JP2018112681A - 外国語学習装置 - Google Patents
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Abstract
Description
1.英文の難易度が高い。
一般の英語の映画やドラマ,アニメは英語の英文の難易度が高く,英語字幕と日本語訳だけでは平均的なユーザーには不十分で,個々のユーザーごとの英語レベルへの対応は皆無である。英文自体が難しいことが最も大きな問題であるが,個々の単語や連語が分からないときの確認ができない。
2.ビューアが英語学習に適していない。
ビューアは一般の動画用プレーヤーを流用しており,英語学習に必要な機能,例えば再生速度変更などにはほとんど対応していない。また,字幕表示が動画外である場合や,全画面表示ができないなど,基礎的な技術にすら対応していないことも多い。
英語字幕と日本語訳しかないため,英語字幕中に分からない部分があるときの参照がしにくい。日本語訳を確認しながらの学習はストレスで,集中した学習ができない。特に視聴中,英語についてある程度聞き取れる場合,英語の流れを追うことから日本語訳の流れから目が離れてしまう。その後,再生される言語が把握できなくなった場合に日本語訳の方に戻りづらくなってしまうことから,英語学習と内容理解を並行することが難しい。
動画を利用した学習に限ったことではないが,英語は熱心に学習しても上達しにくく,語彙や文法等の知識も実際の英語力に結び付きにくい。特に,一定レベル以上になるとその傾向が強い。例えば,英語学科や英文科の大学生でも,在学中に熱心に学習したにもかかわらず,実際の英語力が入学時と卒業時でほとんど変わらない者は多い。また,文科省の資料によると日常的に英語に接している中学・高校の英語教員でも,英検準1級相当の英語力のある教員は少ない。
機械翻訳はまだまだ発展途上であり,日本語と英語などの言語構造の大きく異なる言語同士の翻訳はまだ正確ではない。一方で映像音声についての字幕の場合には,ある程度意味が取れれば文章としての正確さはそこまで必要ではない。この点で一般的な文書についての翻訳と映像音声についての字幕の翻訳では要求水準が異なっており,映像音声についての字幕に適した翻訳を提供することが望まれている。もちろん従来通りの厳密な翻訳でも視聴者の用に供することはできるが,膨大に提供される映像音声に対してはより簡易な字幕提供とすることで,提供負担の少ない低コストな翻訳提供が求められている。
動画表示域110は,動画を表示する領域であるとともに,字幕を重ねて表示する部分である。本実施の形態では字幕は動画に重ねて表示する例を説明するが,字幕領域を動画表示域110から分けて設けてもよい。動画表示域110に動画を再生する一方で,動画上に[ルビ訳+文構造150][文節訳160]を配置し,字幕,区切り情報及び訳語情報などを表示する。
図3に示した[字幕などのテキスト表示域120]には,既に表示しているルビ訳+文構造150に対応する[ルビ訳+文構造125]とともに,これ以降にルビ訳+文構造150として表示すべき複数の部分を並べて表示する。
[テキストの別ページ表示の指定130]では,字幕などのテキスト表示域120として表示した,複数の[ルビ訳+文構造125],[文節訳],[語彙リスト],[文法・語法のリスト] の内の2つを指定し,図7に示すように別ページに段落ごとに並列表示する。以上の指定操作は,表示画面に対する指定操作であり,この入力に基づき,選択部130により以上の2つを選択し,選択結果に基づき,字幕表示部25により,図7に示した表示画面を表示する。
ルビ訳+文構造150に含まれるルビ訳には,ユーザーのレベルに合わせて表示し,文法・語法の補足が必要な部分にはコメントを添えた。レベルは最大7レベルを用意したほか,語彙アプリと連動させることにより,ユーザーの学習済みの語彙のルビ訳を非表示にすることも可能である。なお,動詞には,基本的に原形の意味をカッコ付きで表記している。
2.文構造
ルビ訳+文構造150に含まれる文構造として,文中の区切りにはスラッシュ,意味のまとまりには [ ] ,挿入部分には [[ ]] を挿入した。なお,[ ]と[[ ]]は特に注意が必要な部分のみに挿入している。
