JP2018105601A - 発核装置、蓄熱装置および蓄熱材の発核方法 - Google Patents

発核装置、蓄熱装置および蓄熱材の発核方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素な構成によって蓄熱材の発核の確実性を高める。
【解決手段】本明細書によって開示される発核装置は、蓄熱材11を液体状態から固体状態に相変化させる発核装置20であって、円環状をなす複数の環状部42を互いに密接した状態に捲回して形成され、環状部42が互いに密接した状態から互いに離れるように弾性変位するばね本体41を有するトリガユニット40を備え、トリガユニット40は、蓄熱材11内において弾性変位する過程において蓄熱材11を液体状態から固体状態に相変化させる構成とした。
【選択図】図1

Description

本明細書によって開示される技術は、発核装置、蓄熱装置および蓄熱材の発核方法に関する。
例えば、蓄熱材が液体から固体に相変化する際に放出する凝固熱を熱源として利用する蓄熱装置として、特開昭60−251189号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。この蓄熱装置は、液体状態から固定状態への相変化する際に熱を放出する蓄熱材と、蓄熱材の相変化を促す発核のトリガとなる金属製のストリップと、蓄熱材とストリップとを収容する容器とを備えている。蓄熱材を熱源として利用する際には、容器を外側から指で挟んでストリップをスナップ変位させることで蓄熱材に衝撃を加える。すると、蓄熱材が発核し、蓄熱材が液体から固体に相変化することで蓄熱材の凝固熱が放出される。
また、他の蓄熱装置として、特開昭63−105219号公報(下記特許文献2)に記載のものが知られている。この蓄熱装置は、蓄熱材を加熱容器に収容する一方、活性体を断熱容器に収容しており、加熱容器と断熱容器との間に設けられた開閉弁を開閉制御することにより、蓄熱剤と活性体とを接触させて発核させ、蓄熱材を液体から固体に相変化させることで蓄熱材の凝固熱を放出させる。
特開昭60−251189号公報 特開昭63−105219号公報
ところで、特許文献1に記載の蓄熱装置は、繰り返しの使用による発核の確実性が低い。また、特許文献2の蓄熱装置は、蓄熱材と活性体とを異なる容器に収容すると共に、開閉弁を制御する必要があるため、蓄熱装置が複雑であると共に、大型化してしまう。
本明細書では、簡素な構成によって蓄熱材の発核の確実性を高める技術を開示する。
本明細書に開示される発核装置は、蓄熱材を液体状態から固体状態に相変化させる発核装置であって、環状をなす複数の環状部を互いに略密接した状態に捲回して形成され、隣り合う前記環状部が互いに略密接した状態から互いに離れるように弾性変位する弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記蓄熱材内において弾性変位する過程において前記蓄熱材を相変化させる。
ここで、「略密接した状態」とは、隣り合う環状部が一定の密接した状態を維持しているものの、ミクロ的な視点では、隣り合う環状部間に発核の核となる物質が介在することを許容した状態をいう。
また、本明細書に開示される蓄熱装置は、液体状態から固体状態に相変化する蓄熱材と、前記発核装置と、前記蓄熱材と前記発核装置とを収容する容器とを備える。
また、本明細書に開示される蓄熱材の発核方法は、環状をなす複数の環状部を互いに略密接させた状態から互いに離された状態に弾性変位可能な弾性部材を蓄熱材内に配置し、前記弾性部材を弾性変位させて前記蓄熱材を発核させる。
本発明者らは、略密接状態下にある発核の核となる物質が蓄熱材に接触することにより、発核が生じるという着想のもと、様々な部材において発核が生じるか試験を試みた。
そして、発明者らは、複数の環状部が互いに略密接した弾性部材を弾性変位させることで、略密接状態下にある発核の核となる物質が蓄熱材に接触し、蓄熱材が液体状態から固体状態に相変化するということを突き止めた。このような発核装置によって蓄熱剤を自在に相変化させることができれば、簡素な構成によって蓄熱材の発核の確実性を高めることができ、蓄熱材の凝固熱を確実に放出させることができる。
