JP2018109088A - ビニルアミノアリーレンポリマー、ならびにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性(発光寿命)及び発光効率等の素子特性に優れ、塗布法で形成できる有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子。【解決手段】ガラス転移温度Tgが80℃を超える、式(1)で示される構成単位を有する、ビニルアミノアリーレンポリマー(PVAA)で、塗布法で積層可能な例えば、有機EL等用材料(特に正孔輸送材料)としてのPVAA、前記PVAA材料を用いてなる有機EL素子100。(Aは−(L1−N(Ar1)−L2)n−で表す基)【選択図】図1
Description
本発明は、ビニルアミノアリーレンポリマー、ならびにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、自発光型の発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子(Organic ElectroLuminescence Diode:有機電界発光素子または有機EL素子)を用いた表示装置および照明機器の開発が活発に行われている。特に、より低コスト化させる、且つ大画面化させることは、大きな課題として挙げられている。
そのため、これまでの真空蒸着型の有機EL素子から(溶液)塗布型の有機EL素子への期待が高まっている。塗布型にすると、材料の利用効率が高い、大画面成膜が容易になる。また、真空系が不要であるため、装置コストが安価になることも期待されている。
これまでに、塗布型の有機素子の有機EL材料としては、低分子系と高分子系があるが、塗布均一性、積層素子化の観点から、高分子系が好ましいとされている。特に、ディスプレイ、照明デバイスの共通層となりうる高分子系の正孔輸送層の材料の開発が望まれている。
例えば、特許文献1〜10には、低分子系の正孔輸送材料の一部をビニル基で置換し、重合させることによって、高分子化した有機EL素子用正孔輸送材料が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜10に記載の有機EL素子用正孔輸送材料を用いて、溶液塗布法にて製造された有機EL素子は、耐久性(発光寿命)および発光効率等の素子特性が十分でなく、特に、ディスプレイや照明用途で実用的な高輝度、高温駆動を行うと、極めて寿命が短くなるという問題があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、耐久性(発光寿命)および発光効率等の素子特性に優れ、塗布法によって積層可能な有機デバイス(例えば、有機エレクトロルミネッセンス等)用材料としてのビニルアミノアリーレンポリマーを提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、かようなビニルアミノアリーレンポリマーを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料(特に正孔輸送材料)、および当該材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
また本発明の別の目的は、かようなビニルアミノアリーレンポリマーを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料(特に正孔輸送材料)を用いてなる有機層の上に、塗布法によって他の有機層が積層可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。
本発明の別の目的は、かような有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定のガラス転移温度Tgを有する特定の構成単位を有するビニルアミノアリーレンポリマーが上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記諸目的は、ガラス転移温度Tgが80℃を超え、かつ下記一般式(1)で示される構成単位を有する、ビニルアミノアリーレンポリマーによって達成できる:
上記一般式(1)中、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
FおよびF’は、それぞれ独立して、単結合、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、置換もしくは無置換のアザフルオレン基、置換もしくは無置換のカルバゾール基、あるいは置換もしくは無置換のアザカルバゾール基を表し、この際、FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表し、
Xは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基、フルオレン基およびシリル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換される、もしくは無置換の、2価の芳香族基または複素環基を表し、
Aは、下記一般式(2)で示される基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
FおよびF’は、それぞれ独立して、単結合、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、置換もしくは無置換のアザフルオレン基、置換もしくは無置換のカルバゾール基、あるいは置換もしくは無置換のアザカルバゾール基を表し、この際、FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表し、
Xは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基、フルオレン基およびシリル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換される、もしくは無置換の、2価の芳香族基または複素環基を表し、
Aは、下記一般式(2)で示される基であり、
上記一般式(2)中、
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基またはアルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基、を表し、
Ar1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数6以上30以下のアリールアミノ基を表し、
ただし、L1、L2およびAr1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1とL2、L1とAr1およびL2とAr1は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよく、
nは、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1−N(Ar1)−L2)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、
*は、他の置換基との結合部位を表す、
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基であり、
mは、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基またはアルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基、を表し、
Ar1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数6以上30以下のアリールアミノ基を表し、
ただし、L1、L2およびAr1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1とL2、L1とAr1およびL2とAr1は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよく、
nは、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1−N(Ar1)−L2)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、
*は、他の置換基との結合部位を表す、
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基であり、
mは、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、上記諸目的は、一対の電極と、前記電極間に配置され、上記ビニルアミノアリーレンポリマーを含む少なくとも1層の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記有機層のうち少なくとも1層は、塗布法により形成される、方法によっても達成できる。
また、上記諸目的は、上記ビニルアミノアリーレンポリマーを含む、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびインク組成物によっても達成できる。
また、上記諸目的は、一対の電極と、前記電極間に配置され、上記ビニルアミノアリーレンポリマーを含む少なくとも1層以上の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子によっても達成できる。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、有機エレクトロルミネッセンス素子等に(正孔注入輸送材料として)有用である。このため、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機エレクトロルミネッセンス素子は、耐久性(発光寿命)および発光効率等の素子特性に優れる。また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機層(例えば、正孔注入輸送層)は、塗布法によって形成でき、さらにその上(例えば、正孔注入輸送層の上)に、他の有機層も塗布法によって形成することができ、これによって、有機エレクトロルミネッセンス素子等の製造効率を向上することができ、大量生産もできる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20℃以上25℃以下)/相対湿度40%RH以上50%RH以下の条件で行う。
本発明の一態様によると、ガラス転移温度Tgが80℃を超え、かつ下記一般式(1)で示される構成単位を有する、ビニルアミノアリーレンポリマーを提供する:
上記一般式(1)中、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
FおよびF’は、それぞれ独立して、単結合、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、置換もしくは無置換のアザフルオレン基、置換もしくは無置換のカルバゾール基、あるいは置換もしくは無置換のアザカルバゾール基を表し、この際、FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表し、
Xは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基、フルオレン基およびシリル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換される、もしくは無置換の、2価の芳香族基または複素環基を表し、
Aは、下記一般式(2)で示される基であり、
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
FおよびF’は、それぞれ独立して、単結合、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、置換もしくは無置換のアザフルオレン基、置換もしくは無置換のカルバゾール基、あるいは置換もしくは無置換のアザカルバゾール基を表し、この際、FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表し、
Xは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基、フルオレン基およびシリル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換される、もしくは無置換の、2価の芳香族基または複素環基を表し、
Aは、下記一般式(2)で示される基であり、
上記一般式(2)中、
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基またはアルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基、を表し、 Ar1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数6以上30以下のアリールアミノ基を表し、
ただし、L1、L2およびAr1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1とL2、L1とAr1およびL2とAr1は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよく、
nは、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1−N(Ar1)−L2)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、
*は、他の置換基との結合部位を表す、
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基であり、
mは、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基またはアルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基、を表し、 Ar1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数6以上30以下のアリールアミノ基を表し、
ただし、L1、L2およびAr1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1とL2、L1とAr1およびL2とAr1は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよく、
nは、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1−N(Ar1)−L2)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、
*は、他の置換基との結合部位を表す、
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基であり、
mは、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
本明細書において、上記一般式(1)で表わされる構成単位を、単に「構成単位(1)」または「本発明に係る構成単位(1)」とも称する。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、ガラス転移温度Tgが80℃を超え、かつ下記一般式(1)で示される構成単位を有することを特徴とする。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、有機EL素子の電極間に配置された有機層に含まれ、溶液塗布法により成膜可能な有機EL素子用材料である。
