JP2018112153A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018112153A
JP2018112153A JP2017003783A JP2017003783A JP2018112153A JP 2018112153 A JP2018112153 A JP 2018112153A JP 2017003783 A JP2017003783 A JP 2017003783A JP 2017003783 A JP2017003783 A JP 2017003783A JP 2018112153 A JP2018112153 A JP 2018112153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
internal combustion
combustion engine
crank
cam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017003783A
Other languages
English (en)
Inventor
絋晶 溝口
Hiroaki Mizoguchi
絋晶 溝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017003783A priority Critical patent/JP2018112153A/ja
Publication of JP2018112153A publication Critical patent/JP2018112153A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】4サイクル内燃機関の始動時にクランク角を確定し、当該確定したクランク角に基づいて内燃機関を制御する【解決手段】内燃機関10は、カム軸16のクランク軸11に対する相対回転位相を変化させるバルブタイミング可変機構17を備える。バルブタイミング可変装置は、相対回転位相を中間ロック位相に固定する中間ロック機構を備える。内燃機関の制御装置20は、内燃機関が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相となったか否かの判定結果を示す情報をバックアップメモリ29に記憶する。制御装置は、内燃機関の始動時に、内燃機関が停止する前に相対回転位相が中間ロック位相となっている場合、カム軸と同期回転するカムローターに基づいてクランク角を確定し、内燃機関が停止する前に相対回転位相が中間ロック位相となっていない場合、クランク軸と同期回転するクランクローターに基づいてクランク角を確定する。【選択図】図1

Description

本発明は、4サイクル内燃機関の始動時にクランク角を確定し、当該確定したクランク角に基づいて内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置に関する。
従来から知られるこの種の内燃機関の制御装置の一つ(以下、「従来装置」と称呼する。)は、クランク角センサによるクランクローターの欠け歯の検出結果、及び、カム角センサによるカムローターの凹凸パターンの検出結果、の双方に基づいてクランク角を確定する。更に、従来装置は、内燃機関の始動時には、早期にクランク角を確定するために、カム角センサの検出結果に基づいてクランク角を確定する。
特開2011−132935号公報(段落0024及び段落0029参照。)
内燃機関のクランク軸に対するカム軸の回転位相(以下、「相対回転位相」とも称呼される)を変化させ、吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミングを変化させるバルブタイミング可変装置を備える内燃機関がある。更に、バルブタイミング可変装置の中には、調整可能な範囲(即ち、最進角位相と最遅角位相との間の範囲)内の中間ロック位相で相対回転位相を固定する中間ロック機構を有する装置がある。例えば、中間ロック機構は、ロックピンを突出させて嵌合穴に嵌め込むことによって相対回転位相を中間ロック位相で機械的に固定する。
このような中間ロック機構を備えたバルブタイミング可変装置を塔載した内燃機関では、内燃機関の停止前に相対回転位相が中間ロック位相で固定され、次回の内燃機関の始動時に相対回転位相が中間ロック位相で固定された状態で内燃機関が始動する。しかし、内燃機関の停止時には、相対回転位相が中間ロック位相に固定される前に内燃機関が停止してしまう場合がある。
この場合、次回の内燃機関始動時には、クランク軸に対するカム軸の相対回転位相が機械的に固定されていないために変動し、それ故、相対回転位相を正確に確定できない。このため、従来装置のように、内燃機関の始動時にカム角センサの検出結果に基づいてクランク角を確定してしまうと、確定されたクランク角は本来のクランク角と相違してしまう。
本来のクランク角と相違するクランク角を用いて燃料噴射及び点火が行われると、燃料噴射のタイミング及び点火タイミングが適切でないので、内燃機関において適切な燃焼が行われず、エミッションの悪化及び/又は始動性の悪化を招く虞がある。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、相対回転位相が中間ロック位相で固定された状態で内燃機関が停止した後の内燃機関始動時には早期に且つ正確にクランク角を確定でき、更に、相対回転位相が中間ロック位相で固定されない状態で内燃機関が停止した後の内燃機関始動時には正確にクランク角を確定でき、それらのクランク角に基づいて適切なタイミングで内燃機関を制御可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の内燃機関の制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、
4サイクル内燃機関の任意の気筒のピストンが圧縮上死点にある時点又は当該時点から720°の範囲内の所定クランク角だけ進角した時点の基準クランク角からのクランク軸の回転角度であるクランク角を確定し、当該確定したクランク角に基づいて内燃機関(10)を制御する、内燃機関の制御装置(20)である。
更に、本発明装置が制御する内燃機関は、
内燃機関のピストンに連結されたクランク軸(11)と、
前記内燃機関のバルブを開閉するためのカムが取り付けられ、前記クランク軸が2回転すると自身が1回転するように前記クランク軸の回転が伝達されるカム軸(16)と、
前記カム軸の前記クランク軸に対する相対回転位相を進角又は遅角させて、前記バルブの開閉タイミングを変化させるバルブタイミング可変手段(17)と、
外周に等間隔で設けられた複数の歯(22)と、前記外周の一部に形成された前記歯が設けられない領域である欠歯部(23)と、を含み、前記クランク軸と同期回転するクランクローター(21)と、
外周に複数の凸部(第1凸部32、第2凸部34及び第3凸部36)と複数の凹部(第1凹部33、第2凹部35及び第3凹部37)とが交互に設けられ、前記複数の凸部は互いに異なる幅のクランク角に相当する角度にわたって設けられ(図5(b)を参照。)、前記複数の凹部は互いに異なる幅のクランク角に相当する角度にわたって設けられ(図5(b)を参照。)、前記カム軸と同期回転するカムローター(31)と、
前記クランクローターの歯がクランクローター歯検出部を通過している期間にクランク信号であるパルスを出力するクランク角センサ部(19及び図6(a))と、
前記カムローターの凸部がカムローター凸部検出部を通過している期間にカム信号であるパルスを出力するカム角センサ部(18及び図6(c)乃至図6(g))と、を備える。
更に、前記バルブタイミング可変手段(17)は、
前記クランク軸と同期回転する第1回転体(40)と、
前記第1回転体と同軸上に配置されて、前記カム軸と同期回転し、前記相対回転位相を変化させるために前記第1回転体に対する相対的な回転位置が変化可能な第2回転体(50)と、
前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を変化させる駆動機構(25、43及び44)と、
前記相対回転位相が最進角位相と最遅角位相との間の所定の中間ロック位相(MLP)となった場合、前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を前記中間ロック位相となる回転位置に機械的に固定することが可能な中間ロック機構(60)と、を備える、ように構成される。
更に、前記カムローターの前記凸部及び前記凹部は、前記相対回転位相にかかわらず、前記クランクローターの欠歯部が前記クランク角センサ部の前記クランクローター歯検出部を通過し終えたタイミングで前記クランク角を確定できるように、前記欠歯部の1回目の通過と当該1回目の通過に続く2回目の通過とで前記カム信号の入力の有無が異なるように設けられるように構成される(図6(a)、図6(c)乃至図6(g))。
更に、本発明装置には、前記相対回転位相が所定の基準位相(中間ロック位相MLP)である場合に前記カム信号の各立ち上がり時点に対応するクランク角と、前記カム信号の各立ち下がり時点に対応するクランク角と、予め記憶されている(20、図6(b)及び図6(e))、ように構成される。
