JP2018104071A - パウチ用フィルム成形体 - Google Patents

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【課題】液膜を形成する液体を内部に有しているが、外面側に液膜を形成する液体が付着していないパウチ用フィルム成形体を提供する。【解決手段】互いに対面するフィルム1、3の表面の間に空隙が形成されているパウチ用フィルム成形体10において、前記空隙には、該空隙に収容されるべき内容物に対して潤滑性を示す液体7が充満していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、パウチ(袋状容器)の製造に使用されるフィルム成形体に関するものである。
フィルムを貼り合せてなる袋状容器(パウチ)は、この容器を押し潰すことにより容易に内容物を排出することができるため、各種飲料のみならず、特に粘稠な内容物、例えば、調味用ソース、とろみをつけた介護用食品、離乳食、詰替用シャンプー等、スラリー或いはペースト状の内容物を収容するための容器として広く利用されている。
ところが、上記のような粘稠な内容物は、容器の内面に付着残存し易く、容器内に充填された内容物を最後まで使い切ることが難しいという問題がある。このため、容器の内面に内容物に対して潤滑性を示す液体の膜を形成することが提案されている。
例えば、特許文献1には、流動パラフィンや食用油等の油性液体の膜が内面に形成されている包装容器が提案されており、この包装容器として、フィルムを貼り合せてなる袋状容器(パウチ)も記載されている。
内面に液膜が形成されている包装容器は、例えばボトルなどの容器では、一般に、空容器を成形し、次いで、この空容器内に液膜を形成する液体をスプレー等により施し、次いで内容物を充填し、キャッピングを行って使用に供される。この場合、内容物の販売メーカーには、液膜が内面に形成されている空容器の状態で容器メーカーから納入され、販売メーカー側で内容物の充填及びキャッピングが行われるのが一般的である。
一方、パウチの場合には、容器メーカーでは開口部を有している空のパウチを成形し、これを販売メーカーに納入し、販売メーカー側でスプレー等により空のパウチの内面に液膜を形成し、次いで、内容物の充填及び開口部のシールあるいは注出具(スパウト)を装着し、販売に供するという流通経路が採用される。すなわち、パウチ内面に液膜を形成した状態で販売メーカーに納入するという手段は通常採用されない。空のパウチの内面に液膜を形成する作業は、ぴったりと貼り付けているフィルムを引き剥がし、パウチ内に液体が充填される空隙を形成しなければならないなど、極めて面倒な作業であるため、当然、このような面倒な作業は、容器メーカーに要求されるからである。
ところで、内面に液膜が形成されているパウチを作成する場合、パウチ用の長尺フィルムをロールで巻き取る過程で、スプレー塗布やロール塗布等の手段で長尺フィルムの一方の面に液膜を形成し、この後、このような長尺フィルムをロール出しし、適宜裁断し、2枚のフィルムを液膜が内面となるようにしてヒートシールにより接合するという作業が行われる。このため、得られた空のパウチの外面に液膜を形成する液体が付着しているという問題を生じる。一方の面に液膜が形成されている長尺フィルムをロールで巻き取ったときに、ロール上で長尺フィルムが重なり合うため、他方の面に液膜が裏移りしてしまうからである。
特許第5971337号
従って、本発明の目的は、液膜を形成する液体を内部に有しているが、外面側に液膜を形成する液体が付着していないパウチ用フィルム成形体を提供することにある。
本発明によれば、互いに対面するフィルム面の間に空隙が形成されているパウチ用フィルム成形体において、
前記空隙には、該空隙に収容されるべき内容物に対して潤滑性を示す液体が充満していることを特徴とするパウチ用フィルム成形体が提供される。
尚、本発明において、空隙に液体が充満しているということは、空隙内の液体中に空気層が形成されていないことを意味する。
本発明のフィルム成形体においては、
(1)前記空隙は、互いに対面するように配置された2枚のフィルムの3方シール或いは2方シールにより形成されていること、
(2)前記空隙を形成している前記フィルムの内面が、微細突起が分布した粗面となっていること、
