以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については適宜に簡略化または省略する。なお本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の給湯機システムの構成を示す図である。本実施の形態の給湯機システムには、貯湯式給湯機1および外部装置2が含まれる。外部装置2は、例えばHEMSコントローラ等である。貯湯式給湯機1と外部装置2とは、通信可能に接続される。また、外部装置2は、例えば、太陽光発電装置3に接続される。太陽光発電装置3は、貯湯式給湯機1へ電力を供給する電力供給源の一例である。貯湯式給湯機1と太陽光発電装置3とは、例えば、図示しない配線等を介して接続される。
本実施の形態の貯湯式給湯機1は、太陽光発電装置3によって発電された電力を消費して動作することができる装置である。外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量に応じた指示を、貯湯式給湯機1に対して送信する。貯湯式給湯機1は、外部装置2から受信した指示に基づいて動作する。以下、本実施の形態の給湯機システムについてより詳細に説明する。
本実施の形態の給湯機システムに含まれる貯湯式給湯機1は、図1に示すように、タンクユニット100および加熱ユニット200を備える。タンクユニット100は、水を貯めるためのタンク101を備える。加熱ユニット200は、水を加熱して、当該水をタンクユニット100のタンク101へ供給する装置である。
加熱ユニット200は、例えば、内部に圧縮機、給湯用熱交換器、膨張弁および空気熱交換器等を備える。圧縮機、給湯用熱交換器、膨張弁および空気熱交換器は、冷凍サイクルを構成する。一例として、加熱ユニット200は、この冷凍サイクルによって水を加熱する。本実施の形態において、加熱ユニット200は、貯湯式給湯機1に備えられた加熱手段の一例である。
加熱ユニット200は、複数の運転モードで水を加熱することができる。加熱ユニット200は、例えば、通常モードまたは低消費電力モードで水を加熱することができる。通常モードは、第1モードの一例である。低消費電力モードは、第2モードの一例である。 通常モードで加熱ユニット200が水を加熱する能力は、低消費電力モードで加熱ユニット200が水を加熱する能力よりも高い。また、低消費電力モードでの加熱ユニット200の消費電力は、通常モードでの加熱ユニット200の消費電力よりも少ない。本実施の形態の貯湯式給湯機1は、加熱ユニット200の加熱能力および消費電力の調整が可能な装置である。
タンクユニット100のタンク101内には、例えば、上部と下部とで温度差が生じるように水が貯められる。一例として、タンク101内の上部には、高温の水が貯められる。タンク101内の下部には、例えば、当該タンク101内の上部に貯められた水よりも温度が低い低温の水が貯められる。
タンク101には、例えば、低温水入口101a、低温水出口101b、高温水入口101cおよび高温水出口101dが形成される。低温水入口101aおよび低温水出口101bは、図1に示すように、タンク101の下部に形成される。高温水入口101cおよび高温水出口101dは、タンク101の上部に形成される。
低温水入口101aには、第1配管103aの一端が接続される。第1配管103aの他端は、貯湯式給湯機1の外部の水源に接続される。水源は、例えば、水道等である。第1配管103aは、水源からタンク101へ水を供給するための配管である。第1配管103aには、例えば、図示しない減圧弁等が設けられている。第1配管103aには、水源から低温の水が流れる。第1配管103aを流れる水は、低温水入口101aからタンク101内の下部へ供給される。
低温水出口101bには、第2配管103bの一端が接続される。第2配管103bの他端は、加熱ユニット200の入口に接続される。加熱ユニット200の出口には、第3配管103cの一端が接続される。第3配管103cの他端は、高温水入口101cに接続される。
第2配管103bは、タンク101内の下部に貯められた低温の水を加熱ユニット200へ供給するための配管である。また、第3配管103cは、加熱ユニット200によって加熱された高温の水をタンク101内の上部へ供給するための配管である。本実施の形態において、タンクユニット100と加熱ユニット200とは、第2配管103b、第3配管103cおよび図示しない電気配線等によって接続される。
第2配管103bまたは第3配管103cには、例えば、図示しない水を流すための装置が設けられている。この装置は、例えば、ポンプ等である。このポンプ等の装置が駆動すると、タンク101内の下部に貯められた水が、低温水出口101bから第2配管103bへ流れる。第2配管103bを流れる低温の水は、加熱ユニット200へ供給される。
