以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電子機器1の外観について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器1を正面から見たときの外観斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る電子機器1を背面から見たときの外観斜視図である。電子機器1は、例えば、スマートフォンである。電子機器1は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1Cとを備える。フロントフェイス1Aは、電子機器1の正面であり、バックフェイス1Bは、電子機器1の背面である。サイドフェイス1Cは、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを全周に亘って接続する側面である。
電子機器1は、フロントフェイス1Aに、ディスプレイ2と、操作キー3A,3B,3Cと、カメラ4Aと、レシーバ5と、ランプ6と、近接センサ7とを備える。電子機器1は、バックフェイス1Bに、カメラ4Bと、ライト8と、スピーカ9とを備える。電子機器1は、サイドフェイス1Cに、音量キー3Dと、電源キー3Eと、防犯ブザーキー3Fと、マイク10と、コネクタ12とを備える。
次に、電子機器1の機能について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の概略構成を示す機能ブロック図である。電子機器1は、ディスプレイ2と、キー3と、カメラ4A,4Bと、レシーバ5と、ランプ6と、近接センサ7と、ライト8と、スピーカ9と、マイク10と、バイブ11と、コネクタ12と、バッテリ13と、第1無線ユニット14と、第2無線ユニット15と、第3無線ユニット16と、記憶部としてのストレージ20と、制御部としてのコントローラ21とを備える。
ディスプレイ2は、表示パネル2Aを含み、表示機能を有する。表示パネル2Aは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等で構成される。表示パネル2Aは、例えば、文字、画像、記号又は図形等を表示する。
また、ディスプレイ2は、入力機能を有するタッチセンサ2Bを含む。タッチセンサ2Bは、透明なシート状に形成され、表示パネル2A上に配置される。ユーザは、タッチセンサ2Bを透かして表示パネル2Aを視認する。タッチセンサ2Bは、例えば、ユーザの指及びスタライスペン等がディスプレイ2に接触した位置を、ユーザのディスプレイ2に対する入力として検出する。
キー3は、ハードキーとしての入力機能を有する。キー3は、ユーザによって操作される。コントローラ21は、キー3と協働して、キー3に対するユーザ操作を入力として検出する。キーに対するユーザ操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、プッシュ、ロングプッシュ及びマルチプッシュである。キー3は、操作キー3A〜3Cと、音量キー3Dと、電源キー3Eと、防犯ブザーキー3Fとを含む。
操作キー3A〜3Cは、電子機器1が電源オン状態であるときに、ディスプレイ2に所望の画面を表示させるためのキーである。ハードキーとしての操作キー3A〜3Cには、例えば、押しボタン式のキーが採用される。なお、操作キー3A〜3Cはソフトキーであってもよく、この場合、操作キー3A〜3Cには、例えば、タッチセンサ式のキーが採用される。操作キー3A〜3Cがソフトキーである場合、タッチセンサ2Bの入力機能が、操作キー3A〜3Cに対するユーザ操作を検出してもよい。この場合、操作キー3A〜3Cは、ディスプレイ2(タッチセンサ2B)内に配置されていてもよい。
操作キー3Aは、例えば、バックキーである。ユーザは、ディスプレイ2に表示されている現在の画面を1つ前の画面に戻したいとき、操作キー3Aを押す。操作キー3Bは、例えば、ホームキーである。ユーザは、ディスプレイ2にホーム画面を表示させたいとき、操作キー3Bを押す。操作キー3Cは、例えば、メニューキーである。ユーザは、ディスプレイ2にメニュー画面を表示させたいとき、操作キー3Cを押す。
音量キー3Dは、レシーバ5及びスピーカ9から出力される音声の音量を調整するためのキーである。音量キー3Dは、例えば、アップキー及びダウンキーの2つのキーから構成される。ハードキーとしてのアップキー及びダウンキーには、例えば、押しボタン式のキーが採用される。ユーザは、レシーバ5又はスピーカ9から出力される音声の音量を上げたいとき、「+」の印が付されたアップキーを押す。また、ユーザは、レシーバ5又はスピーカ9から出力される音声の音量を下げたいとき、「−」の印が付されたダウンキーを押す。
