JP2018103619A - ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性、密着性、外観に優れるポリエステルフィルムを提供すること。【解決手段】少なくとも2層からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最外層が酸化チタン粒子を含有しており、その含有量が層全体に対して10重量%以上30重量%である層(A層)であり、A層の冷結晶化温度(Tcc)をTccA(℃)、A層に隣接する層(B層)の冷結晶化温度(Tcc)をTccB(℃)としたとき、TccAとTccBがいずれも140℃以上180℃以下であり、TccAとTccBの差が2℃以上15℃以下であり、120℃100%RH60時間処理後における破断伸度が長手方向、幅方向いずれも30%以上であるポリエステルフィルム。【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも2層からなるポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、優れた機械特性、熱特性、電気特性、表面特性および耐熱性などの性質を利用して、磁気記録媒体用、電気絶縁用、太陽電池用、コンデンサー用、包装用および各種工業用材料など種々の用途に用いられている。これらの用途の高品質化の中で、近年、半永久的で無公害の次世代のエネルギー源である太陽電池用の需要が伸びている。
一般的な太陽電池の代表構成を図1に示すが、太陽電池は、発電素子をEVA(エチレン−ビニルアセテート共重合体)などの透明な封止材により封止したものに、ガラスなどの透明基板と、バックシートと呼ばれる樹脂シートを張り合わせて構成される。このバックシートシートには、ポリエステルフィルムが単独或いは他の複数の素材とともに多く用いられている。
バックシートには、発電素子を外部環境(風雨など)から守るため、耐湿熱性、耐紫外線性(耐UV性)(以下、耐UV性、耐湿熱性をあわせて、耐久性と呼ぶ場合がある)が必要とされる。これまでに、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムの耐加水分解性を高める検討がなされており(特許文献1、2)、耐UV性を向上させるため、無機粒子、特に酸化チタンをポリエステルフィルムに含有させることが知られている。しかしながら、酸化チタンを含有させると耐湿熱性が低下する。それを軽減することを目的として、フィルムを構成する樹脂に高融点樹脂を添加する検討が行われている(特許文献3)。また、無機粒子を重合後に添加する方法(外部粒子)よりも耐湿熱性の低下が抑えられる方法として、ポリエステル重合時に形成する粒子(いわゆる内部粒子)を含有させる方法の検討も行われている(特許文献4)。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところ、特許文献3や4に記載の、高融点樹脂や内部粒子を含有せしめる方法では、光沢度が低下するという外観の悪化という課題があることが判った。また、特許文献3に記載の手法においては、表面が剥離しやすい、すなわち、他の素材を貼り合せた後の密着力に課題があることが分かった。上記特許文献1〜3に記載のポリエステルフィルムは、密着状態や、特に外観特性という観点からの検討が不十分であった。
このため、本発明の目的は、上記の課題を解決した、耐久性、外観に優れるポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下を特徴とするものである。
(1)少なくとも2層からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最外層が酸化チタン粒子を含有しており、その含有量が層全体に対して10重量%以上30重量%である層(A層)であり、A層の冷結晶化温度(Tcc)をTccA(℃)、A層に隣接する層(B層)の冷結晶化温度(Tcc)をTccB(℃)としたとき、TccAとTccBがいずれも140℃以上180℃以下であり、TccAとTccBの差が2℃以上15℃以下であり、120℃100%RH60時間処理後における破断伸度が長手方向、幅方向いずれも30%以上であるポリエステルフィルム。
(1)少なくとも2層からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最外層が酸化チタン粒子を含有しており、その含有量が層全体に対して10重量%以上30重量%である層(A層)であり、A層の冷結晶化温度(Tcc)をTccA(℃)、A層に隣接する層(B層)の冷結晶化温度(Tcc)をTccB(℃)としたとき、TccAとTccBがいずれも140℃以上180℃以下であり、TccAとTccBの差が2℃以上15℃以下であり、120℃100%RH60時間処理後における破断伸度が長手方向、幅方向いずれも30%以上であるポリエステルフィルム。
本発明によれば、耐久性、密着性、外観に優れるポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも2層以上からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最外層が酸化チタン粒子を含有しており、その含有量が層全体に対して10重量%以上30重量%である層(A層)であることが必要である。10重量%以上30%重量%以下であるとポリエステルフィルムの反射率を85%以上とすることができる。10重量%以上20重量%以下であることが好ましい。A層に含有する酸化チタン粒子量が10重量%未満であると、太陽電池バックシートとして用いられて太陽電池モジュールに組み込まれた際に、充分な耐UV性が得られない場合や、反射率が85%未満となり、太陽電池モジュールとした際に発電素子に充分な反射がされず、発電不足となる場合がある。また30重量%を超えると、フィルムの耐湿熱性が低下したり、製膜性や密着性が悪化する。本発明のポリエステルフィルムを太陽電池モジュールに用いる際、太陽電池モジュールに組み込まれる位置は指定されないが、A層側は太陽電池モジュールの裏面表層とされることが推奨される。その場合、A層に含有する酸化チタン粒子の含有量が30重量%を超えていると、モジュール製造時や住宅への施工時にA層表面にテープを目印などのために貼り付け、不要となった際にはがした際、フィルム表面が一部剥離する場合がある。これは、酸化チタン濃度が高すぎ、フィルムが璧開しやすくなる(密着性が低下する)ためである。なお、酸化チタンの添加方法としては、予めポリエステル樹脂と混錬し高濃度マスターペレット化したもの作製し、それをポリエステル樹脂と溶融混錬することが好ましい。なお、本発明のポリエステルフィルムを太陽電池モジュールに組み込む際には、A層を最外層となるように用いると、太陽電池モジュールの耐UV性が向上するため、好ましい。
