JP2018103251A - レーザ加工機及びレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
図6は、ワークWにおける、加工経路Ka6を含む範囲の上面図である。図6の紙面直交方向が上下方向であり、紙面延在方向が水平方向である。
まず、現在加工している製品の加工経路の終了点でヘッドからのレーザ照射を停止する。
次いで、ヘッドの高さを、加工時の高さ(レーザ加工高さ)よりも高い位置に保持する。この高さは、ヘッドの倣い制御を伴わない相対移動を行う高さである。
次いで、ワークとヘッドとを水平方向に相対的に移動して、これから加工する製品の加工経路の加工開始点A1を、ヘッドの下方に位置させる。
次いで、ヘッドを下降させ、レーザ加工高さで倣い制御を開始すると共に、レーザ光の照射を開始し、倣い制御でワークとヘッドとを相対的に水平移動させて加工開始点A1から加工経路Ka6の加工を行う。
従って、ヘッドが加工開始点A1にあるときに検出範囲ACの一部が、ワークWの存在する部分(ハッチング付与)にかかり、残りの部分が(この例で面積の1/4が)、ワークWの存在していない孔Whにかかってしまう。
そのため、倣い制御が不安定となって倣いチャタリング(上下の細かい振動)が生じる場合があった。
特に、位置決め完了から加工開始までの期間を短く設定した場合、加工開始までに機械揺れが十分に収まらず、加工経路Ka6の初期の部分ARaの切断面が水平方向に凸凹となってうねる、波打ち現象を生じる場合があった。
検討の結果、この波打ち現象は、ワーク或いはヘッドの水平移動である、加工開始点A1までの位置決め動作に伴って稼働した機構部材の水平方向の揺れが、加工開始後も減衰せずに残り、移動動作が不安定になるため、と推察された。
1) ワークに対しレーザ光を出射すると共に前記ワークの表面の所定検出範囲で前記ワークとの距離を測定するセンサを有するレーザ加工ヘッドと、
前記レーザ加工ヘッドを、
前記レーザ光を出射せずに、前記所定検出範囲の全体が前記ワークの存在する部分に含まれる位置である起点の上方において倣い動作させて所定の倣い高さにした後、前記倣い高さを維持して予め設定された加工経路の加工開始点の上方に相対移動し、前記加工開始点の上方に達したら前記レーザ光を出射して前記加工経路で相対移動させるよう制御する制御部と、
を備えたレーザ加工機である。
2) 前記制御部は、前記レーザ加工ヘッドを、前記加工開始点の上方で所定時間だけ停止させることを特徴とする1)に記載のレーザ加工機である。
3) 前記制御部は、前記レーザ加工ヘッドの前記起点から前記加工開始点への相対移動における移動速度を、前記起点側よりも前記加工開始点側が低速になるよう制御することを特徴とする1)に記載のレーザ加工機である。
4) ワークに対しレーザ加工ヘッドからレーザ光を出射してレーザ加工を行うレーザ加工方法であって、
前記ワークの表面の所定検出範囲で前記ワークとの距離を測定するセンサを設けた前記レーザ加工ヘッドを、予め設定された加工経路の加工開始点の上方に、前記レーザ光を出射せずに位置決め移動させる位置決めステップと、
前記レーザ加工ヘッドを、前記レーザ光を出射して前記加工経路を相対移動させる加工ステップと、
を含み、
前記位置決めステップには、
前記レーザ加工ヘッドを、前記ワークに対し前記所定検出範囲の全体が前記ワークの存在する部分に含まれる位置である起点の上方において倣い動作させて所定の倣い高さにする倣い動作ステップと、
前記倣い動作ステップの実行後、前記レーザ加工ヘッドを、前記倣い高さを維持して前記加工開始点の上方に相対移動させるインターロック移動ステップと、を含み、
前記位置決めステップにより前記レーザ加工ヘッドが前記加工開始点の上方に達したら、前記加工ステップを実行することを特徴とするレーザ加工方法である。
5) 前記レーザ加工ヘッドが前記加工開始点の上方に達したら、前記加工ステップを実行する前に所定時間一時停止させることを特徴とする一時停止ステップを実行することを特徴とする4)に記載のレーザ加工方法である。
6) 前記レーザ加工ヘッドの前記起点から前記加工開始点への相対移動における移動速度を、前記起点側よりも前記加工開始点側を低速にすることを特徴とする4)に記載のレーザ加工方法である。
尚、ワーク駆動部4は、ワークWとヘッド1とを相対的に移動させるためのものであればよい。従って、ワーク駆動部4は、上述のクランパ4aをXY方向に移動させるワーク駆動部4に代えて、クランパ4aをX軸方向のみに移動しヘッド1をY軸方向に移動するワーク駆動部であってもよい。また、ワークWは固定としヘッド1をXY方向に移動させるワーク駆動部であってもよい。
ヘッド1におけるレーザ光を照射する部分であるノズル部1nには、先端に、ワークWとの高さ方向の距離Laを測定するセンサ1aが備えられている。センサ1aは、ワークWの表面での検出範囲AC(図3参照)が所定の円形となる静電容量型であって、距離Laを含む距離情報J2を制御部CTに向け出力する。
