JP2018100872A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】コストをより低減することが可能な電流センサを提供する。【解決手段】電流センサは、第1の導線が挿通されるコアと、前記コアに巻回された第2の導線と、前記第2の導線に流れるコア電流を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づいて、前記第1の導線における電流値を算出する算出部とを備え、前記第1の導線には直流電流が供給され、前記コア電流の向きは切り替え可能であり、前記計測部は、前記向きの切り替えを行うための前記第2の導線への印加電圧の反転に起因する前記コアにおける磁束変化を打ち消すように誘導される電流が前記第2の導線に流れる期間において前記コア電流を計測する。【選択図】図1

Description

本発明は、電流センサに関する。
従来、直流電流を計測するための電流センサが開発されている。このような電流センサの一例として、たとえば、特開2000−97973号公報(特許文献1)には、以下のような電流センサが開示されている。すなわち、電流センサは、略円環形状の磁性材料からなり、ギャップが形成されるとともに、貫通穴に第1の電流とこの第1の電流よりも小さい第2の電流との合計電流からなる貫通電流が流れるコアと、このコアに形成された前記ギャップに挿入され、前記貫通電流により発生した磁束に応じた電圧を出力する磁電変換手段と、この磁電変換手段により得られた電圧を増幅して前記貫通電流に応じた出力電圧を得る電圧増幅手段と、前記コアに第1の巻数分巻回されたオフセットコイルと、前記第1の電流により発生した第1の磁束を打ち消すために前記オフセットコイルに所定のオフセット制御電流を流すオフセットコイル電流制御手段とを備える。
特開2000−97973号公報 特開2014−137359号公報
特許文献1に記載の電流センサでは、磁電変換手段としてのホール素子、およびホール素子を動作させるための定電流回路が設けられる。このように、ホール素子を用いる構成では、高価な素子および周辺回路が必要となり、コストが上昇するため好ましくない。より低コストな電流センサが求められる。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、コストをより低減することが可能な電流センサを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電流センサは、第1の導線が挿通されるコアと、前記コアに巻回された第2の導線と、前記第2の導線に流れるコア電流を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づいて、前記第1の導線における電流値を算出する算出部とを備え、前記第1の導線には直流電流が供給され、前記コア電流の向きは切り替え可能であり、前記計測部は、前記向きの切り替えを行うための前記第2の導線への印加電圧の反転に起因する前記コアにおける磁束変化を打ち消すように誘導される電流が前記第2の導線に流れる期間において前記コア電流を計測する。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える電流センサとして実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、本発明は、電流センサの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
本発明によれば、コストをより低減することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る電流センサの構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る電流センサにおける制御回路の構成を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る電流センサが処理する電圧パルスの信号電圧の時間変化、およびコア電流の時間変化の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る電流センサが処理する電圧パルスの信号電圧の時間変化、およびコア電流の時間変化の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例の構成を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例の構成を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例における制御回路の構成を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る電流センサが処理する電圧パルスの信号電圧の時間変化、およびコア電流の時間変化の一例を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例の構成を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電流センサは、第1の導線が挿通されるコアと、前記コアに巻回された第2の導線と、前記第2の導線に流れるコア電流を計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づいて、前記第1の導線における電流値を算出する算出部とを備え、前記第1の導線には直流電流が供給され、前記コア電流の向きは切り替え可能であり、前記計測部は、前記向きの切り替えを行うための前記第2の導線への印加電圧の反転に起因する前記コアにおける磁束変化を打ち消すように誘導される電流が前記第2の導線に流れる期間において前記コア電流を計測する。
