JP2018112405A - 感圧センサ - Google Patents

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雅朝 田丸
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Abstract

【課題】湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能な感圧センサを提供する。【解決手段】本発明の一側面に係る感圧センサは、伸長性を有し、かつ第1の方向に延びるように配列された複数の第1電極が積層された第1シート部材と、伸長性を有し、かつ前記第1の方向とは交差する第2の方向に延びるように配列された複数の第2電極が積層された第2シート部材であって、前記複数の第1電極と当該複数の第2電極とが複数の交点を形成するように前記第1シート部材に重ねて配置される第2シート部材と、前記第1シート部材と前記第2シート部材との間において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極との前記各交点にそれぞれ配置される複数の導電部と、を備え、隣接する前記交点に配置されることで互いに隣接する前記導電部は物理的に離間するように構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、圧力を検出する感圧センサに関する。
特許文献1及び2では、複数行の第1電極及びこれらの電極を覆う導電層(感圧インク層)が形成された第1シート部材と、複数列の第2電極及びこれらの電極を覆う導電層(感圧インク層)が形成された第2シート部材と、を備えた感圧センサが提案されている。この感圧センサでは、第1シート部材及び第2シート部材が、第1電極と第2電極とが交差して対向するように互いに重ねて配置される。そのため、感圧センサに圧力が加えられると、導電層同士の接触状態が変化し、これによって、両導電層の電気抵抗値が変化する。よって、この電気抵抗値の変化に基づいて、感圧センサに加えられた圧力分布を検出することができる。
特開2012−57991号公報 特開2012−57992号公報
従来の感圧センサでは、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート等の硬質の樹脂シートが各シート部材に用いられていた。そのため、曲面、凹凸面等の湾曲した形状を有する湾曲面に感圧センサを配置しても、この湾曲面の形状に感圧センサが追従することができず、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することが困難であった。そこで、このような湾曲面に加えられた圧力分布を測定するため、PETシート等の硬質な樹脂シートに代えて、ウレタンシート等の伸長性を有する樹脂シートを各シート部材に用いることが考えられる。
しかしながら、本件発明者らは、上記のような従来の感圧センサの各シート部材に伸長性を有する樹脂シートを用いた場合に、次のような問題点が生じ得ることを見出した。すなわち、各導電層は、比較的に硬い導電性材料で形成される。そのため、従来のように、行方向又は列方向に延びる各電極を覆うように各導電層を広い範囲に積層すると、各導電層を積層した列方向又は行方向に延びる一連の領域で伸長性が損なわれてしまう。したがって、伸長性を有する樹脂シートを各シート部材に用いても、各導電層を積層した列方向又は行方向に延びる一連の領域で伸長性が損なわれてしまい、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができないという問題点が生じ得ることを本件発明者らは見出した。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、その目的は、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能な感圧センサを提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る感圧センサは、伸長性を有し、かつ第1の方向に延びるように配列された複数の第1電極が積層された第1シート部材と、伸長性を有し、かつ前記第1の方向とは交差する第2の方向に延びるように配列された複数の第2電極が積層された第2シート部材であって、前記複数の第1電極と当該複数の第2電極とが複数の交点を形成するように前記第1シート部材に重ねて配置される第2シート部材と、前記第1シート部材と前記第2シート部材との間において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極との前記各交点にそれぞれ配置される複数の導電部と、を備え、隣接する前記交点に配置されることで互いに隣接する前記導電部は物理的に離間するように構成される。
上記感圧センサでは、第1電極と第2電極との各交点に各導電部は配置され、隣接する導電部同士は、物理的に離間するように構成される。すなわち、本件発明者らは、従来の感圧センサにおいて、感圧の機能を発揮し、圧力分布を検出するのに寄与するのは、第1電極と第2電極との各交点の部分であることに着目し、隣接する交点の間には導電部を積層しないようにした。これにより、隣接する導電部の間の領域では、比較的に硬い導電性の材料が積層されないため、各シート部材の伸長性を損なわないようにすることができる。したがって、各導電部を積層した領域で各シート部材の伸長性が損なわれたとしても、隣接する導電部の間の領域では伸長性を発揮することができるため、上記感圧センサを湾曲面に配置した場合に、上記感圧センサの形状を当該湾曲面の形状に追従させることができる。よって、上記感圧センサによれば、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができる。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記導電部の25度における貯蔵弾性率は、前記各電極の25度における貯蔵弾性率よりも大きくてもよい。貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により得られる粘弾性特性の一つであり、引張における弾性成分を示す。