JP7094050B2 - 端子ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、外部コネクタに接続する端子(コネクタ部)を有する電子部品に用いて好適な端子ユニットに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示すように、ケース(10,50)内に、回転つまみ(100)や回路基板(150)等を収納し、前記回転つまみ(100)を回転することで、この回転つまみ(100)に取り付けた摺動子(140)を前記回路基板(150)に形成した摺接パターン(157)に摺接させ、これによって、この回路基板(150)に取り付けた複数本の端子(21)間の検出出力を変化させる構造の回転式電子部品(1)がある。
そして上記複数本の端子(21)は、その中間部分がケース(10)内にインサート成形されることでケース(10)に固定され、ケース(10)の内側に突出した部分に回路基板(150)が接続され、ケース(10)の外部に突出した部分が、外部端子への接続部になっている。
特開2014-127409号公報
上記回転式電子部品(1)に用いている端子(21)は、L字状に1回屈曲しているだけであり、またケース(10)の外部へ突出している部分の周囲がケース(10)によって覆われていないため、ケース(10)に端子(21)をインサート成形する際の金型構造はそれほど複雑にならない。
しかし、例えば、端子の形状が複数回屈曲するような複雑な形状であったり、端子のケースから外部に突出している部分の周囲がケースによって覆われている構造であったりすると、ケースに端子をインサート成形する際の金型構造が複雑になり、その製造が困難になるという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、端子の形状自体が複雑であったり、端子のケースから外部に突出している部分の周囲がケースによって覆われているような構造であったりしても、ケースに容易に端子を設置することができる端子ユニットを提供することにある。
本発明は、電子部品収納用のケースに設けた端子ユニット挿入穴内に挿入される端子ユニットであり、途中の部分に折り曲げ部を有する端子と、前記端子の折り曲げ部を覆うように成形される端子保持体とを有し、前記端子の一方側の端部は、前記ケース内に設置される回路基板に接続される基板接続部であり、前記端子の他方側の端部は、外部端子に接続させる外部端子接続部であり、前記端子は複数本であって、当該各端子は前記折り曲げ部として第1折り曲げ部と第2折り曲げ部の2か所を有し、前記第1折り曲げ部側の端部は前記基板接続部であり、前記第2折り曲げ部側の端部は前記外部端子接続部であり、前記各基板接続部は上下方向に平行に設置され、前記各外部端子接続部は左右方向に平行に設置されることを特徴としている。
本発明によれば、端子ユニット及びこれを取り付けるケースの両者の成形に用いる金型構造を何れも簡素化できる。従って、本発明に係る端子ユニットを用いることによって、例え端子の形状自体が複雑であったり、端子のケースから外部に突出している部分の周囲がケースによって覆われているような複雑な構造であったりしても、容易にケースに端子を設置することができる。
また本発明は、前記端子保持体が、少なくとも2か所に分割して複数個所に形成されていることを特徴としている。
例え端子の形状が複雑であっても、簡単な構造の端子保持部を組み合わせて必要な個所に成形することができるので、金型構造を簡素化することが可能になる。
本発明によれば、端子の形状自体が複雑であったり、端子のケースから外部に突出している部分の周囲がケースによって覆われているような構造であったりしても、ケースに容易に端子を設置することができる。
回転式電子部品1の斜視図である。 回転式電子部品1を別の角度から見た斜視図である。 回転式電子部品1の概略断面図(図1のA-A概略断面図)である。 回転式電子部品1から第3カバー300と防滴部材250と第1カバー220と第2カバー70を分解して示す分解斜視図である。 図4を別の角度から見た分解斜視図である。 第3カバー300と防滴部材250と第1カバー220と第2カバー70を除く回転式電子部品1の他の部品の分解斜視図である。 図6を別の角度から見た分解斜視図である。 端子141と第1端子保持体143と第2端子保持体144とを分解して示す斜視図である。 ケース20を別の角度から見た斜視図である。 ケース20を別の角度から見た斜視図である。 端子ユニット付きケース180をその側方から見た図である。
