JP2018107127A - 電子部品の防滴構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、効果的な防滴を行うことができる電子部品の防滴構造を提供すること。【解決手段】板状の基部20Aの一方の面側に第1収納部25を形成してなるケース20と、ケース20の第1収納部25に収納される回路基板160と、回路基板160上に設置され、回路基板160上に取り付けた発光素子169から発射された光を導入して所望の位置に設けた光出射面195,197から出射させる導光体190と、回路基板160と導光体190を収納した第1収納部25を覆う第1カバー220と、を具備する回転式電子部品1である。導光体190に、ケース20と第1カバー220の間に形成される開口部Kの内周縁よりも外方に延出して開口部Kに浸入しようとする液体(蒸気等)を外方に誘導して第1収納部25内への浸入を防止する防滴用張り出し部201を設ける。【選択図】図6

Description

本発明は、ケース内に回路基板と導光体とを収納してカバーで覆った電子部品を防滴するのに用いて好適な電子部品の防滴構造に関するものである。
従来、回転式電子部品の中には、例えば特許文献1に示す回転式電子部品(1)のように、回転つまみ(100)と回路基板(150)を第1,第2ケース(10,50)内に収納し、回転つまみ(100)の外周部分の一部を第1,第2ケース(10,50)に設けた開口から外部に露出し、回転つまみ(100)の前記開口から露出した部分を指等で回転操作することで摺動子(130)を駆動し、この摺動子(130)が摺接する回路基板(150)上の摺接パターン(153)の検出出力を変化させる構造のものがある。
また上記回転式電子部品(1)においては、回路基板(150)の前記摺接パターン(153)を形成した反対側の面上に発光素子(155a)を設置し、その上に導光体(200)を取り付け、前記発光素子(155a)から発射された光を、導光体(200)内に導入して回転つまみ(100)の裏面側等の所望の位置に導いて、回転つまみ(100)等を照明する構成とされている。
また上記回転式電子部品(1)においては、導光体(200)によって回路基板(150)の発光素子(155a)等を設置した側の面を覆う構造とすることで、前記第1,第2ケース(10,50)に設けた開口から浸入した液体の前記発光素子(155a)等への付着を防止している。
特開2015−106514号公報
しかし、例えばこの回転式電子部品(1)を、自動車の車内に設置し、この車内をスチーム洗浄したような場合は、その蒸気が前記第1,第2ケース(10,50)に設けた開口から浸入し、浸入した蒸気が、さらに前記回路基板(150)とこれを覆っている導光体(200)の当接面の間の僅かな隙間を通過してその内側に入り込み、内部で結露して水滴になり、発光素子(155a)等の電子部品に不具合を生じさせる虞があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、簡単な構造で、効果的な防滴を行うことができる電子部品の防滴構造を提供することにある。
本発明は、板状の基部の一方の面側に収納部を形成してなるケースと、前記ケースの収納部に収納される回路基板と、前記回路基板上に設置され、前記回路基板に取り付けた発光素子から発射された光を導入して所望の位置に設けた光出射面から出射させる導光体と、前記回路基板と導光体を収納した収納部を覆うカバーと、を具備する電子部品であって、前記導光体に、前記ケースとカバーの間に形成される開口部の内周縁よりも外方に延出して前記開口部に浸入しようとする液体を外方に誘導する防滴用張り出し部を設けたことを特徴としている。
これによって、ケースとカバーの間に形成される開口部からその内部(収納部)に浸入しようとする液体や蒸気を、前記開口部の内周縁から張り出す防滴用張り出し部によって前記開口部の外方に誘導できて収納部への浸入を抑制できる。防滴用張り出し部は導光体の一部として形成されるので、部品点数が増加することはなく、構造も簡単である。
なお、さらに、前記ケースの基部の収納部を設けた反対面側に第2収納部を設け、この第2収納部に回転つまみを収納すると共に、前記ケースの基部に設けた挿通部を介して前記回路基板と回転つまみの間に検出手段を設置し、前記回転つまみを回動することでこの検出手段の出力信号を変化させるようにして回転式電子部品を構成しても良い。
また本発明は、前記導光体の前記カバー側を向く背面に、この背面を伝ってくる液体を排水方向にガイドする排水ガイド突起を設けたことを特徴としている。