記憶部CTdには外部から供給された加工プログラムやワークWの形状などのレーザ加工に必要な情報が記憶される。
ドゥエル実行部CTcは、次に実行するレーザ加工の加工経路が所定の経路である、と判定した場合に、その所定の経路に対応した位置決め経路を設定すると共に所定のタイミングでヘッドの移動を、予め設定した所定の時間だけ一時停止(ドゥエル)するよう制御する。
例えば、加工経路が、図2に示される加工経路Ka(太い二点鎖線)の場合、加工開始点A1が、ワークWにおける既設の孔Whの長方形の角部に位置しているので、所定の経路の加工である、と判定する。
所定の経路とは、加工開始点が、ワークWの既設の貫通孔の角部に位置している経路である。
ドゥエル実行部CTcによる一時停止は、必ず実行するものではなく、作業者の操作により、或いは加工プログラムにおいて、実行するか否かが選択設定されるようになっている。
加工開始点A1は、詳しくは、縁部Wh1の内の、直交隣接する長辺Wh1aと短辺Wh1bとの交点である。
ここで、起点Kb1は、図3に示されるように、その上方にヘッド1を位置させたときに、検出範囲ACが孔Whにかからず、検出範囲ACの全体がワークWの存在する部分(ハッチング付与)に含まれる位置として設定する(図3参照)。
位置決め経路Kbは、直線及び曲線の少なくとも一方を含む経路として設定される。ヘッド1の相対移動時間を短くするために、位置決め経路Kbの距離は短い方が望ましい。
所定距離は、予め設定されたワークWとノズル部1nの先端との間の上下距離であって、倣い制御で加工を行うときの高さ(倣い高さ)である。
倣いインターロックにより、ヘッド1のZ軸移動が禁止され、XY軸移動の際の高さ位置が固定される。
所定の時間tdは、ヘッド1の移動速度や、位置決め経路Kbから加工開始点A1で加工経路Kaに移行する際の方向転換角度である角度(劣角)θa(図3参照)等をパラメータとして、予め実験によって設定する。例えば1秒以上とする。
一時停止時間が所定の時間tdに達したら(Yes)、レーザ光を出射すると共に、インターロックを解除して倣い制御をONにした後、ヘッド1を加工経路Ka上で相対移動してレーザ加工を実行する(Step9)。
ヘッド1が起点Kb1に位置した状態において、検出範囲ACは、その範囲のすべてがワークWの存在する部分に入っている。そのため、倣いチャタリングを生じることはなく、安定した倣い位置決めが行われる。
そのため、加工開始点A1において、ヘッド1は、従来の高い位置からではなく、既に倣いを実行した倣い高さから加工を開始する。
これにより、加工開始に伴い倣い動作を実行開始しても、ヘッド1のZ軸方向の移動は少なく、加工開始点A1からの加工の際に高さが上下に振動することなく、加工経路Kaを安定的に移動できる。
この一時停止期間中に、位置決め動作に伴って生じた稼働機構部材の機械的揺れが十分減衰する。
これにより、その機械的揺れは、その後の加工動作に影響を及ぼすことはなく、加工断面に波打ちは生じない。
また、仮に機械的揺れが残っていても、無視できる程度に抑制でき、加工断面に製品として支障のある波打ちを生じさせることはない。
図5(a)は、位置決め手順Mにおいてドゥエルを1.0秒実行した場合、(b)は、位置決め手順Mにおいてドゥエルを実行しなかった場合である。
図5(a)では、加工経路Kaで切断した抜き側の部材Wpの、加工開始点A1に近い部分の切断端部に、水平方向(図5の左右方向)の波打ち(うねり)は生じていない。
これに対し、図5(b)では、部材Wpの同様部位に水平方向の波打ち(うねり)Wmが生じており、実施例のレーザ加工方法におけるドゥエル実行の効果が確認できた。
これに対し、制御部CTは、波打ち現象の発生を防止するため、位置決め経路Kbの早送り速度を、加工開始点A1に近づくに従って減速するよう制御してもよい。すなわち、ヘッド1の、起点Kb1側よりも加工開始点A1側の相対移動速度を低速にするよう制御する。
例えば、位置決め経路Kbの加工開始点A1側の1/3の区間を、減速区間として加工開始点A1到達時に速度0(ゼロ)又はそれに近い低速になるよう減速させる。
例えば、位置決め経路Kb及び位置決め手順Mを、記憶部CTdに、加工プログラムなどの情報の中にそれぞれ加工経路Kaと紐付して含めて記憶させておき、ドゥエル実行判定部CTbがドゥエルを実行すると判定した場合に、ドゥエル実行部CTcが記憶部CTdから呼び出して設定するようにしてもよい。
位置決め経路Kbから加工経路Kaへの転換角度である角度θaや位置決め経路Kbを移動するヘッド1の相対速度をパラメータとして試加工を行い、実測データから加工効率を考慮した最短時間で設定することが望ましい。
