次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るコンピュータシステムの全体構成を示す図である。このコンピュータシステムは、予定(アポイントメント等)の管理と仕事(ジョブ)の管理とを連携して行うものである。会社Bの社内LAN(Local Area Network)1には、複数のクライアント端末2・・・が接続されており、その社内LAN1経由でインターネット3に接続されている。インターネット3にはクラウドサーバからなる管理サーバ4が接続されている。さらに、会社Bの従業員等が社外に持ち出しているモバイル端末からなるクライアント端末2も、インターネット3を経由して管理サーバ4に接続される。複数のクライアント端末2・・・は、スタンドアローンで動作するのではなく、クライアント・サーバモデルとして動作する。なお、スタンドアローンで動作する場合については、変形例として後述する。クライアント端末2は、会社内の営業部、経理部、開発部等の各部署に所属する従業員(ユーザともいう)によって操作される。管理サーバ4のデータベース5には、各従業員のID(identification)、所属している部署名、従業員の氏名、および、計画(プロジェクト)と仕事と予定と他律予定(後述する)の管理を行うための管理用データが対応付けられて記憶されている。この管理用データは、各従業員がサーバ上で共有管理している予定や仕事等からなるパブリック管理用データと、各従業員が個人的に管理している予定や仕事等からなるプライベート管理用データとからなる。なお、このプライベート管理用データについては、管理サーバ4のデータベース5に記憶させることなく、各自ローカルのクライアント端末2等に記憶させるようにしてもよい。
例えば、IDが2803の従業員の場合には、所属部署が開発部、氏名が次郎であり、管理用データとして図1に示すようなデータが記憶されている。なお、データベース5については、具体的には、データベースを統括しているアプリケーションサーバが設けられており、そのアプリケーションサーバがデータベース内の各種データを管理して抽出する制御を行うように構成されている。
この図1に示した管理用データは、遂行すべき上位遂行関連事項からその上位遂行関連事項に関連して遂行すべき1又は複数の下位遂行関連事項までを関連事項別に多階層に分類して、次郎が自分のクライアント端末2を操作することにより入力される。
例えば、或る特定の技術開発業務を念頭においた場合に、基礎研究計画7、応用研究計画8を含む計画に関する計画段階と、その計画を具体的に遂行する上で必要な1又は複数の仕事に関する仕事段階と、その仕事を具体的に遂行する上で必要な1又は複数の予定および他律予定(後述する)に関する予定段階の3段階に分類することができる。
そこで、管理用データは、この技術開発業務に関連する全てを段階別に分解し、それを最上位の計画段階で遂行すべき計画の内容・事柄を表章する計画事項と、その計画に関連して仕事段階で遂行すべき1又は複数の仕事の内容・事柄を表章する仕事事項と、その仕事に関連して予定段階で遂行すべき1又は複数の予定の内容・事柄を表章する予定事項とに分類して、各事項をその遂行時期と関連付けて関連事項単位として管理する。さらに、管理コンピュータ4は後に詳述する他律予定も管理可能である。
計画事項は新技術開発の業務計画の内容・事柄を表章する。この計画事項には最上位のROOT計画の直下の中位計画事項と、中位計画事項に関連する1又は複数の下位計画事項との3つの階層がある。
中位計画事項には基礎研究計画7の内容・事柄を表章する基礎研究計画事項と、基本計画に関連する応用研究計画8の内容・事柄を表章する応用研究計画事項とがある。
下位計画事項には、基礎研究計画7の遂行に関連して、その遂行に必要な又は付随する実験計画9及び論文作成計画10の内容・事柄を表章する実験計画事項及び論文作成計画事項があり、また応用研究計画8の遂行に関連して、その遂行に必要な又は付随する課題解決計画11及び特許取得計画12の内容・事柄を表章する課題解決計画事項及び特許取得計画事項がある。
仕事事項は実験計画9、論文作成計画10、課題開発計画11、特許取得計画12の各計画の遂行に必要な又は付随する具体的仕事の内容・事柄を表章する。この仕事事項には、実験計画9に関連する写真撮影事項及びグラフ作成事項と、論文作成計10画に関連する関連論文収集事項及び実験データ整理事項と、課題開発計画11に関連する課題収集事項及び写真撮影事項と、特許取得計画12に関連する特許調査事項及び明細書作成事項とがある。
写真撮影事項及びグラフ作成事項は、実験計画9の遂行に関連して、その遂行に必要な又は付随する写真撮影13及びグラフ作成14の各仕事の内容・事柄を表章するもので、関連論文収集事項及び実験データ整理事項は、論文作成計画10の遂行に関連して、その遂行に必要な又は付随する関連論文収集15及び実験データ整理16の各仕事の内容・事柄を表章する。
課題収集事項及び写真撮影事項は、課題開発計画11の遂行に関連して、その遂行に必要な又は付随する課題収集19及び写真撮影21の各仕事の内容・事柄を表章するもので、特許調査事項及び明細書作成事項は、特許取得計画12の遂行に関連して、その遂行に必要な又は付随する特許調査22及び明細書作成24の各仕事の内容・事柄を表章する。
予定事項は関連論文収集15、特許調査22、明細書作成24の各仕事に関連して、その遂行に必要な又は関連する予定の内容・事柄を表章するもので、論文調査員との打ち合わせに関する第2会議予定事項、特許調査員との打ち合わせに関する第4会議予定事項、弁理士との打ち合わせに関する第5会議予定事項等がある。
なお、図1中、グラフ作成ソフト会議に関する第1会議予定事項は、ユーザがグラフ作成14に関連する他ユーザの予定を参照するためにメモして記憶した他律予定であり、課題会議に関する第3会議予定事項は、ユーザが課題収集19に関連する他ユーザの予定を参照するためにメモして記憶した他律予定である。これについては後述する。
第1会議予定事項はグラフ作成14の仕事に関連して、その遂行に必要な又は関連するグラフ作成ソフト会議に関する第1会議予定17の内容・事柄を表章し、第2会議予定事項は関連論文収集15の仕事に関連して、その遂行に必要な又は関連する論文調査員との打ち合わせ会議に関する第2会議予定18の内容・事柄を表章する。また第3会議予定事項は課題収集19の仕事に関連して、その遂行に必要な又は関連する研究員の課題解消に関する会議予定20の内容・事柄を表章し、第4会議予定事項は特許調査の仕事に関連して、その遂行に必要な又は関連する特許調査員との打ち合わせ会議に関する会議予定23の内容・事柄を表章し、第5会議予定事項は明細書作成の仕事に関連して、その遂行に必要な又は関連する弁理士との打ち合わせ会議に関する会議予定25の内容・事柄を表章する。
前述の計画とは或る目的を達成するために立てたもくろみである。最も上位の計画はROOT計画6であり、本システムのソフトウェアをインストールした際に静的に(自動的に)クライアント端末2に記憶される。よって、このROOT計画6は従業員(ユーザ)が手動入力する必要がない。
これらの計画は、いつからいつまでの間にその計画を達成するかを定めた遂行時期(具体的には遂行期間)が設定されている。このように計画の「遂行期間」とは、計画を達成するために従業員(ユーザ)に許容された期間のことであり、本実施の形態ではこの「遂行期間」を「猶予期間」と表現する。ROOT計画6の場合には猶予期間が無限大である。基礎研究計画7および応用研究計画8はそれぞれに有限の猶予期間が設定されている。実験計画9および論文作成計画10は、その上位の計画である基礎研究計画7を達成するための具体的計画である。故に、これら具体的計画の猶予期間は、直属の上位の計画である基礎研究計画7の猶予期間の範囲内に設定される。同様に、課題解決計画11および特許取得計画12の猶予期間も、直属の上位の計画である応用研究計画8の猶予期間の範囲内に設定されている。
次に、仕事とは、計画を具体的に遂行する上で必要な具体的業務のことである。実験計画9を達成するための仕事としては、写真撮影13とグラフ作成14とがあり、それら仕事の遂行時期(具体的には遂行期間)は直属の計画である実験計画9の猶予期間の範囲内となる。仕事の遂行期間とは、いつからいつまでの間にその仕事を達成するかを定めた期間のことである。このように仕事の「遂行期間」は、仕事を達成するために従業員(ユーザ)に許容された期間のことであり、本実施の形態ではこの「遂行期間」を「猶予期間」と表現する。論文作成計画10を達成するための仕事としては、関連論文の収集15、および実験データの整理16である。これらの仕事の猶予期間も直属の計画である論文作成計画10の猶予期間の範囲内となる。課題解決計画11を達成する仕事として、課題の収集19と写真撮影(リンク)21がある。これらの仕事の猶予期間も、直属の計画である課題解決計画11の猶予期間の範囲内となっている。さらに、特許調査22および明細書作成24の仕事の猶予期間も、直属の計画である特許取得計画12の猶予期間の範囲内となる。ここに「リンク」とは、既に生成されている仕事(実体または実データという)等の所在を表す情報であって、実体の直属の計画とは異なる箇所に生成されたものをいう。
課題解決計画11に属している写真撮影21は、実験計画9に属している写真撮影13のリンクである。図1では示していないが、仕事のリンクばかりでなく計画のリンクも導入してもよい。このようなリンクを導入することにより、複数の計画に特定の計画や仕事が同時に属することが可能となる。
次に、予定とは、直属の仕事において行われるアポイントメント等の拘束期間が定められた遂行関連事項である。この拘束期間は直属の仕事の猶予期間の範囲内に定められている。図1に示す管理用データの場合には、関連論文収集15の仕事の予定として論文調査員と打合せ会議の第2会議予定18があり、特許調査22の仕事に属する予定として特許調査員と打合せ会議の第4会議予定23があり、明細書作成24の仕事に属する予定として弁理士と打合せ会議の第5会議予定25がある。なお、図1中、グラフ作成ソフト会議に関する第1会議予定事項は、ユーザがグラフ作成14に関連して他ユーザの予定をするためにメモして記憶した他律予定であり、課題会議に関する第3会議予定事項は、ユーザが課題収集19に関連して他ユーザの予定をするためにメモして記憶した他律予定である。この他律予定について以下に説明する。
図1中、課題会議の第3会議予定20が破線で示されている。この課題会議の第3会議予定20は他の従業員の予定を参照情報として記録したものである。この予定を立てる場合に、他の従業員の通常生成された予定を参照してそれらを他律のデータとして自己の管理用データにメモしておく場合がある。
例えば、営業部の太郎が顧客から聞いた新製品の課題や問題点の知識を集めてそれを解決するための予定が記録されている場合に、その課題会議の第3会議予定20は応用研究における課題解決を行う上で次郎にとっても有用な仕事および予定である。他の例としては、営業部の太郎が或る分野での商品企画説明会のイベントに出席する予定を立てていたとする。その商品企画説明会では、10時から12時まで企画のプレゼンテーションが行われ、13時から14時まで具体的商品の説明が行われるというタイムテーブルの形でデータが記憶されている。このタイムテーブル中の特に「企画のプレゼンテーション」に次郎が興味を持つ場合がある。そのような場合には、次郎が他の従業員(例えば太郎)における管理用データを閲覧してその予定を参照するためにメモして記録できるように構成されている。
また、図1中破線で示した「グラフ作成ソフト会議に関する第1会議予定事項」も、他律予定である。ユーザが「グラフ作成」の仕事に関連する他ユーザの予定を参照するためにメモして記憶したものである。この「グラフ作成ソフト会議に関する第1会議予定事項」は、例えば後述する図26のカレンダ表示領域に示すように、「グラフ作成」という他律予定の名前に続けて「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」という他律予定の表題が表示され、会議予定の期間として13:00〜15:00が表示される。この他律予定にユーザが参加して当該他のユーザの予定事項に対応した自分の遂行関連事項の予定事項である自予定事項を生成して登録することができる。図26に示す例では、他律予定の13:00〜15:00の会議予定期間の内、13:00〜14:00の期間だけ参加表明して13:00〜14:00の拘束期間の自身の予定が生成登録される。この自身の予定は図1での図示を省略している。
以上説明した管理用データにおいて、計画(プロジェクト)とは、猶予期間を持ち、その属する計画、もしくは仕事(ジョブ)およびそれらのリンクを管理し、それらの位置を示す検索パスとしての役割がある。ここに「パス」とは、コンピュータ内でのデータの所在を特定する文字列である。例えば特許取得計画12のパスは、「C:/ROOT計画/応用研究計画」となる。この例のように、パスは、ROOT計画6から当該計画までの上位計画の経路を示しており、終端の計画が当該計画の直属の親計画となる。ROOT計画(最上位のプロジェクト)6以外の計画、およびそのリンクは全ていずれかの計画の下に階層的に属し、上位計画の猶予期間に制約される。また、正式な「計画」の名前はROOT計画6からのフルパス名で表され、同名の「計画」であってもそれがリンクされたものでない限り、全く別の「計画」として認識される。
仕事およびそのリンクは計画同様、いずれかの計画に属し計画同様に猶予期間を持つ。仕事は、その分割単位として、任意の数の予定(アポイントメント)と他律予定とを持つ。
予定は、仕事と同様に期間を持つが、予定とはユーザ(従業員)の行動時刻の限定を記憶することが前提となるので、その期間は属する仕事の猶予期間内で分割された拘束期間である。ゆえに、「予定」はその拘束期間をキーとして管理される「仕事」のレコードのようなものである。
以上のように、管理用データは、例えば図1に示すように、最上位のROOT計画6から分岐した上位の計画、さらにその上位の計画から分岐した下位の計画、さらにその下位の計画に属する仕事、その仕事に属する予定というように、ツリー構造(木構造)でメモリ上に存在している。
次に、本実施の形態におけるコンピュータシステムの機能を図2に基づいて説明する。記憶手段の一例のデータベース5と、ユーザが遂行すべき事項に関連する遂行関連事項およびその遂行時期である猶予期間をデータベース5に入力するための入力手段70とが設けられている。入力手段70によりユーザが遂行関連事項の一例の計画事項Aおよびその猶予期間を入力した場合に、計画入力処理(図3(c)のS7参照)が実行されてデータベース5に計画事項Aおよびその猶予期間が記憶される。その際、連携管理手段71により、その計画事項Aのパス(ROOT計画/計画A/)が生成されてデータベース5に記憶される(図4(a)のS25参照)。計画事項Aの直属の上位計画はROOT計画であり、ROOT計画に続くパス即ち「ROOT計画/計画A/」が生成されてデータベース5に記憶される。
次に、計画事項Aの直下に属する仕事事項Bおよびその猶予期間が入力手段70により入力された場合に(図3(c)のS8参照)、仕事Bの猶予期間が計画事項Aの猶予期間と整合しているか否を判定手段72が判定する。具体的には、仕事事項Bの猶予期間が計画事項Aの猶予期間の範囲内に収まっているか否か判定する(図4(b)のS31参照)。図2に示すように、仕事Bの猶予期間が計画事項Aの猶予期間からはみ出している場合(S31でNOの場合)は、処理手段73によるデータベース5への仕事事項Bの記憶が行われない。図2中の「仕事事項B」に付している×印は、データベース5に記憶されないことを意味している。
入力手段70により仕事事項Cおよびその猶予期間が入力された場合には(図3(c)のS8参照)、仕事事項Cの猶予期間が直属の計画事項Aの猶予期間と整合しているか否を判定手段72が判定する。具体的には、仕事事項Cの猶予期間が計画事項Aの猶予期間の範囲内であるか否か判定する(図4(b)のS31参照)。範囲内である場合には(S31でYES)、処理手段72により仕事事項Cおよびその猶予期間がデータベース5に記憶される。その際、連携管理手段71により、その仕事事項Cのパス(ROOT計画/計画A/仕事C/)が生成されてデータベース5に記憶される(図4(b)のS35参照)。仕事事項Cの直属の上位計画は計画事項Aであり、計画事項Aに続くパス即ち「ROOT計画/計画A/仕事C/」が生成されてデータベース5に記憶される。
次に、予定事項Dおよびその拘束期間が入力手段より入力された場合は(図3(c)のS9参照)、前述と同様に予定事項Dの拘束期間が直属の仕事事項Cの猶予期間と整合しているか否を判定手段72が判定する。具体的には、予定事項Dの拘束期間が仕事事項Cの猶予期間の範囲内であるか否か判定する(図5のS46参照)。範囲内である場合には(S46でYES)、処理手段72により予定事項Dおよびその猶予期間がデータベース5に記憶される(図5のS50参照)。その際、連携管理手段71により直属の仕事事項Cと同じパス(ROOT計画/計画A/仕事C/)がその予定事項Dのパスと定められる。
次に、予定事項Eおよびその拘束期間が入力手段より入力された場合は(図3(c)のS9参照)、前述と同様に予定事項Eの拘束期間が直属の仕事事項Cの猶予期間と整合しているか否を判定手段72が判定する。具体的には、予定事項Eの拘束期間が仕事事項Cの猶予期間の範囲内であるか否か判定する(図5のS46参照)。範囲内である場合には(S46でYES)、処理手段72により予定事項Eおよびその猶予期間がデータベース5に記憶される(図5のS50参照)。その際、連携管理手段71により直属の仕事事項Cと同じパス(ROOT計画/計画A/仕事C/)がその予定事項Eのパスと定められる。
以上のように、連携管理手段71は、コンピュータ内でのデータの所在を特定する文字列であるパスを用いて重層関連事項同士(例えば、仕事事項Cとその直属の計画事項A等)を関連付けてデータベース5に記憶させる。これにより、重層関連事項を連携させて一元管理する。その結果、例えば、予定とその直属の仕事とを同時表示することが可能となる。例えば、後述する予定(カレンダ)1週間表示(図30(a)参照))において「グラフ作成」の終日予定が表示されているが、これは仕事リスト(タスクリスト)として表示すべきものであるが、図30(a)においてはカレンダ表示しかされていないためにカレンダ中に終日予定である「グラフ作成」を表示している。しかし、図26に示すようにタスクリストとカレンダ表示とを同時に表示する場合は、「グラフ作成」をカレンダ表示することなくタスクリスト中に表示する制御が行われる。このような制御は、予定および他律予定と仕事とを連携させて一元管理しているために可能となる制御であり一元管理の利点である。
