JP4320821B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多気筒内燃機関の燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法に関し、特に内燃機関を良好に始動するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な多気筒内燃機関では、各気筒内に往復動可能に収容されたピストンが、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに連結されている。ピストンの往復動に伴い、クランクシャフト及びクランクシャフトに作動連結されたカムシャフトが回転する。従って、各気筒内におけるピストンの行程位置の判別、つまり気筒判別は、クランクシャフトの回転位置(クランク角)を検出することによって行うことができる。内燃機関における点火時期制御及び燃料噴射時期制御等を含む各種の制御は、クランク角(°CAで表される)の検出に基づいて実行される。
【0003】
なお、クランクシャフトの回転角度とカムシャフトの回転角度との比は2:1に設定されており、クランクシャフトが2回転する間に、各気筒ではそれぞれ、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を含む1つの機関サイクルが実行される。従って、クランクシャフトの回転位置は、同シャフトの2回転分の回転角度を1つのサイクルとして表される。
【0004】
クランクシャフトの回転位置を検出するために、従来より例えば図17に示すような装置が知られている。図17(a)及び図17(b)に示すように、この従来装置では、内燃機関のクランクシャフト507に設けられたクランク角センサ501と、内燃機関のカムシャフト508に設けられたカム角センサ502とを備えている。
【0005】
図17(a)に示すように、クランク角センサ501は、クランクシャフト507と一体的に回転するクランクロータ503と、そのクランクロータ503の外周面に対向配置されたクランクパルス発生器504とを有する。クランクロータ503は、その外周面に10°CA毎に設けられた複数の突起503aを有する。さらにクランクロータ503は、その外周面に2つ分の突起が欠落することによって形成された30°CA間隔の欠歯部503bを有する。クランクシャフト507の回転に伴いクランクロータ503上の突起503aがクランクパルス発生器504との対向位置を通過する毎に、クランクパルス発生器504は図18に示すようなクランクパルスを発生する。欠歯部503bがクランクパルス発生器504との対向位置を通過するときには、クランクパルスの間隔が30°CAになる。
【0006】
図17(b)に示すように、カム角センサ502は、カムシャフト508と一体的に回転するカムロータ505と、そのカムロータ505の外周面に対向配置されたカムパルス発生器506とを有する。カムロータ505は、その外周面に1つの突起505aを有する。クランクシャフト507が2回転する間にカムシャフト508が1回転して、カムロータ505上の突起505aがカムパルス発生器506との対向位置を通過する毎に、カムパルス発生器506は図18に示すようなカムパルスを発生する。
【0007】
図18に示すように、30°CA間隔となるクランクパルスの発生から所定期間の間は、気筒判別を行うための判別期間Gとして設定される。上記カムパルスは、クランクロータ503が2回転する間に出現する2回の判別期間Gのうちの一方に同期して発生する。なお、図18のタイミングチャートは、第1〜第4気筒#1〜#4を備える直列4気筒の内燃機関の例を示している。図18における各気筒#1〜#4の吸気行程に主に対応して描かれた斜線領域は、吸気バルブの開放期間を示す。
【0008】
そして、従来装置では、上記の判別期間G中にカムパルスが発生したか否かに基づき、クランクシャフト507の回転位置の特定、即ち気筒判別を行う。具体的には、例えば図18に示すように、判別期間G中にカムパルスが発生した場合には、判別期間Gの終了時期に対応するクランクパルスから所定数後のクランクパルスの発生タイミングで、第1気筒#1が圧縮行程における上死点(図面では単にTDCと略記する)になると判断する。また、判別期間G中にカムパルスが発生しなかった場合には、判別期間Gの終了時期に対応するクランクパルスから所定数後のクランクパルスの発生タイミングで、第4気筒#4が圧縮上死点になると判断する。
【0009】
従って、内燃機関を始動させるべくクランキングが行われた場合には、上記のようにして気筒判別が完了すれば、それ以降は、クランクパルス及びカムパルスに基づきクランク角を順次求めることができる。そのため、クランク角に応じて各気筒に対する燃料噴射及び点火が適正に制御され、内燃機関の通常運転に移行できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来装置では、欠歯部503bがクランクパルス発生器504との対向位置を通過した直後に内燃機関が停止した場合には、次回の内燃機関の始動に際して、クランキングによってクランクシャフト507をほぼ1回転させなければ、欠歯部503bの検出及びそれに伴う判別期間Gの設定を行うことができない。つまり、クランキングによってクランクシャフト507をほぼ1回転させるまでは、気筒判別を行うことができない。そのため、内燃機関をクランキングから短時間で通常の運転状態に移行させることができず、内燃機関を良好に始動できない。
【0011】
特に、シーケンシャル噴射方式の内燃機関においては、各気筒に対して独立して燃料が順次噴射される。そのため、気筒判別が完了しないと、各気筒に対して適正なタイミングで燃料の噴射を行うことができない。しかしながら、気筒判別が完了してから燃料噴射を開始していたのでは、燃料噴射が行われた気筒に対して点火が行われるまでに更に時間を要する。
【0012】
そこで、例えば、気筒判別の完了前に全ての気筒に対して燃料を噴射しておき、気筒判別後に各気筒に対して通常タイミングでの燃料噴射及び点火を開始する技術も従来より知られている。しかしながら、燃料の噴射タイミングによっては、気筒判別に基づく点火が開始されるまでの間に、気筒内に導入された燃料が未燃ガスとして排出されてしまうおそれがある。
【0013】
図17に示す従来装置において、例えば図18に示すように、気筒判別が完了する前の欠歯部503bの検出タイミングt51,t53において、全ての気筒#1〜#4に対して燃料を噴射することも考えられる。例えば、タイミングt51で全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射が行われた場合には、それに続く判別期間Gにおいて気筒判別が行われた後に、タイミングt52において、圧縮上死点となる第3気筒#3に対して最初の点火を行うことができる。同様に、タイミングt53で全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射が行われた場合には、それに続く判別期間Gにおいて気筒判別が行われた後に、タイミングt54において、圧縮上死点となる第2気筒#2に対して最初の点火を行うことができる。
【0014】
このようにすれば、気筒判別後に燃料噴射を開始する場合と比較してより早期に点火を開始できるので、内燃機関の始動性が向上する。しかも、欠歯部503bの検出タイミングt51,t53で噴射された燃料は、全ての気筒#1〜#4において燃焼に供されるので、未燃ガスの排出もない。
【0015】
しかしながら、このようにしても、欠歯部503bがクランクパルス発生器504との対向位置を通過した直後に内燃機関が停止した場合には、次回の内燃機関の始動に際して、クランクシャフト507をほぼ1回転させるまでは欠歯部503bの検出に基づく全気筒噴射を行うことはできない。そのため、このような場合には、クランキングから最初の点火までの時間を充分に短くすることができない。
【0016】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、内燃機関を良好に始動させることができる燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、複数の気筒内にそれぞれ収容されたピストンと、ピストンの往復運動に伴い回転するクランクシャフトと、クランクシャフトが2回転する毎に1回転するカムシャフトとを備え、クランクシャフトが2回転する間に、各ピストンが1つの機関サイクルを実行するように2回往復動する内燃機関において、クランクシャフトの回転に伴いクランクシャフトの回転角度を示すクランク信号を発生するクランク角センサと、前記クランク信号に基づきクランクシャフトに対して特定の判別角度範囲を設定する設定手段と、カムシャフトが1回転する毎に、カムシャフトの所定の回転角度にそれぞれ対応して、気筒判別用の判別カム信号及び補助カム信号を含む複数のカム信号を発生するカム角センサであって、クランクシャフトが2回転する間に出現する2回の判別角度範囲のうちの一方に同期して判別カム信号を発生するとともに、判別角度範囲に同期しないタイミングで補助カム信号を発生するカム角センサと、クランクシャフトが前記判別角度範囲にあるときに判別カム信号が発生したか否かに基づき気筒を判別する気筒判別手段と、各気筒に対してそれぞれ燃料を噴射するための燃料噴射手段と、内燃機関の始動に際して、カム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御する制御手段とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【0018】
上記の構成によれば、内燃機関を始動させるべくクランキングが行われたとき、カム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料が噴射される。従って、気筒判別前にカム信号が発生した場合には、気筒判別前に特定の気筒に対して燃料噴射を行うことができる。そのため、カム信号の発生後に、判別角度範囲の設定及びそれに基づく気筒判別が完了すれば、その気筒判別後に極力短時間で点火を開始することが可能となる。そのため、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関を良好に始動させることができる。
【0019】
本発明の一つの態様では、吸気バルブが各気筒にそれぞれ対応して設けられ、吸気バルブが開放されたときに、噴射燃料と空気との混合気が対応する気筒内に導入される。前記カム角センサは、前記特定の気筒に対応する吸気バルブの開放期間の後半を除くタイミングでカム信号を発生するよう構成される。
【0020】
吸気バルブの開放期間の後半に燃料を噴射すると、噴射燃料が気筒内に充分に供給されず、従って、点火が行われても気筒内の混合気が燃焼せずに、未燃ガスとして気筒から排出されてしまうおそれがある。しかし、本発明では、カム信号の発生タイミングが吸気バルブの開放期間の後半を除くタイミングに設定されているので、カム信号の発生タイミングで燃料噴射を行っても、未燃ガスが排出されることはない。
【0021】
上記のカム角センサは、好ましくは、カムシャフトと一体回転するカムロータと、カムロータと対向するよう配置されたカム信号発生器とを含んで構成される。カムロータは、同ロータの回転方向に沿って所定間隔をおいて設けられた気筒判別用の判別指標及び補助指標を有する。カム信号発生器は、カムロータが回転したとき、判別指標及び補助指標にそれぞれ対応して判別カム信号及び補助カム信号を発生する。
【0022】
このように、カムロータ上に、気筒判別のために用いられる判別指標に加えて、別の補助指標を設けるだけで良いので、構造が簡単である。
