JP2016141696A - 電荷輸送材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動電圧を低下でき、かつ電流効率を向上できる有機電界発光素子用電荷輸送材料を提供する。【解決手段】1つまたは2つの架橋基を有する、特定構造のトリフェニルアミン系ユニットを有する構成単位(A)、および、特定構造のトリフェニルアミン系ユニットを有する構成単位(B)を有する、電荷輸送材料。【選択図】なし
Description
本発明は、トリフェニルアミン系ユニットを電荷輸送ユニットとして側鎖に有する電荷輸送材料に関する。
有機発光ダイオード(OLED)などの有機電界発光素子は、陽極および陰極から注入された正孔および電子が、発光層において再結合することにより、発光層における有機材料を発光させる自己発光型の素子である。
有機電界発光素子には、正孔輸送材料等の電荷輸送材料をはじめとする、有機電界発光素子用材料が用いられている。電荷輸送材料は電荷を発光層へ輸送する能力を有するだけでなく、発光層における正孔と電子の再結合によって形成された励起子が電荷輸送層へ侵入することを防ぐ機能をも果たしている。また、正孔輸送材料が高い電荷移動度や高い三重項エネルギーを持つことにより、特に緑色および青色系OLED素子の高効率化を図ることができると考えられている。
例えば、特許文献1には、正孔輸送性材料として、トリフェニルアミン系ユニットを側鎖に有する重合性化合物が開示される。
しかしながら、特許文献1に開示される正孔輸送材料は一定の電荷輸送性能を有するものの、当該正孔輸送材料からなる層上に、塗布により他の層を形成して積層構造とする場合、下層は、上層を形成するための溶媒に溶解して、電荷輸送性能を維持できなくなることがありうる。これより、上層を形成するための溶媒としては、下層が溶解しない種類のものを選択する必要がある。しかしながら、選択した上層を形成するための溶媒への溶解性の観点から、上層を形成するための材料選択の幅が狭まるという問題がある。一方、特許文献1に開示されるユニットに加えて溶媒への耐性を付与するためのユニットを別途設けた正孔輸送材料を正孔輸送層や正孔注入層に使用することも提案されうる。しかしながら、このような場合には単位密度あたりの電荷輸送ユニットの割合が低くなり、電荷輸送性能が低下するという問題がある。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、駆動電圧が低下し、電流効率が向上した有機電界発光素子用の電荷輸送材料、特に正孔輸送材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、所定構造の構成単位を有する電荷輸送材料を有機電界発光素子用材料に用いることによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明に係る電荷輸送材料によれば、有機電界発光素子の駆動電圧を低下でき、かつ電流効率を向上できる。
本発明は、下記式(1)で示される構成単位(A)、および下記式(2)で示される構成単位(B)を有する、電荷輸送材料を提供する:
ただし、Xは、主鎖を構成する連結基を表し、
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
KaおよびKbは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表し、この際、KaおよびKbの少なくとも一方は、架橋基を表す;
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
KaおよびKbは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表し、この際、KaおよびKbの少なくとも一方は、架橋基を表す;
ただし、R1〜R5の1つが、下記式(3)で示される置換基(a)であり、かつ残りのR1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表し、
R6〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す;
R6〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す;
ただし、Yは、主鎖を構成する連結基を表し、
Bは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。
Bは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。
電荷輸送材料には、電荷輸送ユニットを主鎖に有する主鎖型の電荷輸送材料及び電荷輸送ユニットを側鎖に有する側鎖型の電荷輸送材料がある。側鎖型の電荷輸送材料は、一般的に、主鎖型材料に比べて、電荷移動度が低い傾向がある。本発明者らは、側鎖型の電荷輸送材料の電荷移動度が低い原因について鋭意検討を行った結果、側鎖型の材料の主鎖骨格が電荷輸送に関与しておらず、体積当たりの電荷輸送性能が低いためであると推定した。このため、電荷輸送ユニットの密度(割合)の高い電荷輸送材料の構造について鋭意検討を行った結果、特定構造のトリフェニルアミンユニットを有する電荷輸送材料が電荷輸送性能を有意に向上させることを見出した。
また、電荷輸送材料を用いて形成された層(例えば、正孔注入層や正孔輸送層)上に、塗布により他の層を形成して積層構造とする場合、下層は、上層を形成するための溶媒に溶解して、電荷輸送性能を維持できなくなることがありうる。これより、下層として電荷輸送材料を用いた層(例えば、正孔注入層や正孔輸送層)を形成する場合には、架橋や成膜後の硬化を行うため、電荷輸送材料は架橋基を持つことが好ましい。しかしながら、架橋基を有するユニットを別途導入した電荷輸送材料では、主鎖型に比べ、側鎖型の電荷輸送材料は、体積当たりの電荷輸送能の割合が更に低下し、有機電界発光素子の駆動電圧の上昇を引き起こすという問題があった。これに対して、本発明によると、特定構造のトリフェニルアミンユニットを有する上記式(1)の構成単位(A)が架橋基を有するユニット及び電荷輸送ユニット(アミンユニット)双方の役割を兼務する。このため、構成単位(A)、および他の構成単位を有する、電荷輸送材料は、電荷輸送ユニットの密度(割合)が高いため、高い電荷輸送性能を維持しつつ、架橋性を付与することができる。また、当該形態の電荷輸送材料は、容易に合成でき、大量生産の観点からも好ましい。
また、構成単位(B)は、電荷輸送性能に優れる特定構造のトリフェニルアミン系ユニットを有するため、構成単位(A)および構成単位(B)は、共に構造、電子状態が類似したトリフェニルアミン系ユニットを有することになる。そして、構成単位(A)および構成単位(B)は、共に電荷輸送性能に優れ、かつ両者の間のエネルギー障壁が小さいことから、構成単位(A)および構成単位(B)間の電荷輸送がさらに容易となる。これより、電荷輸送材料はさらに優れた電荷輸送性能を得ることができ、かような電荷輸送材料を有する有機電界発光素子は、さらなる駆動電圧の低下および電流効率の向上が実現できる。
したがって、本発明の電荷輸送材料は電荷輸送性能に優れるため、本発明の電荷輸送材料を有する有機電界発光素子では、駆動電圧を低下でき、かつ電流効率を向上できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書では、式(1)の構成単位(A)を単に「構成単位(A)」とも、式(2)の構成単位(B)を単に「構成単位(B)」とも、それぞれ、称する。また、本明細書において、範囲を示す「x〜yは「x以上y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[電荷輸送材料]
本発明に係る電荷輸送材料は、上記式(1)の構成単位(A)、および上記式(2)の構造単位(B)を有する共重合体である。構成単位(A)は架橋基を有するトリフェニルアミン系ユニットであることから、架橋基を有するユニット及び電荷輸送ユニット双方の役割を兼務するため、電荷輸送材料は、全体として電荷輸送ユニットの割合が高くなり(高い電荷輸送性能を確保しつつ)、架橋性をさらに付与することができる。構成単位(A)に架橋基が存在することにより、加熱や活性エネルギー線の照射により架橋反応が起こり、溶媒に対して不溶化してより強固な膜を形成できる。このため、構成単位(A)を有する本発明に係る電荷輸送材料を使用することにより、有機電界発光素子の耐久性をより向上できる。また、例えば、電荷輸送材料を含む層上に別の層を形成しても、電荷輸送材料を含む層は塗布時の溶媒に溶解することがないか、またはほとんど溶解しない。加えて、当該形態の電荷輸送材料は、容易に合成でき、大量生産の観点からも好ましい。