本明細書により開示される発核装置および蓄熱装置の一実施態様として、前記弾性部材は、前記複数の環状部を螺旋状に連続させたばね本体を有する引っ張りコイルばねとして構成してもよい。
このような構成によると、引っ張りコイルばねを弾性部材として用いることで、蓄熱材を発核させることができる。つまり、弾性部材を新しく起工せずに発核装置を構成することができる。
本明細書により開示される発核装置および蓄熱装置の一実施態様として、前記引っ張りコイルばねは、ばね定数が0.8以上に構成してもよい。
このような構成よると、環状部間における密接状態の圧力を高めることができ、略密接状態下に核となる物質を留めやすくすることができる。これにより、例えば、ばね定数が0.8未満となって環状部間における密接状態の圧力が小さくなるものに比べて、発核の確実性を高めることができる。
本明細書により開示される蓄熱装置の一実施態様として、前記弾性部材は、前記複数の環状部を螺旋状に連続させたばね本体と、前記ばね本体の両端部にフック状に設けられた一対の把持部とを有しており、前記一対のフック部の一方の把持部を移動しないように固定する固定部と、前記一対のフック部の他方の把持部を保持した状態で初期位置と完了位置との間を移動可能に設けられ、前記初期位置から前記完了位置に移動する過程で前記弾性部材を弾性変位しない状態から弾性変位した状態に変位させる可動部と、前記可動部を押圧して前記初期位置から前記完了位置に移動させる駆動部とを備える構成としてもよい。
このような構成によると、離れた場所から駆動部を駆動させることで、弾性部材におけるばね本体を弾性変位させ、環状部間の略密接状態を変化させて蓄熱材を発核させることができる。これにより、離れた場所であっても、蓄熱材の発核の確実性を高めることができ、蓄熱材の凝固熱を確実に放出させることができる。
本明細書によって開示される技術によれば、簡素な構成によって蓄熱材の発核の確実性を高めることができる。
実施形態1に係る蓄熱装置の一部切欠断面図 図1の要部拡大図 可動支持部が初期位置から完了位置に変位した状態を示す蓄熱装置の一部切欠断面図 図2の要部拡大図 蓋部に固定された発核装置の斜視図 蓋部に固定された発核装置の側面図 蓋部に固定された発核装置の底面図 実施形態2に係る蓄熱装置 蓄熱装置の断面図 トリガユニットを弾性変位させた状態を示す断面図であって、図9の断面に相当する蓄熱装置の断面図
<実施形態>
本明細書に開示された技術における一実施形態について図1から図7を参照して説明する。
本実施形態は、蓄熱材11が液体から固体に相変化する際に放出する凝固熱を熱源として利用する蓄熱装置10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは、図1および図5における上下方向基準として説明する。
蓄熱装置10は、図1および図3に示すように、蓄熱材11と、蓄熱材11を収容する収容容器12と、蓄熱材11内に配した状態で収容容器12に固定される発核装置20とを備えて構成されている。
蓄熱材11は、過冷却状態が安定した酢酸ナトリウム三水和物からなり、過冷却状態から相変化(液体状態から固体状態)する際に、発熱を伴う。なお、蓄熱材11は、過冷却状態から相変化するものであれば公知のどのような蓄熱材11を用いてもよい。
収容容器12は、耐熱性を有する合成樹脂からなり、図1および図3に示すように、上方に開口する容器本体13と、容器本体13の上端開口を塞ぐ蓋部14とを備えて構成されている。
容器本体13内には、蓄熱材11と、発核装置20の下端部とが収容されており、発核装置20の下端部は、蓄熱材11内に配された状態で容器本体13内に収容されている。
蓋部14は、容器本体13の上端開口を塞ぐようにして容器本体13に固定されている。蓋部14には、発核装置20を取り付ける図示しない取付孔が上下方向に貫通して形成されており、この取付孔に発核装置20を取り付けた状態で蓋部14が容器本体13に固定されることで、蓄熱材11が収容容器12内に封入されている。
発核装置20は、図1、図3、図5から図7に示すように、収容容器12の蓋部14に固定される固定板21と、収容容器12の容器本体13内に配されるトリガユニット(「弾性部材」の一例)40と、トリガユニット40を支持する一対の支持部22と、一対の支持部22のうちの一方の支持部22が下端部に取り付けられた駆動部24とを備えて構成されている。
