JP2018107327A - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易で混色を低減した高精細で感度の良い固体撮像素子を提供する。
【解決手段】固体撮像素子は、半導体基板10上に形成され、各光電変換素子11に対応させて複数色の色フィルターを予め設定した規則パターンで二次元的に配置した色フィルター層30と、複数色から選択した第1の色の色フィルター14と半導体基板10との間のみに配置された下層平坦化層12と、を備える。第1の色の色フィルター14の膜厚をA[nm]、下層平坦化層12の膜厚をB[nm]、第1の色以外の色の色フィルター15、16の膜厚をC[nm]とした場合に、下記(1)〜(3)式を満足する。
200[nm]≦A≦700[nm] ・・・(1)
0[nm]<B≦200[nm] ・・・(2)
A<C≦A+B+200[nm] ・・・(3)
【選択図】図1

Description

本発明は、CCD、CMOS等の光電変換素子を使用した固体撮像素子に関する技術である。
デジタルカメラ等に搭載されるCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子は、近年、高画素化、微細化が進んでおり、特に微細なものでは1.4μm×1.4μmを下回るレベルの画素サイズとなっている。
固体撮像素子は、画素のそれぞれに配置された光電変換素子と、所定の色パターンからなる色フィルター層とによってカラー化を図っている。また、各光電変換素子が光電変換に寄与する領域(開口部)は、固体撮像素子のサイズや画素数に依存する。その開口部は、固体撮像素子の全面積に対し、20〜50%程度に限られている。開口部が小さいことはそのまま光電変換素子の感度低下につながることから、固体撮像素子では感度低下を補うために、光電変換素子上に集光用のマイクロレンズを形成することが一般的である。
また、近年、裏面照射の技術を用いたイメージセンサが開発されており、光電変換素子の開口部を固体撮像素子の全面積の50%以上にすることができるようになっている。しかしながら、この場合、一の色フィルターに対し隣接する他の色フィルターの漏れ光が入る可能性があるため、適切なサイズや形状のマイクロレンズを形成することが必要となっている。
所定パターンの色フィルター層を形成する方法としては、通常、特許文献1に記載のように、フォトリソグラフィプロセスによって各色の色フィルターをパターン形成する手法が用いられる。
また、他のパターン形成の方法として、特許文献2には、固体撮像素子上に、1色目の色フィルター層をドライエッチング工程によりパターニングして形成し、2色目以降の色フィルター層をフォトリソグラフィ工程によりパターニングして形成する方法が記載されている。
さらに、特許文献3には、全ての色の色フィルターをドライエッチングによりパターニングして形成する方法が記載されている。
近年、800万画素を超える高精細CCD撮像素子への要求が大きくなり、これら高精細CCDにおいて付随する色フィルターパターンの画素サイズとして1.4μm×1.4μmを下回るレベルの撮像素子への要求が大きくなっている。しかしながら、画素サイズを小さくすることにより、フォトリソグラフィプロセスでパターン形成された色フィルター層の解像性が不足し、固体撮像素子の特性に悪影響を及ぼすという問題が生じている。一辺が1.4μm以下、あるいは1.1μmや0.9μm近傍の画素サイズの固体撮像素子では、解像性の不足がパターンの形状不良に起因する色むらとなって現れる。
また、画素サイズが小さくなると、色フィルター層のパターンのアスペクト比が大きくなる(色フィルター層のパターンの幅に対して厚みが大きくなる)。このような色フィルター層をフォトリソグラフィプロセスでパターン形成する場合、本来除去されるべき部分(画素の有効外部分)が完全に除去されず、残渣となって他の色の画素に悪影響を及ぼしてしまう。このとき、残渣を除去するために現像時間を延長する等の方法を行った場合、硬化させた必要な画素まで剥がれてしまうという問題も発生している。
また、満足する分光特性を得ようとすると、色フィルターの膜厚を厚くせざるを得ない。しかしながら、色フィルターの膜厚が厚くなると、画素の微細化が進むに従って、パターン形成した各色フィルターの角が丸まる等、解像度が低下する傾向となる。色フィルターの膜厚を厚くし且つ分光特性を得ようとすると、色フィルターの材料に含まれる顔料濃度(着色剤の濃度)を上げる必要がある。しかしながら、顔料濃度を上げると光硬化反応に必要な光が色フィルター層の底部まで届かず、色フィルター層の硬化が不充分となるおそれがある。このため、フォトリソグラフィにおける現像工程で色フィルター層が剥離し、画素欠陥が発生するという問題がある。
また、色フィルターの膜厚を薄くし且つ分光特性を得るために色フィルターの材料に含まれる顔料濃度を上げた場合、相対的に光硬化成分を低減させることになる。このため、色フィルター層の光硬化が不十分となり、形状の悪化、面内での形状不均一、形状崩れ等が発生しやすくなる。また、十分に光硬化させるために硬化時の露光量を多くすることで、スループットが低下するという問題が発生する。
色フィルター層のパターンの高精細化により、色フィルター層の膜厚は、製造工程上の問題だけではなく、固体撮像素子としての特性にも影響する。色フィルター層の膜厚が厚い場合、斜め方向から入射した光が特定色の色フィルターによって分光されたのち、隣接する他の色のフィルターパターン部及びその下の光電変換素子に入光する場合がある。この場合、混色が生じるという問題が発生する。この混色の問題は、画素サイズが小さくなり、パターンサイズを規定する画素サイズと色フィルターの膜厚とのアスペクト比が大きくなるにつれて顕著になる。また、入射光の混色という問題は、光電変換素子が形成された基板上に平坦化層等の材料を形成することで、色フィルターパターンと光電変換素子との距離が長くなる場合にも顕著に生じる。このため、色フィルター層やその下部に形成される平坦化層等の膜厚の薄膜化が重要となる。
以上のことから、固体撮像素子の画素数を増やすためには、色フィルター層のパターンの高精細化が必要であり、また色フィルター層の薄膜化が重要となる。
上述のように、従来の、色フィルター材料に感光性を持たせてフォトリソグラフィにより形成される色フィルター層のパターン形成は、画素の寸法の微細化が進むにつれて、色フィルター層の膜厚の薄膜化も求められる。この場合、色フィルター材料中の顔料成分の含有割合が増えることから、感光性成分を十分な量含有できず、解像性が得られない、残渣が残りやすい、画素剥がれが生じやすいという問題があり、固体撮像素子の特性を低下させる課題があった。
そこで、色フィルター層のパターンの微細化及び薄膜化を行うために、特許文献2、3の技術が提案されている。特許文献2、3では、色フィルター用材料中の顔料濃度を向上できるように、感光性成分を含有しなくてもパターニングが可能なドライエッチングにより複数色の色フィルターをパターン形成している。これらのドライエッチングを用いる技術により、顔料濃度を向上させることが可能となり、薄膜化を行っても十分な分光特性を得られる色フィルターパターンが作製可能となる。
特開平11−68076号公報 特許第4857569号公報 特許第4905760号公報
しかしながら、顔料含有率を高くした色フィルター材料は、溶剤耐性が低下して分光特性が変化するという課題があった。また、色フィルター層を構成する3色以上の色フィルターをドライエッチング工程でパターン形成する場合には、工程数が増加して、ドライエッチングでの残渣の発生が複数発生する可能性が起こる。一方、第2色目以降の色フィルターをリソグラフィで作製する場合は、感光性樹脂の含有量とパターニング性の観点から薄膜化に限界が生じ、1色目の色フィルターと同様の薄膜化は困難となる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、製造が容易で混色を低減した高精細で感度の良い固体撮像素子を提供することを目的とする。
課題の解決のために、本発明の一態様である固体撮像素子は、複数の光電変換素子を二次元的に配置した半導体基板と、上記半導体基板上に形成され、各光電変換素子に対応させて複数色の色フィルターを予め設定した規則パターンで二次元的に配置した色フィルター層と、上記複数色から選択した第1の色の色フィルターと半導体基板との間のみに配置された下層平坦化層と、を備え、上記第1の色の色フィルターの膜厚をA[nm]、上記下層平坦化層の膜厚をB[nm]、上記第1の色以外の色の色フィルターの膜厚をC[nm]とした場合に、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とする。
200[nm]≦A≦700[nm] ・・・(1)
0[nm]<B≦200[nm] ・・・(2)
A<C≦A+B+200[nm] ・・・(3)
また、本発明の態様である固体撮像素子の製造方法は、半導体基板上に、下層平坦化層を形成し、その上に第1の色の色フィルター用の塗布液を塗布し硬化させて、下層平坦化層及び色フィルター層をこの順に形成した後、第1の色の色フィルターの配置位置以外の色フィルター層部分及びその除去する色フィルター層部分の下層に位置する下層平坦化層部分をドライエッチングによって除去して第1の色の色フィルターを形成する第1の工程と、第1の工程後に、第1の色の以外の色の色フィルターを、フォトリソグラフィによってパターニングして形成する第2の工程と、を有する。
本発明の態様によれば、第1の色の色フィルター以外の色フィルターの下側に下層平坦層を設けない分、第1の色の色フィルターよりも相対的に膜厚を厚く形成出来るため、全体を薄膜化しても、第1の色の色フィルター以外は、顔料含有率の少ない従来色フィルター材料を用いたまま、薄膜化を実施することが可能となる。この結果、混色を低減した高精細な固体撮像素子を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る固体撮像素子の断面図である。 本発明の実施形態に係る色フィルター配列の部分平面図である。 第1の実施形態に係る第1の色フィルターパターンの塗布工程及び感光性樹脂パターン材料を用いて第2以降の色フィルターを形成する箇所を開口させる工程順を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第1の色の色フィルターパターンをドライエッチング法により作製する工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の第2、第3の色の色フィルターパターンをフォトリソグラフィにより作製する工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態のマイクロレンズの作製工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第1の実施形態のマイクロレンズをエッチバックによる転写方法で作製する場合を工程順に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る別例の固体撮像素子の断面図である。 本発明の第2の実施形態の第1の色の色フィルターパターンを作製する工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の第1の色の色フィルターパターンを作製する工程を工程順に示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の第1の色の色フィルターパターンを光硬化のみで次工程の感光性樹脂パターン材料の塗布を行う場合を工程順に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定されるものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