当該構成では、導電部の25度における貯蔵弾性率が各電極の25度の貯蔵弾性率よりも大きいため、導電部は、比較的に硬い導電性材料で形成される。そのため、従来のように感圧センサを形成した場合には、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができなくなってしまう可能性がある。しかしながら、上記感圧センサでは、このような比較的に硬い導電性材料を導電部に利用しても、第1電極及び第2電極の隣接する交点間の領域に導電部を形成しないことで、この領域において、感圧センサの伸長性を確保することができる。よって、当該構成によれば、比較的に硬い導電性材料を導電部に使用したとしても、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能な感圧センサを提供することができる。すなわち、上記のように、第1電極及び第2電極の隣接する交点間の領域に導電部を形成しないことで、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能することは、このような比較的に硬い導電性材料を導電部に使用する場面で有益な効果を発揮する。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記導電部の25度における貯蔵弾性率は、前記各電極の25度における貯蔵弾性率の5倍以上であってもよい。当該構成によれば、導電部は、非常に硬い導電性材料で形成される。そのため、従来のように感圧センサを形成した場合には、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができなくなってしまう可能性が極めて高くなってしまう。しかしながら、上記のとおり、上記感圧センサでは、第1電極及び第2電極の隣接する交点間の領域に導電部を形成しないことで、この領域において、感圧センサの伸長性を確保することができる。よって、当該構成によれば、非常に硬い導電性材料を導電部に使用したとしても、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能な感圧センサを提供することができる。すなわち、上記のように、第1電極及び第2電極の隣接する交点間の領域に導電部を形成しないことで、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能することは、このような非常に硬い導電性材料を導電部に使用する場面で特に有益な効果を発揮する。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記各導電部は、前記各第1電極上に積層された第1導電層と前記各第2電極上に積層された第2導電層とにより構成されてもよい。当該構成によれば、第1電極及び第2電極の両側に導電層を形成することで、感度の高い感圧センサを提供することができる。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記各導電部が設けられていない領域において、前記第1シート部材と前記第2シート部材とは接着されていてもよい。当該感圧センサでは、隣接する導電部が物理的に離間するように構成されているため、各導電部を構成する第1導電層及び第2導電層は比較的に小さな面積に積層される。そのため、各導電部を構成する第1導電層と第2導電層とは互いにずれやすくなっており、第1導電層と第2導電層とがずれてしまうと、この部分に加えられた圧力を検出できなくなってしまう可能性がある。これに対して、当該構成によれば、各導電部を設けていない領域において、第1シート部材と第2シート部材とを接着することで、各導電部を構成する第1導電層と第2導電層とがずれ難いようにすることができる。これによって、圧力を検出できなくなる事態が生じ難くすることができる。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記第1シート部材と前記第2シート部材とは、当該両シート部材を垂直な方向から見た平面視において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とに囲まれた領域で接着されていてもよい。当該構成によれば、各第1電極と各第2電極とに囲まれた領域で両シート部材を接着することで、各第1電極と各第2電極との交点に配置した各導電部を構成する第1導電層と第2導電層とを更にずれ難いようにすることができる。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記各シート部材は、当該各シート部材の10mm幅の試験片の両端を長手方向に50mmの間隔を空けて保持し、保持した当該試験片の両端を引張速度1mm/秒にて引き離す引張試験において、当該試験片の破断伸び率が100%以上となる伸長性を有してもよい。当該構成によれば、各シート部材は十分な伸長性を有するため、各シート部材を備える感圧センサの湾曲面に対する追従性を高めることができる。よって、当該感圧センサによれば、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができる。
また、上記一側面に係る感圧センサの別の形態として、前記各電極は、厚み100μm及び幅15mmのウレタンシート上に前記各電極の材料を印刷することで線幅0.25mmの配線を4本形成し、当該ウレタンシートの両端を引き離す方向に伸長させながら当該各配線の抵抗値を測定する抵抗値測定試験において、10%の伸び率で当該ウレタンシートを伸長させても各配線が断線しない伸長性を有する材料で構成されてもよい。当該構成によれば、各電極が十分な伸長性を有するため、各電極を備える感圧センサの湾曲面に対する追従性を高めることができる。よって、当該感圧センサによれば、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができる。
本発明によれば、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定可能な感圧センサを提供することができる。