固定板21は、金属製であって、略矩形の平板状をなしている。固定板21は、図1および図5に示すように、蓋部14の取付孔を上方から塞ぐようにして蓋部14の上面に配されており、蓋部14と固定板21とが複数の締結部材16によって共締めされて固定されている。
駆動部24は、上下方向に可動可能なプランジャ26を上下方向に可動させる直動式のソレノイドである。駆動部24は、固定板21および蓋部14の取付孔に対してプランジャ26を上下方向に貫通させるようにして固定板21上に固定されている。
駆動部24のプランジャ26の上端部には、図1、図3および図5に示すように、プランジャ26を上方に付勢するばね部材27が設けられており、プランジャ26は、駆動部24が通電されていない状態では、図1に示すように、プランジャ26がばね部材27によって上方に付勢された初期位置に保持されている。駆動部24は、図5に示すように、リード線28を通じて通電されるようになっており、駆動部24のスイッチがオン状態にされて通電されると、図3に示すように、完了位置まで下方に移動し、スイッチがオフ状態にされて駆動部24への通電が停止されると、ばね部材27によってプランジャ26が初期位置に復帰するようになっている。
一対の支持部22は、図1および図5に示すように、上下方向に長いボルト状に形成されている。一対の支持部22のうちの一方の支持部22は、駆動部24のプランジャ26の下端部から下方に延びるようにして固定されており、他方の支持部22は、蓋部14の下面14Aから下方に突出するようにして蓋部14にねじ固定されている。
つまり、一対の支持部22のうちの一方の支持部22は、プランジャ26が上下に移動するに伴って上下方向に移動する可動支持部(「可動部」の一例)22Aとされ、一対の支持部22のうちの他方の支持部22は、蓋部14に移動しないように固定された固定支持部(「固定部」の一例)22Bとされている。
各支持部22の下端部には、図1および図5に示すように、トリガユニット40を固定する固定ボルトBが下方から締込可能とされている。固定ボルトBは、軸部B1の一端に軸部B1の外径よりも大きい外径の頭部B2が設けられた公知のボルトであって、固定ボルトBの軸部B1を支持部22の下端部に締め込むことで支持部22の下端部に固定ボルトBが固定されるようになっている。
さて、トリガユニット40は、図1、図3および図5から図7に示すように、円環状をなす複数の環状部42が螺旋状に連なるコイル状のばね本体41と、ばね本体41の両端部に設けられた一対の把持部43とを備えた引っ張りコイルばねである。また、ここで使用する引っ張りコイルばねは、ばね材料の横弾性係数をG[N/mm2]、ばねの線径をd[mm]、ばねの有効巻数をNa、ばねの平均コイル径をD[mm]とした場合、以下の(1)式で示す、ばね定数k[N/mm]が0.8以上であり、好ましくは1.3以上である。
Figure 2018105601
一対の把持部43は、ばね本体41の両端部から互いに反対方向に突出するように円形のフック状に形成されており、各把持部43には、固定ボルトBの軸部B1が挿通可能とされている。そして、図1および図5に示すように、固定ボルトBの軸部B1を把持部43に挿通して支持部22に締め込むことで各把持部43がそれぞれの支持部22の下端部に保持され、一対の支持部22の下端部の間にトリガユニット40が略水平に保持されている。
なお、固定支持部22Bに固定される把持部(「一方の把持部」に相当する)43は、図1および図3に示すように、固定ボルトBによって位置ずれしないように強固に固定されており、可動支持部22Aに固定される把持部(「他方の把持部」に相当する)43は、可動支持部22Aと固定ボルトBの頭部B2との間に把持部43の厚みよりも大きな隙間を設けることで固定ボルトBの軸部B1に沿うように上下方向に移動可能に保持されている。したがって、可動支持部22Aが下方に移動する際に、一対の支持部22の間でトリガユニット40が引っ掛かるなどして可動支持部22Aの移動の妨げにならないようになっている。
