右方向に曲がる方向である。スケール方向Sとヨーイング方向Yとの違いは大きくはないが、鍵100のスケール方向Sの移動は平行移動の意味であるのに対し、鍵100のヨーイング方向Yの移動はスケール方向Sに曲がる(反る)ことに相当する。上下方向Vは、演奏者から見た上下方向に対応し、ヨーイング方向Yの曲がりの軸になる方向ともいえる。前後方向Fは、鍵100の延びる方向(演奏者から見た手前から奥側方向)に対応し、ローリング方向Rの回転の軸となる方向ともいえる。なお、前後方向Fは、上下方向Vおよびスケール方向Sの双方に直交する方向(水平面に含まれる方向)であり、厳密にはレスト位置における鍵100が延びる方向とは異なるが、概ね一致した方向である。この例では、棒状可撓性部材1850は、前後方向Fに沿って延びている。すなわち、棒状可撓性部材1850は、前後方向Fに沿った主軸を有する。
鍵100には、前端鍵ガイド151および側面鍵ガイド153が備えられている。前端鍵ガイド151は、上述したように、その上部と下部とにおいてフレーム500の前端フレームガイド511(図3参照)と接触する。そのため、前端鍵ガイド151は、実際には上部鍵ガイド151uおよび下部鍵ガイド151dに分かれている。このように、前端鍵ガイド151(上部鍵ガイド151u、下部鍵ガイド151d)および側面鍵ガイド153は、スケール方向Sに鍵100を見た場合において、直線上に並ばない3箇所で鍵100の移動を規制している。このように配置された少なくとも3箇所のガイドによれば、スケール方向S、ヨーイング方向Yおよびローリング方向Rについて鍵100の移動を規制する。ガイドの数は3箇所以上であってもよい。この場合には、全てのガイドが直線上に並ばない要件を満たす必要が無く、少なくとも3箇所のガイドがこの要件を満たせばよい。
板状可撓性部材181は、スケール方向Sに対する可撓性を有する板状の部材である。板状可撓性部材181は、板面の法線方向Nがスケール方向Sに向かうように配置されている。これによって、板状可撓性部材181は、曲がったり捻れたりすることで、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yへの変形が可能である。すなわち、板状可撓性部材181は、その可撓性によって、鍵100のローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに自由度を有する。ヨーイング方向Yの変形を組み合わせることによって、板状可撓性部材181はスケール方向Sについても自由度を有しているともいえる。一方、板状可撓性部材181は、上下方向にはほとんど変形しない。なお、法線方向Nは、スケール方向Sと完全に一致していなくてもよく、スケール方向Sの成分を有していればよい。一致しない場合には、法線方向Nとスケール方向Sとのなす角は、小さいほど好ましい。
棒状可撓性部材1850は、主軸に対して垂直方向に可撓性を有する部材である。すなわち、棒状可撓性部材1850は、上下方向Vでの可撓性(スケール方向Sを法線に持つ面内(ピッチ方向:押鍵時の回動方向)での可撓性)を有するとともに、スケール方向Sでの可撓性(ヨーイング方向Yでの可撓性)を有する棒状の部材である。棒状可撓性部材1850は、曲がったり捻れたりすることで、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yへの変形が可能である。すなわち、棒状可撓性部材1850は、その可撓性によって、鍵100のローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに自由度を有する。ヨーイング方向Yの変形とローリング方向Rとの変形を組み合わせることによって、棒状可撓性部材1850はスケール方向Sについても自由度を有しているともいえる。一方、棒状可撓性部材1850は、主軸方向、すなわち前後方向Fにはほとんど変形しない。なお、棒状可撓性部材1850は、その形状的な特性から、板状可撓性部材181よりも捻れることができる量が大きい。
このように、接続部180は、側面鍵ガイド153よりも鍵後方(奥側)において、押鍵という強い力に対して前後方向Fの変位がほとんど生じない(回動中心の前後方向の移動がほとんど生じない)。また、押鍵によっては、回動部185に対して、上下方向Vに沿った力がかかりにくい構造である。したがって、接続部180は、回動中心の前後方向Fおよび上下方向Vへの変位をほとんど生じさせないようにしつつ鍵100をフレーム500に対してピッチ方向に回動させることができる。このとき、接続部180は、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに対して、変形が可能になっている。すなわち、接続部180は、鍵100をフレーム500に対して回動させるだけでなく、ローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに対して、変形が可能になっている。接続部180は、前後方向Fには移動が規制される(上下方向Vへ移動させる力はかかりにくい)構造である一方、鍵100のローリング方向Rおよびヨーイング方向Yに対して自由度を有している。上述のように、ヨーイング方向Yの変形とローリング方向Rとの変形を組み合わせることによって、接続部180はスケール方向Sについても自由度を有しているともいえる。
