JP6237741B2 - 流動性内容物が充填された包装容器 - Google Patents

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本発明は、流動性内容物が充填された包装容器に関する。
プラスチック容器は、成形が容易であり、安価に製造できることなどから、各種の用途に広く使用されている。特に、容器壁の内面が低密度ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂で形成され且つダイレクトブロー成形で成形されたボトル形状のオレフィン系樹脂容器は、内容物を絞り出し易いという観点から、ケチャップなどの粘稠なスラリー状或いはペースト状の流動性内容物を収容するための容器として好適に使用されている。
また、粘性の高い流動性内容物を収容するボトルでは、該内容物を速やかに排出するため、或いはボトル内に残存させることなくきれいに最後まで使いきるために、ボトルを倒立状態で保存しておかれる場合が多い。従って、ボトルを倒立させたときには、粘稠な内容物がボトル内壁面に付着残存せずに、速やかに落下するという特性が望まれている。
このような要求を満足するボトルとして、例えば、特許文献1には、最内層が、MFR(メルトフローレート)が10g/10min以上のオレフィン系樹脂からなる多層構造のボトルが提案されている。
この多層構造ボトルは、最内層が油性内容物に対する濡れ性に優れており、この結果、ボトルを倒立させたり、或いは傾斜させたりすると、マヨネーズ等の油性内容物は、最内層表面に沿って広がりながら落下していき、ボトル内壁面(最内層表面)に付着残存することなく、綺麗に排出することができるというものである。
また、ケチャップのような植物繊維が水に分散されている粘稠な非油性内容物用のボトルについては、特許文献2或いは特許文献3に、最内層に滑剤として飽和或いは不飽和の脂肪族アミドが配合されたポリオレフィン系樹脂ボトルが提案されている。
上述した特許文献1〜3は、何れもプラスチック容器について、容器内面を形成する熱可塑性樹脂組成物の化学組成によって内容物に対する滑り性を向上させたものであり、ある程度の滑り性向上は達成されているが、用いる熱可塑性樹脂の種類や添加剤が限定される為、滑り性向上には限界があり、飛躍的な向上は達成されていないのが実情である。
一方、最近では、容器の内面、即ち、内容物と接触する面が液浸透性面となっており、該液浸透性面に液体(液体)が保持されている容器が提案されている(特許文献4)。このような容器では、流動性の容器内容物が接触する部分に、液体の液膜が形成されており、ケチャップ、ソース、マヨネーズなどの流動性内容物に対する滑り性が著しく高められている。
しかしながら、この種の容器では、内容物との滑り性を高めるために形成される液体の液膜を薄く且つ均一に、如何にして効率よく形成するかという課題が残されている。
例えば、容器を成形後、内容物が接触する部分にスプレー噴霧で液体を塗布して液膜を形成し、この後、内容物を充填する手段が一般的であるが、このような手段では、内容物の充填に先立って、液体の液膜を形成する工程が必要なってしまうため、生産性の低下を免れない。また、かかる手段で容器内に均一に液膜を形成しようとすると、必要以上に多量の液をスプレーする必要があり、この結果、容器内に液体の液溜りを生じ易く、液膜の厚みに大きなバラつきを生じ易いという問題もある。
また、本出願人は、容器内面を形成する樹脂に、液体を混合して液膜を形成するという手段を提案している(特願2013−23468号・PCT/JP2014/052879)。かかる方法は、内容物の充填前に液膜を形成する工程を設ける必要がなく、従って、生産性の点では満足し得るのであるが、容器内面の液膜が、内層を形成するブレンド樹脂からのブリードアウトで形成されるため、液膜の厚みはかなり薄くなってしまう場合があり、液膜の厚みを確実に制御することが困難であるという問題がある。
特開2007−284066号公報 特開2008−222291号公報 特開2009−214914号公報 WO2014−010534
従って、本発明の目的は、流動性内容物が充填されている包装容器であって、容器内面に効率よく、液体の液膜を形成し得る流動性内容物の充填されている包装容器を提供することにある。
本発明の包装容器では、流動性内容物が、以下の充填方法により容器内に充填される。
即ち、前記流動性内容物とは異なる液体を用意し、