なお、本発明の好ましい一つの態様では、カムロータが2つの補助指標を有する。この場合、カム信号発生器は、カムロータが1回転する間に、両補助指標にそれぞれ対応する2つの補助カム信号を発生する。一方の補助カム信号は、判別カム信号の発生を伴う判別角度範囲が過ぎてから次に判別角度範囲が出現するまでの間に発生される。他方の補助カム信号は、判別カム信号の発生を伴わない判別角度範囲が過ぎてから次に判別角度範囲が出現するまでの間に発生される。
【0023】
このように構成すれば、例えば補助指標が1つだけの場合と比較して、気筒判別前にカム信号の発生に基づく燃料噴射が実行される機会が多くなる。そのため、クランキングから最初の点火までの時間を、より確実に短くできる。
【0024】
また、前記クランク信号は、クランクシャフトが特定の回転角度にあることを示す情報を含んでもよい。この場合、前記設定手段は、クランク信号に基づきクランクシャフトが特定の回転角度にあることを認識するとともに、その時点からクランクシャフトが所定角度だけ回転するまでの角度範囲を判別角度範囲として設定する。
【0025】
このようにして、クランクシャフトの特定の回転角度を基準として、判別角度範囲が正確且つ確実に設定される。
また、前記気筒判別手段は、内燃機関の始動に際して、前記判別角度範囲が設定される前にカム信号の発生を2回確認した場合には、その後クランクシャフトが特定の回転角度に配置された時点で気筒を判別する。
【0026】
即ち、クランクシャフトが特定の回転角度から1回転して次に特定の回転角度になるまでの間には、判別カム信号及び一方の補助カム信号が発生する場合と、他方の補助カム信号のみが発生する場合との2つのパターンが出現する。一方、クランクシャフトが特定の回転角度を僅かに過ぎている状態からクランキングが行われた場合には、そのクランキング直後にクランクシャフトが実際には判別角度範囲にあっても、それは判別角度範囲として設定されない。このような場合には、その後にクランクシャフトが特定の回転角度に配置される前に、2つのカム信号、つまり判別カム信号及び一方の補助カム信号が発生することがある。従って、この場合には、判別角度範囲の設定を待たなくとも、その後にクランクシャフトが特定の回転角度に配置された時点で気筒を判別できる。これは、判別角度範囲の設定を待ってから気筒判別を行う場合と比較して、クランキングから最初の点火までの時間を一層短くして、内燃機関の更なる良好な始動を可能とする。
【0027】
また、内燃機関が直列4気筒である場合には、前記制御手段は、最初のカム信号の発生タイミングに同期して全ての気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御する。
【0028】
このようにすれば、気筒判別後に最初に圧縮上死点となる気筒に対して直ちに点火することができ、一層良好な始動が可能となる。
本発明はまた、内燃機関の燃料噴射制御方法を提供する。この方法は、クランクシャフトに対して特定の判別角度範囲を設定する工程と、カムシャフトが1回転する毎に、カムシャフトの所定の回転角度にそれぞれ対応して、気筒判別用の判別カム信号及び補助カム信号を含む複数のカム信号を発生する工程であって、クランクシャフトが2回転する間に出現する2回の判別角度範囲のうちの一方に同期して判別カム信号を発生するとともに、判別角度範囲に同期しないタイミングで補助カム信号を発生する工程と、クランクシャフトが前記判別角度範囲にあるときに判別カム信号が発生したか否かに基づき気筒を判別する工程と、内燃機関の始動に際して、カム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料を噴射する工程とを備える。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を直列4気筒の4サイクル内燃機関に具体化した第1実施形態について、図1〜図8に従って説明する。
【0030】
図1に示すように、内燃機関10のシリンダブロック11は、4つの気筒12を備える。これらの気筒12は、順に配列された第1〜第4気筒#1〜#4を含む。尚、図1では第1気筒#1のみが示されている。各気筒12内にはピストン13が往復動可能に収容される。各ピストン13はコネクティングロッド14を介してクランクシャフト15に連結される。ピストン13の往復運動はコネクティングロッド14によってクランクシャフト15の回転運動に変換される。なお、クランクシャフト15の回転位置は、クランク角(°CA)で表される。シリンダヘッド17はシリンダブロック11の上部に固定される。ピストン13及びシリンダヘッド17は、各気筒12内において燃焼室18を区画形成する。
【0031】
吸気カムシャフト20及び排気カムシャフト21は、シリンダヘッド17に回転可能に支持される。吸気バルブ23及び排気バルブ24は、それぞれ各気筒12に対応するように、シリンダヘッド17に往復動可能に支持される。吸気ポート26及び排気ポート27は、それぞれ各気筒12に対応するように、シリンダヘッド17に形成される。
【0032】
両カムシャフト20,21はタイミングベルト22によってクランクシャフト15に駆動連結される。クランクシャフト15が2回転する間に、両カムシャフト20,21が1回転する。両カムシャフト20,21が回転したとき、吸気バルブ23及び排気バルブ24がそれぞれ対応するカムシャフト20,21によって駆動される。これらのバルブ23,24の駆動に伴い、吸気ポート26及び排気ポート27が所定のタイミングで開閉される。
【0033】
吸気カムシャフト20とタイミングベルト22との間には、吸気バルブ23の開閉タイミングを変更するための可変バルブタイミング機構(以下、VVTと略記する)30が設けられる。このVVT30は、吸気バルブ23の開閉タイミングを変更すべく、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト20の回転位相を変更するように動作する。VVT30は、後述するコンピュータ等よりなる電子制御装置(以下、ECUと略記する)40によって制御される。
【0034】
電磁弁よりなるインジェクタ53は燃料噴射手段として機能し、各気筒12にそれぞれ対応するように、吸気ポート26に設けられる。各インジェクタ53は、対応する吸気ポート26内に燃料を噴射する。燃料の噴射時期及び噴射量は、インジェクタ53の開放時期及び閉鎖時期がECU40によって制御されることにより調整される。なお、本実施形態では、燃料を4つの気筒12に順次噴射していくシーケンシャル噴射方式が採用される。勿論、他の噴射方式を採用することも可能である。
【0035】
点火プラグ50は、各気筒12にそれぞれ対応するように、シリンダヘッド17に取り付けられる。各点火プラグ50は、それぞれイグニッションコイル51に電気的に接続される。点火プラグ50は、イグニッションコイル51から供給された高電圧に基づいて、吸気ポート26から燃焼室18に供給される燃料と空気との混合気に点火して、その混合気を燃焼させる。イグニッションコイル51における高電圧の発生時期、つまり点火プラグ50による点火時期は、ECU40によってイグナイタ52が制御されることにより調整される。
【0036】
図5に示すように、クランクシャフト15が2回転する間に、各気筒#1〜#4ではそれぞれ、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を含む1つの機関サイクルが実行される。従って、クランクシャフト15の回転位置は、同シャフト15の2回転分の回転角度、つまり0°CA〜720°CAを1つのサイクルとして表される。
【0037】
また、本実施形態の内燃機関10では、図5に示すように、クランクシャフト15が180°CA回転する毎に、第1気筒#1内のピストン13、第3気筒#3内のピストン13、第4気筒#4内のピストン13、第2気筒#2内のピストン13が順に、圧縮行程における上死点(図面では単にTDCと略記する)に配置される。言い換えれば、各気筒12内のピストン13は、第1気筒#1、第3気筒#3、第4気筒#4及び第2気筒#2の順で、180°CAずつ位相がずれた状態で往復動する。従って、0°CA〜720°CAの角度範囲においてクランクシャフト15の回転位置を特定することにより、各気筒12内におけるピストン13の行程位置の判別、言い換えれば気筒判別を行うことができる。
【0038】
尚、図5において、各気筒#1〜#4の吸気行程に主に対応して示された斜線領域は、吸気バルブ23の開放期間を示す。吸気ポート26に噴射された燃料と空気との混合気は、吸気バルブ23の開放に伴い、対応する気筒12に導入される。但し、開放期間の後半、詳しくは吸気行程における上死点よりも120°CA後の時期から圧縮行程における上死点よりも120°CA前の時期までの期間は、噴射禁止期間Eとして設定される。この噴射禁止期間Eで燃料噴射が行われると、噴射された燃料が気筒12内に充分に供給されず、点火を行っても気筒内12で混合気が燃焼しないことがある。このような場合には、気筒12内の混合気が未燃ガスとして排出されてしまう。そのため、燃料の噴射をこの噴射禁止期間Eで行うのは好ましくない。
【0039】
図1に示すように、クランクロータ54は、クランクシャフト15と一体回転するよう同シャフト15に固定される。クランクパルス発生器55は、クランクロータ54の外周面に対向するように、シリンダブロック11に取り付けられる。クランクロータ54及びクランクパルス発生器55は、クランク角センサ56を構成する。
【0040】
上記のクランク角センサ56について、図2を参照して詳細に説明する。クランクロータ54の外周面には、指標としての多数の突起54aが設けられる。34個の突起54aが、クランクロータ54の外周面に等角度間隔(本実施形態では10°CA)で設けられる。但し、クランクロータ54の外周面上の一箇所のみ、隣接する2つの突起54aの配設間隔が30°CAとなっている。従って、図2に示すクランクロータ54は、36個の突起を等角度間隔で有するクランクロータから、連続する2つの突起を削除した形状をなす。この2つの突起が削除された部分に相当する箇所を、クランクロータ54上における特定部位としての欠歯部54bという。
【0041】
クランクロータ54の回転に伴い各突起54aがクランクパルス発生器55との対向位置を通過する毎に、クランクパルス発生器55は1つのパルス信号(クランクパルス)を発生する。クランクパルス発生器55としては、半導体式センサ、例えば、ホール素子及び磁気抵抗素子等の磁気センサ並びに各種の光学式センサを用いることができる。さらに、クランクパルス発生器55として、電磁ピックアップコイルを用いることもできる。クランクロータ54は、適用されるクランクパルス発生器55においてパルスが誘起され得るように、その材質若しくは形状が決定される。従って、クランクロータ54上には、適用されるクランクパルス発生器55の種類に応じて、突起54a以外の指標、例えば凹部や孔が設けられても良い。
【0042】
図1に示すように、カムロータ60は、吸気カムシャフト20と一体回転するよう同シャフト20に固定される。カムパルス発生器61は、カムロータ60の外周面に対向するように、シリンダヘッド17に取り付けられる。カムロータ60及びカムパルス発生器61は、カム角センサ62を構成する。
【0043】
上記のカム角センサ62について、図3を参照して詳細に説明する。カムロータ60の外周面には、3個の突起60a,60b,60cが設けられる。補助指標としての第2突起60b及び第3突起60cは、互いに180°の角度間隔を以て配置される。気筒判別のために用いられる判別指標としての第1突起60aは、第2突起60b及び第3突起60cに対して90°の角度間隔を以て配置される。第1突起60aから180°離れた位置には突起が存在しない。