一般的に、有機EL素子における有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法および溶液塗布法が知られている。このうち、溶液塗布法は、材料の利用効率が高く、容易に大面積を成膜することができ、かつ高価な真空装置が不必要であるため、より効率的な有機EL素子の製造方法として期待されている。
溶液塗布法に用いられる有機EL素子用材料に対しては、溶媒に対する溶解性が高く、塗布後の膜安定性が高いことが求められる。したがって、このような特性を備えつつ、かつ有機EL素子の発光特性を向上させることが可能な有機EL素子用材料が求められていた。特に、有機EL素子の発光寿命を向上させることが可能な有機EL素子用材料が求められていた。
本発明者らは、カチオンラジカル状態におけるビニルポリマーの炭素同士の結合解離エネルギーを計算することにより、溶液塗布法に好適な有機EL素子用材料を鋭意検討した。その結果、本発明者らは、重合部位にフェニル基を有するビニルポリマーよりも、重合部位にフルオレニル基を有するビニルポリマーのほうが、炭素同士の結合解離エネルギーが3倍程度高いことを見出した。そこで、本発明者らは、ポリマーの重合部位にフルオレニル基を直接導入することにより、有機EL素子の発光寿命を向上させることが可能な有機EL素子用材料となり得るという着想を得、本発明を完成させるに至った。
さらに、本発明者らの研究により、ビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機層の上に、さらに塗布法によって、他の有機層を形成するために、当該ビニルアミノアリーレンポリマーのガラス転移温度Tgが重要であることを見出した。さらに、本発明者らは、ガラス転移温度Tgについて、鋭意検討した結果、Tgが80℃を超えるビニルアミノアリーレンポリマーを用いることによって、当該ビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機層が溶液塗布法によって形成できることだけではなく、その上に積層する有機層も塗布法によって形成できる知見を得た。従って、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いることによって、優れた耐久性(発光効率)および電流効率を維持しながら、有機EL素子の製造効率を向上させることができ、大量生産の観点から好ましい。
[ビニルアミノアリーレンポリマー]
以下、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの構造について、詳細に説明する。
以下、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの構造について、詳細に説明する。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、構成単位(1)を有する。ここで、構成単位(1)は、下記一般式(1)で示される。なお、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、構成単位(1)1種を含むものであっても、または2種以上の構成単位(1)を含むものであってもよい。
上記一般式(1)において、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基である。
ここで、炭素数1以上10以下のアルキル基は、特に制限されないが、炭素数1以上10以下の直鎖または分岐状のアルキル基でありうる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−tert−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基などが挙げられる。これらのうち、R1〜R3は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1以上5以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素数1以上3以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
また、環形成炭素数6以上30以下のアリール基として、非縮合であっても縮合環であってもよく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アセナフテニル基、インデニル基、インデノフルオレニル基等が挙げられる。
なお、本明細書において、「置換もしくは無置換」または「置換または無置換」とは、置換可能である場合において、各基に存在する水素原子をさらなる置換基で置換していてもよく、置換していなくてもよいことを意味する。また、係る置換基としては、特に限定されず、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基等が挙げられる。なお、置換基のアルキル基は、アルキル基で置換されることはない。
また、本明細書において、「アルキル基」、「アルケニル基」、または「アルキニル基」について、特筆しない限り、直鎖であってもよく、分岐型であってもよい。
また、本明細書において、「環形成炭素数」とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
上記一般式(1)において、FおよびF’は、それぞれ独立して、単結合、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表し、ただし、FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表す。
本明細書において、「単結合」とは、該当する基が存在せず、その隣接する置換基と直接連結する態様を意味する。例えば、Fが単結合である場合、Xが直接主鎖と連結する態様を意味する。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーにおいて、上記FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表す。当該形態によって、有機EL素子の発光寿命を向上させることが可能である。
また、本発明の効果をより発揮できる観点から、上記一般式(1)におけるF、F’およびX、ならびに後述する一般式(2)においてL1とL2、L1とAr1およびL2とAr1がそれぞれ結合して更なる環を構築した場合の環、の少なくとも1つが、下記一般式(3)で示される構造であることが好ましい。また、上記一般式(1)において、後述するmが1である場合、FおよびF’は、同時に下記一般式(3)で示される構造であることが好ましい。後述するmが2以上の整数である場合、すなわち2以上のF’が存在する場合、少なくとも1つのF’は、Fと同時に下記一般式(3)で表される置換基であることが好ましい。また、より好ましくは、FおよびF’すべてが下記一般式(3)で示される構造である。
上記一般式(3)において、R5〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基、または隣接したこれらの置換基が互いに結合して形成された環状置換基である。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルキル基として、特に限定されず、例えば上記一般式(1)におけるR1、R2またはR3で表す炭素数1以上10以下のアルキル基の例が好適に挙げられる。これらのうち、炭素数1以上8以下のアルキル基が好ましい。
炭素数3以上16以下のシクロアルキル基として、特に限定されず、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、4−フルオロシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基が挙げられる。好ましくはシクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
環形成炭素数6以上30以下のアリール基として、特に限定されず、例えば上記一般式(1)におけるR1、R2またはR3で表す環形成炭素数6以上30以下のアリール基の例が挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基として、特に限定されず、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが好ましく挙げられる。
環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基として、特に限定されず、例えばシクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが好ましく挙げられる。
環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基として、特に限定されず、例えばフェノキシ基などが好ましく挙げられる。
炭素数7以上40以下のアラルキル基として、特に限定されず、−Y1−Z1と表され、Y1の例として上記のアルキル基の例を2価としたアルキレン基の例が挙げられ、Z1の例として上記のアリール基の例が挙げられる。アラルキル基のアリール部分は、環形成炭素数が6〜30が好ましい。アルキル部分は炭素数1〜10が好ましく、特に好ましくは1〜6である。例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、2−フェニルプロパン−2−イル基が挙げられる。
環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基として、特に限定されず、例えば1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基などが好ましく挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基として、特に限定されず、例えばアルキル部分の炭素数が1〜20のものが好ましい。また、窒素原子に結合するアルキル基の例として、上述したアルキル基の例が挙げられる。
環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基として、特に限定されず、例えばアリール部分の環形成炭素数が6〜30が好ましい。窒素原子に結合するアリール基の例としては上述のアリール基の例が挙げられる。
上記一般式(3)において、Y1〜Y8は、それぞれ独立して、炭素原子(=CH−)または窒素原子を表す。なお、本明細書において、Y1〜Y8が全て炭素原子である場合、一般式(3)で表される置換基は「フルオレン基」とも称し、いずれか1つ以上のY1〜Y8が窒素原子である場合、一般式(3)で表される置換基は「アザフルオレン基」とも称する。
ここで、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーにより高いガラス転移温度Tgをもたらす観点から、上記一般式(3)において、少なくとも1つのR5およびR6は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換の炭素数1以上3以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基であることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1以上3以下のアルキル基であることがより好ましく、無置換の炭素数1のアルキル基(すなわち、メチル基)であることが特に好ましい。
また、より具体的な好適態様として、上記一般式(1)におけるFおよびF’の少なくとも1つが、R5およびR6が置換もしくは無置換の炭素数1以上3以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基(より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1以上3以下のアルキル基、特に好ましくはメチル基)である一般式(3)で示される構造式(以下、単に「好ましい形態」とも称する)を満足することが好ましい。このため、例えば、mが2である場合には、FおよびF’の一方または双方が上記好ましい形態を満足することが好ましい。より好ましくは、FおよびF’の一方が上記好ましい形態を満足し、かつF’の他方がR5およびR6が置換もしくは無置換の炭素数1以上8以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基(より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数4以上8以下のアルキル基、さらに好ましくはオクチル基)である一般式(3)で表わされる置換基を満足する。 かつ、一般式(1)が有する一般式(3)のR5およびR6の総和をxとし、そのうちR5およびR6のメチル基の数をyとしたとき、その比が1/6〜6/5であることが好ましく、さらに好ましくは1/2〜2/3であることがさらに好ましい。
特に好ましくは、Fと、F’のうち、Fに近い位置にある(すなわち、主鎖側に位置する)F’の、R5およびR6が上記好ましい形態を満足し、かつF’の他方(すなわち、Fに遠い位置にあるF’)がR5およびR6が置換もしくは無置換の炭素数1以上8以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基(より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数4以上8以下のアルキル基、さらに好ましくはオクチル基)である一般式(3)で示される構造式を満足する。なお、ここで「Fに近い位置にある(すなわち、主鎖側に位置する)F’」とは、mが2以上である場合、−X−A−を介してFと連結する(なお、Xが単結合である場合、−A−を介してFと連結する)F’を指す。一方、mが1である場合、F’は、上述したFの好適態様と同様であることが好ましい。
なお、一般式(3)で示される構造式と、主鎖、X、A、またはR4などの他の置換基との結合部位は、任意であり、いずれかの置換位置にて結合していてもよい。例えば、FまたはF’が置換または無置換の2価のフルオレン基である場合には、下記のいずれかを表す。なお、下記において、R5およびR6は、上記一般式(3)中のR5およびR6と同様の定義である。また、*は、他の置換基との結合部位を表す。
これらのうち、2価のフルオレン基は、下記構造であることが好ましい。
より具体的には、一般式(3)で示される構造式は、以下の置換基群から選択されるいずれかの置換もしくは無置換の置換基であってもよい。これらの置換基群の中では、mが1である場合のFおよびF’、ならびにmが2以上である場合のFおよびFに近い位置にあるF’は、3−1、3−6、3−17、3−28、および3−32であることが好ましく、3−1、3−6、3−17、3−28であることがより好ましい。
また、本発明の効果をより発揮できる観点から、上記一般式(1)におけるF、F’およびX、ならびに後述する一般式(2)においてL1とL2、L1とAr1およびL2とAr1がそれぞれ結合して更なる環を構築した場合の環、の少なくとも1つが、上記一般式(3)で示される構造の他に、下記一般式(4)で示される構造をさらに有することが好ましい。
上記一般式(4)中、R7は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基、または隣接したこれらの置換基が互いに結合して形成された環状置換基から選択される。ここで、R7が代表される上記各種の置換基は、上述した一般式(3)で説明した各置換基と同義であり、説明を省略する。
また、上記一般式(4)において、Y9〜Y16は、それぞれ独立して、炭素原子(=CH−)または窒素原子を表し、*は、他の置換基との結合部位を表す。
上記一般式(1)において、Xは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基、フルオレン基およびシリル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換される、もしくは無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。