また、例えば、図2の関連表示手段(図12(a)のS162参照)に示すように、未だ予定が全く入っていない仕事Cは仕事リストに表示されるが、その仕事Cに1つでも予定が入れば、その仕事Cが仕事リストから消えてカレンダの方に表示される制御を行う。このような制御は、予定および他律予定と仕事とを連携させて一元管理しているために可能となる制御であり一元管理の利点である。
次に、クライアント端末2・・・および管理サーバ4のハードウェア回路を図3(a)に基づいて説明する。制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)30、制御プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)32、CPU30のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)31、データを書き換え可能に記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)33が、バス34により接続されている。そのバス34は、インタフェース部35を介して各種デバイスに接続されている。各種デバイスとしては、通信部36、表示部37、入力操作部36等である。通信部36により、クライアント端末2は社内LAN1を介して管理サーバ4と通信可能となる。
次に、図3(b)に基づいて、クライアント端末2と管理サーバ4とにおいて実行されるメインルーチンプログラムのフローチャートを説明する。クライアント端末2用のプログラムおよび管理サーバ4用のプログラムは、例えばサードパーティによるアプリケーションソフトを一元的に集めて配信するウェブサイトからダウンロードしてインストールする。クライアント端末2のCPU30は、ステップ(以下単にSという)1によりサーバデータ表示処理を実行し、S2によりデータ編集処理を実行する。
このサーバデータ表示処理(S1)は、編集された管理用データをユーザ(従業員)がクライアント端末2に表示させるための処理である。データ編集処理(S2)は、図1に示した管理用データを新たに入力したり更新したりする処理である。サーバデータ表示処理(S1)内でデータもしくはコマンドの選択が行われ、データ編集処理(S2)内で上記選択されたデータに対して上記選択されたコマンドが実行される。クライアント端末2においてサーバデータ表示処理(S1)が行われた場合に、それに対応する制御であるサーバデータ表示対応処理が管理サーバ4において実行される(S3)。また、クライアント端末2においてデータ編集処理(S2)が行われた場合に、管理サーバ4のデータベース5も対応する管理用データを新たなものに更新する必要がある。そのために管理サーバ4のCPU30はS4によりデータ編集対応処理を実行する。
次に、S2のデータ編集処理とS4のデータ編集対応処理とのサブルーチンプログラムのフローチャートとを図3(c)に基づいて説明する。データ編集処理においては、S7〜S12の6個のプログラムモジュールが並列選択実行される。例えば、S7→S8→S9→S10→S11→S12→S7というように、6個のプログラムモジュールを1つずつ順次選択して実行するように制御する。
S7の計画入力処理は、ユーザ(従業員)がクライアント端末2の入力操作部38を操作して、管理用データにおける「計画」を入力する処理である。S8の仕事入力処理は、管理用データにおける「仕事」を入力する処理である。S9の予定入力処理は、管理用データにおける「予定」を入力する処理である。また、後に詳述するが、他律予定から自身の予定(自律予定)を生成する処理も含まれている。S10のリンク生成処理は、前述の写真撮影(リンク)21のように、仕事や計画における既に入力された実データに対してのリンクを生成する処理である。S11の他律予定入力処理は、他律予定の新規生成や既存の他律予定の権限を編集するための処理である。
S12のデータ取込み処理は、他者の「予定」を参照情報として自分の管理用データに取り込んで記録するための処理である。このデータ取込み処理(S12)に対応して管理サーバ4ではデータ取込み対応処理(S17)を実行する。このS17のデータ取込み対応処理は、希望する従業員のクライアント端末2に対し取込み対象となる従業員の公開(共有)された管理用データを送信するための処理である。
次に、S7に示した計画入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図4(a)に基づいて説明する。この計画入力処理は、後述する図19(a)(b)の編集表示画面に従ってユーザが自身の計画を入力する処理である。先ず、S20により計画の入力操作があったか否か判定され、ない場合にはリターンする。従業員がクライアント端末2の入力操作部38を操作して、計画の入力操作を行えば、S20によりYESの判定がなされて制御がS21へ進む。このS20の計画の入力操作では、具体的には、入力する計画がどの上位の計画に属するかを指定する直属計画の入力指定と、入力する計画の猶予期間とを、入力する。
例えば、図14(b)の俯瞰表示(ツリー)表示画面において直属の計画「ROOT計画」を指定して、入力する計画名として「応用研究計画」、猶予期間として例えば「平成28年2月1日〜平成28年12月1日」を入力する。なお、「ROOT計画」は静的に存在するため生成する必要はない。起動アプリケーション単位で必ず1つ無限大の猶予期間を持つ最上位の特別な計画として存在し、全ての項目は、ここを起点とするパスによって一意に認識される。実際には、サーバの場合、各管理ユーザ毎に「ROOT計画」が存在し、各管理ユーザは各管理単位の「ROOT計画」直下に各ユーザ毎に「仮想ROOT計画」を割り当てることになる。
次に制御がS21へ進み、その入力された猶予期間が直属の計画(例えば応用研究計画)の猶予期間の範囲内であるか否か判定される。入力された猶予期間が直属の計画の猶予期間の範囲からはみ出している場合には制御がS22へ進み、クライアント端末2の表示部37により、エラー表示がなされた後、制御がS20へ移行する。このエラー表示は、例えば「入力された計画の猶予期間が直属の計画の猶予期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
このエラー表示を見たユーザが正しい猶予期間を再入力した場合にはS20によりYESと判定されて再び制御がS21へ進む。S21により猶予期間が直属の計画の猶予期間の範囲内であると判定された場合には制御がS23へ進み、既存の計画の編集ではなく新規の生成であるか否か判定される。例えば図16に示すように、ツリー表示から計画新規編集が実行された場合には後述する図19(a)に示す計画新規編集表示画面がユーザのクライアント端末2の表示部37に表示され、後述するように計画名やその計画の猶予期間等が入力されてその内容がデータベース5に記憶される。
そして、S23によりYESと判定されて制御がS24へ進み、新規生成された計画について生成者の権限(アクセス権等)を引き継ぐ。従業員である各ユーザには各種データへのアクセス権限や編集権限が予め設定されている。S24では、当該ユーザに設定されている権限を新規生成された計画について引き継ぐ制御がなされる。次に、制御がS25へ進み、直属の計画(例えばROOT計画)に続くパスを定めて当該計画を猶予期間とともにデータベース5に記憶する制御がなされる。全ての計画は新規生成時においては非公開となっている。
一方、例えば図16に示すツリー表示から計画既存編集が実行された場合には、S23によりNOと判定されて図19(b)に示す計画既存編集表示画面が表示部37に表示される。この計画既存編集表示画面に基づいて後述するように指定された既存の計画(図19(b)の例では特許取得計画)についての概要や猶予期間等がユーザによって編集されてデータベース5に記憶される。そして、S26により既存の計画の権限を編集するか否か判定され、編集する場合には制御がS27へ進み、既存の計画の権限を編集するための処理が行われる。必要であれば特定の個人あるいはグループに権限(アクセス権等)を設定して当該計画を公開する制御が行われる。S27の処理の次に制御がS25へ進む。また、既存の計画の権限を編集しない場合でも制御がS25へ進み、ユーザによって編集された計画の概要や猶予期間等を記憶する処理を行う。
次に、S8に示した仕事入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図4(b)に基づいて説明する。この仕事入力処理は、後述する図20(a)(b)の編集表示画面に従ってユーザが自身の仕事を入力する処理である。先ず、S30により仕事の入力操作があったか否か判定され、ない場合にはリターンする。ユーザがクライアント端末2の入力操作部38を操作して仕事の入力操作を行った場合にはS30によりYESの判定がなされて制御がS31へ進む。このS30の仕事の入力操作は、例えば、図17の俯瞰表示(ツリー)表示画面において直属の計画「特許取得計画」を指定した上で仕事の新規作成を行う操作をユーザが行なう。その結果図20(a)の仕事新規編集表示画面が表示部37に表示され、仕事名とその猶予期間とを入力する。
これらの入力操作があった場合にはS31により、その入力された猶予期間が直属の計画の猶予期間の範囲内であるか否か判定される。直属の計画の猶予期間からはみ出している場合には制御がS32へ進み、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示されて制御がS30へ移行する。このエラー表示は、例えば「入力された仕事の猶予期間が直属の計画の猶予期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
なお、仕事が属する直属の計画は、実体のある計画のみであり、計画のリンクは含まれない。よって、計画のリンクが選択されて指定された場合には、S32によりエラー表示される。入力された猶予期間が直属の計画の猶予期間の範囲内である場合には制御がS33へ進み、既存の仕事の編集ではなく新規の生成であるか否か判定される。例えば図16に示すように、ツリー表示から仕事新規編集が実行された場合にはS33によりYESと判定されて制御がS34へ進み、生成者の権限(アクセス権等)を引き継ぐ。
次に制御がS35へ進み、その直属の計画に続くパスを定めて当該仕事を猶予期間とともにデータベース5へ記憶する処理がなされる。例えば、明細書作成24の仕事のパスは「C:/ROOT計画/応用研究計画/特許取得計画/明細書作成」となる。このように、計画と当該計画に関連する仕事とを関連付けて記憶することにより、計画と仕事とを連携させて一元管理でき、単なる仕事と予定の管理ばかりでなく、仕事を行う目的である計画という上位概念のものも含め、上位から下位までの一連の業務管理が可能となる。ここに「一元管理」とは、同一の手段やツールを用いてまとめて管理することである。全ての仕事は新規生成時においては非公開となっている。
一方、例えば図16に示すツリー表示から仕事既存編集が実行された場合にはS33によりNOと判定されて図20(b)に示す仕事既存編集画面が表示部37に表示され、ユーザが編集対象として入力した仕事の概要や猶予期間等の編集が行われる。
ユーザが既存の仕事の権限を編集する場合はS36によりYESと判定されて制御がS37へ進み、既存の仕事の権限を編集するための処理が行われる。そして、必要であれば特定の個人あるいはグループに権限(アクセス権等)を設定して当該仕事を公開する制御が行われる。S37の処理の次に制御がS55へ進む。また、既存の仕事の権限を編集しない場合でも制御がS35へ進み、ユーザによって編集された仕事の概要や猶予期間等を記憶する処理を行う。
次に、S9に示した予定入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図5に基づいて説明する。この予定入力処理は、後述する図21(a)〜図22(a)に示す編集表示画面に従ってユーザが自身の予定を入力する処理である。先ず、S40により予定の入力操作があったか否か判定され、ない場合にはリターンする。ユーザがクライアント端末2の入力操作部38を操作して、例えば図16に示すツリー表示から予定新規編集、予定新規編集(仕事自動生成)、予定既存編集または他律予定既存編集が実行されている場合にはS40によりYESと判定されて制御がS41へ進み、直属の仕事が存在するか否か判定される。予定新規編集が実行された場合はS41によりYESと判定されて制御がS42へ進み、その直属の仕事に同属する他の同種の予定と拘束期間の重複がないか判定される。拘束期間の重複がある場合には制御がS43へ進みクライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされた後に制御がS40へ移行する。このエラー表示は、各予定の拘束期間が重複した場合には重複する予定の一方を担当者が実行することができない不都合が生ずるために、その不都合を生じないようにするための制御である。このエラー表示は、例えば「入力された予定の拘束期間が他の予定の拘束期間と重複しているために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。重複がない場合は制御がS46へ進む。
一方、予定新規編集(仕事自動生成)が実行されている場合には図21(b)の予定新規編集表示(仕事自動生成)画面が表示部37に表示された上で、制御がS44へ進む。予定新規編集(仕事自動生成)は、直属の仕事が生成されていない状態で予定を生成する編集であり、予定を生成する前にその予定の直属の仕事を生成する必要がある。そこでS44では、生成しようとした予定の名前と直属の計画の猶予期間とを入力内容として設定し、生成しようとした仕事の直属の仕事を生成する。その処理がS45(図4(b)参照)で行われる。S45では、上記入力された直属の計画の猶予期間が生成する仕事の猶予期間としてコピーされる。S45の次に制御がS46へ進む。S46では、その予定の拘束期間が直属の仕事の猶予期間の範囲内か否か判定される。範囲内でない場合には制御がS43へ進み、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされた後制御がS40へ移行する。このエラー表示は、例えば「入力された予定の拘束期間が直属の仕事の猶予期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
猶予期間の範囲内の場合には制御がS47へ進み、当該予定が他律予定からの生成か否か判定される。前述したように、予定の中には自律予定と他律予定の2種類がある。他律予定とは、例えば他の従業員(ユーザ)とともに会議を行う等のような他人が関わっている予定である。そのために、「予定」の拘束期間を、勝手に設定、変更不可能なものである。一方、自律予定とは、他人が関わっていない予定のことであり、「予定」の拘束期間を自由に設定、変更可能なものである。
前述の予定新規編集、予定新規編集(仕事自動生成)または予定既存編集が実行されている場合にはS47によりNOと判定されて制御がS48へ進み、既存の予定の編集ではなく新規の生成か否か判定される。予定新規編集または予定新規編集(仕事自動生成)が実行されている場合には制御がS49へ進み生成者の権限(アクセス権等)を引き継ぐ。次に、制御がS50へ進み、当該予定を属する仕事の予定リストに登録し拘束期間等と共にデータベース5に記憶する処理がなされる。この記憶処理は、他律予定から生成された自律予定(S47でYESの場合)も含まれている。予定および他律予定は全て新規生成時においては非公開となっている。
一方、前述の予定既存編集が実行されている場合にはS48でNOと判定されて図22(a)の予定既存編集表示画面が表示部37に表示され、編集対象としてユーザにより指定された予定の概要や拘束期間等がユーザにより編集される。拘束期間の編集の場合にはS53によりNOと判定されて一旦リターンし、メインルーチン(図3(b)参照)の次回のループでS42、S46に制御が到達した時点で、S42、S46の判定がなされ、NOと判定された場合にはS43によるエラー処理が行われる。次に制御がS53へ進み、既存の予定の権限を編集するための処理が行われる。必要であれば特定の個人あるいはグループに権限(アクセス権等)を設定して当該予定を公開する制御が行われる。S54の処理の次に制御がS50へ進む。
前述の他律予定既存編集が実行されて図23(b)に示す参加表明ボタン58がクリックされている場合には制御がS51へ進む。この参加表明ボタン58のクリックは、後述するS108により公開共有された他律予定に対し当該ユーザが参加する操作である。S51では、生成しようとしている予定の拘束期間が生成元の他律予定の拘束期間の範囲内か否か判定される。本来他律予定の場合、その拘束期間(開催期間)が直属の仕事の猶予期間の範囲外であったとしてもエラー表示がなされない(ただし警告表示は行う)。他律予定は同じ仕事内で参照事項として存在できればよいために、他律の予定は属する仕事の猶予期間の影響を受けないのである。
しかし、その他律予定に参加した場合には、参加者自身の予定(自律予定)が生成登録され、単なる参照事項ではなくなる。その結果S51の判断が必要になるのである。生成しようとしている予定の拘束期間が生成元の他律予定の拘束期間からはみ出している場合には制御がS43へ進み、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示されて制御がS40へ移行する。このエラー表示は、例えば「生成しようとしている予定の拘束期間が生成元の他律予定の拘束期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
S51によりYESと判定された場合は制御がS52へ進み、他律予定(例えば、図1に破線で示した他律予定名:課題収集19:表題:課題会議の第3会議予定20)に対応した自律予定を生成して登録する。この「自律予定」を、「他律予定を起因として生成された予定」という。さらに、生成元の他律予定内の参加者リストへ当該参加表明したユーザを登録して記憶する処理がなされる。この参加者リストはデータベース5内に記憶されている。ユーザのイベントへの参加時間が実際のイベント時間より短い場合には、参加表明ボタン58ではなく、新規予定ボタンで予定新規予定編集画面(図21(a)参照)表示させ、短縮した拘束期間を設定して生成することで同様に参加表明することができる。また、S52の後制御がS48へ進む。なお、他律予定が管理サーバ4により公開共有されている場合、その参加者リストは属する他律予定を起因として生成された予定のリストを兼ねている。