以下、本発明の1実施形態に係る端子ユニット付きケース180を用いて構成した回転式電子部品1を、図面を参照して詳細に説明する。図1は回転式電子部品1の斜視図、図2は回転式電子部品1を別の角度から見た斜視図、図3は回転式電子部品1の概略断面図(図1のA-A概略断面図)、図4は回転式電子部品1から第3カバー300と防滴部材(以下「パッキン」という)250と第1カバー220と第2カバー70を分解して示す分解斜視図、図5は図4を別の角度から見た分解斜視図、図6は第3カバー300とパッキン250と第1カバー220と第2カバー70を除く回転式電子部品1の他の部品の分解斜視図、図7は図6を別の角度から見た分解斜視図である。なお、回転つまみ100の操作部101を露出する面側を前面、その反対側を後面といい、また図1に表示している第3カバー300の上を向いている面側を「上」、その反対側を「下」といい、また前後方向と上下方向の両方向に直交する水平方向を左右方向ということとする。
これらの図に示すように、回転式電子部品1は、ケース20と、第2カバー70と、一対の摺動子130を取り付けた回転つまみ100と、端子ユニット140と、回路基板160と、導光体190と、第1カバー220と、パッキン250と、第3カバー300とを具備して構成されている。
図9,図10は、ケース20をそれぞれ別の角度から見た斜視図である。図1~図7、図9、図10に示すように、ケース20は非透明材料からなる合成樹脂の一体成形品であり、例えば図6,図7に示すように、略平板状の基部20Aの上下の辺に、左右方向に延びる側壁部20B、20Cを設けることで、基部20Aの一方の面側に第1収納部25を形成し、他方の面側に第2収納部23を形成している。基部20Aの前方には側壁部20B、20Cが形成されていない。また、基部20Aの後方には、略箱型に突出するコネクタ部(コネクタ)20Dが形成されている。そして、基部20Aには、第2収納部23側に向かって突出する略円筒状の軸受部21が設けられている。軸受部21の中央は、基部20Aを貫通する挿通部22となっている。また、側壁部20B,20Cの第2収納部23側の部分には、下記する第2カバー70の爪部79を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部27が設けられている。また側壁部20B,20Cの第1収納部25側の部分には、下記する第1カバー220の爪部223を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部29が形成されている。また側壁部20B,20Cの外面の前記両被係止部27,29の間の位置には、下記する第3カバー300の被係止部309を係止する爪状の一対の係止部30が形成されている。基部20Aの第1収納部25側の面の外周近傍部分を囲む部分は、下記する導光体190の外周先端面194を当接する当接面となっている。
一方、コネクタ部20Dは、後方に向けて矩形箱型に突出するコネクタ本体部43を有し、このコネクタ本体部43の後方の面に、凹状の外部コネクタ着脱凹部45を形成している。またコネクタ部20Dは、第1収納部25側に向かって開口する略L字状で凹状の端子ユニット挿入穴31も有している。外部コネクタ着脱凹部45と端子ユニット挿入穴31は連通している。そして端子ユニット挿入穴31に下記する端子ユニット140を挿入することで、端子ユニット140の後方側を向く端子141の部分(外部端子接続部141a)が、図2に示すように、前記外部コネクタ着脱凹部45内に配置され、コネクタ部20Dが構成される。このコネクタ部20Dには、外部コネクタ着脱凹部45にその後方から図示しない外部コネクタが挿入され、外部コネクタに設けたメス側の各端子が前記各端子141(外部端子接続部141a)に接続される。