本発明のポリエステルフィルムに用いる酸化チタンとしては、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いると、ポリエステルフィルムの耐久性を向上できるため好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、純度97%以上の酸化チタンのことであり、好ましくは、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないことをあらわす。酸化チタンの製造方法には塩素法と硫酸法があるが、塩素法による酸化チタンは重金属の除去、精製が高度に行われるため残存量が圧倒的に少ない。そのため、塩素法により製造することが好ましい。また、酸化チタンの中でも、ルチル型酸化チタンは、耐UV性に優れるため好ましい。しかし、酸化チタンはポリマー中で加水分解することが知られており、酸化チタンの表面に金属酸化物や高分子ポリマーなどで表面処理されたものを使用することが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、前記A層の冷結晶化温度(Tcc)をTccA(℃)、A層に隣接する層(B層)の冷結晶化温度(Tcc)をTccB(℃)としたとき、TccAとTccBがいずれも140℃以上180℃以下であることが必要であり、150℃以上170℃以下であることが好ましい。Tccが、140℃未満であると、耐湿熱性が大きく劣ることとなり、180℃を上回る場合、ポリエステルフィルムの製膜性が悪化する。
また、A層と、A層に隣接する層(B層)の冷結晶化温度(Tcc)の差(|TccA−TccB|)は2℃以上15℃以下であることが必要であり、2℃以上10℃以下であることが好ましい。Tccの差が15℃より大きい場合、耐湿熱性が低下し、Tccの差が2度より小さい場合、製膜性が悪化することがある。
なお、TccA、TccB、|TccA−TccB|を上記範囲とする方法は特に限られるものでは無いが、各層の原料となるポリエステル樹脂、マスターバッチのTccを範囲内とする方法、製膜時の押出条件による方法などが挙げられる。但し、製膜時の押出条件にてTccを大きく変更させることは難しいため、各層を構成するポリエステル原料のTccを調整する方法が好ましく用いられる。
本発明のポリエステルフィルムは、120℃100%RH60時間処理後における破断伸度が長手方向(Machine Direction;MD)、幅方向(Transverse Direction;TD)いずれも30%以上であることが必要であり、50%以上であることが好ましい。長手方向の破断伸度、幅方向の破断伸度のいずれかが30%を下回る場合、耐湿熱性の不足により、経年劣化時にバックシートにひび割れなどを起こし、太陽電池モジュール内側の劣化を引き起こすことがある。
本発明のポリエステルフィルムは、A層表面の光沢度が65〜85%であることが好ましい。光沢度が65%より小さい場合、チタンの分散不足による、耐UV性の低下や、結晶性の変化による耐湿熱性が低下することがある。一方、光沢度が85%より大きい場合、太陽電池モジュールとした場合に、微小キズが目立ちやすくなるなどの外観問題を起こす場合がある。
本発明のポリエステルフィルムは、前記B層の酸化チタン粒子の含有量がB層全体に対して10重量%未満であることが好ましく、0.5重量%以上5重量%未満であることがより好ましい。B層に含有する酸化チタンの量が10重量%を超える場合、破断強度・破断伸度など、フィルムの機械特性が低下することがある。さらに、他素材と貼り合せた場合に、密着強度が低下することがある。これは、フィルムが璧開しやすくなるためである。また、B層に含有する酸化チタンの量が0.5重量%以上5重量%未満の範囲にある場合、フィルム機械強度の低下を抑えつつ、耐UV性の向上させ、かつ高価である酸化チタンの使用量を抑えコスト低減を図ることができる。また、上述したように、酸化チタン粒子には表面処理を施したものを用いることができ、例えば本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂と相溶性に優れる樹脂を採用することができる。
しかし、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂に対して、チタンの表面処理が施されるポリエステル樹脂の含有量が多くなりすぎると、フィルムの製膜工程における押し出し工程で酸化チタンに表面処理されたポリエステル樹脂が溶融凝集し、密着性を低下させる場合がある。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂に対して酸化チタンに表面処理されたポリエステル樹脂が15%以下であることが好ましく、更に好ましくは10%以下である。本発明では酸化チタンに表面処理されたポリエステル樹脂としては1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートを採用することができる。