加熱ユニット200へ供給された水は、この加熱ユニット200によって加熱されることによって高温の水になる。この高温の水は、加熱ユニット200から第3配管103cへ流れる。第3配管103cを流れる高温の水は、高温水入口101cからタンク101内へ供給される。このようにして、タンク101内には高温の水が貯められる。
また、タンクユニット100は、一例として、混合弁105を備えている。混合弁105は、2つの流入口と1つの流出口とを有する装置である。タンク101の上部に形成された高温水出口101dには、例えば、第4配管103dの一端が接続される。第4配管103dの他端は、混合弁105の2つの流入口の一方に接続される。
混合弁105の2つの流入口の他方には、第5配管103eの一端が接続される。第5配管103eの他端は、図1に示すように、第1配管103aの途中に接続される。また、混合弁105の流出口には、第6配管103fの一端が接続される。第6配管103fの他端は、例えば、蛇口等の給湯端末を含む給湯先へ接続される。
例えば、使用者によって給湯端末が操作されると、タンク101内の上部に貯められた高温の水が第4配管103dに流れる。第4配管103dを流れる高温の水は、混合弁105へ供給される。また、使用者によって給湯端末が操作されると、第5配管103eには、第1配管103aを介して水源から低温の水が流れる。第5配管103eを流れる低温の水は、混合弁105へ供給される。
混合弁105へ供給された高温の水と低温の水とは、この混合弁105内で混合される。混合弁105内で混合された水、すなわち湯は、第6配管103fを介して給湯先へ供給される。本実施の形態の貯湯式給湯機1は、このようにして湯を使用者へ供給する。
また、本実施の形態の貯湯式給湯機1は、制御装置300を備える。制御装置300は、貯湯式給湯機1の動作を制御するための装置である。制御装置300は、例えば、タンクユニット100に備えられる。なお、制御装置300の配置等は、本実施の形態に限定されるものではない。例えば、制御装置300は、タンクユニット100の外部に設けられてもよい。
制御装置300は、貯湯式給湯機1の外部の外部装置2に対し、通信可能に接続される。また制御装置300は、図示しない配線等によって、加熱ユニット200に接続される。本実施の形態の制御装置300は、外部装置2から受信した指示に応じて、加熱ユニット200を制御する。
制御装置300は、例えば、制御部300a、受信部300bおよび記憶部300cを有する。制御部300aは、加熱手段の一例である加熱ユニット200を制御する機能を有する。制御部300aは、制御手段の一例である。受信部300bは、外部装置2から指示を受信する機能を有する。受信部300bは、受信手段の一例である。記憶部300cは、例えば、予め設定された各種の値等を記憶する。また記憶部300cは、情報を新たに記憶する機能を有する。記憶部300cは、記憶手段の一例である。
本実施の形態において外部装置2は、受信手段の一例である受信部300bに、加熱指示または停止指示を送信する機能を有する。加熱指示は、加熱ユニット200に水を加熱させるための指示である。また、停止指示は、加熱ユニット200に水の加熱を停止させるための指示である。
外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量を監視する。一例として、外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量が第1閾値以上になると、加熱指示を受信部300bへ送信する。また、外部装置2は、例えば、太陽光発電装置3の発電量が第2閾値以下になると、停止指示を受信部300bへ送信する。このように、外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量に応じて、加熱指示または停止指示を送信する。
なお、外部装置2は、例えば、貯湯式給湯機1を含む家庭内に設置された各種の電気機器によって消費されている電力を監視してもよい。外部装置2は、例えば、家庭内における余剰電力を監視してもよい。外部装置2は、余剰電力が十分であるか否かを判定する機能を有していてもよい。外部装置2は、余剰電力に応じて加熱指示または停止指示を送信する機能を有してもよい。
本実施の形態において記憶部300cには、一日当たりに加熱ユニット200が水の加熱を開始する回数の許容値として、開始許容回数が記憶される。また、記憶部300cには、一日当たりに加熱ユニット200が水の加熱を停止する回数の許容値として、停止許容回数が記憶される。開始許容回数および停止許容回数は、予め設定される。
なお、開始許容回数は、例えば、複数日または半日当たりに加熱ユニット200が水の加熱を開始する回数の許容値として設定されてもよい。開始許容回数は、任意の一定期間内に加熱ユニット200が水の加熱を開始する回数の許容値として設定されてもよい。同様に、停止許容回数は、任意の一定期間内に加熱ユニット200が水の加熱を停止する回数の許容値として設定されてもよい。
