JP2018106958A - 蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池セルなどのような単位蓄電を良好に温調できる蓄電装置を提供する。【解決手段】蓄電装置は、単位蓄電部20と、単位蓄電部の周囲を取り囲むように配置された枠体22と、枠体と単位蓄電部との間に配置されたヒータ12と、枠体と単位蓄電部との間に配置された冷却器13、14とを備える。枠体は、ヒータに対して単位蓄電部と反対側に位置する第1部分52と、冷却器に対して単位蓄電部と反対側に位置する第2部分50、51とを含む。第1部分は、ヒータと対向する第1対向部分57と、第1対向部分に対してヒータと反対側に位置する第1背面部分58とを有する。第2部分は、冷却器と対向する第2対向部分53、55と、第2対向部分に対して冷却器と反対側に位置する第2背面部分54、56とを有する。第1対向部分の熱膨張係数は、第1背面部分の熱膨張係数よりも大きく、第2背面部分の熱膨張係数は、第2対向部分の熱膨張係数よりも大きい。【選択図】図3
Description
本開示は、蓄電装置に関する。
従来から複数のバッテリセルと、各バッテリセルの温度を調整する温調装置とを備えた蓄電装置について各種提案されている(特許文献1,2参照)。
たとえば、特開2016−91800号公報に記載された電池モジュールは、複数の電池セルと、各電池セルの間に配置された温調部材と、各電池セルに設けられた複数のセルホルダとを備える。セルホルダは、電池セルと温調部材とが互いに接触するように取り付けられた枠体を含む。
しかし、特開2016−91800号公報に記載された電池モジュールにおいては、温調によってセルホルダの温度も変化し、セルホルダが膨らんだりして変形する。その結果、電池セルと温調部材との間に隙間ができやすく、電池セルを良好に温調することができないという課題が生じる。
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電池セルなどのような単位蓄電を良好に温調することができる蓄電装置を提供することである。
本開示に係る蓄電装置は、単位蓄電部と、単位蓄電部の周囲を取り囲むように配置された枠体と、枠体と単位蓄電部との間に配置されたヒータと、枠体と単位蓄電部との間に配置された冷却器とを備える。上記記枠体は、ヒータに対して単位蓄電部と反対側に位置する第1部分と、冷却器に対して単位蓄電部と反対側に位置する第2部分とを含む。上記第1部分は、ヒータと対向する第1対向部分と、第1対向部分に対してヒータと反対側に位置する第1背面部分とを有する。上記第2部分は、冷却器と対向する第2対向部分と、第2対向部分に対して冷却器と反対側に位置する第2背面部分とを有する。上記第1対向部分の熱膨張係数は、第1背面部分の熱膨張係数よりも大きい。上記第2背面部分の熱膨張係数は、第2対向部分の熱膨張係数よりも大きい。
上記の蓄電装置によれば、ヒータが駆動すると、第1部分および第2部分の温度が上昇する。第1部分の温度が上昇すると、第1対向部分および第1背面部分の温度が上昇する。第1対向部分の熱膨張係数は、第1背面部分の熱膨張係数よりも大きいため、第1対向部分の方が第1背面部分よりも伸びる。その結果、第1部分は、ヒータ近づくように膨らむように変形し、ヒータを単位蓄電部に押さえつける。
その一方で、冷却器が駆動すると、第2部分の温度が低くなり、第2対向部分および第2背面部分の温度が低くなる。第2背面部分の熱膨張系数は第2対向部分の熱膨張係数よりも高いため、第2背面部分は、第2対向部分よりも縮む。そのため、第2部分は、冷却器に向けて膨らむように変形しやすく、冷却器が単位蓄電部に押圧される。
本開示に係る蓄電装置によれば、単位蓄電を良好に温調することができる。
図1から図6を用いて、本実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、図1から図6に示す構成のうち、同一または実質的に同一の構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1を搭載した車両2を模式的に示す模式図である。車両2は、蓄電装置1と、補機バッテリ3と、PCU(Power. Control Unit)4と、回転電機5,6と、図示しないエンジンと、図示しない動力分割機構を含む。