鍵100は、上述したように、製造誤差および経時変化によってヨーイング方向Yおよびローリング方向Rを含む変形を生じることがある。このとき、前端鍵ガイド151と側面鍵ガイド153との間については、これらのガイドによる規制によって、外観部PVにおいては、できるだけ、鍵100の変形による影響が視認されないようになっている。一方、外観部PVにおいて変形の影響を抑えたために、非外観部NVにおいてはその変形の影響を大きく受ける。これは、鍵100が長いほど、より顕著に影響が出る。
例えば、第1の例として、鍵100が徐々に捻れていくような変形(ローリング方向Rの変形)があった場合を想定する。この場合、上部鍵ガイド151uおよび下部鍵ガイド151dによって鍵100の前端部分のローリング方向Rの向きが鉛直方向になるように規制されるため、鍵100は奥側に行くほどローリング方向Rへの変形の影響が出る。また、第2の例として、鍵100が徐々にスケール方向Sに曲がっていくような変形(ヨーイング方向Yの変形)があった場合を想定する。この場合、前端鍵ガイド151と側面鍵ガイド153とによって外観部PVにおける鍵100のスケール方向Sの位置が規制されるため、鍵100は奥側に行くほどヨーイング方向Yへの変形の影響が出る。
いずれの場合も、鍵100の変形の影響により、鍵100の回動中心となる部分とフレーム500との位置がずれてきてしまう。すなわち、鍵100に接続された接続部180(第1支持部183)と第2支持部585との位置関係がずれてくる。
一方、第1実施形態における鍵100であれば、板状可撓性部材181と棒状可撓性部材1850とは可撓性によって変形することができ、鍵100と第2支持部585との位置のずれによる影響を、接続部180(板状可撓性部材181および棒状可撓性部材1850)の変形によって抑制することができる。このときには、棒状可撓性部材1850は、押鍵に対して前後方向の変位がほとんど生じない(回動中心の前後方向の移動がほとんど生じない)ようにしつつ上下方向に曲げ変形が可能であることによって鍵100をピッチ方向に回動させる部材(可撓部)としての機能を有するだけでなく、さらに、鍵100の変形による影響を吸収する部材としての機能も有している。
また、上述したように、外観部PVにおいては、できるだけ、鍵100の変形による影響が視認されないようになっていることから、スケール方向Sの位置精度も高くなっている。そのため、センサ300に検出されるハンマアセンブリ200の前端部210と、その前端部210に接続される鍵100のハンマ支持部120とは、このような、外観部PV(鍵本体部の後端より前方)の鍵100の下方に設けられることが望ましい。
[回動部の構成]
この例では、回動部185は、第1支持部183および第2支持部585と着脱可能になっている。回動部185の構成について説明する。
図7は、第1実施形態における回動部の構造を説明する図である。図7は、図6(B)における接続部180の近傍を拡大した図である。また、回動部185のうち、第1支持部183および第2支持部585の内部に存在する構成についても、実線で示している。一方、第1支持部183および第2支持部585の内部に形成された空間は破線で示している。
第1支持部183は、内部において上下方向に貫通する第1空間183S1および第2空間183S2が形成されている。第2空間183S2は、後端側に第3空間183S3が接続されている。第1空間183S1には係止棒1855が配置され、第2空間183S2には支持棒1853が配置されている。支持棒1853は、第2空間183S2に対して下方から挿入されている。係止棒1855は、第1空間183S1に対して下方から挿入されている。係止棒1855は、頂部において係止部18551を有する。係止部18551が第1空間183S1から上方に突出している。係止棒1855は、第1支持部183の上面において係止部18551が引っかかることで係止され、鍵100の回動では、第1支持部183から抜けないようになっている。なお、係止棒1855は、可撓性を有している。このとき、係止棒1855は、支持棒1853側(奥側)に向けて曲げられた状態で第1空間183S1に配置されていてもよい。係止部18551を支持棒1853側に押すことによって係止棒1855を支持棒1853側に変形させると、係止棒1855による第1支持部183への係止が解除される。
支持棒1853および係止棒1855は、台座1857に接続されている。台座1857は、第1支持部183の下面に沿って配置された板状の部材である。この例では、支持棒1853と台座1857との位置関係が変化しないようにするための補強板1859が配置されている。補強板1859は、台座1857が拡がる面に垂直に拡がる板状の部材であって、その一部が第3空間183S3にも配置されている。台座1857は、第1支持部183と接触している一方、第1支持部183と接触している領域よりも奥側において鍵側支持部1851が接続されている。そのため、台座1857の奥側における第1支持部183と接触していない部分は、押鍵時において曲げられる方向の力を受けやすい。補強板1859の存在により、この力による台座1857の変形を抑制することができる。