更に、本発明装置は、
前記内燃機関が停止中であっても、記憶した情報を保持するバックアップメモリ(29)と、
前記カム信号の立ち上がりから当該立ち上がりに続く立ち下がりまでの間、又は、前記カム信号の立ち下がりから当該立ち下がりに続く立ち上がりまでの間、の前記クランク信号の入力数に基づいて、前記カム角センサ部の前記カムローター凸部検出部を通過した前記カムローターの凸部又は凹部を特定し、前記特定した凸部が前記カムローター凸部検出部を通過し終えた時点のカム信号の立ち下がり又は前記特定した凹部が前記カムローター凸部検出部を通過し終えた時点のカム信号の立ち上がり、に対応する前記予め記憶されたクランク角に基づいて、前記クランク角を確定する第1確定手段(20、ステップ830、図6(a)、図6(b)、及び図6(e))と、
前記クランク信号に基づいて前記クランクローターの前記欠歯部が前記クランク角センサ部の前記クランクローター歯検出部を通過し終えた時点における前記カム角センサからのカム信号の入力の有無に基づいて、前記クランク角を確定する第2確定手段(20、ステップ840、図6(a)、図6(c)乃至図6(g))と、
前記内燃機関の停止要求を受け付けた場合、前記内燃機関の停止時の処理を実行する停止処理部(20、ステップ700乃至ステップ795)と、
前記内燃機関の始動要求を受け付けた場合、前記内燃機関の始動時の処理を実行する始動処理部(20、ステップ800乃至ステップ895)と、を備える、ように構成される。
更に、前記停止処理部は、
前記相対回転位相が前記中間ロック位相となるように前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を前記駆動機構を用いて変化させ(ステップ710)、
前記中間ロック機構を用いて、前記相対回転位相が最進角位相と最遅角位相との間の所定の中間ロック位相となった場合に前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を機械的に固定させるように前記中間ロック機構を制御し(ステップ730)、
前記内燃機関が停止するまでに前記相対回転位相が前記中間ロック位相となったか否かを判定し(ステップ740)、その判定結果をバックアップメモリに記憶する(ステップ750及びステップ770)、ように構成される。
更に、前記始動処理部は、
前記バックアップメモリに記憶された前記判定結果が、前記内燃機関が停止するまでに前記相対回転位相が前記中間ロック位相となったことを示す場合(ステップ820「Yes」)、前記第1確定手段を用いて前記クランク角を確定し(ステップ830)、
前記バックアップメモリに記憶された前記判定結果が、前記内燃機関が停止するまでに前記相対回転位相が前記中間ロック位相となっていないことを示す場合(ステップ820「No」)、前記第2確定手段を用いて前記クランク角を確定する(ステップ840)、ように構成される。
本発明装置によれば、内燃機関が停止するまでにカム軸のクランク軸に対する相対回転位相が中間ロック位相となったか否かが判定され、当該判定結果がバックアップメモリに保持される。内燃機関の始動時に、バックアップメモリに保持された判定結果が、相対回転位相が中間ロック位相となることを示す場合、第1確定手段を用いてクランク角が確定される。従って、相対回転位相が中間ロック位相で固定された状態で内燃機関が停止した後の内燃機関始動時には早期に且つ正確にクランク角を確定でき、この確定されたクランク角に基づいて適切なタイミングで内燃機関を制御できる。
一方、当該判定結果が、相対回転位相が中間ロック位相とならないことを示す場合、第2確定手段を用いてクランク角が確定される。従って、相対回転位相が中間ロック位相で固定されない状態で内燃機関が停止した後の内燃機関始動時には正確にクランク角を確定でき、この確定されたクランク角に基づいて適切なタイミングで内燃機関を制御できる。
なお、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号及び名称を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は前記符号及び名称によって規定される実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関及び内燃機関の制御装置の概略構成図である。 図2は、図1に示したバルブタイミング可変装置の詳細な構成図である。 図3は、内燃機関の停止時における排気バルブタイミングの説明図である。 図4は、内燃機関の停止時における図1に示した油圧制御弁のスプール位置の説明図である。 図5は(a)及び(b)を含み、(a)はクランクローターの構成図である。図5(b)はカムローターの構成図である。 図6は、クランク信号及びカム信号とクランク角との対応関係の説明図である。 図7は、図1に示した内燃機関制御ECUのCPUが内燃機関の停止時に実行するルーチンを示したフローチャートである。 図8は、図1に示した内燃機関制御ECUのCPUが内燃機関の始動時に実行するルーチンを示したフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置(以下、単に「制御装置」とも称呼する。)について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における制御装置及び制御装置が適用される内燃機関の概略構成図である。
内燃機関10は、4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関であり、図示しない4つの気筒を備える。図1に示したように、内燃機関10は、クランク軸11、タイミングチェーン12、スプロケット13,14、吸気側カム軸15、排気側カム軸16、バルブタイミング可変装置17、カム角センサ18及びクランク角センサ19を備える。
内燃機関10はエンジンECU20によって制御される。なお、ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称である。ECUは、CPU26、ROM27、RAM28、バックアップメモリ29及びインターフェース等を含むマイクロコンピューターを主要構成部品として有する電子制御回路である。CPU26は、メモリ(ROM27)に格納されたインストラクション(ルーチン)を実行することによって後述する各種機能を実現する。バックアップメモリ29は、内燃機関10が停止した後であっても、図示しないバッテリーによって電源が供給され、記憶した情報を保持できる記憶装置である。
更に、ECU20は、カム角センサ18、クランク角センサ19及び油圧制御弁25のアクチュエータ25aに接続される。
内燃機関10の各気筒には、図示しないピストンの冠面と図示しないシリンダとの間に燃焼室が形成される。この燃焼室の中心上部には点火装置が配置される。シリンダヘッドには、点火装置を挟んで図示しない吸気ポートと図示しない排気ポートとが互いに対向して配置される。後述する吸気側カム軸15の回転に伴って回転するカムによって図示しない吸気バルブが開放されたとき、吸気ポートから外気が燃焼室内に流入する。同様に、後述する排気側カム軸16の回転に伴って回転するカムによって図示しない排気バルブが開放されたとき、排気ポートから燃焼室内の気体が排気される。更に、シリンダヘッドの吸気ポート付近には、燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁が配置される。このため、点火装置及び燃料噴射弁は、シリンダヘッドのピストンの上死点の上方に配置されている。
ピストンが吸気上死点から吸気下死点まで移動する間の所定のタイミングで燃料噴射弁が開放されて、燃焼室内に霧状の燃料が噴射されることが望ましい。この燃料噴射タイミングは、ピストンが吸気上死点付近に位置せず、且つピストンが吸気下死点付近に位置しない適切なタイミングであることが望ましい。ピストンが吸気上死点付近に位置する場合に燃料が噴射されると、燃料がピストン冠面に付着してしまうという問題があり、ピストンが吸気下死点付近に位置する場合に燃料が噴射されると燃料が十分に霧化されないという問題がある。更に、ピストンが圧縮上死点付近に到達したときに点火プラグが作動し、燃焼室内で圧縮された霧状の燃料と外気との混合気体の燃焼が開始されることが望ましい。
クランク軸11は、各気筒のピストンに図示しないコンロッドを介して連結される。コンロッドによってピストンの往復運動が回転運動に変換されることによって、クランク軸11が回転する。クランク軸11の回転はタイミングチェーン12によって、スプロケット13を介して吸気側カム軸15に伝達され、スプロケット14を介して排気側カム軸16に伝達される。クランク軸11が2回転すると吸気側カム軸15及び排気側カム軸16が1回転するように、クランク軸11の回転が吸気側カム軸15及び排気側カム軸16に伝達される。即ち、吸気側カム軸15及び排気側カム軸16は、クランク軸11の1/2の速度で回転する。
吸気側カム軸15の各気筒に対応する所定の位置には図示しない8個のカム(各気筒に2個のカム)が設けられる。吸気側カム軸15の回転に伴ってカムが回転することによって、カムが気筒に設けられた図示しない吸気バルブを開閉する。更に、排気側カム軸16の各気筒に対応する所定の位置には図示しない8個のカム(各気筒に2個のカム)が設けられる。排気側カム軸16の回転に伴ってカムが回転することによって、カムが気筒に設けられた図示しない排気バルブを開閉する。