蓄電装置1は、充放電可能な二次バッテリである。蓄電装置1は、蓄電された電力をPCU4に供給しており、PCU4に供給された電力によって回転電機5が駆動し、車両2が走行する。なお、回転電機6は、主に発電機として機能しており、回転電機6によって発電された電力はPCU4を通して、蓄電装置1に供給される。
なお、本開示に係る蓄電装置1が適用される車両としては、ハイブリッド車両のみならず、電気自動車や燃料電池車両にも適用することができる。また、ハイブリッド車両においても、シリーズ方式、パラレル方式およびシリーズ・パラレル方式のいずれにも適用することができる。また、回転電機が2つ設けられたハイブリッド車両に限られず、回転電機が1つ設けられた、所謂、ワンモータハイブリッドにも適用することができる。
補機バッテリ3は、たとえば、鉛蓄電池などである。なお、補機バッテリ3のSOCが低下した場合には、蓄電装置1から電力を供給可能としてもよい。
この図1に示す例においては、蓄電装置1は、車両2内に搭載されている。なお、蓄電装置1の搭載位置は、車室内に限られず、たとえば、車両2のフロアパネルの下面のように、車外に配置してもよい。
図2は、蓄電装置1を模式的に示す断面図である。この図2に示すように、蓄電装置1は、一方向に配列する複数のバッテリセル20を含むバッテリモジュール10と、ケース11と、ヒータ12と、冷却器13,14と、拘束具21と、複数の枠体22とを含む。
ケース11は、バッテリモジュール10と、ヒータ12と、冷却器13,14と、拘束具21と、複数の枠体22とを収容する。
拘束具21は、エンドプレート25およびエンドプレート26と、拘束バンド27とを含む。エンドプレート25は、バッテリモジュール10の一端に設けられており、エンドプレート26は、バッテリモジュール10の他端に設けられている。拘束バンド27は、エンドプレート25およびエンドプレート26を接続する。
複数のバッテリセル20は拘束具21によって拘束されており、具体的には、エンドプレート25およびエンドプレート26によって押圧固定されている。
ヒータ12はバッテリモジュール10の底面側に配置されている。ヒータ12は、バッテリモジュール10の一端から他端に亘って延びるように形成されている。ヒータ12は、蓄電装置1または補機バッテリ3から供給される電力によって駆動する。ヒータ12が駆動すると、バッテリモジュール10の底面が暖められる。
冷却器13はバッテリモジュール10の一方の側面に設けられており、バッテリモジュール10の一端から他端に亘って延びるように形成されている。
なお、バッテリモジュール10の他方の側面にも、バッテリモジュール10の一端から他端に亘って延びるように形成された冷却器14が配置されている。
枠体22は、各バッテリセル20毎に設けられており、樹脂などによって形成されている。
図3は、バッテリセル20およびその周囲の構成を示す分解斜視図であり、図4は、図2に示すIV−IV線における断面図である。
この図3および図4に示すように、バッテリセル20は、セルケース30と、セルケース30内に収容された図示しない電極体および電解液を含む。電極体は、正極と、負極と、セパレータとを含む。セルケース30は、たとえば、アルミニウムまたはアルミニウム合金によって形成されている。
セルケース30は、上面31と、底面32と、主側面33,34と、端側面35,36とを含む。主側面33および主側面34は、複数のセルケース30の配列方向に配列している。
なお、複数のバッテリセル20の端側面35によって、バッテリモジュール10の一方の側面が形成されており、複数のバッテリセル20の端側面36によってバッテリモジュール10の他方の側面が形成されている。
そして、冷却器13はバッテリセル20の端側面35側に配置されており、冷却器14はバッテリセル20の端側面36側に配置されている。ヒータ12は、バッテリセル20の底面32に配置されている。
冷却器13はアルミニウムなどの筐体内に形成された複数の冷却管40を含み、冷却器14も筐体内に形成された複数の冷却管41を含む。冷却管40および冷却管41内には液冷媒などが流れており、冷却器13,14は、各バッテリセル20を冷却する。
枠体22は、立壁部分50と、立壁部分51と、底壁部分52とを含む。立壁部分50はバッテリセル20の端側面35側に配置されており、立壁部分51はバッテリセル20の端側面36側に配置されている。底壁部分52は、バッテリセル20の底面32側に配置されている。