台座1857は、支持棒1853および係止棒1855が配置された面(上面)とは反対側の面(下面)において、鍵側支持部1851を備える。鍵側支持部1851は、鍵100に対して間接的に接続され、鍵100に位置関係が固定された部材(第1支持部183)に対して下方(フレーム500側)に延びている。すなわち、鍵側支持部1851は、鍵100に対して位置関係が固定され、鍵100(より詳細には第1支持部183)よりもフレーム500側(より詳細には第2支持部585側)に配置されている。
第2支持部585は、内部において上下方向に貫通する第1空間585S1および第2空間585S2が形成されている。第1空間585S1には係止棒1856が配置され、第2空間585S2には支持棒1854が配置されている。支持棒1854は、第2空間585S2に対して上方から挿入されている。係止棒1856は、第1空間585S1に対して上方から挿入されている。係止棒1856は、頂部において係止部18561を有する。係止部18561が第1空間585S1から下方に突出している。係止棒1856は、第2支持部585の下面において係止部18561が引っかかることで係止され、鍵100の回動では、第2支持部585から抜けないようになっている。なお、係止棒1856は、可撓性を有している。このとき、係止棒1856は、支持棒1854側(奥側)に向けて曲げられた状態で第1空間585S1に配置されていてもよい。係止部18561を支持棒1854側に押すことによって係止棒1856を支持棒1854側に変形させると、係止棒1856による第2支持部585への係止が解除される。
支持棒1854および係止棒1856は、台座1858に接続されている。台座1858は、第2支持部585の上面に沿って配置された板状の部材である。台座1858は、支持棒1854および係止棒1856が配置された面(下面)とは反対側の面(上面)において、フレーム側支持部1852を備える。フレーム側支持部1852は、フレーム500に対して間接的に接続され、フレーム500に対して上方(鍵100側)に延びている。すなわち、フレーム側支持部1852は、フレーム500に対して位置関係が固定され、フレーム500(より詳細には第2支持部585)よりも鍵100側(より詳細には第1支持部183側)に配置されている。
上述したように、棒状可撓性部材1850は、その両端が鍵側支持部1851およびフレーム側支持部1852に接続されている。棒状可撓性部材1850、鍵側支持部1851およびフレーム側支持部1852についての詳細な構成については後述する。なお、この例では、鍵側支持部1851とフレーム側支持部1852とは対向して配置されることにより、棒状可撓性部材1850の長手方向(主軸方向)は、前後方向Fに沿って配置される。また、フレーム側支持部1852は、鍵側支持部1851よりも鍵100の前端側(手前側)に配置されている。
鍵側干渉部18571は、フレーム側支持部1852と対向した位置において台座1857に接続されている。鍵側干渉部18571は、台座1857を介して鍵側支持部1851に対して位置関係が固定されて配置されている。棒状可撓性部材1850が上下方向に曲がることにより、鍵側干渉部18571とフレーム側支持部1852とが接触するようになっている。鍵側干渉部18571とフレーム側支持部1852とは、鍵100の押下によって互いに接触することはない程度には離間している。すなわち、鍵側干渉部18571とフレーム側支持部1852とは、鍵100の可動範囲外かつ棒状可撓性部材1850の可撓範囲において接触するように、位置関係が決められている。
[回動部の着脱方法]
続いて、回動部185を第1支持部183および第2支持部585から取り外す方法について説明する。
図8は、第1実施形態における回動部を他の部材から取り外す方法を説明する図である。回動部185を第1支持部183から取り外す方法について説明する。図9は、第1実施形態における回動部を他の部材から取り外した後の構造を説明する図である。より詳細には、図8は、回動部185を第1支持部183および第2支持部585から取り外すときの途中の段階を説明する図である。図9(A)は、第1支持部183および第2支持部585から回動部185が完全に取り外された場合の図である。なお、図9(B)および図9(C)として、回動部185を別の方向から見た斜視図についても参考として記載している。
係止部18551に対して支持棒1853側に向けて力を加えると、可撓性を有する係止棒1855が曲がって係止部18551が第1空間183S1の内部に押し込める位置まで移動する。そして、回動部185に対して第1支持部183を上方に移動させると、図8に示すように、係止部18551が第1空間183S1の内部を通過していく。さらに第1支持部183を上方に移動させると、図9(A)に示すように、第1支持部183と回動部185とが分離され、係止棒1855の形状が元に戻る。
一方、第1支持部183に回動部185を取り付けるときには、支持棒1853を第2空間183S2に下方から挿入するとともに、係止部18551を第1空間183S1に下方から挿入した状態で、第1支持部183を下方に移動させる。このとき、係止部18551の先端形状が斜面を有していることにより、係止棒1855が支持棒1853側に曲げられつつ係止部18551および係止棒1855が第1空間183S1に挿入されていく(図8)。さらに第1支持部183を下方に移動させると、係止部18551が第1空間183S1から上方に突出し、係止棒1855の形状が元に戻り、係止部18551が第1支持部183の上面に係止される。
