JP2018104408A - ジフルオロメチレン化合物の製造方法 - Google Patents

ジフルオロメチレン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新たなジフルオロメチレン化合物の製造方法の提供。【解決手段】−CF2−部を有するジフルオロメチレン化合物の製造方法であって、a)−C(O)−部を有するカルボニル化合物と、b)所望によりアミンと、c)式:MF(Mは、周期表1族元素)で表されるフッ化物と、d)式:XFn(Xは、塩素、臭素又はヨウ素;nは1〜5の自然数)で表されるハロゲン化フッ素化合物と、e)塩化硫黄と、を混合する工程Aを含む製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ジフルオロメチレン化合物の製造方法に関する。
ジフルオロメチレン骨格を有する化合物(すなわち、ジフルオロメチレン化合物)は、液晶材料、医薬品、これらの中間体等として有用な化合物であり、各種の製造方法が検討されているが、なかでもカルボニル化合物の脱酸素的フッ素化は有用な反応である。このような反応に適するフッ素化剤としては、四フッ化硫黄(SF4)、N,N-ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)、ビス(メトキシメチル)アミノ硫黄トリフルオリド[Deoxo-Fluor(商品名)]、置換フェニル硫黄トリフルオリド[Fluolead(商品名)]などが知られている。
しかしながら、SF4は毒性が高い上に、ガスであるので取扱いが難しく、入手が困難であるという問題があった。DAST及びDeoxo-fluorは熱安定性が低く、分解時の熱エネルギーが非常に大きい液体であり、特にDASTは爆発性の為に取扱いに注意を要するものである。Fluoleadは安定性が高いが、フッ素化剤が分解して副生する硫黄化合物と生成物が分離しにくい等の問題がある。
米国特許7265247号明細書
J. Am. Chem. Soc., 82, 543 (1960) J. Org. Chem., 40, 574 (1975) Chemical Communications 215 (1999)
本発明は、新たなジフルオロメチレン化合物の製造方法、特に簡便な、ジフルオロメチレン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、
a)−C(O)−部を有するカルボニル化合物、
b)所望により、アミン、
c)式:MF(当該式中、Mは、周期表1族元素を表す。)で表されるフッ化物、
d)式:XF(当該式中、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素であり、及びnは、1〜5の自然数である。)で表されるハロゲン化フッ素化合物、及び
e)塩化硫黄
を混合する工程Aを含む
製造方法によって、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の態様を含む。
項1.
−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物の製造方法であって、
a)−C(O)−部を有するカルボニル化合物、
b)所望により、アミン、
c)式:MF(当該式中、Mは、周期表1族元素を表す。)で表されるフッ化物、
d)式:XF(当該式中、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素であり、及びnは、1〜5の自然数である。)で表されるハロゲン化フッ素化合物、及び
e)塩化硫黄
を混合する工程Aを含む
製造方法。
項2.
前記−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物が、式(1):
11−CF−R12 (1)
[式中、
11は、R21、又はフッ素原子を表し、
12は、R22、又はフッ素原子を表し、
21、及びR22は、同一、又は異なって、
(a)水素原子、
(b)水酸基、又は
(c)有機基
を表すか、或いは
これらが隣接する−CF−部と一緒になって環を形成していてもよい。
但し、
(i)R11、及びR12は、いずれも水酸基ではなく、且つ
(ii)R11、及びR12、並びにR21、及びR22は、いずれも−O−を介して連結する有機基ではない。]
で表されるジフルオロメチレン化合物
であり、且つ
前記a)カルボニル化合物が、式(2):
21−C(O)−R22 (2)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるカルボニル化合物である、
項1に記載の製造方法。
項3.
前記d)ハロゲン化フッ素化合物が、IFである項1、又は2に記載の製造方法。
項4.
前記b)アミン、及び前記c)フッ化物を混合する、項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法
項5.
前記b)アミン、及び前記c)フッ化物として、これらから形成された塩が用いられる、項4に記載の製造方法。
項6.
前記b)アミン、前記c)フッ化物、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物として、これらから形成された複合体が用いられる、項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
項7.
前記c)フッ化物がHFである、項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
項8.
前記工程Aが、
前記d)ハロゲン化フッ素化合物を前記e)塩化硫黄と反応させる工程A1、及び
前記a)カルボニル化合物を前記工程A1の反応生成物と反応させる工程A2
を含む項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
項9.
前記工程A1、及び前記工程A2がワンポットで実施される項8に記載の製造方法。
項10.
前記工程A1、及び前記工程A2が逐次的に実施される項9に記載の製造方法。
項11.