外周の少なくとも一部が前記液体もしくは該液体と前記流動性内容物とを含む液状混合液で被覆された流動性内容物を充填することにより流動性内容物が充填される。
かかる充填方法においては、
(1)前記液体が、流動性内容物と非混和性の液体であること、
(2)芯層が流動性内容物、最外層が前記液体もしくは前記液状混合液により形成されている多層充填物を吐出すること、
(3)前記流動性内容物の吐出先端部が前記液体もしくは前記液状混合液で覆われた状態で充填を開始すること、
(4)中心管と該中心管を取り囲むように形成されている環状管とを備えた多重管ノズルを使用し、
前記多重管ノズルを前記容器内に侵入させ、該多重管ノズルの中心管から前記流動性内容物を吐出し、前記多重管ノズルの環状管から前記液体もしくは前記液状混合物を吐出することにより、該容器内に該流動性内容物を充填すること、
(5)前記容器内への前記流動性内容物の充填量の増大と共に、前記多重管ノズルを前記容器から徐々に引き抜きながら、前記液体もしくは前記液状混合物と流動性内容物とを吐出しながら充填していくこと、
(6)前記液体もしくは前記液状混合物を、前記中心管からの前記流動性内容物の吐出開始よりも速いタイミングで吐出すること、
が好ましい。
上記のように流動性内容物が充填されている本発明の包装容器では、
未使用且つ正立状態において、前記包装容器内にはヘッドスペースが存在しており、該ヘッドスペースを除く部分に、該流動性内容物に対する滑り性を向上させるための液膜が、該流動性内容物が存在している領域のみに選択的に形成されていることを特徴とする。
かかる包装容器においては、
(7)前記液膜が、前記流動性内容物と非混和性の液体で形成されていること、
(8)前記容器がボトル形状またはパウチ形状の容器であること、
が好適である。
上記の充填方法では流動性内容物の容器内への充填と、液体(例えば表面改質液)の液膜の形成とが同時に行われるため、液膜形成のための作業による生産性の低下を有効に回避できる。
また、かかる方法により流動性内容物が容器内に充填される本発明の包装容器では、流動性内容物が液体の液膜に包まれた状態で容器内に充填されるため、容器内に充填された流動性内容物と容器内面との間には、必ず液膜が存在しており、この結果、液体による流動性内容物の滑り性向上効果が確実且つ安定にバラつきなく発揮される。
さらに、ボトル形状の容器に流動性内容物が充填される場合には、該容器には、通常、ヘッドスペースと呼ばれる空間が形成されるが、本発明の充填方法を適用した場合、液体の液膜は、該容器が未使用で且つ正立状態のとき、内容物が存在している領域に選択的に形成され、ヘッドスペースには該液膜は形成されない。即ち、本発明では、流動性内容物の滑り性を向上させるに必要な領域のみに液膜が形成されるため、必要以上のコストの増大を有効に回避することができる。
本発明の包装容器の内面の状態を示す部分断面図。 図1の断面を有する包装容器の最も好適な形態であるダイレクトブローボトルの空容器の状態を示す図。 図1の包装容器を得るために採用される充填方法に用いる多重ノズルの先端部分を示す斜視図。 図1の包装容器を得るために採用される充填方法を説明するための説明図。
<包装容器の形態>
本発明の包装容器の内面の状態を示す図1を参照して、この容器は、プラスチック製の容器基体1の内面に表面を改質するための液体の液膜3が形成されており、この液膜3上に流動性の内容物が充填されるものである。即ち、本発明の充填方法では、この液膜3の形成と流動性内容物の充填とが実質的に同時に行われる。
尚、容器基体1は、その内面に形成される液体の液膜3を安定に保持し得るような構造を有するものであり、容器基体の形態としては、樹脂、ガラス、紙、金属がある。この中でも、適度に液体が浸透し、液体と容器基体との親和性が向上することにより液体の脱落が有効に回避する樹脂により内面が形成された構造を有することが好ましい。
樹脂としては、容器の形態への成形が可能な熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルやオレフィン系樹脂などを例示することができ、特に滑り性の向上が要求される粘稠な流動性内容物が充填される容器、例えばダイレクトブロー容器の成形に好適に使用されるという観点から、オレフィン系樹脂、特に、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどにより形成される。勿論、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等も好適であり、さらに、特開2007−284066号等に開示されている環状オレフィン共重合体であってもよい。