電源キー3Eは、電子機器1を起動させるためのキーである。ハードキーとしての電源キー3Eには、例えば、押しボタン式のキーが採用される。ユーザは、電源がオフ状態である電子機器1を起動させたいとき、電源キー3Eを押す。また、ユーザは、電源キー3Eを長く(例えば、1秒以上)押して、通常モードである電子機器1を、疑似電源オフモードに移行させることもできる。さらに、ユーザは、電子機器1の疑似電源オフモードを解除したいときは、電源キー3Eを長く(例えば、1秒以上)押す。通常モード及び疑似電源オフモードについては後述する。
なお、電子機器1が疑似電源オフモードであるときも、電源キー3Eによって、電子機器1の電源をオフ状態にできるように、電子機器1を予め設定しておいてもよい。つまり、電子機器1が疑似電源オフモードであるときも、電子機器1の電源をオフ状態にするためのキーとして、電源キー3Eの入力機能を有効にさせておいてもよい。例えば、ユーザが、電源キー3Eを、疑似電源オフモードを設定するときよりも長く(例えば、3秒以上)押すと、電子機器1が電源オフモードに移行するように設定してもよい。
防犯ブザーキー3Fは、電子機器1に防犯ブザー機能を実行させるためのキーである。ハードキーとしての防犯ブザーキー3Fには、例えば、押しボタン式のキーが採用される。ユーザは、例えば、不審者と遭遇したとき、防犯ブザーキー3Fを押す。
なお、防犯ブザーキー3Fの入力機能は、電子機器1が通常モードであるときだけではなく、電子機器1が疑似電源オフモードであるときも、有効にされている。これは、電子機器1において、通常モードであるときだけではなく、疑似電源オフモードであるときも、防犯ブザー機能を実行可能にするためである。防犯ブザー機能については後述する。
カメラ4A,4Bは、撮影機能を有する。カメラ4Aは、いわゆるインカメラであり、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影する。カメラ4Bは、いわゆるアウトカメラであり、バックフェイス1Bに面している物体を撮影する。
レシーバ5は、コントローラ21から送信される音声信号を、音声に変換して出力する。レシーバ5からは、通話中、通話している相手の声が出力される。
ランプ6は、報知機能を有する。ランプ6は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を含む。例えば、ランプ6は、バッテリ13が充電されているときに点灯して、バッテリ13が充電中であることを、ユーザに対して報知する。また、例えば、ランプ6は、メールの受信があると点灯して、メールの受信があったことをユーザに対して報知する。また、例えば、ランプ6は、着信があったときに点灯して、着信があったことを、ユーザに対して報知する。
近接センサ7は、検出機能を有する。近接センサ7は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。例えば、ユーザは、電子機器1を用いて通話するとき、ディスプレイ2を顔に近付ける。このとき、近接センサ7は、ユーザの顔を、近隣の物体として検出する。コントローラ21は、近接センサ7がユーザの顔を近隣の物体として検出すると、ディスプレイ2の表示機能をオフ状態にする。
ライト8は、発光機能を有する。ライト8は、例えば、LEDを含む。例えば、ライト8は、カメラ4Bが物体を撮影するときに発光する。また、例えば、ライト8は、簡易的な照明として発光することもできる。
スピーカ9は、報知機能を有する。例えば、スピーカ9は、着信があるときに所定の着信音を出力して、着信があることを、ユーザに対して報知する。また、例えば、スピーカ9は、予め設定された時刻になると所定のアラーム音を出力して、所定時刻であることを、ユーザに対して報知する。
マイク10は、通話中のユーザの声及び付近の音を、音声信号に変換してコントローラ21に送信する。
バイブ11は、報知機能を有する。バイブ11は、圧電素子等の振動子を含む。例えば、バイブ11は、メールを受信したときに振動して、メールを受信したことを、ユーザに対して報知する。また、例えば、バイブ11は、着信中に振動して、着信中であることを、ユーザに対して報知する。
コネクタ12は、他の装置が接続される端子である。コネクタ12は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。コネクタ12に、充電器のUSBケーブルが接続されると、バッテリ13が充電される。バッテリ13は、電子機器1内の構成要素に電力を供給する。