開始許容回数と停止許容回数とは、異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。以下、本実施の形態では、開始許容回数と停止許容回数とが同じ値である例を説明する。また、以下では、この開始許容回数および停止許容回数を、単に許容回数と称する。すなわち、本実施の形態の記憶部300cは、予め設定された許容回数を記憶している。
また、本実施の形態の記憶部300cは、当日中に加熱ユニット200が水の加熱を開始した回数を記憶する。例えば、記憶部300cには、当日中に加熱ユニット200が水の加熱を開始した回数として第1回数が記憶される。例えば、制御部300aは、加熱ユニット200に水の加熱を開始させると、記憶部300cに記憶された第1回数を更新させる。
なお、記憶部300cには、当日に限られない任意の一定期間内に加熱ユニット200が水の加熱を開始した回数が記憶されてもよい。また、記憶部300cは、当日中に加熱ユニット200が水の加熱を停止した回数として、第2回数を記憶してもよい。本実施の形態において、制御部300aは、この第1回数と第2回数と受信部300bが受信した指示とに基づいて、加熱ユニット200を制御する。
また、タンクユニット100の外部には、外部入出力装置の一例として、リモートコントローラ400が設けられていてもよい。リモートコントローラ400は、制御装置300に接続される。リモートコントローラ400は、使用者によって操作される。制御装置300は、例えば、使用者によるリモートコントローラ400の操作に応じて、貯湯式給湯機1の動作を制御する。
リモートコントローラ400は、貯湯式給湯機1の状態を表示してもよい。使用者は、このリモートコントローラ400を見ることで、貯湯式給湯機1の状態を確認することができる。例えば、制御装置300は、加熱ユニット200の運転モードに応じた信号をリモートコントローラ400へ送信する。リモートコントローラ400は、制御装置300から受信した信号に応じて、加熱ユニット200の運転モードを表示する。
次に、本実施の形態の給湯機システムの動作について説明する。図2は、実施の形態1の給湯機システムの動作の例を示す第1のタイムチャートである。また、図3は、実施の形態1の給湯機システムの動作の例を示す第2のタイムチャートである。
図2および図3は、第1閾値がAkWで第2閾値がBkWである例を示している。すなわち、図2および図3に示す例において、外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量がAkW以上になると、加熱指示を受信部300bへ送信する。また、外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量がBkW以下になると、停止指示を受信部300bへ送信する。また、図2および図3は、許容回数が3回である例を示している。
太陽光発電装置3の発電量は、天候等に依存する。図2および図3に示すように、太陽光発電装置3の発電量は、時間経過とともに変動する。外部装置2は、太陽光発電装置3の発電量の変動に応じて、加熱指示または停止指示を受信部300bへ送信する。
加熱ユニット200が水の加熱を停止している際に、受信部300bが当日中における1回目および2回目の加熱指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に通常モードで水を加熱させる。通常モードでの加熱ユニット200の消費電力は、例えば、CkWである。また、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に、受信部300bが当日中における1回目および2回目の停止指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる。
また、加熱ユニット200が水の加熱を停止している際に、受信部300bが当日中における3回目の加熱指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に通常モードで水を加熱させる。これにより、加熱ユニット200が水の加熱を開始した第1回数が許容回数に達する。
本例において制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に、受信部300bが当日中における3回目の停止指示を受信すると、加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を継続させる。低消費電力モードでの加熱ユニット200の消費電力は、例えば、DkWである。
すなわち、制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に受信部300bが停止指示を受信すると、第1回数が許容回数に達している場合には加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させる。これにより、通常モードで水を加熱している加熱ユニット200が停止する回数が削減される。本実施の形態であれば、加熱ユニット200の寿命がより長くなる。すなわち、本実施の形態であれば、より寿命の長い貯湯式給湯機1を提供することができる。