前記工程A1、及び前記工程A2が同時に実施される項9に記載の製造方法。
本発明によれば、新たなジフルオロメチレン化合物の製造方法、特にジフルオロメチレン化合物の簡便な効率的な製造方法が提供される。
用語
本明細書中の記号及び略号は、特に限定のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に理解できる。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含できることを意図して用いられる。
特に限定されない限り、本明細書中に記載されている工程、処理、又は操作は、室温で実施され得る。
本明細書中、室温は、10〜40℃の範囲内の温度を意味する。
本明細書中、表記「Cn−Cm」(ここで、n、及びmは、数である。)は、当業者が通常理解する通り、炭素数がn以上、且つm以下であることを表す。
本明細書中、「非芳香族炭化水素環」の例は、炭素数3〜8の非芳香族炭化水素環を包含し、その具体例は、
(1)シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のC3−C8シクロアルカン;
(2)シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のC5−C8シクロアルケン;
(3)シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等のC5−C8シクロアルカジエン;及び
(4)ビシクロ[2.1.0]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタン等の炭素数5〜8の橋かけ環炭化水素等を包含できる。
本明細書中、「非芳香族複素環」の例は、3〜8員の非芳香族複素環等を包含し、その具体例は、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリン、ピペリジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、アゼパン、オキセパン、チエパン、オキサゼパン、チアゼパン、アゾカン、オキソカン、チオカン、オキサゾカン、チアゾカン等を包含できる。
本明細書中、「有機基」とは、1個以上の炭素原子を含有する基、又は有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基を意味する。
当該「有機基」の例は、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
アルデヒド基、
RO−、
RCO−、
RSO−、
ROCO−、及び
ROSO
(これらの式中、Rは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である)
を包含できる。
本明細書中、「炭化水素基」の例は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、及びこれらの組合せである基を包含できる。
本明細書中、「(シクロ)アルキル基」は、アルキル基、及び/又はシクロアルキル基を表す。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アルキル基」の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C1−C10アルキル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アルケニル基」の例は、ビニル、1−プロペン−1−イル、2−プロペン−1−イル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、及び5−へキセン−1−イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C2−10アルケニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アルキニル基」の例は、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−プロピン−1−イル、4−ペンチン−1−イル、5−へキシン−1−イル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、C2−C10アルキニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「シクロアルキル基」の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「シクロアルケニル基」の例は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル等のC3−C7シクロアルケニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「シクロアルカジエニル基」の例は、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル、シクロデカジエニル等のC4−C10シクロアルカジエニル基を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」は、C6−C18アリール基であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アリール基」の例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニル、3−ビフェニル、4−ビフェニル、及び2−アンスリルを包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「アラルキル基」の例は、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、2−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルメチル、及び4−ビフェニリルメチルを包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、単環性、2環性、3環性、又は4環性であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、例えば、環構成原子として、炭素原子に加えて酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族複素環基である。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」は、飽和、又は不飽和であることができる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「非芳香族複素環基」の例は、テトラヒドロフリル、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例:1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、アジリジニル(例:1−アジリジニル、2−アジリジニル)、アゼチジニル(例:1−アゼチジニル、2−アゼチジニル)、ピロリジニル(例:1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、ピペリジニル(例:1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル)、アゼパニル(例:1−アゼパニル、2−アゼパニル、3−アゼパニル、4−アゼパニル)、アゾカニル(例:1−アゾカニル、2−アゾカニル、3−アゾカニル、4−アゾカニル)、ピペラジニル(例:1,4−ピペラジン−1−イル、1,4−ピペラジン−2−イル)、ジアゼピニル(例:1,4−ジアゼピン−1−イル、1,4−ジアゼピン−2−イル、1,4−ジアゼピン−5−イル、1,4−ジアゼピン−6−イル)、ジアゾカニル(例:1,4−ジアゾカン−1−イル、1,4−ジアゾカン−2−イル、1,4−ジアゾカン−5−イル、1,4−ジアゾカン−6−イル、1,5−ジアゾカン−1−イル、1,5−ジアゾカン−2−イル、1,5−ジアゾカン−3−イル)、テトラヒドロピラニル(例:テトラヒドロピラン−4−イル)、モルホリニル(例:4−モルホリニル)、チオモルホリニル(例:4−チオモルホリニル)、2−オキサゾリジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、及びジヒドロキノリル等を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「ヘテロアリール基」の例は、5又は6員の単環性芳香族複素環基、及び5〜10員の芳香族縮合複素環基等
