JP2018105761A - 多波長蛍光分析装置 - Google Patents
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Description
実験室では、試料液を入れたセルの一側面に予め分光した励起光を入射させ、入射方向に対して90゜の方向に発せられる光を分光して蛍光を検出する側面測光方式が一般的である。
特許文献1では、蛍光の検出経路に対してθの角度を持った斜め方向から励起光を照射する方式が採用されている。特許文献1では、励起光がカートリッジ表面で全反射してしまわない範囲でθを充分に大きくすることが、カートリッジに照射される励起光の面積を充分に大きくできる点で好ましいとされている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、試料液の蛍光を現場で連続して取得可能であると共に、複数の測定対象成分に応じた蛍光波長を簡便に選択して測定することが可能な多波長蛍光分析装置を提供することを課題とする。
[1] 上端が開口部とされ、前記開口部に試料液のオーバーフロー面が形成されるように下方から流入した試料液がオーバーフローするオーバーフロー筒と、
励起光を発する励起光源と、
前記励起光を前記励起光源から前記オーバーフロー面に導く励起光照射光学系と、
前記励起光によって前記試料液から発せられる蛍光を検出する蛍光検出器と、
前記蛍光を前記オーバーフロー面から前記蛍光検出器に導く蛍光検出光学系とを備え、
前記蛍光検出光学系は、分光手段を有し、
前記励起光照射光学系は、鉛直方向に対して45±15゜の角度で、前記オーバーフロー面に前記励起光を入射させ、かつ前記オーバーフロー面における前記励起光のスポット径が、50mm以下となるように構成され、
前記励起光照射光学系は、前記励起光が照射されたオーバーフロー面から鉛直方向上方に発せられる蛍光が入射可能となるように配置されていることを特徴とする多波長蛍光分析装置。
[2] さらに、前記励起光照射光学系は、分光手段を有する[1]に記載の多波長蛍光分析装置。
[3] 前記励起光照射光学系が1以上の照射光学ユニットを含み、前記照射光学ユニットは、2以上の光学部材が取付ベースに固定されてなる[1]または[2]に記載の多波長蛍光分析装置。
[4] 前記蛍光検出光学系が1以上の検出光学ユニットを含み、前記検出光学ユニットは、2以上の光学部材が取付ベースに固定されてなる[1]〜[3]の何れか一項に記載の多波長蛍光分析装置。
試料液Sは、試料液槽5の試料液入口5aから流入し、試料液槽5の内壁とオーバーフロー筒6の外周との間を下降するようになっている。また、オーバーフロー筒6の下端まで下降した試料液Sは、オーバーフロー筒6の下側開口部6aからオーバーフロー筒6の内側に流入し、オーバーフロー筒6の上端側の略水平の上側開口部6bからオーバーフローし、オーバーフロー面7を形成するようになっている。そして、オーバーフローした試料液Sは、試料液出口5bに導かれて排出されるようになっている。
多波長蛍光分析装置1の動作中、試料液Sの流入流出は、原則として常に継続し、常時新しい試料液Sによるオーバーフロー面7が形成されるようになっている。
また、多波長蛍光分析装置1は演算制御装置90を備え、演算制御装置90により、装置全体の動作が制御されると共に、検出器ユニット80で検出された信号等に基づき、必要な演算等を行うようになっている。
光路ユニット20は、取付ベース21と、この取付ベース21に固定されたマスク22、レンズ23、ミラー24、レンズ25、およびマスク26で構成されている。光路ユニット20は、光源ユニット10からの光束をマスク22、26やレンズ23、25で整えつつ、ミラー24で方向を変えて、光源側分光ユニット30に導くように構成されている。
回折格子33は、図示を省略するモーターにより回転可能とされており、光路ユニット20からスリット32を通過して入射した光の内、特定の波長の光がスリット34を通過して励起光ユニット40に入射するように回転位置を選択できるようになっている。
また、光源側分光ユニット30から入射した光の一部は、ミラー45で反射されて、マスク52、およびレンズ53を経由してリファレンス光Rとしてリファレンス光検出器51に至り、リファレンス光Rが検出される。リファレンス光Rの検出結果は、演算制御装置90に送られ、励起光Eの光量の変動を補償できるようになっている。