しかし、ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂に対して、チタンの表面処理が施されるポリエステル樹脂の含有量が多くなりすぎると、フィルムの製膜工程における押し出し工程で酸化チタンに表面処理されたポリエステル樹脂が溶融凝集し、密着性を低下させる場合がある。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂に対して酸化チタンに表面処理されたポリエステル樹脂が15%以下であることが好ましく、更に好ましくは10%以下である。本発明では酸化チタンに表面処理されたポリエステル樹脂としては1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートを採用することができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、酸化チタンの含有量はA層>B層とすると、A層で耐UV性を、B層で機械強度を担保することが可能となるため、機械強度、耐UV性が良好となるため好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、前記A層と前記B層の厚みの合計が、ポリエステルフィルムの総厚みに対して50%以上であることが好ましい。前記A層と前記B層の厚みの合計が、50%未満である場合、耐UV性を担保するA層、機械強度を主に担保するB層が薄くなり、耐UV性や耐湿熱性が低下することがある。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムのポリエステル樹脂成分が、前記A層、B層が、いずれもジカルボン酸成分としてテレフタル酸を98重量%以上としたポリエチレンテレフタレートを主成分とする層であることが好ましい。ポリエステル樹脂を構成する主たる繰り返し単位は、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートおよびこれら混合物をからなるものが好適に用いられるジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を98重量%未満とし、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分(例えばイソフタル酸成分)を2%以上とした場合、Tccを変化させることができても、耐湿熱性が低下することがある。
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも2層からなるポリエステルフィルムである。3層の積層ポリエステルフィルムとする場合、A層/B層/A層の2種3層構成であってもよく、A層/B層/C層の3種3層構成であっても良い。
以下に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法を例示するが、本発明は、かかる例のみに限定して解釈されるものではない。
以下に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法を例示するが、本発明は、かかる例のみに限定して解釈されるものではない。
まず、ポリエステルフィルムの原料となるポリエステル樹脂組成物を必要に応じて窒素雰囲気もしくは真空雰囲気で乾燥する。なお、本発明のポリエステルフィルムの原料となるポリエステル樹脂組成物として、回収ポリエステル樹脂組成物を含んでいても良い。回収ポリエステル樹脂組成物とは、ポリエステルフィルム製造工程で発生する製品とならないフィルム端部カットを粉砕・再ペレット化したものや、市場に流通した飲料用PETボトル容器を回収し、粉砕・洗浄し再ペレット化したものなどをいう。通常、ポリエステルフィルムの原料として回収ポリエステル樹脂組成物を含むと、機械特性、耐久性は低下するため、太陽電池バックシートとして用いるには不適となる。しかしながら、本発明を満たす構成とすると、ポリエステルフィルムの原料として回収ポリエステル樹脂組成物を含んでいても機械特性、耐久性を良好にできるため、太陽電池バックシートとして用いることが可能となる。回収ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステルフィルムの原料全体に対して50重量%以下であることが好ましい。また、回収ポリエステル樹脂組成物は、B層に含有せしめることが好ましい。
そして、乾燥せしめたポリエステル樹脂組成物を単軸もしくは二軸押出機に供給して溶融押出し、口金より冷却ドラム上にシート状に吐出し、冷却固化され、未延伸シートを得る。この際、異物や変質ポリマーを除去するために各種のフィルター、例えば、燒結金属、多孔性セラミック、サンドおよび金網などの素材からなるフィルターを用いることが好ましい。また、必要に応じて、定量供給性を向上させるためにギアポンプを設けてもよい。さらに、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力により冷却ドラムに密着させ、急冷固化させることが好ましい。
次いで、この未延伸フィルムをMDに延伸した後、TDに延伸する、あるいは、TDに延伸した後、MDに延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムのMD、TDをほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行う。また、2軸延伸後に、さらにMDおよび/またはTDに再延伸を行ってもよい。
MD延伸倍率は、1.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは2.0〜5.0倍である。延伸倍率が1.5倍未満であると、MDへの分子配向が不十分であり、強度や耐加水分解性が不足する場合がある。一方、延伸倍率が6.0倍を超えると、フィルム破れが発生しやすく、製膜安定性に劣る場合がある。TD延伸倍率も、同様の理由から、1.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは2.0〜5.0倍である。
延伸の後、フィルムの熱処理を行う。熱処理方法はテンターや加熱オーブンの中、加熱されたロール上等、従来公知の方法で行うことができる。
また、熱処理工程は、該温度範囲であればよく、単一の工程であっても複数の工程であってもよい。また、熱処理時間は、1〜600秒時間であることが好ましい。さらに、熱処理は、フィルムをMDおよび/またはTDに弛緩させながら行ってもよい。そして、このように熱処理を行ったフィルムを巻き取り、本発明のポリエステルフィルムを得る。