バッテリセル20の端側面35と、枠体22の立壁部分50との間には、冷却器13が配置されている。すなわち、立壁部分50は、冷却器13に対してバッテリセル20と反対側に配置されている。
バッテリセル20の端側面36と、枠体22の立壁部分51との間には、冷却器14が配置されている。このため、立壁部分51は、冷却器14に対してバッテリセル20と反対側に配置されている。
バッテリセル20の底面32と、枠体22の底壁部分52の間には、ヒータ12が配置されている。このため、底壁部分52は、ヒータ12に対してバッテリセル20と反対側に配置されている。
立壁部分50は、対向部分53と、背面部分54とを含む。対向部分53は、立壁部分50のうち冷却器13と対向する部分である。背面部分54は、対向部分53に対して冷却器13と反対側に位置する部分である。対向部分53および背面部分54は、いずれも樹脂によって形成されている。背面部分54の熱膨張係数は、対向部分53の熱膨張係数よりも大きい。
立壁部分51は、対向部分55と背面部分56とを含む。対向部分55は、立壁部分51のうち、冷却器14と対向する部分である。背面部分56は、対向部分55に対して冷却器14と反対側に位置する部分である。対向部分55および背面部分56は、いずれも樹脂によって形成されている。背面部分56の熱膨張係数は、対向部分55の熱膨張係数よりも大きい。
底壁部分52は、対向部分57と、背面部分58とを含む。対向部分57は、ヒータ12と対向する部分である。背面部分58は、対向部分57に対してヒータ12と反対側に位置する部分である。対向部分57および背面部分58は、いずれも樹脂によって形成されている。対向部分57の熱膨張係数は、背面部分58の熱膨張係数よりも大きい。
この図3および図4に示す例においては、対向部分53と対向部分55と背面部分58とは互いに接続されており、対向部分53と対向部分55と背面部分58とによって枠本体60が形成されている。
枠本体60には、凹部61と、凹部62と、凹部63とが形成されている。背面部分54,56は、凹部61,62に嵌め込まれており、対向部分57は凹部63に嵌め込まれている。
上記のように構成された蓄電装置1は、バッテリモジュール10を昇温するヒータ12と、バッテリモジュール10を冷却する冷却器13,14とを含む。
このため、低温時において、ヒータ12を用いてバッテリモジュール10を暖めることで、バッテリセル20内の電解液の粘性の上昇抑制を図ると共に、反応速度の上昇を図ることができる。これにより、たとえば、極低温環境下において、車両2を走行させる際に、たとえば、バッテリモジュール10を予め暖めておくことで、蓄電装置1の始動時の電気特性の向上を図ることができる。
図5は、ヒータ12を駆動させてバッテリセル20を昇温しているときの断面図である。この図5において、ヒータ12が駆動すると、ヒータ12の温度が上昇する。
ヒータ12の温度が上昇すると、底壁部分52の温度が上昇し、背面部分58および対向部分57の温度が上昇する。ここで、対向部分57の熱膨張係数は、背面部分58の熱膨張係数よりも大きいため、対向部分57の伸び量は、背面部分58の伸び量よりも大きい。その結果、図5に示すように、底壁部分52は、ヒータ12をバッテリセル20の底面32に押さえ付けるように膨らむように変形する。
これにより、ヒータ12と、バッテリセル20の底面32との密着性が向上して、バッテリセル20を良好に加熱することができる。
さらに、ヒータ12が底面32に押圧されるため、たとえば、車両2の走行時に、ヒータ12やバッテリセル20が振動したとしても、ヒータ12とバッテリセル20とが密着した状態を維持することができる。これにより、走行中においても、バッテリセル20(バッテリモジュール10)を良好に昇温することができる。
ここで、バッテリモジュール10が高温のときには、電極体の活物質などに悪影響がでる場合がある一方で、バッテリモジュール10を冷却器13,14で冷却することで、電極体の劣化を抑制することができる。
図6は、冷却器13,14を駆動させて、バッテリセル20を冷却しているときの断面図である。この図6において、冷却器13,14を駆動すると、立壁部分50,51も冷却される。
