JP2018102104A - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】渦電流損失の低減を図ると共に、回転子の耐遠心力性を向上させて、高速回転、高変動トルクに対応可能な永久磁石式回転電機を提供する。【解決手段】回転子10の軸方向に沿って配置された複数組の磁石部14と、複数組の磁石部14の外周に軸方向に沿って圧入された複数の飛散防止リング16とを備えた永久磁石式回転電機において、飛散防止リング16は、隣接する他の飛散防止リング16と接する両方の側面に設けられた絶縁コーティング16bと、内周面と両方の側面との間に設けられた面取り面16aとを有し、磁石部14は、隣接する他の磁石部14と接する両方の側面に設けられた絶縁コーティング14bと、外周面と両方の側面との間に設けられた面取り面14aとを有し、面取り面14aが形成する空間15aと面取り面16aが形成する空間15bを連通させている。【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石式回転電機に関し、特に、表面貼付型永久磁石式回転電機の回転子の構造に関する。
特許文献1には、変動トルク発生により生じる永久磁石の温度上昇を抑制する永久磁石式回転電機が開示されている。特許文献1の図1を参照して説明すると、高速回転時や変動トルクが生じた際、永久磁石5に渦電流損失が生じるため、絶縁部材8bにより、渦電流路を遮断し、スペーサ8の位置における磁場変動とそれによる渦電流損失が低減して、スペーサ8自体の温度上昇が低減し、よって、永久磁石5の温度上昇が低減することになる。
また、特許文献2には、保持リング、永久磁石の渦電流損失の増加を抑制する表面貼付型永久磁石式回転電機、所謂、SPMモータ(Surface Permanent Magnet Motor)が開示されている。特許文献2の図2を参照して説明すると、渦電流損失の増加を抑制するため、永久磁石(101)における渦電流の経路を分断する第1の空隙(S111)と、保持リング(102)における渦電流の経路を分断する第2の空隙(S112)とを設けている。
特開2001−231201号公報 特開2014−064428号公報
特許文献1の図1に示した回転子の構造では、永久磁石5及びスペーサ8の外表面に絶縁材(絶縁コーティング)がないため、スペーサ8間の側面絶縁性が保たれていたとしても、隣接するスペーサ間の表面付近において、永久磁石5に引き寄せられた微小な鉄粉や導電性材料などの付着やスペーサ8表面の圧痕の発生により、渦電流が導通する可能性があり、上述した渦電流損失の低減効果を阻害するおそれがある。また、特許文献1の段落0019などに記載があるように、スペーサ8が軸方向両端に設けた図示しない保持リングにボルト止めされて、固定されているだけであり、高速回転、変動トルクが生じた場合、永久磁石5は、遠心力により、径方向に飛散する可能性があり、高速回転、高変動トルクで運転できないおそれがある。
また、特許文献2の図2に示した回転子の構造では、製造時に、空隙を作るためのスペーサなどの治具が必要となるため、治具コストが増大する問題がある。また、モータ内に流体がある場合、回転子に凹凸があることで、管路抵抗の増加により、損失が増加するおそれがある。また、特許文献2の図3を参照して説明すると、軸方向に空隙D1がある分だけ、磁石の軸方向長さL1が短くなるため、マグネットトルクが減少してしまう。特に、マグネットトルクのみを利用する表面貼付型永久磁石式回転電機においては、性能低下が避けられない。
また、特許文献2の段落0035に記載があるように、保持リング(102)は、永久磁石(101)の外周に焼き嵌めされているため、製造工程において、保持リング(102)を加熱する手間がかかり、温度管理が難しい。例えば、保持リング(102)として、チタン合金などを用いる場合には、その熱膨張係数が低いため、温度を上げる時間が必要であり、また、高温にする必要もあり、温度管理が難しくなり、また、高温による材料変質も問題になるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、渦電流損失の低減を図ると共に、回転子の耐遠心力性を向上させて、高速回転、高変動トルクに対応可能な永久磁石式回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る永久磁石式回転電機は、