一方、前記軸受部21の円弧状外周面の一部分と、その左右両側壁部20B、20Cの第2収納部23側の前方の辺は、パッキン搭載面33(33a~33c)となっている。また基部20Aの第1収納部25側の面の中央付近(下記する回路基板160の各ガイド部173に対向する位置)には、一対の棒状に突出する基板ガイド部35が形成されている。また側壁部20B、20Cの第1収納部25側に突出している部分の前方近傍部分の外面側には、左右方向に向かって伸びる平板状の突出部37とその後方の凹部39とが形成されている。さらに凹部39の後方の側壁部20B、20Cの先端面には、小穴からなる挿入部41が形成されている。また図示はしていないが、第2収納部23内の軸受部21を設けた根元部分の面(下記するクリック用ボール127に対向する位置)には、円弧状方向(クリック用ボール127の移動する円弧方向)に向かって凹凸するクリック係合部が形成されている。
第2カバー70は、非透明材料からなる合成樹脂を一体成形して構成されており、略平板矩形状のケース本体部71と、ケース本体部71から回転つまみ100側に向けて突出する円板状のつまみ支持部73とを具備して構成されている。つまみ支持部73の外周にはケース側に向けて突出する円筒状の外側壁74が設けられ、その内側には同心円状に突出する有底円筒状の突出部75が設けられている。ケース本体部71の上下両側辺からは、回転つまみ100側に向けて一対の係止爪77が突出している。係止爪77は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部79を設けている。またケース本体部71の外周の一部は、下記するパッキン250を当接するパッキン搭載面81となっている。
回転つまみ100は合成樹脂の成形品であり、透明材料と非透明材料からなる二色成形品である。回転つまみ100は略円板形状であり、その外周面が操作部101となっている。回転つまみ100の第2カバー70側を向く面には、円形の凹部103が設けられ、凹部103内には、2つの筒状の突出部105,107が同心円状に突設されている。両突出部105,107の間の円形の凹部は、前記第2カバー70の突出部75を挿入する挿入部109となっている。また突出部107中央の凹部の底面は、略円錐凹状の光反射面110(図3参照)となっている。回転つまみ100のケース20側を向く面の中央からは、略円柱形状の軸部111が突出している。軸部111の上面には、一対の摺動子130が取り付けられており、さらにその中央位置からは円錐台形状の導光用突起115が突出している。導光用突起115の先端面は光入射面117になっている。両摺動子130は同一形状であり、基部131から円弧状のアーム部133を突出して基部131上に折り返し、アーム部133の中央位置に接点部135を形成して構成されている。軸部111の周囲には、リング状の防滴用凹部123が形成されている。また回転つまみ100のケース20側を向く面の外周部分には、有底円形の穴からなるクリック機構収納部124が形成されている。クリック機構収納部124には、コイルバネ125とクリック用ボール127とが収納される。
また上述のように、回転つまみ100は、2種類の樹脂A1,A2(図3参照)を一体成形することによって構成されている。一方の樹脂A1は透明な樹脂であり、もう一方の樹脂A2は不透明な樹脂である。透明な樹脂A1は、その全体がつまみ用導光部A1を構成し、この回転つまみ100の軸部111と操作部101の間を光学的につないでおり、操作部101の外周面と、導光用突起115の光入射面117間を光学的に結ぶように成形されている。光入射面117は円形の平面状に形成されている。つまみ用導光部A1は、略円板状の導光本体部A11と、導光本体部A11の中心から軸部111側に垂直に突出して軸部111の中心部分を構成する導光軸部A13とを具備している。導光本体部A11の導光軸部A13とは反対側の面の中央に、前記光反射面110が形成されている。また前記両突出部105,107も導光本体部A11の一部を構成している。一方、樹脂A2は、導光本体部A11の光反射面110側の面の操作部101の裏面側の部分と、導光本体部A11の軸部111側の面略全体の部分とに形成されており、軸部111の導光軸部A13を除く部分と、防滴用凹部123とを構成している。