第1無線ユニット14は、通信機能を有する。第1無線ユニット14は、基地局を介して、他の電子機器及びインターネットに接続されたサーバ等と通信する。第1無線ユニット14は、例えば、LTE(Long Term EVolution)等の通信規格に基づき通信する。
第2無線ユニット15は、受信機能を有する。第2無線ユニット15は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信する。第2無線ユニット15がGPS衛星からの電波を受信することで、コントローラ21は電子機器1の位置情報を取得する。
第3無線ユニット16は、通信機能を有する。第3無線ユニット16は、例えば近距離無線通信により、他の装置と通信する。第3無線ユニット16は、例えば、Bluetooth(登録商標)に準拠した通信を行う。また、第3無線ユニット16によって、WiFi(Wireless Fidelity)スポットに接続することも可能である。
ストレージ20は、記憶部としてプログラム及びデータを記憶する。また、ストレージ20は、コントローラ21の処理結果を一時的に記憶する記憶部としても利用される。ストレージ20は、半導体記憶デバイス及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスで構成してもよい。また、ストレージ20は、複数の種類の記憶デバイスで構成してもよい。また、ストレージ20は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせで構成してもよい
ストレージ20に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2に所定の画像を表示させ、タッチセンサ2Bを介して検出されるユーザ操作に対応する処理を、コントローラ21に実行させる。制御プログラムは、OS(Operating System)である。アプリケーション及び制御プログラムは、第1無線ユニット14等による無線通信又は記憶媒体を介して、ストレージ20にインストールされていてもよい。
コントローラ21は、制御部として電子機器1全体を制御及び管理するものである。コントローラ21は、各機能の処理を実行させるソフトウェアを読み込んだ汎用のCPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサによって構成される。又は、コントローラ21は、例えば、各機能の処理に特化した専用のプロセッサによって構成されていてもよい。コントローラ21が実行するプログラムは、ストレージ20に格納される。
本実施形態では、コントローラ21は、防犯ブザーキー3Fに対するユーザ操作を検出すると、防犯ブザー機能を実行する。例えば、コントローラ21は、スピーカ9にブザー音を出力させたり、カメラ5Bに不審者を撮影させたりする。このとき、スピーカ9から出力されるブザー音は、ユーザが音量キー3Dを操作して設定できる最大値を超える音量であってもよい。さらに、コントローラ21は、提携している警備会社又は予め登録された緊急連絡先等にメール機能等を利用して緊急通知してもよい。このとき、コントローラ21は、緊急通知と共に、第2無線ユニット15によって取得したユーザの位置情報を、警備会社又は予め登録された緊急連絡先等に通知してもよい。例えば、警備会社は、緊急通知を受けると、電子機器1の位置情報からユーザの位置を割り出し、割り出した位置の近くをパトロールしている警備員を現場に急行させたり、警察等に連絡したりする。
なお、防犯ブザー機能は、電子機器1が通常モードであるときだけではなく、電子機器1が疑似電源オフモードであるときも、実行可能である。コントローラ21は、電子機器1が疑似電源オフモードであるときに、防犯ブザー機能を実行するときは、電子機器1を疑似電源オフモードから通常モードに移行させる。
なお、本実施形態では、コントローラ21は、防犯に係る機能として防犯ブザー機能を実行するものとするが、これに限定されない。また、本実施形態では、防犯に係る機能すなわち防犯ブザー機能は、防犯ブザーキー3Fに対する操作をトリガーとして実行されるものとするが、これに限定されない。例えば、ユーザが、電子機器1に備えられたストラップを所定以上の力で引っ張ったときを契機として、防犯ブザー機能を実行してもよい。
コントローラ21は、電子機器1のモードに従い、各機能を実行する。電子機器1のモードには、例えば、通常モードと、スリープモードと、電源オフモードと、疑似電源オフモードとが含まれる。以下、これらのモードについて説明する。
<通常モード>