【0044】
カムロータ60の回転に伴い各突起60a,60b,60cがカムパルス発生器61との対向位置を通過する毎に、カムパルス発生器61は1つのパルス信号(カムパルス)を発生する。カムパルス発生器61としては、上記したクランクパルス発生器55と同様、例えば、磁気センサや光学式センサ等の半導体式センサ、或いは電磁ピックアップコイルを用いることができる。カムロータ60についても、適用されるカムパルス発生器61においてパルスが誘起され得るように、その材質若しくは形状が決定される。従って、カムロータ60上には、適用されるカムパルス発生器61の種類に応じて、突起60a〜60c以外の指標、例えば凹部や孔が設けられても良い。
【0045】
図4に示すように、前記ECU40は、関数データ及び各種制御プログラムが格納されたROM41、ROM41に格納された各種プログラムに基づいて演算処理を実行するCPU42、CPU42での演算結果及び外部から入力されたデータ等を一時的に記憶するRAM43、及びECU40に対する電力供給停止時にRAM43に格納されたデータを保持するバックアップRAM44を備える。これら、CPU42、ROM41、RAM43及びバックアップRAM44は、双方向バス45を介して違いに接続されるとともに、入力回路46及び出力回路47に接続される。クランクパルス発生器55及びカムパルス発生器61は、入力回路46に接続される。VVT30、イグナイタ52及びインジェクタ53は、出力回路47に接続される。
【0046】
クランクシャフト15とともにクランクロータ54が回転したとき、クランクパルス発生器55は図5に示すようなクランクパルスの列を発生してECU40に出力する。同図に示すように、クランクロータ54上の突起54aの配列に対応して、クランクパルス発生器55は、クランクシャフト15が10°CA回転する毎に1つのクランクパルスを発生する。但し、クランクロータ54が1回転する間にクランクロータ54上の欠歯部54bがクランクパルス発生器55を1回通過するので、そのときにはクランクパルスの間隔が30°CAとなる。従って、ECU40は、この30°CA間隔のクランクパルスの入力に基づき、クランクロータ54上の欠歯部54bの通過を検出することができる。言い換えれば、ECU40は、30°CA間隔のクランクパルスの入力に基づき、クランクシャフト15が特定の回転角度にあることを認識する。
【0047】
この30°CA間隔となるクランクパルスの発生からクランクシャフト15が所定角度だけ回転するまでの間の期間は、気筒を判別するための判別期間G(判別角度範囲)として設定される。本実施形態では、この判別期間Gが、30°CA間隔となるクランクパルスを1番目としてそこから13番目のクランクパルスが発生するまでの期間、つまり欠歯部54bの検出からクランクシャフト15が120°CAだけ回転するまでの角度範囲に設定される。
【0048】
一方、吸気カムシャフト20とともにカムロータ60が回転したとき、カムパルス発生器61は図5に示すように、カムロータ60上の第1〜第3突起60a〜60cにそれぞれ対応する第1〜第3カムパルスCP1〜CP3を発生してECU40に出力する。同図に示すように、第1突起60aに対応する第1カムパルスCP1が上記した判別期間G中に発生するよう、クランク角センサ56及びカム角センサ62は構成される。
【0049】
なお、吸気カムシャフト20が1回転する間に、クランクシャフト15が2回転して上記判別期間Gが2回出現する。判別カム信号としての第1カムパルスCP1は、吸気カムシャフト20が1回転する間に出現する2回の判別期間Gのうちの一方に同期して発生する。判別期間G中に第1カムパルスCP1が発生したか否かに基づき、クランクシャフト15の2回転中における回転位置を特定して、気筒判別を行うことができる。
【0050】
本実施形態では、図5に示すように、判別期間G中に第1カムパルスCP1が発生する場合には、判別期間Gの終了時期に対応するクランクパルスを1番目としてそこから10番目のクランクパルスが発生するタイミングで、つまり判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が90°CAだけ回転した後に、第1気筒#1のピストン13が圧縮行程における上死点に配置される。一方、判別期間G中に第1カムパルスCP1が発生しない場合には、判別期間Gの終了時期に対応するクランクパルスを1番目としてそこから10番目のクランクパルスが発生するタイミングで、第4気筒#4のピストン13が圧縮行程における上死点に配置される。
【0051】
第1気筒#1のピストン13が圧縮行程における上死点に配置されたとき、クランク角を示す値として用いられるクランクカウンタ値CCRが「0」に設定される。このクランクカウンタ値CCRは、クランクシャフト15が30°CA回転する毎に「1」ずつインクリメントされ、「23」に達すると次は再び「0」に戻る。従って、このクランクカウンタ値CCRに基づき、クランクシャフト15の2回転中における回転位置を特定して、各気筒12内におけるピストン13の行程位置の判別、つまり気筒判別を行うことができる。
【0052】
第2突起60bに対応する第2カムパルスCP2は、第1カムパルスCP1の発生を伴う判別期間Gが終了してから次に欠歯部54bが検出されるまでの期間に発生する。具体的には、補助カム信号としての第2カムパルスCP2は、第1カムパルスCP1が発生してから吸気カムシャフト20が90°(180°CAに相当)回転した後に発生する。第3突起60cに対応する第3カムパルスCP3は、第1カムパルスCP1の発生を伴わない判別期間Gが終了してから次に欠歯部54bが検出されるまでの期間に発生する。具体的には、補助カム信号としての第3カムパルスCP3は、第2カムパルスCP2が発生してから吸気カムシャフト20が180°(360°CAに相当)回転した後に発生する。
【0053】
さらに、第1〜第3カムパルスCP1〜CP3の発生タイミングは何れも、全ての気筒#1〜#4における上述した噴射禁止期間Eを外れている。従って、第1〜第3カムパルスCP1〜CP3の何れの発生タイミングであっても、全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射を実行することが可能である。
【0054】
図5のタイミングチャートは、内燃機関10の始動時における状態を示す。内燃機関10の始動時には、吸気カムシャフト20がクランクシャフト15に対してほぼ最遅角位置に配置されている。従って、内燃機関10が通常の運転状態に移行した後に吸気カムシャフト20の回転位相が進角側に変化すると、カムパルスCP1〜CP3の発生時期及び吸気バルブ23の開放期間が、図5に示す状態よりも左側に移動する。但し、吸気カムシャフト20が最遅角位置と最進角位置との間で移動しても、第1カムパルスCP1の発生時期が上記判別期間Gから外れないように、その判別期間Gの範囲が設定されている。
【0055】
次に、内燃機関10の始動時における燃料噴射制御について、図5のタイミングチャートを参照しつつ、図6〜図8のフローチャートに従って説明する。内燃機関10の始動させるべくクランキングが行われると、ECU40は先ず、クランクカウンタ値CCR、判別期間カウンタ値CNE及びカムパルスカウンタ値ECGを、それぞれ初期値である「−1」に設定する。その後、ECU40は、内燃機関10が通常の運転状態に移行するまで、図6〜図8のフローチャートに示すルーチンを繰り返し実行する。
【0056】
図6に示すように、ECU40は、先ずステップ101において、気筒判別の完了前であるか否かを判定する。この判定は、クランクカウンタ値CCRが「0」より小さいか否か、つまり初期値の「−1」であるか否かに基づいて行われる。クランクカウンタ値CCRが「−1」でない場合、ECU40は、気筒判別が完了していると判断して、内燃機関10の通常制御に移行する。一方、クランクカウンタ値CCRが「−1」である場合、ECU40は、気筒判別が完了していないと判断して、ステップ102に移行する。
【0057】
ステップ102において、ECU40は、クランクパルスが入力されたか否かを判定する。クランクパルスが入力された場合には、ECU40はステップ103に移行して、クランクロータ54上の欠歯部54bの検出前であるか否かを判定する。この判定は、判別期間Gを計測するために用いられる判別期間カウンタ値CNEが「0」より小さいか否か、つまり初期値の「−1」であるか否かに基づいて行われる。
【0058】
ECU40は、期間判別カウンタ値CNEが「−1」である場合には、ステップ104に移行して、欠歯部54bが検出されたか否かを判定する。具体的には、ECU40は、入力されたクランクパルスが10°CA間隔のものである場合には、欠歯部54bが検出されなかったものとして、処理を一旦終了する。一方、ECU40は、入力されたクランクパルスが30°CA間隔のものである場合には、欠歯部54bが検出されたものとして、ステップ105に移行する。
【0059】
例えば図5に示すように、ECU40は、タイミングt1,t5で入力されるクランクパルスを、30°CA間隔のものであると判断する。勿論、このような判断を行うためには、ECU40は、このタイミングt1,t5でのクランクパルスを検出する前に、10°CA間隔のクランクパルスを少なくとも1周期分検出しておく必要がある。従って、内燃機関10の始動時、タイミングt1,t5で最初のクランクパルスが生成された場合には、このタイミングt1,t5でのクランクパルスは30°CA間隔のものであると判断されない。
【0060】
図6に戻り、ステップ105において、ECU40は、判別期間カウンタ値CNEを初期値の「−1」から「0」に設定する。この判別期間カウンタ値CNEは、欠歯部54bの検出後、クランクシャフト15が10°CA回転する毎に、つまりクランクパルスが発生する毎に、「1」ずつインクリメントされる。
【0061】
続くステップ106において、ECU40は、カムパルスカウンタ値ECGが「1」であるか否かを判定する。このカムパルスカウンタ値ECGは、カムパルスがECU40に入力される毎に「1」ずつインクリメントされる。カムパルスカウンタ値ECGが「1」である場合には、ECU40はステップ107に移行して、クランクカウンタ値CCRを「5」に設定し、その後内燃機関10の通常制御を開始する。
【0062】
初期値が「−1」であるカムパルスカウンタ値ECGが「1」であるということは、ステップ104において欠歯部54bが検出された時点で、既にカムパルスがECU40に2回入力されているということである。図5を参照すると、2つのカムパルスはタイミングt2,t4での第1及び第2カムパルスCP1,CP2に相当し、ステップ104での欠歯部54bの検出タイミングはt5に相当する。従って、ステップ106においてカムパルスカウンタ値ECGが「1」であれば、欠歯部54bの検出時点でクランクカウンタ値CCRが「5」であると特定でき、気筒判別処理が完了したことになる。
【0063】
このように、内燃機関10の始動時において、欠歯部54bが検出される以前にカムパルスが2回検出されている場合には、その2つのカムパルスの検出後に欠歯部54bが検出されたときに気筒判別を行うことができる。なお、後述するが、欠歯部54bが検出される以前にカムパルスが検出される場合には、最初のカムパルスが検出されたときに、4つの気筒#1〜#4全てに対して燃料噴射が行われる。
【0064】
一方、ステップ106においてカムパルスカウンタ値ECGが「1」でない場合には、ECU40はステップ108に移行して、カムパルスカウンタ値ECGが「−1」であるか否かを判定する。カムパルスカウンタ値ECGが「−1」でない、つまり「0」である場合には、ECU40はステップ109に移行して、カムパルスカウンタ値ECGを初期値の「−1」に設定した後、処理を一旦終了する。カムパルスカウンタ値ECGが「−1」である場合には、ECU40はステップ110に移行して、第2気筒#2及び第3気筒#3に対して燃料噴射を行い、その後処理を一旦終了する。