本発明に係る電荷輸送材料は、上記式(1)の構成単位(A)、および上記式(2)の構造単位(B)を有する共重合体である。構成単位(A)は架橋基を有するトリフェニルアミン系ユニットであることから、架橋基を有するユニット及び電荷輸送ユニット双方の役割を兼務するため、電荷輸送材料は、全体として電荷輸送ユニットの割合が高くなり(高い電荷輸送性能を確保しつつ)、架橋性をさらに付与することができる。構成単位(A)に架橋基が存在することにより、加熱や活性エネルギー線の照射により架橋反応が起こり、溶媒に対して不溶化してより強固な膜を形成できる。このため、構成単位(A)を有する本発明に係る電荷輸送材料を使用することにより、有機電界発光素子の耐久性をより向上できる。また、例えば、電荷輸送材料を含む層上に別の層を形成しても、電荷輸送材料を含む層は塗布時の溶媒に溶解することがないか、またはほとんど溶解しない。加えて、当該形態の電荷輸送材料は、容易に合成でき、大量生産の観点からも好ましい。
上記式(1)中、Xは、主鎖を構成する連結基を表す。ここで、主鎖を構成する連結基としては、構成単位(A)の主鎖を構成できる構造であれば特に制限されない。具体的には、下記に示す構造などが挙げられる。
上記連結基のうち、Xは、下記構造を有する連結基が好ましい。
また、上記式(1)中、Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基(−CN)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。
ここで、2価の芳香族基としては、炭素原子および水素原子から構成される環由来の基であれば、特に制限されない。具体的には、ベンゼン環(フェニレン基)、ナフタレン環(ナフタレニル基)、アントラセン環(アントラセニル基)およびフルオレン環(フルオレニル基)から導かれるものなどが挙げられる。これらのうち、芳香族基は、ベンゼン環由来の基(フェニレン基)またはフルオレン環由来の基(フルオレニル基)であることが好ましく、ベンゼン環由来の基(フェニレン基)であることがさらに好ましい。
上記2価の複素環基は、炭素原子および水素原子、並びに窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1以上のヘテロ原子から構成される環由来の基であれば、特に制限されない。具体的には、チオフェン環、ジチエノチオフェン環、シクロペンタジチオフェン環、フェニルチオフェン環、ジフェニルチオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、ピロール環、フラン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、クマリン環(例えば、3,4−ジヒドロクマリン)、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ローダニン環、ピラゾロン環、イミダゾロン環、ピラン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、フルオレン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾ(c)チオフェン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インドール環、フタラジン環、シナノリン環、キナゾリン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルボリン環(カルボリンの任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったもの)、1,10−フェナントロリン環、キノン環、ローダニン環、ジローダニン環、チオヒダントイン環、ピラゾロン環、ピラゾリン環から導かれるものなどが挙げられる。これらの複素環を複数組み合わせて用いてもよく、例えば、フェニルピリジン(例えば、4−フェニルピリジン)、スチリルチオフェン(例えば、2−スチリルチオフェン)、2−(9H−フルオレン−2−イル)チオフェン、2−フェニルベンゾ[b]チオフェン、フェニルビチオフェン環、(1,1−ジフェニル−4−フェニル)−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ジブタジエン、4−(フェニルメチレン)−2,5−シクロヘキサジエン、フェニルジチエノチオフェン環から導かれるものなどが挙げられる。これらのうち、カルバゾール環が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基は、特に制限されないが、炭素数1〜24の直鎖または分岐状のアルキル基でありうる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜8の直鎖もしくは分岐状のアルキル基が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアリール基は、特に制限されないが、炭素原子数6〜20のアリール基でありうる。具体的には、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基及びピレニル基などが挙げられる。これらのうち、フェニル基が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルコキシ基は、特に制限されないが、炭素数1〜24の直鎖または分岐状のアルコキシ基でありうる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−エチルペンチルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜8の直鎖または分岐状のアルコキシ基が好ましい。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいカルバゾール基は、下記のいずれかを表す。なお、下記において、Zは、水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。ここで、アルキル基は、特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基およびアルコキシ基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいシリル基は、式:−Si(Z1)(Z2)(Z3)で示される。ここで、Z1〜Z3は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基を表す。ここで、Z1〜Z3は、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよい。ここで、アルキル基およびアルコキシ基は、それぞれ特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよいアルキル基およびアルコキシ基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
これらのうち、Aは、単結合、または2価の芳香族基であることが好ましく、2価の芳香族基であることがさらに好ましく、ベンゼン環由来の基(フェニレン基)であることが特に好ましい。特に、ベンゼン環由来の基(フェニレン基)を導入することで、電気化学的な安定性が向上するため、素子のさらなる長寿命化か実現できる。また、電荷輸送材料の重合前におけるモノマーの自己反応性を抑制できるため、製造上のハンドリング(取り扱い性)を容易にすることができる。
