JP2018104384A - トラマドールおよびアセトアミノフェン含有経口製剤 - Google Patents

トラマドールおよびアセトアミノフェン含有経口製剤 Download PDF

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慎 井實
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Abstract

【課題】より良好な安定性を有するさらなるトラマドールおよびアセトアミノフェン含有経口製剤およびその製造方法、ならびにトラマドールの類縁物質形成の抑制方法の提供。【解決手段】(a)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)アセトアミノフェンおよび(c)結晶セルロースの混合物を含む顆粒を含有する経口製剤であって、経口製剤中のトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の全量およびアセトアミノフェンの全量が該顆粒に含まれる経口製剤。(1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、(2)得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、(3)得られた顆粒を、水分含量が0.5質量%以下となるまで乾燥する工程、ならびに(4)得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程を含む経口製剤の製造方法、またはトラマドールの類縁物質形成の抑制方法。【選択図】なし

Description

本発明は、トラマドールおよびアセトアミノフェンを含む経口製剤に関する。より詳細には、より良好な安定性を有するトラマドールおよびアセトアミノフェンを含む経口製剤、とりわけ錠剤に関する。
鎮痛作用を有するトラマドール(化学名:(1RS,2RS)−2−[(ジメチルアミノ)メチル]−1−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノール)は、ラットの脳を用いたインビトロ試験の結果から、中枢神経系で作用し、トラマドールおよびその活性代謝物のμ−オピオイド受容体への結合、ならびにトラマドールによるノルアドレナリンおよびセロトニンの再取り込み阻害作用が鎮痛作用に関与すると考えられている。
鎮痛作用を有するアセトアミノフェン(化学名:N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド)は、ラットを用いたインビボ試験の結果から、主に中枢神経系で作用し、N−メチル−D−アスパラギン酸受容体およびサブスタンスP受容体を介した一酸化窒素経路の阻害作用、脊髄のセロトニン受容体を介した間接的な作用などが、鎮痛作用に関与すると考えられている。
現在、トラマドールとアセトアミノフェンとは、併用剤として用いられており、単独で使用した場合に比べて、より少ない量で効果を得ることができ、またアセトアミノフェンよりも長い作用持続期間を有し、トラマドールより速効性がある。具体的には、非オピオイド鎮痛剤で治療困難な非がん性慢性疼痛や抜歯後の疼痛の治療薬として「トラムセット(登録商標)配合錠」の名称で販売されている。
特許文献1には、トラマドールおよびアセトアミノフェン併用剤における薬物のより長期の放出を可能にするため、トラマドールをカラギーナンと複合化したトラマドール複合体とアセトアミノフェンを含有する長期放出層とアセトアミノフェンと複合化されていないトラマドールとを含有する即時放出層とを有する2層錠剤が開示されている。
特許文献2は、疎水性コーティングをした徐放部と速放部を有する医薬組成物に関する発明に関するものであり、活性薬物として、アセトアミノフェンおよびトラマドールの組み合わせを用いることが開示されている。
特許文献3には、アセトアミノフェンを70〜85質量%含有する錠剤において、所定量の結晶セルロースおよび所定量のヒドロキシプロピルセルロースを造粒用混合粉末に用い、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を結合剤として湿式造粒を行うことにより、キャッピング等の打錠障害を抑制できることが記載されている。
特表2012−506907号公報 特表2013−507356号公報 特開2010−106014号公報
しかし、トラムセット(登録商標)においてはトラマドールやアセトアミノフェンの長期安定性について向上の余地がある。
また、特許文献1においては、トラマドールとアセトアミノフェンとを含む即時放出層用の顆粒における賦形剤として微結晶セルロースを用いているが、トラマドールやアセトアミノフェンの安定化に関する記載は一切なされておらず、また、複合化されているトラマドールとアセトアミノフェンとを含有する長期放出層の賦形剤としては、粉末セルロースを用いる例が記載されているのみであり、トラマドールやアセトアミノフェンの安定化については改善の余地があると考えられる。