「第1の実施形態」
<固体撮像素子の構成>
本実施形態に係る固体撮像素子は、図1に示すように、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10と、半導体基板10の上方に配置された複数のマイクロレンズ18からなるマイクロレンズ群と、半導体基板10とマイクロレンズ18との間に設けられた色フィルター層30とを備えている。色フィルター層30は、複数色の色フィルター14、15、16が所定の規則パターンで配置されて構成される。本実施形態では、図1のように隣り合う色フィルター間に段差が形成されている場合の例である。
本実施形態の固体撮像素子は、半導体基板10の表面に形成された下層平坦化層12が最も面積の広い色フィルター14の下部にのみ形成されている。
また、色フィルター層30と複数のマイクロレンズ18からなるマイクロレンズ群との間に、上層平坦化層13が形成されている。
以下、本実施形態に係る固体撮像素子の説明にあたり、製造工程上、最初に形成する、最も面積が広い色フィルターを第1の色の色フィルター14と定義する。また、製造工程上二番目に形成する色フィルターを第2の色の色フィルター15、製造工程上三番目に形成する色フィルターを第3の色の色フィルター16と定義する。他の実施形態であっても同様である。
本実施形態に係る固体撮像素子では、第1の色の色フィルター14には、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂を含んでいる。光硬化性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂の含有量よりも少ない。
ここで、第1の色の色フィルター14は、最も面積が広い色フィルターで無くとも良く、また一番目に形成される色フィルターで無くても良い。
また本実施形態では、色フィルター層30が、複数色がグリーン、レッド、ブルーの3色から構成され、ベイヤー配列の配置パターンで配置される場合で例示するが、4色以上からなる色フィルター層であってもよい。
以下の実施形態の説明では、第1の色がグリーン、第2の色がレッドの場合を想定して説明する。
以下、固体撮像素子の各部について詳細に説明する。
(光電変換素子及び半導体基板)
半導体基板10は、画素に対応させて複数の光電変換素子11が二次元的に配置されている。各光電変換素子11は、光を電気信号に変換する機能を有している。
光電変換素子11が形成されている半導体基板10は、通常、表面(光入射面)の保護及び平坦化を目的として、最表面に保護膜が形成されている。半導体基板10は、可視光を透過して、少なくとも300℃程度の温度に耐えられる材料で形成されている。このような材料としては、例えば、Si、SiO等の酸化物及びSiN等の窒化物、並びにこれらの混合物等、Siを含む材料等が挙げられる。
(マイクロレンズ)
各マイクロレンズ18は、画素位置に対応させて、半導体基板10の上方に配置されている。すなわち、マイクロレンズ18は、半導体基板10に二次元配置された複数の光電変換素子11毎に設けられる。マイクロレンズ18は、マイクロレンズ18に入射した入射光を光電変換素子11のそれぞれに集光させることにより、光電変換素子11の感度低下を補う。
マイクロレンズ18は、レンズトップからレンズボトムの高さが400nm以上800nm以下の範囲であることが好ましい。
(下層平坦化層)
下層平坦化層12は、半導体基板10の表面保護及び平坦化のために設けられた層である。すなわち、下層平坦化層12は、光電変換素子11の作製による半導体基板10の上面の凹凸を低減し、色フィルター用材料の密着性を向上させる。
本実施形態では、下層平坦化層12は、第1の色の色フィルター14の下部以外の箇所は後述するドライエッチング工程その他で除去されて存在していない。
下層平坦化層12は、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂及びスチレン系樹脂等の樹脂を一又は複数含んだ樹脂により形成される。また、下層平坦化層12は、これらの樹脂に限らず、波長が400nmから700nmの可視光を透過し、色フィルター14、15、16のパターン形成や密着性を阻害しない材料であれば、いずれも用いることができる。
下層平坦化層12は、色フィルター14、15、16の分光特性に影響を与えない樹脂により形成されることが好ましい。例えば、下層平坦化層12は、波長が400nmから700nmの可視光に対して透過率90%以上となるように形成されることが好ましい。
ここで、第1の色の色フィルター14の下側に設ける下層平坦化層12を省略しても良い。
本実施形態では、下層平坦化層12の膜厚B[nm]を、1[nm]以上200[nm]以下に形成する。膜厚Bは好ましくは100[nm]以下であり、更に好ましくは60[nm]以下である。下層平坦化層12の膜厚Bは、混色防止の観点からは薄いほど好ましい。
(上層平坦化層)
上層平坦化層13は、色フィルター14、15、16の上面を平坦化するために設けられた層である。
上層平坦化層13は、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スチレン系樹脂等の樹脂を一又は複数含んだ樹脂により形成される。なお、上層平坦化層13は、マイクロレンズ18と一体化していても問題ない。
上層平坦化層13の膜厚は、例えば1[nm]以上300[nm]以下である。好ましくは100[nm]以下、より好ましくは60[nm]以下である。混色防止の観点からは薄いほど好ましい。
(色フィルター)
所定パターンで色フィルター層30を構成する色フィルター14、15、16は、入射光を色分解する各色に対応するフィルターである。色フィルター14、15、16は、半導体基板10とマイクロレンズ18との間に設けられ、画素位置に応じて、複数の光電変換素子11のそれぞれに対応するように予め設定された規則パターンで配置されている。
図2に、各色の色フィルター14、15、16の配列を平面的に示す。図2に示す配列例は、いわゆるベイヤー配列である。
色フィルター14、15、16は、所定の色の顔料(着色剤)と、熱硬化成分や光硬化成分を含んでいる。例えば、色フィルター14は着色剤としてグリーン顔料を含み、色フィルター15はブルー顔料を含み、色フィルター16はレッド顔料を含んでいる。
本実施形態では、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とを含んでいるが、熱硬化性樹脂の配合量の方が多いことが好ましい。この場合、例えば、固形分中の硬化成分は5質量%以上40質量%以下とし、熱硬化性樹脂を5質量%以上20質量%以下とし、光硬化性樹脂を1質量%以上20質量%以下、好ましくは熱硬化性樹脂を5質量%以上15質量%以下とし、光硬化性樹脂を1質量%以上10質量%以下の範囲とする。
ここで、硬化成分を熱硬化成分のみとする場合には、固形分中の硬化成分は5質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上15質量%以下の範囲とする。一方、硬化成分を光硬化成分のみとする場合には、固形分中の硬化成分は10質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上20質量%以下の範囲とする。
本実施形態では、図2に示すベイヤー配列の色フィルターを有する固体撮像素子について説明する。しかしながら、固体撮像素子の色フィルターは、必ずしもベイヤー配列に限定されず、また、色フィルターの色もRGBの3色にも限定されない。また、色フィルターの配列の一部に屈折率を調整した透明の層を配置してもよい。
第1の色の色フィルター14の膜厚A[nm]は、200[nm]以上700[nm]以下に形成する。好ましくは、膜厚A[nm]は、400[nm]以上600[nm]以下である。より好ましくは膜厚A[nm]は500[nm]以下である。
また、第1の色以外の色の色フィルター15、16の膜厚をC[nm]とした場合に、下記式を満足する膜厚に形成する。
A[nm]<C≦A+B+200[nm]
好ましくは、A+B[nm]<C≦A+B+200[nm](但し、B≧1[nm])を満足する膜厚とする。
但し、第2の色の色フィルター15の膜厚と、第3の色の色フィルター16の膜厚とが異なっていても良い。第2の色がレッドであり、第3の色がブルーの場合、レッドの色フィルターの膜厚が、グリーンの色フィルターの膜厚よりも厚いことが好ましい。
ここで、(A+B)の膜厚とCの膜厚との膜厚差を200[nm]以下としているのは、一部の膜厚差が200[nm]を越える部分があると、他の画素への斜め入射光の影響により、受光感度が低下するおそれがあるためである。また、200[nm]を越える段差が形成される場合、上部のマイクロレンズ18の形成が困難となる場合がある。
また、色フィルター層30を薄膜化するため、第1〜第3の色の各色フィルターに含有する顔料(着色剤)の濃度は、50質量%以上であることが好ましい。
<固体撮像素子の製造方法>
次に、図3及び図4を参照して、第1の実施形態の固体撮像素子の製造方法について説明する。
(下層平坦化層の形成工程)
図3(a)に示すように、複数の光電変換素子11を有する半導体基板10を準備し、その表面のフィルター層形成位置全面に、下層平坦化層12を形成する。下層平坦化層12は、例えば上述したアクリル系樹脂等の樹脂材料を一つもしくは複数含んだ樹脂や、酸化化合物、窒化化合物等の化合物により形成される。