排気側カム軸16には油圧駆動式のバルブタイミング可変装置17が設けられる。バルブタイミング可変装置17は、排気側カム軸16のクランク軸11に対する相対回転位相を進角又は遅角させて、排気バルブの開閉タイミングを変化させる。なお、排気側カム軸16のクランク軸11に対する相対回転位相は便宜上単に「相対回転位相」とも称呼される。
図2に示すように、バルブタイミング可変装置17は、ハウジングローター40及びベーンローター50を備える。ハウジングローター40はクランク軸11の回転と同期して回転する。ベーンローター50は排気側カム軸16と同期して回転する。なお、ハウジングローター40は便宜上「第1回転体」とも称呼され、ベーンローター50は便宜上「第2回転体」とも称呼される。
スプロケット14は排気側カム軸16に回動自在に軸支される。スプロケット14には、ハウジングローター40が図示しないボルト等によって固定される。クランク軸11の回転がタイミングチェーン12によってスプロケット14に伝達されると、スプロケット14がクランク軸11と同期して回転する。スプロケット14が回転すると、スプロケット14にハウジングローター40が固定されているので、ハウジングローター40も回転する。このため、ハウジングローター40はクランク軸11と同期して回転する。
ハウジングローター40は円筒形状であり、内部にベーンローター50を収容する。ベーンローター50は排気側カム軸16に回動不能に軸支される。即ち、ハウジングローター40とベーンローター50とは同じ排気側カム軸16に軸支されるので、ハウジングローター40とベーンローター50とは同軸上に位置している。クランク軸11と同期回転するハウジングローター40の回転はベーンローター50に伝達され、ベーンローター50が回転すると、ベーンローター50に回動不能に軸支された排気側カム軸16も回転する。
ベーンローター50は、ハウジングローター40に対して図2に示す右回り又は左回りに相対的に回転することによって、ハウジングローター40に対する自身の位置を変化させる。
ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が図2に示す位置から右回り(図2に示す進角側)に回転すると、ベーンローター50の回転位相はハウジングローター40の回転位相よりも進む。換言すれば、排気側カム軸16の回転位相がクランク軸11の回転位相よりも進む。これによって、排気側カム軸16のクランク軸11に対する相対的な回転位相が進み、排気バルブの開閉タイミングが進角する。
これに対して、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が図2に示す位置から左回り(図2に示す遅角側)に回転すると、ベーンローター50の回転位相はハウジングローター40の回転位相よりも遅れる。換言すると、排気側カム軸16の回転位相がクランク軸11の回転位相よりも遅れる。これによって、排気側カム軸16のクランク軸11に対する相対回転位相が遅れて、排気バルブの開閉タイミングが遅角する。
更に、ベーンローター50は、排気側カム軸16に固定されるボス51と、ボス51から径方向外側に突出する複数(本実施形態では3つ)のベーン52と、を備える。
ハウジングローター40には、径方向内側に突出する複数(本実施形態では3つ)の区画壁41が設けられている。周方向で互いに隣り合う区画壁41同士の間には収容室42が形成されている。収容室42は、その内部に配置されるベーンローター50のベーン52によって2つの油圧室に区画されている。収容室42におけるベーン52よりも排気側カム軸16の回転方向後側の油圧室は進角用の油圧室としての進角室43である。収容室42におけるベーン52よりも排気側カム軸16の回転方向前側の油圧室は遅角用の油圧室としての遅角室44である。
そして、バルブタイミング可変装置17では、遅角室44に作動油が供給されるとともに進角室43から作動油が排出されると、遅角室44の作動油圧が進角室43の作動油圧よりも高くなる。この結果、ベーンローター50がハウジングローター40に対して排気側カム軸16の回転方向と反対の方向(図2における左回り)に相対回転し、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が遅角側に変化する。これによって、排気側カム軸16のクランク軸11に対する相対回転位相が遅れて、図示しない排気バルブのバルブタイミングが遅角される。
一方、進角室43に作動油が供給されるとともに遅角室44から作動油が排出されると、進角室43の作動油圧が遅角室44の作動油圧よりも高くなる。この結果、ベーンローター50がハウジングローター40に対してカム軸回転方向(図2における右回り)に相対回転し、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が進角側に変化する。これによって、相対回転位相が進み、図示しない排気バルブのバルブタイミングが進角される。
図2に示すように、バルブタイミング可変装置17は中間ロック機構60を更に備える。中間ロック機構60は、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置を、相対回転位相が所定の中間ロック位相MLP(図3(b)及び図3(c)を参照。)となる位置に機械的に固定する。これによって、相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定される。中間ロック位相MLPは、最遅角位相と進最角位相との間に設定される。なお、最遅角位相とは、図示しない排気バルブのバルブタイミングが最も遅角されているときの相対回転位相であり、最進角位相とは、図示しない排気バルブのバルブタイミングが最も進角されているときの相対回転位相である。相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定された状態では、図示しない排気バルブのバルブタイミングが最遅角時期と最進角時期との間の中間時期に固定された状態となる。本実施形態では、中間ロック位相MLPは内燃機関10の始動に好適な位相に設定されている。
この中間ロック機構60は、ベーンローター50に設けられた図示しないロックピンと、ハウジングローター40に設けられた図示しないロック穴と、を備える。ロックピンはベーンローター50からロック穴方向に突出可能に設けられている。ロック穴は、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなる位置(以下、「中間ロック位相位置」と称呼する。)に設けられている。ロックピンがロック穴に嵌合することによって、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が中間ロック位相位置に機械的に固定され、相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定される。なお、ハウジングローター40にロックピンが設けられ、ベーンローター50にロック穴が設けられた構成であってもよい。
ロックピンの状態は、後述する油圧制御弁25のスプール位置がロックモード位置である場合、ロック穴方向に突出し得る状態(作動状態)に遷移する。更に、ロックピンの状態は、後述する油圧制御弁25のスプール位置がロックモード以外の位置である場合、ロック穴方向に突出しない状態(不作動状態)に遷移する。
ロックが作動状態である場合、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなったとき、ロックピンがロック穴に嵌合する。この結果、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が中間ロック位相位置に機械的に固定される。これに対して、ロックが不作動状態である場合、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなっても、ロックピンがロック穴に嵌合しない。
再び、図1を参照すると、油圧制御弁25の電磁式のアクチュエータ25aはECU20によって制御され、それにより、油圧制御弁25のスプール弁の位置(スプール位置)を変更するようになっている。油圧制御弁25は、バルブタイミング可変装置17の進角室43及び遅角室44の油圧を制御する位相制御用の油圧制御弁機能と、中間ロック機構60の油圧を制御するロック制御用の油圧制御機能と、を備える。
図4に示すように、油圧制御弁25は、スプール位置によって、ロックモード、進角モード、保持モード及び遅角モードの四つのモードを実現する。ECU20は、油圧制御弁25のスプール位置を制御することによって、油圧制御弁25のモードをロックモードと進角モードと保持モードと遅角モードとの間で切り換える。