さらに、特許文献2においては、徐放部に含む顆粒としてアセトアミノフェン、トラマドールおよび微結晶セルロースの混合物を含むものや(実施例4および69)、速放部に含む顆粒としてアセトアミノフェン、トラマドールおよび微結晶セルロースの混合物を含むもの(実施例10および11)が開示されているが、製剤におけるアセトアミノフェンおよびトラマドールの安定性に関する記載は一切なされていない。
そこで、本発明は、より良好な安定性を有するさらなるトラマドールおよびアセトアミノフェン含有経口製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩およびアセトアミノフェン併用経口製剤において、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩とアセトアミノフェンとの全量を結晶セルロースと混合状態において顆粒として含有させることにより、トラマドールの類縁物質の生成が抑制され、より安定な経口製剤が得られることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1](a)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)アセトアミノフェンおよび(c)結晶セルロースの混合物を含む顆粒を含有する経口製剤であって、経口製剤中のトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の全量およびアセトアミノフェンの全量が該顆粒に含まれる経口製剤、
[2]顆粒の水分含量が0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下である上記[1]記載の経口製剤、
[3]剤形が錠剤である上記[1]または[2]記載の経口製剤、
[4]剤形がフィルムコーティング錠剤であり、無包装で、温度60℃、湿度75%の環境下で14日間保存後のトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質量が、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の配合量の0.1%以下、好ましくは0.08%以下である上記[1]または[2]記載の経口製剤、
[5]剤形が錠剤であり、該錠剤の硬度が80〜150N、好ましくは80〜120Nである上記[1]、[2]および[4]のいずれかに記載の経口製剤、
[6]剤形が錠剤であり、該錠剤の摩損度が2%以下である上記[1]、[2]、[4]および[5]のいずれかに記載の経口製剤、
[7](1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、
(2)工程(1)で得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、
(3)工程(2)で得られた顆粒を、水分含量が0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下となるまで乾燥する工程、ならびに
(4)工程(3)で得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程
を含む経口製剤の製造方法、
[8]工程(4)において、乾燥顆粒を打錠して錠剤を製造する上記[7]記載の製造方法、ならびに
[9](1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、
(2)(1)で得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、
(3)(2)で得られた顆粒を、水分含量が0.5質量%以下、好ましくは0.4質量%以下となるまで乾燥する工程、ならびに
(4)(3)で得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程
を含むトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質形成の抑制方法
に関する。
本発明によれば、トラマドールおよびアセトアミノフェンの有効成分をすべて結晶セルロースと混合状態にて含有させることにより、類縁物質の生成を抑制し、より良好な安定性を有するトラマドールおよびアセトアミノフェン含有経口製剤を得ることができる。
本発明は、活性薬物としてトラマドールおよびアセトアミノフェンを含有する経口製剤において、賦形剤として結晶セルロースをこれら活性薬物の全量と共に混合状態において顆粒として含有させることを特徴とする。これにより、経口製剤中でトラマドールおよびアセトアミノフェンがいずれも結晶セルロースと接して、均一な混合物として存在することとなり、良好な安定性を有する経口製剤を得ることができる。