端子ユニット140は、6本の金属製の端子141を、略矩形平板状で成形樹脂製の第1端子保持体143と、略四角棒状で成形樹脂製の第2端子保持体144の2か所においてインサート成形して構成されている。各端子141の後方を向く端部は外部端子接続部141a、反対側の端部は基板接続部141bとなっている。各端子141は、略平行に設置されていて、さらに具体的に言えば、後方側の外部端子接続部141aは左右方向に平行に設置され、基板接続部141bは上下方向に平行に設置されている。図8は、端子141と第1端子保持体143と第2端子保持体144とを分解して示す斜視図である。同図に示すように、6本の各端子141は、棒状であって、それぞれその途中の2か所でほぼ直角に屈曲することで、その一端は後方に向かって1列に6本突出し、他端は一側面側を向いて1列に6本突出している。各端子141の途中の部分は、第2折り曲げ部145と第1折り曲げ部147において、折り曲げられている。即ち、各端子141は、外部端子接続部141a側から所定の距離にある第2折り曲げ部145のところで、下方向にほぼ直角に折り曲げられ、次に、所定の距離にある第1折り曲げ部147のところで、右方向に向けて直角になるように折り曲げられている。第1折り曲げ部147は、1回で直角に折り曲げられる端子141と、2回約45度ずつ折り曲げることで直角に折り曲げられる端子141とがある。
第1端子保持体143は、前記端子141の第2折り曲げ部145よりも基板接続部141b側の部分に成形され、第1折り曲げ部147の略全体を覆っている。この第1端子保持体143は、ケース20に設けた略L字状の端子ユニット挿入穴31の上下方向に延びている部分にほぼぴったり圧入される寸法に形成されている。第1端子保持体143は、第1折り曲げ部147の略全体を覆うことで、折れ曲がって強度の弱くなる部分を補強する作用も有する。第2端子保持体144は、前記端子141の第2折り曲げ部145よりも外部端子接続部141a側の部分に成形されている。この外部端子接続部141aは、ケース20に設けた端子ユニット挿入穴31の前後方向に延びている部分の一部の部分にほぼぴったり圧入される寸法に形成されている。
回路基板160は、硬質で略矩形状の板からなる絶縁基板161の所定位置に、円形の貫通する挿通部163を設け、この挿通部163の周囲の回転つまみ100を向く面側に、前記摺動子130の接点部135を摺接させる摺接パターン165を形成し、また絶縁基板161の後方の外周辺近傍に一列に前記端子141の一端(基板接続部141b)を挿入する6つの小孔からなる端子挿入孔167を形成し、また絶縁基板161の前記摺接パターン165を設けた反対の面側の所定位置に発光素子169と他の各種電子部品171とを取り付け、さらに前記ケース20の各基板ガイド部35に対向する位置にこれらを挿入する小孔からなるガイド部173を形成して構成されている。絶縁基板161上には、図示しない回路パターンが形成されており、前記摺接パターン165や発光素子169や各種電子部品171や前記端子挿入孔167に取り付けられる端子141間を電気的に接続する。摺接パターン165としては、スイッチパターンや抵抗体パターン等の種々のパターンが適用できる。
導光体190は、透明な合成樹脂を、回路基板160側の面が解放された略矩形箱型に一体成形して構成されている。導光体190の回路基板160側を向く面は凹状の基板収納部191となっており、その底面の所定位置から円柱状の光導出部193が突出している。基板収納部191は、前記回路基板160全体を収納して覆う形状に形成されていて、その外周側壁の内周面の根元にはこれを囲むように、段状の基板当接面192が形成されている。また導光体190の外周側壁の先端面は、その全体が同一平面とされた外周先端面194となっている。光導出部193は前記回路基板160の挿通部163に挿入できる寸法に形成されており、その先端面は光出射面195となっている。光出射面195は円形の平面状に形成されており、前記回転つまみ100の光入射面117と同一の外径寸法に形成されている。また導光体190の第3カバー300側の外周面(前面)も光出射面197となっている。また、導光体190の第1カバー220側の面(背面)には、光出射面195,197方向に光を反射させる光反射面199が形成されている。光反射面199は、導光体190の背面のほぼ中央(前記回路基板160に取り付けた発光素子169に対向する位置)に形成される複数の傾斜面(水平面も含む)によって形成されており、発光素子169から発射されて導光体190内に導入された光を、光出射面195と光出射面197に向けて反射する形状に形成されている。また導光体190の基板収納部191の底面の、前記ケース20の各基板ガイド部35に対向する位置には、これらを挿入する有底の小穴からなるガイド部挿入部203が形成されている。