1つの組が環状に貼付された複数の永久磁石からなり、複数組が回転子の軸方向に沿って配置された磁石部と、
複数組の前記磁石部の外周に前記軸方向に沿って圧入された複数の環状部材とを備え、
前記環状部材は、隣接する他の前記環状部材と接する一方又は両方の側面に設けられた第1の側面絶縁部と、内周面と一方又は両方の前記側面との間に設けられた第1の面取り面とを有し、
前記磁石部は、隣接する他の前記磁石部と接する一方又は両方の側面に設けられた第2の側面絶縁部と、外周面と一方又は両方の前記側面との間に設けられた第2の面取り面とを有し、
隣接する前記環状部材同士における一方又は両方の前記第1の面取り面が形成する空間と、隣接する前記磁石部同士における一方又は両方の前記第2の面取り面が形成する空間が連通するように、前記磁石部及び前記環状部材を配置した
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る永久磁石式回転電機は、
上記第1の発明に記載の永久磁石式回転電機において、
前記前記第1の面取り面及び前記第2の面取り面は、平面又は曲面である
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る永久磁石式回転電機は、
上記第1又は第2の発明に記載の永久磁石式回転電機において、
前記環状部材は、内周面に設けられた内周面絶縁部を有する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る永久磁石式回転電機は、
上記第1から第3の発明のいずれか1つに記載の永久磁石式回転電機において、
前記磁石部は、外周面に設けられた外周面絶縁部を有する
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る永久磁石式回転電機は、
上記第1から第4の発明のいずれか1つに記載の永久磁石式回転電機において、
前記第1の面取り面に設けられた第1の面取り面絶縁部、及び、前記第2の面取り面に設けられた第2の面取り面絶縁部のうち少なくとも一方を有する
ことを特徴とする。
なお、上記第1から第5の発明に記載の永久磁石式回転電機において、更に、
前記環状部材は、外周面と一方の前記側面との間に設けられた面取り面と、前記面取り面に設けられた面取り面絶縁部とを有していても良い。
更に、前記面取り面は、平面又は曲面であっても良い。
更に、前記面取り面は、圧入の進行方向側に設けられていても良い。
本発明によれば、永久磁石式回転電機において、渦電流損失の低減を図ることができると共に、回転子の耐遠心力性を向上させて、高速回転、高変動トルクに対応することができる。
本発明に係る永久磁石式回転電機の回転子を説明する斜視図である。 本発明に係る永久磁石式回転電機の実施形態の一例(実施例1)として、回転子の構造を説明する図であり、(a)は回転子の断面図、(b)は回転子の磁石部の断面図、(c)は回転子の飛散防止リングの断面図である。 図2に示した永久磁石式回転電機の変形例として、回転子の構造を説明する図であり、(a)は回転子の断面図、(b)は回転子の磁石部の断面図、(c)は回転子の飛散防止リングの断面図である。 本発明に係る永久磁石式回転電機の実施形態の他の一例(実施例2)として、回転子の構造を説明する図であり、(a)は回転子の断面図、(b)は回転子の磁石部の断面図、(c)は回転子の飛散防止リングの断面図である。 図4に示した永久磁石式回転電機の変形例として、回転子の構造を説明する図であり、(a)は回転子の断面図、(b)は回転子の磁石部の断面図、(c)は回転子の飛散防止リングの断面図である。 従来の永久磁石式回転電機の回転子での問題を説明する断面図である。
以下、本発明に係る永久磁石式回転電機について、図1〜図5を参照して、その実施形態を説明する。なお、本発明は、永久磁石式回転電機の回転子の構造に関するものであるので、図1〜図5においては、回転子を主として図示している。
[実施例1]
本実施例の永久磁石式回転電機について、図1〜図3を参照して説明を行う。本実施例の永久磁石式回転電機は、回転子10と、回転子10が内周側に挿通された円筒状の固定子20とを有しており、これらは、筐体(図示省略)に収容されている。