また、容器基体1は、内面が上記の熱可塑性プラスチックにより形成されている限り、単層構造に限らず、内面を形成する樹脂層に、他の層、例えば、樹脂、ガラス、紙、金属の層が形成された多層構造を有していてもよい。
上記のような多層構造において、例えば、前述したオレフィン系樹脂等から形成された内外層の間に中間層として、エチレンビニルアルコール共重合体(エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物)や芳香族ポリアミドなどのガスバリア性樹脂を用いて形成されるガスバリア層を設けることが好ましく、特にエチレンビニルアルコール共重合体によるガスバリア層を設けることが最も好適である。即ち、中間層としてガスバリア層を設けることにより酸素バリア性を付与することができ、特にエチレンビニルアルコール共重合体は、特に優れた酸素バリア性を示すため、酸素透過による内容物の酸化劣化をも有効に抑制することができ、優れた内容物保存性を確保することができる。
また、上記のようなガスバリア層を設ける場合には、内外層との接着性を高め、デラミネーションを防止するために、接着剤樹脂層を設けることが好ましい。これにより、中間層のガスバリア層をしっかりと内外層に接着固定することができる。このような接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
容器基体1の厚みは、容器の形態に応じて、所望の強度や柔軟性、可能性、スクイズ性等が発現し得るように設定される。例えば、粘稠な内容物の充填に好適に使用されるプラスチック製のダイレクトブロー容器では、100〜800μm程度の厚みに設定される。
また、多層構造とする場合において、ガスバリア層(中間層)の好適な厚みは、一般に1乃至50μm、特に9乃至40μmの範囲であり、前述した接着剤樹脂層の厚みは、適宜の接着力が得られる程度でよく、一般的には0.5乃至20μm、好適には1乃至8μm程度である。
さらに、多層構造を有する容器基体1においては、多層のいずれかの層として、この容器を成形する時に発生するスクラップ樹脂をバージンの最外層形成樹脂と混合してリグラインド層を形成することもできる。この場合、成形性を維持しつつ、資源の再利用化を図るという観点から、スクラップ樹脂の量は、バージンの最外層樹脂100重量部当り10乃至60重量部程度の量とするのがよい。このような最外層隣接層の厚みは、包装容器の大きさや内容物の種類等によっても異なるが、容器壁の全体厚みが必要以上の厚みとならず且つスクラップ樹脂の有効利用が図れるような厚みとすればよく、一般に、20乃至400μm程度の厚みに設定される。
本発明に用いられる容器の形態としては、パウチ、ボトル、カップなどがある。本発明においては、液膜3により流動性内容物の滑り性(滑落性)を向上するため、先にも述べたように、スクイズにより粘稠な内容物を容易に排出し得るダイレクトブロー容器が容器基体1として好適であり、図2には、このような食品用ダイレクトブロー容器の成形直後の空容器の状態を示している。
全体として10で示すこの空容器は、上部に螺子等を備えた口部13を有しており、口部13に連なるブロー部分15は、胴部及び胴部を閉じるように形成されている底部を備えている。
また、口部13の上部には、これを閉じている閉塞部17が形成されている。この閉塞部17には、ブロー成形に当ってブロー用流体を供給するための供給管が挿入される小孔17aが供給されている。この小孔17aは、空容器10の内部に通じている。
即ち、従来公知の方法と同様、溶融樹脂(成形用樹脂の溶融物)の押出(押出成形)により底部がピンチオフにより閉じられたパイプ形状のプリフォームを成形し、このプリフォームに形成されている上記の小孔17aから所定のブロー成形温度に維持された該プリフォーム内にブロー用流体を供給して容器の形態に賦形することにより、上記のダイレクトブロー成形容器が成形される。
勿論、ダイレクトブロー容器とは異なる容器を成形する場合には、射出成型等により、試験管形状のプリフォームを成形し、所定の延伸成形温度でのブロー流体の吹込みにより、2軸延伸ブロー成形を行い、容器の形態に賦形することにより、内容物を充填する空容器が得られる。
<液体及び流動性内容物>