第1カバー220は、非透明な合成樹脂を略平板矩形状に成形して構成されており、前記ケース20の第1収納部25を略覆う外形形状に形成されている。第1カバー220の上下両側辺からは、ケース20側に向けて一対の係止爪221を突出している。係止爪221は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部223を設けている。また第1カバー220の前面側付近のケース20側を向く面には、前記ケース20の凹部39に挿入される形状のガイド突起225と、前記ケース20の挿入部41に挿入される形状のガイド突起227が形成されている。
パッキン250は、エラストマー等の弾性体を、横断面円形で略矩形のリング状に形成し、3辺を直線状に、もう1つの辺を円弧状に湾曲した形状として構成されている。
第3カバー300は、合成樹脂の成形品であり、ケース20側が解放された略矩形箱型に成形して構成されており、これによって収納部301を形成している。第3カバー300の前面(以下「化粧面」という)303の前記回転つまみ100に対向する位置には、回転つまみ100の操作部101の一部を露出する開口305が形成され、また前記導光体190の光出射面197に対向する位置には、照光部307が形成されている。照光部307は、第3カバー300を構成する透明な成形樹脂の表面に塗布した不透光性の塗装を、所望の文字や記号等の形状にレーザー等によって切り欠くことで形成されているが、他の種々の方法によって形成しても良い。第3カバー300の対向する上下両側面の所定位置には、それぞれ前記ケース20の係止部30に係止される矩形状の貫通孔からなる被係止部309が形成されている。
次に、回転式電子部品1を組み立てるには、まず予め、回転つまみ100の防滴用凹部123内に、防滴用のグリスG(図3参照)を充填し、且つこの回転つまみ100に一対の摺動子130を取り付けておく。一方、端子ユニット140の側方に向かって突出する各端子141の基板接続部141bを、回路基板160の各端子挿入孔167に挿入し、その反対側において回路基板160上の回路パターンに半田によって固定しておく。
そして、ケース20の第2収納部23内に、前記摺動子130を取り付け且つコイルバネ125とクリック用ボール127をクリック機構収納部124に収納した回転つまみ100を収納し、その際、回転つまみ100の軸部111を、ケース20の軸受部21内に回動自在に挿入し、軸支する。このとき、回転つまみ100のグリスGを充填した防滴用凹部123内に、ケース20の軸受部21が挿入されることで、防滴処理部が形成される。次に、前記回転つまみ100の側面を覆うように、第2カバー70を取り付け、係止爪77の爪部79をケース20の被係止部27に係止し、これによって回転つまみ100を挟んだ状態で第2カバー70をケース20に取り付ける。このとき、第2カバー70のつまみ支持部73が回転つまみ100の側面を覆い、その突出部75が回転つまみ100の挿入部109に挿入される。
次に、前記端子ユニット140を取り付けた回路基板160をケース20の第1収納部25内に収納する。このとき、端子ユニット140は、ケース20の略L字状の端子ユニット挿入穴31内に圧入・収納され、固定される。これによって、端子ユニット140の各外部端子接続部141aは、図2に示すように、ケース20の外部コネクタ着脱凹部45内に位置(露出)し、これによって、コネクタ部20Dが構成される。
次に、前記回路基板160の上から、導光体190を、ケース20の第1収納部25内に収納し、さらにその上から第1カバー220を被せる。そして第1カバー220の各爪部223を、ケース20の各被係止部29に係止する。このときケース20の一対の基板ガイド部35が、回路基板160の各ガイド部173を貫通して更に導光体190の各ガイド部挿入部203に挿入され、これら各部材が位置決めされる。またこのとき、第1カバー220のガイド突起225がケース20の凹部39に挿入され、第1カバー220のガイド突起227がケース20の挿入部41に挿入される。このとき、回路基板160を収納した導光体190は、その外周の外周先端面194がケース20の基部20Aに当接することで、回路基板160を囲む空間は防滴され、回路基板160への液体の浸入が防止される。