本発明のポリエステルフィルムは、光線反射率、封止材との密着力、ガスバリア性、耐UV性、表面保護、耐加水分解特性、外観、意匠性などの向上のため、塗工や印刷、他素材との貼り合せを行った後に、太陽電池バックシートに用いられる場合がある。これらの塗工材料、貼り合せ材料、塗工方法、貼り合せ方法は、公知の技術から、目的に応じて任意に選択することができ、かつ、塗工や貼り合せを複数回重ねることもできる。たとえば、光線反射率向上や、耐UV性向上、外観、意匠性改善には、無機粒子、有機粒子含有フィルムの貼り合せや、それらを含む塗液を塗工することができ、封止材との密着力向上には、オレフィン系樹脂との貼り合せや、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを含む塗液の塗工などを任意で選択できる。ガスバリア性向上には、たとえばシリカ蒸着フィルムやアルミニウム箔を貼り合せる方法など、任意に選択できる。また塗工方法は、グラビアコート法、ロールコート法などから任意に選択することができ、ポリエステルフィルム製膜時に実施するインラインコート法、ポリエステルフィルム製膜後に実施するオフラインコート法など任意に選択できる。また水系、有機系塗液などから任意に選択できる。貼り合せ方法としては、ポリウレタン系接着剤、UV硬化性樹脂、エポキシ系、無機系、ゴム系など任意の接着剤により接着できる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[特性の評価方法]
(1)フィルムの厚み
JIS C2151(1990年)に準じて、マイクロメータを用いて測定する。測定は任意の5箇所について行い、平均値をもって全体の厚みとする。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[特性の評価方法]
(1)フィルムの厚み
JIS C2151(1990年)に準じて、マイクロメータを用いて測定する。測定は任意の5箇所について行い、平均値をもって全体の厚みとする。
(2)光沢度
デジタル変角光沢計UGV−6P(スガ試験機株式会社製)にて、60°鏡面光沢を測定し、これを光沢度とした。
デジタル変角光沢計UGV−6P(スガ試験機株式会社製)にて、60°鏡面光沢を測定し、これを光沢度とした。
(3)Tcc
ポリエステルフィルムの各層から削りだした測定試料を、示差走査熱量計(TA Instruments社製DSC Q100)を用いて、JIS K−7121(1999)に基づいた方法により、25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1st RUN)した後、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下まで急冷し、再度25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(2nd Run)した、示差走査熱量測定チャートを得る。ポリエステル樹脂のTgの後、融解ピークの前にある結晶化ピークのピークトップ温度を冷結晶化温度(Tcc)とした。ただし、ピークが2つ現れた場合、高い温度のピークをTccとした。
ポリエステルフィルムの各層から削りだした測定試料を、示差走査熱量計(TA Instruments社製DSC Q100)を用いて、JIS K−7121(1999)に基づいた方法により、25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1st RUN)した後、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下まで急冷し、再度25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(2nd Run)した、示差走査熱量測定チャートを得る。ポリエステル樹脂のTgの後、融解ピークの前にある結晶化ピークのピークトップ温度を冷結晶化温度(Tcc)とした。ただし、ピークが2つ現れた場合、高い温度のピークをTccとした。
(4)各層厚み
積層断面をミクロトームで厚み方向に断面を切る前処理をしたのち、走査型電子顕微鏡(SEM)S−4300A形((株)日立製作所製)を用い、厚み断面を全体像が写る倍率(×1000)で撮像し、その断面写真より各層の厚みを採寸した。採寸結果から、層比を算出した。互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用して、その平均値を用いて層比を算出した。マイクロメータにて測定した全体厚みに対し、層比から算出した各層の割合をかけることで、各層の厚みを算出した。
積層断面をミクロトームで厚み方向に断面を切る前処理をしたのち、走査型電子顕微鏡(SEM)S−4300A形((株)日立製作所製)を用い、厚み断面を全体像が写る倍率(×1000)で撮像し、その断面写真より各層の厚みを採寸した。採寸結果から、層比を算出した。互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用して、その平均値を用いて層比を算出した。マイクロメータにて測定した全体厚みに対し、層比から算出した各層の割合をかけることで、各層の厚みを算出した。
(5)120℃100%RH60時間処理後における破断伸度(耐湿熱性)
ポリエステルフィルムを幅方向1cm×長手方向20cmの大きさに切り出し、チャック間10cm、引張速度200mm/minでの破断伸度をテンシロンを用いて測定した。サンプル数はn=5とし、これらの平均値をE0とした。
同じく、ポリエステルフィルムを幅方向1cm×長手方向20cmの大きさに切り出した後、高度加速寿命試験装置(エスペック株式会社製 EHS-221)にて、120℃、100%RH、不飽和の条件で60時間処理を行った。処理後のサンプルを、チャック間10cm、引張速度200mm/minでの破断伸度をテンシロンを用いて測定した。サンプル数はn=5とし、これらの平均値を120℃100%RH60時間処理後における長手方向の破断伸度とした。
ポリエステルフィルムを幅方向1cm×長手方向20cmの大きさに切り出し、チャック間10cm、引張速度200mm/minでの破断伸度をテンシロンを用いて測定した。サンプル数はn=5とし、これらの平均値をE0とした。