本発明においては、活性薬物を、賦形剤として結晶セルロースを用いた顆粒として含有させることにより、粉末セルロースを用いた場合と比較して、活性薬物の安定性を向上させることができ、特にトラマドールの類縁物質の生成を抑制することができる。活性薬物を含有する顆粒は、造粒後、製剤化に際して水分量を(好ましくは0.5質量%以下に)調整するため乾燥する必要があるが、結晶セルロースを用いることにより、より短時間で所望の水分量に調整することができることがこの安定性向上効果の一因であると考えられる。
また、好ましい態様においては、得られる経口製剤を錠剤とした場合、良好な錠剤硬度を得ることができ、摩損度についても良好なものを得ることができる。
本発明の経口製剤の活性薬物の一つは、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩であり、トラマドールの薬学的に許容され得る塩としては、塩酸塩が好ましく使用される。トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩は、中枢神経系において作用し、鎮痛効果を奏する。
本発明の経口製剤における、トラマドールの量は、通常、成人には1日75mg投与されるが、得られる経口製剤を錠剤とした場合、その服用のしやすさを考慮して、トラマドール塩酸塩として1錠剤中に37.5mg(1日2錠投与)であることが好ましい。
本発明の経口製剤のもう一つの活性薬物は、アセトアミノフェンであり、中枢神経系において作用し、鎮痛効果を奏する。
本発明の経口製剤における、アセトアミノフェンの量は、通常、成人には、1日650mg投与されるが、得られる経口製剤を錠剤とした場合、その服用のしやすさを考慮して、1錠剤中に325mg(1日2錠投与)であることが好ましい。
本発明に用いる結晶セルロースとしては、一般にパルプなどの繊維性植物から得られたα−セルロースを酸で部分的に解重合して精製したものをいい、医薬品製造の分野において粉末セルロースとは区別されるものを意味する。医薬品添加物として一般に使用されているものなど、本発明の効果を達成できるものであれば特に限定されるものではなく、市販品を用いることができる。
本発明の経口製剤(好ましくは顆粒中)における結晶セルロースの含有量は、得られる経口製剤を錠剤とした場合、賦形剤としての用途に用いられる範囲内で特に限定されるものではない。ただし、アセトアミノフェンの含量が一般的な経口製剤と比較しても多いため、服用のしやすさに鑑みると、結晶セルロースの含有量は、一般的な経口製剤よりも少なめにすることが好ましく、例えば1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
本発明の経口製剤に含有させる、(a)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)アセトアミノフェンおよび(c)結晶セルロースの混合物を含む顆粒には、その他、崩壊剤、結合剤など、この技術分野において通常使用される種々の添加剤を含有させることができる。
崩壊剤としては、特に限定されるものではないが、例えばトウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、乳糖、クエン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルスターチなどが挙げられる。なかでもトラムセット(登録商標)配合錠と同等以上の品質を担保できる点から、同製剤に使用されているトウモロコシデンプンなどが好ましい。
顆粒に崩壊剤を使用する場合の顆粒中の含有量は、用いる崩壊剤の種類に応じて異なり、特に限定されるものではない。ただし、アセトアミノフェンの含量が一般的な経口製剤と比較しても多いため、服用のしやすさに鑑みると、崩壊剤の顆粒中の含有量は、一般的な経口製剤よりも少なめにすることが好ましく、例えば、1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%である。
結合剤としては、特に限定されるものではないが、例えばアルファ化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ゼラチン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、キサンタンガム、アラビアゴム末、部分けん化ポリビニルアルコール、プルラン等が挙げられる。なかでもトラムセット(登録商標)配合錠と同等の品質を担保できる点から同製剤に使用されているアルファ化デンプンが好ましい。
顆粒に結合剤を使用する場合の顆粒中の含有量は、用いる結合剤の種類に応じて異なり、特に限定されるものではない。ただし、アセトアミノフェンの含量が一般的な経口製剤と比較しても多いため、服用のしやすさに鑑みると、一般的な経口製剤よりも少なめにすることが好ましく、例えば、1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%である。