即ち、防滴用張り出し部によっても防止しきれずに、収納部内に浸入した液体や蒸気の内、導光体の背面側に浸入した液体や蒸気を、所望の排水方向に導くことができ、さらに効果的な防滴を図ることができる。
また本発明は、前記排水ガイド突起が、前記導光体の背面を伝う液体を、前記回路基板に電気的に接続されるコネクタの設置位置から離れる方向に導く形状に形成されていることを特徴としている。
これによって、回路基板に接続したコネクタへの液体の付着も、効果的に防止することができる。
また本発明は、前記導光体が、前記回路基板を覆うと共に、その外周先端面が前記ケースの基部の面に当接していることを特徴としている。
ケースの基部と導光体の外周先端面とを当接することで、回路基板の周囲を覆うので、この点からも回路基板の防滴を効果的に行うことができる。
また本発明は、前記導光体が、前記回路基板全体を収納して覆う基板収納部を有し、この基板収納部の内周面の根元に、段状に突出して前記基板の外周部分を当接する基板当接面を形成したことを特徴としている。
導光体の外周先端面をケースの基部に当接することで回路基板を防滴すると共に、導光体の基板当接面に回路基板の外周部分を当接することで回路基板の位置決めと固定を確実に行うことができる。
本発明によれば、簡単な構造で、効果的な防滴を行うことができる。
回転式電子部品1の斜視図である。 回転式電子部品1を別の角度から見た斜視図である。 回転式電子部品1の概略断面図(図1のA−A概略断面図)である。 回転式電子部品1から第3カバー300と防滴部材250と第1カバー220と第2カバー70を分解して示す分解斜視図である。 図4を別の角度から見た分解斜視図である。 第3カバー300とパッキン250と第1カバー220と第2カバー70を除く回転式電子部品1の他の部品の分解斜視図である。 図6を別の角度から見た分解斜視図である。 導光体190の斜視図である。 導光体190の斜視図である。 回転式電子部品1から第3カバー300と第1カバー220と導光体190と回路基板160と端子ユニット140とを除いた残りの部分を示す斜視図である。 回転式電子部品1から第3カバー300を取り外した状態を示す分解斜視図である。
以下、本発明の1実施形態に係る防滴構造を用いて構成した回転式電子部品1を、図面を参照して詳細に説明する。図1は回転式電子部品1の斜視図、図2は回転式電子部品1を別の角度から見た斜視図、図3は回転式電子部品1の概略断面図(図1のA−A概略断面図)、図4は回転式電子部品1から第3カバー300と防滴部材(以下「パッキン」という)250と第1カバー220と第2カバー70を分解して示す分解斜視図、図5は図4を別の角度から見た分解斜視図、図6は第3カバー300とパッキン250と第1カバー220と第2カバー70を除く回転式電子部品1の他の部品の分解斜視図、図7は図6を別の角度から見た分解斜視図である。なお、回転つまみ100の操作部101を露出する面側を前面、その反対側を後面といい、また図1に表示している第3カバー300の上を向いている面側を「上」、その反対側を「下」といい、また前後方向と上下方向の両方向に直交する水平方向を左右方向ということとする。
これらの図に示すように、回転式電子部品1は、ケース20と、第2カバー70と、一対の摺動子130を取り付けた回転つまみ100と、端子ユニット140と、回路基板160と、導光体190と、第1カバー220と、パッキン250と、第3カバー300とを具備して構成されている。
ケース20は非透明材料からなる合成樹脂の一体成形品であり、例えば図6,図7に示すように、略平板状の基部20Aの上下の辺に、左右方向に延びる側壁部20B、20Cを設けることで、基部20Aの一方の面側に第1収納部25を形成し、他方の面側に第2収納部23を形成している。基部20Aの前方には側壁部20B、20Cが形成されていない。また、基部20Aの後方には、略箱型に突出するコネクタ部(コネクタ)20Dが形成されている。そして、基部20Aには、第2収納部23側に向かって突出する略円筒状の軸受部21が設けられている。軸受部21の中央は、基部20Aを貫通する挿通部22となっている。また、側壁部20B,20Cの第2収納部23側の部分には、下記する第2カバー70の爪部79を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部27が設けられている。また側壁部20B,20Cの第1収納部25側の部分には、下記する第1カバー220の爪部223を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部29が形成されている。また側壁部20B,20Cの外面の前記両被係止部27,29の間の位置には、下記する第3カバー300の被係止部309を係止する爪状の一対の係止部30が形成されている。基部20Aの第1収納部25側の面の外周近傍部分を囲む部分は、下記する導光体190の外周先端面194を当接する当接面となっている。