ばね本体41は、複数の環状部42が互いに密接するように捲回して形成されており、図1に示すように、ばね本体41の長さ寸法(複数の環状部42が並ぶ方向の長さ寸法)は、一対の支持部22間の距離とほぼ同じ長さとされている。
なお、ここでいう、密接とは、「略密接」に相当し、隣り合う環状部42が一定の密接した状態を維持しているものの、ミクロ的な視点では、隣り合う環状部42間に蓄熱材11を発核させるための核となる物質が介在することを許容した状態をいう。
ばね本体41は、図3に示すように、一対の把持部43を互いに反対方向や斜め方向に引っ張るなどして環状部42を弾性変位させることで、図4に示すように、隣り合う環状部42が離れて隙間Sが生じるようになっている。
したがって、駆動部24のプランジャ26が初期位置の状態では、可動支持部22Aに固定される把持部43には応力が作用しておらず、ばね本体41は、弾性変位していない状態となっている。そして、駆動部24のプランジャ26が初期位置から下方に移動して完了位置に至る過程で、可動支持部22Aに固定される把持部43に対して斜め下方向に向けて応力が作用することで、ばね本体41が弾性変位し、隣り合う環状部42が離れて隙間Sが生じるようになっている。
本実施形態は、以上のような構成であって、続いて、蓄熱装置10における発核装置20の作用および効果について説明する。
図1に示すように、収容容器12内に液体状態の蓄熱材11を収容し、蓄熱材11に発核装置20のトリガユニット40を浸漬させる。そして、蓄熱材11を凝固点以下に冷却し、蓄熱材11を過冷却状態にする。
蓄熱装置10を発熱させる際には、駆動部24のスイッチをオフからオン状態に切り替えてプランジャ26を初期位置から完了位置まで移動させ、可動支持部22Aを下方に向けて移動させる過程で、可動支持部22Aの下端部に保持されたトリガユニット40の把持部43に斜め下方への応力が生じる。すると、図3に示すように、トリガユニット40のばね本体41が斜め下方向に延びて弾性変位した状態となる。これにより、図4に示すように、隣り合う環状部42が離れて隙間Sができた状態となり、隣り合う環状部42の密接状態が非密接状態に変化することで、密接状態下にあった蓄熱材11が発核する。そして、蓄熱材11の凝固熱が放出され、蓄熱材11が液体状態から固体状態に相変化することで蓄熱装置10が発熱する。
以上のように、本実施形態によると、離れた場所からスイッチをオフからオン状態に切り替えて、トリガユニット40における隣り合う環状部42の密接状態を非密接状態に変化させるだけで、蓄熱材11を発核させることができる。つまり、簡素な構成によって離れた場所に設置された蓄熱材11の発核の確実性を高めることができる。
発核により固体状態となった蓄熱材11は、融点以上に加熱して液体状態に戻し、再度冷却して蓄熱材11を過冷却状態にすることで、繰り返し蓄熱材11を発核させて蓄熱材11の凝固熱を放出することができる。
なお、蓄熱材11内にトリガユニット40を初めて配置する場合や、トリガユニット40を洗浄する場合など、トリガユニット40において隣り合う環状部42の密接した部分に蓄熱材11が入り込んでいない場合には、例えば、結晶化したナトリウム三水和物の粉末(種結晶)を、トリガユニット40における密接した部分に仕込むことで、ばね本体41における隣り合う環状部42の密接状態下に蓄熱材11を進入させ、蓄熱材11の発核を誘発し易くすることができる。また、酢酸ナトリウム三水和物の粉末は、隣り合う環状部42において密接状態となる全ての部分に仕込む必要はなく、仕込む量や場所は、任意に選択することができる。
また、本実施形態によると、トリガユニット40において密接状態となる部分は、ばね本体41の複数の環状部42が隣り合っている部分全体であって、この部分が螺旋状に連続しているから、例えば、密接状態となる部分が一部にしかないトリガユニットに比べて、ばね本体41が弾性変形した際に、蓄熱材11における発核の確実性をさらに高めることができる。
さらに、本実施形態によると、蓄熱材11内にトリガユニット40を配置して、トリガユニット40を弾性変位させるだけで蓄熱材11を発核させることができるから、従来のように、蓄熱材と活性体とを別々の容器に収容して弁の開閉によって発核させる場合に比べて、蓄熱装置10を簡素化することができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2について図8から図10を参照して説明する。