続いて、第2支持部585から回動部185を取り外す方法について説明する。基本的には、第1支持部183から回動部185を取り外すときと同様である。係止部18561に対して支持棒1854側に向けて力を加えると、可撓性を有する係止棒1856が曲がって係止部18561が第1空間585S1の内部に押し込める位置まで移動する。そして、回動部185に対して第2支持部585を下方に移動させると、図8に示すように、係止部18561が第1空間585S1の内部を通過していく。さらに第2支持部585を下方に移動させる(回動部185を上方に移動させる)と、図9(A)に示すように、第2支持部585と回動部185とが分離され、係止棒1856の形状が元に戻る。
一方、第2支持部585に回動部185を取り付けるときには、支持棒1854を第2空間585S2に上方から挿入するとともに、係止部18561を第1空間585S1に上方から挿入しつつ、第2支持部585を上方に移動させる(回動部185を下方に移動させる)。このとき、係止部18561の先端形状が斜面を有していることにより、係止棒1856が支持棒1854側に曲げられつつ係止部18561および係止棒1856が第1空間585S1に挿入されていく(図8)。さらに第2支持部585を上方に移動させる(回動部185を下方に移動させる)と、係止部18561が第1空間585S1から下方に突出し、係止棒1856の形状が元に戻り、係止部18561が第2支持部585の下面に係止される。
なお、図8においては、第1支持部183および第2支持部585のいずれに対しても、回動部185が取り外される途中の段階を示しているが、双方を同時に取り外す必要はない。また、棒状可撓性部材1850は、第1支持部183および第2支持部585のいずれから先に取り外されてもよい。
回動部185を第1支持部183および第2支持部585に取り付けるときには、棒状可撓性部材1850に対して、上下方向から圧力が加わる。このとき、台座1857と台座1858とが近づくように圧力が加わる。これにより鍵側支持部1851が下方に、フレーム側支持部1852が上方に移動するように力が加わるため、この圧力が棒状可撓性部材1850を変形させるように作用する。この変形は、鍵100の回動による変形とは異なる変形を生じることになる。したがって、このような変形は、できるだけ生じないようにすることが望ましい。このとき、鍵側干渉部18571とフレーム側支持部1852(より詳細には、図10に示す支持板18521)とが接触するまで棒状可撓性部材1850が変形すると、台座1857と台座1858とがこれ以上近づくことができなくなる。したがって、棒状可撓性部材1850の変形が増大していくことを抑制することができる。なお、上述したように、鍵側干渉部18571は、鍵100が可動範囲においては、フレーム側支持部1852と接触しないが、棒状可撓性部材1850の可撓範囲において接触する。
このとき、鍵側干渉部18571は、台座1857からフレーム側支持部1852へ向けて突出する形状を有しているため、台座1857全体の厚さを大きくしてフレーム側支持部1852と台座1857との距離を近づけるよりも、材料の使用量を低減することができる。
[棒状可撓性部材、鍵側支持部およびフレーム側支持部の構造]
続いて、回動部185のうち、棒状可撓性部材1850、鍵側支持部1851およびフレーム側支持部1852について説明する。
図10は、第1実施形態における棒状可撓性部材、鍵側支持部およびフレーム側支持部の構造を説明する図である。この図は、回動部185のうち棒状可撓性部材1850の近傍の構造を拡大して示した図である。まず、説明の便宜のため、図10において、棒状可撓性部材1850の主軸AXを基準とした各方向を定義する。主軸AXは、上述したように棒状可撓性部材1850の長手方向(棒状可撓性部材1850の両端を結ぶ方向)に対応する。ここでは、x方向は、主軸AXに沿った方向である。y方向は、スケール方向Sに対応し、x方向とは直交の関係にある。z方向は、x方向とy方向との双方に対して直交の関係にある方向である。主軸AXが概ね前後方向Fに対応するため、z方向は概ね上下方向Vに対応する。
図11は、第1実施形態における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。図11(A)は、x方向に直交する断面に対して、x方向の各位置(横軸x)におけるy方向の長さおよびz方向の長さ(縦軸d)を示している。図11(B)は、棒状可撓性部材1850を斜視図により示している。この例では、棒状可撓性部材1850は、主軸AXを回転軸とした回転体の形状であるため、その断面は円形状の外縁を有する。したがって、y方向の長さとz方向の長さとは同一である。また、以下に説明する長さの変化は、断面積の変化としてとして置き換えることも可能である。なお、棒状可撓性部材1850の斜視図におけるLyがy方向の長さに対応し、Lzがz方向の長さに対応する。
図11(A)に示すように、棒状可撓性部材1850は、主軸AX(x方向)に直交する断面において、長さLyおよび長さLzが最も短くなるx方向の位置(以下、極小点Cという)を有し、極小点Cから両端に近づくほど連続的に増加していく領域を含んでいる。極小点Cは、この例では棒状可撓性部材1850の長手方向の中心である。棒状可撓性部材1850は、このような形状を有することにより、前後方向F以外(主軸方向AX以外)の方向(3次元を規定する3方向のうち2方向)への曲げ変形が可能である。また、極小点となるCにおいて最も曲がりやすい構造であるため、様々な押鍵によっても回動中心の位置を安定させることができる。