通常モードとは、電子機器1の電源がオン状態であり、電子機器1の機能がほぼ全て実行可能にされているモードである。電子機器1の機能には、例えば、主要機能と、付加機能とが含まれる。主要機能は、例えば、着信機能、発信機能、メールの受信機能、メールの送信機能、防犯ブザー機能及び留守番電話機能等である。付加機能は、例えば、ディスプレイ2の表示機能、スピーカ9の報知機能、バイブ11の報知機能、ランプ6の報知機能、タッチセンサ2Bの入力機能、ライト8の発光機能、操作キー3A〜3Cの入力機能、音量キー3Dの入力機能、電源キー3Eの入力機能、第1無線ユニット14の通信機能、第2無線ユニット15の受信機能、第3無線ユニット16の通信機能及びバッテリ13の充電機能等である。
例えば、コントローラ21は、通常モードでは、他の端末からの着信を第1無線ユニット14によって検出すると、主要機能として着信機能を実行する。加えて、コントローラ21は、付加機能として、ランプ6、スピーカ9及びバイブ11に、報知機能を実行させる。
<スリープモード>
スリープモードとは、電子機器1の電源がオン状態であり、電子機器1の消費電力を低減させるために、電子機器1の付加機能の一部が制限されているモードである。スリープモードにおいて、制限される付加機能の一部は、例えば、ディスプレイ2の表示機能である。
例えば、コントローラ21は、電子機器1が通常モードであるときに、操作キー3A等に対するユーザ操作を所定時間検出しないとき、電子機器1を通常モードからスリープモードに移行させる。コントローラ21は、スリープモード中、バックグランドでアプリケーションを実行してもよい。また、コントローラ21は、他の端末からの着信を第1無線ユニット14によって検出したときに、着信機能を実行してもよい。このとき、コントローラ21は、付加機能として、ランプ6、スピーカ9及びバイブ11に、報知機能を実行させる。
<電源オフモード>
電源オフモードとは、電子機器1の電源はオフ状態で、電子機器1の主要機能が制限されているモードである。なお、電源オフモードでは、電子機器1の付加機能のうち、電子機器1を起動させるための電源キー3Eの入力機能及びバッテリ13の充電機能のみが実行可能にされている。
例えば、コントローラ21は、電子機器1が電源オフモードであるときに、電源キー3Eに対するユーザ操作を検出すると、電子機器1を起動させる。また、例えば、コントローラ21は、電源オフモード中、コネクタ12に充電器のUSBケーブルが接続されたことを検出すると、バッテリ13を充電させる。
なお、例えば子供であるユーザが電子機器1を飛行機に持ち込むとき等、電子機器1の電源をオフ状態にすることが求められることがある。このとき、例えば、保護者が、電子機器1に予め設定されている保護者向けのメニューを操作して、電子機器1を電源オフモードにする。
<疑似電源オフモード>
疑似電源オフモードとは、電子機器1の電源はオン状態で、通常モードの一部の機能が制限されているモードである。言い換えれば、疑似電源オフモードは、電子機器1を電源オン状態にして電子機器1の特定の機能を実行可能に維持しつつ、通常モードの一部の機能を制限して、ユーザに対して電源がオフ状態であるかのように、電子機器1が装うためのモードである。例えば、公共の場において、特定の機能として防犯ブザー機能及び留守番電話機能を実行可能な状態に維持したまま、電源がオフ状態であるかのように装いたいときに、疑似電源オフモードが使用される。本実施形態では、疑似電源オフモードにおいて実行可能に維持される特定の機能は、防犯ブザー機能及び留守番電話機能であるものとする。また、実行可能に維持される特定の機能は、第1無線ユニット14の通信機能又は第2無線ユニット15の受信機能を含んでいてもよい。疑似電源オフモードにおいて、制限される一部の機能は、例えば、ディスプレイ2の表示機能、スピーカ9の報知機能、バイブ11の報知機能、ランプ6の報知機能、タッチセンサ2Bの入力機能、ライト8の発光機能及び一部のハードキー(例えば、操作キー3A〜3C)の入力機能のうちの、少なくとも1つを含む。
例えば、コントローラ21は、電子機器1が通常モードであるときに、電源キー3Eが長く(例えば、1秒以上)押されたことを検出すると、電子機器1を通常モードから疑似電源オフモードに移行させる。コントローラ21は、例えば、ディスプレイ2の表示機能をオフ状態にしたり、操作キー3A〜3C及び音量キー3Dに対するユーザ操作を無効にしたりする。こうすると、ユーザに対して、電子機器1は、電源オフ状態であるかのように装うことができる。加えて、電子機器1が疑似電源オフモードになっていても、防犯ブザー機能及び留守番電話機能は、実行可能な状態に維持される。そのため、電子機器1が疑似電源オフモードになっていても、ユーザの身の安全等を確保することができる。
<システムエラーの解決処理>