本実施形態は、蓄熱材11を液体状態から固体状態に相変化させる際に放出する凝固熱を熱源として利用する蓄熱装置110を例示している。
蓄熱装置110は、図8から図10に示すように、蓄熱材11と、蓄熱材11を収容する収容パック(「容器」の一例)112と、蓄熱材11内に配した状態で収容パック112内に収容されるトリガユニット(「弾性部材」の一例)40とを備えて構成されている。なお、本実施形態では、トリガユニット40が発核装置に相当する。
蓄熱材11は、実施形態1における蓄熱材11と同様の構成であって、過冷却状態から相変化(液体状態から固体状態)する際に、発熱を伴う。なお、蓄熱材11は、過冷却状態から相変化するものであれば公知のどのような蓄熱材を用いてもよい。
収容パック112は、可撓性を有する合成樹脂製の外装材からなり、外周部分を熱溶着させたパック型の容器である。収容パック112は、押圧するなど外部応力によって変形可能とされており、収容パック112内に収容されるトリガユニット40に外部応力を容易に伝えることができるようになっている。
トリガユニット40は、実施形態1におけるトリガユニット40と同様の構成であって、トリガユニット40の一対の把持部43は、収容パック112の外側から例えば、指Fによって摘まんで外部応力を加えることでばね本体41を弾性変位させることができるようになっている。
すなわち、本実施形態によると、収容パック112に収容した蓄熱材11を過冷却状態にし、収容パック112の外側からトリガユニット40の一対の把持部43を指Fなどによって摘まんで、ばね本体41を反らせるようにして弾性変形させることで、隣り合う環状部42の密接状態を非密接状態に変化させ、密接状態下にある蓄熱材11を発核させることができる。これにより、蓄熱材11の凝固熱が放出され、蓄熱材11が液体状態から固体状態に相変化することで蓄熱装置110を発熱させることができる。
<実施例>
次に、本実施形態1,2に係る蓄熱装置10,110において、蓄熱材11が液体状態から固体状態に相変化するか確認した。
(発核試験)
本試験は、実施形態2の蓄熱装置110によって実施した。試験では、まず、実施形態2の収容パック112を冷却し、蓄熱材11を過冷却状態にする。
次に、収容パック112の外側からトリガユニット40の一対の把持部43をそれぞれ指Fによって摘まみ、隣り合う環状部42が離れるようにばね本体41を反らせて弾性変位させた。
用いたトリガユニット40は、以下の通りである。
Figure 2018105601
(結果と考察)
各トリガユニット40において、発核試験を3回から8回実施した結果を以下に示す。なお、本試験結果は、実施形態2において実施した結果を示しているが、実施形態1の蓄熱装置10において、上記のトリガユニット40を使用した場合、同様の試験結果を得ることができる。
Figure 2018105601
表2の結果に示すように、トリガユニット40のばね定数k[N/mm]が、0.8以上である実施例1から実施例13では、発核の成功率が62%以上となっており、トリガユニット40のばね定数k[N/mm]が1.3以上である実施例1から実施例8、実施例11および実施例12では、発核の成功率が100%となっている。
一方、ばね定数がk[N/mm]が、0.2から0.65未満の比較例1から比較例4では、発核の成功率は0%となっている。
つまり、トリガユニット40において、ばね定数k[N/mm]が0.8以上、好ましくは1.3以上と高くなるほど、密接状態下の圧力が高まって、隣り合う環状部42の密接状態下に核となる物質が留まり易くなる。そして、環状部42の密接状態となった部分に核となる物質が進入した状態で隣り合う環状部42の密接状態が非密接状態に変化すると、密接状態下における核となる物質(例えば、種結晶)が液体状態の蓄熱材11に接触することによって蓄熱材11が発核すると考えられる。
また、引っ張りコイルばねは、ばね材料の横弾性係数をG[N/mm2]、ばねの線径をd[mm]、ばねの平均コイル径をD[mm]とした場合、初張力Pi[N]を以下の(2)式で求めることができ、発核の成功率が62%以上の実施例3から実施例13は、初張力Pi[N]が3.9以上となっている。一方、発核の成功率が0%の比較例4は、1.65となっている。