図1は、実施の形態に係る感圧センサを模式的に例示する平面図である。 図2は、実施の形態に係る感圧センサを模式的に例示する断面図である。 図3は、実施の形態に係る上側シート部材の下面を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係る下側シート部材の上面を模式的に例示する。 図5は、引張試験を説明するための図である。 図6は、シート部材の各サンプルに対する引張試験の結果を示す。 図7は、抵抗値測定試験を説明するための図である。 図8は、電極の各サンプルに対する抵抗値測定試験の結果を示す。 図9Aは、導電部のサンプルに対する引張試験の結果を示す。 図9Bは、シート部材、電極、及び導電部のサンプルに対する貯蔵弾性率の測定結果を示す。 図10は、実施の形態に係る感圧センサを模式的に例示する部分拡大図である。 図11は、実施の形態に係るセンサシステムを模式的に例示する。 図12は、湾曲面に対する追従性の試験方法を示す。 図13は、実施例の追従性の試験結果を示す。 図14は、実施例の追従性の試験結果を示す。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係る感圧センサ1の構成例について説明する。図1は、本実施形態に係る感圧センサ1を模式的に例示する平面図である。図2は、図1のA−A線の断面を例示する。なお、図1及び図2では、説明の便宜のため、x軸、y軸、及びz軸を用いて各方向を例示している。ここでは、x軸方向を「前後方向」、y軸方向を「左右方向」、z軸方向を「上下方向」とも称する。各軸方向は互いに直交している。
図1及び図2に示されるとおり、本実施形態に係る感圧センサ(タクタイルセンサ)1は、それぞれ伸長性を有する平板状の上側シート部材10及び下側シート部材11を備えている。上側シート部材10は互いに対向する上面101及び下面102を有しており、下面102には、前後方向に延びるように配列された10本の電極103が積層されている。一方、下側シート部材11は互いに対向する上面111及び下面112を有しており、上面111には、左右方向に延びるように配列された10本の電極113が積層されている。
上側シート部材10及び下側シート部材11は、上側シート部材10の下面102と下側シート部材11の上面111とが向かい合うように、上下方向に互いに対向して配置される。これによって、上側シート部材10及び下側シート部材11は、それぞれ前後方向に延びる10本の電極103とそれぞれ左右方向に延びる10本の電極113が100個の交点を形成するように互いに重ねて配置される。
なお、上側シート部材10及び下側シート部材11は、本発明の「第1シート部材」及び「第2シート部材」に相当する。上側シート部材10の各電極103及び下側シート部材11の各電極113は、本発明の「第1電極」及び「第2電極」に相当する。また、前後方向(x軸方向)及び左右方向(y軸方向)は、本発明の「第1の方向」及び「第2の方向」に相当する。
上側シート部材10と下側シート部材11との間には、前後方向及び左右方向に沿って並ぶ100個の導電部2が設けられている。各導電部2は、矩形状に形成されており、上側シート部材10の電極103と下側シート部材11の電極113との各交点に配置される。両電極(103、113)の隣接する交点に配置されることで互いに隣接する導電部2は物理的に離間するように構成されている。
これによって、隣接する導電部2の間の領域23では、導電部2の材料が積層されないため、各シート部材(10、11)の伸長性を損なわないようにすることができる。したがって、本実施形態によれば、隣接する導電部2の間の領域23で各シート部材(10、11)の伸長性を発揮することができるため、曲面、凹凸面等の湾曲面に感圧センサ1の形状を追従させ、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができる。以下、各構成要素について説明する。
[シート部材]
まず、図3及び図4を更に用いて、各シート部材(10、11)について説明する。図3は、上側シート部材10の下面102を模式的に例示する。図4は、下側シート部材11の上面111を模式的に例示する。
図2及び図3に示されるとおり、上側シート部材10は、前後方向に延びる矩形状の部分と矩形状の部分からやや拡がった部分とを有する形状に形成されている。この上側シート部材10の下面102には、前後方向に延びる複数(図に示す実施形態では、10本)の矩形状の電極103、各電極103の端部にそれぞれ接続された複数の配線104、及び各配線104の端部がそれぞれ接続された複数の端子105が形成されている。各配線104は、各電極103と各端子105とを電気的に接続し、各端子105は、コネクタ30に接続される。
一方、図2及び図4に示されるとおり、下側シート部材11は、上側シート部材10とほぼ同じ形状に形成されている。この下側シート部材11の上面111には、左右方向に延びる複数(図に示す実施形態では、10本)の矩形状の電極113、各電極113の端部にそれぞれ接続された複数の配線114、及び各配線114の端部がそれぞれ接続された複数の端子115が形成されている。各配線114は、各電極113と各端子115とを電気的に接続し、各端子115は、コネクタ30に接続される。
各シート部材(10、11)は、伸長性を有する材料で形成される。例えば、各シート部材(10、11)には、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のシート基材を用いることができる。また、例えば、各シート部材(10、11)には、伸長性の高い好適な材料として、ウレタンエラストマー、シリコーン、ゴム等のシート基材を用いることができる。感圧センサ1の湾曲面に対する追従性を高めるためには、各シート部材(10、11)に伸長性の高い材料を用いるのが好ましい。各シート部材(10、11)に用いる材料の伸長性は、以下の引張試験で評価することができる。