またこのとき、回路基板160の摺接パターン165には、摺動子130の接点部135が当接する。また、導光体190は回路基板160を覆っていて且つ回路基板160の発光素子169を設置した側の面の外周部分は導光体190の基板当接面192に当接している。また導光体190の光導出部193は、回路基板160の挿通部163に挿入され、その先端の光出射面195は回転つまみ100の光入射面117に接近して対向している。
次に、パッキン250を、第3カバー300のケース本体収納部301内に挿入して、第3カバー300の開口305の裏側を囲む位置に設けたパッキン搭載面311(図3参照)に当接・設置する。そして、このパッキン250を取り付けた第3カバー300を、前記ケース20の回転つまみ100を露出する側の部分に、その上から被せるように取り付ける。その際、各係止部30を、第3カバー300の各被係止部309に係止し、これによって図1~図3に示す回転式電子部品1の組み立てが完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
このとき、図1,図3に示すように、回転つまみ100の操作部101の一部は、開口305から露出する。また第3カバー300の照光部307の裏面に対向する位置に、導光体190の光出射面197が配置される。またこのとき、パッキン250は、第3カバー300のパッキン搭載面311と、前記ケース20及び第2カバー70のパッキン搭載面33(33a~33c),81との間で挟持され、密閉される。
以上のようにして組み立てられた回転式電子部品1において、回転つまみ100を回転すると、摺動子130の接点部135が回路基板160の摺接パターン165上を摺動し、これによって各端子141間の検出出力が変化する。
一方、発光素子169を発光すれば、その光は図3に一点鎖線で示すように、導光体190内に導入される。導光体190内に導入された光の一部は、光反射面199で反射されることで前記光出射面197に向かい、その面から放出され、前記第3カバー300の照光部307をその裏面側から明るく照らし出す。一方、発光素子169から導光体190内に導入された光の一部は、光反射面199で反射されることで、前記光出射面195に向かい、その面から放出され、回転つまみ100の光入射面117からつまみ用導光部A1内に導入される。つまみ用導光部A1内に導入された光は、導光軸部A13内を進み、光反射面110等で反射されることで、導光本体部A11内を進み、操作部101の外周面に導かれ、操作部101を明るく照らし出す。
一方、この回転式電子部品1は、図示しない電子機器の操作パネルに装着され、その際、第3カバー300の化粧面303が、操作パネルの外部に露出する。そしてこの操作パネルの外部に露出した化粧面303に液体がかかることがある。かかった液体は、第3カバー300の開口305からその内部に浸入するが、浸入した液体は、パッキン250によって、その内側への浸入が阻止される。
ところで、本発明に係る端子ユニット付きケース180は、図11に示すように、ケース20の端子ユニット挿入穴31に、端子ユニット140を収納したものをいう。即ち、図11は端子ユニット付きケース180をその側方から見た図である。同図に示すように、L字状の端子ユニット140は、真っ直ぐにL字状の端子ユニット挿入穴31に圧入するだけで容易に装着できる。且つ、圧入するだけで、端子ユニット140の外部端子接続部141aを、ケース20の外部コネクタ着脱凹部45内に配置でき、コネクタ部20Dを構成できる。つまり、ケース20とは別に単独でインサート成形した端子ユニット140を、ケース20の端子ユニット挿入穴31に挿入するだけで、容易に、ケース20の外部コネクタ着脱凹部45内に端子の端部(外部端子接続部141a)を露出させることができる。同時に、端子ユニット140の基板接続部141bを、ケース20の内部に配置でき、これに回路基板160を容易に接続できる。またこの実施形態の場合、端子ユニット140を、L字状に屈曲した状態でケース20の端子ユニット挿入穴31内に装着するので、外部端子接続部141aを後方に引っ張る力に対して、ケース20への端子ユニット140の装着強度を強くすることができる。このため、外部コネクタ着脱凹部45に図示しない外部コネクタを着脱して外部コネクタに取り付けた図示しない各メス側端子を、各外部端子接続部141aに着脱しても、各外部端子接続部141aが後方に引き抜かれたりすることはない。
