JP2014064427A - ロータおよび回転電気機械 - Google Patents

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Yasuhiko Osawa
康彦 大澤
Yoshiaki Yasuda
善紀 安田
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Abstract

【課題】保護リングにおけるシールド効果の低下による永久磁石の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リングの渦電流損を低減する。
【解決手段】ロータコア(101)は、円柱状に形成されている。永久磁石(102)は、円筒状に形成され、ロータコア(101)の外周に設けられている。保護リング(103)は、円筒状に形成され、永久磁石(102)の外周の設けられている。永久磁石(102)は、ロータコア(101)の軸方向に並ぶ複数の円筒磁石(111,111,…)によって構成されている。保護リング(103)は、非磁性材料によって構成されている。保護リング(103)の外周には、複数の円筒磁石(111,111,…)の間に対応する部分においてロータコア(101)の周方向に延びる主溝(104,104,…)が形成されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転電気機械に関し、特に、ロータ構造に関する。
従来より、電動機(例えば、表面磁石型モータ)や発電機などの回転電気機械では、ロータ回転に伴う遠心力によって永久磁石が飛散してしまうことを防止するために、永久磁石の外周に保護リングが設けられている。このように保護リングを設けた場合、ロータの回転動作の際に保護リングに発生する渦電流損によって保護リングの温度が上昇し、その結果、保護リングの内周に設けられた永久磁石の熱減磁が発生してしまう可能性がある。そこで、特許文献1のロータでは、保護リングの外周に複数の円周方向凹部を形成することにより、保護リングに発生する渦電流の経路を細分化して渦電流損を低減している。
特開平8−289493号公報
特許文献1のロータでは、保護リングの外周に円周方向凹部を形成することにより保護リングの渦電流損を低減することができるが、保護リングにおいて渦電流によるシールド効果(高調波磁束の透過を妨げようとする特性)が低下してしまうので、保護リングの内周に設けられた永久磁石において渦電流損が増加してしまうことになる。このように、保護リングにおけるシールド効果の低下によって永久磁石自体の渦電流損が増加してしまうので、永久磁石の熱減磁を低減することが困難であった。
そこで、この発明は、保護リングにおけるシールド効果の低下による永久磁石の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リングの渦電流損を低減することが可能なロータを提供することを目的とする。
第1の発明は、円柱状のロータコア(101)と、上記ロータコア(101)の外周に設けられた円筒状の永久磁石(102)と、上記永久磁石(102)の外周の設けられた円筒状の保護リング(103)とを備え、上記永久磁石(102)が、上記ロータコア(101)の軸方向に並ぶ複数の円筒磁石(111)によって構成され、上記保護リング(103)が、非磁性材料によって構成され、上記保護リング(103)の外周に、上記複数の円筒磁石(111)の間に対応する部分において上記ロータコア(101)の周方向に延びる主溝(104)が形成されていることを特徴とするロータである。
上記第1の発明では、保護リング(103)の外周に主溝(104)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路を細分化することができる。また、永久磁石(102)を複数の円筒磁石(111)で構成することにより、永久磁石(102)の渦電流の経路を複数の円筒磁石(111)の間の位置において分断することができる。そして、主溝(104)を複数の円筒磁石(111)に間に対応する部分に形成することにより、保護リング(103)において主溝(104)の形成によりシールド効果(保護リング(103)の渦電流によるシールド効果)が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分(すなわち、渦電流が発生しにくい部分)に配置することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記複数の円筒磁石(111)の各々が、上記ロータコア(101)の周方向に並ぶ複数の円弧磁石(112)によって構成され、上記保護リング(103)の外周に、上記複数の円弧磁石(112)の間に対応する部分において上記ロータコア(101)の周方向に交差する方向に延びる副溝(105)が形成されていることを特徴とするロータである。
