JP6913319B2 - 電子部品の防滴構造 - Google Patents

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Description

本発明は、操作つまみを有する電子部品の防滴構造に関するものである。
従来、回転式電子部品の中には、例えば特許文献1に示すように、回転式電子部品(1)の回転つまみ(30)の外周部分の一部を外ケース100に設けた開口(105)から外部に露出し、回転つまみ(30)の前記開口(105)から露出した部分を指等で回転操作することで、本体ケース(10)内の図示しない電気的機能部を駆動し、その検出出力を変化させる構造のものがあった。
そして前記開口(105)と回転つまみ(30)の間の隙間から液体が浸入して前記電気的機能部に付着しないように、前記開口(105)と回転つまみ(30)の間の隙間を塞ぐゴム状防滴板(60)を設置することで防滴構造を構成している。
一方特許文献2においては、防滴のため、電気的機能部の部分を覆う防水ケース(120)等を設置している。
特開2011−134573号公報 特開2010−9937号公報
しかしながら、上記特許文献1の場合、ゴム状防滴板(60)が回転つまみ(30)に触れるため、回転つまみ(30)の操作性が悪くなってしまう。
また、上記特許文献2の場合、別途防水ケース(120)等を使用する必要があるため、部品点数が増え、また回転式電子部品自体も大型化してしまう。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、効果的な防滴が図れ、同時に操作つまみの操作性が良く、また装置の小型化を図ることもできる電子部品の防滴構造を提供することにある。
本発明は、回路基板の一方の面側に、軸を中心に円運動または円弧運動または揺動運動する操作つまみを設置し、操作つまみと回路基板の間に操作つまみの前記運動に応じて出力を変化する検出手段を設け、少なくとも前記操作つまみをケース内に収納し、ケースに設けた開口から前記操作つまみの外周の操作部の一部を露出し、さらに前記ケースの開口を設けた面の外周側を覆うように取り付けられ且つ前記操作つまみの操作部の一部を露出する露出口を有するカバーを取り付けてなる電子部品の防滴構造において、前記ケースの開口の周囲と、前記カバーの露出口の周囲間に、防滴部材を挟持し、これによって前記カバーの露出口からケースとカバーの間を通して液体が浸入するのを防止し、且つ前記操作つまみの前記軸部を設けた面側に位置する前記防滴部材は、前記操作つまみの外周の操作部に沿う前記カバーの露出口近傍位置に設置され、一方、前記操作つまみの前記軸部を設けた面の反対面側に位置する前記防滴部材は、前記カバーの露出口近傍位置から後方に離れた操作つまみ側面の中央付近に設置されることを特徴としている。
これによって、カバーの露出口からケースとカバーの間を通してその内部に浸入しようとする液体を効果的に防滴することができる。しかも操作つまみを回転する際に、防滴部材は全く操作つまみに当接しないので、操作つまみの操作性が悪くなることもない。
防滴部材としては、リング形状の弾性材等が好適であるがそれ以外の形状、構造、材質の防滴部材であっても良い。また必ずしもカバーの露出口(またはケースの開口)の全周を囲む構成でなくても良く、その一部のみに設置しても良い。
また回路基板がある側の防滴部材は、操作つまみの外周の操作部近傍の位置(浸入直後の位置)で液体の浸入が阻止される。一方、回路基板がない側の防滴部材は、操作つまみの外周の操作部から離れた操作つまみ側面の中央付近で防滴される。つまり、回路基板がある側は、カバーの露出口近傍位置で防滴を行うことで、防滴効果が高められる。一方回路基板から離れている操作つまみの反対側の部分では、操作つまみの操作部よりも後方(下方)の位置に防滴部材を設置するので、カバーの露出口近傍部分の幅寸法を小さくできる。カバーの露出口近傍部分は、この電子部品を搭載する電子機器の操作パネルに露出する部分であるが、この部分の幅寸法を小さくできることで、電子機器の操作パネルの小型化・薄型化を図ることもできる。