ロックモードでは、上述したようにロックピンが作動状態となり、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなった場合、ベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が中間ロック位相位置に機械的に固定される。ロックモード以外のモード、即ち進角モード、保持モード及び遅角モードでは、ロックピンが不作動状態となり、ロックピンがロック穴に嵌合不能な状態となる。このため、ベーンローター50の中間ロック位相位置での固定が解除される。
油圧制御弁25は、進角モードでは、遅角室44の作動油を排出して遅角室44の油圧を低下させ、且つ、進角室43に作動油を供給して進角室43の油圧を上昇させることにより、相対回転位相を進角させる。
油圧制御弁25は、保持モードでは、進角室43及び遅角室44の作動油を保持して各室の油圧を維持することによって、相対回転位相を維持する。
油圧制御弁25は、遅角モードでは、進角室43の作動油を排出して進角室43の油圧を低下させ、且つ、遅角室44に作動油を供給して遅角室44の油圧を上昇ささせることにより、相対回転位相を遅角させる。
次に、内燃機関10停止時のバルブタイミング可変装置17の制御について説明する。
本実施形態における中間ロック位相MLPは、若干ではあるが遅角側の所定の位相に設定されている(図3(b)及び図3(c)参照。)。これによって、図3(c)に示すように、内燃機関10の始動時における排気バルブの開弁期間(以下、「ExVVT」と称呼する。)が吸気バルブの開弁期間(以下、「InVVT」と称呼する。)とオーバーラップする。この結果、内燃機関10の始動時のエミッションを向上させることができる。
上述したように、中間ロック位相MLPが遅角側の所定の位相に設定されているので、通常のアイドル状態では相対回転位相が最進角位相に保持される。この場合のExVVTは図3(a)に示す。
内燃機関10が停止要求を受けて停止させられる際(以下、「機関停止要求時」とも称呼される。)、ECU20は、アクチュエータ25aを介して油圧制御弁25を制御することによって、相対回転位相を中間ロック位相MLPへと変更する。そして、相対回転位相が中間ロック位相MLPになると、中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定される。より詳細には、ECU20は、機関停止要求時において、相対回転位相を中間ロック位相MLPに設定するために、油圧制御弁25のスプール位置を遅角モードの位置に一旦移動させる。その後、ECU20は、油圧制御弁25のスプール位置をロックモードの位置に移動させることにより、中間ロック機構60によって相対回転位相を中間ロック位相MLPに固定する。
しかし、図4に示すように、油圧制御弁25は、そのスプール弁が、遅角モードの位置からロックモードの位置へと変更される間に進角モードの位置を通過するようになっている。このため、油圧制御弁25のスプール弁が、遅角モードの位置からロックモードの位置まで移動する間に進角モードの位置を通過することによって、相対回転位相が余分に進角してしまう。これによって、相対回転位相が中間ロック位相MLPより進角してしまい、相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定されない場合がある。
そこで、ECU20は、スプール弁が進角モードの位置を通過することによって進角してしまう分を見越して、中間ロック位相MLPより遅角させた位相(以下、「停止準備位相SPP」と称呼する)に相対回転位相を一旦制御する(図3(b)を参照。)。そして、ECU20は、相対回転位相が停止準備位相SPPとなった場合、油圧制御弁25のスプール弁をロックモードの位置まで移動させる。この場合、スプールが進角モードの位置を通過することによって相対回転位相が進角しても、図3(c)に示すように相対回転位相が中間ロック位相MLPとなるので、中間ロック機構60を作動できる。
この制御方式によれば、スプール弁が進角モードの位置を通過することによる進角分まで相対回転位相を遅角させる必要があるので、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなるまでに時間がかかる。このため、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなる前、即ち中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPで固定される前に内燃機関10が停止してしまう場合がある。
次に、クランク角センサ19及びカム角センサ18について詳述する。
クランク軸11の一端にはクランク軸11と同軸上で同期回転するクランクローター21が設けられる。図5(a)に示すように、クランクローター21の外周には、所定角度毎に等間隔で突起する歯22が設けられており、外周の一部には、所定数の歯22が欠歯した領域である欠歯部23が設けられる。より具体的に述べると、クランクローター21の外周には10°CA間隔で34個の歯22が設けられ、2歯欠歯した領域である欠歯部23が形成されている。
クランク角センサ19は、このクランクローター21の近傍に配設されている。クランク角センサ19は、クランクローター歯検出部及び波形成形部を内蔵している。クランク角センサ19は、そのクランクローター歯検出部の近傍をクランクローター21の歯22が通過している期間において高レベルとなり、クランクローター歯検出部の近傍をクランクローター21の歯22が通過していない期間において低レベルとなる、パルス、をその波形成形部から出力する。このパルスはクランク信号と称呼される。換言すると、クランク角センサ19は、クランクローター21の歯22のそれぞれがクランクローター歯検出部の近傍を通過している期間、クランク信号となるパルスをECU20に出力する。従って、クランク角センサ19は、歯22により、クランク角が10°CA進む毎にクランク信号をECU20に出力する。なお、クランク角センサ19は、クランクローター歯検出部及び波形成形部を備えることから、クランク角センサ部とも称呼される。
一方、排気側カム軸16の一端には排気側カム軸16と同軸上で同期回転するカムローター31が設けられる。図5(b)に示すように、カムローター31の外周には、複数の凸部(第1凸部32、第2凸部34及び第3凸部36)及び複数の凹部(第1凹部33、第2凹部35及び第3凹部37)が設けられる。より詳細には、カムローター31の外周には、凸部と凹部とが交互に設けられる。即ち、カムローター31の外周には、第1凸部32、第1凹部33、第2凸部34、第2凹部35、第3凸部36及び第3凹部37が図5(b)の紙面の右回りにこの順番で設けられる。
第1凸部32はクランク角60°CAに相当する角度(30°)にわたって凹部よりも径方向に突出するように設けられる。第1凹部33はクランク角120°CAに相当する角度(60°)にわたり凸部よりも窪むように設けられる。第2凸部34はクランク角180°CAに相当する角度(90°)にわたって凹部よりも径方向に突出するように設けられる。第2凹部35はクランク角60°CAに相当する角度(30°)に凸部よりも窪むように設けられる。第3凸部36はクランク角160°CAに相当する角度(80°)にわたって凹部よりも径方向に突出するように設けられる。第3凹部37はクランク角140°CAに相当する角度(70°)にわたって凸部よりも窪むように設けられる。
カム角センサ18は、カムローター31の近傍に配設されている。カム角センサ18は、カムローター凸部検出部及び波形成形部を内蔵している。カム角センサ18は、そのカムローター凸部検出部の近傍をカムローター31の凸部(第1凸部32、第2凸部34及び第3凸部36)が通過している期間において高レベルとなり、カムローター凸部検出部の近傍をカムローター31の凹部(第1凹部33、第2凹部35及び第3凹部37)が通過している期間において低レベルとなる、パルス、をその波形成形部から出力する。このパルスはカム信号と称呼される。即ち、カム角センサ18は、カムローター31の第1凸部32、第2凸部34及び第3凸部36のそれぞれがカムローター凸部検出部の近傍を通過している期間、カム信号となるパルスをECU20に出力する。なお、カム角センサ18は、カムローター凸部検出部及び波形成形部を備えることから、カム角センサ部とも称呼される。
(クランク角の確定)
次に、ECU20による内燃機関10の始動時のクランク角の確定処理について図6を用いて説明する。内燃機関10の始動時には、ECU20は、最初に点火する気筒(最初に燃焼を発生させる気筒)を特定するために、クランク角(例えば、何れかの気筒の圧縮上死点を基準とした場合のクランク軸の回転角度であり、「絶対クランク角」とも称呼される。)を確定させる必要がある。ECU20は、後述する「第1確定手段」又は「第2確定手段」を用いてクランク角を確定する。
まず、ECU20に入力されるクランク信号及びカム信号について説明する。図6(a)に示すように、クランク角センサ19はクランクローター21の歯22がクランクローター歯検出部を通過するとクランク信号を出力する。図6(a)では、図面の大きさの関係上クランク信号を線で示している。実際には、クランク信号は、クランクローター21の歯22がクランクローター歯検出部の通過を開始したタイミングで立ち上がり、クランクローター21の歯22がクランクローター歯検出部の通過を終了したタイミングで立ち下がる。なお、欠歯部23がクランクローター歯検出部を通過している期間、クランク角センサ19はクランク信号を出力しない。