ここで、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、およびアルコキシ基の具体例として、特に限定されず、上述したR5〜R8のいずれかで表す「ハロゲン原子」、「炭素数1以上20以下のアルキル基」、「環形成炭素数6以上30以下アリール基」、および「炭素数1以上20以下のアルコキシ基」が好適に採用できる。
また、2価の芳香族基としては、炭素原子および水素原子から構成される環由来の基であれば、特に制限されない。具体的には、ベンゼン環(フェニレン基)、ビフェニル環(ビフェニレン基)、ナフタレン環(ナフタレニル基)、アントラセン環(アントラセニル基)およびフルオレン環(フルオレニル基)から導かれるものである。これらのうち、芳香族基は、ベンゼン環由来の基(フェニレン基)またはフルオレン環由来の基(フルオレニル基)であることが好ましい。
また、2価の複素環基は、炭素原子および水素原子、並びに窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1以上のヘテロ原子から構成される環由来の基であれば、特に制限されない。具体的には、チオフェン環、ジチエノチオフェン環、シクロペンタジチオフェン環、フェニルチオフェン環、ジフェニルチオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、ピロール環、フラン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、クマリン環(例えば、3,4−ジヒドロクマリン)、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ローダニン環、ピラゾロン環、イミダゾロン環、ピラン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、フルオレン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾ(c)チオフェン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インドール環、フタラジン環、シナノリン環、キナゾリン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルボリン環(カルボリンの任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったもの)、1,10−フェナントロリン環、キノン環、ローダニン環、ジローダニン環、チオヒダントイン環、ピラゾロン環、ピラゾリン環から導かれるものである。これらの複素環を複数組み合わせて用いてもよく、例えば、フェニルピリジン(例えば、4−フェニルピリジン)、スチリルチオフェン(例えば、2−スチリルチオフェン)、2−(9H−フルオレン−2−イル)チオフェン、2−フェニルベンゾ[b]チオフェン、フェニルビチオフェン環、(1,1−ジフェニル−4−フェニル)−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ジブタジエン、4−(フェニルメチレン)−2,5−シクロヘキサジエン、フェニルジチエノチオフェン環から導かれるものなどがある。これらのうち、カルバゾール環が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基は、特に制限されないが、炭素数1以上24以下の直鎖または分岐状のアルキル基でありうる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1以上8以下の直鎖もしくは分岐状のアルキル基が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアリール基は、特に制限されないが、炭素原子数6以上20以下のアリール基でありうる。具体的には、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基及びピレニル基などが挙げられる。これらのうち、フェニル基が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルコキシ基は、特に制限されないが、炭素数1以上24以下の直鎖または分岐状のアルコキシ基でありうる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1以上8以下の直鎖もしくは分岐状のアルコキシ基が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいカルバゾール基は、下記のいずれかを表す。なお、下記において、Zは、水素原子、アリール基、アルキル基またはアルコキシ基を表す。ここで、アルキル基は、特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基およびアルコキシ基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいフルオレン基は、下記のいずれかを表す。なお、下記において、ZおよびZ’は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。ここで、アルキル基は、特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基およびアルコキシ基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよい複素環基は、特に制限されず、具体的には、2価の芳香族基の価数を変化させる以外は、上記複素環基で記載されたものと同様の複素環基が例示されるため、ここでは説明を省略する。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいシリル基は、式:−Si(Z1)(Z2)(Z3)で示される。ここで、Z1〜Z3は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基を表す。ここで、Z1〜Z3は、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよい。ここで、アルキル基およびアルコキシ基は、それぞれ特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基およびアルコキシ基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
これらのうち、Xは、単結合、2価の芳香族基または複素環基で置換される2価の芳香族基であることが好ましく、単結合または2価の芳香族基であることが好ましい。
上記一般式(1)において、Aは、下記一般式(2)で示される基である。
上記一般式(2)において、L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基またはアルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基を表す。
ここで、炭素数1以上20以下のアルキレン基としては、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアルキル基を2価としたアルキレン基が挙げられる。
環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基としては、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたシクロアルキル基から、環形成炭素に結合した水素原子1個を除いた基が挙げられる。
環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基としては、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアリール基を2価としたアリーレン基が挙げられる。
炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基としては、特に限定されず、例えば上記の炭素数1以上20以下のアルキレン基に連結基として酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。例えば、「*−O−アルキレン基−*」(*は他の置換基との結合部位を表す。)で表すことができる。
環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基としては、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたシクロアルキル基に連結基として酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。
環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基としては、特に限定されず、例えば上記の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基に連結基として酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。
炭素数7以上40以下のアラルキレン基としては、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアラルキル基を2価としたアラルキレン基が挙げられる。
環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基としては、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたヘテロアリール基を2価としたヘテロアリーレン基が挙げられる。
炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基としては、特に限定されず、例えば上記の炭素数1以上20以下のアルキレン基に連結基としてアミノ基が結合した基が挙げられる。例えば、「*−NH−アルキレン基−*」(*は他の置換基との結合部位を表す。)で表すことができる。
環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基としては、特に限定されず、例えば上記の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基に連結基としてアミノ基(−NH−)が結合した基が挙げられる。
アルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基としては、特に限定されず、ケイ素原子に結合するアルキル基およびアリール基の例としては、上述したアルキル基およびアリール基が好適に挙げられる。なお、シリレン基に置換しているアルキル基またはアリール基は、同一であってもよく異なっていてもよい。
これらのうち、三重項エネルギー準位や発光寿命のさらなる向上、溶解性などの観点から、L1およびL2は、単結合、o−、m−、p−フェニレン基、フルオレン基、アザフルオレン基であることが好ましく、単結合、p−フェニレン基であることがより好ましい。なお、L1およびL2の双方が単結合ではないことが好ましい。
上記一般式(2)において、Ar1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数6以上30以下のアリールアミノ基を表す。
ここで、炭素数1以上20以下のアルキル基として、特に限定されず、例えば上記一般式(1)におけるR1、R2またはR3で表す炭素数1以上10以下のアルキル基の例が好適に挙げられる。
環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基として、特に限定されず、例えば上記一般式(1)におけるR1、R2またはR3で表す環形成炭素数6以上30以下のアリール基の例が挙げられる。
環形成炭素数6以上30以下のアリール基として、特に限定されず、例えば上記一般式(1)におけるR1、R2またはR3で表す環形成炭素数6以上30以下のアリール基の例が挙げられる。
炭素数1以上20以下のアルコキシ基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアルコキシ基が好適に採用される。
環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたシクロアルコキシ基が好適に採用される。
環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアリールオキシ基が好適に採用される。
炭素数7以上40以下のアラルキル基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアラルキル基が好適に採用される。
環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアラルキル基が好適に採用される。
炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアルキルアミノ基が好適に採用される。
炭素数6以上30以下のアリールアミノ基として、特に限定されず、例えば上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で挙げたアリールアミノ基が好適に採用される。
なお、上記一般式(2)において、L1、L2およびAr1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1とL2、L1とAr1およびL2とAr1は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよい。
これらのうち、三重項エネルギー準位や発光寿命のさらなる向上、溶解性などの観点から、Ar1は、炭素数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ビフェニレン基、フルオレン基、アザフルオレン基であることが好ましく、パラ位が炭素数1以上3以下のアルキル基で置換されたフェニル基、およびビフェニレン基であることがより好ましい。
上記一般式(2)において、nは、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1−N(Ar1)−L2)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。また、正孔輸送性と溶解性の観点から、nは、1以上5以下の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
また、*は、他の置換基との結合部位を表す。
上記一般式(1)において、R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基である。
ここで、「ハロゲン原子」、「炭素数1以上20以下のアルキル基」、「環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基」、「環形成炭素数6以上30以下のアリール基」、「炭素数1以上20以下のアルコキシ基」、「環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基」、「環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基」、「炭素数7以上40以下のアラルキル基」、「環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基」、「炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基」、および「環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基」は、特に限定されず、上述した上記一般式(3)におけるR5〜R8の説明で列挙したそれぞれの置換基と同義である。ここでは説明を省略する。