3.文節訳
文節訳160として,文節ごとに直訳を表示し,英語と日本語の表現の相違が大きい場合は簡潔なコメントを添えた。
上述の説明では,すべての視聴者に対して単一のレベルでルビ訳+文構造150と文節訳160を表示することにより,学習補助,視聴補助を提供する例を説明したが,実際は中学生レベルから上級者レベルまで多岐にわたる学習者がおり,各レベルに適合させた学習補助,視聴補助を提供することが望まれる。そこで,レベルに応じて,動画を視聴しながら,語彙の意味の把握,文構造への慣れ,直訳と英語的な表現への慣れのトレーニングを行えるようにした例について説明する。また,動画外では,語彙,文法・語法の学習を行えるようにした。
図9はレベル別のルビ訳の例を示す。まず図9に示す(a)から(c)の各レベルのうちから,レベルに合ったルビ訳をユーザーは選択する。選択部30は入力を受けて,選択結果を字幕表示部25に送り,字幕表示部25によりルビ訳+文構造150として表示する。このように選択部30はレベルを選択する一方で,字幕記憶部20は,ルビ訳,文節訳,スラッシュなどの各種訳語情報をレベルごとに区分して記憶しておく。そして字幕表示部25は,こうした訳語情報のうち,選択されたレベルに該当するものを選択して表示する。
図10はレベル別の文構造の例を示す。図9ではルビ訳をレベル別に変える例を示したが,図10では文節の区切り,文構造についてレベルに従って変化させる例を説明する。ここで,ユーザーはレベルに合った文構造を選択し,区切りの把握と,意味のまとまりと挿入部分を意識したトレーニングを行う。これは,スラッシュリーディングのトレーニングの一環である。
図11は文節訳と,文節訳だけでは不十分な部分を補足するコメントの例である。文節訳にはできるだけ直訳に近い訳を表記し,コメントは特に分かりにくい場合のみに表記している。ユーザーは,直訳への慣れと,直訳では不十分な部分(英語的な表現)を補足するトレーニングを行う。これは,スラッシュリーディングのトレーニングの一環である。
動画外で,語彙と文法・語法の学習を行うことができるようにした。
(1)語彙の学習
図12は語彙のリストの例で,語彙とその解説を動画外に出現順に表示し,動画と連動して移動するようにした。解説は,単語帳のようなシンプルな解説にとどめている。
(2)文法・語法の学習
図13は文法・語法のリストの例で,文法・語法とその解説を動画外に出現順に表示し,動画と連動して移動するようにした。
ルビ訳+文構造150と文節訳160は,事前に字幕データとして作成して字幕記憶部20に用意する。その字幕データの作成及び編集手順について,図14を参照して説明する。なお,編集は独自に開発した編集ソフトで行う。
図15は文節訳と文構造の処理の順を示す。図14に示す[S100.文節訳]の処理の詳細として,[(S110)SRTファイル] [(S120)文節の区切り(機械処理)][(S130)翻訳(機械処理)][(S140)編集(人為的な処理)][(S150)完了時の処理]の順で行う。なお,[(S120)文節の区切り(機械処理)][ (S130)翻訳(機械処理)]の処理は,編集を補助するためのものなので,行わなくてもよい。
1.SRTファイル
図16はSRTファイルの例を示す。図15に示した[(S110)SRTファイル]の詳細である。SRTファイル300は最も広く使われているテキスト体裁の字幕ファイルであり,時間と字幕,改行位置のみが表記されている。なお,字幕にはタイムごとに通し番号がついている。
図17は,編集ソフトで,文節の区切りとしてスラッシュを機械処理で挿入したときの例である。[(S110)SRTファイル] について図16を参照して説明したので,次に[(S120)文節の区切り(機械処理)]について図17を参照して説明する。