下層平坦化層12は、上述した樹脂材料を含む塗布液を塗布して加熱を行い硬化させる方法によって形成される。また、下層平坦化層12は、上述した化合物の膜を、蒸着、スパッタ、CVD等の各種方法で成膜することにより形成してもかまわない。
ここで、本実施形態に係る固体撮像素子の製造方法は、従来の感光性色フィルター用材料を用いてフォトリソグラフィによって色フィルター層30を構成する各色フィルター14、15、16を直接パターニングして製造する方法とは異なる。
すなわち、本実施形態に係る固体撮像素子の製造方法では、第1の色の色フィルター用材料を全面に塗布し硬化させて第1の色の色フィルター層14Aを形成した後で(図3(d)参照)、その第1の色の色フィルター層14Aにおける他の色フィルターを形成する箇所をドライエッチングで除去する。これにより、第1の色の色フィルター14のパターン(図4(b)参照)が形成される。そして、周辺が第1の色の色フィルター14のパターンで囲まれている部分に第2以降の色フィルター(第2、第3の色の色フィルターのパターン15、16)をパターン形成する。このとき、先に形成した第1の色の色フィルター14のパターンをガイドパターンとして用いて、高温の加熱処理により第2以降の色フィルター材料を硬化させる。このため、第2以降の色フィルターの下側に下層平坦化層12が無くても、半導体基板10と色フィルター15、16との密着性を向上させることができる。
以下、その形成工程について説明する。
(第1の色の色フィルター層形成工程(第1の工程))
まず、図3(b)〜(d)に示すように、半導体基板10上に形成した下層平坦化層12の表面に、第1の色の色フィルター14を形成する工程について説明する。ガイドパターンとしては、第1の色の色フィルター14は、固体撮像素子で最も占有面積の広い色の色フィルターが好ましい。
複数の光電変換素子11が二次元的に配置された半導体基板10上に形成した下層平坦化層12の表面に、図3(b)のように、樹脂材料を主成分とし第1の顔料(着色剤)を分散させた第1の樹脂分散液からなる第1の色の色フィルター用材料14aを塗布する。本実施形態に係る固体撮像素子は、図2に示すようにベイヤー配列の色フィルターを用いることを想定している。このため、第1の色は、グリーン(G)であることが好ましい。
第1の色の色フィルター用材料の樹脂材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及び紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹脂を含有する混合樹脂を用いる。但し、光硬化性樹脂の配合量を熱硬化性樹脂の配合量よりも少なくする。樹脂材料として熱硬化性樹脂を多く用いることで、硬化性樹脂として光硬化性樹脂を多く用いる場合と異なり、第1の色の色フィルター層14Aの顔料含有率を高くすることが可能となり、薄膜で且つ所望の分光特性を得られる第1の色の色フィルター14を形成し易くなる。
ただし、本実施形態では、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂の両方を含有する混合樹脂で説明するが、必ずしも混合樹脂に限定されず、いずれか一方の硬化性樹脂のみを含有する樹脂でもよい。
次に、図3(c)に示すように、第1の色の色フィルター層14Aの全面に紫外線を照射して、色フィルター層14Aを光硬化する。本実施形態では、従来手法のように色フィルター用材料に感光性を持たせて露光することで所望のパターンを直接形成する場合と異なり、色フィルター層14Aの全面を硬化するため、感光性成分の含有量を低下させても硬化が可能となる。
次に、図3(d)に示すように、第1の色の色フィルター層14Aを200℃以上300℃以下で熱硬化する。より具体的には、230℃以上270℃以下の温度で加熱することが好ましい。固体撮像素子の製造においては、マイクロレンズ18の形成時に200℃以上300℃以下の高温加熱工程が用いられることが多いため、第1の色の色フィルター用材料は、高温耐性があることが望ましい。このため、樹脂材料として、高温耐性のある熱硬化性樹脂を用いることがより好ましい。
(エッチングマスクパターン形成工程)
次に、図3(e)から図3(g)に示すように、前工程で形成した第1の色の色フィルター層14A上に開口部を有するエッチングマスクパターンを形成する。
まず、図3(e)に示すように、第1の色の色フィルター層14Aの表面に、感光性樹脂マスク材料を塗布して乾燥し、感光性樹脂層20を形成する。
次に、図3(f)に示すように、感光性樹脂層20に対してフォトマスク(図示せず)を用いて露光し、必要なパターン以外が現像液に可溶となる化学反応を起こす。
次に、図3(g)に示すように、現像により感光性樹脂層20の不要部(露光部)を除去する。これにより、開口部20bを有するエッチングマスクパターン20aが形成される。開口部20bの位置には、後の工程で第2の色の色フィルター又は第3の色の色フィルターが形成される。
感光性樹脂材料としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノールノボラック系樹脂、その他の感光性を有する樹脂を単独でもしくは複数混合あるいは共重合して用いることができる。感光性樹脂層20をパターニングするフォトリソグラフィプロセスに用いる露光機は、スキャナー、ステッパー、アライナー、ミラープロジェクションアライナーが挙げられる。また、電子線での直接描画、レーザでの描画等により露光を行ってもよい。なかでも、微細化の必要な固体撮像素子の第1の色の色フィルター14を形成するためには、ステッパーやスキャナーが一般的に用いられる。
感光性樹脂マスク材料としては、高解像で高精度なパターンを作製するために、一般的なフォトレジストを用いることが望ましい。フォトレジストを用いることで、感光性を持たせた色フィルター用材料でパターンを形成する場合と異なり、形状制御が容易で、寸法精度の良いパターンを形成することが出来る。
この際用いるフォトレジストは、ドライエッチング耐性の高いものが望ましい。ドライエッチング時のエッチングマスク材として用いる場合は、エッチング部材とのエッチング速度である選択比を向上させるために、現像後にポストベークと呼ばれる熱硬化工程が用いられることが多い。しかし、熱硬化工程が含まれると、ドライエッチング後に、エッチングマスクとして用いた残留レジストの除去工程での除去が困難となることがある。このため、フォトレジストとしては、熱硬化工程を用いなくてもエッチング部材との間で選択比が得られるものが好ましい。また、良好な選択比が得られない場合、フォトレジスト材料の膜厚を厚く形成する必要があるが、厚膜化すると微細パターン形成が困難となる。このため、フォトレジストとしては、ドライエッチング耐性が高い材料が好ましい。
具体的には、エッチングマスクである感光性樹脂マスク材料とドライエッチングの対象である第1の色の色フィルター用材料のエッチング速度比(選択比)は、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましい。この選択比があれば、エッチングマスクパターン20aを全て消滅させることなく、色フィルター14をエッチングする事が可能である。第1の色の色フィルター用材料の膜厚が0.3μm以上0.8μm以下程度の場合、感光性樹脂マスク層20aの膜厚は、0.6μm以上2.0μm以下程度であることが望ましい。
またこの際に用いるフォトレジストとしては、ポジ型レジスト又は、ネガ型レジストのどちらでも問題ない。しかしながら、エッチング後のフォトレジスト除去を考えると、外部要因により、化学反応が進み硬化する方向に変化するネガ型レジストよりも、化学反応が進み溶解する方向に化学反応が起こりやすいポジ型レジストが望ましい。
以上のようにして、エッチングマスクパターンが形成される。
(第1の色の色フィルター形成工程)
エッチングマスクパターン及びドライエッチングガスを用いたドライエッチングにより、図4(a)に示すように、開口部20bから露出する第1の色の色フィルター層14Aの一部分を除去する。
ドライエッチングの手法としては、例えば、ECR、平行平板マグネトロン、DRM、ICP、あるいは2周波タイプのRIE(Reactive Ion Etching)等が挙げられる。エッチング方式については特に制限されないが、幅数mm以上の大面積パターンや数百nmの微小パターン等の線幅や面積が異なってもエッチングレートや、エッチング形状が変わらないように制御できる方式のものが望ましい。また100mmから450mm程度のサイズのウエハ全面で、面内均一にドライエッチングできる制御機構のドライエッチング手法を用いることが望ましい。
ドライエッチングガスは、反応性(酸化性・還元性)を有する、すなわちエッチング性のあるガスであればよい。反応性を有するガスとしては、例えば、フッ素、酸素、臭素、硫黄及び塩素等を含むガスを挙げることができる。また、アルゴンやヘリウム等の反応性が少なくイオンでの物理的衝撃によるエッチングを行う元素を含む希ガスを単体又は混合させて使用することが出来る。またガスを用いてのプラズマ環境下でのドライエッチング工程で、所望のパターンを形成する反応を起こすガスであれば、これらには限定されなくても問題ない。本実施形態では初期の段階で全ガス流量の90%以上を希ガス等のイオンの物理的衝撃が主体でエッチングを行うガスとし、そこにフッ素系ガスや酸素系ガスを混合したエッチングガスを用いることで、化学反応も利用してエッチングレートを向上させる。
本実施形態では、半導体基板10はシリコンを主体とした材料により構成されている。このため、ドライエッチングガスとしては、色フィルター用材料をエッチングし、且つ下地の半導体基板10をエッチングしないガスを用いることが望ましい。また、半導体基板10をエッチングするガスを用いる場合には、最初に半導体基板10をエッチングするガスを用い、途中で半導体基板10をエッチングしないガスに変更してエッチングを行う多段階エッチングとしてもよい。なお、半導体基板10に影響がなく、エッチングマスクパターン20aを用いて垂直に近い形状で色フィルター用材料のエッチングができ、色フィルター用材料の残渣が形成されなければ、エッチングガスの種類は制限されない。
本実施形態では、アルゴン、ヘリウム等の反応性の少ない元素を含む希ガスを全ガス流量の90%以上にして、且つフッ素系及び酸素系等の反応性を有するガス種が1種類以上混合されたドライエッチングガスを用いる。これにより、化学反応を用いてエッチングレートを向上させられる。
また、このエッチング条件でエッチングを実施した場合、エッチングマスクパターン側壁への反応生成物の付着量が多くなり、エッチングマスク20の除去が困難となる。そのため、ドライエッチング条件を、状況に応じて多段階で変更することでエッチングマスク20の除去を容易とすることが望ましい。