上記第2の発明では、保護リング(103)の外周に副溝(105)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができる。また、複数の円筒磁石(111)の各々を複数の円弧磁石(112)で構成することにより、複数の円筒磁石(111)の間の位置だけでなく複数の円弧磁石(112)の間の位置においても、永久磁石(102)の渦電流の経路を分断することができる。そして、副溝(105)を複数の円弧磁石(112)の間に形成することにより、保護リング(103)において副溝(105)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記複数の円弧磁石(112)が、上記ロータコア(101)の周方向に離間して配置され、上記保護リング(103)の外周に、上記複数の円弧磁石(112)の間の隙間に対応する部分において上記ロータコア(101)の周方向に延びる部分溝(106)が形成されていることを特徴とするロータである。
上記第3の発明では、保護リング(103)の外周に部分溝(106)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができる。また、部分溝(106)を複数の円弧磁石(112)の間の隙間に対応する部分に形成することにより、保護リング(103)において部分溝(106)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができる。
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、上記複数の円弧磁石(112)の各々が、該円弧磁石(112)の周方向側面が上記ロータコア(101)の周方向に回転しながら軸方向へ向かう螺旋方向に沿って延びるように形成され、上記副溝(105)が、上記螺旋方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とするロータである。
上記第4の発明では、永久磁石(102)をスキューさせることができる。
第5の発明は、上記第1の発明において、上記複数の円筒磁石(111)の各々が、異なる磁極性を示す磁極面(PN,PS)が上記ロータコア(101)の周方向に交互に配置されるように形成され、上記保護リング(103)の外周に、上記複数の円筒磁石(111)の磁極面(PN,PS)の間の境界部に対応する部分に沿って上記ロータコア(101)の周方向に交差する方向に延びる副溝(105)が形成されていることを特徴とするロータである。
上記第5の発明では、保護リング(103)の外周に副溝(105)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができる。また、異なる磁極性を示す磁極面(PN,PS)がロータコア(101)の周方向に交互に配置されるように、複数の円筒磁石(111)の各々を形成することにより、円筒磁石(111)の磁極面(PN,PS)の間の境界部において磁束密度が低下する(例えば、ゼロになる)。そして、副溝(105)を磁極面(PN,PS)の間の境界部に対応する部分に形成することにより、保護リング(103)において副溝(105)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において磁束密度が低下している部分(すなわち、渦電流が発生しにくい部分)に配置することができる。
第6の発明は、上記第1〜第5の発明のいずれか1つであるロータ(11)と、上記ロータが挿通される円筒状のステータ(12)とを備えていることを特徴とする回転電気機械である。
上記第6の発明では、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リング(103)の渦電流損を低減することができる。
第1の発明によれば、保護リング(103)における渦電流の経路を細分化することができるので、保護リング(103)の渦電流損を低減することができる。また、保護リング(103)において主溝(104)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができるので、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
第2の発明によれば、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができるので、保護リング(103)の渦電流損をさらに低減することができる。また、保護リング(103)において副溝(105)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができるので、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