これらのうち、正孔注入性の観点から、R4は、水素原子、アルキル基、フェニル基およびフルオレニル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、mは、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。また、正孔輸送性の観点から、mは、1以上10以下の整数であることが好ましく、1以上5以下の整数であることがより好ましく、1以上3以下の整数であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。
ここで、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーが有する構成単位(繰り返し単位)の具体例を以下に示す。ただし、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーが有する構成単位が以下に例示する構造に限定されるわけではない。なお、以下において、qは、例えば、1以上10以下の整数である。
本発明において、ビニルアミノアリーレンポリマーは、上記一般式(1)で示す構成単位を有するホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。
塗布膜安定性を向上させる観点から、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、下記の架橋基群から選択される架橋基を少なくとも1つ有する重合性コモノマー由来の構成単位をさらに有するコポリマーであることが好ましい。
上記架橋基群において、R10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基であり、pは、1以上10の整数である。
ここで、「置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基」は、上記一般式(1)中のR1、R2またはR3における「置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基」の説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
これらの架橋基群のうち、架橋反応性(架橋容易性、成膜容易性)、架橋構造の安定性、電解化学的安定性などを考慮すると、下記構造のベンゾシクロブテン環由来の基(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基)やビニル基(−CH=CH2)が好ましい。また、架橋反応性(架橋容易性)などの観点から、エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基が好ましい。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーが、架橋基を有する重合性コモノマーとのコポリマーである場合、ビニルアミノアリーレンポリマーは、成膜後に熱等によって架橋することで溶媒に不溶な膜を形成することができる。これにより、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、積層された層間での材料同士の溶解および混合を抑制することができるため、積層構造をより容易に形成することができる。
また、架橋基を有する重合性コモノマー由来の構成単位の割合(xモル)は、架橋性基を有しないモノマー由来の構成単位(yモル)に対して(x:y)、1:20以上1:1以下であることが好ましく、1:9以上1:2以下であることがより好ましい。ここで、x:yの比は、1:2.7以上であると、熱処理により上層発光層の塗布溶媒に対する不溶膜が容易に形成でき、1:9以下であると不溶膜を形成し、かつ正孔輸送性と高Tgを両立可能であるため、好ましい。
本発明において、上記の1以上の架橋基が、共重合性コモノマー由来の構成単位に側鎖の任意の部位に、置換基の形態で存在することができる。かような共重合性モノマー由来の構成単位は、特に限定されないが、成膜を容易に行う観点から、下記一般式(5)で表されることが好ましい。
上記一般式(5)において、R1’、R2’、およびR3’は、それぞれ独立して、上記一般式(1)中のR1、R2またはR3と同義である。ここでは説明を省略する。
上記一般式(5)において、F1およびF1’は、下記一般式(6)で表される置換基である。
上記一般式(6)において、R5’およびR6’の少なくとも1つが、上記架橋基群から選択される架橋基であり、かつ残りのR5’またはR6’は、それぞれ独立して、上記一般式(3)中のR5またはR6と同義である。ここでは、説明を省略する。
また、上記一般式(6)中、R7’およびR8’は、それぞれ独立して、上記一般式(3)中のR5またはR6と同義である。ここでは、説明を省略する。
a’およびb’は、それぞれ独立して、1以上4以下の整数である。
Y1’〜Y8’は、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子を表す。
なお、上記一般式(6)で表される置換基のいずれかの置換位置にて他の置換基と結合する。すなわち、一般式(6)で表される置換基と、上記共重合性コモノマー由来の構成単位の主鎖、X’、A’、R4’などの他の置換基との結合部位は、任意であり、いずれかの置換位置にて結合していてもよい。
上記一般式(5)において、X’は、上記一般式(1)中のXと同義である。ここでは、説明を省略する。
また、上記一般式(5)において、A’は、下記一般式(7)で示される基である。
上記一般式(7)において、L1’およびL2’は、それぞれ独立して、上記一般式(1)中のL1およびL2と同義である。ここでは、説明を省略する。また、Ar1’は、上記一般式(1)中のAr1と同義である。ここでは、説明を省略する。なお、L1’、L2’およびAr1’は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1’とL2’、L1’とAr1’およびL2’とAr1’は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよい。
上記一般式(7)において、n’は、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1’−N(Ar1’)−L2’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
*は、他の置換基との結合部位を表す。
上記一般式(5)において、R4’は、上記一般式(1)中のR4と同義である。ここでは、説明を省略する。
また、上記一般式(5)において、m’は、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A’−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下では、架橋基を少なくとも1つ以上有する重合性コモノマー由来の構成単位(繰り返し単位)の具体例を示すが、これらに限定されるわけではない。なお、rおよびsは、1以上10以下の整数である。
上述した構造を有するビニルアミノアリーレンポリマーは、ポリマーの側鎖部分にフルオレン構造が直接結合しているため、ポリマーの炭素同士の結合解離エネルギーが高くなり、通電耐久性および電子耐性が高くなる。そのため、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いた有機EL素子は、発光寿命を向上させることができる。
なお、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの数平均分子量は、例えば、30,000以上100,000以下であってもよく、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの重量平均分子量は、特に限定されず、例えば10,000以上1,000,000以下であってもよい。また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、例えば、1.5以上2.5以下であってもよい。重量平均分子量および数平均分子量は、実施例で示す方法によって求められる
また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーのガラス転移温度Tgは、塗布溶媒の沸点以上であることに特徴を有する。Tgが塗布溶媒の沸点未満である化合物を用いて有機層を形成すると、当該有機層の上に更なる有機層を塗布法で形成する際に下層と混合がおこり、明確な界面の形成が困難となる。また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーのガラス転移温度Tgは、80℃を超えることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。なお、Tg上限としては、特に限定されないが、前述の界面形成の観点から、上部有機層を形成する際の塗布溶媒の沸点以上であることが好ましい。また、本発明者らの研究により、上記範囲(120℃以上)のTgを有するビニルアミノアリーレンポリマーを得るために、例えば上記一般式(3)におけるR5およびR6の構造およびコノモマー比率が重要であることが分かった。すなわち、R5およびR6は、炭素数が少ないアルキル基であることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。さらに、これに加え、後述する本発明のビニルアミノアリーレンポリマーがコポリマーである場合において、それぞれのコモノマーの配合比を調整することによって望ましいTgが得られることも見出した。
また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーのガラス転移温度Tgは、塗布溶媒の沸点以上であることに特徴を有する。Tgが塗布溶媒の沸点未満である化合物を用いて有機層を形成すると、当該有機層の上に更なる有機層を塗布法で形成する際に下層と混合がおこり、明確な界面の形成が困難となる。また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーのガラス転移温度Tgは、80℃を超えることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。なお、Tg上限としては、特に限定されないが、前述の界面形成の観点から、上部有機層を形成する際の塗布溶媒の沸点以上であることが好ましい。また、本発明者らの研究により、上記範囲(120℃以上)のTgを有するビニルアミノアリーレンポリマーを得るために、例えば上記一般式(3)におけるR5およびR6の構造およびコノモマー比率が重要であることが分かった。すなわち、R5およびR6は、炭素数が少ないアルキル基であることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。さらに、これに加え、後述する本発明のビニルアミノアリーレンポリマーがコポリマーである場合において、それぞれのコモノマーの配合比を調整することによって望ましいTgが得られることも見出した。
以上にて説明したように、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーによれば、有機エレクトロルミネッセンス素子は、耐久性(発光寿命)および発光効率等の素子特性に優れる。また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機層(例えば、正孔注入輸送層)は、塗布法によって形成でき、さらにその上(例えば、正孔注入輸送層の上)に、他の有機層も塗布法によって形成することができ、これによって、有機エレクトロルミネッセンス素子等の製造効率を向上することができ、大量生産もできる。
また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、さらに架橋基を有する重合性コモノマーとの共重合体として形成することにより、塗布膜安定性を向上させることができるため、有機EL素子を積層構造にて形成した場合の発光特性および安定性を向上させることができる。
なお、本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーは、公知の有機合成方法を用いることで合成することが可能である。本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーの具体的な合成方法は、後述する実施例を参照した当業者であれば、容易に理解することが可能である。
<有機エレクトロルミネッセンス素子用材料>
本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーは、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適に用いられる。本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーによれば、高い電流効率、さらには高い耐久性(発光寿命)を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提供される。また、本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーは、溶媒への高い溶解性および高い耐熱性を示すため、湿式(塗布)法により容易に成膜(薄膜化)できる。加えて、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機層(例えば、正孔輸送層または正孔注入層、好ましくは正孔輸送層)は、塗布法によって形成でき、さらにその上(例えば、正孔輸送層の上)に、他の有機層も塗布法によって形成することができ、これによって、有機エレクトロルミネッセンス素子等の製造効率を向上することができ、大量生産もできる。
本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーは、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料として好適に用いられる。本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーによれば、高い電流効率、さらには高い耐久性(発光寿命)を有する有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提供される。また、本発明に係るビニルアミノアリーレンポリマーは、溶媒への高い溶解性および高い耐熱性を示すため、湿式(塗布)法により容易に成膜(薄膜化)できる。加えて、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを用いてなる有機層(例えば、正孔輸送層または正孔注入層、好ましくは正孔輸送層)は、塗布法によって形成でき、さらにその上(例えば、正孔輸送層の上)に、他の有機層も塗布法によって形成することができ、これによって、有機エレクトロルミネッセンス素子等の製造効率を向上することができ、大量生産もできる。
本発明は、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの有機エレクトロルミネッセンス素子用材料としての使用が提供される。すなわち、本発明は、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料をも提供する。また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーのインク組成物としての使用も提供される。本発明において、係るインク組成物は、液状組成物とも称する。本発明のインク組成物は、ビニルアミノアリーレンポリマーと、溶媒または分散媒とを含むことが好ましい。また、係る溶媒または分散媒の沸点は、乾燥除去の観点から、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーのガラス転移温度Tgより低いこと好ましい。