図6(c)乃至(g)に示すように、カム角センサ18はカムローター31の第1凸部32、第2凸部34又は第3凸部36がカムローター凸部検出部を通過するとカム信号を出力する。より詳細には、カム信号は、各凸部がカムローター凸部検出部の通過を開始したタイミングで立ち上がり、各凸部がカムローター凸部検出部の通過を終了したタイミングで立ち下がる。カムローター31の第1凹部33、第2凹部35及び第3凹部37のそれぞれがカムローター凸部検出部を通過している期間、カム角センサ18はカム信号を出力しない。
ECU20のROM27には、相対回転位相が所定の基準位相である場合の各凸部による各カム信号の立ち上がり及び立ち下がりと、これらに対応するクランク角と、の関係を示す情報が記憶されている。なお、所定の基準位相は中間ロック位相MLPであるものとして説明するが、これに限定されない。
より詳細には、図6(b)及び(e)に示すように、第1凸部32によるカム信号の立ち上がり32aはクランク角390°CAに対応付けられている。第1凸部32によるカム信号の立ち下がり32bはクランク角450°CAに対応付けられている。第2凸部34によるカム信号の立ち上がり34aはクランク角570°CAに対応付けられている。第2凸部34によるカム信号の立ち下がり34bはクランク角690°CAに対応付けられている。第3凸部36によるカム信号の立ち上がり36aはクランク角30°CAに対応付けられている。第3凸部36によるカム信号の立ち下がり36bはクランク角210°CAに対応付けられている。
カムローター31の凸部及び凹部は、クランクローター21の欠歯部23がクランク角センサ19のクランクローター歯検出部を通過し終えたタイミング(以下、このタイミングを「通過時」とも称呼する。)でクランク角を確定可能なように、欠歯部23の1回目の通過時と、これに続く2回目の通過時と、でカム信号の入力の有無が異なるように設けられる。より詳細を述べると、図6(c)乃至(g)に示すように、相対回転位相がどの位相であっても、欠歯部23の1回目の通過時にはカム信号が入力されている状態(パルスのレベルが高レベル)である。更に、欠歯部23の2回目の通過時にはカム信号が入力されていない状態(パルスのレベルが低レベル)である。これによって、ECU20は、クランクローター21の欠歯部23を検出したタイミング(即ち、欠歯部23の通過時)のカム信号の入力の有無に基づいて、クランク角を確定できる。
(第1確定手段)
ECU20は、カム信号の立ち上がりから立ち下がりまでの間に入力されたクランク信号の数に基づいて、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凸部が第1凸部32、第2凸部34及び第3凸部36の何れの凸部であるかを特定する。即ち、ECU20は、カム信号の立ち上がりから、この立ち上がりに続く立ち下がりまでの間に6個のクランク信号が入力されていれば、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凸部は第1凸部32であると特定する。ECU20は、カム信号の立ち上がりから、この立ち上がりに続く立ち下がりまでの間に12個のクランク信号が入力されていれば、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凸部は第2凸部34であると特定する。ECU20は、カム信号の立ち上がりから、この立ち上がりに続く立ち下がりまでの間に18個のクランク信号が入力されていれば、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凸部は第3凸部36であると特定する。
ECU20は、カム信号の立ち下がりから次のカム信号の立ち上がりまでの間に入力されたクランク信号の数に基づいて、カム角センサ18を通過した凹部が第1凹部33、第2凹部35及び第3凹部37の何れの凹部であるかを特定する。即ち、ECU20は、カム信号の立ち下がりから、この立ち下がりに続く立ち上がりまでの間に12個のクランク信号が入力されていれば、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凹部は第1凹部33であると特定する。ECU20は、カム信号の立ち下がりから、この立ち下がりに続く立ち上がりまでの間に6個のクランク信号が入力されていれば、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凹部は第2凹部35であると特定する。ECU20は、カム信号の立ち下がりから、この立ち下がりに続く立ち上がりまでの間に18個のクランク信号が入力されていれば、カム角センサ18のカムローター凸部検出部を通過した凹部は第3凹部37であると特定する。
機関停止要求時から内燃機関10が完全に停止するまでの間に中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定されていれば、ECU20は、内燃機関10の始動動作開始後(クランキング開始後)において、上述した手法により凸部を特定した時点にて、その時点のクランク角が、その特定した凸部に対応するカム信号の立ち下がりに対応付けられたクランク角であると確定できる。同様に、機関停止要求時から内燃機関10が完全に停止するまでの間に中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定されていれば、ECU20は、内燃機関10の始動動作開始後に上述した手法により凹部を特定した時点にて、その時点のクランク角が、その特定した凹部に対応するカム信号の立ち上がりに対応付けられたクランク角であると確定できる。
例えば、ECU20は、内燃機関10の始動動作開始後に最初に特定した凸部が第1凸部32であれば、カム信号の立ち下がり32bを検出した時点にて、その時点のクランク角が「450°CA」であると確定し、クランクカウンタを「15」に設定する。
更に、例えば、ECU20は、内燃機関10の始動動作開始後に特定した凹部が第1凹部33であれば、カム信号の立ち上がり34aを検出した時点にて、その時点のクランク角が「570°CA」であると確定し、クランクカウンタを「19」に設定する。
なお、ECU20は、クランクカウンタをRAM28内に備えている。クランクカウンタは、クランク角が0°CAであるときに「0」であり、クランク角が30°CA増大する毎に「1」ずつ増大する。換言すると、例えば、クランクカウンタが「1」であれば、クランク角は30°以上且つ60°未満である。クランクカウンタは、クランク角が690°CAになったとき「23」に設定され、クランク角が720°CA(即ち、「0°CA」)になったとき「0」に戻される。
例えば、相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定された場合のカム信号を示す図6(e)において、ECU20は、内燃機関10の始動動作開始後にカム信号の立ち下がり36bを検出し、次のカム信号の立ち上がり32aを検出したとする。立ち下がり36bを検出してから立ち上がり32aを検出するまでの間に18個のクランク信号が入力されている。このため、ECU20は、立ち下がり36bから立ち上がり32aまでの間にカム角センサ18カムローター凸部検出部を第3凹部37が通過したと特定する。ここで、特定した第3凹部37に対応するカム信号の立ち上がり32a、即ち第1凸部32によるカム信号の立ち上がり32aは、クランク角390°CAに対応付けられている。これによって、ECU20はクランク角を「390°CA」に確定し、クランクカウンタを「13」に設定する。
なお、上述した手法を用いてカム信号によってクランク角を確定する手段を、「第1確定手段」と称呼する場合がある。
相対回転位相が最進角位相である場合のカム信号は図6(d)に示され、相対回転位相が最遅角位相である場合のカム信号は図6(f)に示される。排気側カム軸16及びタイミングチェーン12の組み付け公差等に起因して、相対回転位相にはばらつき(例えば±20°CA程度)が生じる。最進角位相にばらつき分(進角側に20°CA)の位相を加算したカム信号は図6(c)に示され、最遅角位相にばらつき分(遅角側に20°CA)の位相を加算したカム信号は図6(g)に示される。
相対回転位相が中間ロック位相MLPである場合のカム信号(図6(e))では、第3凸部36の立ち下がり36bでは第2気筒のクランク角がBTDC330である。なお、BTDCは、各気筒の圧縮上死点を基準とした吸気上死点前のクランク角(°CA)を表す。これに対して、相対回転位相が他の位相にある場合(図6(c)、(d)、(f)、(g))、第3凸部36の立ち下がり36b時点における第2気筒のクランク角は、以下に述べるようにBTDC380乃至280の範囲のクランク角になる。
図6(c)=最進角位相にばらつき分の位相を進角したカム信号:BTDC380
図6(d)=最進角位相である場合のカム信号 :BTDC360
図6(f)=最遅角位相である場合のカム信号: :BTDC300
図6(g)=最遅角位相にばらつき分の位相を遅角したカム信号:BTDC280