次に、前述のS10に示したリンク生成処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図6に基づいて説明する。S80によりリンクの生成操作があったか否か判定され、リンクの生成操作がない場合にはリターンする。ユーザがクライアント端末2の入力操作部38によりリンク生成操作を行えば制御がS81へ移行する。このリンク生成操作は、リンク対象(例えば写真撮影)を指定するとともに直属の計画(例えば課題解決計画)を指定して入力する操作である。このリンク対象指定の「写真撮影」は、例えば図1に示した実験計画9に属する写真撮影13を指定することである。
S81では、猶予期間が直属の計画の範囲内か否か判定される。上記の例では、指定されたリンク対象としての写真撮影13の猶予期間が直属の計画である課題解決計画11の猶予期間の範囲内であるか否か判定される。範囲内でないと判定された場合には制御がS82へ進み、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされた後制御がS80へ移行する。
猶予期間が直属の計画の範囲内の場合には制御がS83へ進み、生成するリンクの実体が仕事か否か判定される。ここで「リンクの実体」とは、当該リンクによって所在が特定される実体の仕事や計画のことである。リンク対象となり得るものは「仕事」と「計画」との2種類である。「仕事」の場合にはS83によりYESの判定がなされて制御がS84へ進み、直属の計画に続くパスを定めて当該リンクを猶予期間とともにデータベース5に記憶する処理がなされる。例えば、写真撮影(リンク)21のパスは「C:/ROOT計画/応用研究計画/課題解決計画/写真撮影」となる。
一方、生成するリンクの実体が「計画」であった場合には制御がS85へ進み、その計画のリンクをその実体より下層に生成しようとしていないか判定される。「計画」の場合には、図1に基づいて説明したように、例えば基礎研究計画7および応用研究計画8のような上位の計画と、実験計画9および課題解決計画11のような下位の計画があり階層構造となっている。その結果、計画のリンクをその実体より下層に生成することを許した場合には、計画の下に同じ計画が存在するという矛盾が生じることになる。図1の例では、例えば応用研究計画8の下層に応用研究計画8のリンクを生成するという矛盾が生じてしまう。
そこで、計画のリンクをその実体より下層に生成しようとした場合にはS85によりYESの判断がなされてS82によるエラー表示が行われるように制御される。このエラー表示は、例えば「入力された計画のリンクがその実体より下層に生成されようとしています。正しい階層に生成するよう再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。S85によりNOの判定がなされた場合には制御がS86へ進む。一方、仕事の場合(S83でYESの場合)には、その仕事のリンクをそのリンクの実体よりも下層に生成することはあり得ないために、リンク生成先の計画がリンクの猶予期間内であるかどうかをチェックするだけで事足りる。
次に、S86〜S92の処理の概略を先ず説明する。生成しようとしている計画リンクの実体より下層に生成先の計画の猶予期間と同じ猶予期間を持つ別のリンクが存在するか否か判定し(S86)、存在する場合には、その存在するリンクの実体がルート計画から生成先の計画までの間に存在するか否か判定し(S89)、存在する場合にはエラー表示する(S82)。
このことを図7(a)(b)に基づいて説明する。先ず図7(a)を参照し、上記概略説明文章に図7(a)の内容を括弧書き挿入して示すと次のようになる。「生成しようとしている計画リンク(計画Yのリンク)の実体(計画Y)より下層に生成先の計画(計画X)の猶予期間と同じ猶予期間を持つ別のリンクが存在するか否か判定し、存在する場合には、その存在したリンク(計画Xのリンク)の実体(計画X)がルート計画から生成先の計画(計画X)までの間に存在するか否か判定し、存在する場合にはエラー表示する。」
この図7(a)のように、「計画Y」のリンクを「計画X」の下層に生成した後、「計画X」のリンクを「計画Y」の下層に生成することを許せば、循環参照となりX、Yそれぞれの下層にそれぞれのリンクが存在するという矛盾が生じる。「循環参照」とは、パスに基づいてルート計画から下層の項目を検索する場合に、「計画X」→「計画Yのリンク」→「計画Y」→「計画Xのリンク」→「計画X」のように、無限循環ループになってしまう現象のことである。このような矛盾を排除するべく、リンク生成前に実態より下層に1つでもリンクを含んでいる場合には、ルート計画と生成先の計画との間にそのリンクの実体がないことを監視しているのである。
但し、実際には、「計画Y」の下層に「計画Xのリンク」が生成されているということは「計画Y」の猶予期間より「計画X」の猶予期間が短いか同じでなければならず、逆に「計画X」の下層に「計画Yのリンク」を生成するとすれば「計画X」の猶予期間より「計画Y」の猶予期間が短いか同じでなければならない。故に、生成先の計画(計画X)の猶予期間と生成しようとしているリンク(計画Yのリンク)の猶予期間とが異なっている場合にはチェックを省くことができる。
図7(b)の場合も同様に循環参照の矛盾が生じる。上記概略説明文章に図7(b)の内容を括弧書き挿入して示すと次のようになる。「生成しようとしている計画リンク(計画Yのリンク)の実体(計画Y)より下層に生成先の計画(計画X)の猶予期間と同じ猶予期間を持つ別のリンクが存在するか否か判定し、存在する場合には、その存在したリンク(計画Xのリンク)の実体(計画X)がルート計画から生成先の計画(計画A1B2C1)までの間に存在するか否か判定し、存在する場合にはエラー表示する。」
図6に戻り、S86〜S92の処理を具体的に説明する。S86により、生成しようとしている計画リンクの実体より下層に生成先の計画の猶予期間と同じ猶予期間を持つ別のリンクが存在するか否か判定される。存在しない場合には制御がS84へ移行するが、1つでも存在する場合には、制御がS87へ進む。S87では、その存在するリンクの個数をNと定義する。次にS88によりIを「1」にし、S89により、I番目のリンクの実体はルート計画から生成先の計画までの間に存在するか否か判定される。存在する場合には制御がS82へ移行し、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされる。このエラー表示は、例えば「循環参照の矛盾が生じます」等のメッセージを伴う。
一方、S89によりNOと判定された場合には制御がS90へ進み、Iを「1」歩進させ、S91により「I=N+1」であるか否か判定する。未だI=N+1になっていない場合は制御がS89に戻る。このS89→S90→S91→S89のループを繰り返し実行して、全てのリンク(N個のリンク)についてS89の判定を行って全てNOと判定された段階でS91によりYESの判定がなされ、制御がS92へ進む。S92では、IとNとをクリアして値を0にする。その後制御がS84へ進み、直属の計画に続くパスを定めて当該リンクを猶予期間と共にデータベース5に記憶する処理がなされる。なお、仕事の場合には、その下層にリンクを生成することはありえないので、リンク生成先の計画がリンクの猶予期間以上であることをチェックするだけで事足りる。
次に、S11で示した他律予定入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図8に基づいて説明する。この他律予定入力処理は、後述する図22(b)〜図23(b)の何れかの編集表示画面に従ってユーザが他律予定の編集を行う処理である。先ず、S99により他律予定の入力操作があったか否か判定される。ない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。例えば、図16に示したツリー表示から他律予定新規編集(仕事自動生成)が実行された場合、ツリー表示から仕事既存編集表示を経由して他律予定新規編集あるいは他律予定既存編集が実行された場合に、S99によりYESと判定されて制御がS100へ進む。
S100では、直属の仕事が存在するか否か判定される。他律予定新規編集(仕事自動生成)以外が実行された場合は既に直属の仕事が存在するために、制御がS101へ進み、入力された他律予定の拘束期間が直属の仕事の猶予期間の範囲内か否か判定される。他律予定はイベントのため、その拘束期間の実体は開催期間である。つまり、予定表やタイムテーブルといった類の参照情報のため、他律予定の拘束期間自体が属する仕事の猶予期間をはみ出していたとしても問題はない。
但し、他律予定が属する仕事の猶予期間内に収まっている方が整合性がとれてよい。故に、他律予定の拘束期間が属する仕事の猶予期間をはみ出している場合には制御がS105に進み、クライアント端末2の表示部37により警告表示を行い、ユーザに対して注意喚起を行っている。その上で、仕事の猶予期間の範囲を超えて他律予定を生成するか否かをユーザに判断してもらい、ユーザが生成指示を入力すればS106によりYESと判定して制御がS102へ進むように制御する。ユーザが生成しない旨の指示を入力すればS106によりNOと判定して制御がS99へ戻るように制御する。
S102では、既存の他律予定の編集ではなく新規の生成か否か判定される。上記他律予定新規編集が実行されて図22(b)の他律予定新規編集表示画面が表示されている場合には、当該編集表示画面に従ってユーザが他律予定を新規生成すると共に、S102によりYESと判定されて制御がS103へ進む。S103では、生成された他律予定に対し生成者の権限(アクセス権等)を引き継ぐ処理がなされる。次に、S104へ進み、当該他律予定を属する仕事の他律予定リストに登録し拘束期間と共にデータベース5に記憶する処理がなされる。なお、全ての他律予定は新規生成時においては生成者以外には非公開となっている。
一方、他律予定既存編集が実行された場合にはS102によりNOと判定されて図23(b)の他律予定既存編集表示画面が表示され、ユーザが編集対象として入力した既存の他律予定の表題や概要等の編集が行われる。ユーザが既存の他律予定の権限(アクセス権等)を編集する場合にはS107によりYESと判定されて制御がS108へ進み、既存の他律予定の権限を編集するための処理が行われる。そして、必要であれば特定の個人あるいはグループに権限(アクセス権等)を設定して当該他律予定を公開する制御が行われる。S108の処理の次に制御がS104へ進む。この公開された他律予定にユーザが参加したい場合には他律予定既存編集を実行して他律予定既存編集表示画面(図20参照)をクライアント端末2の表示部37に表示させ、参加表明ボタン58をクリックする。その結果、前述のS47→S51→S52の制御により参加可能となる。S108の処理の後に制御がS104へ進む。また、既存の他律予定の権限を編集しない場合でも制御がS104へ進み、ユーザによって編集された他律予定の概要や猶予期間等を記憶する処理を行う。
次に、前述のS12に示したデータ取込み処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図9に基づいて説明する。このデータ取込み処理では、「他律予定に関係なく通常生成された他者の予定」を管理サーバ4から取り込みたい場合には、それら他者の予定を自身の他律予定または予定に変換し、取り込んでいる。変換の際、取込み対象予定が誰の予定かを特定する所有者情報等をその他律予定に埋め込んで誰の予定を参照しているのかを識別できるようにすればユーザの利便性が向上する。
先ず、S115により、他人の管理用データを閲覧するための閲覧操作があったか否か判定され、ない場合にはリターンする。従業員が自身のIDを入力して閲覧要求を管理サーバ4へ送信する操作を行えば、制御がS116へ進み、サーバデータ表示処理が実行される。それに対応して管理サーバ4ではS117によりサーバデータ表示対応処理が実行される。これらの処理は、データベース5に記憶されている計画、仕事、予定からなるパブリック管理用データの内閲覧希望者に閲覧権限が認められたパブリック管理用データをクライアント端末2に表示させるための処理であり、後に詳述する。閲覧要求に従って管理サーバ4により抽出されたデータ自体はサーバ管理下にあるが、管理サーバ4からクライアント端末2に取り込まれた時点でクライアント固有(ユーザ管理状態)のプライベート管理用データとなっている。S116の閲覧要求に従って表示された他人の管理用データを見た従業員(ユーザ)がクライアント端末2の入力操作部38を操作して、参照可能なデータから取込み範囲を選択する(S118)。
次に制御がS119に進み、選択範囲の変更がないか判定し、ある場合にはS118に戻り再度取込み範囲の選択を行う。選択範囲の変更がない場合には制御がS120へ進み、通常生成された他者の予定を自身の予定に変換するか否か判定される。自身の予定(自律予定)に変換する場合には制御がS124へ進み、通常生成された他者の予定を自身の予定(自律予定)に変換する処理が行われた後S122へ進む。一方、通常生成された他者の予定を他律予定に変換する場合には制御がS121へ進み、通常生成された他者の予定を自身の他律予定に変換した後S122へ進む。S122では選択データを取り込む先の指定処理が行われる。この処理は、選択された取込み対象のデータをどのデータの直下に取り込むか、即ち、選択されたデータが属する直属の上位データを指定する処理であり、後に詳述する。
次に、制御がS123へ進み、選択データをロックされた(一時的に変更不可にされた)ユーザ管理データとして指定された項目に取り込む処理が行われる。前述のS124により他者の項目を自身の計画内に取り込む場合、取り込む時点で自身のデータに変換される。取り込んだ各項目に関しては、基本的に自他の区別はせずに取込み時点において猶予期間を含む全要素をロック(一時的に変更不可に)して取り込む。つまり、実質的に他律として扱われる項目は他律予定だけとなる。
また、他律予定に関連なく通常生成された他者の予定は抽出するが、データ取込み処理時に選択された他者の予定は通常、参照情報であるため、既定では取込み時に他者の予定を「他律予定」に変換することとし、取込み者の指示があった場合には他者の予定を「自身の予定」に変換できるようにしている。そうすることで、行動を共にしている他者とのスケジューリング調性を予定の転記をするのと同様に実行することも可能となる。
また、他社の項目を自身のデータに変換する際、他律予定を起因として生成された他者の予定は排除されて参加者リストに関連付けられていた他者の予定は参照できなくなってしまうので、所有者情報等を、その他律予定の参照やポインタ等ではなく名前や注釈等の文字情報としても参加者リストに書き込めるようにすることで誰の予定を参照していたのかを識別することが可能となる。さらに、他律予定を公開せずに非共有で使用する場合には、実際、誰が参加するのかを自身の覚え書きとして把握しておく必要のある主要なメンバーだけを書き残しておくような使い方も可能となる。
本実施形態でいう「データの取込み」という行為は、プライベート管理用データ外にある特定の閲覧権限者に公開されたデータを項目単位でプライベート管理用データに自身の管理データとして取り込むことをいう。プライベート管理用データは個人使用が中心となるものなので、通常は、各自のローカルシステムで管理、使用されるが、昨今のように端末が多様化した現状では、プライベート管理用データを管理サーバ4内に保存し、管理サーバ4内のデータを核として複数の端末のローカルに保存された各プライベート管理用データと同期させることでクラウド同期システムを構成することが一般的である。
本実施形態でいう「同期」とは、このプライベート管理用データ同士の整合性を保つために行う同期のことをいう。「データ取込み処理」は他者の公開データ項目を自身のプライベート管理用データに取り込みたい場合に使用するものであり、同期処理の場合とは、対象データが異なる。抽出データ自体はサーバ管理下にあるが、サーバからクライアント側に取り込まれた時点でクライアント固有(ユーザ管理状態)のプライベート管理用データとなる。
公開された他律予定に対して予約、生成(他律予定を起因として予定を生成)された他者の予定は、その他律予定への参加表明ではあるが、他律予定とは別物であり、また、種別的には他律予定に関連なく通常生成された他者の予定と同種のものである。“通常生成された他者の予定”は属する仕事と関連するだけであるが、“他律予定を起因として生成された他者の予定”は、それに加えて他律予定とも関連している。
そこで、本実施形態では、“仕事から通常に生成された予定”と“他律予定を起因として生成された予定”を分けて考えることにする。“他律予定を起因として生成された他者の予定”と“他律予定を起因として生成された自身の予定”、および、“仕事から通常に生成された自身の予定”が同時に閲覧できたとしても猥雑なだけであるので、取込みの際には“他律予定を起因として生成された他者の予定”は他律予定に変換せずに、あらかじめ予約時にIDと拘束時間等からなる「参加者リスト」を生成し他律予定に持たせることで“他律予定を起因として生成された他者の予定”を参照することなしに同じイベントに参加するメンバーとそのイベント滞在時間を確認できるように構成されている。
“他律予定を起因として生成された他者の予定”は選択データ抽出時に排除されるように構成されている。公開された他律予定は、参加表明をする(他律予定を起因とした予定を生成して参加者リストに登録する)場合にはもちろん、単に参照する場合にも最新の情報を得るためには管理サーバ4にログインしなければなない。「同期処理」はクラウド同期で同じユーザが複数のクライアント端末2間でローカルデータの整合性を保ちたい場合に使用するものであり、本実施形態の場合データベース5にあるプライベート管理用データを同期の中枢として各自のクライアント端末2間でのデータ整合性を保つクラウドサーバシステムであり、パブリック管理用データを稼働させているプログラムと内部的には独立している。
そして「データ取込み処理」においては、本実施形態ではパブリック管理用データを扱うシステムの公開部分の取込みを示しているが、公開されているデータの全部、若しくは一部を選択して取り込むという点においては、ピア・ツー・ピアの場合でも同じである。共有サーバにあるパブリック管理データ自体は、バックアップ操作などの例外を除いて、ログイン時に権限内において直接書き換えられることはあっても、同期処理等で書き換えられるということは生じない。