また、本発明は、一対の電極と、前記電極間に配置され、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを含む少なくとも1層の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子をも提供する。上記態様の好ましい形態としては、有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記電極間に配置され、三重項励起子からの発光が可能な発光材料を含む発光層をさらに備える。さらに、本発明は、一対の電極と、前記電極間に配置され、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを含む少なくとも1層の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記有機層のうち少なくとも1層を塗布法により形成する、方法をも提供する。また、前記有機層が正孔輸送層であり、前記正孔輸送層の上に塗布法により発光層が形成される有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法も提供する。
より詳細には、一対の電極と、前記電極間に配置され、少なくとも1層の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記有機層のうち少なくとも1層は、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーと、溶媒または分散媒とを含む液状組成物を用いた塗布法により形成される方法であることが好ましい。
<有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)>
以下では、図1を参照して、本実施形態に係る有機EL素子について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の一例を示す模式図である。
以下では、図1を参照して、本実施形態に係る有機EL素子について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180とを備える。
ここで、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、例えば、第1電極120と第2電極180との間に配置されたいずれかの有機層中に含まれる。具体的には、ビニルアミノアリーレンポリマーは、正孔注入層として正孔注入層130または正孔輸送材料として正孔輸送層140または発光層材料(ホスト)として発光層150に含まれることが好ましく、正孔注入層として正孔注入層130にまたは正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることがより好ましく、正孔輸送材料として正孔輸送層140に含まれることが特に好ましい。
また、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを含む有機層は、塗布法(溶液塗布法)によって形成される。具体的には、ビニルアミノアリーレンポリマーを含む有機層は、スピンコート(spin coat)法、キャスティング(casting)法、マイクログラビアコート(micro gravure coat)法、グラビアコート(gravure coat)法、バーコート(bar coat)法、ロールコート(roll coat)法、ワイアーバーコード(wire bar coat)法、ディップコート(dip coat)法、スプレーコート(spry coat)法、スクリーン(screen)印刷法、フレキソ(flexographic)印刷法、オフセット(offset)印刷法、インクジェット(ink jet)印刷法等の溶液塗布法を用いて成膜される。なお、溶液塗布法に使用する溶媒は、ビニルアミノアリーレンポリマーを溶解することができるものであれば、どのような溶媒でも使用することができ、使用するビニルアミノアリーレンポリマーの種類によって適宜選択できる。例えば、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アニソール、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラリン、メチルベンゾエート等が例示できる。ここで、溶媒の使用量は、特に制限されないが、塗布容易性などを考慮すると、ビニルアミノアリーレンポリマーの濃度が、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下程度となるような量である。
基板110は、一般的な有機EL素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、シリコン(silicon)基板などの半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
基板110上には、第1電極120が形成される。第1電極120は、具体的には、陽極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が大きいものによって形成される。例えば、第1電極120は、透明性および導電性に優れる酸化インジウムスズ(In2O3−SnO2:ITO)、酸化インジウム亜鉛(In2O3−ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等によって透過型電極として形成されてもよい。また、第1電極120は、上記透明導電膜に対して、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを積層することによって反射型電極として形成されてもよい。
第1電極120上には、正孔注入層130が形成される。正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする層であり、具体的には、約10nm以上約1000nm以下、より具体的には、約10nm以上約100nm以下の厚さにて形成されてもよい。
正孔注入層130は、公知の正孔注入材料にて形成することができる。正孔注入層130を形成する公知の正孔注入材料としては、例えば、トリフェニルアミン含有ポリエーテルケトン(poly(ether ketone)−containg triphenylamine:TPAPEK)、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(4−isopropyl−4’−methyldiphenyliodonium tetrakis(pentafluorophenyl)borate:PPBI)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N’−diphenyl−N,N’−bis−[4−(phenyl−mtolyl−amino)−phenyl]−biphenyl−4,4’−diamine:DNTPD)、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine:m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−di(1−naphthyl)−N,N’−diphenylbenzidine:NPB)、4,4’,4”−トリス(ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(diphenylamino)triphenylamine:TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N,N−2−naphthylphenylamino)triphenylamine:2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(polyaniline/dodecylbenzenesulphonic acid)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/poly(4−styrenesulfonate))、およびポリアニリン/10−カンファースルホン酸(polyaniline/10−camphorsulfonic acid)等を挙げることができる。
正孔注入層130上には、正孔輸送層140が形成される。正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を備えた層であり、例えば、約10nm以上約150nm以下の厚さにて形成されてもよい。正孔輸送層140は、本発明の溶液塗布法にて成膜を用いて溶液塗布法によって成膜されることが好ましい。この方法によれば、有機EL素子100の電流効率(さらには発光寿命)を向上させることが可能な溶液塗布法にて成膜を効率的に大面積にて成膜することができる。
ただし、有機EL素子100のいずれかの他の有機層が本発明の溶液塗布法にて成膜を含む場合、正孔輸送層140は、公知の正孔輸送材料にて形成されてもよいことはいうまでもない。公知の正孔輸送材料としては、例えば、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(1,1−bis[(di−4−tolylamino)phenyl]cyclohexane:TAPC)、N−フェニルカルバゾール(N−phenylcarbazole)およびポリビニルカルバゾール(polyvinylcarbazole)などのカルバゾール(carbazole)誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(N,N’−bis(3−methylphenyl)−N,N’−diphenyl−[1,1−biphenyl]−4,4’−diamine:TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、ならびにN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(N,N’−di(1−naphthyl)−N,N’−diphenylbenzidine:NPB)等を挙げることができる。
正孔輸送層140上には、発光層150が形成される。発光層150は、蛍光、りん光等によって光を発する層である。
また、上述したように、本発明は、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを含む有機層の上において、他の有機層も上記のような溶液塗布法を用いて成膜できる点に特徴を有する。例えば、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーを含む正孔輸送層140上を形成した後に、前記正孔輸送層140上に塗布法によって、発光層150を形成することができる。発光層150は、例えば、約10nm以上約60nm以下の厚さにて形成されてもよい。
発光層150の発光材料としては、公知の発光材料を用いることができる。例えば、発光層150に含まれる発光材料は、三重項励起子からの発光(すなわち、りん光発光)が可能な発光材料であることが好ましい。このような場合、有機EL素子100の発光寿命をさらに向上させることができる。
発光層150は、ホスト材料として、例えば、9,9’−ジフェニル−3,3’−ビ[9H−カルバゾール]、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8−quinolinato)aluminium:Alq3)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(4,4’−bis(carbazol−9−yl)biphenyl:CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(poly(n−vinyl carbazole):PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(9,10−di(naphthalene)anthracene:ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine:TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5−tris(N−phenyl−benzimidazol−2−yl)benzene:TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(3−tert−butyl−9,10−di(naphth−2−yl)anthracene:TBADN)、ジスチリルアリーレン(distyrylarylene:DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(4,4’−bis(9−carbazole)2,2’−dimethyl−bipheny:dmCBP)などを含んでもよい。
また、発光層150は、ドーパント材料として、例えば、ペリレン(perylene)およびその誘導体、ルブレン(rubrene)およびその誘導体、クマリン(coumarin)およびその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(4−dicyanomethylene−2−(pdimethylaminostyryl)−6−methyl−4H−pyran:DCM)およびその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(bis[2−(4,6−difluorophenyl)pyridinate]picolinate iridium(III):FIrpic)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(bis(1−phenylisoquinoline)(acetylacetonate)iridium(III):Ir(piq)2(acac))、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(tris(2−phenylpyridine)iridium(III):Ir(ppy)3)、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)などイリジウム(Ir)錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体などを含んでもよい。
また、発光層150を形成するための溶媒は、発光材料を溶解することができるものであれば、どのような溶媒でも使用することができ、使用する発光材料の種類によって適宜選択できる。例えば、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アニソール、ヘキサメチルリン酸トリアミド、メチルベンゾエート、テトラリン等が例示できる。ここで、溶媒の使用量は、特に制限されないが、塗布容易性などを考慮すると、ビニルアミノアリーレンポリマーの濃度が、好ましくは0.1質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下程度となるような量である。
発光層150上には、電子輸送層160が形成される。電子輸送層160は、電子を輸送する機能を備えた層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて形成される。電子輸送層160は、例えば、約15nm以上約50nm以下の厚さにて形成されてもよい。