同じく、ポリエステルフィルムを幅方向1cm×長手方向20cmの大きさに切り出した後、高度加速寿命試験装置(エスペック株式会社製 EHS-221)にて、120℃、100%RH、不飽和の条件で60時間処理を行った。処理後のサンプルを、チャック間10cm、引張速度200mm/minでの破断伸度をテンシロンを用いて測定した。サンプル数はn=5とし、これらの平均値を120℃100%RH60時間処理後における長手方向の破断伸度とした。
同様の評価を、ポリエステルフィルムを長手方向1cm×幅方向20cmの大きさに切り出したものについても実施し、得られた値を120℃100%RH60時間処理後における幅方向の破断伸度とした。
なお、耐湿熱性の指標として、120℃100%RH60時間処理の処理前と処理後の破断伸度から、
120℃100%RH60時間処理後の破断伸度(%)/120℃100%RH60時間処理前の破断伸度(%)=破断伸度保持率(%)
として、破断伸度保持率を算出し、これを指標とするケースもみられるが、処理前の破断伸度が大幅に低い場合、例えば処理前から破断伸度が30%を下回っているような太陽電池用として不適なケースを除外できないため、本発明においては耐湿熱性の評価として採用しなかった。
なお、耐湿熱性の指標として、120℃100%RH60時間処理の処理前と処理後の破断伸度から、
120℃100%RH60時間処理後の破断伸度(%)/120℃100%RH60時間処理前の破断伸度(%)=破断伸度保持率(%)
として、破断伸度保持率を算出し、これを指標とするケースもみられるが、処理前の破断伸度が大幅に低い場合、例えば処理前から破断伸度が30%を下回っているような太陽電池用として不適なケースを除外できないため、本発明においては耐湿熱性の評価として採用しなかった。
長手方向破断伸度保持率、幅方向破断伸度保持率のいずれも50%以上:○
長手方向破断伸度保持率、幅方向破断伸度保持率のいずれも30%以上であって○に該当しないもの:△
長手方向破断伸度保持率、幅方向破断伸度保持率のいずれかが30%未満:×。
長手方向破断伸度保持率、幅方向破断伸度保持率のいずれも30%以上であって○に該当しないもの:△
長手方向破断伸度保持率、幅方向破断伸度保持率のいずれかが30%未満:×。
(6)耐UV性
ポリエステルフィルムを、アイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)にて、波長365nmで100mW/cm2、60℃50%RH、48hrの条件でA層側へ紫外線照射処理を行った。照射処理前のサンプルと照射処理後のサンプルのb値をColorMeter ZE2000(日本電光社製)にて、C光源2°視野、反射にて測定を行った。サンプル数はn=3とし、平均値をb値とした。UV照射処理前のサンプルのb値をb0、UV照射処理後のサンプルのb値をb1とし、Δb値を下記の式により求め、得られたΔb値から、耐UV性を下記のように判定した。
Δb値=b0−b1
Δb値 17未満:○
Δb値 17以上24未満:△
Δb値 24以上:×
(7)剥離特性(密着性評価)
得られたポリエステルフィルムのA層表面に、“タケラック”(登録商標)A−1102(三井武田ケミカル株式会社製)80重量部、“タケネート”(登録商標)10重量部の割合で混合した接着剤を塗布し、乾燥後、厚み50μmのS105(東レ株式会社製)を貼り合せた。
貼り合せた後、得られたポリエステルフィルムと50S105を、幅15mm、長さ100mmに加工し、引張速度200mm/minにて、テンシロンにより、T字剥離強度を測定した。剥離強度測定結果から、以下のように判定した。
なお、測定はN=3の平均値をとった。
A≧(5.6×T−250)/10 ○
(5.6×T−250)/15≦ A≦(5.6×T−250)/10 △
A≦(5.6×T−250)/15 ×
A:剥離強度(N/15mm)
T:厚み(μm)
なお、剥離強度測定においては、剥離部分の強度以外に、フィルムのコシなどによっても値が影響を受けることがあるため、厚みによる違いを排除するため上記の式により判定した。
ポリエステルフィルムを、アイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)にて、波長365nmで100mW/cm2、60℃50%RH、48hrの条件でA層側へ紫外線照射処理を行った。照射処理前のサンプルと照射処理後のサンプルのb値をColorMeter ZE2000(日本電光社製)にて、C光源2°視野、反射にて測定を行った。サンプル数はn=3とし、平均値をb値とした。UV照射処理前のサンプルのb値をb0、UV照射処理後のサンプルのb値をb1とし、Δb値を下記の式により求め、得られたΔb値から、耐UV性を下記のように判定した。
Δb値=b0−b1
Δb値 17未満:○
Δb値 17以上24未満:△
Δb値 24以上:×
(7)剥離特性(密着性評価)
得られたポリエステルフィルムのA層表面に、“タケラック”(登録商標)A−1102(三井武田ケミカル株式会社製)80重量部、“タケネート”(登録商標)10重量部の割合で混合した接着剤を塗布し、乾燥後、厚み50μmのS105(東レ株式会社製)を貼り合せた。
貼り合せた後、得られたポリエステルフィルムと50S105を、幅15mm、長さ100mmに加工し、引張速度200mm/minにて、テンシロンにより、T字剥離強度を測定した。剥離強度測定結果から、以下のように判定した。
なお、測定はN=3の平均値をとった。
A≧(5.6×T−250)/10 ○
(5.6×T−250)/15≦ A≦(5.6×T−250)/10 △
A≦(5.6×T−250)/15 ×
A:剥離強度(N/15mm)
T:厚み(μm)
なお、剥離強度測定においては、剥離部分の強度以外に、フィルムのコシなどによっても値が影響を受けることがあるため、厚みによる違いを排除するため上記の式により判定した。
(8)反射率
分光光度計((株)島津製作所製UV2450)に積分球付属装置((株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板として、標準板を100%としたときのA層側の相対反射率を測定し、波長560nmにおける相対反射率を以下の基準にて判定した。
○ 85%以上
△ 70%以上85%未満
× 70%未満。