KaおよびKbは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表す。この際、KaおよびKbは、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよいが、KaおよびKbの少なくとも一方は架橋基を表す。ここで、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基、シリル基それぞれ特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよい置換基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。また、架橋基は、熱や活性エネルギー線による架橋反応を誘導できる基であれば特に制限されないが、下記構造が好ましく挙げられる。なお、以下では、構成単位(A)の架橋基を有するフェニレン基として例示される。このため、例えば、上記最初の構造では、−C(−R)=CH2が架橋基である。
なお、上記構造において、架橋基(例えば、上記2番目の構造では、架橋基:−C(−F)=CF2)のフェニレン基への結合位置は特に制限されず、2位、3位または4位のいずれでもよいが、好ましくは4位である。
これらのうち、架橋反応性、架橋構造の安定性、電気化学的安定性などを考慮すると、下記構造のベンゾシクロブテン環由来の基(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエニル基)が好ましい。また、反応性(架橋容易性)などの観点から、エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基が好ましい。
上記式(1)において、架橋基(Ka、Kb)は、トリフェニルアミン系ユニットのフェニル基に直接結合する。
上記式(1)において、KaおよびKbは、一方が水素原子、もしくはフェニル基であり、かつ他方が架橋基であるか;または双方とも架橋基であることが好ましい。
本発明の好ましい形態よると、構成単位(A)は、下記式で示されることが好ましい:
ただし、Xは、主鎖を構成する連結基を表し、
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
Kaは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表す。
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
Kaは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表す。
さらに具体的には、構成単位(A)は下記いずれかの構造を有することが好ましい。構成単位(A)は下記構造A1、A2、A5、A6であることがより好ましく、A1、A2であることがさらに好ましい。
本発明に係る電荷輸送材料は、上記式(1)の構成単位(A)に加え、さらに上記式(2)の構成単位(B)を有する。構成単位(B)は、電荷輸送性能に優れる特定構造のトリフェニルアミン系ユニットを有するため、構成単位(A)および構成単位(B)は、共に構造、電子状態が類似した特定構造のトリフェニルアミン系ユニットを有することになる。そして、構成単位(A)および構成単位(B)は、共に電荷輸送性能に優れ、かつ両者の間のエネルギー障壁が小さいことから、構成単位(A)および構成単位(B)間の電荷輸送がさらに容易となる。これより、電荷輸送材料はさらに優れた電荷輸送性能を得ることができ、かような電荷輸送材料を有する有機電界発光素子は、さらなる駆動電圧の低下および電流効率の向上が実現できる。
上記式(2)において、Yは、主鎖を構成する連結基を表す。ここで、主鎖を構成する連結基としては、構成単位(B)の主鎖を構成できる構造であれば特に制限されない。具体的には、構成単位(A)で挙げた例が同様にして挙げられる。
上記連結基のうち、Yは、下記構造を有する連結基が好ましい。
また、上記式(3)中、Bは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基(−CN)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。ここで、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基は、それぞれ特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよい置換基における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。同様にして、2価の芳香族基もしくは複素環基は、特に制限されず、上記置換基「A」における定義とそれぞれ同様であるため、ここでは説明を省略する。
これらのうち、Bは、単結合、または2価の芳香族基であることが好ましく、2価の芳香族基であることがさらに好ましく、ベンゼン環由来の基(フェニレン基)であることが特に好ましい。すなわち、上記記式(1)中、Aはベンゼン環由来の基(フェニレン基)であり、上記式(3)中、Bはベンゼン環由来の基(フェニレン基)であることが特に好ましい。ベンゼン環由来の基(フェニレン基)を導入することで、電気化学的な安定性が向上するため、素子のさらなる長寿命化が実現できる。また、電荷輸送材料の重合前におけるモノマーの自己反応性を抑制できるため、製造上のハンドリング(取り扱い性)を容易にすることができる。
また、上述したように、上記式(2)中、R1〜R5の一つが置換基(a)であるが、置換基(a)でない残りのR1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す。この際、置換基(a)でない残りのR1〜R5は、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよい。ここで、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基は、それぞれ特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよい置換基における定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
これらのうち、置換基(a)でない残りのR1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基であることが好ましく、水素原子、フェニル基であることがより好ましい。
また、R6〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す。この際、R6〜R15は、それぞれ、同じであってもまたは異なるものであってもよい。ここで、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基は、それぞれ特に制限されず、上記2価の芳香族基もしくは複素環基に導入されてもよい置換基における定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
ここで、R6〜R8、R10〜R12、R14、R15は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基であることが好ましく、水素原子、フェニル基であることがより好ましい。
また、R9およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基であることが好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
具体的には、構成単位(B)は下記いずれかの構造を有することが好ましい。構成単位(B)は下記構造B1、B2であることがより好ましい。
また、本発明の電荷輸送材料は、構成単位(B)は、架橋基を有しないこと以外は前記構成単位(A)と同一構造であることが好ましい。かような構造によると、構成単位(A)および構成単位(B)は、共に構造、電子状態が極めて類似した特定構造のトリフェニルアミン系ユニットを有することになる。そして、構成単位(A)および構成単位(B)は、共に電荷輸送性能に優れ、かつ両者の間のエネルギー障壁が極めて小さいことから、構成単位(A)および構成単位(B)間の電荷輸送が極めて容易となる。これより、電荷輸送材料は特に優れた電荷輸送性能を得ることができ、かような電荷輸送材料を有する有機電界発光素子は、駆動電圧の低下および電流効率の向上の面で、特に優れた効果を得ることができる。