電子輸送層160は、公知の電子輸送材料にて形成されてもよい。公知の電子輸送材料としては、例えば、(8−キノリノラト)リチウム(Liq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(tris(8−quinolinato)aluminium:Alq3)、および含窒素芳香環を有する化合物等を挙げることができる。含窒素芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(1,3,5−tri[(3−pyridyl)−phen−3−yl]benzene)のようなピリジン(pyridine)環を含む化合物、2,4,6−トリス(3’−(ピリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル)−1,3,5−トリアジン(2,4,6−tris(3’−(pyridin−3−yl)biphenyl−3−yl)−1,3,5−triazine)のようなトリアジン(triazine)環を含む化合物、2−(4−(N−フェニルベンゾイニダゾリル−1−イル−フェニル)−9,10−ジナフチルアントラセン(2−(4−(N−phenylbenzoimidazolyl−1−yl−phenyl)−9,10−dinaphthylanthracene)のようなイミダゾール(imidazole)環を含む化合物、等を挙げることができる。
電子輸送層160上には、電子注入層170が形成される。電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法などを用いて形成される。電子注入層170は、約0.3nm以上約9nm以下の厚さにて形成されてもよい。電子注入層170は、電子注入層170を形成する材料として公知の材料ならば、いずれも使用することができる。例えば、電子注入層170は、(8−キノリノラト)リチウム((8−quinolinato)lithium:Liq)およびフッ化リチウム(LiF)等のリチウム(lithium)化合物、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(Li2O)、または酸化バリウム(BaO)等にて形成されてもよい。
電子注入層170上には、第2電極180が形成される。第2電極180は、具体的には、陰極であり、金属、合金、または導電性化合物等のうち仕事関数が小さいものによって形成される。例えば、第2電極180は、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)等の金属、またはアルミニウム−リチウム(Al−Li)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)等の合金で反射型電極として形成されてもよい。また、第2電極180は、上記金属材料の20nm以下の薄膜、酸化インジウムスズ(In2O3−SnO2)および酸化インジウム亜鉛(In2O3−ZnO)などの透明導電性膜によって透過型電極として形成されてもよい。
以上、本実施形態に係る有機EL素子100の一例について説明した。本実施形態に係る有機EL素子100は、溶液塗布法にて成膜を含む有機層を有することにより、電流密度(さらには発光寿命)をより向上させることができる。
なお、本実施形態に係る有機EL素子100の積層構造は、上記例示に限定されない。本実施形態に係る有機EL素子100は、他の公知の積層構造にて形成されてもよい。例えば、有機EL素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160および電子注入層170のうちの1層以上が省略されてもよく、また、追加で他の層を備えていてもよい。また、有機EL素子100の各層は、それぞれ単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
例えば、有機EL素子100は、励起子または正孔が電子輸送層160に拡散することを防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層をさらに備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、または、フェナントロリン(phenanthroline)誘導体等によって形成することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの合成方法について、以下の化合物100及び101を例示して具体的に説明する。なお、以下に述べる合成方法はあくまでも一例であって、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーの合成方法が下記の例に限定されるものではない。
〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分散度(Mw/Mn)の測定〕
また、以下合成された各化合物について、以下で示す方法により重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。具体的には、合成した(共)重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分散度(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準物質として用いて、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー:Gel Permittion Chromatography)により下記条件で測定した。
また、以下合成された各化合物について、以下で示す方法により重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。具体的には、合成した(共)重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分散度(Mw/Mn)は、ポリスチレンを標準物質として用いて、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー:Gel Permittion Chromatography)により下記条件で測定した。
・分析装置:株式会社島津製作所製Prominence
・カラム:ポリマーラボラトリーズ社製PLgel MIXED−B
・カラム温度:40℃
・流量:1.0mL/min
・注入量:20μL
・溶離液:テトラヒドロフラン(濃度:約0.05質量%)
・検出器:UV−VIS検出器(株式会社島津製作所製SPD−10AV)
〔ガラス転移温度Tgの測定〕
また、合成された各化合物のガラス転移温度Tgは、セイコーインスツルメンツ製示差熱分析装置(TG−DTA)によって測定した。
・カラム:ポリマーラボラトリーズ社製PLgel MIXED−B
・カラム温度:40℃
・流量:1.0mL/min
・注入量:20μL
・溶離液:テトラヒドロフラン(濃度:約0.05質量%)
・検出器:UV−VIS検出器(株式会社島津製作所製SPD−10AV)
〔ガラス転移温度Tgの測定〕
また、合成された各化合物のガラス転移温度Tgは、セイコーインスツルメンツ製示差熱分析装置(TG−DTA)によって測定した。
<実施例1>
化合物100の合成
中間体Xの合成
以下の反応スキームに従い、中間体Xを合成した。
化合物100の合成
中間体Xの合成
以下の反応スキームに従い、中間体Xを合成した。
2L三口フラスコに、2,7−ジブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(91.5g、260mmol)を投入、脱水テトラヒドロフラン(1L)に溶解し、アルゴン置換した。−78度に冷却した後、フラスコ内にn−BuLi(2.6Mヘキサン溶液)(100mL,2.60mmol)を滴下した、−78℃にて30分、混合物を撹拌した。次にDMF(331mL,312mmol)を滴下、−78℃で30分、室温にて二時間攪拌した。反応終了後、反応混合液に水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物X−1を得た。
1L三口フラスコに、化合物X−1(50.0g、166mmol)、エチレングリコール(20.6g、332mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.316g,1.66mmol)を投入、脱水トルエン(415mL)に溶解し、混合物を4時間還流撹拌した。反応混合液を室温まで放冷し、トリエチルアミン(0.3ml)を添加した。酢酸エチルを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物X−2を得た。
1L三口フラスコに、化合物X−2(40.0g、116mmol)、N−4−メチルフェニル、N−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミン(39.4g、127mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.813mg、1.16mmol)および炭酸カリウム(39.9g, 289mmol)を投入、1,4−ジオキサン(463mL)および水(231mL)に溶解し、10分アルゴン通気した後、混合物を4時間還流撹拌した。反応混合液を室温まで放冷し、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、中間体Xを得た。
単量体Aの合成
以下の反応スキームに従い、単量体Aを合成した。
以下の反応スキームに従い、単量体Aを合成した。
1L三口フラスコに、化合物2−ブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(19.0g、40.5mmol)、N−4−メチルフェニル、N−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミン(13.8g、44.5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.253mg、0.36mmol)およびリン酸カリウム(21.5g, 101mmol)を投入、1,4−ジオキサン(182mL)および水(91mL)に溶解し、10分アルゴン通気した後、混合物を4時間還流撹拌した。反応混合液を室温まで放冷し、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物A−1を得た。
200mL三口フラスコに、化合物A−1(20.0g、35.0mmol)、2−ブロモ−7−ヨード−9,9−ジメチルフルオレン(22.9g、38.5mmol)、ヨウ化銅(0.333mg、1.75mmol)、シクロヘキサンジアミン(0.799g、6.99mmol)、tert−ブトキシナトリウム (6,72g, 70.0mmol)を投入、1,4−ジオキサン(60mL)に溶解し、アルゴン雰囲気のもと混合物を10時間還流撹拌した。反応混合液を室温まで放冷し、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物A−2を得た。
1L三口フラスコに、化合物A−2(16.6g、15.4mmol)、中間体X(6.89g、15.4mmol)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0.177mg、0.31mmol)、トリtert−ブチルホスフィンテトラフルオロホウ酸塩(0.194g、0.93mmol)、tert−ブトキシナトリウム (3.25g, 33.9mmol)を投入、o−キシレン(513mL)に溶解し、アルゴン雰囲気のもと混合物を2時間還流撹拌した。反応混合液を室温まで放冷し、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物A−3を得た。
300mL三口フラスコに、化合物A−3(18.8g、13.3mmol)、クロロホルム (133mL)を投入、トリフルオロ酢酸(45mL、266mmol)を滴下混合し、混合物を10時間室温にて撹拌した。反応混合液をトルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物A−4を得た。
100ml三口フラスコに、化合物A−4(8.00g、5.79mmol)、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(2.5g、6.3mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラヒドロフラン(50ml)を加え、氷浴にて0℃に冷却し、tert−カリウムブトキシド(0.60g、5.9mmol)を加えて混合物を撹拌した。反応終了後、水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、淡黄色固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解した後、メタノールにより再沈殿することで、単量体Aを得た。
得られた単量体Aは、核磁気共鳴装置(1H−NMR)によって同定した。
単量体Bの合成
以下の反応スキームに従い、単量体Bを合成した。
以下の反応スキームに従い、単量体Bを合成した。
化合物B−1は前述のA−1の合成から、原料を2−ブロモ−9,9−ジ(ビシクロオクタトリル)フルオレンに変更し、同様に合成した。
化合物B−2は前述のA−2の合成から、原料をB−1に変更し、同様に合成した。
化合物B−3は前述のA−3の合成から、原料をB−2に変更し、同様に合成した。
化合物B−4は前述のA−3の合成から、原料をB−3に変更し、同様に合成した。
化合物Bは前述のAの合成から、原料をB−4に変更し、同様に合成した。
得られた単量体Bは、核磁気共鳴装置(1H−NMR)によって同定した。
単量体Cの合成
以下の反応スキームに従い、単量体Cを合成した。
以下の反応スキームに従い、単量体Cを合成した。
まず、50ml三口フラスコに、化合物17(1.66g、2.79mmol)、ジトリルアミン(ditolylamine)(0.50g、2.53mmol)、ヨウ化銅(I)(CuI)(0.02g、0.13mmol)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(cyclohexanediamine)(0.06g、0.51mmol)、tert−ナトリウムブトキシド(sodium tert−butoxide)(0.54g、5.58mmol)投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内に脱水1,4−ジオキサン(5ml)を加え、100℃にて8時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液を濃縮後、濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物C−1を得た。
次に、50ml三口フラスコに、化合物C−1(1.00g、1.50mmol)、p−トルイジン(p−toluidine)(0.21g、1.96mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0):Pd2(dpa)3)(0.07g、0.08mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1,1’−Bis(diphenylphosphino)ferrocene:dppf)(0.13g、0.23mmol)、tert−ナトリウムブトキシド(0.29g、3.01mmol)投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にトルエン(2ml)を加え、100℃にて6時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加えた後、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物C−2を得た。
続いて、100ml三口フラスコに、化合物C−2(10.00g、14.50mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(1−bromo−4−iodobenzene)(4.50g、15.92mmol)、ヨウ化銅(I)(0.15g、0.80mmol)、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン(0.33g、2.89mmol)、tert−ナトリウムブトキシド(2.78g、28.04mmol)投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内に脱水1,4−ジオキサン(14ml)を加え、100℃にて8時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液を濃縮後、濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物C−3を得た。