一方、コネクタ部20Dは、矩形箱型に突出するコネクタ本体部43を有し、このコネクタ本体部43の後方の面を開放することで、凹状の外部コネクタ挿入部45を形成している。またコネクタ部20Dは、第1収納部25側に向かって開口する略L字状で凹状の端子ユニット収納部31も有している。外部コネクタ挿入部45と端子ユニット収納部31は連通している。そして端子ユニット収納部31に下記する端子ユニット140を挿入することで、端子ユニット140の後方側を向く端子141の部分が前記外部コネクタ挿入部45内に収納され、コネクタ部20Dが形成される。このコネクタ部20Dには、外部コネクタ挿入部45にその後方から外部コネクタが挿入され、外部コネクタに設けたメス側の各端子が前記各端子141に接続される。
また前記軸受部21の円弧状外周面の一部分と、その左右両側壁部20B、20Cの第2収納部23側の前方の辺は、パッキン搭載面33(33a〜33c)となっている。また基部20Aの第1収納部25側の面の中央付近(下記する回路基板160の各ガイド部173に対向する位置)には、一対の棒状に突出する基板ガイド部35が形成されている。また側壁部20B、20Cの第1収納部25側に突出している部分の前方近傍部分の外面側には、左右方向に向かって伸びる平板状の突出部37とその後方の凹部39とが形成されている。さらに凹部39の後方の側壁部20B、20Cの先端面には、小穴からなる挿入部41が形成されている。また図示はしていないが、第2収納部23内の軸受部21を設けた根元部分の面(下記するクリック用ボール127に対向する位置)には、円弧状方向(クリック用ボール127の移動する円弧方向)に向かって凹凸するクリック係合部が形成されている。
第2カバー70は、非透明材料からなる合成樹脂を一体成形して構成されており、略平板矩形状のケース本体部71と、ケース本体部71から回転つまみ100側に向けて突出する円板状のつまみ支持部73とを具備して構成されている。つまみ支持部73の外周にはケース側に向けて突出する円筒状の外側壁74が設けられ、その内側には同心円状に突出する有底円筒状の突出部75が設けられている。ケース本体部71の上下両側辺からは、回転つまみ100側に向けて一対の係止爪77が突出している。係止爪77は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部79を設けている。またケース本体部71の外周の一部は、下記するパッキン250を当接するパッキン搭載面81となっている。
回転つまみ100は合成樹脂の成形品であり、透明材料と非透明材料からなる二色成形品である。回転つまみ100は略円板形状であり、その外周面が操作部101となっている。回転つまみ100の第2カバー70側を向く面には、円形の凹部103が設けられ、凹部103内には、2つの筒状の突出部105,107が同心円状に突設されている。両突出部105,107の間の円形の凹部は、前記第2カバー70の突出部75を挿入する挿入部109となっている。また突出部107中央の凹部の底面は、略円錐凹状の光反射面110(図3参照)となっている。回転つまみ100のケース20側を向く面の中央からは、略円柱形状の軸部111が突出している。軸部111の上面には、一対の摺動子130が取り付けられており、さらにその中央位置からは円錐台形状の導光用突起115が突出している。導光用突起115の先端面は光入射面117になっている。両摺動子130は同一形状であり、基部131から円弧状のアーム部133を突出して基部131上に折り返し、アーム部133の中央位置に接点部135を形成して構成されている。軸部111の周囲には、リング状の防滴用凹部123が形成されている。また回転つまみ100のケース20側を向く面の外周部分には、有底円形の穴からなるクリック機構収納部124が形成されている。クリック機構収納部124には、コイルバネ125とクリック用ボール127とが収納される。