容器内面に形成される液膜3は、容器に充填する流動性内容物と非混和性であり且つ該流動性内容物の滑り性(滑落性)を向上させる液体(滑性向上液)により形成される。
即ち、内容物に対して混和性であると、この液体が内容物と混ざり合ってしまい、容器内面から脱落してしまい、液膜3が崩れてしまうこととなるからである。
尚、内容物と非混和性で且つ内容物の滑り性を向上させる液体とは、内容物と混和せず、大まかにいうと、水性の内容物に対しては親油性の液体であり、油性の内容物に対しては水或いは親水性液体である。一般的には、容器内に内容物を充填した状態で、液膜3が0.1g/m以上、特に0.5g/m以上の量に保持される液体を液体として使用すればよい。特に、容器内面に対する表面張力が、内容物に対する表面張力と大きく異なるものほど、潤滑効果が高く、本発明には好適である。
本発明において、容器に収容する流動性内容物としては、液膜3による滑り性による利点を最大限に活かすため、形態保持性を示さずに流動性を示す流動性物質が好適であり、例えば、粘稠なペースト乃至スラリー状の流動性物質(例えば25℃での粘度が100mPa・s以上のもの)、具体的には、ケチャップ、水性糊、蜂蜜、各種ソース類、マヨネーズ、乳液等の化粧液、液体洗剤、シャンプー、リンス、コンディショナーなどが好適である。即ち、本発明では、液膜3が良好な滑り性を示すため、このような粘稠な流動性物質であっても、容器を傾倒或いは倒立させることにより、容器の内面に付着残存させることなく、速やかに排出することができるからである。特に前述した食品用のダイレクトブロー容器では、胴部をスクイズすることにより内容物が絞り出されるため、ケチャップやマヨネーズが内容物として収容されることとなる。
本発明において、容器内に収容される内容物の種類に応じて選択される液体の具体例としては、例えば、水分含有の内容物(例えばケチャップやソース)に対して最も好適に使用されるものとしては、シリコーンオイル、グリセリン脂肪酸エステル、流動パラフィン、食用油脂などを挙げることができる。特に好ましいものは、中鎖脂肪酸トリグリセライド、グリセリントリオレート及びグリセリンジアセトモノオレートに代表されるグリセリン脂肪酸エステル、流動パラフィン、ならびに食用油脂である。これらは、揮散し難く、しかも、食品添加物として認可されており、さらには、無臭であり、内容物のフレーバ−を損なわないという利点もある。
また、油性の内容物に対しては、沸点が上記範囲内であることを条件として、水あるいは親水性の高いイオン液体等が液体として使用される。
さらに、乳化系の流動性物質に対しては、シリコーンオイル、グリセリン脂肪酸エステル、流動パラフィン、食用油脂などが液体として好適に使用される。
<内容物の充填及び液膜の形成>
本発明においては、上述した形態を有する容器基体1に、流動性内容物の充填と実質的に同時に液膜3の形成を行う。本発明はこれに限定されるものではないが、具体的な例を図3に示す構造の多重管ノズル20にて説明する。
図3において、この多重管ノズル20は、中心管21と、中心管21を取り囲むように外側に形成されている環状管23とを備えている。即ち、中心管21は芯層として流動性内容物の充填に使用され、環状管23は最外層として液体の供給に使用される。
かかる多重管ノズル20を用いての内容物の充填及び液膜3の形成は、図4に示すプロセスにしたがって行われる。
即ち、図4(a)に示すように、空容器30(例えば、図2に示されている空容器10から閉塞部17を切り取ったもの)の内部に多重管ノズル20を挿入し、中心管21からの流動性内容物31の充填及び環状管23からの液体33の供給を開始するが、この際、液体33の供給を、若干、流動性内容物31の充填よりも先に開始する。即ち、多重管ノズル20の中心管21の先端部が液体33で覆われた状態で流動性内容物31の充填を行うわけである。
このようにして流動性内容物31の充填を行うと、図4(a)に示されているように、流動性内容物31は、液体33に覆われた状態で空容器30の内部に供給されていくこととなる。
このようにして、流動性内容物31の充填を行い、この充填量の増大に伴い、多重管ノズル20の周囲に充填された内容物31(及び液体33)が回り込まないように、図4(b)に示すように、多重管ノズル20を徐々に引き上げていき、所定量の内容物31が充填されたときに、内容物31の充填及び液体33の供給を停止し、図4(c)に示されているように、多重管ノズル20を空容器30から引き抜きことにより、内容物31の充填及び液体33の供給作業が完了し、最後に、この空容器30の上端を蓋材等でシールすることにより、目的とする流動性内容物31が充填された包装容器が得られる。