具体的には、エッチング初期において、反応性の少ない希ガスを全ガス流量の90%以上とし、かつ反応性を有するガスを含むエッチングガスを用いてエッチングを行う。このとき、第1の色の色フィルター層14Aの初期膜厚に対して、30%以上90%以下のエッチングを行うことが好ましく、50%以上80%以下のエッチングを行うことがより好ましく、60%以上70%以下のエッチングを行うことがさらに好ましい。
次の段階では、反応性の少ない希ガスを全ガス流量の80%以下とし、且つフッ素系ガスや、酸素系ガス等の反応性を有するガス又はこれらを複数混合させたドライエッチングガスを用いてエッチングを行う。このとき、希ガスの量は、全ガス流量の70%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。
次に、これらのガス流量で、半導体基板10をエッチングしない範囲で、第1の色の色フィルター層14Aのエッチングを行う。その後、フッ素系ガスを除去して、Siを化学的にエッチングしないガス、例えば、酸素や希ガスの単ガス、又はこれら複数を混合したガスを用いて、第1の色の色フィルター層14Aの膜厚以上にエッチングを行うオーバーエッチングを行う。オーバーエッチングを行うことで、半導体基板10のエッチングの面内ばらつきによる影響を低減して、半導体基板10の全面で所望の位置の第1の色の色フィルター層14Aを除去し、第1の色の色フィルター14のパターンを形成することが可能となる。
上述した条件で、図4(b)に示すように、半導体基板10表面に達するまで第1の色の色フィルター層14Aのドライエッチングを行った後、エッチングマスクパターン20aを除去することで、第1の色の色フィルター14のパターンを形成することができる。本実施形態において、開口部20bから露出する第1の色の色フィルター層14Aの一部分を除去する際、開口部20bに位置する下層平坦化層12の部分がエッチングされる。そのため第1の色の色フィルター14のパターン位置の下部のみ、下層平坦化層12が残存する構成となる。
下層平坦化層12の材質によっては、前述したドライエッチング工程では、エッチングレートが遅く、第2以降の色フィルター形成箇所の下層平坦化層12が除去しきれない場合がある。その場合は、マイクロレンズトップからデバイスまでの距離が長くなり、第2以降の色フィルターの薄膜化の効果が低下する。このため、更なる下層平坦化層12の除去工程を実施する。具体的には、アルゴンなどの物理的エッチングを用い、エッチングマスクパターン20の膜厚を増加しての長時間エッチングによる除去や、下層平坦化層12をエッチングする溶剤を用いてのウェットエッチング工程の実施である。この場合、第1の色の色フィルターの上部は、エッチングマスクパターン20に覆われているが、側面はドライエッチングの反応生成物以外は第1の色の色フィルターが露出しているため、色フィルター材に影響を与えないか、もしくは影響が軽微なエッチング液が望ましい。
次に、残存しているエッチングマスクパターン20aの除去を行う(図4(b)参照)。エッチングマスクパターン20aの除去には、例えば薬液や溶剤を用いることで第1の色の色フィルター14に影響を与えず、エッチングマスクパターン20aを溶解、剥離する除去方法が挙げられる。エッチングマスクパターン20aを除去する溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸ブチル、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤を単独もしくは、複数を混合した混合溶剤が用いられる。また、この際用いる溶剤は、色フィルター用材料に影響を与えないものであることが望ましい。色フィルター用材料に影響を与えないのであれば、酸系の薬品を用いた剥離方法でも問題ない。
また、溶剤等のウェットプロセス以外の除去方法も用いることができる。光励起や酸素プラズマを用いたレジストの灰化技術であるアッシング技術を用いる方法により、エッチングマスクパターン20aを除去することができる。また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。例えば、始めに、光励起や酸素プラズマによる灰化技術であるアッシング技術を用いて、エッチングマスクパターン20aの表層のドライエッチングによる変質層を除去した後、溶剤等を用いたウェットエッチングにより残りの層を除去する方法が挙げられる。また、第1の色の色フィルター用材料にダメージの無い範囲であれば、アッシングのみでエッチングマスク20を除去しても構わない。また、アッシング等のドライプロセスだけでなく、CMPによる研磨工程等を用いても良い。
上記の工程により、第1の色の色フィルター14のパターニング形成が完了する。
第1の色の色フィルター14は、半導体基板10の全面に塗布した時点で、図3(b)(c)に示すように、全面に光硬化及び熱硬化を行っているが、現像工程や洗浄工程を行うため、更に硬化工程を用いてもよい。たとえば、200℃以上、300℃以下での高温加熱工程や、露光による光硬化である。
(第2以降の色フィルターのパターンの形成について)
次に、図5に示すように、第1の色の色フィルター14とは異なる色の顔料を含む第2、第3の色の色フィルター15、16を形成する。第1の色の色フィルター14のパターンをガイドパターンとすると共に、第2、第3の色の色フィルター15、16に光硬化性樹脂を含んだ感光性色フィルター用材料を用いて形成し、従来手法で選択的に露光してパターンを形成する手法である。
(第2以降の色フィルターのパターンを形成する手法(第2の工程))
はじめに、第2以降の色フィルターのパターンを形成する第1の手法について図5を用いて説明する。第1の手法は、第2の色の色フィルター15に感光性成分を有した色フィルター材料(カラーレジスト)を用いることに特徴がある。
まず図5(a)に示すように、第1の色の色フィルター14をパターン形成した半導体基板10の表面全面に、第2の色の色フィルター用材料として感光性色フィルター用材料を塗布、すなわち開口部20b全面に塗布し、乾燥を行い第2の色の色フィルター層15Aを形成する。この際用いる感光性色フィルター用材料は、光を当てることで硬化するネガ型の感光性成分を含有する。
この際、第1の色の色フィルター14の膜厚をA[nm]、下層平坦化層12の膜厚をB[nm]、第2の色の色フィルター15の膜厚をC1[nm]とした場合に、下記(1)式〜(3a)式を満足するように、第2の色の色フィルター15の膜厚C1を設定する。
200[nm]≦A≦700[nm] ・・・(1)
0[nm]<B≦200[nm] ・・・(2)
A<C≦A+B+200[nm] ・・・(3a)
第2の色の色フィルター15として、この膜厚C1の範囲であれば、硬化に十分な熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含みながら、所望の分光特性が得られる顔料濃度として、分散することができる。
次に、図5(b)に示すように、第2の色の色フィルター15を形成する部分に対して、フォトマスクを用いて露光を行い、第2の色の色フィルター層15Aの一部を光硬化させる。
次に、図5(c)のように、現像工程で選択的に露光されていない第2の色の色フィルター層15Aの一部15Aa(第3の色の色フィルタ形成位置)を除去して開口部31を形成する。次に、図5(d)に示すように露光を行った第2の色の色フィルター層15Aの一部と半導体基板10との密着性向上、及び実デバイス利用での耐熱性を向上させるために、高温加熱での硬化処理を行うことで残存した第2の色の色フィルター15を硬化させる。これにより、第2の色の色フィルター15のパターンを形成する。この際、硬化に用いる温度は、200℃以上が好ましい。
次に、図5(e)に示すように、第3の色の色フィルター用材料を半導体基板10の全面に塗布、すなわち第2の色の色フィルター15に形成した開口部の全面に塗布して、第3の色の色フィルター層16Aを形成する。
次に、図5(f)に示すように、第3の色の色フィルター層16Aのうちの第3の色の色フィルター16を形成する箇所を選択的に露光し、開口部30に位置する第3の色の色フィルター層16Aを光硬化させる。
次に、図5(g)のように、感光性の第3の色の色フィルター層16Aを現像し、露光されていない第3の色の色フィルター層16Aの一部を除去する。次に、図5(h)のように、露光を行った第3の色の色フィルター層16Aの一部と半導体基板10との密着性向上及び実デバイス利用での耐熱性を向上させるために、高温加熱での硬化処理を行うことで残存した第3の色の色フィルター層16Aを硬化させる。これにより、第3の色の色フィルター16が形成される。
なお、この第2の色の色フィルター15以降のパターン形成工程を繰り返すことで、所望の色数の色フィルターを形成することができる。
この際、第3の色の色フィルター16の膜厚をC2[nm]とした場合に、下記(1)式〜(3b)式を満足するように、第2の色の色フィルター16の膜厚C2を設定する。
200[nm]≦A≦700[nm] ・・・(1)
0[nm]<B≦200[nm] ・・・(2)
A<C2≦A+B+200[nm] ・・・(3b)
第3の色の色フィルター16として、この膜厚C2の範囲であれば、硬化に十分な熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含みながら、求める分光特性が得られる顔料濃度として、分散することができる。
上記の工程により、第2の色の色フィルター15及び第3の色の色フィルター16の高さが第1の色の色フィルター14の膜厚よりも高く形成される。特に、レッドの色フィルター15は、第1の色の色フィルター14と下層平坦化層12の膜厚を足した値よりも高く形成することが好ましい。本実施形態では、第2の色の色フィルター15及び第3の色の色フィルター16の高さを、第1の色の色フィルター14と下層平坦化層12の膜厚を足した値よりも高く形成する。
次いで、図6(a)に示すように、形成された色フィルター14、15、16上に上層平坦化層13を形成する。上層平坦化層13は、例えば上述したアクリル系樹脂等の樹脂材料を一つもしくは複数含んだ樹脂を用いて形成することができる。この場合、上層平坦化層13は、樹脂材料を半導体基板10の表面に塗布して加熱を行って硬化することにより形成することができる。また、上層平坦化層13は、例えば上述した酸化物又は窒化物等の化合物を用いて形成することができる。この場合、上層平坦化層13は、蒸着、スパッタ、CVD等の各種の成膜方法により形成することができる。
最後に、図6(b)に示すように、上層平坦化層13上に、マイクロレンズ18を形成する。マイクロレンズ18は、熱フローを用いた作製方法、グレートーンマスクによるマクロレンズ作製方法、ドライエッチングを用いた上層平坦化層13へのマイクロレンズ転写方法等の公知の技術により形成される。