このように、上記期間においてコア電流を計測し、計測結果に基づいて第2の導線における電流値を算出する構成により、高価な素子および周辺回路を用いることなく第2の導線における電流値を算出することができるので、電流センサのコストをより低減することができる。
(2)好ましくは、前記計測部は、前記期間に含まれる対象期間において前記コア電流を計測し、前記対象期間は、前記コアの温度および前記直流電流の大きさの少なくともいずれか一方に応じて前記期間の長さが変化することを考慮して設定される。
このように、上記期間の長さがコアの温度および直流電流の大きさに応じて変化することに着目し、上記期間の長さが変化することを考慮して対象期間が設定される構成により、コア電流の計測により適した対象期間を設定することができるので、より正しい直流電流の電流値を安定に算出することができる。
(3)好ましくは、前記計測部は、互いに異なる2つの前記向きへの切り替えに対応する2つの前記期間における前記コア電流を計測し、前記算出部は、前記計測部による前記2つの期間における前記コア電流の計測結果に基づいて前記電流値を算出する。
このような構成により、互いに異なる2つのコア電流の向きにそれぞれ対応する、コアにおける磁気ヒステリシスに起因するコア電流のシフトを相殺することができるので、直流電流の電流値を簡易な処理でより正しく算出することができる。
(4)好ましくは、前記第2の導線の第1端に電圧パルスを印加するともに、前記第2の導線の第2端に前記電圧パルスと反対の極性を有する電圧パルスを印加する電圧供給部をさらに備える。
このような構成により、電圧パルスのパルス強度を抑制しながらコアを磁気飽和させることができるので、電圧供給部へ供給すべき電圧を下げることができる。また、極性の反転する印加電圧を発生させるための電圧パルス用の電圧を2種類にすることができる。これにより、電圧供給部の電源回路を簡素化することができる。
(5)好ましくは、前記第2の導線の第1端に電圧パルスを印加するともに、前記第2の導線の第2端に前記電圧パルスの最大電圧および最小電圧の中間電圧を印加する電圧供給部をさらに備える。
このような構成により、電圧パルスの生成回路を1つにすることができるので、電流センサのコストをより低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る電流センサの構成を示す図である。
図1を参照して、電流センサ101は、オペアンプ(電圧供給部)31A,31Bと、センスアンプ32と、コア33と、導線36pと、制御回路34とを備える。
電流センサ101は、たとえば、太陽光発電システムに用いられる。より詳細には、太陽光発電システムでは、最小単位であるセルの集合体によって構成された複数の太陽電池パネルにおいて直流電力が発電される。
各太陽電池パネルが発電した直流電力は、対応の送電用ケーブルを介して電力変換装置へ送電される。電力変換装置は、各太陽電池パネルから受けた直流電力を交流電力へ変換し、変換後の交流電力を家屋、工場または系統等へ出力する。
各太陽電池パネルの出力をモニタするために、対応の送電用ケーブルを流れる直流電流の測定が行われる。電流センサ101は、この直流電流の測定に用いられる。
電流センサ101は、たとえば送電用ケーブルである導線36tに流れる電流Itの電流値を算出する。より詳細には、電流センサ101は、導線36pに流れる電流Ipを計測し、計測結果に基づいて電流Itの電流値を算出する。
電流センサ101におけるオペアンプ31Aは、制御回路34における端子58Aに接続された非反転入力端子と、反転入力端子と、反転入力端子に接続された出力端子と、電源ノードV1に接続された正電源端子と、接地された負電源端子とを有する。
オペアンプ31Bは、制御回路34における端子58Bに接続された非反転入力端子と、反転入力端子と、反転入力端子に接続された出力端子と、電源ノードV2に接続された正電源端子と、接地された負電源端子とを有する。
オペアンプ31Aは、ボルテージフォロワとして機能し、電源ノードV1から供給される電力によって動作する。同様に、オペアンプ31Bは、ボルテージフォロワとして機能し、電源ノードV2から供給される電力によって動作する。電源ノードV1の電圧および電源ノードV2の電圧は、たとえば同じである。
抵抗35は、オペアンプ31Aにおける反転入力端子に接続された第1端と、第2端とを有する。
コア33は、抵抗35とオペアンプ31Bとの間に設けられ、たとえば、パーマロイおよびフェライト等の強磁性を有する磁性体である。コア33は、たとえば環状であり、導線36tが挿通される。導線36tには直流電流(以下、被測定電流とも称する。)Itが供給される。
より詳細には、コア33は、円筒形であり、たとえば自己の一部を開閉するための機構を有している。コア33の一部が開いた状態において当該コア33の略中心に導線36tが挿通された後、当該一部が閉じられる。なお、コア33は、口字状等の円筒形と異なる形状であってもよい。また、コア33は、ギャップを有してもよい。