また、記憶部300cには、例えば、予め設定された上限時間T1が記憶されている。この上限時間T1は、加熱ユニット200が低消費電力モードで水の加熱を継続する時間の上限値として設定される。
上述したように、太陽光発電装置3の発電量は、天候等によって変動する。太陽光発電装置3の発電量は、例えば、雲等によって太陽が覆われることによって一時的にAkW以下に下がる。太陽光発電装置3の発電量が一時的にAkW以下になる時間は、例えば、30分として想定される。上限時間T1は、太陽光発電装置3の発電量が一時的にAkW以下になると想定される時間に基づいて設定される。上限時間T1は、例えば、1時間である。
図2は、加熱ユニット200が低消費電力モードで水の加熱を継続し始めてからの経過時間T11が上限時間T1に達する前に、外部装置2が加熱指示を受信部300bへ送信した例を示している。経過時間T11が上限時間T1に達する前に受信部300bが加熱指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に、通常モードに切り替えて水の加熱を継続させる。これにより、太陽光発電装置3によって発電された電力が効率よく消費される。また、加熱ユニット200が水の加熱を開始する回数が削減される。本実施の形態であれば、加熱ユニット200の寿命がより長くなる。
また、図3は、経過時間T11が上限時間T1に達する前に、外部装置2が加熱指示を受信部300bへ送信しなかった場合の例を示している。図3において、経過時間T11は、上限時間T1に達する。経過時間T11が上限時間T1に達すると、制御部300aは、加熱ユニット200に、水の加熱を停止させる。本実施の形態であれば、経過時間T11が過度に長くなることによる無駄な電力料金の発生が防止される。
次に、制御装置300による加熱ユニット200の制御について、フローチャートを参照して説明する。図4は、実施の形態1の加熱ユニット200による水の加熱の開始の制御を示すフローチャートである。図5は、実施の形態1の加熱ユニット200による水の加熱の停止および継続の制御を示すフローチャートである。図4および図5は、図2および図3のタイムチャートで示した給湯機システムの動作を実現するためのフローチャートの一例である。
図4に示す制御は、加熱ユニット200が水の加熱を停止している際に受信部300bが加熱指示を受信することによって開始する。受信部300bが加熱指示を受信すると、制御部300aは、記憶部300cから当該記憶部300cに記憶された許容回数を読み出す(ステップS101)。制御部300aは、ステップS1で許容回数を読み出すと、記憶部300cから当該記憶部300cに記憶された第1回数を読み出す(ステップS102)。
制御部300aは、ステップS102で第1回数を読み出すと、第1回数が許容回数未満か判定する(ステップS103)。制御部300aは、開始回数が許容回数未満の場合には、加熱ユニット200に水の加熱を開始させる(ステップS104)。制御部300aは、ステップS104で加熱ユニット200に水の加熱を開始させると、記憶部300cに記憶された第1回数を更新する(ステップS105)。具体的には、ステップS105で制御部300aは、ステップS102で読み出した数に1を加算した数を、新たな第1回数として記憶部300cに記憶させる。
また、制御部300aは、ステップS103で第1回数が許容回数に達していると判定した場合には、加熱ユニット200に水の加熱を停止させ続ける(ステップS106)。本実施の形態であれば、加熱ユニット200が水の加熱を開始する回数がより削減される。
図5に示す制御は、加熱ユニット200が通常モードで水の加熱をしている際に受信部300bが停止指示を受信することによって開始する。受信部300bが停止指示を受信すると、制御部300aは、記憶部300cから当該記憶部300cに記憶された許容回数を読み出す(ステップS201)。
制御部300aは、ステップS201で許容回数を読み出すと、記憶部300cから当該記憶部300cに記憶された第2回数を読み出す(ステップS202)。なお、加熱ユニット200が水を加熱している際の第2回数は、第1回数よりも1回少なくなっている。制御部300aは、ステップS202で第2回数を読み出すと、第2回数が許容回数より2回以上少ないか判定する(ステップS203)。制御部300aは、第2回数が許容回数より2回以上少ない場合には、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる(ステップS204)。加熱ユニット200が停止することによって、消費電力が削減される。