Figure 2018105601
したがって、初張力3.9以下の場合、蓄熱材11の発核の成功率が低下すると考えられる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態1では、可動支持部22Aを初期位置から完了位置に向けて下方に変位させる構成とした。しかしながら、これに限らず、可動支持部を水平方向に変位させてばね本体を水平方向に弾性変位させる構成にしてもよい。
(2)上記実施形態1では、トリガユニット40を水平に配置する構成とした。しかしながら、これに限らず、トリガユニットを垂直方向(上下方向)に配置する構成にしてもよい。
(3)上記実施形態1では、駆動部24をソレノイドによって構成した。しかしながら、これに限らず、駆動部をモータやコンプレッサなどによって駆動する構成にしてもよい。
(4)上記実施形態1では、収容容器12を合成樹脂によって構成した。しかしながら、これに限らず、収容容器を、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウムなどの金属で構成してもよい。
(5)上記実施形態2では、トリガユニット40の一対の把持部43を指Fによって摘まんでばね本体41を弾性変位させる構成とした。しかしながら、これに限らず、トリガユニットのばね本体を指によって摘まんで弾性変位させてもよく、外部からアクチュエータなどによってばね本体を押圧してばね本体を弾性変位させる構成にしてもよい。
(6)上記実施形態1,2では、トリガユニット40として、引っ張りコイルばねを用いた構成とした。しかしながら、これに限らず、互いに密接した複数の環状部を有するばね本体と、ばね本体の両端部から環状部の接線方向に直線的に延びる一対のアームとを有するトーションばね(「キックばね」ともいう)をトリガユニットとして用いる構成としてもよい。
10,110:蓄熱装置
11:蓄熱材
20:発核装置
22A:可動支持部(「可動部」の一例)
22B:固定支持部(「固定部」の一例)
24:駆動部
40:トリガユニット(「弾性部材」の一例)
41:ばね本体
42:環状部
43:把持部

Claims (6)

  1. 蓄熱材を液体状態から固体状態に相変化させる発核装置であって、
    環状をなす複数の環状部を互いに略密接した状態に捲回して形成され、隣り合う前記環状部が互いに略密接した状態から互いに離れるように弾性変位する弾性部材を備え、
    前記弾性部材は、前記蓄熱材内において弾性変位する過程において前記蓄熱材を相変化させる発核装置。
  2. 前記弾性部材は、前記複数の環状部を螺旋状に連続させたばね本体を有する引っ張りコイルばねである請求項1に記載の発核装置。
  3. 前記引っ張りコイルばねは、ばね定数が0.8以上である請求項2に記載の発核装置。
  4. 液体状態から固体状態に相変化する蓄熱材と、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発核装置と、
    前記蓄熱材と前記発核装置とを収容する容器とを備えた蓄熱装置。
  5. 前記弾性部材は、前記複数の環状部を螺旋状に連続させたばね本体と、前記ばね本体の両端部にフック状に設けられた一対の把持部とを有しており、
    前記一対の把持部のうちの一方の把持部を移動しないように固定する固定部と、
    前記一対の把持部のうちの他方の把持部を保持した状態で初期位置と完了位置との間を移動可能に設けられ、前記初期位置から前記完了位置に移動する過程で前記弾性部材を弾性変位しない状態から弾性変位した状態に変位させる可動部と、
    前記可動部を押圧して前記初期位置から前記完了位置に移動させる駆動部とを備える請求項4に記載の蓄熱装置。
  6. 環状をなす複数の環状部を互いに略密接させた状態から互いに離された状態に弾性変位可能な弾性部材を蓄熱材内に配置し、前記弾性部材を弾性変位させて前記蓄熱材を発核させる蓄熱材の発核方法。
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