なお、他律予定を起因として生成された他者の予定(S51でYESの場合に他律予定から変換された他者の自立予定)は表示不要である。必要な場合が生じても、通常の予定と比較して表示するのでは猥雑で意味がなく、大抵は同じ他律予定に起因する予定同士の比較であると考えられるため、それら他律予定の「参加者リスト」を単独表示させることで事足りる。なお、或るグループに属する複数のメンバーに限定して実行されるグループ内での共有の仕事の場合、当該グループに属するメンバー各々が当該共有の仕事に属する予定を生成することができる。その場合、自身の生成した予定以外は全て他律の予定として取り込まれる。この他律の予定から起因して自身の予定を生成する(その他律の予定に参加する)ことも可能である(S52参照)。
次に、S116とS117に示したサーバデータ表示処理とサーバデータ表示対応処理とのサブルーチンプログラムのフローチャートを図10に基づいて説明する。本処理の場合、実際にはクライアント側は管理サーバ4にログイン後に管理サーバ4のサービスをその権限内で受けることになる。従業員が自己のクライアント端末2を操作して、データベース5に記憶されている管理用データのうち参照可能な管理用データ(例えばパブリック管理用データ)から表示範囲を選択して閲覧操作をした場合にはその閲覧要求(自身のIDを含む)が管理サーバ4へ送信される(S150)。管理サーバ4ではそれを受信する(S151)。
データベース5には、予めユーザのID毎に対応付けてアクセス権限が記憶されており、管理サーバ4は、受信したIDに基づいてアクセス権限を検索し、閲覧要求を出した従業員が閲覧権限を有するか否か判定している。アクセス権限がない場合にはエラー表示等を行って閲覧を禁止する制御を行う。また、或るグループに属する複数のメンバーに限定して実行されるグループ内での共有の計画や共有の仕事等にユーザがアクセスする際に、そのグループのメンバー以外の者からのアクセスを禁止するアクセス権限制御も管理サーバ4が行っている。
次に管理サーバ4は、当該従業員の閲覧権限のあるデータを「閲覧要求」に従って全て抽出する処理を行う(S152)。次に、S153により、抽出されたデータから他律予定を起因として生成された他者の予定を省いたものが抽出データとしてクライアント端末2へ返信される。クライアント端末2ではそれを受信し(S154)、S155により表示部37により表示する。
S152により抽出された仕事内に他律予定を含む場合には、そのまま他律予定として表示されるが、前述したように、他律予定を起因として生成された他者の予定(S51でYESの場合に他律予定から変換された他者の自立予定)は表示しない。他律予定の参加表明者は他律予定の保持する「参加者リスト」で確認できるため、通常、他律予定を起因として生成された他者の予定を閲覧する必要はない。そのため、他律予定を起因として生成された他者の予定を省いたものを抽出データとしてクライアント端末2へ返信している(S153)。また、他律予定に関連なく通常生成された他者の予定は抽出するが、データ取込み処理時に選択された他者の予定は通常、参照情報であるため、既定では取込み時に他者の予定を「他律予定」に変換し、取込み者の指示があった場合に他者の予定を「自身の予定」に変換できるようにするように制御すれば、行動を共にしている他者とのスケジューリング調性を予定の転記によって実行することも可能となる利点がある。
次に、前述のS122で示した選択データを取り込む先の指定処理のサブルーチンプログラムを図11に示すフローチャートに基づいて説明する。図9に基づいて選択された取込み対象のデータは、予定と他律予定だけの場合、予定および他律予定と仕事の場合、予定および他律予定と仕事と計画の場合の、3種類ある。選択されたデータが予定と他律予定と仕事の場合または予定と他律予定と仕事と計画の場合の何れかであった場合には、S130によりNOと判定されて制御がS131へ進み、選択データの取り込み先を計画だけに限定する。
この状態でユーザが取り込み先の計画を指定した場合に、選択項目の猶予期間が指定された計画の猶予期間内か否か判定される(S132)。S132の判定結果がYESの場合にはS133により指定された計画を取り込み先に指定する処理が行われる。一方、S132の判定結果がNOの場合にはS134によりクライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされる。このエラー表示は、例えば「選択項目の猶予期間が指定された計画の猶予期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
一方、選択されたデータが予定と他律予定だけの場合はS130によりYESと判定されて制御がS135へ進み、選択データの取り込み先を計画だけでなく、仕事も指定できるようにする。この状態でユーザが取り込み先として計画を指定した場合にはS136によりYESと判定されて制御がS144へ進む。S144では、自身の予定の拘束期間が指定された計画の猶予期間内か否か判定される。判定結果がYESの場合は制御がS137へ進む。一方、S144の判定結果がNOの場合には制御がS143へ進み、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされる。このエラー表示は、例えば「選択された予定の拘束期間が指定された計画の猶予期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
選択データが「予定」であるにもかかわらずその取り込み先の項目として「計画」が指定された場合には、「予定および他律予定」の直属の項目としての「仕事」のデータが存在しないことになる。そこで、S137とS138とにより「仕事」を生成する処理が行われる。先ず、S137により、取り込もうとする予定の名前と指定した計画の猶予期間を入力内容として設定し、直属の仕事を作成する処理が行われる。次にS138で仕事入力処理が行われる。この仕事入力処理の具体的内容は図4(b)に示されている。生成される仕事の猶予期間は指定した計画の猶予期間がコピーされる。そして、S139により、生成した仕事を取り込み先に指定する。
一方、ユーザが取り込み先として仕事を指定した場合にはS140によりYESと判定されて制御がS141へ進み、自身の予定の拘束期間が指定された仕事の猶予期間内か否か判定される。判定結果がYESの場合はS142により、指定された仕事を取り込み先に指定する処理が行われる。一方、S141の判定結果がNOの場合には制御がS143へ進み、クライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされる。このエラー表示は、例えば「選択された予定の拘束期間が指定された仕事の猶予期間の範囲外であるために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。
なお、選択された予定の名前が複数ある場合には、複数ある全てを上位の仕事として生成するか、とりあえず最初に選択された予定の名前を候補としてあげ、それを使うか編集するかをユーザに任せるのがよい。選択データが予定だけの場合において「予定」が指定された場合にはS140によりNOと判定されS143によるエラー処理が行われる。これは、「予定」の下層に従属させて「予定」を生成する操作が行われたためエラー表示するものである。
次に、前述のS1で示したデータ表示処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図12(a)に基づいて説明する。このデータ表示処理では、実際には、表示画面が編集操作のためのユーザーインターフェイスとなる。このデータ表示処理においては、S160〜S163の4個のプログラムモジュールが並列選択実行される。例えば、S160→S161→S162→S163→S160というように、4個のプログラムモジュールを1つずつ順次選択して実行するように制御する。
S160で実行される仕事表示処理(タスクリスト)は、従業員(ユーザ)が自身の複数の仕事を表示部37により表示するものである(例えば図24(b)参照)。S161で実行される予定表示処理(カレンダ年月日別の変位選択表示)は、予定カレンダ1ヶ月、2週間、1週間あるいは1日の何れかを選択してその範囲に属する仕事を表示するものである(例えば図28〜図27参照)。S162で実行される仕事予定同時表示処理(カレンダとその表示範囲に連動した範囲のタスクリストの表示)は、仕事リストとスケジューラのカレンダとを同時に表示するものである(図26参照)。S163で実行される俯瞰表示処理は、図1に示されているツリー状の管理用データをそのままツリー表示するものである。
次に、S160に示した仕事表示処理(タスクリスト)のサブルーチンプログラムのフローチャートを図12(b)に基づいて説明する。S167により仕事表示操作があったか否か判定され、ない場合にはリターンする。ユーザがクライアント端末2の表示部37の通常画面の最上段に表示されている帯メニューバーやポップアップメニューから通常画面表示(図24(a)参照)を表示し、「仕事リストボタン」をクリックすることによりS167によりYESと判定されて制御がS168へ進む。S168では、仕事及び属する計画の選択限定があるか否か判定される。
ユーザが表示させたい仕事及び計画を選択限定した場合にはS169により仕事抽出の対象をその選択限定に絞り込む処理がなされた後制御がS170へ進む。一方、ユーザが仕事及び計画の選択限定を行わなかった場合には、S176により全ての仕事を抽出対象とする処理がなされた後制御がS170へ進む。S170では、猶予期間の限定があるか否か判定される。ユーザが猶予期間を入力限定すると制御がS171へ進み、上記S169またはS176で絞り込まれた抽出対象から限定された猶予期間内の仕事を抽出する処理が行われる。これは、限定された猶予期間内に開始して終了する仕事を抽出する処理である。
一方、ユーザが基準日を指定した場合には制御がS178へ進み、抽出対象から指定された日付を基準日とする全ての仕事を抽出する処理が行われる。具体的には、ユーザが指定した基準日を猶予期間に含む全ての仕事が抽出される。ここに「基準日」とは、スケジューラで、表示対象とする範囲を抽出するために起点とする日のことである。通常、スケジューラは、その日の行動予定を決めたり確認したりするものなので、既定では、「その日」とは「今日」、つまり“現在時刻を含む日付”ということになる。また、「基準日」をユーザに指定させることで、“設定された基準日”を“仮想的な今日”として仕事や予定を確認できる。
猶予期間が限定されずかつ基準日の指定もなかった場合には制御がS179へ進み、抽出対象から現在の日付を基準日とする全ての仕事を抽出する処理が行われる。S171、S178またはS179の処理の後制御がS172へ進み、終日予定の表示要請があるか否か判定される。ここに「終日予定」とは、終日設定された予定のことであり、設定された日(24時間)を猶予期間(実行予定日)とした拘束期間未設定の予定を意味する。
ユーザが終日予定の表示要請を行わない場合にはS174により、抽出された仕事を仕事の完了確認チェックボックスと共に表示部37にリスト表示する制御が行われる。一方、ユーザが終日予定の表示要請を行った場合にはS173により、終日予定を含む仕事を抽出し、予定の日付の順に予定の完了確認チェックボックスと共に表示部37にリスト表示し、残りの仕事をそれらに続けて仕事の完了確認チェックボックスと共にリスト表示する制御が行われる。S173またはS174の制御の後にS175の選択項目の表示処理が実行される。この選択項目の表示処理の詳細を図13(a)に基づいて説明する。
S180により、選択項目の表示操作があったか否か判定される。ない場合はリターンする。ユーザが表示させたい項目をシングルクリック(ワンクリック)すればS180によりYESと判定されて制御がS181へ進み、シングルクリック等のユーザの操作により選択された項目が計画もしくは計画のリンクか否か判定される。選択された項目が計画ではなくかつ計画のリンクでもない場合にはS184へ進むが、計画もしくは計画のリンクの場合には制御がS182へ進み、計画及びリンクのうちの選択された項目が俯瞰表示されているか否か判定される。俯瞰表示されていない場合には制御がS183へ進み、俯瞰表示処理(ツリー)が行われる。
次に制御がS184へ進み、選択項目は簡略表示されているか判定される。ユーザが選択した項目が簡略表示されているものであった場合にはS185により、その選択項目の詳細を表示する制御が行われる。一方、ユーザが選択した項目が詳細表示されているものであった場合にはS186により、その選択項目を簡略表示する制御が行われる。
この選択項目の表示処理では、ユーザが画面上で項目等をシングルクリックすることによりその項目が選択され、ダブルクリックすることにより実行(表示)される。また、上記「簡略表示」と「詳細表示」との実際の表示形態は、リストやカレンダ、その他実際の表示画面の表示形態により異なる。特に、カレンダ表示等は一度に表示される日数によっても異なる。
次に、S161に示した予定表示処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図13(b)に基づいて説明する。S190では予定表示操作があったか否か判定される。表示部37に表示された通常画面(図24(a)参照)中のカレンダ1ヶ月、カレンダ2週間、カレンダ1週間またはカレンダ1日の何れかをユーザが選択指定(例えばシングルクリック)すれば、S190によりYESと判定されて制御がS191へ進み、指定された表示形式(カレンダ1ヶ月、2週間、1週間または1日)で基準日を含む範囲のカレンダ表示が行われる(図28〜図27参照)。
ユーザによる表示形式と基準日の指定は、通常、マウスなどによりイベントループ内で入力されるが、ここでは便宜上、各表示処理呼び出し前に指定されているものとしている。そのため基準日は既に設定され、通常選択可能であろうと思われるスケジューラのカレンダ表示画面の、1ヶ月(5週間)、2週間、1週間、2日間、1日間等の表示選択も、呼び出し前に設定されているものとする。ここでいう「基準日」とは、選択された表示形式の期間内(1ヶ月(5週間)、2週間、1週間、2日間、1日間)に、必ず含まれることを保証される日付ということである。
次にS192により、複数の日付がカレンダ表示されているか否か判定される。S191に従って表示されたカレンダに複数の日付が表示されていない場合には制御がS194へ進むが、複数の日付が表示されている場合にはS193により、表示された日付の1つが選択されているか否か判定される。判定結果がNOの場合にはリターンするが、判定結果がYESの場合には制御がS194へ進み、選択された日付の予定および他律予定を表示部37に表示する制御が行われる。なお、実際の操作では、画面上でのシングルクリックで選択し、ダブルクリックで実行(表示)操作となる。
次に、S162に示した仕事予定同時表示処理(カレンダとその表示範囲に連動した範囲のタスクリストの表示)のサブルーチンプログラムのフローチャートを図14(a)に基づいて説明する。S200により、仕事予定同時表示操作があったか否か判定される。ない場合はリターンする。表示部37に表示された通常画面(図24(a)参照)中の「仕事リストカレンダ同時表示ボタン」をユーザがクリックした場合にはS200によりYESと判定されて制御がS201へ進み、予定表示処理(カレンダ表示処理)が実行される。この処理により、図28〜図30(b)の予定(カレンダ)表示画面のうちユーザが選択した表示画面を表示する制御が行われる。
次に、カレンダの表示状態が確認され(S202)、カレンダは日付単位で選択されているか否か判定される(S203)。スケジューラのカレンダ表示画面は、1ヶ月(5週間)、2週間、1週間、2日間、1日間であり、月単位、週単位、日付単位の3種類である。月単位または週単位で選択されている場合は制御がS205へ進み、そのカレンダの表示範囲を限定抽出する仕事の猶予期間として設定する処理が行われる。一方、日付単位で選択されている場合は、制御がS204へ進み、ユーザによって選択された範囲を限定抽出する仕事の猶予期間として設定する処理が行われる。
この「選択された範囲」とは、この仕事予定同時表示処理(カレンダとその表示範囲に連動した範囲のタスクリストの表示)のサブルーチンプログラムが呼び出された時点の表示画面でユーザによって選択された範囲のことである。次に、S206により仕事表示処理(タスクリスト)が実行される。この処理の詳細は図12(b)に示している。この仕事表示処理(タスクリスト)において、前述のS204またはS205により設定された猶予期間がS171の「指定された猶予期間」となり、その猶予期間内の仕事が抽出されて、その抽出された仕事リスト(タスクリスト)がS201により表示されているカレンダの左側に同時表示される(図26参照)。
図26の右側のカレンダ表示領域には、「グラフ作成」という他律予定の名前に続けて「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」という他律予定の表題が表示されている。これは、パスにより連携記憶された仕事「グラフ作成」と予定「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」とを検索表示したものである。例えば、後述する予定(カレンダ)1週間表示(図30(a)参照))において「グラフ作成」の終日予定が表示されているが、これは仕事リスト(タスクリスト)として表示すべきものであるが、図30(a)においてはカレンダ表示しかされていないためにカレンダ中に終日予定である「グラフ作成」を表示している。しかし、図26に示すようにタスクリストとカレンダ表示とを同時に表示する場合は、「グラフ作成」をカレンダ表示することなくタスクリスト中に表示する制御が行われる。このような制御は、予定および他律予定と仕事とを連携させて一元管理しているために可能となる制御であり一元管理の利点である。
また、未だ予定が全く入っていない仕事(例えば、写真撮影や実験データの整理)はタスクリストに表示されるが、その仕事に1つでも予定が入れば、その仕事がタスクリストから消えてカレンダの方に表示される制御を行う。このような制御は、予定および他律予定と仕事とを連携させて一元管理しているために可能となる制御であり一元管理の利点である。