上層平坦化層13の膜厚は、例えば1[nm]以上300[nm]以下である。好ましくは100[nm]以下、より好ましくは60[nm]以下である。
形状制御性に優れるドライエッチングによるパターニング技術を用いてマイクロレンズを形成する方法は、図7(a)に示すように、先ず、最終的にマイクロレンズとなる透明樹脂層32(上層平坦化層13を兼ねても良い)を色フィルター上に形成する。
次に、図7(b)に示すようにその透明樹脂層32の上に熱フロー法によってマイクロレンズの母型33(レンズ母型)を形成する。次に図7(c)に示すように、そのレンズ母型33をマスクとして、ドライエッチングの手法によってレンズ母型形状を透明樹脂層32に転写するという方法である。レンズ母型33の高さや材料を選択し、エッチングの条件を調整することで、適正なレンズ形状を透明樹脂層32に転写することができる。
上記の方法を用いることで、制御性良くマイクロレンズを形成することが可能となる。この手法を用いて、マイクロレンズのレンズトップからレンズボトムの高さが400〜800nmの膜厚となるようにマイクロレンズを作製することが望ましい。
以上の工程により、本実施形態の固体撮像素子が完成する。
本実施形態では、第1の色の色フィルター14を、最も占有面積の広い色フィルターとすることが好ましい。そして、第2の色の色フィルター15及び第3の色の色フィルター16は、感光性を有したカラーレジストを用いてフォトリソグラフィによりそれぞれ形成する。
感光性を有したカラーレジストを用いる技術は従来の色フィルターパターンの製造技術である。第1の色の色フィルター用材料は、下層平坦化層12の全面に塗布後、高温で加熱するため、半導体基板10及び下層平坦化層12との密着性を非常に強くできる。そのため、密着性が良好であり、矩形性良く形成されている第1の色の色フィルター14のパターンをガイドパターンとして、四辺が囲われた場所を埋めるように第2、第3の色の色フィルター15、16を形成することができる。そのため第2以降の色フィルターに感光性を持たせたカラーレジストを用いた場合でも、従来のように解像性を重視したカラーレジストとする必要はない。このため、光硬化性樹脂中の光硬化成分を少なくすることができるため、色フィルター用材料中の顔料の割合を多くでき、色フィルター15、16の薄膜化に対応できる。
第2以降の色フィルターを形成する箇所は、第1の色の色フィルター14のエッチング時に、下層平坦化層12がエッチング工程で除去されており、半導体基板10が表面に露出する工程となっている。この場合、半導体基板10の表面が酸化しており、親水性となっていることが考えられる。このような半導体基板10の表面に、第2以降の色フィルターをフォトリソグラフィ工程で形成すると、親水性を有する半導体基板10と第2以降の色フィルターとが接触している部分に現像液が回り込む。このため、第2以降の色フィルター(第2、第3の色の色フィルター15、16)が剥がれることが想定される。そのため、半導体基板10の表面状態によっては、既存の手法、例えばHDMS(ヘキサメチルジシラザン)処理等の方法により露出している半導体基板10の表面を疎水性とすることで、第2以降の色フィルターが剥がれる可能性を低減できる。
また、本実施形態では、第1の色の色フィルターに対して、第2以降の色フィルターの膜厚を厚く形成することに特徴がある。第1の色の色フィルター14は、光硬化に関与する樹脂成分等の含有率が少なく、かつ顔料含有率の高い色フィルター用材料で形成することが望ましい。特に、1色目の色フィルター用材料における顔料の含有率を70質量%以上に構成することが望ましい。それにより、第1の色の色フィルター用材料に、従来の感光性カラーレジストを用いたフォトリソグラフィプロセスでは硬化不充分になってしまう濃度の顔料が含まれていても、第1の色の色フィルター14を精度良く、残渣や剥がれもなく形成することができる。具体的には、第1の色の色フィルター14として従来手法の感光性を有したカラーレジストで最も顔料含有率を高くするのが困難なグリーンフィルターを用いることで、レッドフィルターあるいはブルーフィルターを従来手法どおりの膜厚で形成することで、容易に所望の分光特性を満たせる効果が期待できる。
第1の色の色フィルターにグリーン、第2、第3の色の色フィルターにレッドおよびブルーを用いた場合、ドライエッチングを用いて第1の色の色フィルターを矩形性良く形成することでグリーンの信号強度が上昇する。光の屈折率の関係から、グリーンからレッド方向及びブルーからグリーン方向へ、光が曲げられる傾向にあるが、第2及び第3の色の色フィルターが上部に飛び出ている形であるため、レッドの信号強度が上昇する効果が期待できて、混色防止効果が増大する。
また、最初の第1の色の色フィルター14を、パターン形成ではなく光硬化に重点を置き感光性成分を少なくし、更に熱硬化成分で硬化させることを主体とした第1の色の色フィルター用材料を用いて形成する。そうすることで、第1の色の色フィルター14は、半導体基板10および下層平坦化層12に密着し、他の色フィルター形成時に生じる残渣や剥がれがなく、また高い解像度とすることができる。そして、第2、第3の色の色フィルター15、16は、感光性の第2、第3の色の色フィルター用材料を用いて、工程が少なく効率のよいフォトリソグラフィの形成工法で形成される。そうすることで、最初に形成した第1の色の色フィルター14のパターンが、正確なパターンガイドとなり、第2、第3の色の色フィルター15、16のパターンをフォトリソグラフィで形状良く形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、第1の色の色フィルター以外の色フィルターの下側に下層平坦層を設けない分、第1の色の色フィルターよりも相対的に厚く形成出来るため、全体を薄膜化しても、第1の色の色フィルター以外は、顔料含有率の少ない従来色フィルター材料を用いたまま、薄膜化を実施することができ、混色を低減した高精細な固体撮像素子を提供することが可能となる。
ここで、上記説明では、図1では、第2および第3の色の色フィルター15、16の膜厚が共に、(第1の色の色フィルターの膜厚+下層平坦化層12の膜厚)よりも大きい場合を例示しているが、図8に示すように、ブルーの色フィルターの上面とグリーンの色ファイルーの上面とが面一となるように構成しても良い。また図8では、上側平坦化層を省略した例である。
第2以降の色フィルターの形成順序は、相対的に膜厚の薄い色フィルターを先に形成するように形成順序を設定しても良い。
「第2の実施形態」
以下、図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法について説明する。本発明の第2の実施形態に係る固体撮像素子は、構造は第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態は、第1の色の色フィルターの硬化時点での工程が異なるため、第1の色の色フィルターの硬化工程について示す。
<固体撮像素子の構成>
本実施形態に係る固体撮像素子は、第1の色の色フィルター材料に感光性樹脂材料が含まれておらず、熱硬化性樹脂のみで形成されている点に特徴を有している。熱硬化性樹脂のみの為、顔料濃度を向上させることができ、第1の色の色フィルターを薄膜化しやすくなる利点がある。
本実施形態に係る固体撮像素子は、図1に示すように、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10と、マイクロレンズ18とを備えている。また、本実施形態に係る固体撮像素子は、半導体基板10とマイクロレンズ18との間に設けられた、複数色の色フィルター14、15、16かなる色フィルター層30と、半導体基板10上に部分的に設けられた下層平坦化層12と、色フィルター層30の表面上に設けられた上層平坦化層13と、を備えている。
ここで、第2の実施形態に係る固体撮像素子において、第1の実施形態に係る固体撮像素子の各部と同様の構成である場合には、第1の実施形態に用いた参照符号と同じ参照符号を付すものとする。すなわち、光電変換素子11を有する半導体基板10、下層平坦化層12、色フィルター14、15、16、上層平坦化層13及びマイクロレンズ18のそれぞれは、第1の実施形態に係る固体撮像素子の各部と同様の構成である。このため、第1の実施形態に係る固体撮像素子の各部と共通する部分についての詳細な説明については省略する。その他の実施形態でも同様である。
<固体撮像素子の製造方法>
次に、図9を参照して、本実施形態の固体撮像素子の製造方法について説明する。
図9(a)に示すように、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10の上に下層平坦化層12を形成する。下層平坦化層12は、色フィルターの密着性を向上する効果がある。
次に、図9(b)から図9(d)に示すように、第1の色の色フィルター層14Aを形成し、その上に感光性樹脂マスク層20を形成する。本実施形態で示す第1の色の色フィルター層14Aは熱硬化性樹脂を含んでおり、光硬化性樹脂を含んでいない。また、顔料含有率を向上させた場合、前述した通り色フィルターは、溶剤耐性が低下する可能性がある。そのため、溶剤耐性のある熱硬化性樹脂を用いて、高温加熱を行い、架橋密度が高い加熱硬化を実施する。具体的には、230℃以上の高温硬化工程であり、デバイスの後工程でかかる250℃以上の高温硬化がより望ましい。この高温加熱工程で形成した第1の色の色フィルター層14A上に感光性樹脂マスク層20を形成する。
次にフォトマスクを用いて、第2、第3の色の色フィルター形成箇所が開口するように露光し、現像することで、開口部を有するエッチングマスク20を形成する。このあとの工程は前述した第1の実施形態の工程と同様である。
本実施形態により、第1の色の色フィルター14に感光性成分を含まず、熱硬化成分のみのため、顔料濃度を容易に高濃度化しやすい利点がある。また、熱硬化温度を高温化することで、第1の色の色フィルター14の溶剤耐性を向上することができる。
第2の実施形態に係る発明は、第1の実施形態に記載した各効果に加えて、さらに以下の効果を有する。第1の色の色フィルター14を熱硬化成分である熱硬化性樹脂で形成することで、顔料成分の高濃度化が容易となり、所望の分光特性を薄膜で形成することが可能となる。
「第3の実施形態」
以下、図10を参照して、本発明の第3の実施形態に係る固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法について説明する。
<固体撮像素子の構成>