(3)前記液体が、前記空隙を形成している前記フィルムの内表面積当り0.1〜100g/mの量で充填されていること、
(4)前記2枚のフィルムが長尺フィルムであり、前記空隙が、該長尺フィルムの長手方向に多数配列して設けられていること、
(5)ロールに巻回されて保持されていること、
が好適である。
本発明のパウチ用フィルム成形体は、互いに対面するフィルム面が形成する空隙中に内容物に対して潤滑性を示す液体(潤滑性液膜形成用液体)が充満しているという点に顕著な特徴を有している。
このような構造を有するパウチ用フィルム成形体は、例えば、互いに対面するように配置された2枚の長尺フィルムを部分的にヒートシールし、この状態で前記液体をスプレー等により2枚の長尺フィルムが形成する空隙中に充填することにより、作成することができる。このように長尺フィルムを用いて本発明のパウチ用フィルム成形体を作成したとき、この成形体は、長尺フィルムの長手方向に沿って多数配列されて得られ、この結果、これをロールに巻き取ったとき、前記液体の裏移りの問題は完全に防止されている。すなわち、ロールに巻き取られていた状態において、液体が長尺フィルムの外面に接触することがないからである。
従って、本発明のパウチ用フィルム成形体は、外面が液体で汚染されていない状態で容器内容物販売メーカーに納品することができ、工業的に極めて有用である。
しかも、本発明のパウチ用フィルム成形体では互いに対面するフィルム同士の間に液体が介在しているため、これらフィルム同士が貼り付いてしまうという不都合が有効に防止されており、内容物の充填作業を容易に行うことができるという利点も有している。
本発明のパウチ用フィルム成形体の側断面を示す概略図 図1のフィルム成形体の使用形態を説明するための図 図1のフィルム成形体の部分拡大図 本発明のパウチ用フィルム成形体の配列パターンを示す図
本発明のパウチ用フィルム成形体の最も好適な対応を示す図1を参照して、全体として10で示すパウチ用フィルム成形体は、互いに対面するように配置されているフィルム1、3とからなっており、これらフィルム1、3はその端部でのヒートシールにより貼り合わされている。すなわち、貼り合わされている部分がシール面5となっている。また、貼り合わされていないフリーの対面部分に形成されている空隙内には液体7が充満している。
このようなフィルム成形体10は、図2に示されているように、液体7が充満している部分においてフィルム1、3の先端部1a、3aを開き、形成された空間11内に内容物を充填し、開口部9(フィルム端部1a、3a)をヒートシールにより閉じるか、あるいはこの部分にスパウトを装着して販売に供される。このようにして得られるパウチでは、図2から理解されるように、その内面に前記液体7による薄い液膜13が形成されており、パウチ内に充填された内容物(図示せず)が液膜13に接触するように保持されている。すなわち、パウチ内に充填された内容物に対して潤滑性を示す液体7により液膜13が形成されているため、この内容物を速やかに排出することが可能となる。
上述したフィルム成形体10において、フィルム1、3はその内面がヒートシール性を有している熱可塑性樹脂により形成されている限り、単層構造であってもよいし他の樹脂あるいはアルミ箔等の金属箔を含む多層構造を有していてもよい。
上記の熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル系共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフエニレンオキサイド樹脂;ポリ乳酸など生分解性樹脂;などを使用することができる。勿論、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を使用することもできる。
本発明において、最も好適な樹脂は、液膜13を形成する液体との親和性が比較的高く、かつ袋としての柔軟性が良好であるという観点からオレフィン系樹脂、特にポリエチレンまたはポリプロピレンである。