次に、S163に示した俯瞰表示処理(ツリー)のサブルーチンプログラムのフローチャートを図14(b)に基づいて説明する。S207ではツリー表示操作があったか否か判定され、ツリー表示操作がない場合にはリターンする。図15に示す「通常画面」からツリー画面の表示が実行された場合には、S207によりYESと判定されて制御がS208へ進み、表示部37によりツリー表示がなされる(図17(a)参照)。このツリー表示の処理は、パスにより連携記憶された計画、仕事、予定を検索表示したものであり、それらがパスにより連携記憶されて一元管理されているからこそ可能となる表示態様である。例えば、「明細書作成」の仕事のパスは、「ROOT/応用研究計画/特許取得計画/明細書作成」となっており、ROOT―応用研究計画―特許取得計画―明細書作成とつながった1本のツリー表示部分となっている。次に俯瞰表示を終了する操作があったか否か判定され(S209)、終了操作がなければS208の制御を続行し、終了操作があればリターンする。
次に、図15〜図27に基づいて、クライアント端末2の表示部37で表示される各種表示画面およびそれら表示画面間での遷移を説明する。先ず図15を参照して、通常画面および通常画面から他の表示画面への遷移を説明する。表示部37に表示されている帯メニューバーやポップアップメニューから通常画面が表示可能である。この通常画面では、「仕事リストカレンダ同時表示ボタン」「仕事リスト表示ボタン」「カレンダ1ヶ月表示ボタン」「カレンダ2週間表示ボタン」「カレンダ1週間表示ボタン」および「カレンダ1日表示ボタン」が表示される。これら各種表示ボタンをユーザが選択してクリックすれば、前述したようにクリックされたボタンに対応する表示制御が実行される。
次に、図15に示すように、ユーザが通常画面からツリー表示を実行した場合にはツリー表示画面即ち俯瞰表示画面に遷移する。この俯瞰表示(ツリー)の画面は図17(a)に示されている。また、ユーザが俯瞰表示画面から通常画面の表示を実行した場合には通常画面に遷移する。
次に、図16に基づいて俯瞰表示(ツリー)画面から他の表示画面への遷移を説明する。俯瞰表示(ツリー)画面は例えば図17(a)に示すようにROOT計画から各種計画、各種仕事の各項目が表示されている。俯瞰表示(ツリー)画面から他の表示画面へ遷移するには、先ずそれら表示されている項目の1つをユーザが選択指定する。
具体的には、既存計画(例えば応用研究計画)を選択した上で、表示画面上のポップアップメニューから編集をクリックして実行した場合は、計画既存編集表示画面(図19(b)参照)へ遷移する。既存計画(例えばROOT計画)を選択した上でその既存計画の直下に計画の新規作成を実行した場合は、計画新規編集表示画面(図19(a)参照)へ遷移する。
既存計画(例えばROOT計画)を選択した上でその既存計画の直下に仕事の新規作成を実行した場合は、仕事新規編集表示画面(図20(a)参照)へ遷移する。既存計画(例えば応用研究計画)を選択した上でその既存計画の直下に予定の新規作成を実行した場合は、予定新規編集表示(仕事自動生成)画面へ遷移する。これは新規生成される予定の直属の仕事が存在しないため直属の仕事を自動生成する画面である(S41〜S45参照)。既存計画(例えば応用研究計画)を選択した上でその既存計画の直下に他律予定の新規作成を実行した場合は、他律予定新規編集表示(仕事自動生成)画面へ遷移する。これは新規生成される他律予定の直属の仕事が不存在であるため直属の仕事を自動生成する画面である(S100〜S109参照)。
既存仕事(例えば特許取得計画)を選択した上で編集を実行した場合は仕事既存編集表示画面(図20(b)参照)へ遷移する。この仕事既存編集表示画面(図20(b)参照)を経由して、予定既存編集表示画面、他律予定既存編集表示画面、他律予定新規編集表示画面、予定新規編集表示画面への遷移が可能となる。
具体的には、既存仕事に予定の新規作成が実行された場合は予定新規編集表示画面(図21(a)参照)へ遷移する。既存仕事に他律予定の新規作成が実行された場合には他律予定新規編集表示画面(図22(b)参照)が実行される。選択された既存他律予定の編集が実行された場合には他律予定既存編集表示画面(図23(b)参照)へ遷移する。選択された既存予定の編集が実行された場合には予定既存編集表示画面(図22(a)参照)へ遷移する。
図16中「仕事自動生成」と表されたものは、予定、もしくは他律予定の生成情報を元に上位の仕事が自動生成されるため、通常の予定、他律予定の新規作成画面に合わせて仕事の生成情報も表示されている画面のことである。また実際には、項目を修正,生成完了後に遷移前の画面(ツリー表示)に戻るが、図の複雑化を避けるためここでは、遷移の矢印を省略している。
次に、「俯瞰表示画面」を図17(a)〜図18(b)に基づいて説明する。「俯瞰表示画面」は、ツリー表示(図17(a)参照)、アイコン表示(図17(b)参照)、リスト表示(図18(a)参照)およびカラム表示(図18(b)参照)の4種類用意されている。ユーザの操作に従って4種類の俯瞰表示画面の何れかを選択して表示できる。
図17(a)に基づいて「俯瞰表示(ツリー)画面」を説明する。既に説明したように、「ROOT計画」、それに属する上位計画、上位計画に属する下位計画、下位計画に属する仕事のように、上位項目から各属する下位項目までパスによってツリー状に関連付けられてデータベース5に記憶されており、そのツリー状の各項目が俯瞰表示(ツリー)画面に表示されている。
全ての項目は無限大の猶予期間を持つ計画である「ROOT計画」を起点として始まる階層構造のパス(経路)によって一意に探索できる。これは言い換えると、全ての項目は「ROOT計画」に含まれるということでもある。図17(a)では、全ての計画と仕事をツリー上に展開表示しているが、計画はそれ以下のものを納めているフォルダのようなものと考えられるので、各計画を起点として、それ以下の項目を全て非表示にすることもできる。例えば、何れかの計画を選択後にポップアップメニュー等にて非表示の操作選択をすれば、その選択された計画以下の項目を全て非表示にできる。
本システムでは、予定および他律予定は仕事の分割単位と見なされるので、通常は、図17(a)のようにツリー表示の表示項目には含まずに、仕事を開くことでその詳細表示画面から予定を確認、編集することになる。例えば、「明細書作成」の仕事をクリックして開くことにより、その明細書作成に属する予定「弁理士との打合せ予定」が表示されて確認、編集することが可能となる。
図17(a)に示した例では、計画と仕事の混在はないが、ある計画の中に複数の計画と複数の仕事を混在できる。また、何れかの計画を選択後に項目の新規作成画面を表示することで、選択された計画の直下に子の計画、子の仕事を作成でき、詳細表示画面により確認、編集ができる。
次に、図17(b)に基づいて「俯瞰表示(アイコン)画面」を説明する。図17(b)では、「ROOT計画」を開いてアイコン表示した様子であるが、GUI(Graphical User Interface)のファイル操作画面と同じである。「基礎研究計画」を開けば「ROOT計画」と表示されている帯の文字列が「基礎研究計画」となってその内容が表示される。パーソナルコンピュータなら複数の項目を開いて操作することも可能である。フォルダを開けばその中にあるフォルダやファイルが確認できるのと同様に、計画を開けばその直下にある計画や仕事が確認できる。計画がフォルダ、仕事がファイルに対応する。但し、既に説明したように、全ての操作は、上位にある計画の猶予期間の制約を受け、また、リンクは、その実体の下位には生成できない。
次に、図18(a)に基づいて「俯瞰表示(リスト)画面」を説明する。図18(a)では、「ROOT計画」を開いてリスト表示した様子であるが、GUIのファイル操作画面と同じである。「基礎研究計画」を開けば「ROOT計画」と表示されている帯の文字列が「基礎研究計画」となってその内容がリスト表示される。パーソナルコンピュータなら複数の項目を開いて操作することも可能である。フォルダを開けばその中にあるフォルダやファイルが確認できるのと同様に、計画を開けばその直下にある計画や仕事が確認できる。計画がフォルダ、仕事がファイルに対応する。但し、全ての操作は、上位にある計画の猶予期間の制約を受け、また、リンクは、その実体の下位には生成できない。先頭にあるフォルダのミニアイコンは、それが計画であることを示しており、仕事の場合には書類のミニアイコンとなる。
次に、図18(b)に基づいて「俯瞰表示(カラム)画面」を説明する。図18(b)では、「ROOT計画」を開いてリスト表示した様子であるが、GUIのファイル操作画面と同じである。図18(b)の例では、「特許取得計画」を選択しているので、その属する「応用研究計画」に淡い色をバック色にしてパスであることを示している。「基礎研究計画」を開けば「ROOT計画」と表示されている帯の文字列が「基礎研究計画」となってその内容がリスト表示される。パーソナルコンピュータなら複数の項目を開いて操作することも可能である。
フォルダを開けばその中にあるフォルダやファイルが確認できるのと同様に、計画を開けばその直下にある計画や仕事が確認できる。計画がフォルダ、仕事がファイルに対応する。先頭にあるフォルダのミニアイコンは、それが計画であることを示しており、仕事の場合には書類のミニアイコンとなる。図18(b)の例では、2列目まで計画で3列目が仕事というように、列によって計画と仕事がきれいに分かれているが、計画と仕事が同じ計画の中に混在する場合には、同じ列(例えば2列目)の上に計画、その下に仕事がリスト表示されることになる。
次に、図19(a)に基づいて「計画新規編集表示画面」を説明する。この「計画新規編集表示画面」は、図4(a)のS23によりYESと判定される場合の編集表示画面である。パス表示領域40には、ルート計画から新規計画の生成先である直属の親計画までの経路が表示される。図19(a)の例では、ROOT計画が直属の親計画として選択されたことになる。パス表示領域40にはROOT計画の直下の項目のパスから表示される。計画名入力設定領域41には計画の略称を、概要入力設定領域4には計画の概要を、それぞれ入力する。完了チェックボックス47は、計画名入力設定領域41に入力されている計画が完了した場合にユーザがチェックを入れるものである。
完了チェックボックス47は、既定の状態で、完了チェックボックス47を有効にするか無効にするかをオプション選択できる。完了チェックボックス47が有効となっている場合、ユーザが手動で完了チェックボックス47をチェックできるが、下層に計画、若しくは仕事をひとつでも含んでいる場合、下層に未完了の項目を含んでいるのに完了させてもよいのかという旨の警告メッセージが表示される。ユーザが警告を無視して完了を続行した場合には、下層にある未完了の項目全てが編集対象の計画と共に完了チェックされ、計画自体が完了したものとして編集される。警告に従って完了の実行を中止した場合には、完了チェックしようとした以前の編集状態に戻る。編集対象となっている計画の完了チェックボックス47は、その下位にある項目(仕事及び計画)のすべてが完了チェックされた時(最後の項目が完了チェックされた時)に、自動的にチェックされる。
一方、完了チェックボックス47が無効となっている場合、編集対象となっている計画の直下に計画、若しくは仕事をひとつでも生成した時点で、完了チェックボックス47へのチェック操作は無効化される。編集対象となっている計画の完了チェックボックス47は、その下位にある項目(仕事及び計画)の全てが完了チェックされた時(最後の項目が完了チェックされた時)に、自動的にチェックされる。なお、ここでいう「無効化」とは、手動編集が不可能な状態をいい、システムによる自動編集は可能である。
新規計画ボタン43は、ユーザが新規計画を生成するときにクリックされるボタンである。新規仕事ボタン44は、ユーザが新規仕事を生成するときにクリックされるボタンである。新規予定ボタン45は、ユーザが新規予定を生成するときにクリックされるボタンである。新規他律予定ボタン46は、ユーザが新規他律予定を生成するときにクリックされるボタンである。「計画新規編集表示画面」から他の新規編集画面に遷移することはないため(図16参照)、これらボタン43〜46は不能動化されており、ボタン表示が薄くなっている。
「猶予期間」における開始入力設定領域48は、計画名入力設定領域41に入力されている新規計画の猶予期間の開始日を入力する領域である。猶予期間における終了入力設定領域49は、計画名入力設定領域41に入力されている新規計画の猶予期間の終了日を入力する領域である。新規編集の場合「猶予期間」の開始入力設定領域48および終了入力設定領域49には直属の親計画の猶予期間が既定値としてコピー入力されているので、必要なら、ユーザがより整合した期間に縮小できる。図19(a)の例では、ルート計画の猶予期間がコピーされているので、「開始」には最小無限値が、「終了」には最大無限値が設定されている。
「作業期間」には実際に作業開始した時刻と作業終了した時刻を設定する。具体的には、開始入力設定領域50に実際に作業開始した時刻が、終了入力設定領域51に実際に作業を終了した時刻が、それぞれ入力される。図19(a)の例では、外観は「猶予期間」と変わりないが「作業期間」には「開始」、「終了」ともに初期値として未設定値(nilなど)が設定されている。「nil」とは、Objective-Cのオブジェクト(id型)に対して空という意味である。また通常、完了チェックボックス47がチェックされた時点で、その時刻が「作業期間」の「終了」に自動的に設定される。
計画と仕事は内部で猶予期間とは別に、作業期間を設け、作業引き受けた時刻や作業に取りかかった時刻を作業開始に、作業を完了した時刻を作業終了に記録し、猶予期間で予測を作業期間で実際を管理する。予定も内部では拘束期間とは別に、作業開始、作業終了を時刻として持っているが、通常の予定の場合、拘束期間なので大抵は、それ自体が作業開始、作業終了であるため、既定では拘束期間の開始時刻が経過した時点で開始時刻が作業開始に、終了時刻が経過した時点で終了時刻が作業終了へと、自動的に設定される。但し、終日予定(終日設定された予定)の場合、拘束期間は無視され、1日単位の猶予期間が有効化されるため、計画や仕事の既定と同様に、作業期間によって予測と実際を管理できる。
以上説明した「計画新規編集表示画面」は、以降説明する「計画既存編集表示画面」「仕事新規編集表示画面」「仕事既存編集表示画面」「予定新規編集表示画面」「予定新規編集表示(仕事自動生成)画面」「予定既存編集表示画面」「他律予定新規編集表示画面」「他律予定新規編集表示(仕事自動生成)画面」および「他律予定既存編集表示画面」と共通の説明部分がある。以降の各種編集表示画面では、その共通部分の詳細な説明の繰返しは省略し、主に相違する部分について説明する。
図19(b)に基づいて「計画既存編集表示画面」を説明する。この「計画既存編集表示画面」は、図4(a)のS23によりNOと判定される場合の編集表示画面である。パス表示領域40には、「/応用研究計画/」が入力されている。これにより、図19(b)の例では、応用研究計画が直属の親計画として選択されたことになる。計画名入力設定領域41には計画の略称として「特許取得計画」が入力されており、概要入力設定領域4には計画の概要として「応用研究の成果をまとめて特許取得可能なものを申請し、特許を取得する。」が入力されている。図19(b)の例では、既存の編集なので現在の設定値が編集可能な状態で表示されている。完了チェックボックス47については、図19(a)のそれと同じ機能を有している。
既存編集の場合「猶予期間」には現在の設定値が編集可能な状態で表示されているので、必要なら、より整合した期間に再設定する。「作業期間」には実際に作業開始した時刻と作業終了した時刻を設定する。図19(b)の例では、作業開始前の状態なので「作業期間」には「開始」、「終了」ともに初期値として未設定値(nilなど)が設定されている。また通常、完了がチェックされた時点で、その時刻が「作業期間」の「終了」に自動的に設定される。なお、「計画既存編集表示画面」から他の新規編集画面に遷移する場合があるため(図16参照)、新規計画ボタン43、新規仕事ボタン44、新規予定ボタン45および新規他律予定ボタン46は能動化(有効化)されており、図19(a)と比べてボタン表示が濃くなっている。
ユーザは、概要入力設定領域42に表示されている概要の内容、猶予期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容、および「作業期間」の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容を他の内容に編集できる。但し、猶予期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容は、直属の計画である「応用研究計画」の猶予期間の範囲内に限り編集可能である。また、「作業期間」の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容は、猶予期間として開始入力設定領域48と終了入力設定領域49との表示されている期間の範囲内に限り編集可能である。さらなる編集内容としては、図4(a)のS27に示した「特定の個人あるいはグループに権限を設定して公開」する編集が可能である。権限を設定された個人あるいはグループには、この「特許取得計画」が公開される。その結果、公開された個人あるいはグループは、この「特許取得計画」のリンクを生成することができる(図6参照)。
次に、図20(a)に基づいて「仕事新規編集表示画面」を説明する。この「仕事新規編集表示画面」は、図4(b)のS33によりYESと判定される場合の編集表示画面である。パス表示領域40にはなにも表示されていない。この状態では、ROOT計画が直属の親計画として選択されたことになる。仕事名入力設定領域52には仕事の略称を、概要入力設定領域42には仕事の概要を入力する。「仕事新規編集表示画面」から他の新規編集表示画面へ遷移することがないため(図16参照)、新規計画ボタン43、新規仕事ボタン44、新規予定ボタン45および新規他律予定ボタン46は、不能動化(無効化)されてボタン表示が薄くなっている。