また上述のように、回転つまみ100は、2種類の樹脂A1,A2(図3参照)を一体成形することによって構成されている。一方の樹脂A1は透明な樹脂であり、もう一方の樹脂A2は不透明な樹脂である。透明な樹脂A1は、その全体がつまみ用導光部A1を構成し、この回転つまみ100の軸部111と操作部101の間を光学的につないでおり、操作部101の外周面と、導光用突起115の光入射面117間を光学的に結ぶように成形されている。光入射面117は円形の平面状に形成されている。つまみ用導光部A1は、略円板状の導光本体部A11と、導光本体部A11の中心から軸部111側に垂直に突出して軸部111の中心部分を構成する導光軸部A13とを具備している。導光本体部A11の導光軸部A13とは反対側の面の中央に、前記光反射面110が形成されている。また前記両突出部105,107も導光本体部A11の一部を構成している。一方、樹脂A2は、導光本体部A11の光反射面110側の面の操作部101の裏面側の部分と、導光本体部A11の軸部111側の面略全体の部分とに形成されており、軸部111の導光軸部A13を除く部分と、防滴用凹部123とを構成している。
端子ユニット140は、6本の金属板製の端子141を、略矩形状の成形樹脂製の第1端子保持部材143と、略四角棒状の第2端子保持部材144内にインサート成形して構成されている。各端子141はその途中の2か所でほぼ直角に屈曲することで、その一端は後方に向かって1列に6本突出し、他端は一側面側を向いて1列に6本突出している。
回路基板160は、硬質で略矩形状の板からなる絶縁基板161の所定位置に、円形の貫通する挿通部163を設け、この挿通部163の周囲の回転つまみ100を向く面側に、前記摺動子130の接点部135を摺接させる摺接パターン165を形成し、また絶縁基板161の後方の外周辺近傍に一列に前記端子141の一端を挿入する6つの小孔からなる端子挿入孔167を形成し、また絶縁基板161の前記摺接パターン165を設けた反対の面側の所定位置に発光素子169と他の各種電子部品171とを取り付け、さらに前記ケース20の各基板ガイド部35に対向する位置にこれらを挿入する小孔からなるガイド部173を形成して構成されている。絶縁基板161上には、図示しない回路パターンが形成されており、前記摺接パターン165や発光素子169や各種電子部品171や前記端子挿入孔167に取り付けられる端子141間を電気的に接続する。摺接パターン165としては、スイッチパターンや抵抗体パターン等の種々のパターンが適用できる。
導光体190は、透明な合成樹脂を、回路基板160側の面が解放された略矩形箱型に一体成形して構成されている。図8,図9は、それぞれ導光体190を拡大して別の角度から見た斜視図である。これらの図に示すように、導光体190の回路基板160側を向く面は凹状の基板収納部191となっており、その底面の所定位置から円柱状の光導出部193が突出している。基板収納部191は、前記回路基板160全体を収納して覆う形状に形成されていて、その外周側壁の内周面の根元にはこれを囲むように、段状の基板当接面192が形成されている。また導光体190の外周側壁の先端面は、その全体が同一平面とされた外周先端面194となっている。光導出部193は前記回路基板160の挿通部163に挿入できる寸法に形成されており、その先端面は光出射面195となっている。光出射面195は円形の平面状に形成されており、前記回転つまみ100の光入射面117と同一の外径寸法に形成されている。また導光体190の第3カバー300側の外周面(前面)も光出射面197となっている。また、導光体190の第1カバー220側の面(背面)には、光出射面195,197方向に光を反射させる光反射面199と、この導光体190の背面上を伝って、コネクタ部20D側に液体や蒸気が浸入するのを防止する排水ガイド突起205が形成されている。光反射面199は、導光体190の背面のほぼ中央(前記回路基板160に取り付けた発光素子169に対向する位置)に形成される複数の傾斜面(水平面も含む)によって形成されており、発光素子169から発射されて導光体190内に導入された光を、光出射面195と光出射面197に向けて反射する形状に形成されている。
排水ガイド突起205は、長尺な線状の突起であり、導光体190の背面の後方の一方の角部付近に形成され、この角部の両側の辺にわたって、この角部を他の部分から仕切るように(分離するように)、形成されている。また前記ケース20の両側壁部20B、20Cに対向する導光体190の左右両外周面(側面)であって、前記光出射面197に近い側の部分からは、一対の防滴用張り出し部201が腕状に突出している。防滴用張り出し部201は、矩形状の平板であって、導光体190の左右両外側面からほぼ垂直外方に向けて突出している。防滴用張り出し部201は導光体190に接続されるその一辺が、導光体190の外側面の幅(厚み)と同一幅を有していてその幅方向を向いており、従って前記導光体190の外側面の上下まで至っている。また導光体190の基板収納部191の底面の、前記ケース20の各基板ガイド部35に対向する位置には、これらを挿入する有底の小穴からなるガイド部挿入部203が形成されている。