【0065】
カムパルスカウンタ値ECGが「−1」であるということは、ステップ104において欠歯部54bが検出された時点で、カムパルスが未だECU40に入力されていないということである。図5を参照すると、欠歯部54bの検出タイミングは、t1或いはt5の何れかに相当するが、カムパルスの入力が未だ無い状態では、クランクカウンタ値CCRを「17」に設定するか「5」に設定するかを決定することはできない。しかし、これらのタイミングt1,t5の何れも、第2気筒#2及び第3気筒#3における噴射禁止期間Eを外れているので、それらの気筒#2,#3への燃料噴射は可能である。そのため、クランクカウンタ値CCRの特定、つまり気筒判別が完了する前であっても、欠歯部54bの検出時に特定の気筒#2,#3に対して燃料噴射を実行するようにしている。
【0066】
なお、気筒判別後に内燃機関10が通常の運転状態に移行した場合には、各気筒12に対する燃料の噴射時期が、例えば吸気バルブ23の開放期間の直前辺りに設定される。従って、欠歯部54bの検出タイミングt1,t5での第2及び第3気筒#2,#3に対する燃料噴射は、通常の運転状態での燃料噴射のタイミングとは異なるが、内燃機関10の始動に際して支障はない。
【0067】
また、カムパルスカウンタ値ECGが「0」であるということは、ステップ104において欠歯部54bが検出された時点で、カムパルスがECU40に1回入力されているということである。前述のように、このカムパルスの入力時には全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射が行われるので、ステップ108で否定判定された場合には燃料噴射が行われない。
【0068】
一方、前記ステップ103において欠歯部54bが既に検出されている場合には、ECU40は、図7のステップ111に移行する。ステップ111において、ECU40は、判別期間カウンタ値CNEを「1」インクリメントする。続くステップ112において、ECU40は、判別期間カウンタ値CNEが「12」に達したか否かを判定し、「12」に達していない場合には処理を一旦終了する。そして、ECU40は、判別期間カウンタ値CNEが「12」に達すると、120°CAの角度間隔に相当する判別期間Gが終了したものとして、ステップ113に移行する。
【0069】
ステップ113において、ECU40は、カムパルスカウンタ値ECGが「0」であるか否かを判定する。カムパルスカウンタ値ECGが「0」である場合には、ECU40は、上記の判別期間G中に第1カムパルスCP1が入力されたものとして、ステップ114に移行して、クランクカウンタ値CCRを「21」に設定し、内燃機関10の通常制御に移行する。一方、カムパルスカウンタ値ECGが「0」でない、つまり「−1」である場合には、ECU40は、上記の判別期間G中に第1カムパルスCP1が入力されなかったものとして、ステップ115に移行して、クランクカウンタ値CCRを「9」に設定し、内燃機関10の通常制御に移行する。
【0070】
このように、判別期間G中に第1カムパルスCP1が入力されたか否かに基づき、クランクカウンタ値CCRを特定して、気筒判別を行うことができる。
一方、前記図6のステップ102においてクランクパルスが入力されない場合には、ECU40は図8のステップ116に移行して、カムパルスが入力されたか否かを判定する。ECU40は、カムパルスが入力されない場合には処理を一旦終了し、カムパルスが入力された場合には、ステップ117に移行する。
【0071】
ステップ117において、ECU40は、カムパルスカウンタ値ECGが「0」より小さいか否か、つまり「−1」であるか否かを判定する。カムパルスカウンタ値ECGが「−1」である場合には、ECU40はステップ118に移行して、欠歯部54bの検出前であるか否か、つまり判別期間カウンタ値CNEが「0」より小さいか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ECU40は、ステップ119に移行して、全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射を行う。その後、ステップ120において、ECU40は、カムパルスカウンタ値ECGを「1」インクリメントして、処理を一旦終了する。一方、ステップ117或いはステップ118において否定判定された場合には、ECU40は、燃料噴射を行うこと無くステップ120に移行する。
【0072】
このように、欠歯部54bの検出前に最初のカムパルスが入力されると、気筒判別が完了していない状態であっても、全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射が行われる。上述したように、第1〜第3カムパルスCP1〜CP3の発生タイミングは何れも、全ての気筒#1〜#4における噴射禁止期間Eを外れている。そのため、カムパルスの発生タイミングで、全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射を同時に実行することができる。
【0073】
なお、欠歯部54bの検出タイミングでの第2及び第3気筒#2,#3に対する燃料噴射と同様、カムパルスの発生タイミングでの全気筒#1〜#4に対する燃料噴射は、内燃機関10の通常運転状態での燃料噴射のタイミングとは異なるが、内燃機関10の始動に際して支障はない。
【0074】
上記の図6〜図8のフローチャートに従って行われる動作の例を、図5のタイミングチャートに基づいて説明する。図5に示すように、内燃機関10の始動に際して、例えば欠歯部54bが検出される前にタイミングt2で最初のカムパルスが入力されると、ステップ119に移行するため、全ての気筒#1〜#4に対して同時に燃料噴射が行われる。その後、タイミングt4で次のカムパルスが入力されたときには、ステップ117で否定判定されるため、燃料噴射は行われない。続いて、タイミングt5で欠歯部54bが検出されると、ステップ106において肯定判定されるため、ステップ107でクランクカウンタ値CCRが「5」に設定され、気筒判別が完了する。従って、以後は内燃機関10の通常制御に移行することができ、クランクカウンタ値CCR等に基づき、内燃機関10の通常運転時のタイミングで燃料噴射及び点火が各気筒12に対して行われる。すなわち、クランクカウンタ値CCRが「6」となるタイミングt6において、圧縮上死点にある第3気筒#3に対して最初の点火が行われ、以後は第4気筒#4、第2気筒#2、第1気筒#1、・・・の順で点火が行われる。図5には、上記の動作例での燃料噴射態様及び点火態様が示されている。
【0075】
また、内燃機関10の始動時において、例えば欠歯部54bが検出される前にタイミングt4で最初のカムパルスが入力されると、ステップ119に移行するため、全ての気筒#1〜#4に対して同時に燃料噴射が行われる。その後、タイミングt5で欠歯部54bが検出されると、ステップ106及びステップ108の何れにおいても否定判定されるため、燃料噴射は行われない。その後の判別期間G中にはカムパルスの入力がないため、タイミングt7で判別期間Gが終了したとき、ステップ113において否定判定されて、ステップ115に移行する。従って、タイミングt7において、クランクカウンタ値CCRが「9」に設定され、気筒判別が完了する。そのため、以後は内燃機関10の通常制御に移行することができ、クランクカウンタ値CCR等に基づき、内燃機関10の通常運転時のタイミングで燃料噴射及び点火が各気筒12に対して行われる。なお、クランクカウンタ値CCRが「12」となるタイミングt8において、圧縮上死点にある第4気筒#4に対して、最初の点火が行われる。
【0076】
或いは、内燃機関10の始動時において、例えばカムパルスが入力される前にタイミングt1で欠歯部54bが検出されると、ステップ106において否定判定され且つステップ108において肯定判定されるため、ステップ110に移行する。そのため欠歯部54bの検出タイミングt1において、第2及び第3気筒#2,#3に対して燃料噴射が行われる。その後の判定期間中にはカムパルスの入力があるため、タイミングt3で判別期間Gが終了したとき、ステップ113において肯定判定されて、ステップ114に移行する。従って、タイミングt3において、クランクカウンタ値CCRが「21」に設定され、気筒判別が完了する。そのため、以後は内燃機関10の通常制御に移行することができ、クランクカウンタ値CCR等に基づき、内燃機関10の通常運転時のタイミングで燃料噴射及び点火が各気筒12に対して行われる。なお、クランクカウンタ値CCRが「6」となるタイミングt6において、圧縮上死点にある第3気筒#3に対して、最初の点火が行われる。
【0077】
なお、気筒判別前に通常運転時とは異なるタイミングで燃料噴射が行われた気筒12については、気筒判別後の最初の点火が終了してから以降、通常運転時のタイミングでの燃料噴射が開始される。気筒判別前に燃料噴射が行われなかった気筒12については、気筒判別後直ちに通常運転時のタイミングでの燃料噴射が開始される。
【0078】
以上のように、本実施形態では、判別期間Gに同期して発生するカムパルスに加えて、判別期間Gから次の欠歯部54bが検出されるまでの間にも別のカムパルスが発生するように、カムロータ60上には合計3つの突起60a〜60cが設けられている。しかも、全ての気筒#1〜#4に対して燃料を噴射可能なタイミングでカムパルスが発生するよう、カムロータ60上における突起60a〜60cの位置が設定されている。
【0079】
そのため、内燃機関10の始動時において、欠歯部54bが検出される前にカムパルスが検出された場合には、そのカムパルスの検出タイミングで全ての気筒#1〜#4に対して同時に燃料噴射を行うことができる。言い換えれば、気筒判別前であっても、カムパルスの検出タイミングで全ての気筒#1〜#4に対して燃料噴射を行うことができる。従って、カムパルスの検出後に、欠歯部54bの検出及びそれに伴う判別期間Gの設定に基づく気筒判別が完了すれば、その気筒判別後に最初に圧縮上死点となる気筒12に対して直ちに点火することができる。そのため、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関10を良好に始動させることができる。
【0080】
しかも、2回の判別期間Gの一方に同期してカムパルスが発生するだけでなく、カムパルスの発生を伴う判別期間Gから次の欠歯部54bが検出されるまでの間、及びカムパルスの発生を伴わない判別期間Gから次の欠歯部54bが検出されるまでの間の何れでもカムパルスが発生する。そのため、例えばカムロータ60上の第2または第3突起60b,60cの何れか一方がない場合と比較して、気筒判別前にカムパルスの発生に基づく燃料噴射が実行される機会が多くなる。従って、3つの突起60a〜60cをカムロータ60上に設けた本実施形態では、クランキングから最初の点火までの時間を、より確実に短くできる。
【0081】
また、欠歯部54bが検出される前に2つのカムパルスが検出された場合には、その後に欠歯部54bが検出されたときに、判別期間Gの終了を待つことなく直ちに気筒判別を行うことができる。これは、判別期間Gの終了後に気筒判別を行う場合と比較して、クランキングから最初の点火までの時間を一層短くして、内燃機関10の更なる良好な始動を可能とする。
【0082】
しかも、上記のような効果を得るために、カムロータ60上に、気筒判別のために用いられる第1突起60aに加えて、別の2つの突起60b,60cを設けるだけで良いので、構造が簡単である。