を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「5又は6員の単環性芳香族複素環基」の例は、ピロリル(例:1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例:2−フリル、3−フリル)、チエニル(例:2−チエニル、3−チエニル)、ピラゾリル(例:1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イミダゾリル(例:1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、イソオキサゾリル(例:3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例:2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソチアゾリル(例:3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、チアゾリル(例:2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例:1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサジアゾリル(例:1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)、チアジアゾリル(例:1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル)、テトラゾリル、ピリジル(例:2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例:3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例:2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピラジニル等を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「5〜10員の芳香族縮合複素環基」の例は、イソインドリル(例:1−イソインドリル、2−イソインドリル、3−イソインドリル、4−イソインドリル、5−イソインドリル、6−イソインドリル、7−イソインドリル)、インドリル(例:1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、ベンゾ[b]フラニル(例:2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[c]フラニル(例:1−ベンゾ[c]フラニル、4−ベンゾ[c]フラニル、5−ベンゾ[c]フラニル)、ベンゾ[b]チエニル、(例:2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[c]チエニル(例:1−ベンゾ[c]チエニル、4−ベンゾ[c]チエニル、5−ベンゾ[c]チエニル)、インダゾリル(例:1−インダゾリル、2−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例:1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、1,2−ベンゾイソオキサゾリル(例:1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソオキサゾール−7−イル)、ベンゾオキサゾリル(例:2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリル、5−ベンゾオキサゾリル、6−ベンゾオキサゾリル、7−ベンゾオキサゾリル)、1,2−ベンゾイソチアゾリル(例:1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−5−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イル、1,2−ベンゾイソチアゾール−7−イル)、ベンゾチアゾリル(例:2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、イソキノリル(例:1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、キノリル(例:2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、シンノリニル(例:3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、フタラジニル(例:1−フタラジニル、4−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル、7−フタラジニル、8−フタラジニル)、キナゾリニル(例:2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノキサリニル(例:2−キノキサリニル、3−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル、7−キノキサリニル、8−キノキサリニル)、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル(例:ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−4−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)、イミダゾ[1,2−a]ピリジル(例:イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)等を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、「ハロゲン原子」の例は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を包含できる。
本明細書中、特に限定の無い限り、用語「ハロゲン化(された)」の例は、塩素化、臭素化、及びヨウ素化を包含できる。
製造方法
本発明の、−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物[本明細書中、単に、「前記ジフルオロメチレン化合物」と称する場合がある。]の製造方法は、