ところで、ソフトウェアが組み込まれる機器では、ソフトウェアが正常に動作できない状態になること等に起因して、システムエラーが発生することがある。システムエラーを解決するために採られる通常の方法は、例えば再起動である。再起動とは、例えば、機器の電源をオフ状態にして、現状の設定をリセットし、その後に機器を起動させることである。このときの再起動には、例えば、ハードウェアへの電源供給を一度遮断するハードウェアリブートと、ハードウェハへの電源供給を維持した状態でソフトウェアを一度終了するソフトウェアリブートとが含まれる。
疑似電源オフモードを有する電子機器1にも、ソフトウェアが組み込まれている。従って、疑似電源オフモードを有する電子機器1が、疑似電源オフモードであるときに、システムエラーが発生することがある。この場合に、電子機器1が、通常の方法でシステムエラーを解決すると、電子機器の電源をオフ状態にして現状の設定をリセットするときに、疑似電源オフモードが解除されてしまう。そのため、電子機器は、システムエラーが発生する前に疑似電源オフモードになっていても、再起動後、通常モードに復帰してしまう。
さらに、システムエラーは、偶発的に発生するものである。つまり、ユーザは、システムエラーが発生しても気付かないことが多い。加えて、疑似電源オフモードは、上述のように、公共の場において、ユーザに対して電源がオフ状態であるかのように電子機器1が装うためのモードである。つまり、ユーザは、電子機器1の疑似電源オフモード中、電子機器1に対して注意を払わないことが多い。従って、電子機器1の疑似電源オフモード中に発生したシステムエラーを、通常の方法で解決すると、再起動によって電子機器1が通常モードに復帰していても、ユーザは、その事に気付かないことが多い。言い換えれば、電子機器1の設定が、ユーザの気付かないうちに通常モードに変更されているといった事態が生じ得る。このような場合、例えば、公共の場で、着信音を発する等のユーザの意図しない動作を、電子機器1が行ってしまうといった事態が生じ得る。
上記のような事態を回避すべく、本実施形態では、コントローラ21は、電子機器1が疑似電源オフモードであるときに、電子機器1をシステムエラーに起因して再起動させるとき、電子機器1を疑似電源オフモードに復帰させる。この処理の詳細は、図4を参照して後述する。
さらに、コントローラ21は、電子機器1が通常モード(又はスリープモード)であるときに、電子機器1をシステムエラーに起因して再起動させるとき、電子機器1を通常モードに復帰させる。この処理の詳細は、図4を参照して後述する。
なお、コントローラ21は、電子機器1が疑似電源オフモードであるときに、電子機器1をユーザ操作に起因して再起動させるとき、電子機器1を通常モードに復帰させてもよい。電子機器1をユーザ操作に起因して再起動させるときは、例えば、ユーザが電源キー3Eを長く(例えば、3秒以上)押して電子機器1をオフ状態にした後、さらにユーザが電源キー3Eを長く(例えば、1秒以上)押して、電子機器1を起動させるときである。このユーザ操作は、ユーザが電子機器1の疑似電源オフモードを解除しようとしたときに、システムエラーによって疑似電源オフモードが解除できないとき、行われることが多い。つまり、この状況下では、ユーザはシステムエラーに気が付いている。従って、電子機器1が通常モードに復帰しても、上述のような、着信音を発する等のユーザの意図しない動作を電子機器1が行ってしまうといった事態は生じない。さらに、通常モードに復帰させることで、ユーザは、例えば通常モード時にディスプレイ2に表示される所定の画像から、電子機器1の再起動が完了したことを速やかに把握することができる。加えて、通常モードに復帰することで、ユーザが電子機器1を直ちに使用することが可能になるため、電子機器1は、ユーザの利便性に対して優れたものとなる。
また、コントローラ21は、電子機器1が疑似電源オフモードであるときに、バッテリ13の残量の低下に起因して電子機器1の電源がオフ状態になり、その後、電子機器1を起動させるときは、電子機器1を通常モードに復帰させてもよい。この場合、コントローラ21は、バッテリ13の残量が閾値を下回ると判定したとき、電子機器1の電源をオフ状態してもよい。
上述のような状況で電子機器1を再起動させるときは、例えば、バッテリ13の充電中又はバッテリ13の充電を完了後である。また、バッテリ13の充電は、ユーザがコネクタ12に充電器のUSBケーブルを接続することで行われる。従って、このような状況下で電子機器1を起動させるとき、ユーザは、多くの場合、公共の場にはいない。そのため、電子機器1が通常モードに復帰しても、上述のような、公共の場で、着信音を発する等のユーザの意図しない動作を電子機器1が行ってしまうといった事態は生じない。さらに、通常モードに復帰させることで、ユーザは、例えば通常モード時にディスプレイ2に表示される所定の画像から、電子機器1の再起動が完了したことを速やかに把握することができる。加えて、通常モードに復帰することで、ユーザが電子機器1を直ちに使用することが可能になるため、電子機器1は、ユーザの利便性に対して優れたものとなる。