ところで、前回の内燃機関10の停止時に中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定されていないと、今回の内燃機関10の始動動作開始後において相対回転位相が変動してしまう。この場合、上述した第1確定手段によってクランク角が確定されると、その確定されたクランク角は本来のクランク角と最大100°CAの範囲で相違する場合がある。
例えば、上述した燃料噴射弁が開放されて燃焼室内に燃料が噴射されるタイミング(噴射タイミング)がBTDC300であり、相対回転位相が中間ロック位相MLPである場合に「第1確定手段」によってクランク角が確定されたと仮定する。この場合、相対回転位相のばらつき(±20°CA)を考慮しても、BTDC320乃至BTDC280で燃料が噴射される。しかし、相対回転位相が中間ロック位相MLPでない場合に「第1確定手段」によってクランク角が確定されると、BTDC400乃至BTDC200で燃料が噴射される可能性がある。
従って、例えば、BTDC400又はその近傍のクランク角にて燃料が噴射された場合、ピストンが上死点付近に位置するため、ピストン冠面に付着する燃料量が増大する。これによって、気化する燃料が減少し、燃焼が悪化する。一方、例えば、BTDC200又はその近傍のクランク角にて燃料が噴射された場合、ピストンが下死点付近に位置するため、燃料が点火されるまでに十分に霧化できず、燃焼が悪化する。これらの燃焼の悪化は、エミッションの悪化及び/又は内燃機関10の始動性の悪化を招く。
以上から、「第1確定手段」によるクランク角の確定は、相対回転位相が中間ロック位相MLPに固定されていることが前提となることが理解される。換言すると、相対回転位相が中間ロック機構60によって中間ロック位相MLPに固定されていない場合、第1確定取得によって確定されたクランク角に基づいて内燃機関10を始動させると、エミッションの悪化及び/又は内燃機関10の始動性の悪化を招く。
(第2確定手段)
ECU20は、クランク信号が所定の複数個数だけ入力されるのに必要な時間を計測していて、その時間に基づいて内燃機関10の回転速度NEを測定している。更に、ECU20は、欠歯部23がクランク角センサ19のクランクローター歯検出部を通過するのに要する30°CAだけクランク軸11が回転するのに要する時間(欠歯所要時間Tk)を、測定している回転速度NEに基づいて推定する。そして、ECU20は、クランク信号が入力された時点から次のクランク信号が入力された時点までの時間が欠歯所要時間Tkに実質的に等しいと判定した場合、クランクローター21の欠歯部23がクランク角センサ19のクランクローター歯検出部を通過したことを検出する。クランクローター21の欠歯部23がクランク角センサ19のクランクローター歯検出部を通過するタイミングは、所定の気筒のピストンが所定の位置に達するタイミングに設定されている。これによって、ECU20は、欠歯部23がクランク角センサ19を通過したことを検出すると、現在のクランク角が所定の二つのクランク角(120°CA又は480°CA)のいずれかであることを特定できる。
ECU20は、欠歯部23がクランク角センサ19のクランクローター歯検出部を通過したことを検出したタイミングでカム信号の入力があるか否か(パルスの高レベルが検出されているか否か)を判定し、カム信号の入力があれば、現在のクランク角が150°CAであると確定し、クランクカウンタを「5」に設定する。一方、ECU20は、当該タイミングでカム信号の入力がなければ、現在のクランク角が510°CAであると確定し、クランクカウンタを「17」に設定する。このようにECU20のクランク信号に基づいてクランク角を確定する手段を、「第2確定手段」と称呼する場合がある。前述したように、相対回転位相がどの位相であっても、欠歯部23の通過時におけるカム信号の入力の有無に基づいて、クランク角を確実に確定できる。但し、欠歯部23から通過してから次に欠歯部23が通過するまで360°CAを要する。従って、内燃機関10を始動させるためのクランキングが欠歯部23通過直後のクランク角から開始されたとき、クランク角を確定するまでの時間が長くなる。
(作動の概要)
本制御装置は、内燃機関10の停止要求を受け付けると、相対回転位相が中間ロック位相MLPとなるようにアクチュエータ25aを駆動し、油圧制御弁25のモードをロックモードに設定する。そして、本制御装置は、内燃機関10が停止するまで(内燃機関10の回転速度が実質的に「0」になるまで)に相対回転位相が中間ロック位相MLPとなったか否かを判定し、その判定結果をバックアップメモリ29に記憶する。
本制御装置は、内燃機関10の始動要求を受け付けると、バックアップメモリ29に記憶された判定結果が、内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPとなったことを示しているか否かを判定する。そして、本制御装置は、バックアップメモリ29に記憶された判定結果が、内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPとなったことを示している場合、第1確定手段を用いてクランク角を確定し、その確定したクランク角に基づいて内燃機関10を始動させるための制御(燃料噴射)を行う。これに対し、本制御装置は、バックアップメモリ29に記憶された判定結果が、内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPとなっていないことを示す場合、第2確定手段を用いてクランク角を確定し、その確定したクランク角に基づいて内燃機関10を始動させるための制御(燃料噴射)を行う。
(具体的作動)
ECU20のCPU26は、内燃機関10の停止要求を受け付けると、図7にフローチャートにより示したルーチンを実行するようになっている。図7に示したルーチンは内燃機関10の停止時に行なわれる処理である。
CPU26は、内燃機関10の停止要求を受け付けた場合、ステップ700に進み、図7に示したルーチンを開始し、ステップ710に進む。内燃機関10の停止要求は、例えば、ドライバーによって内燃機関10を停止させるための所定の操作(図示しない車両のイグニッション・キー・スイッチをオン位置からオフ位置へと変更する操作)がなされた場合に発生する。或いは、この内燃機関10がハイブリッド車両に搭載されている場合、停止要求はハイブリッド車両のパワーマネジメントECUから発生される。更に、この内燃機関10がスタートアンドストップ機能を備える車両に搭載されている場合、停止要求は、内燃機関10を自動停止する条件が成立したときに発生される。
ステップ710にて、CPU26は、油圧制御弁25のスプール位置を遅角モードの位置に移動させ、ステップ720に進む。油圧制御弁25のスプール位置が遅角モードの位置に移動すると、相対回転位相が遅角する。ステップ720にて、CPU26は、相対回転位相が停止準備位相SPPになったか否かを判定する。
ここで、相対回転位相の計測方法について説明する。CPU26は、所定時間当たりに入力されたクランク信号の数(パルス数)に基づいてクランク軸11の所定時間当たりの回転角度を計算する。そして、CPU26は、その計算されたクランク軸11の回転角度に基づいて現在のクランク角速度を計算する。更に、CPU26は、カム信号の所定の立ち下がりDP(図6(c)乃至(g)の第3凸部36の立ち下がり36bを参照。)から所定のクランク角DCA(図6に破線で示した300°CAを参照。)までに到達するまでの所定クランク角到達時間Tを計測する。なお、この時点ではクランク角は正確に求められている。
そして、CPU26は、所定クランク角到達時間Tとクランク角速度とを乗算することによって、所定の立ち下がりDPから所定のクランク角DCAに到達するまでに進んだクランク角CA(図6(c)乃至(g)のCAを参照。)を計算する。相対回転位相が最遅角位相である場合の所定の立ち下がりDPから所定のクランク角DCAに到達するまでに進むクランク角CA’はCPU26に予め設定されている。CPU26は、所定の立ち下がりDPから所定のクランク角DCAに到達するまでに進んだクランク角CAから当該予め設定されたクランク角CA’を減算する。そして、CPU26は、減算した値に基づいて現在の相対回転位相を算出する。なお、CPU26は、クランク角CAを算出するための基準点としてカム信号の立ち下がりDPを用いていたが、カム信号の立ち上がりを用いてもよい。更に、所定のクランク角DCAは適宜設定されるクランク角であってもよく、クランク角720°CAあたりに2〜3つ程度のクランク角DCAが設定されることが好ましい。
ステップ720にて、CPU26は上述した方法で相対回転位相を計測し、計測した相対回転位相が停止準備位相SPP(図3(b)を参照。)になった場合、そのステップ720にて「Yes」と判定してステップ730に進む。ステップ730にて、CPU26は、油圧制御弁25のスプール位置をロックモードの位置に移動させ、ステップ740に進む。これによって、中間ロック機構60のロックピンの状態が作動状態となる。その結果、中間ロック機構60が相対回転位相を中間ロック位相MLPに固定可能な状態となる。
ステップ740にて、CPU26は、上述した方法で計測される相対回転位相が中間ロック位相MLPになったか否かを判定する。