制御部300aは、ステップS204で加熱ユニット200に水の加熱を停止させると、記憶部300cに記憶された第2回数を更新する(ステップS205)。具体的には、ステップS205で制御部300aは、ステップS202で読み出した数に1を加算した数を、新たな第2回数として記憶部300cに記憶させる。更新後の第2回数は、第1回数と等しくなる。
また、制御部300aは、ステップS203で第2回数が許容回数より2回以上少なくないと判定すると、加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させる(ステップS206)。制御部300aは、加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を継続させ始めると、上述した経過時間T11が上限時間T1に達したか判定する(ステップS207)。
制御部300aは、ステップS207で経過時間T11が上限時間T1に達したと判定すると、上記のステップS204と同様に、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる。また、制御部300aは、ステップS207で経過時間T11が上限時間T1に達していないと判定すると、受信部300bが加熱指示を受信したか判定する(ステップS208)。
制御部300aは、ステップS208で受信部300bが加熱指示を受信したと判定すると、加熱ユニット200に通常モードに切り替えて水の加熱を継続させる(ステップS209)。また、制御部300aは、ステップS208で受信部300bが加熱指示を受信していないと判定すると、ステップS207の判定を再び行う。上述したステップS101からステップS106およびステップS201からステップS209に示す制御が制御装置300によって行われることで、図2および図3のタイムチャートで示される給湯機システムの動作が実現される。
上記の実施の形態によれば、加熱ユニット200が水の加熱の開始と停止とを頻繁に繰り返してしまうことが防止される。これにより、より寿命の長い貯湯式給湯機1およびこの貯湯式給湯機1と太陽光発電装置3とを備えた給湯機システムが提供される。また、上記の実施の形態によれば、消費電力が削減されることによって、無駄な電力料金の発生が防止される。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2については、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明する。実施の形態1と同一または相当する部分については、説明を簡略化または省略する。本実施の形態の給湯機システムは、実施の形態1と同様に構成される。本実施の形態の給湯機システムの構成は、図1に示される。
以下、タイムチャートおよびフローチャートを参照して、本実施の形態の給湯機システムの動作について説明する。図6は、実施の形態2の給湯機システムの動作の例を示すタイムチャートである。図7は、実施の形態2の加熱ユニットによる水の加熱の停止および継続の制御を示すフローチャートである。
図6は、実施の形態1と同様に、第1閾値がAkWで第2閾値がBkWである例を示している。また、図6は、実施の形態1と同様に、許容回数が3回である例を示している。
図6に示す例において、加熱ユニット200が水の加熱を停止している際に、受信部300bが当日中における1回目の加熱指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に通常モードで水を加熱させる。また、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に、受信部300bが当日中における1回目の停止指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる。これにより、消費電力が削減される。
図6に示す例において、加熱ユニット200が水の加熱を停止している際に、受信部300bが当日中における2回目の加熱指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に通常モードで水を加熱させる。加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に、受信部300bが当日中における2回目の停止指示を受信すると、制御部300aは、低消費電力モードで加熱ユニット200に水の加熱を継続させる。
すなわち、本実施の形態の制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に受信部300bが停止指示を受信すると、第1回数が許容回数より1回少ない場合には、加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させる。本実施の形態であれば、通常モードで水を加熱している加熱ユニット200が停止する回数がより削減される。