試加工による検討の結果、通常のレーザ加工条件において、時間tdを1秒以上に設定することで、角度θaによらず、通常加工での波打ち発生を、無視できる程度に抑制することができることが明らかになっている。
例えば、ドゥエル実行部CTcは、図3に示される角度θa(0<θa<180°)が小さいほど、時間tdを長く設定するとよい。
2 駆動部
3 レーザ発振器
4 ワーク駆動部、 4a クランパ
51 レーザ加工機
AC 検出範囲
A1 加工開始点
CT 制御部
CTa 中央処理装置(CPU)、 CTb ドゥエル実行判定部
CTc ドゥエル実行部、 CTd 記憶部
J1,J3 位置情報、 J2 距離情報
Ka 加工経路、 Kb 位置決め経路、 Kb1 起点
La (高さ方向の)距離、 LS レーザ光
M 位置決め手順
td (所定の)時間
W ワーク
Wh 孔、 Wh1 縁部、 Wh1a 長辺、 Wh1b 短辺
Wm 波打ち(うねり)、 Wp 部材
θa 角度
Claims (6)
- ワークに対しレーザ光を出射すると共に前記ワークの表面の所定検出範囲で前記ワークとの距離を測定するセンサを有するレーザ加工ヘッドと、
前記レーザ加工ヘッドを、
前記レーザ光を出射せずに、前記所定検出範囲の全体が前記ワークの存在する部分に含まれる位置である起点の上方において倣い動作させて所定の倣い高さにした後、前記倣い高さを維持して予め設定された加工経路の加工開始点の上方に相対移動し、前記加工開始点の上方に達したら前記レーザ光を出射して前記加工経路で相対移動させるよう制御する制御部と、
を備えたレーザ加工機。 - 前記制御部は、前記レーザ加工ヘッドを、前記加工開始点の上方で所定時間だけ停止させることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。
- 前記制御部は、前記レーザ加工ヘッドの前記起点から前記加工開始点への相対移動における移動速度を、前記起点側よりも前記加工開始点側が低速になるよう制御することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。
- ワークに対しレーザ加工ヘッドからレーザ光を出射してレーザ加工を行うレーザ加工方法であって、
前記ワークの表面の所定検出範囲で前記ワークとの距離を測定するセンサを設けた前記レーザ加工ヘッドを、予め設定された加工経路の加工開始点の上方に、前記レーザ光を出射せずに位置決め移動させる位置決めステップと、
前記レーザ加工ヘッドを、前記レーザ光を出射して前記加工経路を相対移動させる加工ステップと、
を含み、
前記位置決めステップには、
前記レーザ加工ヘッドを、前記ワークに対し前記所定検出範囲の全体が前記ワークの存在する部分に含まれる位置である起点の上方において倣い動作させて所定の倣い高さにする倣い動作ステップと、
前記倣い動作ステップの実行後、前記レーザ加工ヘッドを、前記倣い高さを維持して前記加工開始点の上方に相対移動させるインターロック移動ステップと、を含み、
前記位置決めステップにより前記レーザ加工ヘッドが前記加工開始点の上方に達したら、前記加工ステップを実行することを特徴とするレーザ加工方法。 - 前記レーザ加工ヘッドが前記加工開始点の上方に達したら、前記加工ステップを実行する前に所定時間一時停止させることを特徴とする一時停止ステップを実行することを特徴とする請求項4記載のレーザ加工方法。
- 前記レーザ加工ヘッドの前記起点から前記加工開始点への相対移動における移動速度を、前記起点側よりも前記加工開始点側を低速にすることを特徴とする請求項4記載のレーザ加工方法。
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JP2016255464A JP6807229B2 (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | レーザ加工機及びレーザ加工方法 |
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CN114535827A (zh) * | 2022-02-16 | 2022-05-27 | 深圳市小步数控有限公司 | 激光头的运动控制方法、运动控制系统和激光加工机 |
CN114625070A (zh) * | 2022-02-22 | 2022-06-14 | 大族激光科技产业集团股份有限公司 | 激光加工控制方法、装置及可读存储介质 |
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- 2016-12-28 JP JP2016255464A patent/JP6807229B2/ja active Active
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