本発明の経口製剤は、活性薬物であるトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、およびアセトアミノフェン、賦形剤である結晶セルロースならびにその他の添加剤を含有する顆粒に加えて、その他の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味料、香料、安定化剤、流動化剤など、この分野で通常使用される種々の添加剤を含むことができる。
その他の賦形剤としては、特に限定するものではなく、例えば、糖アルコール類、糖類、リン酸カルシウム類、デンプン類、リン酸ナトリウム類およびゼラチンなどが挙げられるが、本発明の経口製剤においては結晶セルロース以外の賦形剤は用いないことが好ましい。
崩壊剤としては、上述の顆粒に使用する崩壊剤として挙げたものを使用することができ、なかでもトラムセット(登録商標)配合錠と同等の品質を担保できる点からデンプングリコール酸ナトリウムが好ましい。
顆粒外で崩壊剤を使用する場合の経口製剤におけるその含有量は、用いる崩壊剤の種類に応じて異なり、特に限定されるものではない。ただし、アセトアミノフェンの含量が一般的な経口製剤と比較しても多いため、服用のしやすさに鑑みると、一般的な経口製剤よりも少なめにすることが好ましく、例えば、1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
滑沢剤としては、特に限定されるものではないが、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、軽質無水ケイ酸、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、タルクなどが挙げられる。なかでもトラムセット(登録商標)配合錠と同等の品質を担保できる点からステアリン酸マグネシウムが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上混合して用いてもよい。
滑沢剤を使用する場合の経口製剤におけるその含有量は、用いる滑沢剤の種類に応じて異なり、特に限定されるものではないが、通常、0.1〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。
甘味剤、香料、安定化剤、流動化剤などの添加剤は、特に限定されるものではなく、当該技術分野において通常使用されるものが用いられ、その経口製剤中の含有量も用いる添加剤の種類に応じて当業者が適宜設定することができる。
本発明の経口製剤は、(a)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)アセトアミノフェンおよび(c)結晶セルロースの混合物を含む顆粒を含有するものであり、例えば、この顆粒を充填したカプセルや、この顆粒に必要に応じて添加剤を加えたのち打錠して得られる錠剤を意味する。本発明の経口製剤の剤形としては、服用がしやすい点から錠剤とすることが好ましい。錠剤は、糖衣錠や機能性高分子によるフィルムコーティング錠などのコーティング錠としてもよい。
本発明の経口製剤がフィルムコーティング錠である場合、本発明のフィルムコーティング錠は安定であり、好ましい態様においては、無包装で、温度60℃、湿度75%の環境下で14日間保存後のトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質量が、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の配合量の0.1%以下であり、さらに好ましい態様においては0.08%以下である。
また、本発明の経口製剤が錠剤である場合、本発明の錠剤は良好な硬度を有し、80〜150N、好ましくは80〜120Nの硬度を有する。また、本発明の錠剤は、良好な摩損度を示し、好ましい態様においては、例えば10kNの打錠圧で打錠した錠剤の摩損度は、2%以下である。なお、硬度は錠剤硬度計を用いて一般的な方法により測定した値であり、摩損度は日本薬局方参考情報「錠剤の摩損度試験法」に準拠して、錠剤摩損度試験機により、回転数25rpm、30分撹拌後の錠剤を測定した値である。
本発明の経口製剤は、製剤分野において公知の方法により製造することができる。例えば、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを必要に応じて崩壊剤などの添加剤と共に混合し、流動層造粒機に入れ、結合剤などを含む造粒液を用いて、流動層造粒などにより造粒し、乾燥、整粒する。錠剤を製造する場合には、得られた顆粒に賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、香料などのその他の添加剤を混合した後、打錠することによって製造することができる。打錠方法は、特に限定されるものではなく、例えば、打錠用臼、打錠用上杵および下杵を用いて、油圧式ハンドプレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などにより行う方法などを用いることができる。打錠は、得られる錠剤が、適度な硬度を有するように行えばよい。打錠圧は、打錠方法、打錠に用いる機器、錠剤の大きさ、医薬成分の種類などに応じて適宜調整されるが、通常、5〜20kN、好ましくは8〜15kNである。