また本発明は、前記操作つまみの前記回路基板側の側面から軸部を突出し、当該操作つまみの回路基板側の側面から突出した軸部を、前記ケースの前記検出手段を設置した周囲の位置から突出する軸受部内に回動自在に挿入し、前記軸部を挿入した軸受部の先端側部分の内周面側または先端面側または外周面側の何れかに、グリスの充填またはパッキンの設置からなる防滴処理部を設けたことを特徴としている。
これによって、前記防滴部材によっては防滴されない、ケースの開口からケース内に浸入した液体も、ケース内の軸受部の先端側部分でその浸入が阻止され、これによって検出部及び回路基板への液体の浸入をさらに効果的に防止することができる。
また本発明は、回路基板の一方の面側に、軸を中心に円運動または円弧運動または揺動運動する操作つまみを設置し、操作つまみと回路基板の間に操作つまみの前記運動に応じて出力を変化する検出手段を設け、少なくとも前記操作つまみをケース内に収納し、ケースに設けた開口から前記操作つまみの外周の操作部の一部を露出し、さらに前記ケースの開口を設けた面の外周側を覆うように取り付けられ且つ前記操作つまみの操作部の一部を露出する露出口を有するカバーを取り付けてなる電子部品の防滴構造において、前記ケースの開口の周囲と、前記カバーの露出口の周囲間に、防滴部材を挟持し、これによって前記カバーの露出口からケースとカバーの間を通して液体が浸入するのを防止し、さらに前記操作つまみの前記軸部を設けた面の反対側の面に円状の凹部を設け、一方、当該操作つまみの前記軸部を設けた面の反対側の面に対向するケースの面に、前記凹部内に挿入される筒状の突出部を設け、当該凹部と当該突出部を噛み合わせることを特徴としている。
これによって、ケースの開口からケースと操作つまみの間の隙間への液体の浸入が規制され、これによってさらに回路基板への液体の浸入を効果的に防止することができる。
本発明によれば、効果的な防滴が図れ、同時に操作つまみの操作性が良く、また装置の小型化を図ることも可能となる。
回転式電子部品1の斜視図である。 回転式電子部品1の概略断面図(図1のA−A概略断面図)である。 本体ユニット10とカバー300と防滴部材250の分解斜視図である。 回転式電子部品1からカバー300を取り外した状態を示す分解斜視図である。 本体ユニット10の分解斜視図である。 本体ユニット10を別の角度から見た分解斜視図である。 カバー300を後側の下側から見た斜視図である。 回転式電子部品1内への液体の浸入経路L1〜L3を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態を用いて構成された電子部品(以下「回転式電子部品」という)1の斜視図、図2は回転式電子部品1の概略断面図(図1のA−A概略断面図)、図3は回転式電子部品1を構成する本体ユニット10とカバー300と防滴部材(以下「パッキン」という)250とを分解して示す斜視図、図4は本体ユニット10にパッキン250とカバー300とを装着する手順を示す斜視図、図5は本体ユニット10の分解斜視図、図6は本体ユニット10を別の角度から見た分解斜視図である。これらの図に示すように回転式電子部品1は、各種部品を収納した本体ユニット10と、本体ユニット10の操作つまみ100を突出する側の面を覆うカバー300とを具備して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは本体ユニット10からカバー300を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。また「前」とは下記する第1ケース20から操作つまみ100側を見る方向をいい、「後」とは第1ケース20から下記する回路基板160を見る方向をいうものとする。
図1〜図6に示すように本体ユニット10は、第1ケース20と第2ケース70の間に、摺動子130を取り付けた操作つまみ100を収納し、また第1ケース20の反対面側に、端子ユニット140を収納し、その上から回路基板160と、導光体190と、第3ケース220とを設置して構成されている。また回転式電子部品1は、この本体ユニット10にパッキン250とカバー300とを装着して構成されている。