図10に戻って説明を続ける。鍵側支持部1851は、支持板18511、接合部18512、凹部18513および補強板18515を含む。それぞれの構成について、図10および図12を用いて説明する。
図12は、第1実施形態における鍵側支持部の断面形状を説明する図である。この断面形状は、図10に示す断面線A−A’の断面構造に対応する。支持板18511は、概ね主軸AXを法線とする面に沿って拡がる板状の部材であって、台座1857から下方に延びている。すなわち、支持板18511は、第1支持部183に対して下方に延びている。この例では、支持板18511の下端部18511dは、円弧形状を有する。この円弧の中心は、主軸AX上に存在する。
接合部18512は、支持板18511と棒状可撓性部材1850とを接合する部材であって上端部分と下端部分は円弧形状を含み、それぞれの円弧の中心は、主軸AX上に存在している。この形状により、棒状可撓性部材1850の形状との連続性を保つことができる。この連続性により、棒状可撓性部材1850の変形時に生じる応力を緩和することができる。
接合部18512の両側面(スケール方向Sに沿った側の2つの面)には、凹部18513が配置されている。このような凹部18513の存在により、棒状可撓性部材1850と支持板18511との接合部分(接合部18512)において、棒状可撓性部材1850の変形時に生じる応力を緩和することができる。特に、棒状可撓性部材1850が上下方向Vへの曲げ変形を生じる。一方スケール方向Sへの曲げ変形は可能であるものの通常の使用時(押鍵時)においては曲げ変形はほとんど生じない。曲げ変形を生じないスケール方向Sに沿った側の面に凹部18513を形成することで、より大きな応力緩和効果が得られる。また、樹脂成型の際に用いられる樹脂材料の使用量を低減することもできる。
補強板18515は、台座1857および支持板18511に垂直な面に沿って拡がる板状の部材であって、台座1857、支持板18511および接合部18512に接続されている。補強板18515の存在によって、台座1857、支持板18511および接合部18512の位置関係が変化しにくくなるため、鍵側支持部1851全体の剛性を高めることができる。
図10に戻って説明を続ける。フレーム側支持部1852は、支持板18521、接合部18522、凹部18523および補強板18525を含む。それぞれの構成について、図10および図13を用いて説明する。
図13は、第1実施形態におけるフレーム側支持部の断面形状を説明する図である。この断面形状は、図10に示す断面線B−B’の断面構造に対応する。支持板18521は、概ね主軸AXを法線とする面に沿って拡がる板状の部材であって、台座1858から上方に延びている。この例では、支持板18521の上端部18521uは、円弧形状を有する。この円弧の中心は、主軸AX上に存在する。このような構造を有することで、棒状可撓性部材1850が主軸AXに対して捻れる変形をすることによって支持板18521が主軸AXを中心に回転する場合においても、支持板18521と鍵側干渉部18571との距離を概ね一定とすることができる。
接合部18522は、支持板18521と棒状可撓性部材1850とを接合する部材であって上端部分と下端部分は円弧形状を含み、それぞれの円弧の中心は、主軸AX上に存在している。この形状により、棒状可撓性部材1850の形状との連続性を保つことができる。この連続性により、棒状可撓性部材1850の変形時に生じる応力を緩和することができる。
接合部18522の両側面(スケール方向Sに沿った側の2つの面)には、凹部18523が配置されている。このような凹部18523の存在により、棒状可撓性部材1850と支持板18521との接合部分(接合部18522)において、棒状可撓性部材1850の変形時に生じる応力を緩和することができる。また、樹脂成型の際に用いられる樹脂材料の使用量を低減することもできる。
補強板18525は、台座1858および支持板18521に垂直な面に沿って拡がる板状の部材であって、台座1858、支持板18521および接合部18522に接続されている。補強板18525の存在によって、台座1858、支持板18521および接合部18522の位置関係が変化しにくくなるため、フレーム側支持部1852全体の剛性を高めることができる。
[鍵盤アセンブリの動作]
図14は、第1実施形態における鍵(白鍵)を押下したときの鍵アセンブリの動作を説明する図である。図14(A)は、鍵100がレスト位置(押鍵していない状態)にある場合の図である。図14(B)は、鍵100がエンド位置(最後まで押鍵した状態)にある場合の図である。鍵100が押下されると、回動部185、詳細には棒状可撓性部材1850が回動中心となって曲がる。このとき、棒状可撓性部材1850は、前後方向Fにはほとんど変形せずに上下方向Vへの曲げ変形を生じる。これによって鍵100がピッチ方向に回動するようになる。そして、ハンマ支持部120が前端部210を押し下げることで、ハンマアセンブリ200が回動軸520を中心に回動する。錘部230が上側ストッパ430に衝突することによって、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がエンド位置に達する。また、センサ300が前端部210によって押しつぶされると、センサ300は、押しつぶされた量(押鍵量)に応じた複数の段階で、検出信号を出力する。