上述したように、本発明の電荷輸送材料は、構成単位(A)および(B)から構成されることが好ましい。ここで、電荷輸送材料が構成単位(A)および(B)から構成される(共重合体である)際の、電荷輸送材料の構造は特に制限されず、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。また、共重合体である際の電荷輸送材料の組成は特に制限されないが、構成単位(A)および構成単位(B)の比は、電荷輸送材料において、構成単位(A):構成単位(B)=1:99〜50:50の比(モル比)で含まれることが好ましく、5:95〜30:70であることがより好ましい。なお、上記において、構成単位(A)および構成単位(B)の組成(含有量)の合計は100である。かような組成であれば、電荷輸送材料はさらなる高い電荷輸送性能を有することができる。このため、有機電界発光素子は、さらなる駆動電圧の低下、および電流効率の向上を実現できる。また、架橋時に十分な溶剤に対する耐性(不溶化)が得られる。このため、例えば、電荷輸送材料を含む層上に別の層を形成しても、電荷輸送材料を含む層は塗布時の溶媒に溶解することがないまたはほとんどない。
また、本発明に係る電荷輸送材料の重量平均分子量(Mw)は、本発明の目的効果が得られる限りにおいて特に制限されるものではないが、例えば、5,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。このような重量平均分子量であれば、電荷輸送材料を用いて層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層)を形成するための塗布液の粘度を適切に調節して、均一な膜厚の層を形成することが可能である。なお、重量平均分子量(Mw)の測定方法は、特に制限されず、公知の方法が同様にしてまたは適宜修飾して適用できる。本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、下記実施例で測定された値を採用するものとする。
本発明に係る電荷輸送材料は、高い電荷輸送性能を有する。このため、特に本発明に係る電荷輸送材料を正孔輸送材料として使用する場合には、有機電界発光素子の駆動電圧の低下および電流効率の向上が実現できる。
また、本発明に係る電荷輸送材料を有機電界発光素子に用いる場合には、高い電荷移動度が達成される。
本発明の電荷輸送材料の主鎖の末端は特に制限されず、使用される原料の種類によって適宜規定されるが、通常、水素原子である。
本発明に係る電荷輸送材料の製造方法は、特に制限されず、公知の重合方法が同様にしてまたは適宜修飾して適用できる。具体的には、本発明に係る電荷輸送材料は、下記式(4)で示される1種以上の単量体、および下記式(5)で示される1種以上の単量体を用いた共重合反応により製造することができる:
ただし、Xは、主鎖を構成する連結基を表し、
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
KaおよびKbは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表し、この際、KaおよびKbの少なくとも一方は、架橋基を表す;
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
KaおよびKbは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表し、この際、KaおよびKbの少なくとも一方は、架橋基を表す;
ただし、R1〜R5の1つが、下記式(6)で示される置換基(b)であり、かつ残りのR1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表し、
R6〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す;
R6〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す;
ただし、Yは、主鎖を構成する連結基を表し、
Bは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。
Bは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。
なお、前記式(4)〜(6)において、置換基R1〜R15、X、A、Y、B、KaおよびKbは、上記式(1)〜(3)における各置換基の定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本発明に係る電荷輸送材料の重合に用いられる単量体は、公知の合成反応を適宜組み合わせて合成することができ、その構造も、公知の方法、例えばNMRやLC−MS等を用いて確認できる。
本発明に係る電荷輸送材料の重合方法は特に制限されない。例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などの公知の重合方法が採用でき、好ましくは製造が容易なラジカル重合を使用する。
重合に用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アニソール、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が例示でき、好ましくはトルエン、テトラヒドロフランである。これらを1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。本発明に係る電荷輸送材料の重合に用いられる単量体は、これら有機溶媒に対する高い溶解性を有する。
溶媒中の単量体濃度(複数の単量体を用いる場合は、その全体量)は、反応溶液全体に対して、通常10〜90質量%であり、好ましくは15〜80質量%である。
重合温度は、分子量の制御の点から、40〜100℃とするのが好ましい。重合反応は通常30分〜24時間行われる。
単量体を添加した溶媒は、重合開始剤の添加前に、脱気処理を行ってもよい。脱気処理としては、例えば、凍結脱気や、窒素ガス等の不活性ガスによってバブリングしてもよい。
重合開始剤は従来公知のものを用いることができ、例えばベンゾフェノン、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、およびアゾビスイソブチロニトリル等が例示できる。重合開始剤の配合量は、電荷輸送材料の製造に用いる全単量体(1モル)に対して、例えば0.0001〜1モルとなる量である。
<有機電界発光素子用材料>
本発明に係る電荷輸送材料は、有機電界発光素子用材料として好適に用いられる。本発明に係る電荷輸送材料によれば、高い耐久性、さらには高い電荷移動度を有する有機電界発光素子用材料が提供される。したがって、本発明は、本発明の電荷輸送材料の有機電界発光素子用材料としての使用が提供される。ここでは、上記電荷輸送材料についてされた記載が適宜適用される。
本発明に係る電荷輸送材料は、有機電界発光素子用材料として好適に用いられる。本発明に係る電荷輸送材料によれば、高い耐久性、さらには高い電荷移動度を有する有機電界発光素子用材料が提供される。したがって、本発明は、本発明の電荷輸送材料の有機電界発光素子用材料としての使用が提供される。ここでは、上記電荷輸送材料についてされた記載が適宜適用される。
本発明に係る有機電界発光素子用材料は有機溶媒に対する溶解性に優れるため、ウェットプロセスによる素子の製造に特に好適に用いられる。
本発明に係る有機電界発光素子用材料は、電荷移動度に優れるため、正孔注入材料、正孔輸送材料、および/または発光層材料(ホスト)等のいずれの有機膜の形成においても好適に利用され得るが、特に正孔の輸送性の観点から、正孔注入材料および/または正孔輸送材料として特に好適に用いられる。
<有機電界発光素子>
本発明に係る電荷輸送材料は、有機電界発光素子用材料として有機電界発光素子に用いられる。本発明の一側面では、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機膜と、を備える有機電界発光素子であって、前記有機膜の少なくとも1層は、上記の電荷輸送材料を含む、有機電界発光素子が提供される。特に正孔の輸送性の観点から、本発明の好ましい形態によると、本発明に係る電荷輸送材料を含む有機膜が、正孔注入層または正孔輸送層である。
本発明に係る電荷輸送材料は、有機電界発光素子用材料として有機電界発光素子に用いられる。本発明の一側面では、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機膜と、を備える有機電界発光素子であって、前記有機膜の少なくとも1層は、上記の電荷輸送材料を含む、有機電界発光素子が提供される。特に正孔の輸送性の観点から、本発明の好ましい形態によると、本発明に係る電荷輸送材料を含む有機膜が、正孔注入層または正孔輸送層である。