図5を用いて、各シート部材(10、11)に用いる材料の伸長性を評価するための引張試験について説明する。図5は、当該引張試験を説明するための図である。図5に示すとおり、各シート部材(10、11)の試験片400を用意し、用意した試験片400の長手方向(図5の左右方向)の両端を一対のつかみ具401で保持する。一対のつかみ具401は、50mmの間隔を空けて配置する。また、試験片400の幅(図5の紙面に垂直な方向の長さ)は10mmとし、試験片400の厚みD1(図5の上下方向の長さ)は、0.1mmとする。なお、試験片400の左右方向の長さは、50mm以上あればよい。
次に、一対のつかみ具401で保持した試験片400の両端を引張速度1mm/秒にて引き離していき、破断するまでの試験片400の伸び量を測定する。伸び量は、試験片400を引き伸ばした状態の長さと元の長さ(50mm)との差分により定義される。また、破断伸び率は、試験片400の元の長さに対する伸び量の比率により定義される。このようなつかみ具401を含む測定機器には、例えば、島津製作所製のオートグラフAGS−Xシリーズを用いることができる。また、伸び量及び破断伸び率の計算には、島津製作所製ソフトウェア(TRAPEZIUM)を用いることができる。
各シート部材(10、11)の伸長性は、この引張試験で測定される破断伸び率により評価することができる。各シート部材(10、11)に用いる材料の破断伸び率は実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、各シート部材(10、11)には、上記試験片400の破断伸び率が100%以上となる伸長性を有する材料を用いてもよい。
図6は、上記引張試験により各シートサンプルA〜Dの破断伸び率を測定した結果を示す。各シートサンプルA〜Dは、各シート部材(10、11)に利用可能な樹脂シートである。具体的には、シートサンプルA及びBには、市販のPETフィルムを用いた。また、シートサンプルC及びDには、ウレタンエラストマーを原料とするシート材(大倉工業株式会社製、グレード「ES85」)を用いた。シートサンプルAの破断伸び率は109%であった。シートサンプルBの破断伸び率は106%であった。シートサンプルCの破断伸び率は945%であった。シートサンプルAの破断伸び率は915%であった。この結果から、シートサンプルC及びシートサンプルDのウレタンエラストマー製のシート材は、伸長性に優れており、各シート部材(10、11)の材料として好適であることが分かった。
[電極]
次に、各電極(103、113)について説明する。図1〜図3に示されるとおり、上側シート部材10の各電極103は、前後方向(x軸方向)に延びる長尺状に形成されており、左右方向(y軸方向)に所定のピッチで並んでいる。一方、下側シート部材11の各電極113は、左右方向(y軸方向)に延びる長尺状に形成されており、前後方向(x軸方向)に所定のピッチで並んでいる。上側シート部材10の各電極103の延びる方向と下側シート部材11の各電極113の延びる方向とは互いに交差しているため、10本の電極103及び10本の電極113は、両シート部材(10、11)を垂直な方向(z軸方向)から見た平面視において100個の交点を形成している。各交点には、導電部2が設けられる。
各電極(103、113)の寸法及びピッチは、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、各電極(103、113)の幅は、5μm以上10mm以下に設定可能であり、50μm以下に設定してもよい。また、例えば、各電極(103、113)の厚みは、20μm以下に設定可能であり、10μm以下に設定してもよい。また、例えば、各電極(103、113)のピッチは、10μm以上6mm未満に設定可能であり、100μm以上に設定してもよい。なお、電極103の幅は、図1の左右方向(y軸方向)の長さであり、電極113の幅は、図1の前後方向(x軸方向)の長さである。各電極(103、113)の厚みは、図2の上下方向の長さである。電極のピッチは、隣接する2つの電極の幅中心間の距離である。
各電極(103、113)には、導電性を有する材料が用いられる。例えば、各電極(103、113)には、銅箔、アルミ箔、銀ペースト、銅ペースト等の金属材料が用いられる。なお、各シート部材(10、11)を引き伸ばした際には、各電極(103、113)は、各シート部材(10、11)と共に引き伸ばされる。そのため、各電極(103、113)には、伸長性を有する材料を用いるのが好ましい。各電極(103、113)に用いる材料の伸長性は、以下の抵抗値測定試験で評価することができる。
図7を用いて、各電極(103、113)に用いる材料の伸長性を評価するための抵抗値測定試験について説明する。図7は、当該抵抗値測定試験を説明するための図である。図7に示されるとおり、ウレタンシート500を用意し、用意したウレタンシート500に各電極(103、113)の材料を印刷する。例えば、ウレタンシート500上に各電極(103、113)の材料をスクリーン印刷し、各電極(103、113)の材料を印刷した状態のウレタンシート500をオーブンで加熱する。これにより、ウレタンシート500上に4本の配線501が形成されたサンプルを用意することができる。ウレタンシート500の幅(図7の上下方向の長さ)は15mmとし、厚み(図7の紙面に垂直な方向の長さ)は100μmとする。また、各配線の線幅は0.25mmとする。なお、ウレタンシート500及び各配線の左右方向の長さは、5cm以上あればよい。
次に、4本の配線501を形成したウレタンシート500の長手方向(図7の左右方向)の両端を一対のつかみ具502で保持する。一対のつかみ具502は、5cmの間隔を空けて配置する。そして、手動又はモータにより、一対のつかみ具502で保持したウレタンシート500の両端を引き離すことで、当該ウレタンシート500を引き伸ばす。この引き伸ばしは、次のように行う。すなわち、ウレタンシート500を伸び率10%(0.5cm)毎に伸長させ、伸長させた状態で10秒間、ウレタンシート500上の4本の配線501の抵抗値を測定する。伸び率10%の伸長を行う動作は約1秒以内に行う。
各つかみ具502には、金属箔の電極(不図示)を取り付けており、この電極を介して、各配線501の抵抗値を測定可能になっている。各配線501の抵抗値の測定には、公知の測定装置を用いることができる。例えば、各配線501の抵抗値の測定には、日置電機社製のケミカルインピーダンスアナライザ「IM3590」を用いることができる。測定装置の各端子を各電極に取り付けた状態で上記引き伸ばしを行い、4本の配線501を並列に接続したときの抵抗値をサンプルの抵抗値として測定する。