a)−C(O)−部を有するカルボニル化合物[本明細書中、「a)カルボニル化合物」と称する場合がある。]、
b)所望により、アミン、
c)式:MF(当該式中、Mは、周期表1族元素を表す。)で表されるフッ化物[本明細書中、「c)フッ化物」と称する場合がある。]、
d)式:XF(当該式中、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素であり、及びnは、1〜5の自然数である。)で表されるハロゲン化フッ素化合物[本明細書中、「d)ハロゲン化フッ素化合物」と称する場合がある。]、及び
e)塩化硫黄
を混合する工程Aを含む。
説明のために記載するに過ぎないが、本発明の製造方法で製造される、前記ジフルオロメチレン化合物における語句「ジフルオロメチレン」は、前記−CF−部を表す。
前記ジフルオロメチレン化合物は、1個以上の−CF−部を有し得る。
これに対応して、前記a)カルボニル化合物は、1個以上のC(O)−部を有し得る。
本発明の製造方法に用いられる前記a)カルボニル化合物は、工程Aにおいて、−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物に変換される。
好ましくは、反応原料化合物である前記a)カルボニル化合物からは、前記−C(O)−部に、−O−を介して有機基が連結している化合物(すなわち、エステル化合物)は除かれる。
これに対応して、好ましくは、反応生成物である前記ジフルオロメチレン化合物からは、前記−CF−部に、−O−を介して有機基が連結している化合物は除かれる。
念のために注記するに過ぎないが、反応生成物である前記ジフルオロメチレン化合物の前記−CF−部は、例えば、−CF基の一部であることができる。すなわち、前記ジフルオロメチレン化合物は、トリフルオロメチル化合物であることができる。
これに関して、前記a)カルボニル化合物の前記−C(O)−部に−COOHが連結している場合、当該−C(O)−COOH部は、工程Aにより、−CF基に変換され得る。すなわち、この場合、本発明の製造方法により、トリフルオロメチル化合物が製造できる。
本発明の製造方法で製造される、前記ジフルオロメチレン化合物は、好ましくは、式(1):
11−CF−R12 (1)
[式中、
11は、R21、又はフッ素原子を表し、
12は、R22、又はフッ素原子を表し、
21、及びR22は、同一、又は異なって、
(a)水素原子、
(b)水酸基、又は
(c)有機基
を表すか、或いは
互いに連結していてもよい。
但し、
(i)R11、及びR12は、いずれも水酸基ではなく、且つ
(ii)R11、及びR12、並びにR21、及びR22は、いずれも−O−を介して連結する有機基ではない。]
で表されるジフルオロメチレン化合物
である。
この、好ましいジフルオロメチレン化合物に対応して、前記a)カルボニル化合物は、好ましくは、式(2):
21−C(O)−R22 (2)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるカルボニル化合物である。
目的化合物を表す式(1)のR11は、反応原料化合物を表す式(2)のR21に対応し、同じであることができる。
目的化合物を表す式(1)のR12は、反応原料化合物を表す式(2)のR22に対応し、同じであることができる。
但し、前述した説明から理解される通り、当該態様の製造方法においては、前記式(2)のR21が−COOHである場合、前記式(1)のR11はフッ素原子になることができる。
同様に、当該態様の製造方法においては、前記式(2)のR22が−COOHである場合、前記式(1)のR12はフッ素原子になることができる。
11で表される有機基は、好適に、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基(当該炭化水素基には、−NR−、=N−、−N=、−O−、及び−S−からなる群より選択される1個以上の部分が挿入されていてもよい。ここで、Rは、水素原子、又は有機基を表す。)であることができる。
当該「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、好ましくはC1−C30炭化水素基、より好ましくはC1−C20炭化水素基、及び更に好ましくはC1−C10炭化水素基であることができる。
当該炭化水素基は、好ましくはアルキル基、又はアリール基、及びより好ましくはC1−C10アルキル基、又はC6−C20アリール基であることができる。
当該炭化水素基(及びこれにそれぞれ包含される、アルキル基、及びアリール基)には、−NR−(当該式中、Rは、水素原子、又は有機基を表す)、=N−、−N=、−O−、及び−S−からなる群より選択される1個以上の部分(moiety)が挿入されていてもよい。
当該部分は、当該炭化水素基の炭素-炭素結合内に挿入されていてもよく、及び/又は式(1)中に表される−CF−部に隣接して(及び、これに対応して、前記式(2)中に表される−C(O)−部に隣接して)挿入されていてもよい。
前記−NR−部中のRで表される有機基は、好ましくは、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基は、好ましくはC1−C30炭化水素基、より好ましくはC1−C20炭化水素基、及び更に好ましくはC1−C10炭化水素基であることができる。
12で表される有機基は、好適に、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基(当該炭化水素基には、−NR−、=N−、−N=、−O−、及び−S−からなる群より選択される1個以上の部分が挿入されていてもよい。ここで、Rは、水素原子、又は有機基を表す。)であることができる。
当該「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」は、好ましくはC1−C30炭化水素基、より好ましくはC1−C20炭化水素基、及び更に好ましくはC1−C10炭化水素基であることができる。
当該炭化水素基は、好ましくはアルキル基、又はアリール基、及びより好ましくはC1−C10アルキル基、又はC6−C20アリール基であることができる。
当該炭化水素基(及びこれにそれぞれ包含される、アルキル基、及びアリール基)には、−NR−(当該式中、Rは、水素原子、又は有機基を表す)、=N−、−N=、−O−、及び−S−からなる群より選択される1個以上の部分(moiety)が挿入されていてもよい。
当該部分は、当該炭化水素基の炭素-炭素結合内に挿入されていてもよく、及び/又は式(1)中に表される−CF−部に隣接して挿入されていてもよい。
12中のRで表される有機基は、好ましくは、1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基は、好ましくはC1−C20炭化水素基、より好ましくはC1−C10炭化水素基、及び更に好ましくはC1−C5炭化水素基であることができる。
念のために記載するに過ぎないが、当業者が通常理解する通り、−NR−、=N−、−N=、−O−、及び−S−からなる群より選択される1個以上の部分(moiety)が挿入されているアリール基は、ヘテロアリール基であることができる。
11、及びR21で、それぞれ表される「1個以上の置換基を有していてもよい炭化水素基」における「置換基」の例は、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、チオキソ基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィナモイル基、及びスルフェナモイル基
を包含できる。
当該置換基の数は、R11、及びR21において同一又は異なって、1個から置換可能な最大個数の範囲内(例:1個、2個、3個、4個、5個、6個)であることができる。