第1カバー220は、非透明な合成樹脂を略平板矩形状に成形して構成されており、前記ケース20の第1収納部25を略覆う外形形状に形成されている。第1カバー220の上下両側辺からは、ケース20側に向けて一対の係止爪221を突出している。係止爪221は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部223を設けている。また第1カバー220の前面側の辺(前端辺)は、略V字状に形成され、その両端部分には直線部分が形成されている。この第1カバー220の前端辺は、ケース20側に向けて適宜突出しているが、その突出形状は、第1収納部25内に収納される導光体190の上面の形状に合わせてこれらに当接する形状に形成されている。また第1カバー220の前面側付近のケース20側を向く面には、前記ケース20の凹部39に挿入される形状のガイド突起225と、前記ケース20の挿入部41に挿入される形状のガイド突起227が形成されている。
パッキン250は、エラストマー等の弾性体を、横断面円形で略矩形のリング状に形成し、3辺を直線状に、もう1つの辺を円弧状に湾曲した形状として構成されている。
第3カバー300は、合成樹脂の成形品であり、ケース20側が解放された略矩形箱型に成形して構成されており、これによって収納部301を形成している。第3カバー300の前面(以下「化粧面」という)303の前記回転つまみ100に対向する位置には、回転つまみ100の操作部101の一部を露出する開口305が形成され、また前記導光体190の光出射面197に対向する位置には、照光部307が形成されている。照光部307は、第3カバー300を構成する透明な成形樹脂の表面に塗布した不透光性の塗装を、所望の文字や記号等の形状にレーザー等によって切り欠くことで形成されているが、他の種々の方法によって形成しても良い。第3カバー300の対向する上下両側面の所定位置には、それぞれ前記ケース20の係止部30に係止される矩形状の貫通孔からなる被係止部309が形成されている。
次に、回転式電子部品1を組み立てるには、まず予め、回転つまみ100の防滴用凹部123内に、防滴用のグリスG(図3参照)を充填し、且つこの回転つまみ100に一対の摺動子130を取り付けておく。一方、端子ユニット140の側方に向かって突出する各端子141の先端を、回路基板160の各端子挿入孔167に挿入し、その反対側において回路基板160上の回路パターンに半田によって固定しておく。
そして、ケース20の第2収納部23内に、前記摺動子130を取り付け且つコイルバネ125とクリック用ボール127をクリック機構収納部124に収納した回転つまみ100を収納し、その際、回転つまみ100の軸部111を、ケース20の軸受部21内に回動自在に挿入し、軸支する。このとき、回転つまみ100のグリスGを充填した防滴用凹部123内に、ケース20の軸受部21が挿入されることで、防滴処理部が形成される。次に、前記回転つまみ100の側面を覆うように、第2カバー70を取り付け、係止爪77の爪部79をケース20の被係止部27に係止し、これによって回転つまみ100を挟んだ状態で第2カバー70をケース20に取り付ける。このとき、第2カバー70のつまみ支持部73が回転つまみ100の側面を覆い、その突出部75が回転つまみ100の挿入部109に挿入される。このときの状態を、図10に示す。但し図10ではさらにパッキン250を装着した状態を示しているが、この実施形態では下記するようにパッキン250は第3カバー300側に装着する(この段階で装着しても良い)。図10からも明らかなように、摺動子130は、ケース20の挿通部22内から、基部20Aの第1収納部25側に露出する。
次に、前記端子ユニット140を取り付けた回路基板160と導光体190とを、ケース20の第1収納部25内に収納し、さらにその上から第1カバー220を被せる。そして第1カバー220の各爪部223を、ケース20の各被係止部29に係止する。このときケース20の一対の基板ガイド部35が、回路基板160の各ガイド部173を貫通して更に導光体190の各ガイド部挿入部203に挿入され、これら各部材が位置決めされる。またこのとき、第1カバー220のガイド突起225がケース20の凹部39に挿入され、第1カバー220のガイド突起227がケース20の挿入部41に挿入される。このときの状態を、図11に示す(但し、このときは図11に示すパッキン250は装着されていない)。このとき、回路基板160を収納した導光体190は、その外周の外周先端面194がケース20の基部20Aに当接することで、回路基板160を囲む空間は防滴され、回路基板160への液体の浸入が防止される。またこのとき、導光体190の光出射面197側の部分は、ケース20の基部20Aと第1カバー220の間に形成される開口部K(図10に示す第1収納部25の開口部K、但し図10では第1カバー220を被せていないが、第1カバー220を被せて開口部Kが形成される)に露出し、さらに導光体190の前記一対の防滴用張り出し部201は、前記開口部Kの内周縁よりも外方に向けて延出している。