第1ケース20は合成樹脂を略矩形箱型に成形した成形品であり、その上部中央に略円筒状の軸受部21を設け、この軸受部21の操作つまみ100を向く側に凹部からなる第1収納部23を、回路基板160を向く側に凹部からなる第2収納部25を設けて構成されている。第1ケース20の左右両側面の第1収納部23側の部分には、下記する第2ケース70の爪部79を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部27が設けられている。また第1ケース20の左右両側面の第2収納部25側の部分には、下記する第3ケース220の爪部223を係止する矩形状の貫通孔からなる一対の被係止部29が形成されている。また第1ケース20の左右両側面の前記両被係止部27,29の間の位置には、下記するカバー300の被係止部309を係止する爪状の一対の係止部30が形成されている。軸受部21の下方には、後方に向かって開口する略矩形状の端子ユニット収納部31が形成されている。また前記軸受部21の上面の中央部分の円弧面部分と、その左右両側の第1収納部23側に突出する上辺部分は防滴部材搭載面(以下「パッキン搭載面」という)33(33a〜33c)となっており、前記円弧面部分を中央の軸受部側防滴部材搭載面33aとし、その両側の直線状部分を左右側パッキン搭載面33b、33cとしている。また下記する操作つまみ100のストッパ部129を当接してそれより上方向への移動を阻止する左右一対のストッパ係止部35(図5では一方のみ示す)が形成されている。また図示はしていないが、第1収納部23内の軸受部21を設けた面の下方(下記するクリック用ボール127に対向する位置)には、円弧状方向(クリック用ボール127の移動する円弧方向)に向かって凹凸するクリック係合部が形成されている。
第2ケース70は、合成樹脂を一体成形して構成されており、略平板矩形状のケース本体部71と、ケース本体部71の上部中央から操作つまみ100側に向けて突出する円板状のつまみ支持部73とを具備して構成されている。つまみ支持部73の操作つまみ100側の面の外周部分には円筒状に突出する突出部74が設けられ、またその内側中央には、有底円筒状の突出部75が突出して設けられている。ケース本体部71の左右両側辺からは、操作つまみ100側に向けて一対の係止爪77が突出している。係止爪77は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部79を設けている(図5,図6では一方のみ示す)。またケース本体部71の上辺は、下記するパッキン250を当接する反軸受部側パッキン搭載面81となっている。
操作つまみ100は合成樹脂の成形品であり、透明材料と非透明材料からなる二色成形品である。操作つまみ100は略円板形状であり、その外周面が操作部101となっている。操作つまみ100の第2ケース70側を向く面には、円形の凹部103が設けられ、凹部103内には、2つの筒状の突出部105,107が同心円状に突設されている。両突出部105,107の間の円形の凹部は、前記第2ケース70の突出部75を挿入する挿入部(凹部)109となっている。また凹部103には、第2ケース70のつまみ支持部73の突出部74が挿入される。また突出部107中央の凹部の底面は、略円錐凹状の光反射面110となっている。操作つまみ100の第1ケース20側を向く面の中央からは、略円柱形状の軸部111が突出している。軸部111の上面は摺動子取付面113となっており、さらに摺動子取付面113の中央からは円錐台形状の導光用突起115が突出している。導光用突起115の先端面は光導入面117になっている。摺動子取付面113上には、小突起からなる摺動子取付突部119が形成されている。軸部111の周囲には、リング状の防滴用凹部121が形成されている。また操作つまみ100の第1ケース20側を向く面の外周部分には、有底円形の穴からなるクリック機構収納部123が形成されている。クリック機構収納部123には、コイルバネ125とクリック用ボール127とが収納される。またクリック機構収納部123を設けたその外周部分は、操作つまみ100の外周から外方に膨らんでおり、膨らんだ部分をストッパ部129としている。また操作つまみ100は、図2に示すように、2種類の樹脂A1,A2を一体成形することによって構成されている。一方の樹脂A1は透明な樹脂であり、もう一方の樹脂A2は不透明な樹脂である。透明な樹脂A1は、その全体が導光部を構成し、操作部101の外周面と、導光用突起115の光導入面117間を光学的に結ぶように成形されている。