また、フィルム1、3が多層構造を有する場合、上記のヒートシール性の熱可塑性樹脂により最内層および最外層を形成し、中間層として、アルミニウム箔等の金属箔や、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)や芳香族ポリアミドなどのガスバリア性樹脂を用いて形成されるガスバリア層であることが好ましく、特にエチレンビニルアルコール共重合体を用いて形成されていることが最も好適である。即ち、中間層形成用の樹脂としてガスバリア性樹脂を用いることにより、中間層に酸素バリア性を付与することができ、特にエチレンビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、酸素透過による内容物の酸化劣化をも有効に抑制することができ、優れた内容物保存性を確保することができる。
また、上記のようなガスバリア性樹脂を中間層として用いる場合には、内外層との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、接着剤樹脂層を介して中間層を設けることが好ましい。これにより、中間層をしっかりと内外層に接着固定することができる。このような接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
さらに、上述した単層構造あるいは多層構造の形成に使用される各種の樹脂にはそれ自体公知の各種添加剤が配合されていてもよい。多層構造は、ドライラミネーション、コーティング、溶融共押し出しなどの通常の方法により得ることができる。
また、単層構造のフィルム1、3の厚みあるいは多層構造中の各層の厚みは、最終的に形成されるパウチの柔軟性等の特性が損なわれない範囲で各層に要求される特性が発揮されるような厚みに設定されていればよい。
尚、図1におけるシール面5は形成されていない場合もある。すなわち、フィルム1、3は一般に、キャスト法、Tダイ法、カレンダー法又はインフレーション法などの通常の方法により成形したフィルムにより成形される。したがって、インフレーション法以外の方法でフィルム1、3を成形する場合には、ヒートシールによりフィルム1、3を貼り合せることが必要であり、結果としてシール面5が形成されることとなる。しかし、インフレーション法により成形されるフィルムは、チューブ状の形態を有しており、フィルム1、3が一体とした形態で得られる。従って、インフレーション法によりフィルムを成形した場合には、シール面5は形成されず、内部に内容物を充填した後にヒートシールが行われることとなる。
さらに、液体7としては、当然、大気圧下での蒸気圧が小さい不揮発性の液体、例えば沸点が200℃以上の高沸点液体でなければならない。揮発性液体を用いた場合には、容易に揮散して経時と共に消失し、液膜13を形成することが困難となってしまうからである。
このような液体の具体例としては、上記のような高沸点液体であることを条件として、種々のものを挙げることができるが、特に表面張力が、パウチ内に充填される内容物(滑り性の対象となる物質)と大きく異なるものほど、潤滑効果が高く、本発明には好適である。例えば、水や水を含む親水性物質に対する滑り性を高めるには、表面張力が16乃至40mN/m、特に16乃至35mN/mの範囲にある液体を用いるのが良く、フッ素系界面活性剤、シリコーンオイル、脂肪酸トリグリセライド、各種の植物油などが代表的である。植物油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが好適に使用できる。
上述した各種材料から形成されている本発明のパウチ用フィルム成形体10は、図1から明らかなように、パウチ内に内容物を充填する前の形態を有しているものであり、輸送性等の観点から、偏平状の形態を有している。従って、フィルム1、3の間に保持されている液体7の内部には空気層が形成されておらず、フィルム1、3の間の空隙に液体7が充満している状態にある。
上記の液体7は、最終的に形成されるフィルム1、3間に内容物が充填された状態で滑り性が発揮し得る程度の厚みの液膜13が形成される程度の量でフィルム1、3間に充満していればよく、例えば、フィルム1、3の内表面積あたり、0.1〜100g/m、特に0.5〜50g/mの量でフィルム成形体10内に存在していることが好適である。この量が少ないと、この成形体10の開口部9(フィルム端部1a、3a)を開いて内容物を充填するとき液膜13の厚みのバラツキが大きくなり、また、滑り性を発揮し得る液膜厚みを確保することが困難となる傾向がある。また、過度な量で液体7を充満させた場合には、滑り性がさらに向上するわけではなく、液体7に要するコストが高くなったり、あるいは、パウチ内に収容される内容物の量が少なくなってしまうおそれがある。