一方、離鍵すると、錘部230が下方に移動して、ハンマアセンブリ200が回動し、鍵100が上方に回動する。錘部230が下側ストッパ410に接触することで、ハンマアセンブリ200の回動が止まり、鍵100がレスト位置に戻る。
<第2実施形態>
第1実施形態では、回動部185を第1支持部183および第2支持部585に取り付ける際に棒状可撓性部材1850の変形量を制限するために、鍵側干渉部18571を設けていた。第2実施形態では、第1支持部183および第2支持部585から取り外す際に棒状可撓性部材1850の変形量を制限する構成を有する回動部185Aについて説明する。
図15は、第2実施形態における回動部の構造を説明する図である。回動部185Aは、第1実施形態における回動部185と比べて、さらに奥側まで延びた台座1858Aおよびその台座1858Aに接続されたフレーム側干渉部18581Aを含んでいる。フレーム側干渉部18581Aは、鍵側支持部1851と対向した位置において台座1858Aに接続されている。フレーム側干渉部18581Aは、台座1858Aを介してフレーム側支持部1852に対して位置関係が固定されて配置されている。棒状可撓性部材1850が上下方向に曲がることにより、フレーム側干渉部18581Aと鍵側支持部1851とが接触するようになっている。フレーム側干渉部18581Aと鍵側支持部1851とは、鍵100の押下によって互いに接触することはない。これは、鍵100の押下によっては、フレーム側干渉部18581Aと鍵側支持部1851とは離れる方向に移動するためである。すなわち、フレーム側干渉部18581Aと鍵側支持部1851とは、鍵100の可動範囲外かつ棒状可撓性部材1850の可撓範囲において接触するように、位置関係が決められている。
上述したように、鍵側干渉部18571は、回動部185Aを第1支持部183および第2支持部585に取り付ける際に棒状可撓性部材1850の変形を制限するものとして用いられる。一方、フレーム側干渉部18581Aは、回動部185Aを第1支持部183および第2支持部585から取り外す際に棒状可撓性部材1850の変形を制限するものとして用いられる。
回動部185Aを第1支持部183および第2支持部585から取り外すとき、台座1857と台座1858Aとが離れるように圧力が加わる。これにより鍵側支持部1851が上方に、フレーム側支持部1852が下方に移動するように力が加わるため、この力が棒状可撓性部材1850を変形させるように作用する。作業の状況にもよるが、台座1857および台座1858Aの手前側(鍵100の前端側)ほど、上下に離れるように力がかかる場合がある。このような場合には、フレーム側干渉部18581Aと鍵側支持部1851(より詳細には、図10に示す支持板18511)とが接触する方向に棒状可撓性部材1850が変形する。フレーム側干渉部18581Aと鍵側支持部1851とが接触すると、台座1857と台座1858Aとがこれ以上近づくことができなくなる。したがって、棒状可撓性部材1850の変形が増大していくことを抑制することができる。
<第3実施形態>
第1実施形態では、鍵側支持部1851がフレーム側支持部1852よりも奥側に配置されていた。第3実施形態では、第1実施形態とは、これらの位置関係が逆になっている回動部185Bについて説明する。
図16は、第3実施形態における回動部の構造を説明する図である。回動部185Bは、第1実施形態における回動部185を実質的に上下に反転して第1支持部183Bおよび第2支持部585Bに接続されたものである。この構造によれば、棒状可撓性部材1850Bの位置は第1実施形態と同じである。フレーム側支持部1852Bが鍵側支持部1851Bよりも奥側に配置されている。また、鍵側干渉部18571の代わりにフレーム側干渉部18581Bが配置されている。フレーム側支持部1852Bが第2支持部585Bよりもさらに奥側に存在する。したがって、フレーム側支持部1852Bが接続された台座1858Bの変形を抑制するために、補強板1859Bは、台座1858Bに接続されている。なお、補強板1859Bを通過するための第3空間585S3が第2支持部585Bに形成されている。これとは逆に、この例では、第1支持部183Bには、第3空間183S3が形成されていない。
第1実施形態における回動部185では、フレーム500(第2支持部585)の後端側において、棒状可撓性部材1850の近傍まで拡がった空間を確保することができる。一方、押鍵により、鍵側支持部1851が動くことになる。そのため、この空間に何らかの構造体を配置した場合には、タッチ感への影響を抑えるため、鍵側支持部1851と接触しないように所定のマージンを確保する必要がある。
第3実施形態における回動部185Bにおいては、フレーム側支持部1852Bがフレーム500(第2支持部585)の後端側に近い領域に存在するため、第1実施形態よりも狭い空間の確保となる。一方、押鍵により、鍵側支持部1851Bが動くが、フレーム側支持部1852Bはほとんど動かない。そのため、この空間に何らかの構造体を配置した場合に、フレーム側支持部1852Bと仮に接触してしまったとしても、タッチ感に与える影響はほとんどない。設計の内容に応じて、第1実施形態の構造を採用するか第3実施形態の構造を採用するか、適宜選択されればよい。
<第4実施形態>