またこのとき、回路基板160の摺接パターン165には、摺動子130の接点部135が当接する。また、端子ユニット140は、端子ユニット収納部31内に収納される。またこのとき、導光体190は回路基板160を覆っていて且つ回路基板160の発光素子169を設置した側の面の外周部分は導光体190の基板当接面192に当接している。また導光体190の光導出部193は、回路基板160の挿通部163に挿入され、その先端の光出射面195は回転つまみ100の光入射面117に接近して対向している。
次に、パッキン250を、第3カバー300のケース本体収納部301内に挿入して、第3カバー300の開口305の裏側を囲む位置に設けたパッキン搭載面311(図3参照)に当接・設置する(図11ではパッキン250をケース20側に取り付けた状態を示しているが、この例の場合は第3カバー300側にまず装着する)。そして、このパッキン250を取り付けた第3カバー300を、前記ケース20の回転つまみ100を露出する側の部分に、その上から被せるように取り付ける。その際、各係止部30を、第3カバー300の各被係止部309に係止し、これによって図1、図2に示す回転式電子部品1の組み立てが完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
このとき、図1,図2に示すように、回転つまみ100の操作部101の一部は、開口305から露出する。また第3カバー300の照光部307の裏面に対向する位置に、導光体190の光出射面197が配置される。またこのとき、パッキン250は、第3カバー300のパッキン搭載面311と、前記ケース20及び第2カバー70のパッキン搭載面33(33a〜33c),81との間で挟持され、密閉される。
以上のようにして組み立てられた回転式電子部品1において、回転つまみ100を回転すると、摺動子130の接点部135が回路基板160の摺接パターン165上を摺動し、これによって各端子141間の検出出力が変化する。
一方、発光素子169を発光すれば、その光は図3に一点鎖線で示すように、導光体190内に導入される。導光体190内に導入された光の一部は、光反射面199で反射されることで前記光出射面197に向かい、その面から放出され、前記第3カバー300の照光部307をその裏面側から明るく照らし出す。一方、発光素子169から導光体190内に導入された光の一部は、光反射面199で反射されることで、前記光出射面195に向かい、その面から放出され、回転つまみ100の光入射面117からつまみ用導光部A1内に導入される。つまみ用導光部A1内に導入された光は、導光軸部A13内を進み、光反射面110等で反射されることで、導光本体部A11内を進み、操作部101の外周面に導かれ、操作部101を明るく照らし出す。
一方、この回転式電子部品1は、図示しない電子機器の操作パネルに装着され、その際、第3カバー300の化粧面303が、操作パネルの外部に露出する。そしてこの操作パネルの外部に露出した化粧面303に液体や蒸気がかかることがある。かかった液体は、第3カバー300の開口305からその内部に浸入するが、浸入した液体は、パッキン250によって、その内側への浸入が阻止される。しかし、かかった液体(特に蒸気、以下「蒸気等」という)の一部は、パッキン250による防水を通過して、基部20Aと第1カバー220の間の前方側に形成された開口部Kから第1収納部25内に入り込むことがある。第1収納部25内に蒸気等が入り込むと、入り込んだ蒸気等がさらに回路基板160の発光素子169等を設置した面(電子部品搭載面)側に入り込んで結露したり、その後方にある端子141に付着し結露して電気的な不具合を生じる虞がある。前記開口部Kから第1収納部25内に入り込んだ蒸気等が回路基板160の電子部品搭載面や端子141に入り込む理由には以下のようなものがある。即ち、導光体190の外周先端面194は基部20Aの面に当接しているので、基本的には回路基板160の周囲は覆われ、前記開口部Kから入り込んだ蒸気等は導光体190の背面側に入っても、回路基板160の電子部品搭載面側には入ってこないが、前記導光体190の外周先端面194と基部20Aが当接している全周の内の所定部分に微細な隙間が生じていたような場合はその隙間から蒸気等が入り込む虞があり、また基部20Aの後方に設けた凹状の端子ユニット収納部31上を導光体190の外周先端面194が通過する部分は密閉されていないので、この部分から回路基板160側や端子ユニット140側に蒸気等が入り込む虞がある。