分光光度計((株)島津製作所製UV2450)に積分球付属装置((株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板として、標準板を100%としたときのA層側の相対反射率を測定し、波長560nmにおける相対反射率を以下の基準にて判定した。
○ 85%以上
△ 70%以上85%未満
× 70%未満。
(9)酸化チタン濃度
初めに、測色色差計(日本電色工業製ZE2000)を用いて、2波長法により白色度を測定を行った。次に(株)リガク社製波長分散型蛍光X線分析装置(型番:ZSX100e)を用いて、チタン元素濃度を測定した。白色度が50%以上で、チタン元素が検出される場合、酸化チタンを含有するものとして、チタン元素濃度から、以下のように酸化チタン濃度を算出した。
チタン元素濃度×(79.9/47.9)=酸化チタン濃度
[比較例1]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行った。次いで、得られたポリエチレンテレフタレートを、0.5mmHgの減圧下、230℃で20時間固相重合を行った。これをPET−Aとする。
初めに、測色色差計(日本電色工業製ZE2000)を用いて、2波長法により白色度を測定を行った。次に(株)リガク社製波長分散型蛍光X線分析装置(型番:ZSX100e)を用いて、チタン元素濃度を測定した。白色度が50%以上で、チタン元素が検出される場合、酸化チタンを含有するものとして、チタン元素濃度から、以下のように酸化チタン濃度を算出した。
チタン元素濃度×(79.9/47.9)=酸化チタン濃度
[比較例1]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行った。次いで、得られたポリエチレンテレフタレートを、0.5mmHgの減圧下、230℃で20時間固相重合を行った。これをPET−Aとする。
次に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸95mol%、イソフタル酸5mol%、ジオール成分としてシクロヘキシレンジメタノール100mol%を用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いて重縮合反応を行い、イソフタル酸5mol%を共重合成分として含む融点283℃の1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを得た。これをPET−Bとする。
さらに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレートを得た。これをPET−Cとする。
さらに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行った。次いで、得られたポリエチレンテレフタレートを、0.5mmHgの減圧下、230℃で28時間固相重合を行った。これをPET−Eとする。
さらに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレートを得た。これをPET−Cとする。
さらに、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸100mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行った。次いで、得られたポリエチレンテレフタレートを、0.5mmHgの減圧下、230℃で28時間固相重合を行った。これをPET−Eとする。
PET−Eを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタAとする。マスタAのTccは140℃であった。
PET−AとマスタAを重量比76:24の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(A1)とする。
PET−AとPET−CとマスタAを、30:67:3の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(A2)とする。
PET(A1)とPET(A2)は、それぞれ別の押出機に供給し、280℃で溶融混練した後、積層装置を用いてPET(A1)を原料とした層(A層)とPET(A2)を原料とした層(B層)を積層し、溶融シートを口金から押し出し、20℃に保った冷却ドラムに静電印加密着してキャストし、未延伸シートを得た。
PET−AとPET−CとマスタAを、30:67:3の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(A2)とする。
PET(A1)とPET(A2)は、それぞれ別の押出機に供給し、280℃で溶融混練した後、積層装置を用いてPET(A1)を原料とした層(A層)とPET(A2)を原料とした層(B層)を積層し、溶融シートを口金から押し出し、20℃に保った冷却ドラムに静電印加密着してキャストし、未延伸シートを得た。
この未延伸シートを逐次二軸延伸法で、温度88℃で長手方向(MD)に3.2倍延伸し、引き続き後続するテンターに供給し、温度105℃で幅方向(TD)に3.8倍延伸した。A層の厚みが30μm、B層の厚みが130μmの総厚み160μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例1]
PET−Aを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、Tccが150℃の酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタCとする。
PET−AとマスタCを重量比76:24の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(C1)とする。
PET−AとPET−CとマスタCを、30:67:3の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(C2)とする。