このようにして得られた錠剤は、従来の技術を用いてさらに加工することができる。最終的な製剤の溶出特性に影響を与えない、本技術分野において一般的な、適切なコーティングをすることができる。コーティング剤には、ヒプロメロース、マクロゴール、ポリソルベート、ポリビニルアルコールなどを使用することができる。また、酸化チタン、三二酸化鉄などの着色剤、カルナウバロウなどの光沢化剤などを適宜コーティング剤に添加することができる。また、糖衣錠とすることもできる。
このようにして得られる錠剤の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円盤状、ドーナツ状、多角形板状、球状、楕円状、カプレット状などの形状とすることができる。大きさは、できるかぎり小型にする方が好ましい。
本発明の一実施態様であるトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、およびアセトアミノフェンを含有する経口製剤の製造方法は、(1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、(2)工程(1)で得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、(3)工程(2)で得られた顆粒を、水分含量が0.5%以下となるまで乾燥する工程、ならびに(4)工程(3)で得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程を含むものであり、工程(3)において顆粒を水分含量が0.5%以下となるまで乾燥することを特徴とする。この顆粒の水分含量は、得られる経口製剤におけるトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンの類縁物質の生成を抑制する点からある程度低く抑える必要があり、0.5%質量以下とすることが好ましく、0.4質量%以下とすることがより好ましい。一方、水分含量をより低くするためには、乾燥工程において、高温で加熱する、または長時間加熱するといったことが必要となり、そのような乾燥工程により類縁物質の生成が促進される恐れがある。このため、水分含量が0.5%を下回るように、乾燥工程の条件を決定することが好ましい。乾燥工程は、72〜78℃の範囲で、5〜40分程度行うことが好ましい。
上記製造方法においては、工程(1)の混合工程は、特に限定されるものではないが、商業的に生産する場合は、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを、崩壊剤などのその他の添加剤と合わせて種々の混合機を用いて混合することにより行うことができ、均一になるまで行うことが好ましい。
工程(2)の造粒工程は、特に限定されるものではなく、乾式造粒および湿式造粒など、製剤分野において通常使用される造粒法を用いることができるが、製造が容易である点から湿式造粒が好ましく、遠心流動層造粒法、流動層造粒法、転動撹拌流動層造粒法などによって、造粒することにより得られるが、転動流動型コーティング造粒機を用い、結合剤を含む造粒液を噴霧しながら転動流動造粒するのがより好ましい。
工程(3)の顆粒の乾燥工程は、上述した通り、所望の水分含量となるまで顆粒を乾燥するものであるが、その方法は特に限定されるものではなく、乾燥機による乾燥、または流動層造粒機における乾燥機能を用いて行うことができる。乾燥条件は、例えば流動層造粒機を用いて行う場合、吸気温度72〜78℃、吸気風量0.5〜1.5m3/分、乾燥時間5〜40分が好ましい。また、乾燥後に整粒工程を設けることが好ましい。整粒工程は、得られた乾燥造粒物を、例えば目開き500〜1,200μmの篩にて、篩過することにより行うことができる。
工程(4)の経口製剤の製造工程は、目的の剤形に合わせて、特に限定されることなく、製薬分野の一般的な方法により行うことができる。例えば、錠剤を製造する場合、工程(3)において得られた乾燥した顆粒に、崩壊剤、滑沢剤などの添加剤を加えて混合したものを打錠することにより得ることができる。打錠方法は、特に限定されるものではなく、例えば、打錠用臼、打錠用上杵および下杵を用いて、油圧式ハンドプレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などにより行う方法などを用いることができる。打錠は、得られる錠剤が、適度な硬度を有するように調節して行う。打錠圧は、打錠方法、打錠に用いる機器、錠剤の大きさ、医薬成分の種類などに応じて適宜調整される。