【0083】
さらに、内燃機関10の始動時において、カムパルスの入力がない状態で欠歯部54bが検出されたとき、つまりクランクシャフト15が特定の回転角度に配置されたとき、別の特定の気筒#2,#3に対して燃料が噴射される。これは、内燃機関10の更なる良好な始動を可能とする。
【0084】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。上述した第1実施形態では、内燃機関10の始動時に、カムパルスの入力がない状態で欠歯部54bが検出された場合には、欠歯部54bの検出時点で第2及び第3気筒#2,#3に対して燃料噴射するようにしている。しかし、本実施形態では、カムパルスの入力がない状態で欠歯部54bが検出された場合には、気筒判別が終了した時点で、その判別結果に基づき第2及び第3気筒#2,#3の一方に対して燃料噴射が行われる。
【0085】
このような処理を実現するためには、図6のフローチャートのステップ110の処理を省略すると共に、図7のフローチャートに代えて図9のフローチャートの処理を実行すればよい。なお、図9において、図7と同一の処理については同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0086】
図9に示すように、ECU40は、ステップ114においてクランクカウンタ値CCRを「21」に設定した後、ステップ121において、全ての気筒#1〜#4に対する燃料の同時噴射が有ったか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ECU40は、そのまま内燃機関10の通常制御に移行する。一方、否定判定された場合には、ECU40は、ステップ122に移行して、第3気筒#3に対して燃料噴射を行い、その後、内燃機関10の通常制御に移行する。
【0087】
ECU40はまた、ステップ115においてクランクカウンタ値CCRを「9」に設定した後、ステップ123において、全ての気筒#1〜#4に対する燃料の同時噴射が有ったか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ECU40は、そのまま内燃機関10の通常制御に移行する。一方、否定判定された場合には、ECU40は、ステップ124に移行して、第2気筒#2に対して燃料噴射を行い、その後、内燃機関10の通常制御に移行する。
【0088】
ステップ122の第3気筒#3に対する燃料噴射は、図5に示す判別期間Gの終了タイミングt3、つまりクランクカウンタ値CCRが「21」に設定されるタイミングt3で行われる。このタイミングt3は、第3気筒#3に対する燃料噴射タイミングとしては、通常運転時の噴射タイミングとは異なるが、噴射禁止期間Eを外れたタイミングである。一方、ステップ124の第2気筒#2に対する燃料噴射は、図5に示す判別期間Gの終了タイミングt7、つまりクランクカウンタ値CCRが「9」に設定されるタイミングt7で行われる。このタイミングt7も、第2気筒#2に対する燃料噴射タイミングとしては、通常運転時の噴射タイミングとは異なるが、噴射禁止期間Eを外れたタイミングである。また、ステップ121,123において、全ての気筒#1〜#4に対する燃料の同時噴射がなかったということは、欠歯部54bの検出前にカムパルスの入力がなかったことを意味する。
【0089】
このように、カムパルスの入力がない状態で欠歯部54bが検出された場合には、気筒判別が終了した時点で、その判別結果に基づき第2及び第3気筒#2,#3の一方に対して燃料噴射を行うようにしても、図6〜図8に示す第1実施形態と同等の効果が得られる。
【0090】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、上記第1実施形態との相違点を中心に説明する。図1に示す内燃機関10はVVT30を備えているが、本実施形態ではこのVVT30が省略される。VVT30が省略された場合には、カムパルスの発生タイミングがクランクパルスに対して変化しない。そのため、例えば図10のタイミングチャートに示すように、判別期間Gが図5に示す判別期間Gよりも狭い60°CAの角度範囲に設定される。つまり、30°CA間隔となるクランクパルスを1番目としてそこから7番目のクランクパルスが発生するまでの期間が、判別期間Gとして設定される。
【0091】
また、本実施形態では、判別期間G中に第1カムパルスCP1が発生する場合には、判別期間Gの終了時期に対応するクランクパルスを1番目としてそこから4番目のクランクパルスが発生するタイミングで、つまり判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が30°CAだけ回転した後に、第1気筒#1のピストン13が圧縮上死点に配置される。なお、第1気筒#1が圧縮上死点となったときのクランクカウンタ値CCRが「0」であるのは、図5の場合と同じである。
【0092】
さらに、本実施形態では、カムロータ60上の突起60a〜60cの配置間隔が図3に示す実施形態と若干異なる。具体的には、第2突起60b及び第3突起60cは互いに180°の角度間隔を以て配置されるが、第1突起60aは、第2突起60bに対しては75°の角度間隔、第3突起60cに対しては105°の角度間隔を以て配置される。従って、図10に示すように、第1カムパルスCP1と第2カムパルスCP2との発生間隔は150°CAに相当し、第2カムパルスCP2と第3カムパルスCP3との発生間隔は360°CAに相当し、第3カムパルスCP3と第1カムパルスCP1との発生間隔は210°CAに相当する。
【0093】
本実施形態においても、内燃機関10の始動時においては、基本的に、図6〜図8に示す第1実施形態とほぼ同様な処理が行われる。但し、図10から判るように、クランクカウンタ値CCRに対するクランクパルス及びカムパルスの発生タイミング、並びに判別期間G等が、図5の実施形態と異なるため、その相違に応じて図6〜図8のフローチャートを変更する必要がある。
【0094】
具体的には、2つのカムパルスが検出された後に欠歯部54bが検出されたとき、つまり図6のステップ106で肯定判定されたとき、ECU40は、ステップ107において、クランクカウンタ値CCRを「5」ではなく「9」に設定する。
【0095】
また、図10から判るように、欠歯部54bの検出タイミングで全ての気筒#1〜#4に対する燃料噴射が可能である。そのため、カムパルスの入力がない状態で欠歯部54bが検出されたとき、つまり図6のステップ108で肯定判定されたとき、ECU40は、ステップ110において、第2及び第3気筒#2,#3だけでなく、全ての気筒#1〜#4に対して燃料を噴射する。
【0096】
さらに、判別期間Gが60°CAの角度範囲に相当するので、図7のステップ112において、ECU40は、判別期間カウンタ値CNEが「12」ではなく「6」に達すると、ステップ113に移行する。そして、ステップ113において肯定判定されると、ECU40は、判別期間G中に第1カムパルスCP1が入力されたものとして、ステップ114に移行して、クランクカウンタ値CCRを「21」ではなく「23」に設定する。一方、ステップ113において否定判定されると、ECU40は、判別期間G中に第1カムパルスCP1が入力されなかったものとして、ステップ115に移行して、クランクカウンタ値CCRを「9」ではなく「11」に設定する。
【0097】
しかも、図10から判るように、第1カムパルスCP1の発生タイミングで第3気筒#3に対する燃料噴射を行うと、噴射終了時期が噴射禁止期間E内になるため、好ましくない。そのため、欠歯部54bの検出前にカムパルスが発生した場合、つまり図8のステップ119において、ECU40は、全ての気筒#1〜#4ではなく、第1及び第4気筒#1,#4に対して燃料噴射を行う。
【0098】
上記したように、本実施形態では、内燃機関10の始動時において、欠歯部54bが検出される前にカムパルスが検出された場合には、そのカムパルスの検出タイミングで特定の気筒、つまり第1及び第4気筒#1,#4に対して燃料噴射が行われる。言い換えれば、気筒判別前であっても、カムパルスの検出タイミングで特定の気筒に対して燃料噴射が行われる。従って、第1実施形態と同様、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関10を良好に始動させることができる。それ以外の作用効果も第1実施形態と同様である。
【0099】
なお、カムパルスの検出タイミングで第1及び第4気筒#1,#4に対して燃料噴射が行われた後には、欠歯部54bの検出タイミングで第2及び第3気筒#2,#3に対して燃料噴射が行われても良い。すなわち、図6のステップ107の後及びステップ109の後に、第2及び第3気筒#2,#3に対して燃料噴射を実行させる処理を追加してもよい。このようにすると、内燃機関10を一層良好に始動させることができる。
【0100】
上記の第1〜第3実施形態は、直列4気筒の内燃機関10への適用例であったが、本発明は直列4気筒タイプだけでなく、それ以外のタイプの内燃機関にも適用可能である。以下に、各種のタイプの内燃機関への適用例を順次説明する。なお、以下の説明において、図1〜図8の第1実施形態と同等の部材には同一の符号が付されている。
【0101】
(第4実施形態)
先ず、図11に示す第4実施形態は、VVT30を備えた或いはVVT30を備えていない直列6気筒の内燃機関10への適用例である。図11に示すように、直列6気筒の内燃機関10は、順に配列された第1〜第6気筒#1〜#6を有する。各気筒12内のピストン13は、第1気筒#1、第5気筒#5、第3気筒#3、第6気筒#6、第2気筒#2及び第4気筒#4の順で、120°CAずつ位相がずれた状態で圧縮上死点に配置される。
【0102】
判別期間Gは、図5の実施形態と同様、120°CAの角度範囲に設定される。また、第1カムパルスCP1の発生を伴う判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が30°CAだけ回転した後に、第1気筒#1のピストン13が圧縮上死点に配置されて、クランクカウンタ値CCRが「0」になる。さらに、カムロータ60上の3つの突起60a〜60cは、120°の等角度間隔で配置される。
【0103】
本実施形態では、内燃機関10の始動時においては、最初の欠歯部54bの検出タイミングで、第2、第4及び第5気筒#2,#4,#5に対して燃料噴射が行われる。また、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、最初のカムパルスの検出タイミングで、第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。そして、最初のカムパルスの検出タイミングからクランクシャフト15が90〜120°CA回転した後のタイミングで、第6気筒#6に対して燃料噴射が行われる。上記した何れの燃料噴射タイミングも、噴射禁止期間Eを外れているのは勿論である。
【0104】
以上のような内燃機関10の始動時における処理の流れは、図6〜図8のフローチャートと類似している。そこで、本実施形態にて実行される始動時における処理を、図11を参照しつつ、図6〜図8のフローチャートとの相違点を中心に説明する。以下に説明されるステップの処理以外の処理は、図6〜図8と同様である。
【0105】
2つのカムパルスが検出された後に最初の欠歯部54bが検出されたとき、つまり図6のステップ106で肯定判定されたとき、ECU40は、ステップ107において、クランクカウンタ値CCRを「5」ではなく「7」に設定する。さらに、このステップ107の処理後、ECU40は、第2、第4及び第5気筒#2,#4,#5に対して燃料噴射を行う。また、ステップ108,110の処理は省かれ、ステップ106で否定判定されるとステップ109に移行する。このステップ109の処理後、ECU40は、第2、第4及び第5気筒#2,#4,#5に対して燃料噴射を行う。