次に、図20(b)に基づいて「仕事既存編集表示画面」を説明する。この「仕事既存編集表示画面」は、図4(b)のS36によりYESと判定される場合の編集表示画面である。パス表示領域40には、「/応用研究計画/特許取得計画/」が入力されている。これにより、応用研究計画の直下に属する特許取得計画が直属の親計画として選択されたことになる。仕事名入力設定領域52には「明細書作成」が入力されている。これにより、特許取得計画の直下に属する「明細書作成」の既存仕事が指定されたことになる。概要入力設定領域42には「明細書作成」の既存仕事の概要が入力されており、具体的には、「現在、特許取得可能な技術の明細書を作成する。」と入力されている。これにより、既存仕事「明細書作成」の内容をユーザが認識できる。
既存仕事の編集のため猶予期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49には既存仕事の現在の設定値が編集可能な状態で表示されている。「作業期間」の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49には実際に作業開始した時刻と作業終了した時刻を設定する。作業開始前の状態なので「作業期間」には「開始」、「終了」ともに初期値として未設定値(nilなど)が設定されている。この「仕事既存編集表示画面」から遷移可能な新規編集表示画面は「予定新規編集表示画面」と「他律予定新規編集表示画面」の2つであるため(図16参照)、新規予定ボタン45および新規他律予定ボタン46の表示が図19(a)と比べて濃く表示されている。
ユーザは、概要入力設定領域42に表示されている概要の内容、猶予期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容、および「作業期間」の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容を他の内容に編集できる。但し、猶予期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容は、直属の計画である「特許取得計画」の猶予期間の範囲内に限り編集可能である。また、「作業期間」の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容は、猶予期間として開始入力設定領域48と終了入力設定領域49との表示されている期間の範囲内に限り編集可能である。さらなる編集内容としては、図4(b)のS37に示した「特定の個人あるいはグループに権限を設定して公開」する編集が可能である。権限を設定された個人あるいはグループには、この「明細書作成」の仕事が公開される。その結果、公開された個人あるいはグループは、この「明細書作成」の仕事のリンクを生成することができる(図6参照)。
次に、図21(a)に基づいて「予定新規編集表示画面」を説明する。この「予定新規編集表示画面」は、予定を新規に生成するための表示画面であり、図5のS48でYESと判定される場合の編集画面である。パス表示領域40には「/応用研究計画/特許取得計画/」が入力されている。この状態では、応用研究計画の直下に属する「特許取得計画」が属する計画として指定されたことになる。予定名入力設定領域53には、その属する仕事の仕事名がそのまま予定名として編集不可能な状態で表示されている。図21(a)の例では「明細書作成」と入力されており、「明細書作成」という名称の新規予定が編集対象として選択されていることになる。
「予定名」は編集不可だが、表題入力設定領域54には予定固有の特徴を略称として付加できる。例えば「弁理士との打合せ予定」等を入力する。この表題入力設定領域54の入力は省略して未入力状態にしてもよい。新規予定の概要入力設定領域42には、属する仕事の概要がコピーされているので、必要ならユーザが編集して適切な文章にすることができる。
新規編集の場合、当該新規編集表示画面が表示される前の段階でユーザが当該予定の実行予定日の日付を入力設定する。その際、ユーザは属する仕事(例えば明細書作成)の猶予期間の範囲内に限り日付を入力設定できる。その後新規編集表示画面が表示された段階で、事前に入力設定された実行予定日の日付が開始入力設定領域48と終了入力設定領域49とに表示される。さらに、開始入力設定領域48には現在時刻の分部分が切り捨てられた時間部分だけが初期値として設定されており、終了入力設定領域49には、開始入力設定領域48に1時間経過した時刻が初期値として設定されている。ユーザは必要に応じてこれら時刻を適切な値に変更する。これら時刻をユーザが編集する場合には、属する仕事(例えば明細書作成)の猶予期間の範囲内に限り編集可能となる。
図21(a)の例では、終日オプションは設定されていないので、完了チェックボックス47と終日オプションボタン55と「作業期間」の開始入力設定領域50と終了入力設定領域51は設定不可状態(グレーアウト)となっている。「終日オプション」とは、「予定」、および「他律予定」を終日設定し、それぞれ「終日予定」、「終日他律予定」とするためのオプションである。ユーザが終日オプションボタン55をクリックしてオンにすることで、「予定」なら「終日予定編集表示画面」、「他律予定」なら「終日他律予定編集表示画面」に、それぞれ移行する。これについては後述する。なお、図21(a)の例では、終日オプションが設定されていないので、「作業期間」の開始入力設定領域50および終了入力設定領域51は編集不可となっているが、実作業時間をサンプリングする場合には、手動で編集できるようにしてもよい。
次に、図21(b)に基づいて「予定新規編集表示(仕事自動生成)画面」を説明する。この「予定新規編集表示(仕事自動生成)画面」は、直属の仕事が生成されていない状態で予定を新規に生成するための表示画面であり、図5のS41でNOと判定される場合の編集画面である。図21(a)の「予定新規編集表示画面」との相違点は、直属の仕事が存在しないためにその直属の仕事が自動的に生成される点である。
パス表示領域40には「/応用研究計画/特許取得計画/」が入力されている。この状態では、応用研究計画の直下に属する「特許取得計画」が属する計画として指定されたことになる。この「特許取得計画」の直下に新規仕事が自動的に生成されることになる。具体的には、ユーザが予定名入力設定領域53に予定名(例えば「弁理士と打合せ会議の第5会議予定」)を入力すれば、その予定名がそのまま自動生成される仕事名(例えば「弁理士と打合せ会議の第5会議予定」)となるため、予定名入力設定領域53は入力を省略できず、必須の入力項目となっている。なお、前述と同様に表題入力設定領域54と概要入力設定領域42とは入力を省略可能である。
新規編集で仕事自動生成の場合、当該新規編集表示(仕事自動生成)画面が表示される前の段階でユーザが当該予定の実行予定日の日付を入力設定する。その際、ユーザは属する仕事(この場合自動生成される仕事)の猶予期間の範囲内に限り日付を入力設定できる。自動生成される仕事の猶予期間は、上述した生成先に選択された計画(図21(b)の例では特許取得計画)の猶予期間から生成された編集前の初期値(S44参照)が設定される。その後新規編集表示(仕事自動生成)画面が表示された段階で、事前に入力設定された猶予期間の日付が開始入力設定領域48と終了入力設定領域49とに表示される。
さらに、開始入力設定領域48には現在時刻の分部分が切り捨てられた時間部分だけが初期値として設定されており、終了入力設定領域49には、開始入力設定領域48に1時間経過した時刻が初期値として設定されている。ユーザは必要に応じてこれら時刻を適切な値に変更する。これら時刻をユーザが編集する場合には、自動生成された仕事の猶予期間の範囲内に限り編集可能となる。「作業期間」の開始入力設定領域50および終了入力設定領域51には実際に作業開始した時刻と作業終了した時刻を設定する
図21(b)の例では、終日オプションは設定されていないので、完了チェックボックス47と終日オプションボタン55と「作業期間」の開始入力設定領域50と終了入力設定領域51は設定不可状態(グレーアウト)となっている。既定で終日オプションを設定しておくと、完了チェックボックス47と「作業期間」の開始入力設定領域50および終了入力設定領域51が有効になり、設定されていた拘束期間は無効となる。なお、図21(b)の例では、終日オプションが設定されていないので、「作業期間」の開始入力設定領域50および終了入力設定領域51は編集不可となっているが、実作業時間をサンプリングする場合には、手動で編集できるようにしてもよい。
次に、図22(a)に基づいて「予定既存編集表示画面」を説明する。この「予定既存編集表示画面」は、既に生成されている既存の予定を編集する画面であり、図5のS48でNOと判定される場合の編集画面である。パス表示領域40には、「/応用研究計画/特許取得計画/」が入力されている。また、予定名入力設定領域53に「明細書作成」、表題入力設定領域54に「弁理士と打合せ会議の第5会議予定」が入力されている。これにより、「弁理士と打合せ会議の第5会議予定」という表題を持つ「明細書作成」という名称の既存予定が編集対象として選択されていることになる。予定名入力設定領域53は編集不可だが、表題入力設定領域54には予定固有の特徴を略称として付加できる。
ユーザは、概要入力設定領域42に表示されている概要の内容、拘束期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容を他の内容に編集できる。但し、拘束期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容は、直属の仕事である「明細書作成」の猶予期間の範囲内に限り編集可能である。さらなる編集内容としては、図5のS54に示した「特定の個人あるいはグループに権限を設定して公開」する編集が可能である。権限を設定された個人あるいはグループには、この仕事が公開される。なお、前述と同様に、表題入力設定領域54および概要入力設定領域42への入力を省略してもよい。また、終日オプションについては前述と同様である。
次に、図22(b)に基づいて「他律予定新規編集表示画面」を説明する。この「他律予定新規編集表示画面」は、他律予定を新規に生成するための表示画面であり、図8のS102でYESと判定される場合の編集画面である。パス表示領域40には、「/基礎研究計画/実験計画/」が入力されている。他律予定名入力設定領域56には「グラフ作成」が入力されている。これにより、「グラフ作成」という名称の新規他律予定が編集対象として選択されていることになる。他律予定名入力設定領域5に表示されている他律予定名は編集不可であるが、表題入力設定領域54には他律予定固有の特徴を略称として付加できる。概要入力設定領域42には、属する仕事の概要がコピーされているが、必要に応じてユーザが編集して適切な文章とすることができる。なお、表題入力設定領域54と概要入力設定領域42とは、その入力を省略してもよい。
新規編集の場合、当該新規編集表示画面が表示される前の段階でユーザが当該他律予定の日付を入力設定する。その際、ユーザは属する仕事(例えばグラフ作成)の猶予期間の範囲内で日付を入力設定するのが通常である。猶予期間の範囲からはみ出す日付をユーザが入力した場合には警告表示がなされ(S105)、ユーザがその警告を無視して入力した場合には、その入力内容が開始入力設定領域48と終了入力設定領域49とに表示される(S106でYESの場合)。その後他律予定新規編集表示画面が表示された段階で、事前に入力設定された日付が開始入力設定領域48と終了入力設定領域49とに表示される。
さらに、開始入力設定領域48には現在時刻の分部分が切り捨てられた時間部分だけが初期値として設定されており、終了入力設定領域49には、開始入力設定領域48に1時間経過した時刻が初期値として設定されている。ユーザは必要に応じてこれら時刻を適切な値に変更する。なお、新規編集表示画面から他の表示画面に遷移することはないので(図16参照)、新規計画ボタン43、新規仕事ボタン44、新規予定ボタン45および新規他律予定ボタン46は無効化(不能動化)されている。さらに、他律予定が新規生成された段階のため、他者がその他律予定に参加表明するための参加表明ボタン58が無効化(不能動化)されている。
図22(b)では、終日オプションが設定されていないので拘束期間が有効となっている。既定で終日オプションを設定すると設定されていた拘束期間は無効となる。他律予定における終日オプションの用法としては、イベントの開催日は決定しているが、開催時刻が未定の場合に一旦終日としておいて、開催時刻が決定した時点で終日設定を解除し、拘束期間を設定するのが通常である。
次に、図23(a)に基づいて「他律予定新規編集表示(仕事自動生成)画面」を説明する。この「他律予定新規編集表示(仕事自動生成)画面」は、直属の仕事が生成されていない状態で他律予定を新規に生成するための表示画面であり、図8のS100でNOと判定される場合の編集画面である。図22(b)の「他律予定新規編集表示画面」との相違点は、直属の仕事が存在しないためにその直属の仕事が自動的に生成される点である。パス表示領域40には「/基礎研究計画/実験計画/」が入力されている。他律予定名入力設定領域56は入力可能な状態で待機している。入力された他律予定名はそのまま自動生成される仕事名となるため、「他律予定名」の入力は省略できず必須の入力項目となる。なお、前述と同様に表題入力設定領域54と概要入力設定領域42とは入力を省略可能である。
拘束期間の編集については、図21(b)の説明と同じであるが、他律予定の編集であるため、図22(b)で説明した警告表示(S105)とそれを無視してのユーザの入力設定が可能である。また、終日オプションについては、図22(b)の説明と同じである。また新規作成編集画面のため、新規計画ボタン43、新規仕事ボタン44、新規予定ボタン45および新規他律予定ボタン46については無効化(不能動化)されている。
次に、図23(b)に基づいて「他律予定既存編集表示画面」を説明する。この「他律予定既存編集表示画面」は、既に生成されている既存の他律予定を編集する画面であり、図8のS102でNOと判定される場合の編集画面である。パス表示領域40には、「/基礎研究計画/実験計画/」が入力されている。また、予定名入力設定領域53に「グラフ作成」、表題入力設定領域54に「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」が入力されている。これにより、「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」という表題を持つ「グラフ作成」という名称の既存他律予定が編集対象として選択されていることになる。他律予定名入力設定領域56は編集不可だが、表題入力設定領域54には予定固有の特徴を略称として付加できる。
ユーザは、概要入力設定領域42に表示されている概要の内容、拘束期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容を他の内容に編集できる。但し、拘束期間の開始入力設定領域48と終了入力設定領域49の内容は、直属の仕事である「グラフ作成」の猶予期間の範囲内に限り編集可能である。なお、前述と同様に、表題入力設定領域54および概要入力設定領域42への入力を省略してもよい。また、終日オプションについては前述と同様である。さらなる編集内容としては、図8のS108に示した「特定の個人あるいはグループに権限を設定して公開」する編集が可能である。権限を設定された個人あるいはグループには、この他律予定が公開される。この他律予定が公開された個人あるいはグループは、この他律予定に参加することができる。
具体的には、この「他律予定既存編集表示画面」により他人の他律予定を選択指定した上で、参加表明ボタン58をクリックする。これにより図5のS47とS51とによりYESと判定されてS52により、生成元の他律予定内の参加者リストへ当該参加表明したユーザを登録して記憶する処理がなされる。具体的には、複数ユーザ環境の場合、参加表明ボタン58を押すと既存の表題に続けて「:出席」等の文字列が付加された表題で概要と拘束期間はそのままコピーされた予定が属する仕事内に自動生成され、生成後に参加者リストに自身の情報が登録される。
図23(b)の他律予定の場合、「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定:出席」という表題の予定が自動生成される。また、新規予定ボタン45を押すと同じ内容で予定新規編集表示画面(図21(a)参照)が表示されるので、中座することが分かっている場合などには、拘束期間を縮小して編集を終了すれば、編集後の拘束期間が参加者リストに自動で登録される。この他律予定への参加(S52)と同時に、当該他律予定がユーザ自身の予定(他律予定を起因として生成された予定)となる。参加の取りやめは、他律予定を起因として生成された予定を削除することで行われる。
他律予定は予定の特殊な形態であり、計画や仕事とは異なるものなので、他律予定のリンクは通常の予定同様に生成できない。なお、計画や仕事の削除に関しては、計画の実体が削除された場合には、実体から生成された全てのリンクと計画より下層にある全ての項目が削除される。一方、計画のリンクの削除は該当リンク自体を削除すれば事足りる。仕事の実体が削除された場合には、予定、他律予定といった項目は仕事の内容であり、仕事より下層に項目は存在しないため、仕事に含まれる全ての項目とその(実体)から生成された全てのリンクを削除するだけになる。また、計画や仕事の変更に関しては、リンク自体は実体を参照しているだけなので、実体を変更するだけでよく、リンクの変更は不要である。
次に、前述した終日オプションをオンにした場合を説明する。図21(a)〜図23(b)に示した各編集表示画面において、終日オプションボタン55をユーザがクリックすることにより終日オプションがオンとなる。終日オプションをオンにした場合には、前述したように、図21(a)〜図23(b)に示した各種編集表示画面からそれぞれ対応する終日設定画面(図示省略)に移行する。例えば、図21(a)に示した予定新規編集表示画面において終日オプションボタン55をクリックすれば終日予定編集表示画面(図示省略)に移行し、図22(b)の他律予定新規編集表示画面において終日オプションボタン55をクリックすれば終日他律予定編集表示画面(図示省略)に移行する。終日予定編集画面において終日予定を編集し、終日他律予定編集表示画面において終日他律予定を編集する。
終日オプションをオンにした場合には、前述したように、完了チェックボックス47が有効化(能動化)される。また、終日予定の場合、「作業期間」が設定可能になり、拘束期間の開始入力設定領域48の日付部分だけを属する仕事の猶予期間内で編集可能とし、拘束期間の終了入力設定領域49には、拘束期間の開始入力設定領域48で入力した日付を表示したまま編集不可状態(グレーアウト)にしている。また作業開始時に作業期間の開始入力設定領域50を設定し、作業終了時に完了チェックボックス47をチェックすることで作業期間の終了入力設定領域51が記録される。