本発明の別の一実施態様であるトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質形成の抑制方法は、(1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、(2)(1)で得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、(3)(2)で得られた顆粒を、水分含量が0.5%以下となるまで乾燥する工程、ならびに(4)(3)で得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程を含むものであり、工程(3)において顆粒を水分含量が0.5%以下となるまで乾燥することを特徴とする。この顆粒の水分含量は、得られる経口製剤におけるトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンの類縁物質の生成を抑制する点からある程度低く抑える必要があり、0.5質量%以下とすることが好ましく、0.4質量%以下とすることがより好ましい。一方、水分含量をより低くするためには、乾燥工程において、高温で加熱する、または長時間加熱するといったことが必要となり、そのような乾燥工程により類縁物質の生成が促進される恐れがある。このため、水分含量が0.5%を下回れば、乾燥工程を終了することが好ましい。乾燥工程は、72〜78℃の範囲で、5〜40分程度行うことが好ましい。
上記トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質形成の抑制方法における工程(1)〜工程(4)は、すべて上記経口製剤の製造方法において説明した通りである。
上述の「経口製剤」についてした説明は、特に矛盾のない限り、「経口製剤の製造方法」および「トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質形成の抑制方法」についても、同様に適用されるものとし、また「経口製剤の製造方法」および「トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質形成の抑制方法」についてした説明も、上述の「経口製剤」にも必要に応じて同様に適用されるものとする。
本明細書において、顆粒の水分含量は、顆粒3.0gを105℃の条件下で乾燥した際の乾燥減量をハロゲン水分計を用いて測定した測定値を、測定する顆粒3.0gを100%として算出した値(質量%)である。
以下、本発明を実施例にもとづき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることを意図するものではない。
実施例において使用した試薬の詳細を以下に記載する。
結晶セルロース:旭化成(株)製のKG−802
トウモロコシデンプン:日本食品化工(株)製の日食コーンスターチW
α化デンプン:日澱化學(株)製のアミコール(登録商標)C
デンプングリコール酸ナトリウム:ロケットジャパン(株)製のGLYCOLYS(登録商標)
ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業(株)
ヒプロメロース:信越化学工業(株)製のTC−5E
マクロゴール400:BASF社製のKollisolv PEG400
酸化チタン:石原産業(株)製のタイペーク(登録商標) A100
ポリソルベート80:和光純薬工業(株)
黄色三二酸化鉄:癸巳化成(株)
実施例1
表1の組成にしたがい、トラマドール塩酸塩45.0g、アセトアミノフェン390.0g、結晶セルロース30.0gおよびトウモロコシデンプン12.0gを袋混合した後、転動流動型コーティング造粒機((株)パウレック製のP−01)に投入した。次に、アルファ化デンプン22.8gを含む4.5質量%水溶液を結合剤液として別途調製し、この結合剤液502.8mLを混合物に噴霧しながら造粒した(温度:75℃、噴霧速度:3.5〜7.0g/分)。
造粒物の総質量を100%とし、乾燥減量をハロゲン水分計を用いて測定し、その値が0.5質量%以下となるまで、造粒物を流動層造粒機にて乾燥した(乾燥条件:吸気温度75℃、吸気風量約0.8m3/分)。乾燥時間は10分を要した。なお、乾燥減量測定の際の乾燥は、造粒物3.0g、105℃で行った。
得られた造粒物を目開き850μmの篩にて篩過することで整粒した。得られた造粒物449.82g、デンプングリコール酸ナトリウム10.8gを袋混合した後、さらにステアリン酸マグネシウム3.78gを添加して袋混合した。
得られた混合物をロータリー打錠機((株)菊水製作所製のVIRG)において、打錠圧10kNにて打錠して、430.0mgの錠剤を製造した。
実施例2