各配線501が断線した場合には、サンプルの抵抗値が急激に変化する。例えば、各配線501を伸長させた際に、108Ω以上の急激な抵抗値の上昇が認められた場合に、各配線501は断線したものと判断してもよい。そのため、抵抗値を測定することで、各配線501が断線したか否かを確認することができる。各配線501の断線は、目視によっても確認することができる。各電極(103、113)の材料は、このような評価に基づいて、適宜選択されてよい。例えば、各電極(103、113)は、10%の伸び率でウレタンシート500を伸長させても各配線501が断線しない伸長性を有する材料で構成されてもよい。
図8は、上記抵抗値測定試験により、ウレタンシート500を伸び率10%毎に伸長させた際における各電極サンプル(A、B)の抵抗値の測定結果を示す。各電極サンプル(A、B)は、各電極(103、113)に利用可能な導電性の材料である。具体的には、電極サンプルAには、市販の銀ペーストを用いた。また、電極サンプルBには、市販の伸縮性銀ペーストを用いた。電極サンプルAは、10%以上の伸び率で伸長させた際に断線が生じた。一方、電極サンプルBは、100%以上の伸び率で伸長させても断線が生じなかった。この結果から、電極サンプルBは、伸長性に優れており、各電極(103、113)の材料として好適であることが分かった。
なお、上記のとおり、ウレタンシート等の破断伸び率が100%以上である材料を各シート部材(10、11)に用いる場合には、各電極(103、113)も100%の伸び率で伸長させられる可能性が高い。そのため、この場合には、特に、この電極サンプルBは、各電極(103、113)の材料として好適である。
[導電部]
次に、各導電部2について説明する。図1〜図4に示されるとおり、各導電部2は、上記のとおり、上側シート部材10の電極103と下側シート部材11の電極113との平面視における各交点に配置されている。両電極(103、113)の隣接する交点に配置されることで互いに隣接する導電部2は物理的に離間しており、隣接する導電部2の間の領域23には、導電部2の材料が積層されないようになっている。
図2〜図4に示されるとおり、本実施形態に係る各導電部2は、上下方向に2つの層に分かれている。具体的には、本実施形態に係る各導電部2は、上側シート部材10の電極103に積層された上側導電層21と下側シート部材11の電極113に積層された下側導電層22とにより構成されている。両導電層(21、22)は、本発明の「第1導電層」及び「第2導電層」に相当する。各導電層(21、22)の平面寸法は、各電極(103、113)の交点を覆い、かつ、隣接する導電部2同士は物理的に離間するように適宜設定されてよい。また、導電層(21、22)の厚みは、各電極(103、113)を覆うように適宜設定されてよい。
各導電層(21、22)の材料には、導電性粒子、導電性高分子等を含む樹脂材料を用いることができる。導電性粒子は、例えば、金、銀、銅等の金属粒子、カーボン粒子、カーボンナノ材料(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等)の他、通電可能なあらゆる粒子が対象となってよい。また、通電性高分子は、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等である。
樹脂材料の中に上記の導電性粒子を含有させると、感圧センサの感度を高めることができる。ただし、上記導電性粒子は比較的に硬い材料であるため、上記導電性粒子を用いると、各導電層(21、22)は、比較的に硬くなってしまい、各導電層(21、22)を積層した領域で、感圧センサ1の伸縮性が損なわれてしまう。これに対して、本実施形態では、各導電層(21、22)は、各電極(103、113)の全体を覆う訳ではないため、やや伸長性のない材料を各導電層(21、22)に利用しても、感圧センサ1の伸長性を確保することができる。そのため、各導電層(21、22)には、例えば、各電極(103、113)よりも硬い材料を用いることができる。
各導電層(21、22)に用いる材料の伸長性を評価する方法には、上記図5に示した引張試験を採用することができる。すなわち、各導電層(21、22)の材料で試験片400を形成することで、上記の引張試験で各導電層(21、22)の材料の伸長性を評価することができる。各導電層(21、22)の材料で構成される試験片400は、例えば、次のような方法で形成することができる。すなわち、各導電層(21、22)のペースト状の材料を市販の離型紙の上に塗布する。そして、塗布した材料を乾燥させた後、離型紙を剥がすことで、各導電層(21、22)の材料で構成された試験片400を形成することができる。なお、各導電層(21、22)には、例えば、上記引張試験において5%以下の伸び率で伸長させた際に、試験片400に破断が生じる材料を用いてもよい。
図9Aは、導電層の材料に対する引張評価の試験結果を示す。本試験では、上記試験片400の厚みD1を0.02mm〜0.04mmとした。破断伸び率の計算には、島津製作所製ソフトウェア(TRAPEZIUM)を用い、その破断感度は1%に設定した。導電部サンプルA及びBの材料には、ブチセルアセテート:フェノキシ樹脂(InChem社製 商品名 PKHH):カーボンブラック(CABOT社製 商品名 バルカンXC−72R):消泡剤(楠本化成株式会社製 商品名 ディスパロン1970)=68.9:25.5:3.6:2.0の割合で配合することで得られる導電性インク(以下、「導電性インクサンプル」とも記載する)を用いた。導電部サンプルA及びBは共に、5%以下の伸び率で破断が生じた。この結果及び後述の実施例から、各導電層(21、22)には、5%以下の伸び率で破断が生じるような硬い材料を用いることができることが分かった。
また、各導電層(21、22)に用いる材料の伸長性を評価する指標として、貯蔵弾性率を用いてもよい。貯蔵弾性率は、上記のとおり、動的粘弾性測定により得られる粘弾性特性の一つであり、引張における弾性成分を示す。そのため、貯蔵弾性率の値が大きいほど、対象物は硬いと評価することができる。利用場面を想定して、各導電層(21、22)の25度における貯蔵弾性率は、各電極(103、113)の25度における貯蔵弾性率よりも大きくてよい。