11、及びR21が、これらが隣接する−CF−部と一緒になって形成した環は、好ましくは、−CF−部のフッ素原子に加えて更に1個以上の置換基を有していてもよい、3〜8員環であることができる。
当該環は、単環、縮合環、又はスピロ環であることができる。
当該環は、非芳香族炭化水素環、又は非芳香族複素環であることができる。
前記置換基の例は、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、チオキソ基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィナモイル基、及びスルフェナモイル基
を包含できる。
当該置換基の数は、1個から置換可能な最大個数の範囲内(例:1個、2個、3個、4個、5個、6個)であることができる。
説明のために例示するにすぎないが、R21、及びR22から除外される、前記「−O−を介して連結する有機基」は、例えば、1個以上の置換基を有していてもよいハイドロカルビルオキシ基である。
前記b)アミンの例は、
脂肪族アミン(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン)、脂環式アミン(第二級アミン、第三級アミン)、芳香族アミン(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン)、及び複素環式アミン等の有機塩基等;及び
ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン等のポリマー担持アミン化合物
を包含できる。
本明細書中、「脂肪族第一級アミン」の例は、
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、及びエチレンジアミン
を包含できる。
本明細書中、「脂肪族第二級アミン」の例は、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、及びジシクロヘキシルアミン
を包含できる。
本明細書中、「脂肪族第三級アミン」の例は、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
を包含できる。
本明細書中、「脂環式第二級アミン」の例は、
ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、及びモルホリン
を包含できる。
本明細書中、「脂環式第三級アミン」の例は、
N−メチルピペラジン、N−メチルピロリジン、5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン−5−エン、及び1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
を包含できる。
本明細書中、「芳香族アミン」の例は、
アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ハロアニリン、及びニトロアニリン
を包含できる。
本明細書中、「複素環式アミン」の例は、
ピリジン、ピリミジン、ピペラジン、キノリン、及びイミダゾール
を包含できる。
前記c)フッ化物に関し、前記式:MF中のMで表される周期表1族元素の好適な例は、H、Na、及びKを包含し、及び特に好適な例は、Hを包含する。すなわち、前記c)フッ化物の特に好適な例は、HFを包含する。
当該Mで表される周期表1族元素はカチオンであることができる。
前記d)ハロゲン化フッ素化合物の例は、IF、BrF、及びClFを包含できる。
当該ハロゲン化フッ素化合物のより好適な例は、IF、及びBrFを包含できる。
当該ハロゲン化フッ素化合物の特に好適な例は、IFを包含できる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
前記e)塩化硫黄の好適な例は、一塩化硫黄(SCl、又はSCl)、及び二塩化硫黄(SCl)を包含できる。
当該塩化硫黄の好適な例は、一塩化硫黄を包含できる。
これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の好適な一態様では、
前記a)−C(O)−部を有するカルボニル化合物、
前記d)式:XF(当該式中、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素であり、及びnは、1〜5の自然数である。)で表されるハロゲン化フッ素化合物、及び
前記e)塩化硫黄に加えて、更に
b)アミン、及び
c)式:MF(当該式中、Mは、周期表1族元素を表す。)で表されるフッ化物
を混合する。
工程Aの反応に用いられる前記b)アミンの量の上限は、前記ハロゲン化フッ素化合物に対して、モル比で、好ましくは2等量、より好ましくは1.5等量、及び更に好ましくは1等量であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記b)アミンの量の下限は、前記ハロゲン化フッ素化合物に対して、モル比で、好ましくは0.5等量、より好ましくは0.8等量、更に好ましく0.9等量、及びよりさらに好ましくは1等量であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記b)アミンの量の量は、前記ハロゲン化フッ素化合物に対して、モル比で、好ましくは0.5〜2等量の範囲内、より好ましくは0.8〜1.2等量の範囲内、及び更に好ましくは0.9〜1.1等量の範囲内であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記c)フッ化物の量の上限は、前記アミンに対して、モル比で、好ましくは9等量、より好ましくは7等量、更に好ましくは5等量、及びより更に好ましくは3等量であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記c)フッ化物の量の下限は、前記アミンに対して、モル比で、好ましくは2等量、より好ましくは2.5等量、及び更に好ましくは3等量であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記c)フッ化物の量の量は、前記アミンに対して、モル比で、好ましくは2.5〜9等量の範囲内、より好ましくは2.5〜7等量、及び更に好ましくは2.5〜5等量の範囲内、及び更に好ましくは3〜5等量の範囲内であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記d)ハロゲン化フッ素化合物の量の上限は、前記e)塩化硫黄に対して、モル比で、好ましくは3等量、より好ましくは2.2等量、及び更に好ましくは1.8等量であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記ハロゲン化フッ素化合物の量の下限は、前記塩化硫黄に対して、モル比で、好ましくは1等量、及びより好ましくは1.5等量であることができる。
工程Aの反応に用いられる前記ハロゲン化フッ素化合物の量は、前記塩化硫黄に対して、モル比で、好ましくは1〜3等量の範囲内、より好ましくは1.5〜2.2等量の範囲内、及び更に好ましくは1.5〜1.8等量の範囲内であることができる。
工程Aでは、前記a)カルボニル化合物、前記b)アミン、前記c)フッ化物、前記所望によるd)ハロゲン化フッ素化合物、及び前記e)塩化硫黄に加えて、他の物質もまた混合されてもよい。
当該他の物質の例は、反応溶媒を包含できる。
当該反応溶媒の具体例は、ジクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、及びシクロヘキサン、並びにそれらの2種以上の混合溶媒を包含できる。