上述した実施形態においては、棒状可撓性部材1850は、主軸AXを回転軸とした回転体であり、断面が円形であったが、上下方向Vへの曲げ変形が可能な構造であれば、断面形状において円形以外となるような曲線を含む外縁を有していてもよい。第4実施形態では、断面が楕円形を有する棒状可撓性部材1850Cについて説明する。
図17は、第4実施形態における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。図17(A)は図11(A)に対応する図であり、図17(B)は図11(B)に対応する図である。この例では、棒状可撓性部材1850Cは、主軸AXを重心とする楕円の断面を有し、z方向の短軸を有し、y方向の長軸を有する。すなわち、長さLzが長さLyより小さい。棒状可撓性部材1850Cは、断面における長さLyおよび長さLzが極小点Cから両端に近づくほど連続的に増加していく領域を含む。
<第5実施形態>
上述した実施形態においては、棒状可撓性部材1850は、主軸AXを回転軸とした回転体であり、両端に近づくほど、断面におけるy方向の長さおよびz方向の長さが連続的に増加していく構成であったが、y方向の長さおよびz方向の長さの一方が変化しなくてもよい。第5実施形態では、断面におけるy方向の長さが一定である棒状可撓性部材1850Dについて説明する。
図18は、第5実施形態における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。図18(A)は図11(A)に対応する図であり、図18(B)は図11(B)に対応する図である。この例では、棒状可撓性部材1850Dは、主軸AXを重心とする楕円の断面を有し、z方向の短軸を有し、y方向の長軸を有する。棒状可撓性部材1850Dは、長さLzが極小点Cから両端に近づくほど、連続的に長さが増加していく領域を含む。一方、長さLyはx方向のどの位置においても一定の長さである。
なお、上述したように、断面における長さLzが、x方向の断面の位置に対して変化する場合には、極小点Cを有するようにすることで、極小点C近傍を中心に上下方向に曲がりやすくなるため、回動中心の位置を安定させることできる。
<変形例>
上述した各実施形態は、互いに組み合わせたり、置換したりして適用することが可能である。また、上述した各実施形態では、以下の通り変形して実施することも可能である。
(1)第1実施形態においては、棒状可撓性部材1850は、主軸AXに直交する断面形状が円形の外縁を有していたが、角を含む外縁を有していてもよい。このとき、断面形状が直線を含む外縁を有していてもよい。
図19は、変形例(1)における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。図19(A)に示す棒状可撓性部材1850Eは、第1実施形態における棒状可撓性部材1850の断面形状を円形ではなく正方形にした例である。図19(B)に示す棒状可撓性部材1850Fは、第4実施形態における棒状可撓性部材1850Cの断面形状を楕円形状ではなく長方形にした例である。第5実施形態における棒状可撓性部材1850の断面形状を楕円形ではなく長方形にした例については、図19(A)における長さLzを長さLyより短くするだけであるため、図示を省略する。いずれの構造であっても、上下方向V(z方向)への曲げ変形が可能であればよい。
(2)第1実施形態においては、棒状可撓性部材1850は、主軸AXに直交する断面において、長さLyおよび長さLzが最も短くなる極小点Cを有していたが、上下方向に曲げることができる可撓性部材であれば、極小点Cを有しない構成であってもよい。例えば、長さLzが最も短くなる部分が一定となる範囲を有してもよい。このとき、さらに長さLyについても同様に一定となる範囲を有していてもよい。
図20は、変形例(2)における棒状可撓性部材の断面形状を説明する図である。図20(A)は図11(A)に対応する図であり、図20(B)は図11(B)に対応する図である。図20における棒状可撓性部材1850Gは、上述した図19(B)で示した棒状可撓性部材1850Fに対して、一部の範囲Wfにおいて長さLzが一定の値となるようにした例である。このような範囲Wfは、平板形状であるといえる。すなわち、押鍵に伴って曲げ変形する部分は、棒形状に限られない。また、長さLzが全ての領域で変化し続ける場合に限られず、一部の領域でのみ変化してもよい。いずれにしても、上下方向に曲げることができれば、様々な形状の可撓性部材を用いることが可能である。
(3)第1実施形態においては、回動部185は、接合部18512に設けられた凹部18513および接合部18522に設けられた凹部18523を有していたが、いずれか一方の凹部のみが存在する構成であってもよい。
(4)第1実施形態では、回動部185は、第1支持部183および第2支持部585に対して着脱可能に取り付けられていたが、いずれか一方または双方に対して着脱ができない構成であってもよい。着脱ができない構成であっても、鍵側支持部1851(支持板18511)は、鍵100よりもフレーム500(第2支持部585)側に配置されている。一方、フレーム側支持部1852については、フレーム500(第2支持部585)よりも鍵100側に配置されている場合に限らず、フレーム500の奥側に配置されていてもよい。
(5)第1実施形態では、棒状可撓性部材1850が、第1支持部183の下方に配置されていたが、第1支持部183より奥側に配置されていてもよい。