摺動子130は、弾性金属板製であって、基部131と、基部131の外周からアーチ状に突出してそれらの根元部分を折り返してなるアーム部133とを具備している。アーム部133の中央には、回路基板160側に向けて突出するように屈曲する接点部135が形成されている。また基部131には、小孔からなる取付孔137が形成されている。
端子ユニット140は、6本の金属板製の端子141を、略矩形状の成形樹脂製の端子用ケース143と略四角柱状の端子保持ケース145にインサート成形して構成されている。各端子141の一端は端子用ケース143の後方の面から1列に6本突出しており、他端側は端子用ケース143の側面から突出して下方向に屈曲し、端子保持ケース145で固定された後にその先端が端子保持ケース145の下面から一列に6本突出している。
回路基板160は、硬質で略矩形状の板からなる絶縁基板161の上部に、円形の貫通孔163を設け、この貫通孔163の周囲の前面側に、前記摺動子130の接点部135を摺接させる摺接パターン165を形成し、また絶縁基板161の下辺近傍に横一列に前記端子141の一端を挿入する6つの小孔からなる端子挿入孔167を形成し、さらに絶縁基板161の後面側の前記貫通孔163の下部に発光素子169を取り付け、また所定位置に他の各種電子部品171を取り付けて構成されている。絶縁基板161上には、図示しない回路パターンが形成されており、前記摺接パターン165や発光素子169や各種電子部品171や前記端子挿入孔167に取り付けられる端子141間を電気的に接続する。摺接パターン165としては、スイッチパターンや抵抗体パターン等の種々のパターンが適用できる。
導光体190は、透明な合成樹脂を、前面が解放された略矩形箱型に一体成形して構成されている。導光体190の前面側は凹状の基板収納部191となっており、その底面の上部から円柱状の突出部193を突出している。基板収納部191は、前記回路基板160全体を収納して覆う形状に形成されている。突出部193は前記回路基板160の貫通孔163に挿入できる寸法に形成されており、その先端面は光放出面195となっている。また導光体190の上端辺も光放出面197となっている。
第3ケース220は、略平板矩形状であり、前記第1ケース20の後面を略覆う外形形状に形成されている。第3ケース220の左右両側辺からは、第1ケース側に向けて一対の係止爪221を突出している。係止爪221は平板状であり、その先端近傍の両外側位置に爪部223を設けている。
図3に示すように、パッキン250は、エラストマー等の弾性体を、横断面円形で略矩形のリング状に形成し、前方側の辺と左右両側辺を直線状に、後方側の辺を上方向に円弧状に湾曲した形状として構成されている。そして、円弧状に湾曲した部分を軸受部側パッキン250a、左右両側の部分を左右側パッキン250b,250c、前方側の部分を反軸受部側パッキン250dとしている。
図7はカバー300を後側の下側から見た斜視図である。同図及び図2,図3等に示すように、カバー300は、合成樹脂の成形品であり、下面が解放された略矩形箱型に成形して構成されており、これによってカバー300の下面に本体ユニット10の上部の部分を覆って収納するケース本体収納部301を形成している。カバー300の上面(化粧面)303の前記操作つまみ100に対向する位置には、操作つまみ100の操作部101の一部を露出する露出口305が形成され、また前記導光体190の光放出面197に対向する位置には、照光部307が形成されている。照光部307は、カバー300を構成する透明な成形樹脂の表面に塗布した不透光性の塗装を、所望の文字や記号等の形状に切り欠くことによって形成されているが、他の種々の方法によって形成しても良い。またカバー300の左右両側面には、それぞれ前記第1ケース20の係止部30を係止する矩形状の貫通孔からなる被係止部309が形成されている。カバー300の露出口305の周囲の裏面側には、露出口305を囲むように、防滴部材搭載面(以下「パッキン搭載面」という)311(311a〜311d)が形成されている。パッキン搭載面311は、円弧状であって露出口305側に向けて凸となる軸受部側パッキン搭載面311aと、その両側の直線状の左右側パッキン搭載面311b,311c(但し、311cは図示せず)と、反対側の略直線状の反軸受部側パッキン搭載面311dとを具備し、これらが1つの略矩形リング状(パッキン250と同様の形状)の面を形成するように構成されている。言い換えれば、軸受部側パッキン搭載面311aは露出口305の円弧状の外周縁部形状に沿う位置に形成され、反軸受部側パッキン搭載面311dは露出口305の円弧状の外周縁部形状から離れた位置に形成されている。