相対回転位相が中間ロック位相MLPになった場合、CPU26はステップ740にて「Yes」と判定し、ステップ750に進む。ステップ750にて、CPU26は、「内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPになったために中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPで固定されていること」を示す完了情報をバックアップメモリ29に記憶し、ステップ795に進み、本ルーチンを終了する。
一方、相対回転位相が中間ロック位相MLPにならない場合、CPU26はステップ740にて「No」と判定し、ステップ760に進む。ステップ760にて、CPU26は、所定時間あたりのクランク信号の入力数Nが閾値N1th以下であるか否かを判定する。
所定時間あたりのクランク信号の入力数Nが閾値N1th以下であれば、CPU26は、内燃機関10が停止する直前であると判断する。この場合、CPU26はステップ760にて「Yes」と判定し、ステップ770に進む。ステップ770にて、CPU26は、内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPにならなかったことを示す未完了情報をバックアップメモリ29に記憶し、ステップ795に進み、本ルーチンを終了する。
所定時間あたりのクランク信号の入力数Nが閾値N1thより大きければ、CPU26は、内燃機関10は未だ停止しないと判断する。この場合、CPU26はステップ760にて「No」と判定し、ステップ740に戻る。ステップ740にて、CPU26は、相対回転位相が中間ロック位相MLPになったか否かを再度判定する。
一方、ステップ710の処理が行なわれた後に相対回転位相が停止準備位相SPPにならない場合、CPU26はステップ720にて「No」と判定し、ステップ780に進む。ステップ780にて、CPU26は、所定時間あたりのクランク信号の入力数Nが閾値N1th以下であるか否かを判定する。
所定時間あたりのクランク信号の入力数Nが閾値N1th以下であれば、CPU26は、内燃機関10が停止する直前であると判断する。この場合、CPU26はステップ780にて「Yes」と判定し、ステップ770に進む。ステップ770にて、CPU26は未完了情報をバックアップメモリ29に記憶し、ステップ795に進み、本ルーチンを終了する。
これに対し、所定時間あたりのクランク信号の入力数Nが閾値N1thより大きければ、CPU26は、内燃機関10は未だ停止しないと判断する。この場合、CPU26はステップ780にて「No」と判定し、ステップ720に戻る。ステップ720にて、CPU26は相対回転位相が停止準備位相SPPになったか否かを再度判定する。
以上の処理によって、CPU26は、「内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPになった」か否かを示す情報(完了情報又は未完了情報)をバックアップメモリ29に記憶することができる。図7に示すルーチンでバックアップメモリ29に記憶される情報は、換言すれば、内燃機関10が停止するまでに中間ロック機構60によってベーンローター50のハウジングローター40に対する相対的な位置が機械的に固定されたか否かを示す情報である。
CPU26は、内燃機関10の始動要求を受け付けた場合、ステップ800に進み、図8に示したルーチンを開始し、ステップ810に進む。内燃機関10の始動要求は、ドライバーが内燃機関10を始動させるための所定の操作(図示しない車両のイグニッション・キー・スイッチをオフ位置からオン位置へと変更する操作)がなされた場合に発生する。或いは、この内燃機関10がハイブリッド車両に搭載されている場合、始動要求はハイブリッド車両のパワーマネジメントECUから発生される。更に、この内燃機関10がスタートアンドストップ機能を備える車両に搭載されている場合、始動要求は、内燃機関10を自動始動条件が成立したときに発生される。
ステップ810にて、CPU26は、バックアップメモリ29に記憶された情報を読み出し、ステップ820に進む。ステップ820にて、CPU26は、ステップ810で読み出した情報が完了情報であるか否かを判定する。
ステップ810で読み出した情報が完了情報である場合(即ち、「内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPになったために中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPで固定されていること」を示している場合)、CPU26はステップ820にて「Yes」と判定し、ステップ830に進む。ステップ830にて、CPU26は、上述した第1確定手段を用いてクランク角を確定し、ステップ895に進み、本ルーチンを終了する。
一方、ステップ810で読み出した情報が完了情報でない場合、即ち、ステップ810で読み出した情報が未完了情報である場合、CPU26はステップ820にて「No」と判定し、ステップ840に進む。ステップ840にて、CPU26は、上述した第2確定手段を用いてクランク角を確定し、ステップ895に進み、本ルーチンを終了する。
以上の処理により、本制御装置は、内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPとなっていれば、第1確定手段を用いてクランク角を確定する。これにより、本制御装置は、いち早くクランク角を確定でき、クランキング開始後に最初に燃焼を発生させる気筒(即ち、燃料噴射を行った後に点火させる気筒)をいち早く決定できる。このため、内燃機関10の燃焼を伴う始動を早めることができる。
一方、本制御装置は、内燃機関10が停止するまでに相対回転位相が中間ロック位相MLPとなっていなければ(中間ロック機構60によって相対回転位相が中間ロック位相MLPで固定されていなければ)、第2確定手段を用いてクランク角を確定する。これにより、内燃機関10の燃焼を伴う始動は遅れるものの、クランク角を正確に確定でき、エミッション及び始動性の悪化を低減できる。
なお、本制御装置は、第1確定手段を用いてクランク角を確定して内燃機関10を始動させる処理を行なった後に第2確定手段によってクランク角が確定できた場合、その時点以降においては内燃機関10が停止するまで、第2確定手段によってクランク角を確定する。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、本発明の種々の変形例を採用することができる。例えば、吸気側カム軸15側にバルブタイミング可変装置が設けられ、吸気側カム軸15のクランク軸11に対する相対回転位相が変化する内燃機関10にも本制御装置は適用できる。なお、吸気側カム軸15側に設けられるバルブタイミング可変装置は電動式であってもよいし、上述した実施形態で説明した油圧駆動式であってもよい。
更に、上述した実施形態では、ECU20は、排気側カム軸16側のカム信号を用いて内燃機関10の停止時の処理及び始動時の処理を実行した。しかし、吸気側カム軸15に中間ロック機構60を備えるバルブタイミング可変装置17が設けられる場合、吸気側カム軸15側のカム信号を用いて内燃機関10の停止時の処理及び始動時の処理を実行してもよい。
ただし、吸気側カム軸15の最進角位相及び最遅角位相は、クランクローター21の欠歯部23のクランク角センサ19の1回目の通過時と2回目の通過時とでカム信号の入力の有無が異なるように設定されたものに限る。
10…内燃機関、11…クランク軸、15…吸気側カム軸、16…排気側カム軸、17…バルブタイミング可変装置、18…カム角センサ、19…クランク角センサ、20…内燃機関制御ECU、21…クランクローター、22…歯、23…欠歯部、25…油圧制御弁、26E…CPU、27…ROM、28…RAM、31…カムローター、40…ハウジングローター、50…ベーンローター、60…中間ロック機構。

Claims (1)

  1. 4サイクル内燃機関の任意の気筒のピストンが圧縮上死点にある時点又は当該時点から720°の範囲内の所定クランク角だけ進角した時点の基準クランク角からのクランク軸の回転角度であるクランク角を確定し、当該確定したクランク角に基づいて内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関は、
    前記クランク軸と、
    前記内燃機関のバルブを開閉するためのカムが取り付けられ、前記クランク軸が2回転すると自身が1回転するように前記クランク軸の回転が伝達されるカム軸と、
    前記カム軸の前記クランク軸に対する相対回転位相を進角又は遅角させて、前記バルブの開閉タイミングを変化させるバルブタイミング可変手段と、
    外周に等間隔で設けられた複数の歯と、前記外周の一部に形成された前記歯が設けられない領域である欠歯部と、を含み、前記クランク軸と同期回転するクランクローターと、
    外周に複数の凸部と複数の凹部とが交互に設けられ、前記複数の凸部は互いに異なる幅のクランク角に相当する角度にわたって設けられ、前記複数の凹部は互いに異なる幅のクランク角に相当する角度にわたって設けられ、前記カム軸と同期回転するカムローターと、
    前記クランクローターの歯がクランクローター歯検出部を通過している期間にクランク信号であるパルスを出力するクランク角センサ部と、