上述した本発明のパウチ用フィルム成形体10は、フィルム1、3間の空隙に液体7が充満しており、この形態で輸送を行った場合、この成形体10の外面が液体7で汚染されないという利点を有するものであるが、この利点を最大限に発揮させるために、図3の部分拡大図に示されているように、フィルム1および3の内面1b、3bが微細突起が分布した粗面となっていてもよい。例えば、その表面粗さが所定のRa(JIS‐B‐0601‐1994)の範囲に調整される。すなわち、フィルム1、3の内面1b、3bが粗面となっていることにより、充満している液体7が成形体10内に安定に保持されており、この液体7の脱落による外面の汚染が有効に防止されるからである。また、このような粗面が形成されているとき、該内面1b、3bと液体7との間に微小な隙間15(空気層)が形成され、これにより、内容物を充填する際の開口部9(フィルム端部1a、3a)での引き剥がしを一層容易に行うことができ、内容物の充填作業を効率よく行うことが可能となる。
上記のようなフィルム1、3の内面1b、3bの粗面化は、特許文献1に記載されているような公知の方法で行うことができる。
例えば、金型、ロール転写、エンボス加工、噴霧等の機械的手段、フォトリソグラフィーやレーザー光を用いてのエッチング等の光学的手段、微粒子(金属酸化物微粒子やポリマー微粒子)や多孔質体を塗布乃至混合(練り込み)又は溶液に配合させての塗布乃至浸漬、結晶性添加剤を塗布乃至混合(練り込み)又は溶液に配合させて塗布乃至浸漬、多孔質シート(例えば不織布)のラミネート、樹脂の結晶化を利用した方法等により粗面化を行うことができる。
一般的には、上記内面1b、3bを形成する樹脂に、金属酸化物微粒子やポリマー微粒子などの微粒子をある程度の量で配合(内添)しておけば、その粉末の粒径に応じた内径を有する凹部若しくは突起(突起の間が凹部となる)が、フィルムの表面に形成される。また、結晶性の添加剤を内面形成用樹脂に配合しておけば、冷却時に、該添加剤が結晶化して成形されたフィルムの表面に析出し、これにより、前述した表面粗さRaを有する粗面を形成することができる。
上記の酸化物微粒子としては、例えば酸化チタン、アルミナ、シリカなどが使用され、また、ポリマー微粒子としては、ポリメチル(メタ)アクリレート硬化物などが代表的であり、これらは、通常、フィルム内面1b、3bを形成する樹脂(例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂)100重量部当り0.2乃至5重量部程度の量で配合される。
また、結晶性添加剤としては、各種ワックス類、例えばキャンデリラワックス、カルナウバワックス、蜜蝋、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスを例示することができる。このような結晶性添加剤は、容器内面を形成する樹脂100重量部当り0.2乃至10重量部程度の量で配合される。
上述した本発明のパウチ用フィルム成形体10は、所定のサイズに裁断されたフィルムを2枚使用し、これらのフィルムを重ね合わせ、その周縁部をヒートシールにより袋状に接合し(製袋)、その開口部9(フィルム端部1a、3a)からスプレー等により所定量の液体7を充填することによって製造することもできるし、また、インフレーション成形で得られたフィルムは、先にも述べたように、チューブ状の形態を有しているため、ヒートシールによる接合を行うことなく、そのまま、チューブ内空間に液膜13を形成する液体7をスプレー等により充填し、次いで、このチューブ状(袋状)のフィルムを押し潰すことにより製造することもできる。
しかるに、本発明のパウチ用フィルム用成形体10の利点を最大限に活用するためには、押出成形等により得られた長尺フィルムを利用し、2枚の長尺フィルムを重ね合わせてロールで巻き取るに際し、所定の部位にヒートシールを行っての製袋と液体7の充填とを行うことが好ましい。即ち、製袋されたフィルム間隙に液体7が充満している状態で巻き取られるため、液体7による裏移りの問題が有効に防止されることとなる。