第3の発明によれば、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができるので、保護リング(103)の渦電流損をさらに低減することができる。また、保護リング(103)において部分溝(106)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができるので、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
第4の発明によれば、永久磁石(102)をスキューさせることができるので、ロータ(11)のコギングトルクを低減することができる。
第5の発明によれば、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができるので、保護リング(103)の渦電流損をさらに低減することができる。また、保護リング(103)において副溝(105)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において磁束密度が低下している部分に配置することができるので、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
第6の発明によれば、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リング(103)の渦電流損を低減することができるので、回転電気機械(10)の磁気特性の劣化を抑制することができる。
回転電気機械の構成例について説明するための横断面図。 回転電気機械の構成例について説明するための縦断面図。 ロータの構成例について説明するための斜視図。 ロータの変形例1について説明するための斜視図。 ロータの変形例2について説明するための斜視図。 ロータの変形例3について説明するための斜視図。 ロータの変形例4について説明するための斜視図。 ロータの変形例5について説明するための斜視図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
〔回転電気機械〕
図1および図2は、この発明の実施形態による回転電気機械(10)の横断面および縦断面をそれぞれ示している。例えば、回転電気機械(10)は、空気調和機の圧縮機(図示を省略)を駆動するための電動機として用いられる。ここでは、回転電気機械(10)は、表面磁石型モータ(SPMモータ)を構成している。回転電気機械(10)は、ロータ(11)と、ロータ(11)が挿通される円筒状のステータ(12)とを備え、ケーシング(30)(例えば、圧縮機のケーシング)に収容されている。ロータ(11)は、ロータコア(101)と、永久磁石(102)と、保護リング(103)とを備えている。
以下の説明において、「軸方向」とは、駆動軸(13)の軸心(すなわち、ロータコア(101)の回転軸の中心)の方向のことであり、「径方向」とは、駆動軸(13)の軸方向と直交する方向のことであり、「外周側」および「径方向外方」とは、駆動軸(13)の軸心からより遠い側のことであり、「内周側」とは、駆動軸(13)の軸心により近い側のことである。なお、「縦断面」とは、軸方向に沿った断面のことであり、「横断面」とは、軸方向に直交する断面のことである。
〈ステータ〉
ステータ(12)は、円筒状のステータコア(201)と、コイル(202)とを備えている。
《ステータコア》
ステータコア(201)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作製し、複数の積層板を軸方向に積層することにより構成された積層コアである。ステータコア(201)は、バックヨーク部(211)と、複数のティース部(212,212,…)と、複数のツバ部(213,213,…)とを備えている。
バックヨーク部(211)は、ステータコア(201)の外周部に形成され、円環状に形成されている。バックヨーク部(211)の外周は、ケーシング(30)の内面に固定されている。
ティース部(212)は、バックヨーク部(211)の内周面から径方向に伸びる直方体状に形成されている。ティース部(212,212,…)の間には、コイル(202)が収容されるコイル用スロット(S200,S200,…)が形成されている。
ツバ部(213)は、ティース部(212)の内周側に連続形成されている。ツバ部(213)は、ティース部(212)よりも幅(周方向の長さ)が大きく構成され、内周側の面が円筒面に形成されている。ツバ部(213)の円筒面は、ロータ(11)の外周面(円筒面)と所定の距離(エアギャップ(G))をもって対向している。
《コイル》
コイル(202)は、いわゆる分布巻方式により、ティース部(212)に巻回されている。すなわち、1つのティース部(212)ごとにコイル(202)が巻回され、巻回されたコイル(202)は、コイル用スロット(S200)内に収容されている。これにより、ティース部(212,212,…)の各々において電磁石が形成されている。
〈ロータ〉
次に、図3を参照して、ロータ(11)の構成例について説明する。ロータ(11)は、ロータコア(101)と、永久磁石(102)と、保護リング(103)とを備えている。
《ロータコア》