実施例1と同様にして得られた錠剤を、錠剤コーティング機(フロイント産業(株)製のハイコーター HCT−30)に投入し、ヒプメロース17.74g、マクロゴール400 0.5g、酸化チタン0.99gおよび黄色三二酸化鉄0.08gを含むフィルムコーティング液306mLを噴霧し、フィルムコーティング錠を得た。
比較例1
結晶セルロースを粉末セルロースに変更した以外は、実施例1と同様にして錠剤を得た。ただし、顆粒の乾燥には同条件で30分を要した。
比較例2
結晶セルロースを粉末セルロースに変更した以外は、実施例2と同様にしてフィルムコーティング錠を得た。ただし、顆粒の乾燥には同条件で30分を要した。
Figure 2018104384
試験例1:安定性試験
実施例2および比較例2のフィルムコーティング錠を、無包装で、苛酷条件(温度60℃、湿度75%)下保存した。保存開始前(0日)、保存開始から7日後および14日後に類縁物質量の測定を行った(各n=3)。類縁物質量の測定は、HPLCを用いて、以下の条件にて行った。結果を表2に示す。
移動相:THF:トリエチルアミン:水:トリフルオロ酢酸=8:0.1:92:0.1
検出器:UV 216nm
カラム:4.6×150mm、5μm、フェニルカラム(L11)
カラム温度:50℃付近の一定温度
流速:1.0mL/分
測定時間:20分
注入量:30μL
Figure 2018104384
この結果から、特にトラマドール塩酸塩の類縁物質が実施例2のフィルムコーティング錠と比較して比較例2のフィルムコーティング錠の方が保存開始前(0日)の時点で類縁物質に大きく差が出ていた。さらに、保存14日においては比較例2のフィルムコーティング錠は0.1%を超える類縁物質量となった。
試験例2:硬度試験
実施例1および比較例1の錠剤における錠剤硬度を、錠剤硬度計(Parmatron製のMultiTest50)を用いて測定した。
結果を表1に示す。実施例1の錠剤の方が比較例1の錠剤よりも硬度が高かった。
試験例3:摩損度試験
実施例1および比較例1の錠剤における摩損度を、日本薬局方参考情報「錠剤の摩損度試験法」に準拠して測定した。錠剤摩損度試験機(萱垣医理科工業(株)製)を用いて、回転数25rpmで30分撹拌後の核錠剤の摩損度を測定した。
結果を表1に示す。実施例1の錠剤の方が、比較例1の錠剤より摩損が大きく抑制された。

Claims (9)

  1. (a)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、(b)アセトアミノフェンおよび(c)結晶セルロースの混合物を含む顆粒を含有する経口製剤であって、経口製剤中のトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の全量およびアセトアミノフェンの全量が該顆粒に含まれる経口製剤。
  2. 顆粒の水分含量が0.5質量%以下である請求項1記載の経口製剤。
  3. 剤形が錠剤である請求項1または2記載の経口製剤。
  4. 剤形がフィルムコーティング錠剤であり、無包装で、温度60℃、湿度75%の環境下で14日間保存後のトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質量が、トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の配合量の0.1%以下である請求項1または2記載の経口製剤。
  5. 剤形が錠剤であり、該錠剤の硬度が80〜150Nである請求項1、2および4のいずれか1項に記載の経口製剤。
  6. 剤形が錠剤であり、該錠剤の摩損度が2%以下である請求項1、2、4および5のいずれか1項に記載の経口製剤。
  7. (1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、
    (2)工程(1)で得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、
    (3)工程(2)で得られた顆粒を、水分含量が0.5質量%以下となるまで乾燥する工程、ならびに
    (4)工程(3)で得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程
    を含む経口製剤の製造方法。
  8. 工程(4)において、乾燥顆粒を打錠して錠剤を製造する請求項7記載の製造方法。
  9. (1)トラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩、アセトアミノフェンおよび結晶セルロースを混合する工程、
    (2)(1)で得られた混合物を造粒し、顆粒を得る工程、
    (3)(2)で得られた顆粒を、水分含量が0.5質量%以下となるまで乾燥する工程、ならびに
    (4)(3)で得られた乾燥顆粒を用いて経口製剤を製造する工程
    を含むトラマドールまたはその薬学的に許容され得る塩の類縁物質形成の抑制方法。
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