図9Bは、各シート部材(10、11)、各電極(103、113)、及び各導電層(21、22)のサンプルの貯蔵弾性率を測定した結果を示す。貯蔵弾性率の測定には、日立ハイテクサイエンス社製の粘弾性測定装置(型番:DMS6100)を用いた。測定温度領域は−100度〜200度とし、サンプルを3度/分で昇温させた。また、歪振幅を5μm、最小張力を50mN、張力ゲインを1に設定した。
シートサンプルには、上記シートサンプルC及びDと同様に、ウレタンエラストマーを原料とするシート材(大倉工業株式会社製、グレード「ES85」)を用いた。電極サンプルには、上記電極サンプルBと同様に、市販の伸縮性銀ペーストを用いた。導電部サンプルには、上記導電性インクサンプルを用いた。図9Bに示されるとおり、シートサンプルの25度における貯蔵弾性率は1.6×107(Pa)であった。電極サンプルの25度における貯蔵弾性率は4.98×108(Pa)であった。また、導電部サンプルの25度における貯蔵弾性率は3.56×109(Pa)であった。よって、電極サンプルの25度における貯蔵弾性率は、シートサンプルの25度における貯蔵弾性率の約30倍であった。また、導電部サンプルの25度における貯蔵弾性率は、電極サンプルの25度における貯蔵弾性率の約7倍であった。よって、少なくとも、各導電層(21、22)には、25度における貯蔵弾性率が各電極(103、113)の25度における貯蔵弾性率の5倍以上である材料を用いることができる。
<接着について>
次に、図10を更に用いて、両シート部材(10、11)の接着について説明する。図10は、本実施形態に係る感圧センサ1を模式的に例示する部分拡大図である。両シート部材(10、11)は互いに接着されていなくてもよい。ただし、その場合、両シート部材(10、11)が互いにずれてしまい、これによって、各導電部2を構成する上側導電層21と下側導電層22とが互いにずれてしまう可能性がある。上側導電層21と下側導電層22とが互いにずれてしまうと、そのずれが生じた部分に加えられた圧力が検知し難くなってしまう。特に、本実施形態では、各導電層(21、22)は、各電極(103、113)の全体を覆うのではなく、比較的に小さな面積に積層されるため、各導電部2を構成する上側導電層21と下側導電層22とが互いにずれやすくなっている。そのため、このような圧力の検知不良が生じやすくなっている。
そこで、本実施形態では、上側シート部材10及び下側シート部材11を、各導電部2が設けられていない領域で接着する。各導電部2が設けられていない領域には、例えば、両電極(103、113)の面方向外側で、両シート部材(10、11)の周縁部の領域12と、両シート部材(10、11)を垂直な方向(z軸方向)から見た平面視において、各電極(103、113)に囲まれた領域13と、が含まれる。
両シート部材(10、11)は、両領域(12、13)で接着されてもよいし、領域12のみで接着されてもよいし、領域13のみで接着されてもよい。また、領域13は、81か所に形成される。81か所の領域13全てで接着が行われてもよいし、81か所のうち接着を行わない領域13が存在してもよい。更に、両シート部材(10、11)の外枠部に沿って接着を行ってもよい。
当該接着により、各導電部2を構成する上側導電層21と下側導電層22とがずれ難いようにすることができる。特に、各導電部2が設けられていない領域のうち、各電極(103、113)に囲まれた領域13は、各導電部2に近接している。そのため、両シート部材(10、11)を領域13で接着することにより、上側導電層21と下側導電層22とをよりずれ難いようにすることができる。これによって、上記のような圧力の検知不良が生じるのを抑えることができる。なお、両シート部材(10、11)の接着は、公知の接着剤により行ってもよいし、熱融着により行ってもよい。両シート部材(10、11)の接着する方法は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
[使用方法:センサシステム]
次に、図11を更に用いて、本実施形態に係る感圧センサ1の使用方法について説明する。図11は、本実施形態に係る感圧センサ1を用いたセンサシステム300を例示する。センサシステム300は、上記感圧センサ1と、コネクタ30と、コンピュータ31と、を備える。コネクタ30とコンピュータ31とは、有線で接続されてもよいし、無線で接続されてもよい。
コネクタ30は、内部に電気回路を有しており、感圧センサ1の各端子(105、115)と接続している。感圧センサ1に圧力が加えられると、互いに対向する導電層(21、22)同士の接触状態が変化し、これによって、両導電層(21、22)の電気抵抗値が変化する。コネクタ30は、各配線(104、114)及び各端子(105、115)を介して、各電極(103、113)の交点からその電気抵抗値を測定し、測定した電気抵抗値に応じた出力値をコンピュータ31に出力する。
コンピュータ31は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されている補助記憶装置及びROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一次記憶するためのRAM(Random Access Memory)と、を備えている。補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等である。
コンピュータ31は、コネクタ30から取得した出力値を各部に加えられた圧力の値に変換して、感圧センサ1に加えられた圧力分布を算出する。コンピュータ31は、ディスプレイ等の出力装置を更に備えており、算出した圧力分布を出力装置により出力する。これにより、利用者は、感圧センサ1に加えられた圧力分布を確認することができる。なお、コンピュータ31には、提供されるサービス専用に設計されたコンピュータ端末の他、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット端末、PC等の汎用のコンピュータ端末が用いられてもよい。
§2 製造方法