ロータコア(101)は、円柱状に形成されている。より具体的には、ロータコア(101)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板を作製し、複数の積層板を軸方向に積層することにより構成されている。ロータコア(101)の中心には、軸穴(110)が形成されている。軸穴(110)には、焼き嵌めなどによって駆動軸(13)が固定されている。
《永久磁石》
永久磁石(102)は、ロータコア(101)の外周を覆うように円筒状に形成されている。例えば、永久磁石(102)は、ロータコア(101)の外周に接着されている。また、永久磁石(102)は、軸方向に並ぶ複数(ここでは、3個)の円筒磁石(111,111,…)によって構成されている。円筒磁石(111,111,…)の各々は、周方向に並ぶ複数(ここでは、4個)の円弧磁石(112,112,…)によって構成されている。例えば、円弧磁石(112)は、希土類金属を用いた永久磁石(例えば、ネオジム鉄ボロン系の磁石や、フェライト磁石など)によって構成されている。
ここでは、円筒磁石(111,111,…)は、円筒磁石(111,111,…)の間に隙間が形成されるように、軸方向において離間して配置され、円弧磁石(112,112,…)は、円弧磁石(112,112,…)の間に隙間が形成されるように、周方向おいて離間して配置されている。また、円弧磁石(112,112,…)の各々は、その円弧磁石(112)の周方向側面が軸方向に沿って延びるように形成されている。
−永久磁石の磁極−
また、永久磁石(102)(より具体的には、円筒磁石(111,111,…))は、異なる極性を示す磁極面(N極を示す磁極面およびS極を示す磁極面)が周方向に交互に配置されるように構成されている。ここでは、円弧磁石(112,112,…)は、周方向において隣り合う2個の円弧磁石(112,112)の外周面(磁極面)が異なる磁極性を示すとともに、軸方向において隣り合う2個の円弧磁石(112,112)の外周面が同一の磁極性を示すように形成されている。
《保護リング》
保護リング(103)は、永久磁石(102)の外周を覆うように円筒状に形成されている。例えば、保護リング(103)は、永久磁石(102)の外周に焼き嵌めされている。また、保護リング(103)は、非磁性材料によって構成されている。保護リング(103)の外周には、1または複数(ここでは、2本)の主溝(104,104,…)と、1または複数(ここでは、8本)の副溝(105,105,…)とが形成されている。
《主溝》
主溝(104,104,…)は、保護リング(103)の外周のうち円筒磁石(111,111,…)の間に対応する部分(より具体的には、円筒磁石(111,111,…)の間の径方向外方に位置する部分)において周方向に延びるように形成されている。
ここでは、保護リング(103)の外周のうち円筒磁石(111,111)の間の隙間に対応する部分において、その隙間と同幅の1本の主溝(104)が、その円筒磁石(111,111)の間の隙間に対応する部分に沿って周方向に一周するように形成されている。
《副溝》
副溝(105,105,…)は、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112,…)の間に対応する部分(より具体的には、円弧磁石(112,112,…)の間の径方向外方に位置する部分)において周方向に交差する方向(例えば、軸方向)に延びるように形成されている。
ここでは、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112)の間の隙間に対応する部分において、その隙間よりも幅狭の2本の副溝(105,105)が、その隙間の周方向両端部に対応する部分に沿って保護リング(103)の一方の端面から他方の端面まで軸方向に延びるように形成されている。
〈保護リングの渦電流損〉
保護リング(103)の渦電流損が多くなるほど、保護リング(103)の温度上昇量が多くなる。例えば、ロータ(11)の回転速度が高速になるほど、ロータ(11)の回転中に発生する保護リング(103)の渦電流損が多くなる。そして、保護リング(103)の温度上昇量が多くなるほど、保護リング(103)から永久磁石(102)へ伝達される熱量が増加するので、永久磁石(102)の熱減磁が増加することになる。このように、保護リング(103)の渦電流損が多くなるほど、回転電気機械(10)の磁気特性が劣化してしまうことになる。
〈永久磁石の渦電流損〉
一方、保護リング(103)における渦電流が少なくなるほど、保護リング(103)の渦電流損は少なくなるが、保護リング(103)において渦電流によるシールド効果(高調波磁束の透過を妨げようとする特性)が低下するので、保護リング(103)の内周に配置された永久磁石(102)の渦電流損が増加することになる。また、永久磁石(102)の渦電流損が多くなるほど、永久磁石(102)の温度が高くなるので、永久磁石(102)の熱減磁が増加する。このように、永久磁石(102)の渦電流損が多くなるほど、回転電気機械(10)の磁気特性が劣化してしまうことになる。