また、加熱ユニット200が水の加熱を停止している際に、受信部300bが当日中における3回目の加熱指示を受信すると、制御部300aは、加熱ユニット200に通常モードで水を加熱させる。制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に、受信部300bが当日中における3回目の停止指示を受信すると、実施の形態1と同様に、加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を加熱させる。
また、本実施の形態の記憶部300cには、実施の形態1における上限時間T1に代えて第1上限時間T2および第2上限時間T3が記憶されている。第1上限時間T2および第2上限時間T3は、太陽光発電装置3の発電量が一時的にAkW以下になると想定される時間に基づいて設定される。また、第2上限時間T3は、第1上限時間T2よりも長い時間に設定される。第1上限時間T2は、例えば、45分である。第2上限時間T3は、例えば、1時間である。
本実施の形態の制御部300aは、第1回数が許容回数より1回少ない場合には、低消費電力モードで水の加熱を継続させている経過時間T21が第1上限時間T2に達すると水の加熱を停止させる。図6は、経過時間T21が第1上限時間T2に達した例を示している。本実施の形態であれば、消費電力がより削減される。経過時間T21が第1上限時間T2に達する場合としては、第1上限時間T2が45分として設定されたときに、太陽光発電装置3の発電量が実際にAkW以下になった時間が50分であった場合等が挙げられる。
また、本実施の形態の制御部300aは、第1回数が許容回数に達している場合には、低消費電力モードで水の加熱を継続させている経過時間T31が第2上限時間T3に達すると水の加熱を停止させる。図6は、経過時間T31が第2上限時間T3に達する前に受信部300bが加熱指示を受信した例を示している。本実施の形態であれば、加熱ユニット200が水の加熱を開始する回数がより削減される。
上述したように、第2上限時間T3は、第1上限時間T2よりも長い時間に設定される。第1上限時間T2は、第2上限時間T3に比べて、太陽光発電装置3の発電量が一時的にAkW以下になると想定される時間により近い時間に設定される。第2上限時間T3は、太陽光発電装置3の発電量が一時的にAkW以下になると想定される時間および第1上限時間T2よりも長い時間に設定される。本実施の形態であれば、加熱ユニット200が水の加熱の開始と停止とを頻繁に繰り返してしまうことの防止と不要な電力料金の発生の防止とが効果的に両立される。
次に、本実施の形態における制御装置300による加熱ユニット200の制御について、フローチャートを参照して説明する。加熱ユニット200による水の加熱の開始の制御は、実施の形態1と同様、図4のフローチャートで示される。
図7に示す制御は、加熱ユニット200が通常モードで水の加熱をしている際に受信部300bが停止指示を受信することによって開始する。受信部300bが停止指示を受信すると、制御部300aは、記憶部300cから当該記憶部300cに記憶された許容回数を読み出す(ステップS301)。
制御部300aは、ステップS301で許容回数を読み出すと、記憶部300cから当該記憶部300cに記憶された第2回数を読み出す(ステップS302)。制御部300aは、ステップS302で第2回数を読み出すと、第2回数が許容回数より2回以上少ないか判定する(ステップS303)。
制御部300aは、ステップS303で第2回数が許容回数より2回以上少ないと判定すると、当該第2回数が許容回数より3回以上少ないか判定する(ステップS304)。制御部300aは、ステップS304で第2回数が許容回数より3回以上少ないと判定すると、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる(ステップS305)。制御部300aは、ステップS304で加熱ユニット200に水の加熱を停止させると、記憶部300cに記憶された第2回数を更新する(ステップS306)。
また、制御部300aは、ステップS304で第2回数が許容回数より3回以上少なくないと判定すると、加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させる(ステップS307)。制御部300aは、ステップS307で加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を継続させ始めると、経過時間T21が第1上限時間T2に達したか判定する(ステップS308)。
制御部300aは、ステップS308で経過時間T21が第1上限時間T2に達したと判定すると、上記のステップS305と同様に、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる。また、制御部300aは、ステップS308で経過時間T21が第1上限時間T2に達していないと判定すると、受信部300bが加熱指示を受信したか判定する(ステップS309)。