次に、本実施形態に係る感圧センサ1の製造方法について説明する。なお、以下で説明する感圧センサ1の製造工程は一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する製造工程について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
まず、第1工程として、伸長性を有する上記のシート基材を用意し、用意したシート基材を所定の大きさに裁断する。これにより、各シート部材(10、11)を形成することができる。
次の第2工程では、上側シート部材10の下面102及び下側シート部材11の上面111に、各電極(103、113)及び各導電層(21、22)を印刷する。印刷方法には、例えば、インクジェット法、スクリーンオフセット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷等を用いることができる。なお、各電極(103、113)の形成は、特開2016−130736号公報に記載のフォトリソグラフィ工程で行ってもよい。この場合、第1工程では、各電極(103、113)となる金属薄膜の形成されたシート基材を用いる。
次の第3工程では、両シート部材(10、11)を各領域(12、13)で接着する。接着は、接着剤によって行ってもよいし、熱融着によって行ってもよい。接着剤によって接着する場合には、両シート部材(10、11)の少なくとも一方の各領域(12、13)に接着剤を塗布する。そして、塗布した接着剤を乾燥させることで、両シート部材(10、11)を接着することができる。また、熱融着によって接着する場合には、両シート部材(10、11)を重ねた状態で各領域(12、13)を所定の温度で加熱することで、両シート部材(10、11)を接着することができる。これにより、感圧センサ1を作製することができる。
[特徴]
以上のように、本実施形態に係る感圧センサ1では、各シート部材(10、11)には、例えば、上記引張試験において、破断伸び率が100%以上となる伸長性を有する材料が用いられる。また、各電極(103、113)には、例えば、上記抵抗値測定試験において、10%の伸び率で伸長させても断線しない伸長性を有する材料が用いられる。これによって、各シート部材(10、11)及び各電極(103、113)の伸長性が確保される。
一方、各導電部2には、上記引張試験において、5%の伸び率で伸長させると断線する、または、25度の貯蔵弾性率が各電極(103、113)の5倍となるような伸長性のあまりない材料が用いられる。そのため、各導電部2を形成した領域では、各シート部材(10、11)及び各電極(103、113)の伸長性が損なわれてしまう。
そこで、本実施形態では、上側シート部材10の各電極103と下側シート部材11の各電極113との各交点に各導電部2を配置し、隣接する導電部2同士は物理的に離間するように構成されている。これにより、各導電部2を各交点に形成することにより感圧の機能を確保しつつ、隣接する交点間に導電部2の材料が積層されない領域23を形成することで、各シート部材(10、11)の伸長性がこの領域23で損なわれないようにすることができる。
したがって、本実施形態に係る感圧センサ1は、各導電部2を積層した領域で各シート部材(10、11)の伸長性が損なわれたとしても、隣接する導電部2の間の領域23では伸長性を発揮することができる。そのため、感圧センサ1を曲面、凹凸面等の湾曲面に配置した場合に、感圧センサ1の形状を湾曲面の形状に追従させることができる。よって、本実施形態に係る感圧センサ1によれば、湾曲面に加えられた圧力分布を正確に測定することができる。
§3 変形例
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下の変更が可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、適宜説明を省略した。以下に示す複数の変形例は、適宜組み合わせてよい。
<3.1>
例えば、上記実施形態では、各電極(103、113)の数は10本である。しかしながら、各電極(103、113)の数は、10本に限定されなくてもよく、2〜9本であってもよいし、11本以上であってもよい。
また、例えば、上記実施形態では、各電極(103、113)は、長尺状の矩形状に形成されている。しかしながら、各電極(103、113)の形状は、このような形状に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
また、例えば、上記実施形態では、電極103は前後方向(x軸方向)に延びており、電極113は左右方向(y軸方向)に延びている。しかしながら、各電極(103、113)の延びる方向は、このような例に限定されなくてもよく、平面視において各電極103と各電極113とが交差するのであれば、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
また、例えば、各電極(103、104)の表面には、メッキ膜が形成されていてもよい。このメッキ膜は、例えば、ニッケル及び金の合金、フラックス・鉛フリーレベラー等により形成することができる。
また、両シート部材(10、11)は上下が入れ替わってもよい。各配線(104、114)及び各端子(105、115)は、図1、図3、及び図4の例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜設けられてよい。
<3.2>
また、例えば、上記実施形態では、各導電部2は、2つの導電層(21、22)で構成されている。しかしながら、各導電部2の構成は、このような例に限定されなくてもよく、2つの導電層(21、22)の少なくとも一方は省略されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、各導電部2は、矩形状に形成されている。しかしながら、各導電部2の形状は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、各導電部2は、円形、楕円形、ひし形等の形状に形成されてよい。なお、上側導電層21と下側導電層22とは形状が異なっていてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