(6)第1実施形態においては、棒状可撓性部材1850は、ほぼ前後方向Fに沿った主軸AX(長手方向)を有していたが、上下方向Vへの曲げ変形が可能である範囲であれば、前後方向Fに対して傾いた主軸AXを有していてもよく、すなわち、鍵100の押下方向(上下方向V)により近づいた方向に沿った主軸AXを有していてもよい。この場合には、主軸AXの向きは、鍵100の押下方向よりも前後方向Fに近いことが望ましい。
(7)第1実施形態においては、棒状可撓性部材1850は、ほぼ前後方向Fに沿った主軸AX(長手方向)を有し、上下方向の曲げ変形によって鍵100を回動させていたが、上下方向Vに沿った主軸AXを有していてもよい。この場合には、棒状可撓性部材1850は前後方向Fへ曲げ変形によって鍵100を回動させることができる。このとき、上下方向Vに対して傾いた主軸AXを有していてもよく、すなわち、鍵100の押下方向(上下方向V)により近づいた方向に沿った主軸AXを有していてもよい。この場合には、主軸AXの向きは、前後方向Fよりも鍵100の押下方向に近いことが望ましく、また、鍵100の前後方向Fへの移動を規制するガイドを有していることが望ましい。この前後方向Fへの移動の規制は、例えば、側面鍵ガイド153において実現してもよい。
1…鍵盤装置、10…鍵盤アセンブリ、70…音源装置、80…スピーカ、90…筐体、100…鍵、100w…白鍵、100b…黒鍵、120…ハンマ支持部、151…前端鍵ガイド、151u…上部鍵ガイド、151d…下部鍵ガイド、153…側面鍵ガイド、180…接続部、181,181w,181b…板状可撓性部材、183,183w,183b,183B…第1支持部、183S1…第1空間、183S2…第2空間、183S3…第3空間、185,185A,185B…回動部、1850,1850B,1850C,1850D,1850E,1850F,1850G…棒状可撓性部材、1851,1851B…鍵側支持部、18511…支持板、18511d…下端部、18512…接合部、18513…凹部、18515…補強板、1852,1852B…フレーム側支持部、18521…支持板、18521u…上端部、18522…接合部、18523…凹部、18525…補強板、1853…支持棒、1854…支持棒、1855…係止棒、1856…係止棒、18551…係止部、18561…係止部、1857…台座、18571…鍵側干渉部、1858,1858A,1858B…台座、18581A…フレーム側干渉部、1859,1859B…補強板、200…ハンマアセンブリ、210…前端部、220…軸受部、230…錘部、300…センサ、410…下側ストッパ、430…上側ストッパ、500…フレーム、511…前端フレームガイド、513…側面フレームガイド、520…回動軸、585,585w、585b,585B…第2支持部、585S1…第1空間、585S2…第2空間、585S3…第3空間、590…支柱、710…信号変換部、730…音源部、750…出力部

Claims (9)

  1. 鍵と、
    フレームと、
    前記フレームに対して前記鍵を回動させるための可撓部であって、長手方向を有し、前記可撓部の長手方向に直交する断面において、スケール方向に直交する第1方向の長さが端部に近づくほど連続的に増加する領域を有する可撓部と、
    前記可撓部の前記領域より端部側を支持し、スケール方向に沿った側に凹部が配置された支持部と、
    を有することを特徴とする鍵盤装置。
  2. 前記支持部は、前記領域に対して両側の前記端部側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 前記領域の第1の端部側に配置された前記支持部は、前記鍵に対して位置関係が固定された部材に接続される鍵側支持部であり、
    前記領域の第2の端部側に配置された前記支持部は、前記フレームに対して位置関係が固定された部材に接続されるフレーム側支持部であることを特徴とする請求項2に記載の鍵盤装置。
  4. 前記長手方向は、前記鍵の押下方向よりも前記鍵の前後方向に近いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鍵盤装置。
  5. 前記長手方向は、前記鍵の前後方向よりも前記鍵の押下方向に近いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鍵盤装置。
  6. 前記可撓部は、前記断面において曲線を含む外縁を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の鍵盤装置。
  7. 前記可撓部は、前記断面において角を含む外縁を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の鍵盤装置。
  8. 前記断面の前記第1方向の長さと前記第1方向に直交する第2方向の長さとが同一であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の鍵盤装置。
  9. 前記断面の前記第1方向の長さは、前記第1方向に直交する第2方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の鍵盤装置。
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