次に、回転式電子部品1を組み立てるには、まず、本体ユニット10を組み立てる。即ち予め、操作つまみ100の摺動子取付面113に摺動子130の基部131を載置し、その際、摺動子取付面113の摺動子取付突部119を摺動子130の取付孔137に挿入し、その先端を熱カシメして(又は圧入のみで)取り付けておく。また操作つまみ100の防滴用凹部121内に、防滴用のグリスGを充填しておく。一方、端子ユニット140の後方から突出する各端子141の先端を、回路基板160の各端子挿入孔167に挿入し、その反対側において回路基板上の図示しない回路パターンに半田h(図2参照)によって固定しておく。
そして、第1ケース20の第1収納部23内に、前記摺動子130を取り付け且つコイルバネ125とクリック用ボール127をクリック機構収納部123に収納した操作つまみ100を収納し、その際、操作つまみ100の軸部111を、第1ケース20の軸受部21内に回動自在に挿入し、軸支する。このとき、操作つまみ100のグリスGを充填した防滴用凹部121内に、第1ケース20の軸受部21が挿入されることで、防滴処理部B1が形成される。次に、前記操作つまみ100の前方側の側面を覆うように、第2ケース70を取り付け、係止爪77の爪部79を第1ケース20の被係止部27に係止し、これによって操作つまみ100を挟んだ状態で第2ケース70を第1ケース20に取り付ける。このとき、第2ケース70のつまみ支持部73が操作つまみ100の前方側の側面を覆い、その突出部75が操作つまみ100の挿入部109に挿入され、またその突出部74が凹部103内に挿入される。
次に、前記端子ユニット140を取り付けた回路基板160と導光体190とを、第1ケース20の第2収納部25内に収納し、さらにその上から第3ケース220を被せる。そして第3ケース220の各爪部223を、第1ケース20の各被係止部29に係止し、これによって図3に示すような本体ユニット10が完成する。
このとき、第1ケース20と第2ケース70の間の上面には開口H1が形成され、第1ケース20と第3ケース220の間の上面には開口H2(図2参照)が形成される。そして開口H1内には、操作つまみ100の操作部101の一部が露出(突出)する。また開口H2内には、導光体190の光放出面197が外部(上方)に突出するように露出する。また、図2に示すように、回路基板160の摺接パターン165には、摺動子130の接点部135が当接している。またこのとき、端子ユニット140は、端子ユニット収納部31内に収納されている。またこのとき、導光体190の外周辺は、第1ケース20の導光体190側を向く面に当接し、回路基板160を覆っている。また導光体190の突出部193は、回路基板160の貫通孔163に挿入され、その先端の光放出面195は操作つまみ100の光導入面117に接近して対向している。
次に、図3に示すパッキン250を、カバー300のケース本体収納部301内に挿入し、カバー300のパッキン搭載面311(311a〜311d)に当接・設置する。そして、このパッキン250を取り付けたカバー300を、本体ユニット10の上から被せるように取り付ける。即ち、カバー300のケース本体収納部301内に本体ユニット10の上部を収納し、その際、本体ユニット10の各係止部30を、カバー300の各被係止部309に係止し、これによって回転式電子部品1の組み立てを完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。例えば、パッキン250は、カバー300側に取り付ける代わりに、本体ユニット10側に取り付け、その後、カバー300を被せるように構成してもよい。その際、本体ユニット10のパッキン搭載面33(33a〜33c)及び反軸受部側パッキン搭載面81の少なくとも一部に、パッキン250がずれないようにするためのリブ等を形成しておくことが好ましい。