【0106】
図7のステップ114では、ECU40は、クランクカウンタ値CCRを「21」ではなく「23」に設定する。一方、ステップ115では、ECU40は、クランクカウンタ値CCRを「9」ではなく「11」に設定する。
【0107】
図8のステップ118の処理は省かれ、ステップ117で肯定判定されると、つまり検出されたカムパルスが最初のものであると、そのままステップ119に移行する。ステップ119では、ECU40は、全ての気筒ではなく、第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射を行う。なお、ECU40は、ステップ117で肯定判定されてから、つまり最初のカムパルスが検出されてからクランクシャフト15が90〜120°CA回転した後に、第6気筒#6に対して燃料噴射を行う。第6気筒#6に対する噴射タイミングは、最初のカムパルスが検出された時点からクランクパルスの数を計数することにより、容易に判別できる。
【0108】
上記した処理に従えば、図11に示すように、例えばタイミングt11でクランキングが開始された場合には、最初のカムパルスが検出されるタイミングt12で第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。そして、最初のカムパルスの検出タイミングt12からクランクシャフト15が90〜120°CA回転した後のタイミングt13で、第6気筒#6に対して燃料噴射が行われる。2つ目のカムパルスが検出されるタイミングt14では、燃料噴射は行われない。
【0109】
その後、最初の欠歯部54bが検出されるタイミングt15で、第2、第4及び第5気筒#2,#4,#5に対して燃料噴射が行われる。また、欠歯部54bの検出前に2つのカムパルスが検出されているので、タイミングt15ではクランクカウンタ値CCRが「7」に設定されて、気筒判別が完了する。従って、その直後のタイミングt16において圧縮上死点となる第3気筒#3に対して、最初の点火を行うことができ、以後は第6気筒#6、第2気筒#2、第4気筒#4、・・・という順で点火を行うことができる。また、点火が行われた気筒12に対しては、以後、順次通常タイミングでの燃料噴射が開始される。
【0110】
以上のように、本実施形態では、内燃機関10の始動時において、最初のカムパルスが検出された場合には、それ以前に欠歯部54bが検出されたか否かに関係なく、最初のカムパルスの検出タイミングで特定の気筒、つまり第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。言い換えれば、気筒判別前であっても、最初のカムパルスの検出タイミングで特定の気筒に対して燃料噴射が行われる。従って、第1実施形態と同様、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関10を良好に始動させることができる。それ以外の作用効果も第1実施形態と同様である。
【0111】
なお、最初のカムパルスの検出タイミングで、第1、第2及び第3気筒#1,#2,#3に対して燃料噴射を行い、最初の欠歯部54bの検出タイミングで、第4及び第5気筒#4,#5に対して燃料噴射を行うようにしてもよい。このような制御は、内燃機関10の始動時において、欠歯部54bよりもカムパルスが先に検出された場合に行うのが好ましい。このようにしても、上記の場合と同様の作用効果が得られる。
【0112】
(第5実施形態)
図12及び図13に示す第5実施形態は、上記第4実施形態の変更例である。本実施形態では、図12に示すようなカムロータ70が用いられる。このカムロータ70の外周面には、60°の角度範囲を有する3つの凸部70aが、120°の等角度間隔で設けられる。隣接する2つの凸部70aの間は、60°の角度範囲を有する凹部70bを形成する。カムパルス発生器61としては、凸部70a及び凹部70bに応じた信号を出力可能なセンサ、例えば磁気センサや光学式センサ等の半導体式センサが用いられる。
【0113】
カムロータ70が回転したとき、カムパルス発生器61は図13に示すようなカム信号を発生する。このカム信号は、凸部70a及び凹部70bに応じて、そのレベルがハイ/ローで切り替わる。カム信号がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミングは、図11の実施形態におけるカムパルスの発生タイミングと同じである。判別期間G中にカム信号の立ち上がりがあったか否かに基づき、気筒判別を行うことができる。
【0114】
判別期間G中におけるカム信号の立ち上がりが、判別カム信号に相当する。判別期間Gを外れたタイミングでのカム信号の立ち上がりが、補助カム信号に相当する。そして、カム信号の立ち上がりに対応する凸部70aと凹部70bとの間の3つの段差70cが、1つの判別指標及び2つの補助指標に相当する。本実施形態ではさらに、カム信号の全ての立ち下がりが、補助カム信号に相当する。そして、カム信号の立ち下がりに対応する凸部70aと凹部70bとの間の3つの段差70dが、3つの補助指標に相当する。
【0115】
本実施形態では、内燃機関10の始動時においては、最初の欠歯部54bの検出タイミングで、第2及び第5気筒#2,#5に対して燃料噴射が行われる。また、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、カム信号の最初の立ち上がりタイミングで、第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。さらに、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、カム信号の最初の立ち下がりタイミングで、第4及び第6気筒#4,#6に対して燃料噴射が行われる。上記した何れの燃料噴射タイミングも、噴射禁止期間Eを外れているのは勿論である。
【0116】
上記のような内燃機関10の始動時における処理は特にフローチャートには示さないが、その処理に従った動作例を図13に基づいて説明する。例えばタイミングt21でクランキングが開始された場合には、カム信号の最初の立ち上がりが検出されるタイミングt22で第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。次に、カム信号の最初の立ち下がりが検出されるタイミングt23で第4及び第6気筒#4,#6に対して燃料噴射が行われる。カム信号の2回目の立ち上がりタイミングt24では、燃料噴射は行われない。
【0117】
その後、最初の欠歯部54bが検出されるタイミングt25で、第2及び第5気筒#2,#5に対して燃料噴射が行われる。また、欠歯部54bの検出前にカム信号の立ち上がりが2回検出されているので、タイミングt25ではクランクカウンタ値CCRが「7」に設定されて、気筒判別が完了する。従って、その直後のタイミングt26において圧縮上死点となる第3気筒#3に対して、最初の点火を行うことができ、以後は第6気筒#6、第2気筒#2、第4気筒#4、・・・という順で点火を行うことができる。また、点火が行われた気筒12に対しては、以後、順次通常タイミングでの燃料噴射が開始される。
【0118】
以上のように、本実施形態では、内燃機関10の始動時において、カム信号の最初の立ち上がりが検出されたとき、それ以前に欠歯部54bが検出されたか否かに関係なく、特定の気筒、つまり第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。さらに、カム信号の最初の立ち下がりが検出されたときにも、それ以前に欠歯部54bが検出されたか否かに関係なく、特定の気筒、つまり第4及び第6気筒#4,#6に対して燃料噴射が行われる。
【0119】
従って、気筒判別前であっても、カム信号の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングでそれぞれ特定の気筒に対して燃料噴射が行われる。そのため、上記の第4実施形態と同様、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関10を良好に始動させることができる。それ以外の作用効果も第4実施形態と同様である。
【0120】
但し、図11に示す第4実施形態では、第6気筒#6に対する燃料噴射タイミングをカムパルスの発生タイミングに同期させることができなかった。これに対して、本実施形態では、図12に示すようなカムロータ70を用いることによって、カム信号の立ち下がりタイミングに同期して第6気筒#6に対する燃料噴射を行うことが可能となった。そのため、第4実施形態と比較して、第6気筒#6に対する燃料噴射タイミングをカム信号によって一層確実に設定できる。
【0121】
なお、最初の欠歯部54bの検出タイミングでの燃料噴射を行わないようにしてもよい。その代わりに、カム信号の最初の立ち上がりタイミングで、第1、第2及び第3気筒#1,#2,#3に対して燃料噴射を行うとともに、カム信号の最初の立ち下がりタイミングで、第4、第5及び第6気筒#4,#5,#6に対して燃料噴射を行う。このような制御は、内燃機関10の始動時において、欠歯部54bよりもカム信号の立ち上がりまたは立ち下がりが先に検出された場合に行うのが好ましい。このようにしても、上記の場合と同様の作用効果が得られる。
【0122】
(第6実施形態)
図14に示す第6実施形態は、VVT30を備えたV型6気筒の内燃機関10への適用例である。V型6気筒の内燃機関10は左バンク及び右バンクを備える。左バンクは順に配列された第1〜第3気筒#1〜#3を有し、右バンクは順に配列された第4〜第6気筒#4〜#6を有する。図14に示すように、各気筒12内のピストン13は、第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3、第4気筒#4、第5気筒#5及び第6気筒#6の順で、120°CAずつ位相がずれた状態で圧縮上死点に配置される。
【0123】
吸気カムシャフト20及び排気カムシャフト21は、両バンクにそれぞれ対応して設けられる。従って、VVT30及びカム角センサ62が、両吸気カムシャフト20にそれぞれ対応して設けられる。カム角センサ62としては、図11の第4実施形態と同じものが使用される。なお、左バンクに設けられたカム角センサ62で発生するカムパルスを左カムパルスとし、右バンクに設けられたカム角センサ62で発生するカムパルスを右カムパルスとする。左カムパルス及び右カムパルスは、互いに360°CAだけ位相がずれている。
【0124】
判別期間Gは120°CAの角度範囲に設定される。左カムパルス(第1カムパルスCP1)の発生を伴う判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が30°CAだけ回転した後に、第1気筒#1のピストン13が圧縮上死点に配置される。このとき、クランクカウンタ値CCRが「0」になる。また、右カムパルス(第1カムパルスCP1)の発生を伴う判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が30°CAだけ回転した後に、第4気筒#4のピストン13が圧縮上死点に配置される。このとき、クランクカウンタ値CCRが「12」になる。
【0125】