    前記カムローターの凸部がカムローター凸部検出部を通過している期間にカム信号であるパルスを出力するカム角センサ部と、を備え、
    前記バルブタイミング可変手段は、
    前記クランク軸と同期回転する第1回転体と、
    前記第1回転体と同軸上に配置されて、前記カム軸と同期回転し、前記相対回転位相を変化させるために前記第1回転体に対する相対的な回転位置が変化可能な第2回転体と、
    前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を変化させる駆動機構と、
    前記相対回転位相が最進角位相と最遅角位相との間の所定の中間ロック位相となった場合、前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を前記中間ロック位相となる回転位置に機械的に固定することが可能な中間ロック機構と、を備え、
    前記カムローターの前記凸部及び前記凹部は、前記相対回転位相にかかわらず、前記クランクローターの欠歯部が前記クランク角センサ部の前記クランクローター歯検出部を通過し終えたタイミングで前記クランク角を確定できるように、前記欠歯部の1回目の通過と当該1回目の通過に続く2回目の通過とで前記カム信号の入力の有無が異なるように設けられ、
    前記制御装置には、前記相対回転位相が所定の基準位相である場合に前記カム信号の各立ち上がり時点に対応するクランク角と、前記カム信号の各立ち下がり時点に対応するクランク角と、が予め記憶されており、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関が停止中であっても、記憶した情報を保持するバックアップメモリと、
    前記カム信号の立ち上がりから当該立ち上がりに続く立ち下がりまでの間、又は、前記カム信号の立ち下がりから当該立ち下がりに続く立ち上がりまでの間、の前記クランク信号の入力数に基づいて、前記カム角センサ部の前記カムローター凸部検出部を通過した前記カムローターの凸部又は凹部を特定し、前記特定した凸部が前記カムローター凸部検出部を通過し終えた時点のカム信号の立ち下がり又は前記特定した凹部が前記カムローター凸部検出部を通過し終えた時点のカム信号の立ち上がり、に対応する前記予め記憶されたクランク角に基づいて、前記クランク角を確定する第1確定手段と、
    前記クランク信号に基づいて前記クランクローターの前記欠歯部が前記クランク角センサ部の前記クランクローター歯検出部を通過し終えた時点における前記カム角センサからのカム信号の入力の有無に基づいて、前記クランク角を確定する第2確定手段と、
    前記内燃機関の停止要求を受け付けた場合、前記内燃機関の停止時の処理を実行する停止処理部と、
    前記内燃機関の始動要求を受け付けた場合、前記内燃機関の始動時の処理を実行する始動処理部と、を備え、
    前記停止処理部は、
    前記相対回転位相が前記中間ロック位相となるように前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を前記駆動機構を用いて変化させ、
    前記相対回転位相が最進角位相と最遅角位相との間の所定の中間ロック位相となった場合に前記第2回転体の前記第1回転体に対する前記相対的な回転位置を機械的に固定させるように前記中間ロック機構を制御し、
    前記内燃機関が停止するまでに前記相対回転位相が前記中間ロック位相となったか否かを判定し、その判定結果をバックアップメモリに記憶するように構成され、
    前記始動処理部は、
    前記バックアップメモリに記憶された前記判定結果が、前記内燃機関が停止するまでに前記相対回転位相が前記中間ロック位相となったことを示す場合、前記第1確定手段を用いて前記クランク角を確定し、
    前記バックアップメモリに記憶された前記判定結果が、前記内燃機関が停止するまでに前記相対回転位相が前記中間ロック位相となっていないことを示す場合、前記第2確定手段を用いて前記クランク角を確定するように構成された、
    内燃機関の制御装置。
JP2017003783A 2017-01-13 2017-01-13 内燃機関の制御装置 Pending JP2018112153A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017003783A JP2018112153A (ja) 2017-01-13 2017-01-13 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017003783A JP2018112153A (ja) 2017-01-13 2017-01-13 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018112153A true JP2018112153A (ja) 2018-07-19

Family

ID=62911026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017003783A Pending JP2018112153A (ja) 2017-01-13 2017-01-13 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018112153A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112780426A (zh) * 2021-01-05 2021-05-11 潍柴动力股份有限公司 一种发动机启动方法、装置、车辆及存储介质

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112780426A (zh) * 2021-01-05 2021-05-11 潍柴动力股份有限公司 一种发动机启动方法、装置、车辆及存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9133776B2 (en) Control apparatus and control method for internal-combustion engine
JP4767096B2 (ja) 可変バルブタイミング装置
JP4600326B2 (ja) 可変バルブタイミング装置
US8910617B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP4594264B2 (ja) 可変バルブタイミング装置
US7360516B2 (en) Variable valve timing apparatus executing reference position learning and control method thereof
US8683968B2 (en) Variable valve assembly for internal combustion engine
JP2006220079A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2018112153A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4228170B2 (ja) 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置
JP6645302B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4320821B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法
JP6024603B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2018162672A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2022108110A (ja) エンジン制御装置
US9341088B2 (en) Camshaft phaser control systems and methods
US7568466B2 (en) Control system and timing rotor for multi-cylinder internal combustion engine
JP2013060938A (ja) エンジン制御装置
JP7131496B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005098200A (ja) 内燃機関の気筒識別装置
JP4179155B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射時期制御装置
JP5987756B2 (ja) 内燃機関の制御装置
KR20200047157A (ko) 엔진 동기화 장치 및 그 제어 방법
JP5584797B1 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2019203468A (ja) 内燃機関の制御装置