図4は、前記組み立てた回転式電子部品1からカバー300のみを取り外した状態を示す分解斜視図である。同図からもわかるように、回転式電子部品1のパッキン250は本体ユニット10の第1,第2ケース20,70によって形成される開口H1の周囲に当接されている。即ち、パッキン250の軸受部側パッキン250aの部分が第1ケース20の軸受部側防滴部材搭載面33aに、左右側パッキン250b,250cの部分が第1ケース20の左右側パッキン搭載面33b、33cに、反軸受部側パッキン250dの部分が第2ケース70の反軸受部側パッキン搭載面81上に当接されている。
また、図1,図2に示すように、操作つまみ100の操作部101の一部は、露出口305から露出する。またカバー300の照光部307の下面(裏面)に対向する位置に、導光体190の光放出面197が配置される。またこのとき、パッキン250の軸受部側パッキン250aの部分はカバー300の軸受部側パッキン搭載面311aに、左右側パッキン250b,250cの部分は左右側パッキン搭載面311b,311cに、反軸受部側パッキン250dの部分は反軸受部側パッキン搭載面311dに、それぞれ当接し、前記本体ユニット10のパッキン搭載面33(33a〜33c)と当接面81との間で挟持され、密閉される。
以上のようにして組み立てられた回転式電子部品1において、操作つまみ100を回転すると、摺動子130の接点部135が回路基板160の摺接パターン165上を摺動し、これによって各端子131間の検出出力が変化する。操作つまみ100を回転する際、グリスGによる適度な抵抗はあるものの、パッキン250は全く当接していないので、操作つまみ100の回転に大きなトルクがかかってその操作性が悪くなることはない。なお、操作つまみ100は、これを回転した際、そのストッパ部129(図6参照)が、第1ケース20の第1収納部23内に設けた左右一対のストッパ係止部35(図5では一方のみ示す)に当接することで、約半回転以上回転しない。つまり操作つまみ100は円弧運動をする。
また発光素子169を発光すれば、その光は図2に一点鎖線で示すように、導光体190内に導入されて反射されることで、前記光放出面197から放出されて前記カバー300の照光部307をその裏面側から明るく照らし出す。一方、導光体190内で反射することで、前記光放出面195から放出された光は、操作つまみ100の光導入面117から樹脂A1内に導入され、その内部で反射することで、操作部101の外周面に導かれ、操作部101を明るく照らし出す。
一方、この回転式電子部品1は、図8に示すように、電子機器の操作パネルCに装着される。その際、カバー300の上面303が化粧面として、操作パネルCの外部に露出する。そしてこの操作パネルCの外部に露出した上面303に液体が降りかかることがある。降りかかった液体は、カバー300の露出口305からその内部に浸入する。浸入した液体は、操作つまみ100の操作部101の周囲から、矢印L1で示すようにカバー300と第1ケース20の間から回路基板160の側へ、また矢印L2で示すようにカバー300と第2ケース70の間から第2ケース70の外表面の下端辺を通して操作つまみ100側に回り込んで回路基板160側に、また矢印L3で示すように本体ユニット10の開口H1内へ、それぞれ浸入しようとする。
しかしながら、この回転式電子部品1においては、矢印L1で示すようにカバー300と第1ケース20の間から回路基板160の側へ浸入しようとする液体は、軸受部側パッキン250aの部分によってその浸入が阻止される。また矢印L2で示すようにカバー300と第2ケース70の間から第2ケース70の外表面の下端辺を通して操作つまみ100側に回り込んで回路基板160側に浸入しようとする液体は、反軸受部側パッキン250dの部分によってその浸入が阻止される。また矢印L3で示すように本体ユニット10の開口H1内へ浸入した液体は、そのまま操作つまみ100の周囲を通過して下側に排出されるが、摺動子130側に浸入しようとする液体は、防滴処理部B1によって、摺動子130側への浸入が阻止される。以上の各点から、カバー300の露出口305から内部に浸入しようとする液体を効果的に防滴することができる。