50ml三口フラスコに、化合物C−3(1.00g、0.60mmol)、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6−カルボキシアルデヒド−9−フェニルカルバゾール(0.33g、0.60mmol)、パラジウム(II)アセテート(0.007g、0.03mmol)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.04g、0.20mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(0.35g、2.40mmol)、脱水トルエン(10ml)を加え、100℃にて4時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラムにて精製し、化合物C−4を得た。
化合物Cは前述のAの合成から、原料をC−4に変更し、同様に合成した。
化合物100の合成
上記で合成した単量体Aおよび単量体Bを用いて、下記構造を示す化合物100を合成した。
上記で合成した単量体Aおよび単量体Bを用いて、下記構造を示す化合物100を合成した。
シュレンク管(Schlenk flask)に、単量体A(1000mg)、単量体B(105.0mg)、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile)(2.0mg)、トルエン(3ml)を入れ、バブリング(bubbling)した後、凍結脱気し、80℃にて8時間加熱撹拌した。反応混合液を室温まで冷却した後、良溶媒をテトロヒドロフラン、貧溶媒をメタノール/アセトンとして、再沈殿を7回行い、析出物を真空乾燥した。
これにより、単量体Aおよび単量体Bの共重合体である化合物100(ただし、単量体A由来の構成単位Axと、単量体B由来の構成単位Byとの割合は、Ax:By=1:9とした)を0.75g得た。化合物100の数平均分子量(Mn)は、63,000であり、重量平均分子量(Mw)は、124,000であり、分散度(Mw/Mn)は、2.0であった。また、化合物100のガラス転移温度Tgは、120℃であった。
有機エレクトロルミネッセンス素子1(有機EL素子1)の作製
まず、あらかじめ第1電極(陽極)として、ストライプ(stripe)状の酸化インジウムスズ(ITO)が膜厚150nmにて成膜されたITO付きガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(:PEDOT/PSS)(Sigma−Aldrich製)を乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、正孔注入層を形成した。
まず、あらかじめ第1電極(陽極)として、ストライプ(stripe)状の酸化インジウムスズ(ITO)が膜厚150nmにて成膜されたITO付きガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(:PEDOT/PSS)(Sigma−Aldrich製)を乾燥膜厚が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、正孔注入層を形成した。
次に、上記で合成した化合物100をトルエン(溶媒)に1質量%濃度で溶解して正孔輸送層形成用塗布液を調製した。上記で形成した正孔注入層上に、この正孔輸送層形成用塗布液を厚さ(乾燥膜厚)が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、230℃で1時間加熱して、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔輸送層を正孔注入層上に形成した。
続いて、正孔輸送層上に、下記構造式で示されるホスト(host)材料、HT、ET、およびドーパント(dopant)材料として、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)を用いトルエン溶液を調整し、スピンコート法で塗布し、120℃で30分加熱して、厚さ(乾燥膜厚)膜厚30nmの発光層を形成した。なお、化合物HTおよび化合物ETの割合は、質量比にてHT:化合物ET=7:3とし、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(tris(2−(3−p−xylyl)phenyl)pyridine iridium)のドープ(dope)量は、発光層の総質量に対して、10質量%とした。
次に、上記で形成した発光層上に、(8−キノリノラト)リチウム(Liq)およびKLET−03(ケミプロ化成株式会社製)を真空蒸着装置にて共蒸着して、膜厚50nmの電子輸送層を発光層上に形成した。
また、上記で形成した電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を真空蒸着装置にて蒸着して、膜厚1nmの電子注入層を電子輸送層上に形成した。
さらに、上記で形成した電子注入層上に、アルミニウムを真空蒸着装置にて蒸着し、膜厚100nmの第2電極(陰極)を電子注入層上に形成した。
以上の製造方法によって有機エレクトロルミネッセンス素子1(有機EL素子1)を作製した。
<実施例2>
化合物101の合成
上記で合成した単量体Aおよび単量体Bを用いて、化合物1と同様の方法で、1.0gの化合物101を合成した。なお、化合物101において、単量体A由来の構成単位Axと、単量体B由来の構成単位Byとの割合は、Ax:By=1:2.67とした。化合物101の数平均分子量(Mn)は、85,000であり、重量平均分子量(Mw)は、179,000であり、分散度(Mw/Mn)は、2.1であった。また、化合物101のガラス転移温度Tgは、165℃であった。
化合物101の合成
上記で合成した単量体Aおよび単量体Bを用いて、化合物1と同様の方法で、1.0gの化合物101を合成した。なお、化合物101において、単量体A由来の構成単位Axと、単量体B由来の構成単位Byとの割合は、Ax:By=1:2.67とした。化合物101の数平均分子量(Mn)は、85,000であり、重量平均分子量(Mw)は、179,000であり、分散度(Mw/Mn)は、2.1であった。また、化合物101のガラス転移温度Tgは、165℃であった。
有機エレクトロルミネッセンス素子2(有機EL素子2)の作製
化合物100の代わりに、化合物101を用いて正孔輸送層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子2(有機EL素子2)を作製した。
化合物100の代わりに、化合物101を用いて正孔輸送層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子2(有機EL素子2)を作製した。
<実施例3>
化合物102の合成
上記で合成した単量体Cおよび単量体Bを用いて、化合物1と同様の方法で、1.0gの化合物102を合成した。なお、化合物101において、単量体C由来の構成単位Cxと、単量体B由来の構成単位Byとの割合は、Cx:By=1:9とした。化合物102の数平均分子量(Mn)は、38,000であり、重量平均分子量(Mw)は、94,000であり、分散度(Mw/Mn)は、2.5であった。また、化合物102のガラス転移温度Tgは、144℃であった。
化合物102の合成
上記で合成した単量体Cおよび単量体Bを用いて、化合物1と同様の方法で、1.0gの化合物102を合成した。なお、化合物101において、単量体C由来の構成単位Cxと、単量体B由来の構成単位Byとの割合は、Cx:By=1:9とした。化合物102の数平均分子量(Mn)は、38,000であり、重量平均分子量(Mw)は、94,000であり、分散度(Mw/Mn)は、2.5であった。また、化合物102のガラス転移温度Tgは、144℃であった。
<比較例1>
化合物200の合成
単量体Dの合成
以下の反応スキームに従い、単量体Dを合成した。
化合物200の合成
単量体Dの合成
以下の反応スキームに従い、単量体Dを合成した。
まず、2L三口フラスコ(flask)に、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(50.00g、91.17mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラヒドロフラン(750ml)を加え、アセトン/ドライアイスバスにより−75℃に冷却し、15分撹拌した。次に、フラスコ内に1.6Mのn−ブチルリチウム(n−BuLi)ヘキサン溶液(36.12ml、95.72mmol)を滴下し、さらに1時間、撹拌した。続いて、反応溶器にトリイソプロピルボレート(20.58ml、109.40mmol)を加え、室温で3時間、撹拌した。反応終了後、反応混合液に水を加え、酢酸エチルを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。有機層の濃縮により得られた固体をクロロホルムおよびヘキサンの混合溶媒を用いた再結晶によって精製し、化合物1を得た。
次に、500ml三口フラスコに、化合物1(15.00g、29.22mmol)、ヨードベンゼン((6.56g、32.14mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.01g、0.88mmol)、炭酸ナトリウム(24.77g、233.75mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にエタノール(15ml)、水(100ml)、トルエン(116ml)を加え、85℃にて3時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライト(Celite:登録商標)を用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加えた後、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、化合物2を得た。
続いて、300ml三口フラスコに、化合物2(15.00g、27.49mmol)、ピナコールジボラン(7.68g、30.24mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロライド−ジクロロメタン錯体(Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2)(0.34g、0.41mmol)、酢酸カリウム(8.09g、82.47mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内に脱水1,4−ジオキサン(110ml)を加え、100℃にて1時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に活性炭(10g)を加え、100℃にて1時間撹拌した後、セライトを用いて活性炭を除去し、ろ液を濃縮した。ろ液の濃縮により得られた固体を室温下にてアセトニトリル(25ml)で洗浄することにより、化合物3を得た。
次に、500ml三口フラスコに、化合物3(3.90g、6.59mmol)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジアミン(6.00g、6.59mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.23g、0.33mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(3.88g、26.35mmol)、脱水トルエン(300ml)を加え、100℃にて3時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加えた後、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、薄緑固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒を用いた再結晶により精製し、化合物4を得た。
続いて、50ml三口フラスコに、化合物4(4.00g、3.08mmol)、9,9−ジオクチル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−フルオレン−2−カルボキシアルデヒド(1.65g、3.02mmol)、パラジウム(II)アセテート(0.035g、0.15mmol)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.22g、0.62mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(1.82g、2.40mmol)、脱水トルエン(10ml)を加え、100℃にて4時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、化合物5を得た。
さらに、50ml三口フラスコに、化合物5(3.80g、2.32mmol)、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(1.31g、3.26mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラヒドロフラン(26ml)を加え、氷浴にて0℃に冷却し、tert−カリウムブトキシド(0.34g、3.01mmol)を加えて混合物を撹拌した。反応終了後、水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、淡黄色固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解した後、メタノールにより再沈殿することで、単量体Dを得た。
得られた単量体Dは、核磁気共鳴装置(1H−NMR)によって同定した。
単量体Eの合成
以下の反応スキームに従い、単量体Eを合成した。
以下の反応スキームに従い、単量体Eを合成した。
まず、300ml三口フラスコに、化合物6(10.00g、19.03mmol)、ピナコールジボラン(5.80g、22.83mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(0.56g、0.68mmol)、酢酸カリウム(5.60g、57.09mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内に脱水1,4−ジオキサン(100ml)を加え、100℃にて1時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に活性炭(10g)を加え、100℃にて1時間撹拌した後、セライトを用いて活性炭を除去し、ろ液を濃縮した。ろ液の濃縮により得られた固体を室温下にてアセトニトリル(25ml)で洗浄することにより、化合物7を得た。
次に、100ml三口フラスコに、化合物7(0.95g、1.66mmol)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジアミン(1.51g、1.66mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.06g、0.09mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(2.44g、16.59mmol)、脱水トルエン(47ml)を加え、100℃にて3時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加えた後、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、薄緑固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒を用いた再結晶により精製し、化合物8を得た。