以上,[(S120)文節の区切り(機械処理)] について説明したので,次に[(S130)翻訳(機械処理)]について説明する。まず,SRTファイルのテキストを,一般の編集ソフトを利用して機械翻訳する。一般的には機械翻訳についてはセンテンスごとに翻訳処理するが,ここでは文節単位で翻訳してもよく,またセンテンス単位での翻訳結果を文節単位の翻訳結果を組み合わせた翻訳出力を得るなど様々な方法が考えられる。いずれにしても,表示するのは文節訳160の組み合わせであることから,文節訳160のそれぞれについての翻訳結果が得られるように機械翻訳をかける。
以上,[(S130)翻訳(機械処理)] について説明したので,次に[(S140)編集(人為的な処理)]について説明する。ここでは,機械翻訳したものを修正する。図19は修正後の例で,機械翻訳を修正するとともに,意味を取りにくい部分にはコメントを入れる。コメントは先頭に矢印(→)を入れておくと,編集ソフトでコメントとして機械的に認識される。また同様に,意味のまとまりには [ ] ,挿入部分には [[ ]] を入れておくと,編集ソフトで機械的に認識される。なお,スラッシュはあってもなくてもよく,余分なスペース等の人的なミスも,編集ソフトで機械的に修正される。
以上,[(S140)編集(人為的な処理)] について説明したので,次に[(S150)完了時の処理]について説明する。 編集ソフトに読み込むと機械処理され,図20のように文節訳として表示される。
ルビ訳の編集は, [1.文節訳]の登録後に行う。図21は処理の順を示したもので,[(S210)ルビ訳の処理(機械処理)][(S220)ソフト上での編集(人為的な処理)] の順で行う。なお,ルビ訳と文節訳では,英文とタイムを共有しているため,文節訳の修正を行ったときは機械的にルビ訳にも反映される。
精度の高い機械処理を行うことができるように,図22,図23のように編集ソフト上の[新規編集]ページで以下の(1)〜(3)のいずれかの処理を選択する。通常は(2)を選択する。
(1)新規の編集
データベースのみで訳付けするときに利用し,[ルビ訳名][データベース名]を指定する。
(2)新規の編集(流用辞書あり)
他のルビ訳辞書を流用して訳付けし,ない場合のみデータベースで訳付けするときに利用し,[ルビ訳名][データベース名][流用辞書名]を指定する。なお,流用辞書のみで訳付けする場合は,[ルビ訳名] [流用辞書名]を指定する。
(3)完全流用
他のルビ訳辞書を完全流用して訳付けするときに利用し,[ルビ訳名][流用ルビ訳名]を入力し,[行番号指定の訳語も流用する][コメントも流用する]にチェックを入れる。
編集はすべて,図24の編集ソフト上で行う。編集ソフト上では,以下の(1)〜(5)の処理を行うことができる。
(1)ルビ訳の修正,削除
(2)ルビ訳の新規登録
単語だけではなく連語も登録でき,英文中に同一の語彙が複数ある場合には,一部の語彙だけに訳を付けたり,異なる訳をつけることも可能である。
(3)語彙のレベルの指定,変更
編集ソフトでは最大7レベルをサポートしている。
(4)コメントの登録
図25の編集ソフト上で,コメントを登録する。
(5)一時静止する段落の指定(コメント以外)
再生時には,ユーザ側の設定により,コメントのある行とその他分かりにくい部分で動画を自動静止(3秒,5秒など)することができる。
1)編集ソフトはブラウザ上で動作し,一般のPCで編集できるため,主婦に方などに自宅での作業を依頼することができる。
2)データはサーバー上で一括管理されるため,複数の編集者の共同作業やデータの共有が容易である。
3)データが個々の編集者のPCに残らないため,セキュリティーの管理もしやすい。また,PCの不具合や故障による影響を受けにくい。
2)ブラウザの機能を利用できる。例えば,図26のように,マウスオーバー辞書を機能させ,辞書の閲覧や辞書ページのジャンプが容易にできる。
語彙の学習のデータ作成は,[S200.ルビ訳]の完了後に行う。図27は作業順を示したもので,[S310語彙リストの作成(機械処理)][S320エクセルでの編集(人為的な処理)] の順で行う。なお,[S320エクセルでの編集(人為的な処理)] は通常は行う必要はない。
図28は編集ソフト上の[語彙リストの作成]ページで,ルビ訳名(スクリプト名)と語彙リストのデータベース名を入力する。データベース名は語彙リスト用の辞書で,予め登録されている。指定すると機械処理が行われ,ルビ訳をつけた語彙の内,データベースにあるものが収集されリスト化される。なお,同綴異義語があるときは,人為的に選択する。