〈効果〉
この実施形態による回転電気機械(10)では、保護リング(103)の外周に主溝(104,104,…)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路を細分化することができる。これにより、保護リング(103)の渦電流損を低減することができる。
また、永久磁石(102)を円筒磁石(111,111,…)で構成することにより、永久磁石(102)の渦電流の経路を円筒磁石(111,111,…)の間の位置において分断することができる。そして、主溝(104,104,…)を円筒磁石(111,111,…)に間に対応する部分に形成することにより、保護リング(103)において主溝(104,104,…)の形成によりシールド効果(保護リング(103)の渦電流によるシールド効果)が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分(すなわち、渦電流が発生しにくい部分)に配置する(重ね合わせる)ことができる。これにより、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
以上のように、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ、保護リング(103)の渦電流損を低減することができるので、回転電気機械(10)の磁気特性の劣化を抑制することができる。
また、保護リング(103)の外周に副溝(105,105,…)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができる。これにより、保護リング(103)の渦電流損をさらに低減することができる。
また、円筒磁石(111,111,…)の各々を円弧磁石(112,112,…)で構成することにより、円筒磁石(111,111,…)の間の位置だけでなく円弧磁石(112,112,…)の間の位置においても、永久磁石(102)の渦電流の経路を分断することができる。さらに、副溝(105,105,…)を円弧磁石(112,112,…)の間に形成することにより、保護リング(103)において副溝(105,105,…)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができる。これにより、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
〔ロータの変形例1〕
図4のように、保護リング(103)の外周には、1または複数(ここでは、48本)の部分溝(106,106,…)が形成されていても良い。部分溝(106,106,…)の各々は、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112,…)の間の隙間に対応する部分(より具体的には、円弧磁石(112,112,…)の間の隙間の径方向外方に位置する部分)において周方向に延びるように形成されている。
ここでは、保護リング(103)の外周のうち周方向に隣り合う2個の円弧磁石(112,112)の間の隙間に対応する部分において、その隙間よりも幅狭の4本の部分溝(106,106,106,106)が、その隙間の周方向両端部に対応する部分に沿って形成された2本の副溝(105,105)の間を周方向に延びるように形成されている。
以上のように、保護リング(103)の外周に部分溝(106,106,…)を形成することにより、保護リング(103)における渦電流の経路をさらに細分化することができる。これにより、保護リング(103)の渦電流損をさらに低減することができる。
また、部分溝(106,106,…)を円弧磁石(112,112,…)の間の隙間に対応する部分に形成することにより、保護リング(103)において部分溝(106,106,…)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において渦電流の経路が分断されている部分に配置することができる。これにより、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
〔ロータの変形例2〕
図5のように、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112)の間の隙間に対応する部分において、その隙間よりも幅狭の1本の副溝(105)が、その隙間の周方向中央部に対応する部分に沿って保護リング(103)の一方の端面から他方の端面まで軸方向に延びるように形成されていても良い。
以上のように構成した場合も、保護リング(103)のシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リング(103)の渦電流損を低減することができる。
〔ロータの変形例3〕