回転子10は、筐体に回転可能に支持された回転軸11と、回転軸11の外周に積層して配置された電磁鋼板13と、電磁鋼板13の外周に回転子10の軸方向に沿って配置された複数組の磁石部14と、複数組の磁石部14の外周に回転子10の軸方向に沿って圧入されて嵌め込まれた複数の飛散防止リング16(環状部材)とを有している。1つ組の磁石部14は、複数の永久磁石からなり、これらが電磁鋼板13の外周に環状に貼付されている。つまり、本実施例の永久磁石式回転電機は、表面貼付型永久磁石式回転電機、所謂、SPMモータである。
また、回転軸11の両端には、複数の磁石部14を固定する固定リング12が設けられている。また、回転子10と固定子20との間には、ギャップ17が形成されて、冷却用の絶縁流体(空冷であれば、空気、油冷であれば、冷却油など)が流れている。
なお、図2及び図3においては、Nを2以上の整数とすると共に、N−1番目の磁石部14を「14(N−1)」と表し、N番目の磁石部14を「14(N)」と表し、N+1番目の磁石部14を「14(N+1)」と表している。同様に、N−1番目の飛散防止リング16を「16(N−1)」と表し、N番目の飛散防止リング16を「16(N)」と表し、N+1番目の飛散防止リング16を「16(N+1)」と表している。
そして、本実施例においては、渦電流損失の低減を図るため、磁石部14、飛散防止リング16の構成を工夫している。
具体的には、磁石部14においては、外周面(飛散防止リング16側の面)と一方又は両方の側面との間に、当初当該部分にあった角部又は隅部に面取りを行って、平面の面取り面14a(第2の面取り面)を設けている。また、隣接する他の磁石部14と接する一方又は両方の側面に絶縁コーティング14b(第2側面絶縁部)を設けている。
なお、図2には、磁石部14が、外周面と両方の側面との間に設けた面取り面14aと、隣接する他の磁石部14と接する両方の側面に設けた絶縁コーティング14bとを有する構成を示している。また、図3には、磁石部14が、外周面と一方の側面との間に設けた面取り面14aと、隣接する他の磁石部14と接する一方の側面に設けた絶縁コーティング14bとを有する構成を示している。
また、飛散防止リング16においても、内周面(磁石部14側の面)と一方又は両方の側面との間に、当初当該部分にあった角部又は隅部の面取りを行って、平面の面取り面16a(第1の面取り面)を設けている。また、隣接する他の飛散防止リング16と接する一方又は両方の側面に絶縁コーティング16b(第1側面絶縁部)を設けている。また、外周面(固定子20側の面)と一方の側面(図中では左側面)との間には、当初当該部分にあった角部又は隅部の面取りを行って、平面の面取り面16cを設けており、この面取り面16cにも絶縁コーティング16d(面取り面絶縁部)を設けている。
なお、図2には、飛散防止リング16が、内周面と両方の側面との間に設けた面取り面16aと、隣接する他の飛散防止リング16と接する両方の側面に設けた絶縁コーティング16bとを有する構成を示している。また、図3には、飛散防止リング16が、内周面と一方の側面との間に設けた面取り面16aと、隣接する他の飛散防止リング16と接する一方の側面に設けた絶縁コーティング16bとを有する構成を示している。
このように、本実施例においては、磁石部14及び飛散防止リング16の一部の面に絶縁コーティングを形成すれば良く、全ての表面に絶縁コーティングを形成する必要はなく、絶縁コーティングの成膜コストの低減が可能である。
また、上述した絶縁コーティング14b、16b、16dとしては、例えば、セラミック系膜、樹脂系膜、DLC(Diamond-Like carbon)膜などが適用可能である。セラミック系膜としては、酸化アルミニウム(アルミナ)などの酸化物セラミック、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)などの窒化物セラミック、プラズマ電界酸化(PEO:Plasma Electrolytic Oxidation)などがあり、樹脂系膜としては、ポリイミド樹脂、エキポシ樹脂などがある。特に、DLC膜は、電気絶縁性、摺動性に加えて、低摩擦、低摩耗、ダイヤモンド並の高硬度である機械特性、耐腐食性に優れており、絶縁コーティング14b、16b、16dとして好適な材料である。