以上説明したように、この回転式電子部品1は、回路基板160の一方の面側に、軸K1(図2参照)を中心に円運動(円弧運動や揺動運動を含む)する操作つまみ100を設置し、操作つまみ100と回路基板160の間に操作つまみ100の前記運動に応じて出力を変化する摺動子130及び摺接パターン165からなる検出手段を設け、少なくとも前記操作つまみ100を第1,第2ケース20,70内に収納し、第1,第2ケース20,70に設けた開口H1から前記操作つまみ100の外周の操作部101の一部を露出し、さらに前記第1,第2ケース20,70の開口H1を設けた面の外周側を覆うように取り付けられ且つ前記操作つまみ100の操作部101の一部を露出する露出口305を有するカバー300を取り付け構成されており、前記第1,第2ケース20,70の開口H1の周囲と、前記カバー300の露出口305の周囲間にパッキン250を挟持し、これによって前記カバー300の露出口305から第1,第2ケース20,70とカバー300の間を通して液体が浸入するのを防止することとしている。
また、操作つまみ100の回路基板160側の側面から軸部111を突出し、この軸部111を、第1ケース20の前記検出手段を設置した周囲の位置から突出する軸受部21内に回動自在に挿入し、前記軸部111を挿入した軸受部21の先端側部分に防滴処理部B1を設けたので、前記パッキン250によっては防滴されない、第1,第2ケース20,70の開口H1から第1,第2ケース20,70内に浸入した液体も、第1,第2ケース20,70内の軸受部21の部分でその浸入が阻止される。これによって検出手段及び回路基板160への液体の浸入をさらに効果的に防止することができる。
また、操作つまみ100の軸部111を設けた面側に位置するパッキン250(軸受部側パッキン250a)は、操作つまみ100の操作部101に沿う位置に設置されている。これによって、回路基板160がある側の軸受部側パッキン250aは、操作つまみ100の操作部101近傍の位置(浸入直後の位置)で液体の浸入が阻止される。一方、操作つまみ100の軸部111を設けた面の反対面側に位置するパッキン250(反軸受部側パッキン250d)は、操作つまみ100の軸K1の近傍に設置されている。これによって回路基板160がない側の反軸受部側パッキン250dは、操作つまみ100の操作部101から離れた操作つまみ100側面の中央付近で防滴を行う。つまり、回路基板160近傍部分では、カバー300の露出口305近傍位置で防滴を行うことで、防滴効果が高められる。一方回路基板160から離れている操作つまみ100の反対側の部分では、操作つまみ100の操作部101よりも後方(下方)の位置に反軸受部側パッキン250dを設置するので、カバー300の露出口305近傍部分の幅寸法S1(図8参照)を小さくすることができる。カバー300の露出口305近傍部分は、この回転式電子部品1を搭載する電子機器の操作パネルCに露出する部分であるが、この部分の幅寸法S1を小さくできることで、操作パネルC、さらにはこの操作パネルCを設置した電子機器の小型化・薄型化等を図ることもできる。
また、操作つまみ100の軸部111を設けた面の反対側の面には、円状の凹部103を設け、一方、この面に対向する第2ケース70の面には、前記凹部103内に挿入される筒状の突出部74を設け、これら凹部103と突出部74を噛み合わせている。これによって、第1,第2ケース20,70の開口H1から浸入した液体の内、軸受部111とは反対側の面と第2ケース70の間の隙間から液体が浸入することを抑制している。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では防滴部材として弾性体をリング状に形成してなるパッキンを用いたが、それ以外の形状、材質、構造の防滴部材であっても良い。また必ずしもカバーの露出口(またはケースの開口)の全周を囲む形状でなくても良く、その一部のみに設置しても良い。