[システム動作]
図4は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の動作を示すフローチャートである。なお、以下では、ステップS1の処理の前に、電子機器1にシステムエラーが発生しているものとする。
コントローラ21は、システムエラーを検出すると(ステップS1)、電子機器1の現在のモードが疑似電源オフモードであるか否か判定する(ステップS2)。コントローラ21は、電子機器1の現在のモードが疑似電源オフモードであると判定したとき(ステップS2:Yes)、ステップS3の処理に進む。一方、コントローラ21は、電子機器1の現在のモードが疑似電源オフモードではないと判定したとき(ステップS2:No)、すなわち、電子機器1の現在のモードが通常モード(又はスリープモード)であると判定したとき、ステップS5の処理に進む。
ステップS3の処理では、コントローラ21は、電子機器1の電源をオフ状態にして現状の設定をリセットする。その後、コントローラ21は、電子機器1を起動させ、疑似電源オフモードに復帰させる(ステップS4)。
このようにステップS1〜S4の処理によって、本実施形態では、電子機器1が疑似電源オフモードであるときに、電子機器1をシステムエラーに起因して再起動させるとき、電子機器1を疑似電源オフモードに復帰させる。これにより、電子機器1の設定がユーザの気付かないうちに通常モードに変更されているといった事態を防ぐことができる。従って、本実施形態では、改善された電子機器1を提供することができる。
ステップS5の処理では、コントローラ21は、電子機器1の電源をオフ状態にして現状の設定をリセットする。その後、コントローラ21は、電子機器1を起動させ、通常モードに復帰させる(ステップS6)。
このようにステップS1,S2,S5,S6の処理によって、本実施形態では、電子機器1が通常モード(又はスリープモード)であるときに、電子機器1をシステムエラーに起因して再起動させるとき、電子機器1を通常モードに復帰させる。これにより、ユーザが電子機器1を通常モードで使用しているときにシステムエラーが発生しても、ユーザは、再び通常モードで使用し続けることが可能となる。従って、電子機器1は、ユーザの利便性に優れたものとなる。
なお、ステップS2の処理において、コントローラ21は、電子機器1の現在のモードが通常モード(又はスリープモード)であるか否か判定してもよい。この場合、コントローラ21は、電子機器1の現在のモードが通常モード(又はスリープモード)であると判定したとき、ステップS5の処理に進む。一方、コントローラ21は、電子機器1の現在のモードが通常モード(又はスリープモード)ではないと判定したとき、すなわち、電子機器1の現在のモードが疑似電源オフモードであると判定したとき、ステップS3の処理に進む。
以上のように、本実施形態に係る電子機器1では、電子機器1が疑似電源オフモードであるときに、電子機器1をシステムエラーに起因して再起動させるとき、電子機器1を疑似電源オフモードに復帰させる。これにより、電子機器1の設定がユーザの気付かないうちに通常モードに変更されているといった事態を防ぐことができる。従って、本実施形態では、改善された電子機器1を提供することができる。
本発明の一実施形態を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部及びステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明の一実施形態について装置を中心に説明してきた。しかしながら、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。従って、これらも、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
本発明の一実施形態に係る電子機器は、電源がオン状態である通常モードと、疑似電源オフモードとを有する。該疑似電源オフモードは、電源がオン状態であり、前記通常モードの一部の機能が制限されているモードである。前記電子機器は、制御部及びバッテリを備える。前記制御部は、前記電子機器が前記疑似電源オフモードであるときに、前記電子機器をシステムエラーに起因して再起動させるとき、前記電子機器を前記疑似電源オフモードに復帰させる。前記制御部は、前記電子機器が前記疑似電源オフモードであるときに、前記バッテリの残量の低下に起因して前記電子機器の電源がオフ状態になり、その後、前記電子機器を再起動させるときは、前記電子機器を前記通常モードに復帰させる。