このような他の物質の使用量は、その使用目的に応じて、適宜、決定すればよい。
本発明の製造方法では、前記a)カルボニル化合物、前記b)アミン、前記c)フッ化物、前記所望によるd)ハロゲン化フッ素化合物、及び前記e)塩化硫黄が、工程Aの反応系に、同時に、又は逐次的に、導入、又は添加されればよい。
従って、工程Aの混合では、必ずしも、前記a)カルボニル化合物、前記b)アミン、前記c)フッ化物、前記所望によるd)ハロゲン化フッ素化合物、及び前記e)塩化硫黄が、同時に存在して、混合される必要はない。
すなわち、例えば、前記a)〜e)の5種の物質のうちの1〜4種の物質は、その余の物質の工程Aの反応系への導入、又は添加の前に、化学反応等により、変化していてもよい。
工程Aでは、前記a)〜e)の物質の1種以上のそれぞれの全部、又は一部として、その前駆体、その塩、又はそれを含有する複合体が使用されてもよい。
本発明の好適な一態様では、前記b)アミン、及び前記c)フッ化物として、これらから形成された塩(アミン・フッ化水素塩)が用いられる。
当該塩は、前記b)アミン、及び前記c)フッ化物のそれぞれの全部、又は一部として用いられ得る。
言い換えると、当該塩に加えて、前記b)アミン、及び前記c)フッ化物からなる群より選択される1種以上が用いられてもよい。
具体的は、当該塩(アミン・フッ化水素塩)としては、例えば、第一級アミン・フッ化水素塩、第二級アミン・フッ化水素塩、及び第三級アミン・フッ化水素塩が挙げられる。
アミン・フッ化水素塩として、好ましくは、例えば、脂肪族第一級アミン・フッ化水素塩、脂肪族第二級アミン・フッ化水素塩、及び脂肪族第三級アミン・フッ化水素塩が挙げられる。
脂肪族第一級アミン・フッ化水素塩における脂肪族第一級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン等が挙げられる。
脂肪族第一級アミン・フッ化水素塩における脂肪族第二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン等が挙げられる。
脂肪族第三級アミン・フッ化水素塩における脂肪族第三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
「脂肪族第一級アミン・フッ化水素塩」、「脂肪族第二級アミン・フッ化水素塩」、及び「脂肪族第三級アミン・フッ化水素塩」の「脂肪族(基)」として、好ましくは、例えば、メチル、エチル、及びブチルが挙げられ、より好ましくは、例えば、エチル、及びブチルが挙げられる。
アミン・フッ化水素塩としては、例えば、第三級アミン・フッ化水素塩が好ましく、脂肪族第三級アミン・フッ化水素塩がより好ましい。
当該アミン・フッ化水素塩は、例えば、式:RN・nHF
[当該式中、
Rは、各出現において同一又は異なって、
(シクロ)アルキル基(当該基は、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表すか、或いは
3個のRはこれらが隣接するNと一緒になって、1個以上の(シクロ)アルキル基(当該基は、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で置換されていてもよい含窒素複素環を形成していてもよく、及び
nは、1〜9の数(例:1、2、3、4、5、6、7、8、9)である。]
で表される塩であることができる。
当該塩は、また、例えば、式:[RNH][F(HF)n−1
[当該式中、
Rは、各出現において同一又は異なって、
(シクロ)アルキル基(当該基は、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)を表すか、或いは
3個のRはこれらが隣接するNと一緒になって、1個以上の(シクロ)アルキル基(当該基は、1個以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)で置換されていてもよい含窒素複素環を形成していてもよく、及び
nは、1〜9の数(例:1、2、3、4、5、6、7、8、9)である。]
で表される塩であることができる。
当該アミン・フッ化水素塩として、特に好ましくは、トリエチルアミン・フッ化水素塩である。
本発明の別の好適な一態様では、前記b)アミン、前記c)フッ化物、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物として、前記b)アミン、前記c)フッ化物、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物から形成された複合体が用いられる。
当該複合体は、前記b)アミン、前記c)フッ化物、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物のそれぞれの全部、又は一部として用いられ得る。
言い換えると、当該複合体に加えて、前記b)アミン、前記c)フッ化物、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物からなる群より選択される1種以上が用いられてもよい。
当該複合体の特に好適な例は、IF・HF−ピリジンコンプレックスを包含できる。
IF・HF−ピリジンコンプレックスは、(1)IF、(2)IFの1モルに対して1モルのピリジン、及び(3)IFの1モルに対して1モルのHFから構成される複合体である。
一般的には、IF−ピリジン−HFは、S.Hara, M.Monoi, R.Umemura, C.Fuse, Tetrahedron, 2012, 68, 10145-10150に記載の方法に従って製造できる。
具体的には、IFを、ピリジン−HF(ピリジン 50モル%、HF 50モル%)と混合することによって得られる。ピリジン−HF(ピリジン 50モル%、HF 50モル%)は、ピリジンを等モルの無水HFに加えることによって得られる。
工程Aの反応温度は、好適に室温であることができる。
工程Aの反応温度の上限は、好ましくは100℃、及びより好ましくは70℃であることができる。
工程Aの反応温度の下限は、好ましくは−20℃、及びより好ましくは0℃であることができる。
工程Aの反応温度は、好ましくは−20℃〜100℃の範囲内、及びより好ましくは0℃〜70℃の範囲内であることができる。
当該反応温度が低すぎると、工程Aの反応が不十分になる虞がある。
当該反応温度が高すぎると、コスト的に不利であり、及び望ましくない反応が起こる虞がある。
工程Aの反応は、所望により、NaHCO等を添加することにより停止させてもよい。
当該工程Aの反応時間の上限は、好ましくは24時間、より好ましくは12時間の範囲内、及び更に好ましくは5時間であることができる。
当該工程Aの反応時間の下限は、好ましくは1分間、より好ましくは10分間の範囲内、及び更に好ましくは30分間であることができる。
当該工程Aの反応時間は、好ましくは、1分間〜24時間の範囲内、より好ましくは、10分間〜12時間の範囲内、及び更に好ましくは、30分間〜5時間の範囲内であることができる。
当該反応時間が短すぎると、工程Aの反応が不十分になる虞がある。
当該反応時間が長すぎると、コスト的に不利であり、及び望ましくない反応が起こる虞がある。
工程Aで製造された−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物は、所望により、濃縮、抽出、蒸留、溶媒洗浄、及びカラム処理、並びにこれらの組合せ等の慣用の精製方法で精製できる。
前記工程Aは、
前記ハロゲン化フッ素化合物(a)を塩化硫黄(b)と反応させる工程A1、及び
前記式(2)で表されるカルボニル化合物を前記工程A1の反応生成物と反応させる工程A2
を含むことができる。
工程A1、及び工程A2は、逐次的に、又は同時に実施され得る。