このようにして得られた包装容器では、図4(c)に示されているように、内容物31と容器(30)の内面との間には必ず液体33による液膜が形成されており、かかる液膜による滑り性向上が確実に且つバラつきなく発現することとなる。
上記の作業に際しては、液体33の供給速度や内容物31の充填速度は、液体33による液膜の厚みが適宜の範囲となるように設定すればよく、例えば、内容物31の充填速度が速すぎて、その周囲の液体33の液膜が破断しないように設定しておけばよい。
上述のように、芯層が流動性内容物、最外層に液体からなる多層充填物を吐出させることが可能となる。本発明に係る充填方法は、外周の少なくとも一部に液体が被覆された流動性内容物を充填すればよく、上述で説明した方法以外として、流動性内容物を供給する側(上流側)で液体33とを接合させて多層充填物を吐出する。また、吐出させた後に流動性内容物に対して液体をコーティング、或いは、ミスト状の液体を噴霧してもよい。
なお、液体33の液膜を破断しにくくするため、液体33としては、充填温度における液体33の粘度が内容物31の粘度よりも小さいものを使用することが好ましい。液体33の粘度を内容物31の粘度よりも小さく設定しておくことにより、内容物31の充填速度が大きくなっても、液体33の粘度が小さいことで液体33が変形に追随しやすくすることができ、効果的に液膜の破断を防止できるためである。
さらに、液体33の表面張力は、内容物31の表面張力よりも小さいことが好ましい。液体33の表面張力を内容物31の表面張力よりも小さく設定しておくことにより、充填時において、液体33が内容物31上において濡れ広がりやすくなり、このこともまた、内容物31の充填速度が大きくなっても液体33による液膜の破断を防止することに有効であるためである。
このような本発明の充填方法によれば、流動性内容物31の充填と、液体33の液膜の形成とが同時に行われるため、液膜形成のための作業による生産性の低下を回避できる。また、液膜の厚み等の調整も、内容物31と液体33の供給速度との簡単な調整によって行うことができる。
さらに、図4(c)からも理解されるように、このようにして得られる包装容器では、通常、ヘッドスペース40が形成されるが、本発明においては、液体33の液膜は、該容器が未使用で且つ正立状態のとき、内容物31が存在している領域のみに選択的に形成されており、ヘッドスペースには液膜は形成されない。従って、液体33の使用量を最小限に抑えることができ、コストの増大を有効に回避することができる。
また、上記の例では、液体33として、前述した内容物とは非混和性の滑性向上液を用いることが最適であるが、このような滑性向上液と流動性内容物との混合液を使用することもできる。この場合、この混合液が環状管23から吐出され、中心管21から吐出される流動性内容物31を被覆することとなるが、このような被覆層では相分離し、混合液中の流動性内容物は、中心管21からの流動性内容物31と一体となり、滑性向上液は外層にはじき出されて液膜を形成することとなる。
尚、上記の充填方法は、ボトル形状の容器を例にとって説明したが、多重管ノズル20を用いて内容物31の充填及び液体33の供給が行い得る限り、このようなボトル形状の容器に限らず、他の形態の容器、例えば袋状の容器に本発明の充填方法を適用できることは言うまでもない。
1:容器基体
3:液膜
10:空容器
13:口部
15:ブロー成形部
17:閉塞部
20:多重管ノズル
21:中心管
23:環状管
30:空容器
31:流動性内容物
33:液体

Claims (3)

  1. 流動性内容物が充填されている包装容器において、
    未使用且つ正立状態において、前記包装容器内にはヘッドスペースが存在しており、該ヘッドスペースを除く部分に、該流動性内容物に対する滑り性を向上させるための液膜が、該流動性内容物が存在している領域のみに選択的に形成されていることを特徴とする包装容器。
  2. 前記液膜が、前記流動性内容物と非混和性の液体で形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装容器。
  3. 前記容器がボトル形状またはパウチ形状の容器である、請求項1または2に記載の包装容器。
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