PET(C1)とPET(C2)は、それぞれ別の押出機に供給し、280℃で溶融混練した後、積層装置を用いてPET(C1)を原料とした層(A層)とPET(C2)を原料とした層(B層)を積層し、溶融シートを口金から押し出し、20℃に保った冷却ドラムに静電印加密着してキャストし、未延伸シートを得た。この未延伸シートを比較例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
PET−Aを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、Tccが150℃の酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタCとする。
PET−AとマスタCを重量比76:24の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(C1)とする。
PET−AとPET−CとマスタCを、30:67:3の割合で配合し、温度170℃、真空度2kPaの条件で、2時間の真空乾燥を行った。これをPET(C2)とする。
PET(C1)とPET(C2)は、それぞれ別の押出機に供給し、280℃で溶融混練した後、積層装置を用いてPET(C1)を原料とした層(A層)とPET(C2)を原料とした層(B層)を積層し、溶融シートを口金から押し出し、20℃に保った冷却ドラムに静電印加密着してキャストし、未延伸シートを得た。この未延伸シートを比較例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例2]
マスタCを170度で12時間固相重合を行い、マスタDを得た。マスタDのTccは145℃であった。
マスタCの代わりにマスタDを用いた以外は実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
マスタCを170度で12時間固相重合を行い、マスタDを得た。マスタDのTccは145℃であった。
マスタCの代わりにマスタDを用いた以外は実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例3]
PET−Bを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタBとする。マスタBのTccは140℃であった。
マスタCの代わりにマスタBを用いた以外は実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
PET−Bを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタBとする。マスタBのTccは140℃であった。
マスタCの代わりにマスタBを用いた以外は実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例4]
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタB=64:36とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタB=64:36とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[比較例2]
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A 100%、B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−AC=100%とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A 100%、B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−AC=100%とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[比較例3]
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=90:10とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=90:10とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[比較例4]
比較例3におけるマスタCの代わりにマスタBを用いた以外は、比較例3と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
比較例3におけるマスタCの代わりにマスタBを用いた以外は、比較例3と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例5]
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=50:50とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=50:50とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例6]
A層の厚みを10μm、B層の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
A層の厚みを10μm、B層の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[比較例5]
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=76:24とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=76:24とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[比較例6]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸94mol%、イソフタル酸mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行った。次いで、得られたポリエチレンテレフタレートを、0.5mmHgの減圧下、230℃で20時間固相重合を行った。これをPET−Dとする。