回折格子73は、図示を省略するモーターにより回転可能とされており、受光ユニット60からスリット72を通過して入射した光の内、特定の波長の光がスリット74を通過して検出器ユニット80に入射するように回転位置を選択できるようになっている。
検出器82は、感度が可変とされており、蛍光Fの光量に応じて適切な感度が選択できるようになっている。例えば、検出器82が光電子増倍管の場合、印加電圧の調整により感度を調整できるようになっている。
一方、スポット径をある程度大きくすることは、蛍光Fの光量を確保しやすい点で有利である。但し、蛍光Fの光量は、光源ユニット10の光量を増すことによっても大きくすることが可能なため、スポット径の下限値に特に限定はない。
スポット径は、50mm以下であり、5〜40mmであることが好ましく、5〜20mmであることがより好ましく、5〜10mmであることがさらに好ましい。
また、スポット径を制限したことにより、試料液と接するセル等の部材を使用しないオーバーフロー方式であっても、安定して蛍光を測定することができる。
そのため、装置の組み立てが容易であり、部品交換等の保守作業や光路調整も容易である。また、仕切り板2から上を試料ケース4から取り外し、光学部材(励起光源、励起光照射光学系、蛍光検出光学系及び蛍光検出器)を検出部ケース3と仕切り板2の中に収納したまま別の現場に持ち出し、可搬型としてパソコンや専用コントローラ等と組み合わせて使用することも可能である。
また、励起光の波長を固定とする場合、光源ユニット10として、所望の波長の光を発するレーザ光源やLEDなどの単色光源を使用してもよい。
励起光の波長が固定であっても、蛍光の測定波長が可変であれば、測定対象成分に応じた蛍光波長を選択し、一台の装置で、複数成分の測定を精度良く行うことが可能である。例えば、励起光の波長を250nmとし、波長300nmの蛍光によりフェノールを測定し、波長360nmの蛍光によりクロロフィルを測定することができる。
5…試料液槽、6…オーバーフロー筒、7…オーバーフロー面、
10…光源ユニット、20…光路ユニット、30…光源側分光ユニット、
33…回折格子、40…励起光ユニット、60…受光ユニット、
70…検出側分光ユニット、73…回折格子、80…検出器ユニット、
90…演算制御装置、S…試料液、E…励起光、F…蛍光、R…リファレンス光
Claims (4)
- 上端が開口部とされ、前記開口部に試料液のオーバーフロー面が形成されるように下方から流入した試料液がオーバーフローするオーバーフロー筒と、
励起光を発する励起光源と、
前記励起光を前記励起光源から前記オーバーフロー面に導く励起光照射光学系と、
前記励起光によって前記試料液から発せられる蛍光を検出する蛍光検出器と、
前記蛍光を前記オーバーフロー面から前記蛍光検出器に導く蛍光検出光学系とを備え、
前記蛍光検出光学系は、分光手段を有し、
前記励起光照射光学系は、鉛直方向に対して45±15゜の角度で、前記オーバーフロー面に前記励起光を入射させ、かつ前記オーバーフロー面における前記励起光のスポット径が、50mm以下となるように構成され、
前記励起光照射光学系は、前記励起光が照射されたオーバーフロー面から鉛直方向上方に発せられる蛍光が入射可能となるように配置されていることを特徴とする多波長蛍光分析装置。 - さらに、前記励起光照射光学系は、分光手段を有する請求項1に記載の多波長蛍光分析装置。
- 前記励起光照射光学系が1以上の照射光学ユニットを含み、前記照射光学ユニットは、2以上の光学部材が取付ベースに固定されてなる請求項1または2に記載の多波長蛍光分析装置。
- 前記蛍光検出光学系が1以上の検出光学ユニットを含み、前記検出光学ユニットは、2以上の光学部材が取付ベースに固定されてなる請求項1〜3の何れか一項に記載の多波長蛍光分析装置。
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JP2016253422A JP2018105761A (ja) | 2016-12-27 | 2016-12-27 | 多波長蛍光分析装置 |
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- 2016-12-27 JP JP2016253422A patent/JP2018105761A/ja active Pending
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