以上のような構成を有する磁石部14、飛散防止リング16を用いて、回転子10を作製すると、隣接する磁石部14同士においては、一方又は両方の面取り面14aが空間15aを形成し、この空間15aは、隣接する磁石部14同士の境界の飛散防止リング16側に配置されることになる。また、隣接する飛散防止リング16同士においては、一方又は両方の面取り面16aが空間15bを形成し、この空間15bは、隣接する飛散防止リング16同士の境界の磁石部14側に配置されることになる。
そして、空間15aと空間15bが連通するように、磁石部14、飛散防止リング16を配置することにより、空間15が形成されることになる。このようにして形成した空間15は、空間内部に存在する絶縁流体(空気や冷却油など)により、電気的な絶縁層として機能することになる。
なお、ここでは、空間15a、15bは、共に、三角形断面となっているが、絶縁層として機能する空間を確保することができれば、どのような断面形状でも良い。例えば、台形や多角形の断面としても良い。
このような空間15がない場合には、たとえ、隣接する磁石部14同士の間及び隣接する飛散防止リング16同士の間が絶縁コーティング又は絶縁材で絶縁が行われていても、渦電流の経路が形成されるおそれがある。
例えば、図6に示すように、回転子40において、隣接する磁石部43同士の間が絶縁材44(又は絶縁コーティング)で絶縁され、また、隣接する飛散防止リング45同士の間が絶縁材46(又は絶縁コーティング)で絶縁されていたとする。このような構造において、磁石部43や飛散防止リング45の寸法誤差や組立による磁石部43や飛散防止リング45の位置ズレがあった場合、隣接する磁石部43と飛散防止リング45との間に、渦電流の経路ができてしまう。なお、図6において、符号41は回転軸、符号42は電磁鋼板、符号50は固定子である。
このような場合、N−1番目の磁石部43で発生した渦電流EC1が、N−1番目の飛散防止リング45を介して、N番目の磁石部43へ導通し、更に、N番目の飛散防止リング45を介して、N+1番目の磁石部43へ導通することになる。同様に、N−1番目の飛散防止リング45で発生した渦電流EC2が、N番目の磁石部43を介して、N番目の飛散防止リング45へ導通し、更に、N+1番目の磁石部43を介して、N+1番目の飛散防止リング43へ導通することになる。
なお、図6においても、Nを2以上の整数とすると共に、N−1番目の磁石部43を「43(N−1)」と表し、N番目の磁石部43を「43(N)」と表し、N+1番目の磁石部43を「43(N+1)」と表している。同様に、N−1番目の飛散防止リング45を「45(N−1)」と表し、N番目の飛散防止リング45を「45(N)」と表し、N+1番目の飛散防止リング45を「45(N+1)」と表している。
一方、本実施例では、N−1番目の磁石部14で発生した渦電流ECは、N−1番目の飛散防止リング16には導通するが、絶縁コーティング14b、16b及び空間15が存在するので、N番目の磁石部14へは導通せず、また、N番目の飛散防止リング16へも導通しない。同様に、N番目の磁石部14で発生した渦電流ECは、N番目の飛散防止リング16には導通するが、絶縁コーティング14b、16b及び空間15が存在するので、N+1番目の磁石部14へは導通せず、また、N+1番目の飛散防止リング16へも導通しない。
これは、飛散防止リング16で発生した渦電流であっても同様である。例えば、N−1番目の飛散防止リング16で発生した渦電流は、N−1番目の磁石部14には導通するが、絶縁コーティング14b、16b及び空間15が存在するので、N番目の磁石部14へは導通せず、また、N番目の飛散防止リング16へも導通しない。同様に、N番目の飛散防止リング16で発生した渦電流は、N番目の磁石部14には導通するが、絶縁コーティング14b、16b及び空間15が存在するので、N+1番目の磁石部14へは導通せず、また、N+1番目の飛散防止リング16へも導通しない。
このように、絶縁コーティング14b、16bに加えて、空間15を形成することにより、たとえ、磁石部14や飛散防止リング16の寸法誤差や位置ズレがあった場合でも、空間15の存在により、図6で示したような渦電流EC1、EC2を分断することができるので、渦電流ECの導通を抑制して、渦電流損失を低減することができる。
また、以上のような構成を有する飛散防止リング16を用いて、回転子10を作製すると、回転子10の外周面側において、隣接する飛散防止リング16同士の境界に、絶縁コーティング16dを有する面取り面16cが配置されることになる。