尚、このように2枚の長尺フィルムを用いての製袋により本発明のパウチ用フィルム成形体10を製造する場合、はじめにヒートシールによる製袋を行った後、スプレー等により製袋されたフィルム間に液体7を充填し、ロールにより巻き取ることもできるし、一方の長尺フィルムの表面に液体7をスプレーやロール等により塗布し、この後、ヒートシールによる製袋を行って、ロールにより巻き取ることもできる。
上記のように、2枚の長尺フィルムを用いて本発明のパウチ用フィルム成形体10を製造する場合、このフィルム成形体10は多数のものが配列された状態で連続的に得られる。この配列パターンの例を図4に示した。
図4において、ヒートシールによる接合部が図1と同様5で示され、フィルム成形体10の開口部は9で示されている。
図4(a)の例では、3方シールにより製袋されたフィルム成形体10が2列に並んで長手方向に連続に連なっている。
図4(b)の例では、3方シールにより製袋されたフィルム成形体10が1列で長手方向に連続的に連なっている。
図4(c)の例では、2方シールにより製袋されたフィルム成形体10が1列で長手方向に連続的に連なっている。
上記のようにして、ロールに巻き取られて得られている多数のフィルム成形体10は、そのまま内容物販売メーカーに納入され、そこでヒートシール部20の適宜の位置で切断され、個々のフィルム成形体10に分割され、開口部9(フィルム端部1a、3a)を開いての内容物の充填およびスパウト等の注出具の装着(ヒートシール)が行われた後、所定の内容物が充填されたパウチとして販売に供される。
また、スパウト等の注出具の装着することなく直接開口部9をヒートシールして販売に供することもできる。
さらに、図4(c)のように2方シールの製袋で得られたフィルム成形体10は、両端に開口部9が存在しているため、一方の開口部9に注出具を装着(ヒートシール)した後、反対側の開口部9から内容物を充填し、この後に開口部9をヒートシールにより閉じるという操作が行われる。
このようにして、注出具の装着や内容物の充填に際しては、適当なノズルを用いてのエアブローにより開口部9(フィルム同士がシールされていない部分)を拡げる作業が必要であるが、本発明のフィルム成形体10は、先にも述べたように、フィルム1、3同士が直接対面しておらず、間に液体7が介在しているため、この作業を容易に行うことができる。
本発明のパウチ用フィルム成形体10から得られるパウチには内面に内容物に対する潤滑性を示す液体7による液膜13が形成されているため、粘稠な内容物であったとしても、この内容物を速やかにかつパウチ内に残存させることなく排出させることができる。すなわち、液体7(潤滑油)として、適宜のものを選択することにより、粘稠な水分含有あるいは油性のペースト乃至スラリー状の物質、例えば、ケチャップ、水性糊、蜂蜜、各種ソース類、マヨネーズ、マスタード、ジャム、チョコレートシロップ、とろみを付けた介護用食品、乳液等の化粧液、液体洗剤、シャンプー、リンスなどを内容物として充填して販売に供することができる。
1、3:フィルム
1a、3a:フィルム先端部
1b、3b:フィルム内面
5:シール面
7:液体
13:液膜
15:フィルム内面1b、3bと液体7との間の微小な隙間(空気層)

Claims (6)

  1. 互いに対面するフィルム面の間に空隙が形成されているパウチ用フィルム成形体において、
    前記空隙には、該空隙に収容されるべき内容物に対して潤滑性を示す液体が充満していることを特徴とするパウチ用フィルム成形体。
  2. 前記空隙は、互いに対面するように配置された2枚のフィルムの3方シール或いは2方シールにより形成されている請求項1に記載のパウチ用フィルム成形体。
  3. 前記空隙を形成している前記フィルムの内面が、微細突起が分布した粗面となっている請求項1または2に記載のパウチ用フィルム成形体。
  4. 前記液体が、前記空隙を形成している前記フィルムの内表面積当り0.1〜100g/mの量で充填されている請求項1〜3の何れかに記載のパウチ用フィルム成形体。
  5. 前記2枚のフィルムが長尺フィルムであり、前記空隙が、該長尺フィルムの長手方向に多数配列して設けられている請求項2に記載のパウチ用フィルム成形体。
  6. ロールに巻回されて保持されている請求項5に記載のパウチ用フィルム成形体。
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