工程A1の反応温度は、好適に室温であることができる。
工程A1の反応温度の上限は、好ましくは100℃、及びより好ましくは70℃であることができる。
工程A1の反応温度の下限は、好ましくは−50℃、より好ましくは−30℃、及び更に好ましくは−20℃であることができる。
工程A1の反応温度は、好ましくは−20℃〜100℃の範囲内、及びより好ましくは0℃〜70℃の範囲内であることができる。
当該反応温度が低すぎると、工程A1の反応が不十分になる虞がある。
当該反応温度が高すぎると、コスト的に不利であり、及び望ましくない反応が起こる虞がある。
工程A1は、反応溶媒の存在下、又は不存在下で実施され得る。
当該反応溶媒の具体例は、ジクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、及びシクロヘキサン、並びにそれらの2種以上の混合溶媒を包含できる。
所望により、工程A1で得られた反応生成物を工程A2に供する前に、所望により、抽出等の慣用の方法で分離、又は精製してもよいが、工程A1で得られた反応生成物は、好適に、そのまま工程A2に供することができる。
当該工程A1の反応時間の上限は、好ましくは24時間、より好ましくは12時間、及び更に好ましくは5時間であることができる。
当該工程A1の反応時間の下限は、好ましくは1分間、より好ましくは10分間、及び更に好ましくは30分間であることができる。
当該工程A1の反応時間は、好ましくは、1分間〜24時間の範囲内、より好ましくは、10分間〜12時間の範囲内、及び更に好ましくは、30分間〜5時間の範囲内であることができる。
当該反応時間が短すぎると、工程A1の反応が不十分になる虞がある。
当該反応時間が長すぎると、コスト的に不利であり、及び望ましくない反応が起こる虞がある。
工程A2の反応温度は、好適に室温であることができる。
工程A2の反応温度の上限は、好ましくは100℃、及びより好ましくは70℃であることができる。
工程A2の反応温度の下限は、好ましくは−20℃、及びより好ましくは0℃であることができる。
工程A2の反応温度は、好ましくは−20℃〜100℃の範囲内、及びより好ましくは0℃〜70℃の範囲内であることができる。
当該反応温度が低すぎると、工程A2の反応が不十分になる虞がある。
当該反応温度が高すぎると、コスト的に不利であり、及び望ましくない反応が起こる虞がある。
工程A2は、反応溶媒の存在下、又は不存在下で実施され得る。
当該反応溶媒の具体例は、ジクロロメタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、及びシクロヘキサン、並びにそれらの2種以上の混合溶媒を包含できる。
当該工程A2の反応時間の上限は、好ましくは48時間、より好ましくは24時間の範囲内、更に好ましくは10時間、及びより更に好ましくは5時間であることができる。
当該工程A2の反応時間の下限は、好ましくは5分間、より好ましくは30分間、及び更に好ましくは1時間であることができる。
当該工程A2の反応時間は、好ましくは5分間〜48時間の範囲内、より好ましくは30分間〜24時間の範囲内、更に好ましくは1時間〜10時間、及びより更に好ましくは1時間〜5時間の範囲内であることができる。
当該反応時間が短すぎると、工程A2の反応が不十分になる虞がある。
当該反応時間が長すぎると、コスト的に不利であり、及び望ましくない反応が起こる虞がある。
前記工程A1、及び前記工程A2は、ワンポットで実施され得る。
当該態様では、好適に、前記b)アミン、前記c)HF、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物から形成された複合体を使用できる。
本発明の一態様では、前記工程A1、及び前記工程A2が逐次的に実施される。
すなわち、前記工程A1の反応が完了した後に、及び前記工程A2の反応が開始されることができる。
本発明の別の一態様では、前記工程A1、及び前記工程A2が同時に実施される。
すなわち、前記工程A1の反応が完了する前に、前記工程A2の反応が開始されることができる。
当該態様では、好適に、前記b)アミン、前記c)HF、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物から形成された複合体を使用できる。
本発明の製造方法は、例えば、前記b)アミン、前記c)HF、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物の複合体、及び前記a)カルボニル化合物を容器に入れ、次いで当該容器に前記e)塩化硫黄を入れることにより実施できる。
本発明の製造方法は、また、例えば、当該工程A1の反応を第1容器内で進行させ、及び第2容器に前記a)カルボニル化合物を入れ、当該第1容器と当該第2容器と連結してこれらの内容物を接触させることにより、前記工程A2の反応を進行させることにより実施できる。
本発明の製造方法で製造された前記ジフルオロメチレン化合物は、所望により、抽出等の慣用の方法で精製できる。
本発明の製造方法の転化率は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、及び更に好ましくは90%以上であることができる。
本発明の製造方法により、前記ジフルオロメチレン化合物は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、及び更に好ましくは70%以上の収率で、得られる。
本発明の製造方法により、前記ジフルオロメチレン化合物は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、及び更に好ましくは70%以上の選択率で、得られる。
組成物
本発明はまた、
−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物、及び
−CHI−CFCl−部を有するクロロフルオロメチレン化合物
を含有する組成物
も提供する。
説明のために記載するに過ぎないが、当該クロロフルオロメチレン化合物における語句「クロロフルオロメチレン」は、前記−CHI−CFCl−部における−CFCl−部を表す。
本発明の製造方法によれば、前記ジフルオロメチレン化合物とともに、−CHX−CFX−部を有するジフルオロメチレン化合物もまた製造され得る。
従って、当該組成物は、前述の本発明の製造方法により製造できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
第1オートクレーブ(容量:200mL)にSCl 2.0mL(3.4g:25mmol)を仕込み、密閉後−78℃に冷却し、及び減圧にした後、IF 3.4mL(11g、50mmol)、ゆっくりと滴下した。
ドライアイスアセトン浴を外し、室温下に放置したところ、40分後に約0℃になったところで0.6MPaまで圧力が上昇し、これによりガスの発生が確認された。
第2オートクレーブにピルビン酸エチル2.9g(25mmol)、フッ化水素 0.5g(25mmol)及びジクロロメタン5mLを仕込み、−78℃に冷却し、及びオートクレーブ内部を減圧した後、これに第1オートクレーブを接続し、及び前記発生したガスを移送した。第1オートクレーブの圧力が大気圧以下まで下がったところでバルブを閉止し、第2オートクレーブを室温にして終夜で撹拌した。
反応液を採取し、NaHCOでクエンチした後、GC分析を行った。転化率は100%であり、及びCHCFCOEtが55%の選択率で得られた。
実施例2