即ち例えば、液体が回路基板側へ侵入するのを防ぐため、パッキンをカバーの軸受部側パッキン搭載面、及び反軸受部側パッキン搭載面にのみ当接するようにして、左右側パッキン搭載面にはパッキンを当接しなくてもよい。但し、パッキンをリング状に形成する方が組み立てがし易く、余分な隙間がなくなるため、カバーを本体ユニットにがたつきなく取り付けることができる。また上記実施形態では防滴処理部を、グリスを塗布することで構成したが、パッキンを設置する等、他の各種の防滴手段を用いて防滴処理部を構成してもよい。また上記実施形態では操作つまみの回動角度をストッパ機構によって規制したが(円弧運動)、360°回転可能(回転運動)に構成しても良く、また回転以外の揺動運動自在に構成しても良い。また上記実施形態では、カバーの露出口が真上方向を向くように設置したが、別の方向(例えば、斜め上方や水平方向や斜め下方等)を向くように設置しても良い。
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
1 回転式電子部品(電子部品)
20 第1ケース(ケース)
21 軸受部
70 第2ケース(ケース)
100 操作つまみ
101 操作部
111 軸部
130 摺動子(検出手段)
160 回路基板
165 摺接パターン(検出手段)
250 パッキン(防滴部材)
250a 軸受部側パッキン(防滴部材)
250d 反軸受部側パッキン(防滴部材)
300 カバー
305 露出口
K1 軸
H1 開口
B1 防滴処理部

Claims (3)

  1. 回路基板の一方の面側に、軸を中心に円運動または円弧運動または揺動運動する操作つまみを設置し、操作つまみと回路基板の間に操作つまみの前記運動に応じて出力を変化する検出手段を設け、少なくとも前記操作つまみをケース内に収納し、ケースに設けた開口から前記操作つまみの外周の操作部の一部を露出し、さらに前記ケースの開口を設けた面の外周側を覆うように取り付けられ且つ前記操作つまみの操作部の一部を露出する露出口を有するカバーを取り付けてなる電子部品の防滴構造において、
    前記ケースの開口の周囲と、前記カバーの露出口の周囲間に、防滴部材を挟持し、これによって前記カバーの露出口からケースとカバーの間を通して液体が浸入するのを防止し、
    且つ前記操作つまみの前記軸部を設けた面側に位置する前記防滴部材は、前記操作つまみの外周の操作部に沿う前記カバーの露出口近傍位置に設置され、
    一方、前記操作つまみの前記軸部を設けた面の反対面側に位置する前記防滴部材は、前記カバーの露出口近傍位置から後方に離れた操作つまみ側面の中央付近に設置されることを特徴とする電子部品の防滴構造。
  2. 回路基板の一方の面側に、軸を中心に円運動または円弧運動または揺動運動する操作つまみを設置し、操作つまみと回路基板の間に操作つまみの前記運動に応じて出力を変化する検出手段を設け、少なくとも前記操作つまみをケース内に収納し、ケースに設けた開口から前記操作つまみの外周の操作部の一部を露出し、さらに前記ケースの開口を設けた面の外周側を覆うように取り付けられ且つ前記操作つまみの操作部の一部を露出する露出口を有するカバーを取り付けてなる電子部品の防滴構造において、
    前記ケースの開口の周囲と、前記カバーの露出口の周囲間に、防滴部材を挟持し、これによって前記カバーの露出口からケースとカバーの間を通して液体が浸入するのを防止し、
    さらに前記操作つまみの前記軸部を設けた面の反対側の面に円状の凹部を設け、一方、当該操作つまみの前記軸部を設けた面の反対側の面に対向するケースの面には、前記凹部内に挿入される筒状の突出部を設け、当該凹部と当該突出部を噛み合わせることを特徴とする電子部品の防滴構造。
  3. 請求項1又は2に記載の電子部品の防滴構造であって、
    前記操作つまみの前記回路基板側の側面から軸部を突出し、当該操作つまみの回路基板側の側面から突出した軸部を、前記ケースの前記検出手段を設置した周囲の位置から突出する軸受部内に回動自在に挿入し、前記軸部を挿入した軸受部の先端側部分の内周面側または先端面側または外周面側の何れかに、グリスの充填またはパッキンの設置からなる防滴処理部を設けたことを特徴とする電子部品の防滴構造。
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