他律予定の場合、終日オプションボタン55をオンにすることで、拘束期間の開始入力設定領域48の日付部分だけを属する仕事の猶予期間内で編集可能とし、拘束期間の終了入力設定領域49には、拘束期間の開始入力設定領域48で入力した日付を表示したまま編集不可状態(グレーアウト)にしている。他律予定における終日オプションの用法としては、イベントの開催日は決定しているが、開催時刻が未定の場合に一旦、終日としておいて開催時刻が決定した時点で終日設定を解除し、拘束期間を設定するのが通常である。
次に、図24(a)に基づいて通常画面表示内部での遷移を説明する。前述したように、この通常画面は、ユーザがクライアント端末2の表示部37の表示画面に表示されている帯メニューバーやポップアップメニューから通常画面を選択してクリックすることにより表示される。この通常画面には、図24(a)に示すように、「仕事リストカレンダ同時表示」のボタンと、「仕事リスト」のボタンと、カレンダ表示態様(4種類)を選択する「カレンダ表示」の操作領域とが表示されている。また「カレンダ表示」操作領域内には、「カレンダ1ヶ月表示」のボタンと、「カレンダ2週間表示」のボタンと、「カレンダ1週間表示」のボタンと、「カレンダ1日表示」のボタンとが表示されている。
ユーザが「仕事リストカレンダ同時表示」のボタンをクリックすることにより図26に示す「仕事(仕事)リスト予定(カレンダ)同時表示画面」が表示される。この状態で、ユーザにより仕事リスト全画面表示が実行された場合には、「仕事(仕事)リスト予定(カレンダ)同時表示画面」から図24(b)に示す仕事リスト表示画面に遷移する。この仕事リスト表示画面により当該ユーザの仕事のリストが表示される。この表示状態において、ユーザにより仕事リストカレンダ同時表示が実行された場合には「仕事(仕事)リスト予定(カレンダ)同時表示画面」に遷移する。
「仕事(仕事リスト)予定(カレンダ)同時表示画面」または仕事リスト表示画面が表示されている状態でユーザによりカレンダ全画面表示が実行された場合には、「カレンダ表示」操作領域が拡大表示される。その「カレンダ表示」操作領域内に表示されている「カレンダ1ヶ月表示」のボタンと、「カレンダ2週間表示」のボタンと、「カレンダ1週間表示」のボタンと、「カレンダ1日表示」のボタンとのうちの何れかをユーザが選択してクリックした場合には、その選択された態様のカレンダ表示画面に遷移する。「カレンダ1ヶ月表示」のボタンがクリックされた場合には図28に示す予定(カレンダ)1ヶ月表示画面に遷移する。「カレンダ2週間表示」のボタンがクリックされた場合には図29に示す予定(カレンダ)2週間表示画面に遷移する。
「カレンダ1週間表示」のボタンがクリックされた場合には図30(a)に示す予定(カレンダ)1週間表示画面に遷移する。「カレンダ1日表示」のボタンがクリックされた場合には図30(b)に示す予定(カレンダ)1日表示画面に遷移する。これら予定(カレンダ)1ヶ月表示画面、予定(カレンダ)2週間表示画面、予定(カレンダ)1週間表示画面および予定(カレンダ)1日表示画面の間では、図27(b)に示すように、ユーザの操作に応じてそれぞれの表示画面間で表示対象が遷移する。
上記「カレンダ表示」操作領域が拡大表示されている状態または上記4態様の予定(カレンダ)表示画面の何れかが表示されている状態で、ユーザにより仕事リストカレンダ同時表示が実行された場合には、仕事(仕事リスト)予定(カレンダ)同時表示画面に遷移し、仕事リスト全画面表示が実行された場合には仕事表示確定画面に遷移する。
次に、図24(b)に基づいて仕事表示確定画面を説明する。この画面ではユーザの仕事がリスト表示される。具体的には、各仕事名およびその仕事の期限がリスト表示されると共に、各仕事の完了チェックを行うための完了チェックボックス47が表示される。本来、スケジューラでいう仕事リストとは仕事の完了チェックを迅速に行うためのものであり完了チェックボックス47は必須である。よって、各仕事名の右端に、完了の有無を表示入力するための完了チェックボックス47が表示されている。図24(b)の例では、仕事名「課題収集」と「グラフ作成」とが完了となっている。
図24(b)の例では、上から数えて最初の4つの仕事リストが太字フォントで表示されており、その下の2つの仕事が通常フォントで表示されている。太字フォントで表示されている4つの仕事は、終日予定を含む仕事の終日予定の部分である。また逆に、前述したとおり予定名はその属する仕事名を引き継ぐ、つまり同じ名称となるため、各々が一つの終日予定である。終日予定の期間は、通常の予定とは違い拘束期間ではなく、終日、つまり1日の猶予期間である。そのため、その期限には実行時間未定の実行予定日が表示されている。そして、通常フォントで表示された残りの2つは予定をひとつも含まない仕事である。
なお、画面に余裕がある場合には、終日予定を含む仕事の仕事名(実際には、終日予定の予定名)に続けてコロンなどで区切り終日予定の表題を表示してもよい。例えば、上記で「課題収集」という仕事が「課題会議その1」と「課題会議その2」という表題を持つ終日予定を含むなら「課題収集:課題会議その1」、「課題収集:課題会議その2」のように表示する。通常、仕事リストには開始期限を過ぎた仕事を抽出し表示するため、猶予期間の開始日は、仕事リスト抽出時に内部的に使用されるのみで表示されない。
この仕事表示確定画面から遷移可能な表示画面を図25に基づいて説明する。図25に示すユーザの操作に基づいて、仕事表示確定画面から仕事既存編集表示画面(図20(b)参照)に遷移する。その仕事既存編集表示画面から、ユーザの操作に応じて、予定新規編集表示画面(図21(a)参照)、他律予定新規編集表示画面(図22(b)参照)、予定既存編集表示画面(図22(a)参照)または他律予定既存編集表示画面(図23(b)参照)に遷移する。
なお、遷移した先の編集表示画面において項目の修正や生成が完了した後にユーザの操作に応じて遷移前の画面(仕事リスト表示)に戻るが、図の煩雑化を避けるためにここでは、遷移の矢印を省略した。また、新規に項目を作成したい場合には、ツリー表示を呼び出すことで行う。但し、既存の仕事に対する予定、他律予定の新規作成は、仕事リスト表示からも可能である。また、表示(抽出)されていない項目は、抽出条件を変えて再抽出するか、ツリー表示を呼び出すかの2通りの方法がある。
次に、図26に基づいて仕事(仕事リスト)予定(カレンダ)同時表示画面を説明する。この図26の例では、タスクリストの欄に仕事リストが表示され、カレンダの欄に予定が表示されている。カレンダの欄に表示されている予定では、具体的には、「グラフ作成」という他律予定の中の13:00〜15:00の時間に行われる「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」に13:00から14:00の間だけ出席することになっている。
タスクリストの欄に表示されている仕事リストは、その日(図26では2016年2月15日)に実行すべき行動と期限日までに実行すべき行動との完了チェックリストである。つまり、その日に確認とチェックをすべきリストなので、カレンダもその日の予定を照らし合わせることが最も効率的である。そこで既定では、仕事リストと一日表示のカレンダが表示されるが、カレンダを1年、1ヶ月、2週間、1週間、1日と表示を変えて予定を俯瞰することで、現状を把握し易いように構成されている。また、カレンダの表示形態を切り換えて、基準日を変更すれば、仕事リストの基準日も変更されて変更された基準日を起点とした仕事リストに書き換えられる。
この「仕事(仕事リスト)予定(カレンダ)同時表示」は、パスにより連携記憶された仕事(図26の例では「グラフ作成」)と予定(図26の例では「グラフ作成ソフト会議の第1会議予定」)とを検索表示したものである。例えば、予定(カレンダ)1週間表示(図30(a)参照))において「グラフ作成」の終日予定が表示されているが、これは仕事リスト(タスクリスト)として表示すべきものであるが、図30(a)においてはカレンダ表示しかされていないためにカレンダ中に終日予定である「グラフ作成」を表示している。しかし、図26に示すようにタスクリストとカレンダ表示とを同時に表示する場合は、「グラフ作成」をカレンダ表示することなくタスクリスト中に表示する制御が行われる。このような制御は、予定および他律予定と仕事とを連携させて一元管理しているために可能となる制御であり一元管理の利点である。
また、未だ予定が全く入っていない仕事(例えば、写真撮影や実験データの整理)はタスクリストに表示されるが、その仕事に1つでも予定が入れば、その仕事がタスクリストから消えてカレンダの方に表示される制御を行う。このような制御は、予定および他律予定と仕事とを連携させて一元管理しているために可能となる制御であり一元管理の利点である。
また、予定と無関係な仕事(本方式でいうところの「空の仕事(予定を1つも保持しない仕事)」)だけでなく、予定と連携されているということを利用することで、終日設定された予定(設定された日を猶予期間とした拘束期間未設定の予定)を予定としてではなく終日指定された日付限定の仕事の分割単位として扱うことで、空の仕事と終日予定の双方を含むリストをひとつの仕事リストとして管理することも可能となる。
より詳細に述べると、本実施形態では、「空の仕事」つまり予定を1つも含まない仕事は、猶予期間内の実行が許容され仕事単位で実行の有無を管理されている仕事として扱われ、「終日予定」つまり実行時間を拘束せずに終日設定された予定は、設定された日付内(既定では、その日の0時から次の日の0時までの24時間)を猶予期間とした拘束期間未設定の予定、即ち実質24時間の猶予期間を有する仕事として扱われる。そのため従来には不可能であった仕事と予定の連携した編集表示ができるということに加えて、さらに表示範囲内の期間に空の仕事と終日予定の双方を仕事リストに表示させることができ、それらを混合の仕事リストとして抽出、生成し同一リスト内で完了チェックをすることが可能となる利点がある。
次に、図27(a)に基づいてカレンダ表示画面から遷移可能な編集表示画面を説明する。ユーザの操作に基づいて図24に示すように、カレンダ表示画面から仕事既存編集表示画面(図20(b)参照)、予定既存編集表示画面(図22(a)参照)または他律予定既存編集表示画面(図23(b)参照)の何れかに遷移する。また、仕事既存編集表示画面(図20(b)参照)から予定新規編集表示画面(図21(a)参照)、他律予定新規編集表示画面(図22(b)参照)、他律予定既存編集表示画面(図23(b)参照)または予定既存編集表示画面(図22(a)参照)に遷移する。
なお、遷移した先の編集表示画面において項目の修正や生成が完了した後にユーザの操作に応じて遷移前の画面(各カレンダ表示)に戻るが、図の煩雑化を避けるためにここでは、遷移の矢印を省略した。また、新規に項目を作成したい場合には、ツリー表示を呼び出すことで行う。但し、既存の仕事に対する予定、他律予定の新規作成は、カレンダ表示からも可能である。また、表示(抽出)されていない項目は、抽出条件を変えて再抽出するか、ツリー表示を呼び出すかの2通りの方法がある。
次に、図28に基づいて予定(カレンダ)1ヶ月表示画面を説明する。図28の例では2016年2月の1ヶ月間の予定(カレンダ)が表示されている。この1ヶ月表示は画面の大きな端末の場合、2016年2月の1日〜29日の各日に実行が予約されている予定が可能な限り表示されるが、スマートフォン等の携帯端末では、各日に実行が予約されている予定の有無がアイコン等で表示されることになる。そのアイコンをタップすることにより、その日の予定が拡大表示される。この点は、後述する図29の予定(カレンダ)2週間表示画面でも同様である。
また図28の例では、現在時刻を含む日付には太枠でそれを示している。他の表示方法としては、「ToDay」や「今日」と表示したり、枠の装飾を特別にしたりして、現在時刻を包含していることを示してもよい。この点は、後述する図29の予定(カレンダ)2週間表示画面でも同様である。また、図28の例では、枠内にできる限り多くの予定が表示できるように、表題が設定されている予定は表題だけを表示しているが、逆に、表題を表示せずに予定の名称だけを表示すれば同属の予定が区別できる。
本実施の形態では、既に説明したように、予定はその属する仕事の分割単位であると考えるので、予定の名称には、その属する仕事の名称が設定され、同属の予定は全て同じ名称を持つ。また、この例では、終日予定(課題収集、グラフ作成)を表示しているが、通常の時間拘束されている予定と見分けやすくするために、文字色をグレー表示している。これらの予定は仕事リストにも表示されるのでカレンダでの表示を省略してもよい。仕事リストとの同時表示ならカレンダ側の終日予定を非表示にした方が視認し易くなる。図28の例では、出欠未定の他律予定はフォントを斜体(課題会議の第3会議予定)とし参加表明(予定生成)後の他律予定はフォントを太字(グラフ作成ソフト会議の第1会議予定)とした。
次に、図29に基づいて予定(カレンダ)2週間表示画面を説明する。図29の例では2016年2月の7日〜20日の2週間の予定(カレンダ)が表示されている。図29の例では、その予定の名称(属する仕事名と同じ)を表示し、コロンに続けて予定の表題を持つものは表題を表示している。また、図29例では、終日予定(課題収集、グラフ作成)を表示しているが、通常の時間拘束されている予定と見分けやすくするために、文字色をグレー表示し、完了のチェックボックスを先頭部分に待たせている。これらの予定は仕事リストにも表示されるのでカレンダでの表示を省略してもよい。仕事リストとの同時表示ならカレンダ側の終日予定を非表示にした方が視認し易くなる。
図29の例では、出欠未定の他律予定はフォントを斜体(課題収集:課題会議の第3会議予定)とし、参加表明(予定生成)後の他律予定はフォントを太字(グラフ作成:グラフ作成ソフト会議の第1会議予定)とした。なお、他律予定の出席を表す参加表明の予定名と表題は省略されているが、他律予定よりも短時間である場合(途中退場するような場合)には、図29に示したように括弧書きで参加時間を表示している。
次に、図30(a)に基づいて予定(カレンダ)1週間表示画面を説明する。図30(a)の例では2016年2月の14日〜17日の1週間の予定(カレンダ)が表示されている。現在時刻を含む日付の表示方法は図28の予定(カレンダ)1ヶ月表示画面で説明したものと同じである。また、図30(a)の例では、終日予定(課題収集、グラフ作成)を表示しているが、通常の時間拘束されている予定と見分けやすくするために、文字色をグレー表示し、完了チェックボックスを先頭部分に待たせている。
これらの予定は仕事リストにも表示されるのでカレンダでの表示を省略してもよい。仕事リストとの同時表示ならカレンダ側の終日予定を非表示にした方が視認し易くなる。なお、他律予定の出席を表す参加表明の予定名と表題は省略されているが、他律予定よりも短時間である場合(途中退場するような場合)には、図30(a)にあるように括弧書きで参加時間を表示している。また、表題を持つ予定は、「予定名:表題」とせずに、予定名を省略して「:表題」というふうにコロンを先頭に付加して表題だけを表示できるようにしてもよい。
次に、図30(b)に基づいて予定(カレンダ)1日表示画面を説明する。図30(b)の例では2016年2月の15日の予定(カレンダ)が表示されている。固定の表示範囲は限定されているが、表示画面をスクロールさせることで隠れている部分を表示させて確認できる。また、図30(b)の例では、一日表示なので終日予定は非表示にしているが、仕事リストが同時に表示されてない場合には、上下左右の何れかに別枠を設けて終日予定をチェックボックス付きで表示してもよい。図30(b)中の最初の太字は他律予定であり、イベント(グラフ作成ソフト会議の第1会議予定)自体は13時から15時まで開催されていることを示している。
次にある通常フォントの文字はこのスケジューラを使用しているユーザ自身の予定であり、13時から14時(途中退席)までイベントに参加していることを示している。ここで「:出席」とあるのは、他律予定(グラフ作成:グラフ作成ソフト会議の第1会議予定)を起因として生成された予定に付けられた表題の接尾辞であるが、他律予定を起因として生成される予定には、「:出席」、「:参加」など、表題にあらかじめ決められた接尾辞が生成時に設定できるようにするのが望ましい。また、途中退席しない、つまり他律予定とその起因する予定が同じ拘束期間を持つ場合には、他律予定およびそれに起因する予定の何れか一方を非表示に、また、表題を持つ予定は、「予定名:表 題」とせずに、予定名を省略して「:表題」というふうにコロンを先頭に付加して表題だけを表示できるようにしてもよい。
以上説明した実施形態では、図1に示した複数のクライアント端末2・・・がクライアント・サーバモデルとして動作するものを示したが、以下には変形例として、複数のクライアント端末2・・・がスタンドアローンで動作するものを説明する。この変形例では、前述のクライアント・サーバモデルとの相違点のみを説明する。
先ず図31(a)を参照し、クライアント端末2と管理サーバ4とにおいて実行されるメインルーチンプログラムのフローチャートを説明する。図3(b)のフローチャートとの相違点は、クライアント端末の処理としてS210のローカルデータ表示処理が追加されている点である。このローカルデータ表示処理は、ローカルにあるプライベート管理データを当該ユーザが自身のクライアント端末2の表示部37に表示して参照する処理である。詳細は省略する。
次に、S2のデータ編集処理とS4のデータ編集対応処理とのサブルーチンプログラムのフローチャートとを図31(b)に基づいて説明する。図3(c)のフローチャートとの相違点は、データ編集処理としてS215のサーバ同期処理が追加され、データ編集対応処理としてS216のサーバ同期対応処理が追加されている点である。これら両処理の詳細を図32に基づいて説明する。
図32は、クライアント端末側のサーバ同期処理(S215)と管理サーバ側のサーバ同期対応処理(S216)とのサブルーチンプログラムのフローチャートを示している。ユーザがクライアント端末2を操作してサーバ同期の要求を行った場合には、S220により管理サーバ4に同期要求信号が送信される。それをS221により受信した管理サーバ4は、前回の同期以降に項目の変更があったか否か判定する(S222)。項目の変更がなかった場合には制御がS226へ進み、クライアント端末2に同期結果が送信される。この場合、項目の変更がない旨の返信であり、クライアント端末2はそれを受信して(S227)、表示部37に「項目の更新がない」旨表示する。