オートクレーブ(容量:200mL)にIF・HF−ピリジンコンプレックス6.6g(20mmol)を仕込み、ジクロロメタン5mLを加えて溶液を調製した。この溶液を撹拌しながら、ピルビン酸エチル2.32g(20mmol)を加えた後、SCl 0.8ml(10mmol)を滴下した。発熱、及びガスの発生は認められなかった。オートクレーブを密閉した後、オイルバスで70℃に徐々に加熱したところ、20分後に0.4MPaまで圧力が上昇し、これによりガスの発生が確認された。加熱を停止し、室温で1時間撹拌した後、前記発生したガスを放出し、反応生成混合物を回収した。反応生成混合物をジクロロメタンで希釈し、亜硫酸カリウム水溶液で2回洗浄した。この溶液を硫酸マグネシウムで乾燥した後、GC及び19F−NMRにて分析した。転化率は100%であり、及びCHCFCOEtが73%の選択率で得られた。
実施例3
オートクレーブ(容量:200mL)にIF・HF−ピリジンコンプレックス 3.85g(12mmol)を仕込み、ジクロロメタン 2.5mLを加えて溶液を調製した。この溶液を撹拌しながら、ベンズアルデヒド 1.06g(10mmol)を加えた後、SCl 0.48mL(6mmol)を滴下した。発熱、及びガスの発生は認められなかった。
オートクレーブを密閉した後、オイルバスで70℃に徐々に加熱したところ、20分後に0.3MPaまで圧力が上昇し、これによりガスの発生が確認された。
3時間撹拌した後、前期発生したガスを放出し、反応生成混合物を回収した。反応生成混合物をジクロロメタンで希釈し、亜硫酸カリウム水溶液で2回洗浄した。
この溶液を、硫酸マグネシウムで乾燥した後、GC及び19F−NMRにて分析した。転化率は54%であり、及びPhCFHが73%の選択率で得られた。
実施例4
オートクレーブ(容量:200mL)にIF・HF−ピリジンコンプレックス 3.85g(12mmol)を仕込み、ジクロロメタン 2.5mLを加えて溶液を調製した。この溶液を撹拌しながら、2−デカノン 1.9mL(10mmol)を加えた後、SCl 0.48mL(6mmol)を滴下した。発熱、及びガスの発生は認められなかった。
オートクレーブを密閉した後、オイルバスで70℃に徐々に加熱したところ、20分後に0.2MPaまで圧力が上昇し、これによりガスの発生が確認された。
3時間撹拌した後、前期発生したガスを放出し、反応生成混合物を回収した。反応生成混合物をジクロロメタンで希釈し、亜硫酸カリウム水溶液で2回洗浄した。
この溶液を、硫酸マグネシウムで乾燥した後、GC及び19F−NMRにて分析した。転化率は91%であり、及びCHCF(CHCHが11%の選択率で得られた。
実施例5
オートクレーブ(容量:200mL)にIF・HF−ピリジンコンプレックス 3.85g(12mmol)を仕込み、ジクロロメタン 2.5mLを加えて溶液を調製した。この溶液を撹拌しながら、シクロヘキサノン 1.03mL(10mmol)を加えた後、SCl 0.48mL(6mmol)を滴下した。発熱、及びガスの発生は認められなかった。
オートクレーブを密閉した後、オイルバスで70℃に徐々に加熱したところ、20分後に0.3MPaまで圧力が上昇し、これによりガスの発生が確認された。
40℃で12時間撹拌した後、前期発生したガスを放出し、反応生成混合物を回収した。反応生成混合物をジクロロメタンで希釈し、亜硫酸カリウム水溶液で2回洗浄した。
この溶液を、硫酸マグネシウムで乾燥した後、GC及び19F−NMRにて分析した。転化率は84%であり、及び1,1−ジフルオロシクロヘキサンが27%の選択率で得られた。
実施例6
オートクレーブ(容量:200mL)にIF・HF−ピリジンコンプレックス 7.70g(24mmol)を仕込み、ジクロロメタン 10mLを加えて溶液を調製した。この溶液を撹拌しながら、p−トルイル酸 1.36g(10mmol)を加えた後、SCl 0.96mL(12mmol)を滴下した。発熱、及びガスの発生は認められなかった。
オートクレーブを密閉した後、オイルバスで70℃に徐々に加熱したところ、20分後に0.7MPaまで圧力が上昇し、これによりガスの発生が確認された。
120℃まで徐々に昇温し12時間撹拌した後、前期発生したガスを放出し、反応生成混合物を回収した。
反応生成混合物をジクロロメタンで希釈し、亜硫酸カリウム水溶液で2回洗浄した。
この溶液を、硫酸マグネシウムで乾燥した後、GC及び19F−NMRにて分析した。転化率は100%であり、及び酸4−メチルベンゾイルフロライドが81%、及び1−(トリフルオロメチル)−4−メチルベンゼンが19%の各選択率で得られた。

Claims (11)

  1. −CF−部を有するジフルオロメチレン化合物の製造方法であって、
    a)−C(O)−部を有するカルボニル化合物、
    b)所望により、アミン、
    c)式:MF(当該式中、Mは、周期表1族元素を表す。)で表されるフッ化物、
    d)式:XF(当該式中、Xは、塩素、臭素、又はヨウ素であり、及びnは、1〜5の自然数である。)で表されるハロゲン化フッ素化合物、及び
    e)塩化硫黄
    を混合する工程Aを含む
    製造方法。
  2. 前記−CF−部を有するジフルオロメチレン化合物が、式(1):
    11−CF−R12 (1)
    [式中、
    11は、R21、又はフッ素原子を表し、
    12は、R22、又はフッ素原子を表し、
    21、及びR22は、同一、又は異なって、
    (a)水素原子、
    (b)水酸基、又は
    (c)有機基
    を表すか、或いは
    これらが隣接する−CF−部と一緒になって環を形成していてもよい。
    但し、
    (i)R11、及びR12は、いずれも水酸基ではなく、且つ
    (ii)R11、及びR12、並びにR21、及びR22は、いずれも−O−を介して連結する有機基ではない。]
    で表されるジフルオロメチレン化合物
    であり、且つ
    前記a)カルボニル化合物が、式(2):
    21−C(O)−R22 (2)
    [式中の記号は前記と同意義を表す。]
    で表されるカルボニル化合物である、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記d)ハロゲン化フッ素化合物が、IFである請求項1、又は2に記載の製造方法。
  4. 前記b)アミン、及び前記c)フッ化物を混合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法
  5. 前記b)アミン、及び前記c)フッ化物として、これらから形成された塩が用いられる、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記b)アミン、前記c)フッ化物、及び前記d)ハロゲン化フッ素化合物として、これらから形成された複合体が用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記c)フッ化物がHFである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記工程Aが、
    前記d)ハロゲン化フッ素化合物を前記e)塩化硫黄と反応させる工程A1、及び
    前記a)カルボニル化合物を前記工程A1の反応生成物と反応させる工程A2
    を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記工程A1、及び前記工程A2がワンポットで実施される請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記工程A1、及び前記工程A2が逐次的に実施される請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記工程A1、及び前記工程A2が同時に実施される請求項9に記載の製造方法。
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