このように、隣接する飛散防止リング16同士の境界に絶縁コーティング16dが配置されているので、外周面16eに絶縁コーティングがない(又は、外周面16eに形成した絶縁コーティングが剥離した)構成において、鉄粉などの導電性材料18が隣接する飛散防止リング16同士の境界に存在したとしても、飛散防止リング16間の外周面で渦電流の導通は発生せず、渦電流損失を低減することができる。例えば、図2に示すように、導電性材料18が隣接する飛散防止リング16同士の境界に存在しても、N+1番目の飛散防止リング16からN番目の飛散防止リング16へ渦電流が導通することはない。
以上のようにして、渦電流損失の低減を図ることができる。
また、飛散防止リング16は、接着剤を使用せず、また、焼き嵌めも使用せず、圧入により、磁石部14の外周に嵌め込まれている。なお、図1は、磁石部14の外周に飛散防止リング16を嵌め込む途中の状態を図示している。
磁石部14の外周に飛散防止リング16を嵌め込む際には、磁石部14には面取り面14aがあり、飛散防止リング16には面取り面16aがあるので、互いの角部が引っ掛からなくなり、また、磁石部14に傷がつきにくくなり、焼き嵌めではなく、圧入での嵌め込みが可能になり、この結果、作業時間を短縮することもできる。なお、圧入作業の観点からは、図3に示すように、面取り面14aは、少なくとも、磁石部14における圧入の進行方向側と逆の側面側(図中右側)に設けることが望ましく、面取り面16aは、少なくとも、飛散防止リング16における圧入の進行方向側の側面側(図中左側)に設けることが望ましい。
また、面取り面16c及び絶縁コーティング16dも、飛散防止リング16の一方の側面側、つまり、圧入の進行方向側の側面側(図中左側)にのみ設けて、他方の側面側には設けていない。これにより、飛散防止リング16を圧入する圧入治具を用いる際には、他方の側面と圧入治具との接触面積を大きく取ることができ、他方の側面にかかる面圧を下げることができ、この他方の側面に絶縁コーティング16bがある場合には、その剥離を防止することができる。
このようにして、磁石部14の外周に飛散防止リング16を嵌め込むことにより、磁石部14の飛散を防止することができ、回転子10の耐遠心力性を向上させることができる。その結果、本実施例の永久磁石式回転電機は、高速回転、高変動トルクに対応可能となる。
このような飛散防止リング16としては、チタン系の材料(例えば、チタン合金)が望ましい。チタンは、軽量、高強度であり、熱膨張係数が永久磁石と同等であるので、高温下でも、応力による割れや膨張による位置ズレが発生することはなく、磁石部14の飛散を防止し、かつ、位置を固定するリングとして、十分な強度を確保することができる。
従って、本実施例では、高速回転のときや高変動トルクが生じたときであっても、磁石部14と飛散防止リング16での渦電流損失を低減できるため、渦電流損失による磁石部14の熱減磁やモータ性能の低下を防止することができる。また、飛散防止リング16による耐遠心力の向上により、高速化が可能になる。
また、製造工程において、空隙を作るためのスペーサなどの治具が不要であるので、治具コストを低減することができる。また、製造工程において、焼き嵌めではなく、圧入を用いて、飛散防止リング16を嵌め込むので、製造工程を簡略化することができる。また、飛散防止リング16においては、その外周面16eに絶縁コーティングを施す必要がないので、絶縁コーティングの成膜コストを削減でき、回転子10の外周面の保護にかかる製造コストを削減することができる。
なお、上述した面取り面14a、16a、16cにおいては、平面に代えて、曲面、例えば、隣接する面を滑らかに結ぶ曲面としても良い。また、絶縁コーティング14b、16bに代えて、磁石部14間、飛散防止リング16間に絶縁材を挟み込んでも良い。
また、ここでは、連通する空間15(空間15a、15b)と、面取り面16cに形成した絶縁コーティング16dとを両方有する構成を示したが、いずれか一方を有する構成であっても、渦電流損失を低減することは可能である。
[実施例2]