図1は、本発明の一具体例に係る有機電界発光素子100の断面を示す図面である。図1は、第1電極120/正孔注入層130/正孔輸送層140/発光層150/電子輸送層160/電子注入層170/第2電極180を示しているが、本発明がこのような構造に限定されるものではない。有機電界発光素子は、第1電極/正孔注入機能および正孔輸送機能を持つ単一膜/発光層/電子輸送層/第2電極または第1電極/正孔注入機能および正孔輸送機能を持つ単一膜/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極のような構造であっても良い。
本発明による有機電界発光素子は、前面発光型、または背面発光型のいずれであっても良い。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る有機発光素子について説明を行う。図1は、本発明の一実施形態に係る有機発光素子の構造の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100は、基板110と、基板110上に配置された第1電極120と、第1電極120上に配置された正孔注入層130と、正孔注入層130上に配置された正孔輸送層140と、正孔輸送層140上に配置された発光層150と、発光層150上に配置された電子輸送層160と、電子輸送層160上に配置された電子注入層170と、電子注入層170上に配置された第2電極180と、を備える。
基板110は、一般的な有機発光素子で使用される基板を使用することができる。例えば、基板110は、ガラス(glass)基板、半導体基板、または透明なプラスチック(plastic)基板等であってもよい。
第1電極120は、例えば、アノードであり、蒸着法またはスパッタリング(sputtering)法などを用いて基板110上に形成される。具体的には、第1電極120は、仕事関数が大きい金属、合金、導電性化合物等によって透過型電極として形成される。第1電極120は、例えば、透明であり、導電性にすぐれる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)などで形成されてもよい。また、第1電極120は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)などを用いて反射型電極として形成されてもよい。
正孔注入層130は、第1電極120からの正孔の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法、スピンコーティング(spin coating)法、インクジェット(ink jet)法などを用いて第1電極120上に形成される。本発明に係る電荷輸送材料は有機溶媒溶解性に優れることから、スピンコーティング法、キャスト法、印刷法、またはLB法等のウェットプロセスによる正孔注入層の形成に特に好適に用いられる。なお、上記方法による場合には、正孔注入層形成用材料を溶媒に溶解するが、使用できる溶媒は特に制限されないが、上記重合に用いられる溶媒と同様の溶媒が使用できる。また、正孔注入層130は、具体的には、約10nm〜約500nm、より具体的には、約10nm〜約100nmの厚さ(乾燥膜厚)にて形成されてもよい。なお、正孔注入層130は、本発明に係る電荷輸送材料のほか、公知の材料を用いて形成することもでき、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4”−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’,4”−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(PANI/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(PANI/CSA)、またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを用いて形成することができる。
本発明に係る電荷輸送材料をウェットプロセスに用いる場合、塗布液全体に対する本発明に係る電荷輸送材料の含有量は、例えば、0.1〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%である。
本発明に係る電荷輸送材料が正孔注入層に用いられる場合、層全体に対する含有量は、50〜100質量%(乾燥質量)であり、好ましくは80〜100質量%(乾燥質量)である。
正孔輸送層140は、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料を含む層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて正孔注入層130上に形成される。本発明に係る電荷輸送材料は有機溶媒溶解性に優れることから、スピンコーティング法、キャスト法、印刷法、またはLB法等のウェットプロセスによる正孔輸送層の形成に特に好適に用いられる。なお、上記方法による場合には、正孔輸送層形成用材料を溶媒に溶解する。上記方法において使用できる溶媒は特に制限されないが、上記重合に用いられる溶媒と同様の溶媒が使用できる。また、正孔輸送層140は、具体的には、約5nm〜約500nm、より具体的には、約10nm〜約100nmの厚さ(乾燥膜厚)にて形成されてもよい。なお、正孔輸送層140は、本発明に係る電荷輸送材料のほか、公知の正孔輸送材料を用いて形成することもできるが、例えば、N−フェニルカルバゾール(PhCz)、ポリビニルカルバゾール(PVK)などのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)を用いて形成することができる。
本発明に係る電荷輸送材料が正孔輸送層に用いられる場合、層全体に対する含有量は、50〜100質量%(乾燥質量)であり、好ましくは80〜100質量%(乾燥質量)である。
発光層150は、りん光、蛍光等により光を発する層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて正孔輸送層140上に形成される。発光層150は、ホスト材料およびドーパント(dopant)材料を含み、本発明に係る電荷輸送材料を含んでもよい。本発明に係る電荷輸送材料は有機溶媒溶解性に優れることから、スピンコーティング法、キャスト法、印刷法、またはLB法等のウェットプロセスによる発光層の形成に特に好適に用いられる。なお、上記方法による場合には、発光層形成用材料を溶媒に溶解するが、使用できる溶媒は特に制限されないが、上記重合に用いられる溶媒と同様の溶媒が使用できる。また、発光層150は、具体的には、約10nm〜約100nm、より具体的には、約20nm〜約60nmの厚さ(乾燥膜厚)で形成されてもよい。
また、発光層150は、他のホスト材料を含んでもよく、例えば、1,3−ビス(カルバゾール)ベンゼン(mCP)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、ポリ(n−ビニルカルバゾール)(PVK)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン(TBADN)、ジスチリルアリーレン(DSA)、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(dmCBP)を含んでもよい。
また、発光層150は、特定の色の光を発する発光層として形成されてもよい。例えば、発光層150は、赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層として形成されてもよい。
発光層150が青色発光層である場合、青色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ペリレン(perylene)およびその誘導体、ビス[2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジネート]ピコリネートイリジウム(III)(FIrpic)などのイリジウム(Ir)錯体等を使用することができる。