以上説明したように、端子ユニット140を、ケース20とは別に単独でインサート成形したので、端子ユニット140及びこれを取り付けるケース20の両者の成形に用いる金型構造を何れも簡素化できる。従って、この端子ユニット140を用いることによって、例え端子141の形状自体が複雑であったり、端子141のケース20から突出している部分の周囲が外部コネクタ着脱凹部45によって覆われているような複雑な構造であったりしても、容易にケース20に端子141を設置することができる。さらに説明すると、端子ユニット140を用いることで、ケース20のコネクタ部20Dを成形する際は、外部コネクタ着脱凹部45の内部形状に合わせた簡単な構造の成形金型を使用すればよく、端子141の形状等を考慮した複雑な構造にする必要がない。即ちもし端子ユニット140を使用しないで、端子141を直接ケース20内にインサート成形し、且つコネクタ部20Dを成形しようとすると、各端子141の外部端子接続部141aが露出するようにこれらを挿入する穴を設けた複雑な構造の成形金型を作成し、成形時に各端子141の外部端子接続部141aを成形金型に設けた穴に挿入しなければならないため、成形金型の寸法精度と、端子141の端子ピッチ間の寸法精度が要求され、さらに端子141を成形金型の穴に挿入する際も、端子141が穴の周囲に引っ掛かって折れ曲がらないようにしなければならないため、ケース20の製作がかなり困難になる。また仮にケース20に端子141を直接インサート成形して、且つ外部コネクタ着脱凹部45を有するコネクタ部20Dを形成したとしても、端子141をインサート成形する際に、成形金型内において端子141を押えておくためのピンが必要になり、成形後にケース20にピン穴が形成されてしまう。そしてピン穴には端子141が露出しているため、ピン穴に液体等が浸入すると、ショート等の原因となる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、2か所で折り曲げた端子に端子保持体を成形する例を示したが、1か所で折り曲げた端子に端子保持体を成形しても良いし、3か所以上で折り曲げた端子に端子保持体を成形してもよい。また成形する端子保持体も、2つに限らず、1つ又は3つ以上であっても良い。また本発明は、回転式電子部品以外の各種電子部品に適用してもよく、要は、電子部品収納用のケースに端子を取り付けるものであれば、どのようなものにも適用できる。
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
1 回転式電子部品(電子部品)
20 ケース
31 端子ユニット挿入穴
45 外部コネクタ着脱凹部
140 端子ユニット
141 端子
141a 外部端子接続部(端部)
143 第1端子保持体(端子保持体)
144 第2端子保持体(端子保持体)
145 第2折り曲げ部(折り曲げ部)
147 第1折り曲げ部(折り曲げ部)
180 端子ユニット付きケース

Claims (2)

  1. 電子部品収納用のケースに設けた端子ユニット挿入穴内に挿入される端子ユニットであり、
    途中の部分に折り曲げ部を有する端子と、
    前記端子の折り曲げ部を覆うように成形される端子保持体とを有し、
    前記端子の一方側の端部は、前記ケース内に設置される回路基板に接続される基板接続部であり、
    前記端子の他方側の端部は、外部端子に接続させる外部端子接続部であり、
    前記端子は複数本であって、当該各端子は前記折り曲げ部として第1折り曲げ部と第2折り曲げ部の2か所を有し、
    前記第1折り曲げ部側の端部は前記基板接続部であり、
    前記第2折り曲げ部側の端部は前記外部端子接続部であり、
    前記各基板接続部は上下方向に平行に設置され、
    前記各外部端子接続部は左右方向に平行に設置される
    ことを特徴とする端子ユニット。
  2. 請求項1に記載の端子ユニットであって、
    前記端子保持体は、少なくとも2か所に分割して複数個所に形成されている
    ことを特徴とする端子ユニット。
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