続いて、50ml三口フラスコに、化合物8(1.00g、0.60mmol)、9,9−ジオクチル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9H−フルオレン−2−カルボキシアルデヒド(0.33g、0.60mmol)、パラジウム(II)アセテート(0.007g、0.03mmol)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(0.04g、0.20mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(0.35g、2.40mmol)、脱水トルエン(10ml)を加え、100℃にて4時間、混合物を撹拌した。反応終了後、反応混合液を室温まで放冷し、セライトを用いて不純物をろ別した。ろ液に水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、化合物9を得た。
さらに、100ml三口フラスコに、化合物9(0.73g、0.45mmol)、メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(0.25g、0.63mmol)を投入し、アルゴン置換した。次に、フラスコ内にテトラヒドロフラン(50ml)を加え、氷浴にて0℃に冷却し、tert−カリウムブトキシド(0.06g、0.59mmol)を加えて混合物を撹拌した。反応終了後、水を加え、トルエンを用いて抽出し、抽出した有機層を濃縮した。濃縮液をカラムクロマトグラフィにて精製し、淡黄色固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解した後、メタノールにより再沈殿することで、単量体Eを得た。
得られた単量体Eは、核磁気共鳴装置(1H−NMR)によって同定した。
化合物200の合成
上記で合成した単量体Dおよび単量体Eを用いて、化合物100の合成と同様の方法で、0.85gの下記構造を示す化合物200を合成した。なお、単量体D由来の構成単位Ddと、単量体C由来の構成単位Ccとの割合は、Dd:Cc=90:10とした。化合物200の数平均分子量(Mn)は、35,800であり、重量平均分子量(Mw)は、74,600であり、分散度(Mw/Mn)は、2.08であった。また、化合物200のガラス転移温度Tgは、80℃であった。
上記で合成した単量体Dおよび単量体Eを用いて、化合物100の合成と同様の方法で、0.85gの下記構造を示す化合物200を合成した。なお、単量体D由来の構成単位Ddと、単量体C由来の構成単位Ccとの割合は、Dd:Cc=90:10とした。化合物200の数平均分子量(Mn)は、35,800であり、重量平均分子量(Mw)は、74,600であり、分散度(Mw/Mn)は、2.08であった。また、化合物200のガラス転移温度Tgは、80℃であった。
[有機エレクトロルミネッセンス素子3(有機EL素子3)の作製]
化合物100の代わりに、化合物200を用いて正孔輸送層を形成したこと、および下記の方法によって発光層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子3(有機EL素子3)を作製した。
化合物100の代わりに、化合物200を用いて正孔輸送層を形成したこと、および下記の方法によって発光層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によって、有機エレクトロルミネッセンス素子3(有機EL素子3)を作製した。
すなわち、上記で形成した正孔輸送層上に、ホスト(host)材料として、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(3,6−bis(triphenylsilyl)carbazole:mCP)、および4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(4,4’−bis(carbazol−9−yl)biphenyl:CBP)、ドーパント(dopant)材料として、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジンイリジウム(III)を真空蒸着装置にて共蒸着し、膜厚30nmの発光層を形成した。なお、mCPおよびCBPの割合は、質量比にてmCP:CBP=7:3とし、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(tris(2−(3−p−xylyl)phenyl)pyridine iridium)のドープ(dope)量は、発光層の総質量に対して、10質量%とした。また、リス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)は、三重項励起子からの発光(すなわち、りん光発光)が可能な発光材料である。
<評価>
電流効率および耐久性(発光寿命)の評価
まず、直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各有機EL素子に対して所定の電圧を加え、有機EL素子を発光させた。有機EL素子の発光を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が1000cd/m2になったところで電流を一定にし、放置した。
電流効率および耐久性(発光寿命)の評価
まず、直流定電圧電源(KEYENCE製、ソースメータ(source meter))を用いて、各有機EL素子に対して所定の電圧を加え、有機EL素子を発光させた。有機EL素子の発光を輝度測定装置(Topcom製、SR−3)にて測定しつつ、徐々に電流を増加させ、輝度が1000cd/m2になったところで電流を一定にし、放置した。
ここで、有機EL素子の面積から単位面積あたりの電流値(電流密度)を計算し、輝度(cd/m2)を電流密度(A/m2)にて除算することで、電流効率(cd/A)を算出する。また、輝度測定装置で測定した輝度の値が徐々に変動(低下)し、初期輝度の80%になるまでの時間(時間)を「発光寿命(時間)」とした。なお、電流効率は、電流を発光エネルギーへ変換する効率(変換効率)を示し、電流効率が高いほど有機EL素子の性能が高いことを示す。
発光層を塗布法によって製膜する際の評価
実施例1〜3において、発光層を形成した後に、正孔輸送層の上に発光層が積層された状態を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、所望の膜厚の発光層が形成されたことが分かった。
実施例1〜3において、発光層を形成した後に、正孔輸送層の上に発光層が積層された状態を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、所望の膜厚の発光層が形成されたことが分かった。
一方、比較例1において、化合物200を用いて正孔輸送層を形成した後に、実施例1と同様の方法に従い、発光層形成用塗布液を用いて正孔輸送層上に塗布しTEMにより観察したが、発光層と正孔輸送層の境界が観察できず、発光層と正孔輸送層とが機能分離された積層膜が形成できなかった。
Tg評価結果は、表1に示す。
デバイス評価結果は、表2に示す。
上記表2から、実施例1および2の化合物(すなわち、本発明のビニルアミノアリーレンポリマー)を正孔輸送材料として用いてなる有機EL素子1および2は、比較例1の化合物を用いてなる有機EL素子3に比べて、電流効率および耐久性(発光寿命)共に優れることが分かった。したがって、本発明のビニルアミノアリーレンポリマーは、エレクトロルミネッセンス素子(特に正孔輸送材料)などに好適に使用できると考察される。
また、実施例のビニルアミノアリーレンポリマーを用いる場合には、塗布法により正孔輸送材料を形成でき、さらに、当該正孔輸送層の上に、塗布法によって発光層も形成できた。このため、本発明の有機EL素子は、大量生産できると考察される。
100 有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、
110 基板、
120 第1電極、
130 正孔注入層、
140 正孔輸送層、
150 発光層、
160 電子輸送層、
170 電子注入層、
180 第2電極。
110 基板、
120 第1電極、
130 正孔注入層、
140 正孔輸送層、
150 発光層、
160 電子輸送層、
170 電子注入層、
180 第2電極。
Claims (12)
- ガラス転移温度Tgが80℃を超え、かつ下記一般式(1)で示される構成単位を有する、ビニルアミノアリーレンポリマー:
R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基であり、
FおよびF’は、それぞれ独立して、単結合、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、置換もしくは無置換のアザフルオレン基、置換もしくは無置換のカルバゾール基、あるいは置換もしくは無置換のアザカルバゾール基を表し、この際、FおよびF’の少なくとも1つは、2価の、置換もしくは無置換のフルオレン基、または置換もしくは無置換のアザフルオレン基を表し、
Xは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基、フルオレン基およびシリル基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換される、もしくは無置換の、2価の芳香族基または複素環基を表し、
Aは、下記一般式(2)で示される基であり、
L1およびL2は、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のオキシアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のオキシシクロアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のオキシアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアミノアルキレン基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアミノアリーレン基またはアルキル基もしくはアリール基で置換されたシリレン基、を表し、Ar1は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、または置換もしくは無置換の炭素数6以上30以下のアリールアミノ基を表し、
ただし、L1、L2およびAr1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよく、また、L1とL2、L1とAr1およびL2とAr1は、それぞれ結合して更なる環を構築していてもよく、
nは、1以上10以下の整数であり、nが2以上の整数である場合、2つ以上の(L1−N(Ar1)−L2)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよく、
*は、他の置換基との結合部位を表す、
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基であり、
mは、1以上20以下の整数であり、mが2以上の整数である場合、2つ以上の(A−F’)は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。 - 下記の架橋基群から選択される架橋基を少なくとも1つ有する重合性コモノマー由来の構成単位をさらに有する、請求項1に記載のビニルアミノアリーレンポリマー。
R10〜R16は、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1以上10以下のアルキル基であり、
pは、1以上10以下の整数である。 - 前記ガラス転移温度Tgが120℃以上である、請求項1または2に記載のビニルアミノアリーレンポリマー。
- 前記一般式(1)におけるF、F’およびX、ならびに前記一般式(2)においてL1とL2、L1とAr1およびL2とAr1がそれぞれ結合して更なる環を構築した場合の環、の少なくとも1つが、下記一般式(3)で示される構造である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のビニルアミノアリーレンポリマー。
R5〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基、または隣接したこれらの置換基が互いに結合して形成された環状置換基であり、
Y1〜Y8は、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子を表し、
*は、他の置換基との結合部位を表す。 - 前記一般式(3)において、少なくとも1つのR5またはR6は、メチル基である、請求項4に記載のビニルアミノアリーレンポリマー。
- 前記一般式(1)におけるF、F’およびX、ならびに前記一般式(2)においてL1とL2、L1とAr1およびL2とAr1がそれぞれ結合して更なる環を構築した場合の環、の少なくとも1つが、下記一般式(4)で示される構造である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のビニルアミノアリーレンポリマー。
R7は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3以上16以下のシクロアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7以上40以下のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数5以上30以下のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1以上20以下のアルキルアミノ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6以上30以下のアリールアミノ基、または隣接したこれらの置換基が互いに結合して形成された環状置換基から選択され、
Y9〜Y16は、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子を表し、
*は、他の置換基との結合部位を表す。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のビニルアミノアリーレンポリマーからなる、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のビニルアミノアリーレンポリマーを含有するインク組成物。
- 一対の電極と、
前記電極間に配置され、請求項1〜6のいずれか一項に記載のビニルアミノアリーレンポリマーを含む少なくとも1層以上の有機層と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記電極間に配置され、三重項励起子からの発光が可能な発光材料を含む発光層をさらに備える、請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 一対の電極と、前記電極間に配置され、請求項1〜6のいずれか1項に記載のビニルアミノアリーレンポリマーを含む少なくとも1層の有機層と、を備え、前記有機層のうち少なくとも1層は、塗布法により形成されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のビニルアミノアリーレンポリマーを正孔輸送層として用い、
前記正孔輸送層の上に塗布法により発光層が形成される、請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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