本実施形態に係る固体撮像素子は、第1の色の色フィルター材料が硬化成分として感光性樹脂のみで構成されている点に特徴を有している。感光性樹脂材料を含んでいる構成は、従来手法の感光性を付与したカラーレジストを用いてのフォトリソグラフィによる色フィルター形成工程と同様である。しかし本実施形態では、感光性樹脂を用いるが従来のようなパターニングを行うわけではなく、全面を露光することで光硬化を行い、その後高温加熱で色フィルターの水分を蒸発させ加熱硬化を行う。このため、従来手法に比べて、感光性の硬化成分量を少なくでき、顔料濃度を向上させることが可能となるため、第1の色の色フィルター14を薄膜化しやすくなる利点がある。
本実施形態に係る固体撮像素子の構造は、第1及び第2と同様である。ただし、第1の色の色フィルター14の硬化時点での工程が異なる。このため、第1の色の色フィルター14の硬化工程及び、パターニング工程について示す。
<固体撮像素子の製造方法>
次に、図10を参照して、本実施形態の固体撮像素子の製造方法について説明する。
図10(a)に示す半導体基板10の表面に下層平坦化層12を形成する。
次に、図10(b)に示すように、下層平坦化層12上に第1の色の色フィルター層14Aを塗布により形成する。
次に、図10(c)に示すように、全面に対して露光を行い光硬化により、第1の色の色フィルター層14Aを硬化する。
この際、第1の色の色フィルター層14Aの硬化に十分な量の感光性成分が含まれており、溶剤耐性が十分ある場合は、図11に示す感光性樹脂マスク材料40の形成を実施する。感光性樹脂マスク材料40のパターニング後、第2以降の色フィルター形成箇所をドライエッチングで形成したあとで、高温加熱を行うことで、第1の色の色フィルター14の加熱硬化を行うことができる。
一方、第1の色の色フィルター層14Aに溶剤耐性に不十分な程度の感光性成分が含まれている場合は、図10(d)に示すように、200℃以上の高温加熱工程を行い、第1の色の色フィルター層14Aを十分に硬化することが望ましい。前者の高温加熱工程を実施しない場合は、高温加熱工程を実施した場合に比べて、第1の色の色フィルター層14Aが柔らかい構造のため、ドライエッチング工程で容易にエッチングが行え、残渣などの残留する可能性が低下する効果がある。
このあとの工程は前述した第1の実施形態で説明した工程と同様である。
本実施形態により、第1の色の色フィルター14にパターン形成ではなく、光硬化に十分な量の感光性成分のみを含ませて形成するため、従来手法での色フィルター材料の感光性成分を低減するだけの為、容易に作製できる利点があり、顔料含有率を容易に高めやすい利点がある。また、熱硬化温度を高温化することで、第1の色の色フィルター14の溶剤耐性を向上することができる。
以下、本発明の固体撮像素子及び固体撮像素子について、実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
二次元的に配置された光電変換素子を備える半導体基板上に、アクリル樹脂を含む塗布液を回転数2000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて200℃で20分間の加熱処理を施して樹脂を硬化した。これにより、半導体基板上に下層平坦化層を形成した。この際の下層平坦化層の層厚は60nmであった。
次に、1色目であるグリーンの顔料を含む第1の色の色フィルター用材料として、感光性硬化樹脂と熱硬化性樹脂を含ませたグリーン顔料分散液を1000rpmの回転数でスピンコートした。この1色目の色フィルター用材料のグリーンの顔料には、カラーインデックスにてC.I.PG58を用いており、その顔料濃度は70質量%、層厚は500nmであった。
次に第1の色の色フィルター材料の硬化を実施するため、i線の露光装置であるステッパーを用いて全面の露光を行い、感光性成分の硬化を実施した。この感光性の硬化成分により、色フィルターの表面の硬化を実施した。続いて、230℃で6分間ベークを行い、グリーンフィルター層の熱硬化を行った。
次に、ポジ型レジスト(OFPR−800:東京応化工業株式会社製)を、スピンコーターを用いて1000rpmの回転数でスピンコートした後、90℃で1分間プリベークを行った。これにより、感光性樹脂マスク材料層あるフォトレジストを膜厚1.5μmで塗布したサンプルを作製した。
この、感光性樹脂マスク材料層であるポジ型レジストは、紫外線照射により、化学反応を起こして現像液に溶解するようになった。
このサンプルに対して、フォトマスクを介して露光するフォトリゾグラフィーを行った。露光装置は光源にi線の波長を用いた露光装置を使用した。
次に、2.38質量%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドライド)を現像液として用いて現像工程を行い、第2、第3の色の色フィルターを形成する場所に開口部を有するエッチングマスクを形成した。ポジ型レジストを用いる際には、現像後脱水ベークを行い、感光性樹脂マスク材料層であるフォトレジストの硬化を行うことが多い。しかしながら、今回はドライエッチング後のエッチングマスクの除去を容易にするため、ベーク工程を実施しなかった。そのため、レジストの硬化が出来ず、選択比の向上が見込めないため、レジストの膜厚をグリーンフィルターである第1の色の色フィルターの膜厚の2倍以上である、1.5μmの膜厚で形成した。この際の開口部パターンは、1.1μm×1.1μmであった。
次に、形成したエッチングマスクを用いて、ドライエッチングを行った。この際、用いたドライエッチング装置は、並行平板方式のドライエッチング装置を用いた。また、下地の半導体基板に影響を与えないように、途中でエッチング条件の変更を行い、ドライエッチングを多段階で実施した。
始めにガス種は、CF、O、Arガスの三種を混合してエッチングを実施した。CF、Oのガス流量を各5ml/min、Arのガス流量を200ml/minとした。すなわち、全ガス流量中、Arのガス流量が95.2%であった。また、この際のチャンバー内の圧力を1Paの圧力とし、RFパワーを500Wとして実施した。この条件を用いて、グリーンフィルター層の総膜厚の500nmのうちの70%に当たる350nm程度までエッチングした段階で、次のエッチング条件に変更した。
次に、CF、O、Arガスの三種を混合してエッチングを実施した。CF、Oのガス流量を各25ml/min、Arのガス流量を50ml/minとした。すなわち、全ガス流量中、Arのガス流量が50%であった。また、この際のチャンバー内の圧力を5Paの圧力とし、RFパワーを300Wとして実施した。この条件により、エッチングマスクであるフォトレジストの側面に付着している反応生成物の除去が進むようにエッチングを行った。この条件により、グリーンの第1の色の色フィルター層の総膜厚500nmの90%である450nm程度までエッチングを実施した。二段階目でのエッチング量は100nm程度である。CFとOのガス流量を増やしたため、エッチングレートは5nm/sec程度であり、非常に早く進行した。
次に、Ar単ガスを用いて、Arのガス流量を200ml/min、チャンバー内圧力を1.5Pa、RFパワーを400Wの条件でエッチングを行った。この条件でエッチングを行うことで、グリーンフィルター層の残存分のエッチングを行うと同時に、下層平坦化層のエッチングを行う。Ar単ガスの条件でのエッチングでは、イオンによる物理的衝撃が主反応のため、グリーンフィルターの化学反応で、エッチングされずに残る残渣を効果的に除去可能となる。また、このエッチング条件はエッチングサンプルの面内でのエッチングレートの差を調整する目的もあり、オーバーエッチング量が10%となるようにエッチングを実施した。言い換えるとグリーンの色フィルター用材料の総膜厚500nmに対して110%になる膜厚550nmを3段階の条件でエッチングを行った状況である。
次に、O単ガスを用いて、Oガス流量を100ml/min、チャンバー内圧力を15Pa、RFパワーを150Wの条件でエッチングを行った。この条件により、エッチングマスクのトップである表面のダメージを受けて変質している層の除去と共に、底面に残っているAr単ガスで除去できなかったグリーンの色フィルター用材料の残渣をエッチングした。
次に、エッチングマスクとして用いた感光性樹脂マスク材料の除去を行った。この際用いた方法は溶剤を用いた方法であり、剥離液104(東京応化工業株式会社製)を用いてスプレー洗浄装置でレジストの除去を行った。
(第2の色の色フィルターの作製)
次に第2の色の色フィルター形成工程を行った。第2、及び第3の色の色フィルター形成箇所は、第1の色の色フィルター形成工程で、下層平坦化層12を除去しているため、半導体基板10が露出している。半導体基板10は、表面がSiOなどの表面保護膜が形成されているため、表面が親水性となっていることで、現像工程で現像液の回り込みにより、第2の色の色フィルターが剥がれる可能性が考えられる。そのため、露出している半導体基板10を疎水性にするため、HMDS処理を実施した。
次に、第2の色の色フィルターを設けるべく顔料分散ブルーを含有している感光性の第2の色の色フィルター用材料を半導体基板全面に塗布した。
次に、フォトリソグラフィにより感光性の第2の色の色フィルター用材料に選択的に露光した。
次に、感光性の色フィルター用材料を現像して、ブルーフィルターを形成した。このとき、ブルーレジストの感光性の色フィルター用材料に用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PB156、C.I.PV23であり、顔料濃度は40質量%であった。また、ブルーの色フィルターの層厚は0.70μmであった。また、ブルーレジストの主成分である樹脂としては、感光性を持たせたアクリル系の樹脂を用いた。
次に、第2の色の色フィルター(ブルーフィルター)となる感光性の第2の色の色フィルター用材料を強固に硬化させるため、230度のオーブンに30分間入れて硬化を行った。この加熱工程を経た後は、第3の色の色フィルター形成工程等の工程を経ても、剥がれや、パターンの崩れ等が確認されなかった。第2の色の色フィルターは周囲を矩形性の良い第1の色の色フィルターに覆われており、矩形性良く形成されているため、底面及び周囲との間で密着性良く硬化することが確認された。
(第3の色の色フィルターの作製)
次に、顔料分散レッドを含有している感光性の第3の色の色フィルター用材料を半導体基板全面に塗布した。
次に、フォトリソグラフィにより、感光性の第3の色の色フィルター用材料にフォトマスクのパターンを選択的露光した。
次に、感光性の第3の色の色フィルター用材料を現像して、レッドの第3の色の色フィルターを形成した。