本実施例の永久磁石式回転電機について、図4及び図5を参照して説明を行う。なお、本実施例の永久磁石式回転電機は、実施例1で示した永久磁石式回転電機とは、磁石部14の一部及び/又は飛散防止リング16の一部の構成に相違があり、その他の構成は同じであるので、実施例1で示した永久磁石式回転電機と同等の構成には、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施例においても、渦電流損失の低減を図るため、磁石部14、飛散防止リング16の構成を工夫している。
具体的には、図4に示すように、磁石部14においては、更に、面取り面14aに絶縁コーティング14c(第2の面取り面絶縁部)を設けると共に、外周面(飛散防止リング16側の面)に絶縁コーティング14d(外周面絶縁部)を設けている。つまり、実施例1の磁石部14に、更に、絶縁コーティング14c及び絶縁コーティング14dを加えている。
また、図4に示すように、飛散防止リング16においては、更に、面取り面16aに絶縁コーティング16f(第1の面取り面絶縁部)を設けると共に、内周面(磁石部14側の面)に絶縁コーティング16g(内周面絶縁部)を設けている。つまり、実施例1の飛散防止リング16に、更に、絶縁コーティング16f及び絶縁コーティング16gを加えている。
なお、本実施例は、磁石部14又は飛散防止リング16のいずれか一方が、図4(b)又は図4(c)に示す構成であれば、他方は、図2(b)又は図2(c)に示す構成であっても、図3(b)又は図3(c)に示す構成であっても良い。
つまり、磁石部14の絶縁コーティング14d及び飛散防止リング16の絶縁コーティング16gは、少なくとも一方があれば良い。また、磁石部14の絶縁コーティング14c及び飛散防止リング16の絶縁コーティング16fは、後述する圧入の観点からはあった方が好ましいが、渦電流の観点からは、連通する空間15(空間15a、15b)が形成できれば、必ずしも必要ではない。なお、図5には、上述した組み合わせの一例として、実施例1で示した磁石部14(図2(b)参照)と組み合わせた構成を例示している。
このように、本実施例においても、磁石部14及び飛散防止リング16の一部の面に絶縁コーティングを形成すれば良く、全ての表面に絶縁コーティングを形成する必要はなく、絶縁コーティングの成膜コストの低減が可能である。また、上述した絶縁コーティング14c、14d、16f、16gとしては、実施例1と同様に、セラミック系膜、樹脂系膜、DLC膜などが適用可能であり、特に、DLC膜が好適である。
そして、本実施例では、隣接する磁石部14同士においては、面取り面14aに絶縁コーティング14cがある場合には、一方又は両方の面取り面14a及び絶縁コーティング14cが空間15aを形成することになる。同様に、隣接する飛散防止リング16同士においては、面取り面16aに絶縁コーティング16fがある場合には、一方又は両方の面取り面16a及び絶縁コーティング16fが空間15bを形成することになる。
従って、本実施例では、磁石部14で発生した渦電流ECmは、絶縁コーティング14bが存在するので、隣接する他の磁石部14へは導通せず、また、絶縁コーティング14d及び/又は絶縁コーティング16gや空間15が存在するので、隣接する飛散防止リング16へも導通しない。同様に、飛散防止リング16で発生した渦電流ECrは、絶縁コーティング16bが存在するので、隣接する他の飛散防止リング16へは導通せず、また、絶縁コーティング14d及び/又は絶縁コーティング16gや空間15が存在するので、隣接する磁石部14へも導通しない。
このように、絶縁コーティング14b、16bや空間15に加えて、絶縁コーティング14d、16gを形成することにより、たとえ、磁石部14や飛散防止リング16の寸法誤差や位置ズレがあった場合でも、絶縁コーティング14d、16gや空間15の存在により、隣接する他の磁石部14及び飛散防止リング16へ渦電流ECm、ECrが導通することを防止して、渦電流損失を低減することができる。
以上のようにして、本実施例では、実施例1と同等の効果を有すると共に、実施例1で述べた渦電流損失の低減については、更なる低減を図ることができる。その結果、渦電流損失による磁石部14の熱減磁やモータ性能の低下を更に防止することができる。