本実施形態では、内燃機関10の始動時においては、最初の欠歯部54bの検出タイミングで、第2及び第5気筒#2,#5に対して燃料噴射が行われる。また、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、最初の左カムパルスの検出タイミングで、第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。さらに、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、最初の右カムパルスの検出タイミングで、第4及び第6気筒#4,#6に対して燃料噴射が行われる。
【0126】
上記のような内燃機関10の始動時における処理は特にフローチャートには示さないが、その処理に従った動作例を図14に基づいて説明する。例えばタイミングt31でクランキングが開始された場合には、最初の左カムパルスが検出されるタイミングt32で第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。次に、最初の右カムパルスが検出されるタイミングt33で第4及び第6気筒#4,#6に対して燃料噴射が行われる。左カムパルスの2回目の検出タイミングt34では、燃料噴射は行われない。
【0127】
その後、最初の欠歯部54bが検出されるタイミングt35で、第2及び第5気筒#2,#5に対して燃料噴射が行われる。この欠歯部54bの検出タイミングt35の直前のカムパルスは左カムパルスである。この場合には、タイミングt35でクランクカウンタ値CCRを「7」に設定できる。一方、クランキング後に、タイミングt37での右カムパルスの検出に続いてタイミングt38で最初の欠歯部54bが検出された場合には、タイミングt38でクランクカウンタ値CCRを「19」に設定できる。つまり、欠歯部54bの直前のカムパルスが左カムパルスであるか右カムパルスであるかに基づき、判別期間Gの終了を待つことなく、欠歯部54bの検出タイミングで気筒判別を完了できる。
【0128】
タイミングt35で気筒判別が完了すると、その直後のタイミングt36において圧縮上死点となる第3気筒#3に対して、最初の点火を行うことができ、以後は第4気筒#4、第5気筒#5、第6気筒#6、・・・という順で点火を行うことができる。また、点火が行われた気筒12に対しては、以後、順次通常タイミングでの燃料噴射が開始される。
【0129】
以上のように、本実施形態では、内燃機関10の始動時において、最初の左カムパルスが検出されたとき、特定の気筒、つまり第1及び第3気筒#1,#3に対して燃料噴射が行われる。さらに、最初の右カムパルスが検出されたときにも、特定の気筒、つまり第4及び第6気筒#4,#6に対して燃料噴射が行われる。言い換えれば、気筒判別前であっても、最初の左カムパルス及び右カムパルスの検出タイミングで特定の気筒に対して燃料噴射が行われる。そのため、上記の第5実施形態と同様、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関10を良好に始動させることができる。それ以外の作用効果も第5実施形態と同様である。
【0130】
なお、最初の欠歯部54bの検出タイミングでの燃料噴射を行わないようにしてもよい。その代わりに、最初の左カムパルスの検出タイミングで、第1、第3及び第5気筒#1,#3,#5に対して燃料噴射を行うとともに、最初の右カムパルスの検出タイミングで、第2、第4及び第6気筒#2,#4,#6に対して燃料噴射を行う。このような制御は、内燃機関10の始動時において、欠歯部54bよりも左カムパルスまたは右カムパルスが先に検出された場合に行うのが好ましい。このようにしても、上記の場合と同様の作用効果が得られる。
【0131】
(第7実施形態)
図15及び図16に示す第7実施形態は、VVT30を備えたV型8気筒の内燃機関10への適用例である。V型8気筒の内燃機関10は左バンク及び右バンクを備える。左バンクは順に配列された第1〜第4気筒#1〜#4を有し、右バンクは順に配列された第5〜第8気筒#5〜#8を有する。図16に示すように、各気筒12内のピストン13は、第1気筒#1、第8気筒#8、第4気筒#4、第3気筒#3、第6気筒#6、第5気筒#5、第7気筒#7及び第2気筒#2の順で、90°CAずつ位相がずれた状態で圧縮上死点に配置される。
【0132】
吸気カムシャフト20及び排気カムシャフト21は、両バンクにそれぞれ対応して設けられる。従って、VVT30及びカム角センサ62が、両吸気カムシャフト20にそれぞれ対応して設けられる。
【0133】
図15(a)に示すように、各カム角センサ62は、補助指標としての第1〜第3突起80a〜80cを有するカムロータ80を備える。第2突起80bは第1突起80aに対して90°の角度間隔を以て配置され、第3突起80cは第1突起80a及び第2突起80bに対して135°の角度間隔を以て配置される。
【0134】
カムパルス発生器61は図3に示すものと同じであり、各突起80a〜80cに対応して補助カム信号としてのカムパルスを発生する。なお、図16に示すように、左バンクに設けられたカム角センサ62で発生するカムパルスを左カムパルスとし、右バンクに設けられたカム角センサ62で発生するカムパルスを右カムパルスとする。左カムパルス及び右カムパルスは、互いに360°CAだけ位相がずれている。これらの左カムパルス及び右カムパルスは、90°CAの角度間隔として設定された判別期間Gを外れたタイミングで発生する。
【0135】
本実施形態ではさらに、図15(b)に示すように、両排気カムシャフト21のうちの一方に、気筒判別用のカムパルスを発生する別のカム角センサ90が設けられる。このカム角センサ90は、排気カムシャフト21に固定されたカムロータ91と、カムロータ91の外周面に対向配置されたカムパルス発生器92とを備える。カムロータ91の外周面には、判別指標としての1つの突起91aが設けられる。カムパルス発生器92は、突起91aに対応して判別カム信号としての判別カムパルスを発生する。この判別カムパルスは、排気カムシャフト21が1回転する間に出現する2回の判別期間Gのうちの一方に同期して発生する。従って、上記第1〜第6実施形態と同様、判別期間G中に判別カムパルスが発生したか否かに基づき気筒判別を行うことができる。
【0136】
判別カムパルスの発生を伴う判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が30°CAだけ回転した後に、第1気筒#1のピストン13が圧縮上死点に配置される。このとき、クランクカウンタ値CCRが「0」になる。また、判別カムパルスの発生を伴わない判別期間Gが終了してからクランクシャフト15が30°CAだけ回転した後に、第6気筒#6のピストン13が圧縮上死点に配置される。このとき、クランクカウンタ値CCRが「12」になる。
【0137】
なお、排気カムシャフト21にはVVTが設けられていないので、クランクパルスに対する判別カムパルスの位相は変化しない。また、この判別カムパルスは気筒判別のために用いられるのみであり、その発生タイミングに同期して燃料噴射は行われない。
【0138】
本実施形態では、内燃機関10の始動時においては、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、最初の左カムパルスの検出タイミングで、第2、第6及び第8気筒#2,#6,#8に対して燃料噴射が行われる。また、欠歯部54bの検出前であるか否かに拘わらず、最初の右カムパルスの検出タイミングで、第1、第3及び第5気筒#1,#3,#5に対して燃料噴射が行われる。さらに、左カムパルス及び右カムパルスの検出前に最初の欠歯部54bが検出されたとき、第4及び第7気筒#4,#7に対して燃料噴射が行われる。但し、左カムパルスの検出に続いて欠歯部54bが検出されたときには、第4気筒#4に対してのみ燃料噴射が行われ、右カムパルスの検出に続いて欠歯部54bが検出されたときには、第7気筒#7に対してのみ燃料噴射が行われる。
【0139】
上記のような内燃機関10の始動時における処理は特にフローチャートには示さないが、その処理に従った動作例を図16に基づいて説明する。例えばタイミングt41でクランキングが開始された場合には、最初の右カムパルスが検出されるタイミングt42で第1、第3及び第5気筒#1,#3,#5に対して燃料噴射が行われる。次に、最初の左カムパルスが検出されるタイミングt43で第2、第6及び第8気筒#2,#6、#8に対して燃料噴射が行われる。右カムパルスの2回目の検出タイミングt44では、燃料噴射は行われない。
【0140】
その後、2回目の右カムパルスに続いて最初の欠歯部54bが検出されるタイミングt45では、第7気筒#7に対してのみ燃料噴射が行われる。すなわち、この欠歯部54bの検出タイミングt45の直前のカムパルスは右カムパルスである。この場合には、タイミングt45でクランクカウンタ値CCRを「8」に設定できる。一方、クランキング後に、タイミングt47での左カムパルスの検出に続いてタイミングt48で最初の欠歯部54bが検出された場合には、タイミングt48でクランクカウンタ値CCRを「20」に設定できる。つまり、欠歯部54bの直前のカムパルスが左カムパルスであるか右カムパルスであるかに基づき、判別期間Gの終了を待つことなく、欠歯部54bの検出タイミングで気筒判別を完了できる。
【0141】
欠歯部54bの検出タイミングで第4及び第7気筒#4,#7に対して燃料噴射は可能であるが、その時点で気筒判別が完了すれば、第4及び第7気筒#4,#7の一方に対する燃料噴射は、気筒判別後に通常タイミングで行うことができる。そのため、カムパルスの検出に続いて最初の欠歯部45bが検出された場合には、第4及び第7気筒#4,#7の一方に対してのみ燃料噴射を行うようにしている。
【0142】
タイミングt45で気筒判別が完了すれば、その直後のタイミングt46において圧縮上死点となる第3気筒#3に対して、最初の点火を行うことができ、以後は第6気筒#6、第5気筒#5、第7気筒#7、・・・という順で点火を行うことができる。点火が行われた気筒12に対しては、以後、順次通常タイミングでの燃料噴射が開始される。また、第4気筒#4に対する燃料噴射は、気筒判別後に通常タイミングで行われる。
【0143】
以上のように、本実施形態では、内燃機関10の始動時において、最初の左カムパルスが検出されたときに、特定の気筒、つまり第2、第6及び第8気筒#2,#6,#8に対して燃料噴射が行われる。さらに、最初の右カムパルスが検出されたときにも、特定の気筒、つまり第1、第3及び第5気筒#1,#3,#5に対して燃料噴射が行われる。言い換えれば、気筒判別前であっても、最初の左カムパルス及び右カムパルスの検出タイミングで特定の気筒に対して燃料噴射が行われる。そのため、上記の第6実施形態と同様、クランキングから最初の点火までの時間を短くして、内燃機関10を良好に始動させることができる。それ以外の作用効果も第6実施形態と同様である。
【0144】
なお、本発明の実施形態は上記の各実施形態に限定されるものではなく、次のような変更例も可能である。
・クランクロータ54上の突起54aの数及びその配置間隔は適宜に変更されてもよい。また、突起54aは等角度間隔に設けられなくとも良い。すなわち、クランクロータ54上に設けられた突起等の指標に対応するクランク信号(クランクパルス)に基づき、クランク角の認識や欠歯部54bの認識が支障なく行えるのであれば、クランク角センサ56としてどのような構成が採用されてもよい。
・欠歯部54bの検出に基づき設定される判別期間Gの範囲は、上記の各実施形態で設定された範囲に限定されない。
・カムロータ60,80,91上の突起の数及びその配置間隔は適宜に変更されてもよい。同様に、カムロータ70上の凸部70aの数及びその配置間隔も適宜に変更されてもよい。すなわち、カムロータ上に設けられた突起等の指標に対応するカム信号(カムパルス)に基づき、特定の気筒に対して燃料噴射を行うことが可能であれば、カム角センサ62としてどのような構成が採用されてもよい。また、カム角センサ62が排気カムシャフト21に設けられても良い。