このとき、レッドレジストに用いた顔料は、それぞれカラーインデックスにてC.I.PR254、C.I.PY139であり、顔料濃度は50質量%であった。また、第3の色の色フィルターの層厚は0.70μmであった。
次に、第3の色の色フィルターとなるレッドの感光性の第3の色の色フィルター用材料を強固に硬化させるため、230度のオーブンに20分間入れて硬化を行った。この際、第3の色の色フィルターは周囲を矩形性の良い第1の色の色フィルターに覆われており、矩形性良く形成されているため、底面及び周囲との間で、密着性良く硬化することが確認された。
上記の工程により、第1の色の色フィルターでグリーンの膜厚A(500nm)とその下層の平坦化層の膜厚B(60nm)、ブルーとレッドからなる第2及び第3の色の色フィルターの膜厚C(700nm)は、本発明で規定する膜厚を満足している。
次に、上記の流れで形成された色フィルター上にアクリル樹脂を含む塗布液を回転数1000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて200℃で30分間の加熱処理を施して、樹脂を硬化し、上層平坦化層を形成した。
最後に、上層平坦化層上に、上述した公知の技術であるエッチバックによる転写方法を用いてレンズトップからレンズボトムまでの高さを500nmとなるマイクロレンズを形成し、実施例1の固体撮像素子を完成した。
以上のようにして得た固体撮像素子は、第1の色の色フィルターの下部に薄く下層平坦化層が形成され、第2、第3の色の色フィルターは半導体基板上に形成されている。また、1色目であるグリーンフィルターは熱硬化性樹脂と少量の感光性硬化樹脂を用いているため固形分中の顔料の濃度を上げることが出来、色フィルターを薄く形成することが出来た。また、第2および第3の色の色フィルターである、ブルー及びレッドは感光性樹脂を用いている。第2及び第3の色の色フィルターは第1の色の色フィルターに合わせての薄膜化は実施しておらず、感光性樹脂の含有量を増やして、パターン形成を良好に行える膜厚で形成した。しかし、第2及び第3の色の色フィルターの下部には下層の平坦化層が無いため、フォトリソグラフィを用いてパターン形成する従来手法と比較して、総膜厚は薄くなっており、マイクロレンズから受光素子までの距離が短く形成できている。
更に、グリーンフィルターである第1の色の色フィルターの色フィルター用材料は、熱硬化で内部を固めており、さらに少量の感光性樹脂を用いて露光で表面を固めるため、溶剤耐性が向上している。顔料含有率の高いグリーンフィルター材料を用いた場合、溶剤や他の色フィルター材料と反応して分光特性が変化することがある。そのため、上記の熱硬化及び光硬化を併用することで、硬度を向上することができ、分光特性の変化を抑制する効果がある。
<実施例2>
実施例2では、第2の実施形態で説明した構成の固体撮像素子について具体的に説明する。実施例2の固体撮像素子は第1の色の色フィルター材料として、光硬化性樹脂を用いず、熱硬化性樹脂のみを用いる構成である。熱硬化性樹脂のみの為、顔料濃度を高濃度にすることができ、薄膜に形成することができる。
(下層平坦化層の形成)
半導体基板上に、アクリル樹脂を含む塗布液を回転数2000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて200℃で20分間の加熱処理を施して、樹脂を硬化し、下層平坦化層を形成した。この際の下層平坦化層の層厚は60nmであった。
(第1の色の色フィルターの形成)
第1の色の色フィルター(グリーンフィルター)の色フィルター用材料として、熱硬化性樹脂を含み、感光性樹脂を含まないグリーン顔料分散液を準備した。このグリーン顔料分散液を、下層平坦化層の表面に1000rpmの回転数でスピンコートした。グリーン顔料分散液の主成分である樹脂としては、熱硬化タイプのアクリル系樹脂を用いた。また、グリーン顔料分散液に含まれるグリーン顔料には、カラーインデックスにてC.I.PG58を用いており、グリーン顔料分散液におけるグリーン顔料濃度は70質量%であった。また、グリーンの色フィルター材料の塗布厚は500nmであった。
次に、グリーンの色フィルターに対して250℃で6分間ベークを行い、グリーン色フィルター用材料を硬化させてグリーンフィルター層を形成した。250℃の高温ベークを行うことで、熱硬化性樹脂の架橋密度を向上させて、より強固にグリーン顔料の硬化を実施した。
(第1の色の色フィルターの形成)
実施例1に示す方法にて、感光性樹脂マスク材料のパターニングを行い、エッチングマスクを形成した。
始めにガス種は、CF、O、Arガスの三種を混合してエッチングを実施した。CF、Oのガス流量を5ml/min、Arのガス流量を200ml/minとした。また、エッチングの際のチャンバー内の圧力を1Paとし、RFパワーを500Wとしてエッチングを実施した。この条件を用いて、グリーン色フィルター用材料の総膜厚の500nmのうち70%に当たる350nm程度までエッチングした段階で、次のエッチング条件に変更した。
次に、CF、O、Arガスの三種を混合したエッチングガスを用いてエッチングを実施した。このとき、CF、Oのガス流量を各25ml/min、Arのガス流量を50ml/minとした。また、このとき、チャンバー内の圧力を5Paとし、RFパワーを300Wとしてエッチングを実施した。この条件により、エッチングマスクであるフォトレジストの側面に付着している反応生成物の除去が進むようにエッチングを行った。この条件により、第1の色の色フィルター層(グリーンフィルター)の総膜厚500nmの90%である450nm程度までエッチングを実施した。二段階目でのエッチング量は100nm程度であった。CFとOのガス流量を増やしたため、エッチングレートは5nm/sec程度であり、非常に早く進行した。
次に、Ar単ガスを用いて、Arのガス流量を200ml/min、チャンバー内圧力を1.5Pa、RFパワーを400Wの条件でエッチングを行った。この条件でエッチングを行うことで、グリーンの色フィルター用材料の残存分のエッチングを行うと同時に、下層平坦化層のエッチングを行った。Ar単ガスの条件でのエッチングでは、イオンによる物理的衝撃が主反応のため、グリーンフィルターの化学反応で、エッチングされずに残る残渣を効果的に除去可能となる。
また、このエッチング条件は、エッチングサンプルの面内でのエッチングレートの差を調整する目的もあり、オーバーエッチング量が10%となるようにエッチングを実施した。言い換えると、グリーンフィルター用材料の総膜厚500nmに対して110%になる膜厚550nmを3段階の条件でエッチングを行った状況である。
次に、O単ガスを用いて、Oガス流量を100ml/min、チャンバー内圧力を15Pa、RFパワーを150Wの条件でエッチングを行った。この条件により、エッチングマスクのトップである表面のダメージを受けて変質している層の除去と共に、底面に残っているAr単ガスで除去できなかったグリーンフィルター層の残渣をエッチングした。
(第2、第3の色の色フィルター等の作製)
実施例2では、この後、実施例1と同様の手法で第2、第3の色の色フィルター、上層の平坦化層及びマイクロレンズを形成し、実施例2の固体撮像素子を形成した。
上記の工程により、実施例2も実施例1同様に第1の色の色フィルターでグリーンの膜厚A(500nm)とその下層の平坦化層の膜厚B(60nm)、第2及び第3の色の色フィルターであるブルーとレッドの膜厚C(700nm)は、本発明で規定する膜厚を満足している。
<実施例3>
実施例3として第三の実施形態で説明した構成の固体撮像素子について具体的に説明する。実施例3に示す固体撮像素子は、第1の色の色フィルターの材料として、熱硬化性樹脂を用いず、光硬化性樹脂のみを用いる構成である。しかし後述する工程のように従来の観光性を持たせたカラーレジストをパターニングする工程とことなり、全面露光で硬化する程度であれば良い為、顔料含有率を高くする事が可能であり、薄膜に形成することができる。
(下層平坦化層の形成)
半導体基板上に、アクリル樹脂を含む塗布液を回転数2000rpmでスピンコートし、ホットプレートにて200℃で20分間の加熱処理を施して、樹脂を硬化し、下層平坦化層を形成した。この際の下層平坦化層の層厚は60nmであった。
(第1の色の色フィルターの形成)
第1の色の色フィルター(グリーンフィルター)の色フィルター用材料として、感光性樹脂を含み、熱硬化性樹脂を含まないグリーン顔料分散液を準備した。このグリーン顔料分散液を、下層平坦化層の表面に1000rpmの回転数でスピンコートした。グリーン顔料分散液の主成分である樹脂としては、光硬化タイプのアクリル系樹脂を用いた。また、グリーン顔料分散液に含まれるグリーン顔料には、カラーインデックスにてC.I.PG58を用いており、グリーン顔料分散液におけるグリーン顔料濃度は70質量%であった。また、グリーンの色フィルター材料の塗布厚は500nmであった。
次に、グリーンフィルター用材料をi線のステッパー型の露光装置を用いてウエハ全面の露光を行い、光硬化を行った。
次に、光硬化を行ったグリーンフィルターに対して230℃で6分間ベークを行い、グリーンフィルター用材料を硬化させてグリーン色フィルター層を形成した。
次に、グリーン色フィルター層の表面に、ポジ型レジスト(OFPR−800:東京応化工業株式会社製)を、スピンコーターを用いて1000rpmの回転数でスピンコートした後、90℃で1分間プリベークを行った。これにより、感光性樹脂マスク材料であるフォトレジストが膜厚1.5μmで塗布されたサンプルを作製した。
この感光性樹脂マスク材料であるポジ型レジストは、紫外線照射により、化学反応を起こして現像液に溶解するようになる。
次に、このサンプルに対して、フォトマスクを介して露光するフォトリゾグラフィーを行った。露光装置は光源にi線の波長を用いた露光装置を使用した。
次に、2.38質量%のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドライド)を現像液として用いて現像工程を行い、第2、第3の色フィルターを形成する位置に開口部が設けられたフォトレジストを形成した。ポジ型レジストを用いる際には、現像後脱水ベークを行い感光性樹脂マスク材料であるフォトレジストの硬化を行うことが多い。しかしながら、今回はドライエッチング後のエッチングマスクの除去を容易にするため、ベーク工程を実施しなかった。そのため、レジストの硬化が出来ず、選択比の向上が見込めないため、フォトレジストの膜厚をグリーンフィルターである第1の色の色フィルターの膜厚の2倍以上である1.5μmの膜厚で形成した。この際の開口部のサイズは、1.1μm×1.1μmであった。
次に、形成した感光性樹脂マスク材料層をエッチングマスクとして、ドライエッチングを行った。この際ドライエッチング装置として、並行平板方式のドライエッチング装置を用いた。また、下地の半導体基板に影響を与えないように、ドライエッチングを多段階で実施した。