一方、項目の変更があった場合にはS222によりYESと判定され、S230により、どちらの更新を採用するかをユーザに選択させ、選択した方を更新項目として設定する制御を行う。このユーザに選択させる具体的方法としては、管理サーバ4からクライアント端末2へ選択画面を送信し、表示部37に表示された選択画面を見たユーザがいずれかを選択操作し、その選択結果信号を管理サーバ4へ返信する。次に制御がS224へ進み、更新項目はクライアント端末側か否か判定する。クライアント端末側の場合には、管理サーバ側項目をクライアント端末側項目の更新データに書き換える処理が行われる。
一方、更新項目が管理サーバ側であった場合にはS231により、クライアント端末側項目を管理サーバ側項目の更新データに書き換える処理が行われる。次に制御が226へ進み、クライアント側に同期結果が送信される。クライアント端末2はそれを受信し(S227)、S229により、クライアント端末2のローカルにあるプライベート管理用データを更新する処理が行われる。
次に、以上説明した実施形態の特徴点および変形例を列挙する。
(1) 上記実施形態では、計画・仕事・予定を一元管理、連携させることによって、プロジェクトの管理者は非管理者の行動予定を含めたより詳細な進捗状況を把握することが可能となる。
(2) 従来、分離独立していた、タスクリスト(仕事リスト)とカレンダ(予定表)が仕事の実行猶予期間と実行予定日時(実行拘束期間)として連携、連動させることが可能となる。
(3) 他律予定は、参照情報であり自身の行動を制限しないため、その属する仕事内でメモのように独立して存在しているため、その属する仕事の猶予期間の制限を受けない(図8参照)。つまり、通常の予定と異なり上位の仕事や計画の猶予期間を超えて生成できる。
(4) また、その属する仕事の猶予期間の範囲内で、その他律予定から、それへの参加を表明する予定を属する仕事に生成させることで、他律イベント(他律予定)のタイムテーブルとそのイベントへの参加予定とを連携させることが可能となる。例えば、○月×日に開催される商品企画説明会のイベントに太郎が出席する予定を立てていたとする。その商品企画説明会では、10時から12時まで企画のプレゼンテーションが行われ、13時から14時まで具体的商品の説明が行われるというタイムテーブルの形でデータが記憶されている。
そのタイムテーブルを参照事項として閲覧した次郎が、例えば10時から12時までの企画のプレゼンテーションのみを他律参加予定として自身の予定とすることができる。つまり、タイムテーブルからなる他律予定をメモとして参照し、その中から自身が興味のある事項のみをピックアップして自身の予定に取込むことができる。このように、他律イベント(他律予定)のタイムテーブルとそのイベントへの参加予定とを連携させることが可能となる。但し、連携できる範囲は、その属する仕事の猶予期間内に制約される(S51)。
即ち、既に他律予定として登録されたイベントがあれば、それを指定して属する仕事に予定を生成させれば、スケジュール管理的には、他律予定をテンプレートとして予定を生成させることができ、プロジェクト管理的には、イベントへの参加表明とすることが可能となる。なお、他律予定をテンプレートとして予定を生成させることは、一般的なイベントに限定されることではなく、例えば、学校の時間割や列車の時刻表等、あらゆるイベントに対応できる。
(6) プロジェクト内(計画内)での共有の仕事(例えば図1の課題収集19)から共有の他律予定(例えば図1の課題会議の第3会議予定20)を生成し、その共有の他律予定から個別の予定を生成させることで、その日時や参加表明まで管理可能となる。共有の仕事とは、例えば会議などである。
また、サーバーアプリケーション内で公開された他者の予定を自身の端末に表示する場合や、ローカルのスタンドアローン・アプリケーションにデータを取り込む際に、公開された他者の予定を他律予定に変換したものを取り込んで他者の行動タイムテーブルとして表示することで、他者の行動予定を元にした予定の生成や共有の仕事を提案することができるため、従来のように管理者だけにとどまらず、同じプロジェクト(計画)を共有するメンバー全員とのスケジュール調整、コミュニケーションツールとして活用することが可能となる。また、他者と行動を共にすることが明白な場合等は、その他者の予定を自身の予定として変換すると好都合である。
また、あらゆるイベントに関連するタイムテーブルを参照情報として保持できるため、自身の行動予定とは別に、それと密接に関連するイベントのタイムテーブルを同時に参照できる。イベントのタイムテーブルとは、例えば、イベントの開始時刻、終了時刻とその詳細や列車の発車時刻、到着時刻とその詳細などである。
(7) 或る仕事が、複数の別の計画に関連していることなどは、現実では頻繁に存在する。また、複数の計画に属せるようにすることでコンテキスト(状況)別のスケジュール管理にも対応できる。
例えば、主たる計画で管理しつつ実際の行動(実行)時には複数の計画に共通する状況(同じ機器を使用したり、実行場所などが同じであったり)を一つの計画として仕事のリンクをまとめることで予定の実行時間を効率よく割り振る事が可能となる。
(8) 計画や仕事のリンクを生成する場合、そのリンク生成先の計画の猶予期間が実体の猶予期間を含むことができ、その生成先の計画が実体の属する計画より下層に存在しない場合にのみリンクの生成を許可する。猶予期間が同じ場合には内包できるものと見なす。実体の属する計画より下層というのは、リンクは実体と同じ計画内にも生成できないということである。
一般的なファイルやフォルダのリンクと異なるのは、計画、仕事共に猶予期間を保持しており、かつその影響が計画の場合、その子計画や内包する仕事が猶予期間の範囲内でしか生成できないという制約としてある。また、リンク元の実体となる計画より下層には、猶予期間が範囲内であっても、循環参照が上下関係を崩し矛盾を発生させるため生成できない。
(9) スケジューリングを行う際に先ず時間軸に沿って目標設定を行ってマイルストーンを生成するのが一般的である。そのマイルストーンの生成を支援するソフトを提供してマイルストーンデータを生成し、そのデータをテンプレートとして利用してスケジューリングを行うようにしてもよい。そのようにすれば、スケジューリングが容易になる利点がある。
(10) 上記実施形態では、自身の管理用データについてはデータベース5ばかりでなく自身のクライアント端末2にも記憶させているため、自身の管理用データのみを閲覧する際には管理サーバ4にアクセスすることなくクライアント端末2単独で閲覧可能となる。しかし、自身の管理用データを自身のクライアント端末2に記憶させることなくデータベース5にみに記憶させるように構成してもよい。その場合には、S1に示したサーバデータ表示処理は、表示対象の管理用データを管理サーバ4からクライアント端末2に送信してもらって表示することになる。
(11) 上記実施形態では、管理サーバ4が設けられているが、スタンドアローンのユーザ端末(例えばパーソナルコンピュータやスマートフォン等)のみで構成してもよい。その場合に、ユーザ端末に記憶されている自身の管理用データを他者と共有したい場合には、P2P(peer-to-peer)等によりユーザ端末間で共有したい管理用データを送受信して管理用データの共有を行う。
(12) 各種仕事のリストをその猶予期間の終わりが迫っている順に表示するように制御してもよい。それに加えて、データベース5に記憶されている各種計画のリストがその猶予期間の終わりが迫っている順に表示するように制御してもよい。
(13) 上記実施形態では、カレンダ表示において予定が表示されるが(図26、図28〜図30(b)参照)、その表示された予定をクリックすることにより、当該予定が属している仕事、当該仕事が属している計画のすべてが表示されるように制御してもよい。例えば、図14のように猶予期間と共にツリー表示されるように制御する。
(14) 予定の拘束期間として、その開始日時と終了日時とを入力しているが(例えば、図21(a)参照)、開始日時のみを入力するようにしてもよい。また、仕事および計画の猶予期間として、その開始日時と終了日時とを入力しているが(例えば、図19、図20参照)、開始日時または終了日時のみを入力するようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、ユーザが遂行すべき事項に関連する遂行関連事項として、会社等でのユーザの業務に関するものを入力しているが、それに限定されるものではなく、例えば、ユーザの学習計画やライフプラン等の業務以外の遂行関連事項を入力して管理するようにしてもよい。
(16) 上記実施形態には以下の発明が記載されている。
例えば、会社等の組織内で複数のユーザ(例えば従業員)が計画、仕事、または予定等の業務の管理を行う場合に、或るユーザが他のユーザの業務を参照情報として記録しておきたい場合がある。例えば、営業部に所属するユーザAが顧客を訪問したときに新製品についてのクレームを聞く場合が多く、その一連のクレームを基に課題を収集して課題会議を行う予定が入力されている場合に、新製品開発を担当する開発部のユーザBがその課題収集の仕事と課題会議の予定とに興味を持ち、それらを参照情報として記録しておきたい場合がある。
また、ユーザAは顧客から直接新製品についての課題を聞くことのでき、ユーザBは、顧客から直接聞いた新製品についての課題を次の新製品開発に活かしたい立場にある。よって、課題収集の仕事と課題会議の予定とで両者が協力すればより良い成果が期待できる。そこで、課題収集の仕事および課題会議の予定の関係者で合意が得られれば、それらの業務をユーザAとユーザBとの共通の業務にしたい場合がある。
この発明は、上記のようなニーズに応えるべく以下の発明特定事項を有する。
所定の期間内に達成すべき遂行関連事項(例えば、図1の課題収集19、明細書作成24、課題会議の第3会議予定20、弁理士と打合せ会議の第5会議予定25)を管理可能なコンピュータシステムであって、
複数のユーザの遂行関連事項を記憶する記憶手段(例えば、図4(b)のS35、図5のS50)と、
前記記憶手段に記憶された遂行関連事項であって他のユーザの予定事項を閲覧可能な閲覧手段(例えば、図9のS116、S117、図10のS150〜S155)と、
前記閲覧手段により閲覧した他のユーザの予定事項を参照するためにメモとして記憶する参照記憶手段(例えば、図9のS118〜S123)と、を備えている、コンピュータシステム。
このような構成によれば、他のユーザの遂行関連事項を閲覧して参照したい遂行関連事項があれば、後々参照できるようにメモとして記憶させておくことができ、ユーザの利便性が向上する。
また、前記参照記憶手段により記憶された前記他のユーザの予定事項に参加して当該他のユーザの予定事項に対応した自分の遂行関連事項の予定事項である自予定事項を生成して登録する自予定生成登録手段をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、他のユーザの予定事項に自分も参加して自分の予定にしたい場合には、当該他のユーザの予定事項に対応した自分の遂行関連事項の予定事項である自予定事項を生成して登録することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、前記自予定生成登録手段により生成登録された前記自予定事項の変更を禁止する変更禁止手段をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、自分だけでなく他のユーザも参加している共通の予定事項を自分だけの意志で勝手に変更する不都合が防止できる。
(17) 上記実施形態にはさらに以下の発明が記載されている。
ユーザ(例えば従業員)が計画、仕事、または予定等の遂行関連事項の管理を行う場合に、或る計画に属する仕事を他の計画にも属させたい場合がある。例えば、実験計画に属する仕事として実験結果を写真撮影する仕事が入力されて管理されている場合に、新製品の課題を解決する計画として、新製品についての不具合の様子を写真撮影したい場合がある。そのような場合には、実験計画に属する仕事として既に入力されている「写真撮影」を、「課題解決計画」に属する仕事としても管理したいという要望が生じる。
また、計画には、上位の計画とそれに属する下位の計画とがある。例えば、「応用研究計画」という上位の計画に対し、それを達成するための具体的な下位の計画として「課題解決計画」および「特許取得計画」等が考えられる。このような或る上位の計画に対し下位の計画が属している階層状の計画を管理する際に、或る計画に属している計画を他の計画にも属させたい場合がある。例えば、「基礎研究計画」に属する「人選計画」を「応用研究計画」に属する計画として管理したい場合等である。
つまり、上位計画、それに属する下位計画、それに属する仕事、というような階層状の遂行関連事項を管理する場合において、或る上位遂行関連事項に属している下位遂行関連事項を他の遂行関連事項にも属させて管理したいというニーズがある。
この発明は、上記のようなニーズに応えるべく以下の発明特定事項を有する。
所定の期間内に達成すべき遂行関連事項であって上位の遂行関連事項に対し一または二以上の下位の遂行関連事項が属している階層状の遂行関連事項(例えば、図1の計画と仕事と予定)を管理可能なコンピュータシステムであって、
上位の第1遂行関連事項(図1の実験計画9)と当該第1遂行関連事項に属する下位の第2遂行関連事項(図1の写真撮影)とを入力可能な入力手段(例えば、入力操作部38、図4(a)の計画入力処理、図4(b)の仕事入力処理)と、
前記入力手段により入力された前記第1遂行関連事項と前記第2遂行関連事項とを関連付けて記憶する記憶手段(例えば、図4(a)のS25、図4(b)のS35)とを備え、
前記入力手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第2遂行関連事項のリンク(例えば、図1の写真撮影(リンク)21)を前記第1遂行関連事項とは別の第3遂行関連事項(例えば、図1の課題解決計画11)に属するものとして入力可能であり(例えば、図6のS80)、
前記記憶手段は、前記入力手段により入力された前記第2遂行関連事項のリンクを前記第3遂行関連事項に属するものとして記憶する(例えば、図6のリンク生成処理)、コンピュータシステム。
このような構成によれば、特定の遂行関連事項を複数の遂行関連事項に同時に属させて管理することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、前記入力手段により入力された前記第2遂行関連事項のリンクの階層が前記第2遂行関連事項の階層よりも下層である場合に、前記記憶手段により前記第2遂行関連事項のリンクを記憶することなく異常処理を行う異常処理手段(例えば、図6のS85、S82)をさらに備えてもよい。
このような構成によれば、或る遂行関連事項の下層に当該遂行関連事項と同じ遂行関連事項のリンクが存在するという矛盾が生じる不都合を防止できる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
また、前記他のユーザの予定事項は、複数の内容毎に時間が割振られたタイムテーブル(例えば、商品企画説明会等のイベント、学校の時間割、列車の時刻表)のデータを含み、
前記自予定生成入力手段は、前記タイムテーブルのデータをユーザが参照して前記複数の内容のうちから参加したい内容を選択して前記自予定事項として入力することが可能にしてもよい。
次に、予定とは、直属の仕事において行われるアポイントメント等の拘束期間が定められた遂行関連事項である。この拘束期間は直属の仕事の猶予期間の範囲内に定められている。図1に示す管理用データの場合には、関連論文収集15の仕事の予定として論文調査員と打合せ会議の第2会議予定18があり、特許調査22の仕事に属する予定として特許調査員と打合せ会議の第4会議予定23があり、明細書作成24の仕事に属する予定として弁理士と打合せ会議の第5会議予定25がある。なお、図1中、グラフ作成ソフト会議に関する第1会議予定事項は、ユーザがグラフ作成14に関連して他ユーザの予定を参照するためにメモして記憶した他律予定であり、課題会議に関する第3会議予定事項は、ユーザが課題収集19に関連して他ユーザの予定を参照するためにメモして記憶した他律予定である。この他律予定について以下に説明する。
さらに、開始入力設定領域48には現在時刻の分部分が切り捨てられた時間部分だけが初期値として設定されており、終了入力設定領域49には、開始入力設定領域48に1時間経過した時刻が初期値として設定されている。ユーザは必要に応じてこれら時刻を適切な値に変更する。これら時刻をユーザが編集する場合には、自動生成された仕事の猶予期間の範囲内に限り編集可能となる。「作業期間」の開始入力設定領域50および終了入力設定領域51には実際に作業開始した時刻と作業終了した時刻を設定する。
次に、S9に示した予定入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図5に基づいて説明する。この予定入力処理は、後述する図21(a)〜図22(a)に示す編集表示画面に従ってユーザが自身の予定を入力する処理である。先ず、S40により予定の入力操作があったか否か判定され、ない場合にはリターンする。ユーザがクライアント端末2の入力操作部38を操作して、例えば図16に示すツリー表示から予定新規編集、予定新規編集(仕事自動生成)、予定既存編集または他律予定既存編集が実行されている場合にはS40によりYESと判定されて制御がS41へ進み、直属の仕事が存在するか否か判定される。上記のうち予定新規編集(仕事自動生成)以外が実行された場合はS41によりYESと判定されて制御がS42へ進み、その直属の仕事に同属する他の同種の予定と拘束期間の重複がないか判定される。拘束期間の重複がある場合には制御がS43へ進みクライアント端末2の表示部37によりエラー表示がなされた後に制御がS40へ移行する。このエラー表示は、各予定の拘束期間が重複した場合には重複する予定の一方を担当者が実行することができない不都合が生ずるために、その不都合を生じないようにするための制御である。このエラー表示は、例えば「入力された予定の拘束期間が他の予定の拘束期間と重複しているために、再入力してください」等のメッセージ表示を伴う。重複がない場合は制御がS46へ進む。