・カム信号や欠歯部54bの検出に基づく特定の気筒に対する燃料噴射態様は、上記の各実施形態に開示された態様に限定されるものではなく、適宜に変更可能である。
・特定の気筒に対する燃料噴射の開始タイミングは、カム信号(カムパルス)の発生タイミングに完全に同期させなくともよく、例えばカム信号の発生タイミングに対して若干ずらしても良い。
・本発明に適用可能な内燃機関は、上記の各実施形態に開示されたタイプのものに限定されない。また、何れの内燃機関においても、VVT30は設けられても設けられなくても良い。さらには、VVT30が吸気カムシャフト20に加えて、或いは吸気カムシャフト20に代えて、排気カムシャフト21に設けられてもよい。この場合、必要に応じて、カム角センサ62が排気カムシャフト21に設けられる。
【0145】
以下に、上記の各実施形態から把握できる技術的思想を記載する。
・請求項1〜7の何れかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記クランク角センサは、クランクシャフトと一体回転するクランクロータであって、同ロータの回転方向に沿って1つの特定部位を除いて等角度間隔で設けられた複数の指標を有するクランクロータと、クランクロータと対向するよう配置され、そのクランクロータが回転したとき、同ロータ上の指標にそれぞれ対応して前記クランク信号を発生するクランク信号発生手段とを含むことを特徴とする。
・請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、最初のカム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御することを特徴とする。
・請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、カム信号の発生タイミングに同期して特定の気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御することを特徴とする。
・請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段はさらに、内燃機関の始動に際して、クランクシャフトが特定の回転角度に最初に配置されたとき、別の特定の気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御することを特徴とする。
・請求項8または9に記載の内燃機関の燃料噴射制御方法において、各気筒にそれぞれ対応して設けられた吸気バルブが開放されたときに、噴射燃料と空気との混合気が対応する気筒内に導入されるようになっており、前記カム信号は、気筒内に導入された噴射燃料を点火によって確実に燃焼させるべく、吸気バルブの開放期間中の特定の期間を除くタイミングで発生されることを特徴とする。
【0146】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、カム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料噴射を行うことにより、内燃機関を良好に始動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態における内燃機関の燃料噴射制御装置の要部を示す断面図。
【図2】 クランク角センサを概略的に示す正面図。
【図3】 カム角センサを概略的に示す正面図。
【図4】 図1の燃料噴射制御装置の電気的構成を示すブロック図。
【図5】 内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【図6】 内燃機関の始動時における動作を説明するためのフローチャート。
【図7】 内燃機関の始動時における動作を説明するためのフローチャート。
【図8】 内燃機関の始動時における動作を説明するためのフローチャート。
【図9】 第2実施形態において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのフローチャート。
【図10】 第3実施形態において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【図11】 第4実施形態において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【図12】 第5実施形態におけるカム角センサを概略的に示す正面図。
【図13】 第5実施形態において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【図14】 第6実施形態において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【図15】 (a)は第7実施形態におけるカム角センサを概略的に示す正面図、(b)は別のカム角センサを概略的に示す正面図。
【図16】 第7実施形態において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【図17】 (a)は従来技術におけるクランク角センサを概略的に示す正面図、(b)は従来技術におけるカム角センサを概略的に示す正面図。
【図18】 従来技術において、内燃機関の始動時における動作を説明するためのタイミングチャート。
【符号の説明】
10…内燃機関、12…気筒、13…ピストン、15…クランクシャフト、20…吸気カムシャフト、21…排気カムシャフト、23…吸気バルブ、40…設定手段、気筒判別手段及び制御手段を構成するECU、53…燃料噴射手段としてのインジェクタ、54…クランクロータ、54a…指標としての突起、54b…欠歯部、55…クランクパルス発生器、56…クランク角センサ、60…カムロータ、60a…判別指標としての第1突起、60b…補助指標としての第2突起、60c…補助指標としての第3突起、61…カムパルス発生器、62…カム角センサ、70…カムロータ、70a…凸部、70b…凹部、80…カムロータ、80a〜80c…補助指標としての突起、90…カム角センサ、91…カムロータ、91a…判別指標としての突起、92…カムパルス発生器。
Claims (9)
- 複数の気筒内にそれぞれ収容されたピストンと、ピストンの往復運動に伴い回転するクランクシャフトと、クランクシャフトが2回転する毎に1回転するカムシャフトとを備え、クランクシャフトが2回転する間に、各ピストンが1つの機関サイクルを実行するように2回往復動する内燃機関において、
クランクシャフトの回転に伴いクランクシャフトの回転角度を示すクランク信号を発生するクランク角センサと、
前記クランク信号に基づき、クランクシャフトに対して特定の判別角度範囲を設定する設定手段と、
カムシャフトが1回転する毎に、カムシャフトの所定の回転角度にそれぞれ対応して、気筒判別用の判別カム信号及び補助カム信号を含む複数のカム信号を発生するカム角センサであって、クランクシャフトが2回転する間に出現する2回の判別角度範囲のうちの一方に同期して判別カム信号を発生するとともに、判別角度範囲に同期しないタイミングで補助カム信号を発生するカム角センサと、
クランクシャフトが前記判別角度範囲にあるときに判別カム信号が発生したか否かに基づき気筒を判別する気筒判別手段と、
各気筒に対してそれぞれ燃料を噴射するための燃料噴射手段と、
内燃機関の始動に際して、前記カム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 吸気バルブが各気筒にそれぞれ対応して設けられ、吸気バルブが開放されたときに、噴射燃料と空気との混合気が対応する気筒内に導入されるようになっており、前記カム角センサは、前記特定の気筒に対応する吸気バルブの開放期間の後半を除くタイミングでカム信号を発生するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記カム角センサは、
カムシャフトと一体回転するカムロータであって、同ロータの回転方向に沿って所定間隔をおいて設けられた気筒判別用の判別指標及び補助指標を有するカムロータと、
カムロータと対向するよう配置され、そのカムロータが回転したとき、判別指標及び補助指標にそれぞれ対応して前記判別カム信号及び補助カム信号を発生するカム信号発生器と
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記カムロータは2つの補助指標を有し、前記カム信号発生器は、カムロータが1回転する間に、両補助指標にそれぞれ対応する2つの補助カム信号を発生し、一方の補助カム信号は、判別カム信号の発生を伴う判別角度範囲が過ぎてから次に判別角度範囲が出現するまでの間に発生され、他方の補助カム信号は、判別カム信号の発生を伴わない判別角度範囲が過ぎてから次に判別角度範囲が出現するまでの間に発生されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記クランク信号は、クランクシャフトが特定の回転角度にあることを示す情報を含み、前記設定手段は、クランク信号に基づきクランクシャフトが特定の回転角度にあることを認識するとともに、その時点からクランクシャフトが所定角度だけ回転するまでの角度範囲を前記判別角度範囲として設定することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記気筒判別手段は、内燃機関の始動に際して、前記判別角度範囲が設定される前にカム信号の発生を2回確認した場合には、その後クランクシャフトが特定の回転角度に配置された時点で気筒を判別することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記内燃機関は直列4気筒の内燃機関であり、前記制御手段は、最初のカム信号の発生タイミングに同期して全ての気筒に対して燃料が噴射されるよう、前記燃料噴射手段を制御することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 複数の気筒内にそれぞれ収容されたピストンと、ピストンの往復運動に伴い回転するクランクシャフトと、クランクシャフトが2回転する毎に1回転するカムシャフトとを備え、クランクシャフトが2回転する間に、各ピストンが1つの機関サイクルを実行するように2回往復動する内燃機関において、
クランクシャフトに対して特定の判別角度範囲を設定する工程と、
カムシャフトが1回転する毎に、カムシャフトの所定の回転角度にそれぞれ対応して、気筒判別用の判別カム信号及び補助カム信号を含む複数のカム信号を発生する工程であって、クランクシャフトが2回転する間に出現する2回の判別角度範囲のうちの一方に同期して判別カム信号を発生するとともに、判別角度範囲に同期しないタイミングで補助カム信号を発生する工程と、
クランクシャフトが前記判別角度範囲にあるときに判別カム信号が発生したか否かに基づき気筒を判別する工程と、
内燃機関の始動に際して、カム信号の発生タイミングに基づき特定の気筒に対して燃料を噴射する工程と
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御方法。 - 前記補助カム信号はカムシャフトが1回転する間に2回発生され、一方の補助カム信号は、判別カム信号の発生を伴う判別角度範囲が過ぎてから次に判別角度範囲が出現するまでの間に発生され、他方の補助カム信号は、判別カム信号の発生を伴わない判別角度範囲が過ぎてから次に判別角度範囲が出現するまでの間に発生されることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料噴射制御方法。
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