また、発光層150が赤色発光層である場合、赤色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、ルブレン(rubrene)およびその誘導体、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM)およびその誘導体、ビス(1‐フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(piq)2(acac))などのイリジウム錯体、オスミウム(Os)錯体、白金錯体等を使用することができる。
また、発光層150が緑色発光層である場合、緑色ドーパントとしては公知の材料が使用可能であるが、例えば、クマリン(coumarin)およびその誘導体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、トリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(TEG)、トリス(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Ir(acac)3)などのイリジウム錯体等を使用することができる。
本発明に係る電荷輸送材料が発光層に用いられる場合、発光層のホスト全体に対する含有量は、10〜100質量%(乾燥質量)であり、好ましくは50〜100質量%(乾燥質量)である。
電子輸送層160は、電子を輸送する機能を有する電子輸送材料を含む層であり、真空蒸着法、スピンコーティング法、インクジェット法などを用いて発光層150上に形成される。また、電子輸送層160は、具体的には、約10nm〜約100nm、より具体的には、約15nm〜約70nmの厚さにて形成されてもよい。なお、電子輸送層160は、例えば、リチウムキノレート(Liq)などのLi錯体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)などのキノリン(quinoline)誘導体、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq)、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(BeBq2)などを用いて形成することができる。これら電子輸送層形成用材料は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。市販品の例としては、KLET−01、KLET−02、KLET−03、KLET−10、KLET−M1(以上、ケミプロ化成株式会社製)等が挙げられる。また、これら電子輸送層形成用材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
電子注入層170は、第2電極180からの電子の注入を容易にする機能を備えた層であり、真空蒸着法などを用いて電子輸送層160上に形成される。また、電子注入層170は、具体的には、約0.1nm〜約10nm、より具体的には、約0.3nm〜約9nmの厚さにて形成されてもよい。なお、電子注入層170は、公知の材料を用いて形成することができるが、例えば、フッ化リチウム(LiF)、塩化ナトリウム(NaCl)、フッ化セシウム(CsF)、酸化リチウム(Li2O)、酸化バリウム(BaO)などを用いて形成することができる。
第2電極180は、例えば、カソードであり、蒸着法またはスパッタリング法などを用いて電子注入層170上に形成される。具体的には、第2電極180は、仕事関数が小さい金属、合金、導電性化合物等で反射型電極として形成される。第2電極180は、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などで形成されてもよい。また、第2電極180は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などを用いて透過型電極として形成されてもよい。
以上にて、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100の構造の一例について説明したが、本発明の一実施形態に係る有機発光素子100の構造は、上記例示に限定されない。本発明の一実施形態に係る有機発光素子100は、公知の他の様々な有機発光素子の構造を用いて形成されてもよい。例えば、有機発光素子100は、正孔注入層130、正孔輸送層140、電子輸送層160、および電子注入層170のうち1層以上を備えていなくともよい。また、有機発光素子100の各層は、単層で形成されてもよく、複数層で形成されてもよい。
さらに、有機発光素子100は、三重項励起子または正孔が電子輸送層160に拡散する現象を防止するために、正孔輸送層140と発光層150との間に正孔阻止層を備えていてもよい。なお、正孔阻止層は、例えば、オキサジアゾール(oxadiazole)誘導体、トリアゾール(triazole)誘導体、またはフェナントロリン(phenanthroline)誘導体などによって形成することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
以下の合成例では、以下で示す方法により各種分析を行った。
(重量平均分子量の測定)
(共)重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質として用いてGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により下記条件で測定する。
(共)重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質として用いてGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により下記条件で測定する。
(合成例1)
以下の方法によって、下記構造を有する単量体(A1)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
以下の方法によって、下記構造を有する単量体(A1)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、アニリン(2.79g)、3−ブロモビシクロ[4,2,0]オクタ−1(6)、2,4−トリエン(11.5g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.549g)、トリ―tert―ブチルホスニウムテトラフルオロボラート(0.696g)、ナトリウムtert―ブトキシド(8.55g)、トルエン(150mL)を入れ、110℃で2時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−フェニルビシクロ[4.2.0]オクタ―1(6),2,4−トリエン−3−アミン(9.16g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−フェニルビシクロ[4.2.0]オクタ―1(6),2,4−トリエン−3−アミン(6.12g)、DMF(41.2mL)を入れ、氷水で冷却した。DMF(20.6mL)に溶解したN−ブロモスクシンイミド(3.67g)を滴下し、2時間撹拌した。トルエン(150mL)を加え、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−(4−ブロモフェニル)ビシクロ[4.2.0]オクタ―1(6),2,4−トリエン−3−アミン(7.08g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−(4−ブロモフェニル)ビシクロ[4.2.0]オクタ―1(6),2,4−トリエン−3−アミン(6.45 g)、4−ビニルフェニルボロン酸(3.03g)、テトラキス(トリフェニルホルフィン)パラジウム(0.40g)、炭酸カリウム(7.73g)、DME(68mL)、水(17mL)を加え、85℃で5時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶し、単量体A1(3.67g)を得た。
(合成例2)
以下の方法によって、下記構造を有する単量体(A2)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