本発明に係る感圧センサの湾曲面に対する追従性を確認するため、次の2つの実施例に係る感圧センサを作製した。
(実施例1)
実施例1に係る感圧センサの作製条件は次のとおりである。
・構成:実施形態(感圧センサ1)と同じ
・各シート部材:市販のPETフィルム
・各シート部材(電極及び導電層を設ける拡がった部分)の幅:69mm
・各シート部材(配線を設ける部分)の幅:45mm
・各シート部材の長さ:300mm
・各電極:市販の銀ペースト
・各電極の幅:1.25mm
・各電極のピッチ:5.05mm
・各導電層:上記導電性インクサンプル
・各導電層の寸法:2.5mm×2.5mm
(実施例2)
実施例1の各シート部材及び各電極の材料を変えて、実施例2に係る感圧センサを作製した。実施例2の各シート部材には、ウレタンシート(大倉工業株式会社製、グレード「ES85」)を用いた。また、実施例2の各電極には、市販の伸縮性銀ペーストを用いた。その他の構成については、実施例2は、実施例1と同じにした。
(追従性試験)
次に、図12に示すとおり、試験治具600を用いて、各実施例(1、2)の湾曲面に対する追従性を測定した。図12に示す試験治具600は、各実施例(1、2)のサンプル604を載置するスポンジシート603と、スポンジシート603上に載置したサンプル604を押圧する押圧具601と、を備えている。押圧具601の押圧面602は、半球状に形成されており、サンプル604を球面で押圧することができる。
このような試験治具600を、島津製作所製のオートグラフ(AGS−X)に複合材料用面内圧縮試験治具(P/N:346−50639−03)を組み合わせることで作製した。また、押圧面602には、径50mmのステンレス製の半球を用いた。押圧面602の押圧力を10Nに設定し、最も出力が大きい時に数値「30」を示すように感圧センサの感度を調整した上で、押圧面602で感圧センサを押圧してから15秒後の圧力分布を記録した。図13は、実施例1の圧力分布の測定結果を示す。図14は、実施例2の圧力分布の測定結果を示す。
(評価)
図13及び図14に示すとおり、各実施例(1、2)によれば、中央の3×3マスの領域については、球面の形状に追従し、殆どの領域で圧力を測定することができた。したがって、隣接する導電部を物理的に離間させることで、感圧センサの形状を湾曲面の形状に追従させることができることが分かった。なお、中央の5×5マスの領域については、実施例1で出力が落ちた。これは、実施例1の各シート部材及び各電極に実施例2により伸長性の低い材料を用いたことに起因していると考えられる。一方、実施例2では、中央の5×5マスの領域についても、圧力を良好に検知することができた。これにより、各シート部材及び各電極に上記のような伸長性の高い材料を用いた上で、隣接する導電部を物理的に離間させることで、導電部に伸長性の高い材料を用いなくても、感圧センサの湾曲面に対する追従性を高めることができることが分かった。
1…感圧センサ、
10…上側シート部材、
101…上面、102…下面、103…電極、
104…配線、105…端子、
11…下側シート部材、111…上面、112…下面、113…電極、
114…配線、115…端子、
12・13…領域、
2…導電部、21…上側導電層、22…下側導電層

Claims (8)

  1. 伸長性を有し、かつ第1の方向に延びるように配列された複数の第1電極が積層された第1シート部材と、
    伸長性を有し、かつ前記第1の方向とは交差する第2の方向に延びるように配列された複数の第2電極が積層された第2シート部材であって、前記複数の第1電極と当該複数の第2電極とが複数の交点を形成するように前記第1シート部材に重ねて配置される第2シート部材と、
    前記第1シート部材と前記第2シート部材との間において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極との前記各交点にそれぞれ配置される複数の導電部と、
    を備え、
    隣接する前記交点に配置されることで互いに隣接する前記導電部は物理的に離間するように構成される、
    感圧センサ。
  2. 前記導電部の25度における貯蔵弾性率は、前記各電極の25度における貯蔵弾性率よりも大きい、
    請求項1に記載の感圧センサ。
  3. 前記導電部の25度における貯蔵弾性率は、前記各電極の25度における貯蔵弾性率の5倍以上である、
    請求項2に記載の感圧センサ。
  4. 前記各導電部は、前記各第1電極上に積層された第1導電層と前記各第2電極上に積層された第2導電層とにより構成される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の感圧センサ。
  5. 前記各導電部が設けられていない領域において、前記第1シート部材と前記第2シート部材とは接着されている、
    請求項4に記載の感圧センサ。
  6. 前記第1シート部材と前記第2シート部材とは、当該両シート部材を垂直な方向から見た平面視において、前記複数の第1電極と前記複数の第2電極とに囲まれた領域で接着されている、
    請求項5に記載の感圧センサ。
  7. 前記各シート部材は、当該各シート部材の10mm幅の試験片の両端を長手方向に50mmの間隔を空けて保持し、保持した当該試験片の両端を引張速度1mm/秒にて引き離す引張試験において、当該試験片の破断伸び率が100%以上となる伸長性を有する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の感圧センサ。
  8. 前記各電極は、厚み100μm及び幅15mmのウレタンシート上に前記各電極の材料を印刷することで線幅0.25mmの配線を4本形成し、当該ウレタンシートの両端を引き離す方向に伸長させながら当該各配線の抵抗値を測定する抵抗値測定試験において、10%の伸び率で当該ウレタンシートを伸長させても各配線が断線しない伸長性を有する材料で構成される、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の感圧センサ。
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