これに対して本実施形態の場合、例えば図11に示すように、導光体190に、基部20Aと第1カバー220の間に形成される開口部Kの内周縁よりも外方に延出する防滴用張り出し部201を設けているので、前記開口部Kに浸入しようとする蒸気等の内の一部を外方、即ち図11に矢印で示すように、開口部Kから離れる方向(ケース20の両側壁部20B、20Cと第3カバー300の間の隙間)に向けて誘導する(引き離す)ことができ、開口部Kへの浸入を防止(抑制)することができる。これによって回路基板160の電子部品搭載面や、その後方に位置する端子ユニット140への蒸気等の付着を抑制できる。しかも防滴用張り出し部201は導光体190の一部として形成されるので、部品点数が増加することはなく、構造も簡単である。
一方、防滴用張り出し部201によっても防止しきれずに、基部20Aと第1カバー220の間に形成される開口部Kから浸入した蒸気等の内、導光体190の背面側に浸入した蒸気等は、この背面に形成された排水ガイド突起205によって、所望の排水方向、即ちこの実施形態の場合はコネクタ部20Dの設置位置から離れる方向にガイドされ、これによって効果的な防滴(端子ユニット収納部31から浸入する蒸気等による端子141への液体の付着防止等)を図ることができる。なお蒸気等は、例えばケース20の下側の側壁部20Cに設けた被係止部29の爪部223を係止した隙間から排出される。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、防滴用張り出し部を、導光体の左右両側から一対突出させたが、導光体の全周から突出させても良いし、他の一部から突出させても良い。全周から突出させれば、最も効果的に蒸気等の開口部への浸入を抑制できる。また排水ガイド突起を、コネクタの設置位置から離れる方向に導く形状に形成したが、コネクタ以外の所望の部分(例えば他の電気的な機能部)から離れる方向に導く形状に形成しても良い。また本発明は、回転式電子部品以外の各種電子部品に適用してもよい。
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
1 回転式電子部品(電子部品)
20 ケース
20A 基部
20D コネクタ部(コネクタ)
25 第1収納部(収納部)
160 回路基板
169 発光素子
190 導光体
194 外周先端面
195,197 光出射面
201 防滴用張り出し部
205 排水ガイド突起
220 第1カバー(カバー)
K 開口部

Claims (5)

  1. 板状の基部の一方の面側に収納部を形成してなるケースと、
    前記ケースの収納部に収納される回路基板と、
    前記回路基板上に設置され、前記回路基板に取り付けた発光素子から発射された光を導入して所望の位置に設けた光出射面から出射させる導光体と、
    前記回路基板と導光体を収納した収納部を覆うカバーと、
    を具備する電子部品であって、
    前記導光体に、前記ケースとカバーの間に形成される開口部の内周縁よりも外方に延出して前記開口部に浸入しようとする液体を外方に誘導する防滴用張り出し部を設けたことを特徴とする電子部品の防滴構造。
  2. 請求項1に記載の電子部品の防滴構造であって、
    前記導光体の前記カバー側を向く背面に、この背面を伝ってくる液体を排水方向にガイドする排水ガイド突起を設けたことを特徴とする電子部品の防滴構造。
  3. 請求項2に記載の電子部品の防滴構造であって、
    前記排水ガイド突起は、前記導光体の背面を伝う液体を、前記回路基板に電気的に接続されるコネクタの設置位置から離れる方向に導く形状に形成されていることを特徴とする電子部品の防滴構造。
  4. 請求項1又は2又は3に記載の電子部品の防滴構造であって、
    前記導光体は、前記回路基板を覆うと共に、その外周先端面が前記ケースの基部の面に当接していることを特徴とする電子部品の防滴構造。
  5. 請求項4に記載の電子部品の防滴構造であって、
    前記導光体は、前記回路基板全体を収納して覆う基板収納部を有し、この基板収納部の内周面の根元には、段状に突出して前記基板の外周部分を当接する基板当接面を形成したことを特徴とする電子部品の防滴構造。
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