図6のように、円弧磁石(112,112,…)の各々は、その円弧磁石(112)の周方向側面が螺旋方向(周方向に回転しながら軸方向へ向かう方向)に沿って延びるように形成されていても良い。すなわち、永久磁石(102)は、スキューされていても良い。この場合、副溝(106,106,…)は、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112,…)の間に対応する部分(より具体的には、円弧磁石(112,112,…)の間の径方向外方に位置する部分)において螺旋方向に延びるように形成されていても良い。
ここでは、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112)の間の隙間に対応する部分において、その隙間よりも幅狭の1本の副溝(105)が、その隙間の周方向中央部に対応する部分に沿って保護リング(103)の一方の端面から他方の端面まで螺旋方向に延びるように形成されている。
以上のように構成した場合も、保護リング(103)のシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リング(103)の渦電流損を低減することができる。
また、円弧磁石(112)の周方向側面が螺旋方向に沿って延びるように円弧磁石(112,112,…)の各々を形成することにより、永久磁石(102)をスキューさせることができる。これにより、ロータ(11)のコギングトルクを低減することができる。
なお、副溝(105,105,…)は、保護リング(103)の外周のうち円弧磁石(112,112)の間の隙間に対応する部分において、その隙間よりも幅狭の2本の副溝(105,105)がその隙間の周方向両端部に対応する部分に沿って保護リング(103)の一方の端面から他方の端面まで螺旋方向に延びるように形成されていても良い。このように副溝(105,105,…)を形成する場合、図4のような部分溝(106,106,…)がさらに形成されていても良い。
〔ロータの変形例4および変形例5〕
図7および図8のように、円筒磁石(111,111,…)の各々は、複数の円弧磁石(112,112,…)ではなく、単一の円筒状の永久磁石(例えば、異方性リング磁石)によって構成されていても良い。この場合、円筒磁石(111,111,…)の各々は、異なる磁極性を示す磁極面(N極を示す磁極面(PN)およびS極を示す磁極面(PS))が周方向に交互に配置されるように形成(例えば、着磁)されていても良い。また、円筒磁石(111,111,…)は、軸方向において同一の磁極性を示す磁極面(磁極面(PN,PN)または磁極面(PS,PS))が隣り合うように形成されていても良い。副溝(105,105,…)は、保護リング(103)の外周のうち円筒磁石(111)の磁極面(PN,PS)の間の境界部(境界線)に対応する部分(より具体的には、磁極面(PN,PS)の間の境界部の径方向外方に位置する部分)に沿って周方向に交差する方向(軸方向または螺旋方向)に延びるように形成されていても良い。なお、図7および図8では、説明の便宜上、磁極面(PN,PS)の間の境界線(すなわち、磁束密度がゼロになる部分)を実線で示している。
《ロータの変形例4》
例えば、図7のように、円筒磁石(111)の磁極面(PN,PS)の間の境界部が軸方向に沿って延びている場合、副溝(105,105,…)は、軸方向に沿って延びるように形成されていても良い。
《ロータの変形例5》
また、図8のように、円筒磁石(111)の磁極面(PN,PS)の間の境界部が螺旋方向に沿って延びている場合(すなわち、永久磁石(102)がスキューされている場合)、副溝(105,105,…)は、螺旋方向に沿って延びるように形成されていても良い。
〈効果〉
以上のように、異なる磁極性を示す磁極面(PN,PS)がロータコア(101)の周方向に交互に配置されるように、円筒磁石(111,111,…)の各々を形成することにより、円筒磁石(111)の異なる磁極性を示す磁極面(PN,PS)の間の境界部において磁束密度が低下する(例えば、ゼロになる)。そして、副溝(105,105,…)を円筒磁石(111,111,…)の異なる磁極性を示す磁極面(PN,PS)の間の境界部に対応する部分に形成することにより、保護リング(103)において副溝(105,105,…)の形成によりシールド効果が低下している部分を、永久磁石(102)において磁束密度が低下している部分(すなわち、渦電流が発生しにくい部分)に配置することができる。これにより、保護リング(103)におけるシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制することができる。
〔その他の実施形態〕