語彙リストは,CSVファイルとしてダウンロードしてエクセル上で編集し,再度アップロードすることができる。図29はダウンロードしてエクセルで開いたときの語彙リストの例で,英語語彙と解説などが記述されている。解説部分にはhtmlタグを使用することができる。
文法・語法の解説のデータ作成は,[S200.ルビ訳]の完了後に行う。図30は作業順を示したもので,[S410エクセルでリストを作成(人為的な処理)][ S420リストの完成(機械処理)] の順で行う。
エクセルで,文法・語法の解説のデータを作成する。図31はエクセルデータの例で,段落番号と該当英文,解説を入力する。解説には,解説コードを入力する方法と独自解説を記述する方法の2つがある。解説コードには,予め登録されているデータベースの解説コードを入力する。また,独自解説部分にはhtmlタグを使用することができる。
エクセルデータをCSVファイルで保存し,図32の編集ソフトの[文法・語法の解説]ページからアップロードすると,機械処理により解説コードを記述した部分に,データベースから解説が収集されリストが完成する。必要なら,さらにダウンロードして修正することも可能である。
辞書の管理を行うことにより,精度の高い機械処理を行うことができる。
1.ルビ訳の辞書の統合
ルビ訳の辞書を最大10まで統合することができ,特にシリーズものでは字幕の編集を終えるごとに辞書の統合を行うことにより,精度の高い辞書を得ることができる。図33は編集ソフトの辞書の統合ページで,統合する辞書名を入力する。なお,同一の語彙で訳が異なるときは,統合時に図34のページが現れるので,人為的に選択する。
2.辞書のアップロード・ダウンロード
ルビ訳の辞書は,CSVファイルとしてダウンロードしてエクセル上で編集し,再度アップロードすることができる。図35はダウンロードしてエクセルで開いたときの辞書の例で,英語語彙とルビ訳のほか,英語語彙のレベルなどが記述されている。
Claims (6)
- コンテンツを再生する再生部と,
前記コンテンツの再生の進行に沿った第1言語に基づく字幕を,当該字幕の文節単位ごとの区切りを特定して保持し,前記字幕の文節についての又は前記文節単位ごとに含まれる語彙についての,第2言語に基づく訳語情報を保持する字幕記憶部と,
前記コンテンツの再生の進行に合わせて前記字幕を表示すると共に,表示される字幕の文節単位ごとの区切りを示す区切り情報及び前記訳語情報を表示する字幕表示部と,
を備える外国語学習装置。 - レベルを選択する選択部をさらに備え,
前記字幕記憶部は,前記訳語情報をレベルごとに区分して記憶し,
前記字幕表示部は,前記訳語情報のうち,選択されたレベルに該当するものを選択して表示する,
請求項1に記載の外国語学習装置。 - 前記訳語情報は,前記字幕に含まれる語彙ごとの訳語である第1訳語情報と,前記字幕に含まれる文節ごとの訳である第2訳語情報を含み,
前記字幕表示部は,前記訳語情報として,表示する字幕に対応する語彙と並べて前記第1訳語情報を表示し,さらに前記第2訳語情報を表示する,
請求項1又は2に記載の外国語学習装置。 - 前記訳語情報は,前記字幕に含まれる1文全体の意味に関連する情報である第3訳語情報を含み,
前記字幕表示部は,前記訳語情報として,前記第3訳語情報をさらに表示する,
請求項3に記載の外国語学習装置。 - 前記字幕記憶部は,前記字幕に含まれる文に関する文法情報を,該当する語彙に対応付けて記憶し,
前記字幕表示部は,前記字幕を表示するときに,表示される字幕とともに,該当する前記文法情報をさらに表示する,
請求項1〜4のいずれかに記載の外国語学習装置。 - レベルを選択する選択部をさらに備え,
前記字幕記憶部は,前記文法情報をレベルごとに区分して記憶し,
前記字幕表示部は,前記文法情報のうち,選択されたレベルに該当するものを選択して表示する,
請求項5に記載の外国語学習装置。
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