立壁部分50,51が冷却されると、対向部分53,55および背面部分54,56が冷却される。背面部分54,56の熱膨張係数は対向部分53,55の熱膨張係数よりも大きいため、背面部分54,56の縮み量は、対向部分53,55の縮み量よりも大きい。
そのため、立壁部分50は、冷却器13をバッテリセル20の端側面35に押圧するように湾曲変形する。これにより、冷却器13の駆動時に、冷却器13は立壁部分50によって端側面35に押圧され、冷却器13および端側面35の密着性の向上を図ることができる。
同様に、立壁部分51は、冷却器14をバッテリセル20の端側面36に押圧するように湾曲変形する。これにより、冷却器14の駆動時に、冷却器14は立壁部分51によって端側面36に押圧され、冷却器14および端側面36の密着性の向上を図ることができる。
このように、バッテリセル20(バッテリモジュール10)の冷却時に、各冷却器13,14と、バッテリセル20との密着性を向上させることができるので、たとえば、車両2の走行中にバッテリセル20などが振動したとしても、冷却器13,14をバッテリモジュール10に良好に密着させることができる。これにより、車両2の走行中などにおいても、各バッテリセル20を良好に冷却することができる。
このように、本実施の形態に係る蓄電装置1においては、枠体22によって、ヒータ12および冷却器13,14と、バッテリセル20との密着性を確保することができ、蓄電装置1を効率的に昇温および冷却することができる。これにより、蓄電装置1の電気特性を向上させることができ、回転電機5のみによる高速走行性能の向上を図ることができる。
さらに、冷却器13,14による冷却効率の向上やヒータ12による昇温効率の向上を図ることができるので、冷却器13,14やヒータ12を駆動させる際に必要な電力量を低減させることができる。
その結果、ヒータ12および冷却器13,14での電力消費量を低減することができ、回転電機5のみでのEV走行距離の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、蓄電装置としてバッテリである例について説明したが、バッテリ以外にもキャパシタにも適用することができる。なお、このキャパシタは、キャパシタモジュールと、冷却器と、ヒータとを含む。キャパシタモジュールは、一方向に配列する複数の単位キャパシタ(単位蓄電部)と、各単位キャパシタに設けられた複数の枠体とを含む。各単位キャパシタは、単位キャパシタ本体と、この単位キャパシタ本体を収容する収容ケースとを含む。そして、枠体は、上記図3および図4などに示す枠体22と同様に形成されている。
このように構成されたキャパシタにおいても、枠体によって、昇温時にヒータをキャパシタモジュールに密着させることができると共に、冷却時に、冷却器をキャパシタモジュールに密着させることができる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 蓄電装置、2 車両、3 補機バッテリ、5,6 回転電機、10 バッテリモジュール、11 ケース、12 ヒータ、13,14 冷却器、20 バッテリセル、21 拘束具、22 枠体、25,26 エンドプレート、27 拘束バンド、30 セルケース、31 上面、32 底面、33,34 主側面、35,36 端側面、40,41 冷却管、50,51 立壁部分、52 底壁部分、53,55,57 対向部分、54,56,58 背面部分、60 枠本体、61,62,63 凹部。
Claims (1)
- 単位蓄電部と、
前記単位蓄電部の周囲を取り囲むように配置された枠体と、
前記枠体と前記単位蓄電部との間に配置されたヒータと、
前記枠体と前記単位蓄電部との間に配置された冷却器と、
を備え、
前記枠体は、前記ヒータに対して前記単位蓄電部と反対側に位置する第1部分と、前記冷却器に対して前記単位蓄電部と反対側に位置する第2部分とを含み、
前記第1部分は、前記ヒータと対向する第1対向部分と、前記第1対向部分に対して前記ヒータと反対側に位置する第1背面部分とを有し、
前記第2部分は、前記冷却器と対向する第2対向部分と、前記第2対向部分に対して前記冷却器と反対側に位置する第2背面部分とを有し、
前記第1対向部分の熱膨張係数は、前記第1背面部分の熱膨張係数よりも大きく、
前記第2背面部分の熱膨張係数は、前記第2対向部分の熱膨張係数よりも大きい、蓄電装置。
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