始めにガス種は、CF、O、Arガスの三種を混合してエッチングを実施した。CF、Oのガス流量を各5ml/min、Arのガス流量を200ml/minとした。また、エッチングの際のチャンバー内の圧力を1Paとし、RFパワーを500Wとしてエッチングを実施した。この条件を用いて、グリーン色フィルター用材料の総膜厚の500nmのうち70%に当たる350nm程度までエッチングした段階で、次のエッチング条件に変更した。
次に、CF、O、Arガスの三種を混合したエッチングガスを用いてエッチングを実施した。このとき、CF、Oのガス流量を各25ml/min、Arのガス流量を50ml/minとした。また、このとき、チャンバー内の圧力を5Paとし、RFパワーを300Wとしてエッチングを実施した。この条件により、エッチングマスクであるフォトレジストの側面に付着している反応生成物の除去が進むようにエッチングを行った。この条件により、グリーンの第1の色の色フィルター層の総膜厚500nmの90%である450nm程度までエッチングを実施した。二段階目でのエッチング量は100nm程度である。CFとOのガス流量を増やしたため、エッチングレートは5nm/sec程度であり、非常に早く進行した。
次に、Ar単ガスを用いて、Arのガス流量を200ml/min、チャンバー内圧力を1.5Pa、RFパワーを400Wの条件でエッチングを行った。この条件でエッチングを行うことで、グリーンフィルター用材料の残存分のエッチングを行うと同時に、下層平坦化層のエッチングを行った。Ar単ガスの条件でのエッチングでは、イオンによる物理的衝撃が主反応のため、グリーン色フィルターの化学反応で、エッチングされずに残る残渣を効果的に除去可能となる。またこのエッチング条件はエッチングサンプルの面内でのエッチングレートの差を調整する目的もあり、オーバーエッチング量が10%となるようにエッチングを実施した。言い換えると、グリーンの色フィルター用材料の総膜厚500nmに対して110%になる膜厚550nmを3段階の条件でエッチングを行った状況である。
次に、O単ガスを用いて、Oガス流量を100ml/min、チャンバー内圧力を15Pa、RFパワーを150Wの条件でエッチングを行った。この条件により、エッチングマスクのトップである表面のダメージを受けて変質している層の除去と共に、底面に残っているAr単ガスで除去できなかったグリーンの色フィルター層の残渣をエッチングした。
次に、エッチングマスクとして用いた感光性樹脂マスク材料の除去を行った。この際用いた方法は溶剤を用いた方法であり、剥離液104(東京応化工業株式会社製)を用いてスプレー洗浄装置でレジストの除去を行った。
(第2、第3の色の色フィルター等の作製)
実施例3では、この後、実施例1と同様の手法で第2、第3の色の色フィルター、上層の平坦化層及びマイクロレンズを形成し、実施例3の固体撮像素子を形成した。
上記の工程により、実施例2も実施例1同様に第1の色の色フィルターでグリーンの膜厚A(500nm)とその下層の平坦化層の膜厚B(60nm)、第2及び第3の色の色フィルターであるブルーとレッドの膜厚C(700nm)は、本発明で規定する膜厚を満足している。
上記方法は、第1の色の色フィルターであるグリーンフィルターを紫外線照射で硬化させたあと、高温加熱で加熱硬化を行っている。顔料含有率を高くすると、光硬化で固めても、エッチングマスクとして用いた感光性樹脂マスク材料をパターニングする現像工程及び、ドライエッチング後の感光性樹脂マスク材料を除去する洗浄工程で、グリーンフィルターが剥がれてしまう可能性があるためである。
本実施例の効果により、グリーンパターンの表面を感光性成分で高密度に硬化することができ、顔料濃度が高濃度の場合でも、溶剤耐性が向上する効果がある。
<従来法>
特許文献1に記載の従来法に基づき、フォトリソグラフィプロセスによって各色の色フィルターをパターン形成した。
但し、グリーン、ブルー、レッドの三色の膜厚を700nmと薄膜に設定し、各色の色フィルター全部の下層に下層平坦化層(60nm)を設けた。
その他は、第1実施例と同様にして、従来法による固体撮像素子を製造した。
(評価)
以上の各実施例において、第1の色の色フィルターの硬化方法が異なるが、グリーンの膜厚A(500nm)とその下層の平坦化層の膜厚B(60nm)、第2及び第3の色の色フィルターであるブルーとレッドの膜厚C(700nm)は、本発明で規定する膜厚を満足する。
このような各実施例の固体撮像素子の赤色信号、緑色信号及び青色信号の強度について、従来手法のフォトリソグラフィでグリーン、ブルー、レッドの三色の膜厚を700nmで分光特性を合わせた構造で作製した固体撮像素子の赤色信号、緑色信号及び青色信号の強度を評価した。
以下の表1に、各色の信号強度の評価結果を示す。
Figure 2018107327
表1に示すように、ドライエッチング法を用いて、グリーンフィルターを薄膜化及び矩形性良く形成した実施例1から実施例3の固体撮像素子では、従来手法のフォトリソグラフィで形成した固体撮像素子と比較して、各色の信号強度が増加した。
本実施例の作製方法により、グリーンフィルター膜厚は500nmであり、下層の平坦化層の膜厚(60nm)と合わせて560nm、レッド及びブルーフィルター膜厚は700nmで形成した。全色フォトリソグラフィで形成した場合のレッド及びブルー色フィルター膜厚は、下層平坦化層の膜厚(60nm)と合わせて760nmで形成されるため、本実施例のレッド及びブルーフィルター膜厚は平坦化層分(60nm)薄膜化できた。特にグリーン色フィルターの膜厚が薄膜化の効果が大きく、マイクロレンズトップからデバイスまでの距離を短くすることができた。
本実施例の作製方法でOCF形成後に分光特性の評価をした結果、分光特性の変化は観察されなかった。これは、本実施例の熱硬化及び光硬化により、薄膜化したグリーンフィルターの硬度が十分であることを示している。薄膜化したグリーンフィルターでフォトリソグラフィ形成のグリーンフィルター膜厚(700nm)と同等の色分光を行う為に、顔料含有率の高いグリーンフィルター材料を使用したが分光特性の変化は発生せず、薄膜化の効果によりマイクロレンズトップからデバイスまでの距離が短くなりグリーンの信号強度が増加した。
また、エッチングにより矩形性良く形成したブルー及びレッドが入色されるパターンの平坦化層は除去しており、フォトリソグラフィ形成の色フィルターよりもマイクロレンズトップからデバイスまでの距離が短くなり信号強度が増加した。上記の結果から、ブルー及びレッドフィルターは顔料含有率の低い従来色フィルター材料を用いても容易に薄膜化の効果を得られる構造であることが判明した。
以上、各実施形態により本発明を説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
10・・・半導体基板
11・・・光電変換素子
12・・・下層平坦化層
13・・・上層平坦化層
14・・・第1の色の色フィルター
15・・・第2の色の色フィルター
16・・・第3の色の色フィルター
18・・・マイクロレンズ
20・・・エッチングマスク
20a・・・感光性樹脂マスク層
20b・・・開口部
30・・・色フィルター層

Claims (8)

  1. 複数の光電変換素子を二次元的に配置した半導体基板と、
    上記半導体基板上に形成され、各光電変換素子に対応させて複数色の色フィルターを予め設定した規則パターンで二次元的に配置した色フィルター層と、
    上記複数色から選択した第1の色の色フィルターと半導体基板との間のみに配置された下層平坦化層と、を備え、
    上記第1の色の色フィルターの膜厚をA[nm]、上記下層平坦化層の膜厚をB[nm]、上記第1の色以外の色の色フィルターの膜厚をC[nm]とした場合に、下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とする固体撮像素子。
    200[nm]≦A≦700[nm] ・・・(1)
    0[nm]<B≦200[nm] ・・・(2)
    A<C≦A+B+200[nm] ・・・(3)
  2. 第1の色はグリーンであり、第1の色以外の色にレッドを含み、
    上記レッドの色からなる色フィルターの膜厚Cは、(A+B)[nm]より厚いことを特徴とする請求項1に記載した固体撮像素子。
  3. 上記第1の色の色フィルターには、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂を含有し、光硬化性樹脂の含有量よりも熱硬化性樹脂の含有量の方が多いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した固体撮像素子。
  4. 上記第1の色の色フィルターは、着色剤である顔料の濃度が50質量%以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した固体撮像素子。
  5. 更に、上記色フィルター層上に、上記光電変換素子のそれぞれに対応して二次元的に配置されたマイクロレンズを有し、上記マイクロレンズのレンズトップからレンズボトムまでの高さが400nm以上800nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した固体撮像素子。
  6. 上記複数色の色フィルターのうち、上記第1の色の色フィルターの専有面積が一番広いことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した固体撮像素子。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
    上記半導体基板上に上記下層平坦化層を形成し、その上に上記第1の色の色フィルター用の塗布液を塗布し硬化させて下層平坦化層及び色フィルター層をこの順に形成した後、第1の色の色フィルターの配置位置以外の上記形成した色フィルター層部分及びその除去する色フィルター層部分の下層に位置する下層平坦化層部分をドライエッチングによって除去して第1の色の色フィルターをパターン形成する第1の工程と、
    第1の工程後に、第1の色の以外の色の色フィルターを、フォトリソグラフィによってパターニングして形成する第2の工程と、を有することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  8. 上記第1の色フィルター硬化時の加熱温度が230℃以上270℃以下であることを特徴とする請求項7に記載した固体撮像素子の製造方法。
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