さらに、PET−Dを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、Tccが150℃の酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタFとする。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−D:マスタF=76:24とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸94mol%、イソフタル酸mol%、ジオール成分としてエチレングリコール100mol%を用い、触媒として、三酸化アンチモン、酢酸リチウム、リン酸トリメチル、酢酸カルシウムを用いて重縮合反応を行った。次いで、得られたポリエチレンテレフタレートを、0.5mmHgの減圧下、230℃で20時間固相重合を行った。これをPET−Dとする。
さらに、PET−Dを50重量部と、平均粒径0.22μmのルチル型酸化チタン粒子50重量部とをポリマー温度280℃にて溶融混練し、Tccが150℃の酸化チタンを含有するポリエステル樹脂組成物を得た。これをマスタFとする。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−D:マスタF=76:24とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[比較例7]
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−D:マスタF=97:3とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−D:マスタF=97:3とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例7]
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=40:60、
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:PET−C:マスタC=26:62:12とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
A層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:マスタC=40:60、
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:PET−C:マスタC=26:62:12とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例8]
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:PET−C:マスタC=24:56:20とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:PET−C:マスタC=24:56:20とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
[実施例9]
実施例1で得たポリエステルフィルムを、粉砕後造粒し、回収PETを得た。B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:PET−C:マスタC:回収PET=21:49:29:1とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
実施例1で得たポリエステルフィルムを、粉砕後造粒し、回収PETを得た。B層の原料となるポリエステル樹脂の配合をPET−A:PET−C:マスタC:回収PET=21:49:29:1とした以外は、実施例1と同様に製膜し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性は表1のとおりであった。
本発明のポリエステルフィルムは、耐久性、外観に優れるため、太陽電池バックシート用ポリエステルフィルムに好適に用いることができる。
1:太陽電池裏面保護用シート
2:封止材
3:発電素子
4:透明基板
2:封止材
3:発電素子
4:透明基板
Claims (6)
- 少なくとも2層からなるポリエステルフィルムであって、少なくとも一方の最外層が酸化チタン粒子を含有しており、その含有量が層全体に対して10重量%以上30重量%である層(A層)であり、A層の冷結晶化温度(Tcc)をTccA(℃)、A層に隣接する層(B層)の冷結晶化温度(Tcc)をTccB(℃)としたとき、TccAとTccBがいずれも140℃以上180℃以下であり、TccAとTccBの差が2℃以上15℃以下であり、120℃100%RH60時間処理後における破断伸度が長手方向、幅方向いずれも30%以上であるポリエステルフィルム。
- 前記A層表面の光沢度が65〜85%である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 前記B層は、酸化チタン粒子の含有量がB層全体に対して10重量%未満である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
- 前記A層と前記B層の厚みの合計が、ポリエステルフィルムの総厚みに対して50%以上である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムのポリエステル樹脂成分が、前記A層、B層が、いずれもジカルボン酸成分としてテレフタル酸を98重量%以上としたポリエチレンテレフタレートを主成分とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- 太陽電池バックシートに用いられる請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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JP2016251208 | 2016-12-26 | ||
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