また、本実施例では、磁石部14において、その面取り面14aに絶縁コーティング14cを形成し、その外周面に絶縁コーティング14dを形成しており、また、飛散防止リング16において、その面取り面16aに絶縁コーティング16fを形成し、その内周面に絶縁コーティング16gを形成している。これらの絶縁コーティング14c、14d、16f、16gがDLC膜である場合には、電気絶縁性だけでなく、摺動性、低摩擦性に優れるので、飛散防止リング16を嵌め込む際に、圧入での嵌め込みがより容易になり、この結果、作業時間をより短縮することができる。
なお、ここでも、連通する空間15(空間15a、15b)と、面取り面16cに形成した絶縁コーティング16dとを両方有する構成を示したが、いずれか一方を有する構成であっても、渦電流損失を低減することは可能である。
本発明は、表面貼付型永久磁石式回転電機、所謂、SPMモータに好適なものであり、例えば、トランスミッションなどの駆動系部品の性能・耐久試験用のダイナモメータ用のモータに使用可能である。
10 回転子
11 回転軸
14 磁石部
14a 面取り面
14b、14c、14d 絶縁コーティング
15(15a、15b) 空間
16 飛散防止リング
16a 面取り面
16b 絶縁コーティング
16c 面取り面
16d 絶縁コーティング
16e 外周面
16f、16g 絶縁コーティング
20 固定子
上記課題を解決する第2の発明に係る永久磁石式回転電機は、
上記第1の発明に記載の永久磁石式回転電機において、
前記第1の面取り面及び前記第2の面取り面は、平面又は曲面である
ことを特徴とする。
また、上述した絶縁コーティング14b、16b、16dとしては、例えば、セラミック系膜、樹脂系膜、DLC(Diamond-Like carbon)膜などが適用可能である。セラミック系膜としては、酸化アルミニウム(アルミナ)などの酸化物セラミック、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)などの窒化物セラミック、プラズマ電界酸化(PEO:Plasma Electrolytic Oxidation)などがあり、樹脂系膜としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などがある。特に、DLC膜は、電気絶縁性、摺動性に加えて、低摩擦、低摩耗、ダイヤモンド並の高硬度である機械特性、耐腐食性に優れており、絶縁コーティング14b、16b、16dとして好適な材料である。

Claims (5)

  1. 1つの組が環状に貼付された複数の永久磁石からなり、複数組が回転子の軸方向に沿って配置された磁石部と、
    複数組の前記磁石部の外周に前記軸方向に沿って圧入された複数の環状部材とを備え、
    前記環状部材は、隣接する他の前記環状部材と接する一方又は両方の側面に設けられた第1の側面絶縁部と、内周面と一方又は両方の前記側面との間に設けられた第1の面取り面とを有し、
    前記磁石部は、隣接する他の前記磁石部と接する一方又は両方の側面に設けられた第2の側面絶縁部と、外周面と一方又は両方の前記側面との間に設けられた第2の面取り面とを有し、
    隣接する前記環状部材同士における一方又は両方の前記第1の面取り面が形成する空間と、隣接する前記磁石部同士における一方又は両方の前記第2の面取り面が形成する空間が連通するように、前記磁石部及び前記環状部材を配置した
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 請求項1に記載の永久磁石式回転電機において、
    前記前記第1の面取り面及び前記第2の面取り面は、平面又は曲面である
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の永久磁石式回転電機において、
    前記環状部材は、内周面に設けられた内周面絶縁部を有する
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の永久磁石式回転電機において、
    前記磁石部は、外周面に設けられた外周面絶縁部を有する
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の永久磁石式回転電機において、
    前記第1の面取り面に設けられた第1の面取り面絶縁部、及び、前記第2の面取り面に設けられた第2の面取り面絶縁部のうち少なくとも一方を有する
    ことを特徴とする永久磁石式回転電機。
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