以下の方法によって、下記構造を有する単量体(A2)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、アニリン(3.07g)、3−ブロモビシクロ[4,2,0]オクタ−1(6)、2,4−トリエン(5.49g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.549g)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.665g)、ナトリウムtert−ブトキシド(5.77g)、トルエン(150mL)を入れ、110℃で6時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−フェニルアミン(5.46g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−フェニルアミン(3.97g)、4−ブロモヨードベンゼン(6.31g)、ヨウ化銅(0.149g)、シクロヘキサンジアミン(0.49ml)、ナトリウムtert―ブトキシド(3.90g)、1,4−ジオキサン(40mL)を入れ、14時間還流した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−4−ブロモフェニル−N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−フェニルアミン(5.50g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−4−ブロモフェニル−N−(ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−3−イル)−N−フェニルアミン(5.43 g)、4−ビニルフェニルボロン酸(2.75g)、テトラキス(トリフェニルホルフィン)パラジウム(0.36g)、炭酸カリウム(4.28g)、DME(62mL)、水(15.5mL)を加え、85℃で5時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶し、単量体A2(2.87g)を得た。
(合成例3)
以下の方法によって、下記構造を有する単量体(B1)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
以下の方法によって、下記構造を有する単量体(B1)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−4−ブロモフェニル−N,N−ジフェニルアミン(45.40 g)、4−ビニルフェニルボロン酸(24.80g)、テトラキス(トリフェニルホルフィン)パラジウム(3.23g)、炭酸カリウム(38.70g)、DME(560mL)、水(15.5mL)を加え、85℃で5時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー、および再結晶し、単量体B1(8.40g)を得た。
(合成例4)
以下の方法によって、下記構造を有する比較単量体(C1)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
以下の方法によって、下記構造を有する比較単量体(C1)を合成した。詳細には、下記の経路により合成した。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−4−ブロモフェニル−N,N−ビスフェニルアミン(5.01g)、4−メトキシアニリン(2.16g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.572g)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1.384g)、ナトリウムtert―ブトキシド(2.97g)、トルエン(78mL)を入れ、110℃で6時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、N−(4−メトキシフェニル)−N’,N’−ジフェニル−ベンゼン1−4ジアミン(4.57g)を得た。
アルゴンで置換した四つ口フラスコに、N−(4−メトキシフェニル)−N’,N’−ジフェニル−ベンゼン−1−4ジアミン(1.11g)、4−ブロモスチレン(0.663g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.138g)、テトラブチルホスフィン・フェロセン(0.176g)、ナトリウムtert―ブトキシド(0.588g)、トルエン(15mL)を入れ、110℃で6時間加熱した。室温まで放冷し、不溶物をセライトでろ別した。ろ液から溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、単量体C1(0.604g)を得た。
(実施例1)
[正孔輸送材料(1)の合成]
以下の方法によって、上記合成例1で合成した単量体(A1)および合成例3で合成した単量体(B1)を用いて、下記構造を有する正孔輸送材料(1)を合成した。
[正孔輸送材料(1)の合成]
以下の方法によって、上記合成例1で合成した単量体(A1)および合成例3で合成した単量体(B1)を用いて、下記構造を有する正孔輸送材料(1)を合成した。
詳細には、シュレンク管に、合成例1で合成した単量体(A1)(204mg)、合成例3で合成した単量体(B1)(1.6g)、アゾビスイソブチロニトリル(10.2mg)、トルエン(10ml)を入れ、バブリング、凍結脱気の後、60度にて6時間加熱撹拌した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、単量体(A1)および単量体(B1)の共重合体(単量体(A1)由来の構成単位(A1):単量体(B1)由来の構成単位(B1)=10:90(モル比))として正孔輸送材料(1)(1.26g)を得た。正孔輸送材料(1)の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=21,000、Mw=43,000、Mw/Mn=2.1であった。
(実施例2)
[正孔輸送材料(2)の合成]
以下の方法によって、上記合成例2で合成した単量体(A2)および合成例3で合成した単量体(B1)を用いて、下記構造を有する正孔輸送材料(2)を合成した。
[正孔輸送材料(2)の合成]
以下の方法によって、上記合成例2で合成した単量体(A2)および合成例3で合成した単量体(B1)を用いて、下記構造を有する正孔輸送材料(2)を合成した。
詳細には、シュレンク管に、合成例2で合成した単量体(A2)(74.7mg)、合成例3で合成した単量体(B1)(0.625g)、アゾビスイソブチロニトリル(4.0mg)、トルエン(4ml)を入れ、バブリング、凍結脱気の後、60度にて6時間加熱撹拌した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、単量体(A2)および単量体(B1)の共重合体(単量体(A2)由来の構成単位(A2):単量体(B1)由来の構成単位(B1)=10:90(モル比))として正孔輸送材料(2)(0.75g)を得た。正孔輸送材料(2)の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=25,000、Mw=52,000、Mw/Mn=2.1であった。
(比較例1)
[比較正孔輸送材料(3)の合成]
以下の方法によって、上記合成例1で合成した単量体(A1)および合成例4で合成した単量体(C1)を用いて、下記構造を有する比較正孔輸送材料(3)を合成した。
[比較正孔輸送材料(3)の合成]
以下の方法によって、上記合成例1で合成した単量体(A1)および合成例4で合成した単量体(C1)を用いて、下記構造を有する比較正孔輸送材料(3)を合成した。
詳細には、シュレンク管に、合成例1で合成した単量体(A1)(160mg)、合成例4で合成した単量体(C1)(1.69g)、アゾビスイソブチロニトリル(8.0mg)、トルエン(8ml)を入れ、バブリング、凍結脱気の後、60度にて6時間加熱撹拌した。室温まで冷却し、良溶媒をTHF、貧溶媒を過剰量のメタノールとし再沈を5回行い、析出物を真空乾燥し、単量体(A1)および単量体(C1)の共重合体(単量体(A1)由来の構成単位(A1):単量体(C1)由来の構成単位(C1)=10:90(モル比))として正孔輸送材料(3)(1.80g)を得た。正孔輸送材料(3)の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=25,000、Mw=64,000、Mw/Mn=2.6であった。