制御部300aは、ステップS309で受信部300bが加熱指示を受信したと判定すると、加熱ユニット200に通常モードに切り替えて水の加熱を継続させる(ステップS310)。また、制御部300aは、ステップS309で受信部300bが加熱指示を受信していないと判定すると、ステップS308の判定を再び行う。
また、制御部300aは、ステップS303で第2回数が許容回数より2回以上少なくないと判定すると、加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させる(ステップS311)。制御部300aは、加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を継続させ始めると、上述した経過時間T31が第2上限時間T3に達したか判定する(ステップS312)。
制御部300aは、ステップS312で経過時間T31が第2上限時間T3に達したと判定すると、上記のステップS305と同様に、加熱ユニット200に水の加熱を停止させる。また、制御部300aは、ステップS312で経過時間T31が第2上限時間T3に達していないと判定すると、受信部300bが加熱指示を受信したか判定する(ステップS313)。
制御部300aは、ステップS313で受信部300bが加熱指示を受信したと判定すると、加熱ユニット200に通常モードに切り替えて水の加熱を継続させる(ステップS314)。また、制御部300aは、ステップS313で受信部300bが加熱指示を受信していないと判定すると、ステップS312の判定を再び行う。上述したステップ301からステップS314に示す制御が制御装置300によって行われることで、図6のタイムチャートで示される本実施の形態の給湯機システムの動作が実現される。
なお、上記の実施の形態1においては、記憶部300cに上限時間T1が記憶される。また実施の形態2においては、記憶部300cに第1上限時間T2および第2上限時間T3が記憶されている。記憶部300cには、上限時間T1、第1上限時間T2および第2上限時間T3が記憶されていなくてもよい。制御部300aは、例えば、受信部300bが加熱指示を受信するまで加熱ユニット200に低消費電力モードで水を加熱させ続けても良い。
また、制御部300aは、第1回数が許容回数に達している際に加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を継続させる場合は、第1時間だけ加熱ユニット200に低消費電力モードで水の加熱を継続させてもよい。第1時間は、第1回数が許容回数より1回少なかった際に加熱ユニット200が低消費電力モードで水の加熱を継続した第2時間よりも長い時間である。すなわち、加熱ユニット200が低消費電力モードで水の加熱を継続させる時間は、第1回数が許容回数に近くなるほど長くなってもよい。本例であれば、無駄な電力料金の発生がより効果的に防止される。
また、実施の形態2の制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に受信部300bが停止指示を受信すると、第1回数が許容回数より1回少ない場合には、加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させる。例えば、制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に受信部300bが停止指示を受信すると、第1回数が許容回数より2回以上少ない場合も、加熱ユニット200に低消費電力モードに切り替えて水の加熱を継続させてもよい。
また、タンク101には、例えば、図1に示すように、蓄熱量検知部106が設けられてもよい。蓄熱量検知部106は、例えばサーミスタ等を含む装置である。蓄熱量検知部106は、タンク101に貯められた水の蓄熱量を検知する。制御部300aは、蓄熱量検知部106が検知した蓄熱量に応じて加熱ユニット200を制御してもよい。
制御部300aは、加熱ユニット200が通常モードで水を加熱している際に受信部300bが停止指示を受信すると、タンク101に貯められた水の蓄熱量が目標蓄熱量以上である場合には、第1回数に依らずに加熱ユニット200を停止させてもよい。目標蓄熱量は、例えば、記憶部300cに予め記憶される。本例であれば、貯湯式給湯機1の消費電力がより削減される。
また、制御部300aは、タンク101に貯められた水の蓄熱量が基準未満である場合には、第1回数が許容回数に達していても加熱ユニット200に水の加熱を開始させてもよい。この基準は、例えば、記憶部300cに予め記憶される。また、リモートコントローラ400は、例えば強制開始指示を送信する機能を有していてもよい。リモートコントローラ400は、使用者からの操作に応じてこの強制開始指示を受信部300bへ送信する。制御部300aは、受信部300bが強制開始指示を受信した場合には、第1回数が許容回数に達していても加熱ユニット200に水の加熱を開始させてもよい。本例であれば、タンク101内に貯められた水の蓄熱量が不足してしまうことが防止される。