以上の説明において、円筒磁石(111,111,…)が軸方向に離間して配置されている場合を例に挙げて説明したが、円筒磁石(111,111,…)は、円筒磁石(111,111,…)の間に隙間が形成されないように(軸方向に隣り合う2個の円筒磁石(111,111)の軸方向側面が互いに接触するように)軸方向に配置されていても良い。この場合、主溝(104,104,…)は、円筒磁石(111,111,…)の間の境界部(境界線)に対応する部分(より具体的には、円筒磁石(111,111,…)の間の境界部の径方向外方に位置する部分)に沿って周方向に延びるように形成されていても良い。このように構成した場合も、永久磁石(102)の渦電流の経路を円筒磁石(111,111,…)の間の位置において分断することができるので、保護リング(103)のシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ、保護リング(103)の渦電流損を低減することができる。
また、円弧磁石(112,112,…)が周方向に離間して配置されている場合を例に挙げて説明したが、円弧磁石(112,112,…)は、円弧磁石(111,111,…)の間に隙間が形成されないように(周方向に隣り合う2個の円弧磁石(112,112)の周方向側面が互いに接触するように)周方向に配置されていても良い。この場合、副溝(105,105,…)は、円弧磁石(112,112,…)の間の境界部(境界線)に対応する部分(より具体的には、円弧磁石(112,112,…)の間の境界部の径方向外方に位置する部分)に沿って周方向に直交する方向(軸方向または螺旋方向)に延びるように形成されていても良い。このように構成した場合も、永久磁石(102)の渦電流の経路を円弧磁石(112,112,…)の間の位置において分断することができるので、保護リング(103)のシールド効果の低下による永久磁石(102)の渦電流損の増加を抑制しつつ保護リング(103)の渦電流損をさらに低減することができる。
なお、回転電気機械(10)が電動機を構成している場合を例に挙げたが、回転電気機械(10)は、発電機を構成するものであっても良い。
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の回転電気機械は、空気調和機の圧縮機を駆動するための電動機などとして有用である。
10 回転電気機械
11 ロータ
12 ステータ
13 駆動軸
101 ロータコア
102 永久磁石
103 保護リング
104 主溝
105 副溝
106 部分溝
201 ステータコア
202 コイル
211 バックヨーク部
212 ティース部
213 ツバ部
PN 磁極面(N極)
PS 磁極面(S極)

Claims (6)

  1. 円柱状のロータコア(101)と、
    上記ロータコア(101)の外周に設けられた円筒状の永久磁石(102)と、
    上記永久磁石(102)の外周の設けられた円筒状の保護リング(103)とを備え、
    上記永久磁石(102)は、上記ロータコア(101)の軸方向に並ぶ複数の円筒磁石(111)によって構成され、
    上記保護リング(103)は、非磁性材料によって構成され、
    上記保護リング(103)の外周には、上記複数の円筒磁石(111)の間に対応する部分において上記ロータコア(101)の周方向に延びる主溝(104)が形成されている
    ことを特徴とするロータ。
  2. 請求項1において、
    上記複数の円筒磁石(111)の各々は、上記ロータコア(101)の周方向に並ぶ複数の円弧磁石(112)によって構成され、
    上記保護リング(103)の外周には、上記複数の円弧磁石(112)の間に対応する部分において上記ロータコア(101)の周方向に交差する方向に延びる副溝(105)が形成されている
    ことを特徴とするロータ。
  3. 請求項2において、
    上記複数の円弧磁石(112)は、上記ロータコア(101)の周方向に離間して配置され、
    上記保護リング(103)の外周には、上記複数の円弧磁石(112)の間の隙間に対応する部分において上記ロータコア(101)の周方向に延びる部分溝(106)が形成されている
    ことを特徴とするロータ。
  4. 請求項2または3において、
    上記複数の円弧磁石(112)の各々は、該円弧磁石(112)の周方向側面が上記ロータコア(101)の周方向に回転しながら軸方向へ向かう螺旋方向に沿って延びるように形成され、
    上記副溝(105)は、上記螺旋方向に沿って延びるように形成されている
    ことを特徴とするロータ。
  5. 請求項1において、
    上記複数の円筒磁石(111)の各々は、異なる磁極性を示す磁極面(PN,PS)が上記ロータコア(101)の周方向に交互に配置されるように形成され、
    上記保護リング(103)の外周には、上記複数の円筒磁石(111)の磁極面(PN,PS)の間の境界部に対応する部分に沿って上記ロータコア(101)の周方向に交差する方向に延びる副溝(105)が形成されている
    ことを特徴とするロータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータ(11)と、
    上記ロータが挿通される円筒状のステータ(12)とを備えている
    ことを特徴とする回転電気機械。
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