(有機電界発光素子の作製)
(有機電界発光素子(2)の作製)
幅2mmで厚さ150nmのストライプ状のITO(酸化インジウムスズ)電極(陽極)が配置されたITO付きガラス基板上に、PEDOT−PSS(Sigma−Aldrich製)を厚さ(乾燥膜厚)が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔注入層を形成した。
(有機電界発光素子(2)の作製)
幅2mmで厚さ150nmのストライプ状のITO(酸化インジウムスズ)電極(陽極)が配置されたITO付きガラス基板上に、PEDOT−PSS(Sigma−Aldrich製)を厚さ(乾燥膜厚)が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔注入層を形成した。
次に、上記実施例2で合成した正孔輸送材料(2)をキシレン(溶媒)に1質量%濃度で溶解して正孔輸送層形成用塗布液(2)を調製した。上記で形成した正孔注入層上に、この正孔輸送層形成用塗布液(2)を厚さ(乾燥膜厚)が30nmになるようにスピンコート法にて塗布し、230℃で1時間加熱して、厚さ(乾燥膜厚)30nmの正孔輸送層を形成した。
さらに、上記で形成した正孔輸送層上に、2種のホスト材料として、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(以下、mCP)及び4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(以下、CBP)を、mCP:CBP=7:3(質量比)の割合で、ドーパント材料としてトリス(2−(3−p−キシイル)フェニル)ピリジン イリジウム(III)(TEG)が10%ドープされるように、真空蒸着装置にて共蒸着し、厚さ30nmの発光層を正孔注入層上に形成した。
上記で形成した発光層上に、リチウムキノレート(以下、Liq)及びKLET−03(ケミプロ化成株式会社製)を真空蒸着装置にて共蒸着させて、厚さが50nmの電子輸送層を発光層上に形成した。
上記で形成した電子輸送層上に、フッ化リチウム(以下、LiF)を真空蒸着装置にて蒸着させて、厚さ1nmの電子注入層を電子輸送層上に形成した。
上記で形成した電子注入層上に、アルミニウム(以下、Al)を真空蒸着装置にて蒸着させて、厚さが100nmの電極(陰極)を電子注入層上に形成した。これにより、有機電界発光素子(2)を得た。
(比較有機電界発光素子(3)の作製)
上記有機電界発光素子(2)の作製において、正孔輸送材料(2)の代わりに、上記比較例1で合成した比較正孔輸送材料(3)を使用して正孔輸送層を形成する以外は、有機電界発光素子(2)の作製と同様にして、比較有機電界発光素子(3)を得た。
上記有機電界発光素子(2)の作製において、正孔輸送材料(2)の代わりに、上記比較例1で合成した比較正孔輸送材料(3)を使用して正孔輸送層を形成する以外は、有機電界発光素子(2)の作製と同様にして、比較有機電界発光素子(3)を得た。
上記実施例2で得られた正孔輸送材料(2)を用いた有機電界発光素子(2)及び比較例1で得られた比較正孔輸送材料(3)を用いた比較有機電界発光素子(3)について、下記方法によって駆動電圧および電流効率を評価した。結果を下記表1に示す。
なお、下記表1において、実施例2で得られた正孔輸送材料(2)を用いた有機電界発光素子(2)の駆動電圧および電流効率は、比較例1で得られた比較正孔輸送材料(3)を用いた比較有機電界発光素子(3)の駆動電圧および電流効率をそれぞれ100とした場合の比として表す。
[駆動電圧および電流効率の評価]
下記方法に従って、駆動電圧、電流効率を測定する。
[駆動電圧および電流効率の評価]
下記方法に従って、駆動電圧、電流効率を測定する。
すなわち、上記各素子に直流定電圧電源(例えば、ソースメーター KEYENCE製)を用いて電圧を加えると、ある一定電圧で電流が流れ始め、素子が発光を開始する。発光を輝度測定装置(例えば、SR−3:Topcom製)で捕え、徐々に電圧を上昇させ、輝度が1000cd/m2になったところで電圧を一定とし、電圧値、電流値を読み取る。この電圧値を駆動電圧(V)とする。素子の面積から単位面積あたりの電流値(電流密度)を計算し、輝度(cd/m2)を除算すると電流効率(cd/A)を得ることができる。
ここで、電流効率が高いほど、電流に対する発光エネルギーへの変換効率が高いことになり、素子性能の指標になる。また、熱の発生、消費電力を抑制する観点からも、電流値、電圧値は低いほど好ましいことから、駆動電圧は低い方が好ましく、電流効率は高い方が好ましい。
上記表1の結果から、実施例2の有機電界発光素子(2)は、比較例1の比較有機電界発光素子(3)に比して、駆動電圧を有意に低下でき、かつ電流効率を有意に向上できることが分かる。これは、正孔輸送層に使用された正孔輸送材料(2)の電荷輸送性能が、比較正孔輸送材料(3)に比べ高いため、駆動電圧が低下し、電流効率が向上したものと推測する。
100 有機電界発光素子、
110 基板、
120 第1電極、
130 正孔注入層、
140 正孔輸送層、
150 発光層、
160 電子輸送層、
170 電子注入層、
180 第2電極。
110 基板、
120 第1電極、
130 正孔注入層、
140 正孔輸送層、
150 発光層、
160 電子輸送層、
170 電子注入層、
180 第2電極。
Claims (8)
- 下記式(1)で示される構成単位(A)、および下記式(2)で示される構成単位(B)を有する、電荷輸送材料:
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
KaおよびKbは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表し、この際、KaおよびKbの少なくとも一方は、架橋基を表す;
R6〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基を表す;
Bは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表す。 - 前記構成単位(A)は、下記式で示される基である、請求項1に記載の電荷輸送材料:
Aは、単結合、またはハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルバゾール基およびシリル基からなる群より選ばれる少なくとも一の置換基で置換される、または無置換の、2価の芳香族基もしくは複素環基を表し、
Kaは、架橋基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、カルバゾール基またはシリル基を表す。 - 上記式(1)中、Aはベンゼン環由来の基(フェニレン基)であり、上記式(3)中、Bはベンゼン環由来の基(フェニレン基)である、請求項1または2に記載の電荷輸送材料。
- 前記式(2)中、R9およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基およびシリル基からなる群より選ばれる一の置換基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
- 前記構成単位(B)は、架橋基を有しないこと以外は前記構成単位(A)と同一構造である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
- 前記構成単位(A)および構成単位(B)の比は、電荷輸送材料において、構成単位(A):構成単位(B)=1:99〜50:50の比(モル比)で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
- 第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機膜と、
を備える有機電界発光素子であって、
前記有機膜の少なくとも1層は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電荷輸送材料を含む、有機電界発光素子。 - 前記電荷輸送材料を含む有機膜が、正孔注入層または正孔輸送層である、請求項7に記載の有機電界発光素子。
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