導線36pは、たとえばエナメルの被膜の施された銅線であり、コア33に巻回される。導線36pは、抵抗35の第2端に接続された第1端と、オペアンプ31Bにおける反転入力端子に接続された第2端とを有する。
なお、この例では、コア33は、抵抗35とオペアンプ31Bとの間に設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。コア33は、オペアンプ31Aと抵抗35との間に設けられてもよい。
センスアンプ32は、抵抗35の第1端に接続された第1入力端子と、抵抗35の第2端に接続された第2入力端子と、制御回路34における端子58Cに接続された出力端子とを有する。
センスアンプ32は、たとえば、抵抗35の第1端における電圧と抵抗35の第2端における電圧との差の電圧すなわちコア電流Ipに比例する電圧を増幅し、増幅した電圧Vpを有する増幅信号Ssを出力端子から制御回路34における端子58Cへ出力する。
図2は、本発明の実施の形態に係る電流センサにおける制御回路の構成を示す図である。
図2を参照して、制御回路34は、算出部52と、出力部53と、制御部(計測部)55と、GPIO(General Purpose Input/Output)56A,56Bと、AD(アナログデジタル)コンバータ(ADC)57と、カウンタ59とを含む。以下、GPIO56Aおよび56Bの各々を、GPIO56とも称する。
カウンタ59は、たとえば、水晶振動子を用いた発振回路等により生成されるクロックパルスをカウントし、カウントした値を保持する。
図3および図4は、本発明の実施の形態に係る電流センサが処理する電圧パルスの信号電圧の時間変化、およびコア電流の時間変化の一例を示す図である。なお、図3および図4において、横軸は時間を示す。また、図3および図4における、各横軸のスケールは同じである。
図3には、被測定電流Itの大きさがIminである場合におけるコア電流Ip1の時間変化が示される。また、図4には、被測定電流Itの大きさがImaxである場合におけるコア電流Ip2の時間変化が示される。ここで、Imin<Imaxである。
図1〜図4を参照して、コア電流Ipの向きは切り替え可能である。具体的には、たとえば、制御部55は、コア電流Ipの向きを切り替える制御を行う。
より具体的には、オペアンプ31Aは、たとえば、制御部55の制御に従って、導線36pの第1端に電圧パルスSpa1を印加する。オペアンプ31Bは、たとえば、制御部55の制御に従って、電圧パルスSpa1と反対の極性を有する電圧パルスSpb1を導線36pの第2端に印加する。
詳細には、制御部55は、たとえば、カウンタ59におけるカウント値を監視し、監視結果に基づいて、ゼロを示すオフ命令、および1を示すオン命令をGPIO56へ周期Tpごとに出力してGPIO56を制御する。
より詳細には、制御部55は、たとえば、オフ命令およびオン命令をGPIO56Aおよび56Bへそれぞれ略同時に出力すること、およびオフ命令およびオン命令をGPIO56Bおよび56Aへそれぞれ略同時に出力することを周期Tpごとに繰り返す。
GPIO56は、制御部55から受けるオン命令およびオフ命令に従って、アナログの電圧パルスを生成する。
より詳細には、GPIO56Aは、制御部55からオン命令を受けると、ハイレベルVHの電圧を有する電圧パルスSpa1を、制御部55からオフ命令を受けるまで継続して端子58Aへ出力する。
同様に、GPIO56Bは、制御部55からオフ命令を受けると、ローレベルVLの電圧を有する電圧パルスSpb1を、制御部55からオン命令を受けるまで継続して端子58Bへ出力する。
そして、GPIO56Aは、制御部55からオフ命令を受けると、ローレベルVLの電圧を有する電圧パルスSpa1を、制御部55からオン命令を受けるまで継続して端子58Aへ出力する。
同様に、GPIO56Bは、制御部55からオン命令を受けると、ハイレベルVHの電圧を有する電圧パルスSpb1を、制御部55からオフ命令を受けるまで継続して端子58Bへ出力する。
図1を参照して、オペアンプ31Aは、GPIO56Aから出力された電圧を端子58A経由で非反転入力端子において受けて、受けた電圧と同じレベルの電圧を出力端子から出力する。
オペアンプ31Bは、GPIO56Bから出力された電圧を端子58B経由で非反転入力端子において受けて、受けた電圧と同じレベルの電圧を出力端子から出力する。
すなわち、オペアンプ31Aにおける出力端子から出力される電圧パルスSpa1は、周期TpごとにハイレベルVHおよびローレベルVLに切り替わる。また、オペアンプ31Bにおける出力端子から出力される電圧パルスSpb1は、周期TpごとにハイレベルVHおよびローレベルVLに切り替わり、かつ電圧パルスSpa1と位相がπずれている。
したがって、オペアンプ31Aにおける出力端子とオペアンプ31Bにおける出力端子との間における電圧(以下、印加電圧とも称する。)の極性は、周期Tpごとに反転する。具体的には、印加電圧は、周期Tpごとに(VH−VL)および(VL−VH)に切り替わる。
これにより、導線36pには、周期Tpごとに極性が反転する印加電圧に基づくコア電流Ipが供給される。
再び図2を参照して、ADコンバータ57は、たとえば、端子58C経由でセンスアンプ32から受ける増幅信号Ssを所定周期ごとのサンプリング期間においてサンプリングし、サンプリング結果すなわち電圧Vpを示すデジタルの電圧データを制御部55へ出力する。
制御部55は、導線36pに流れるコア電流Ipを計測する。詳細には、制御部55は、コア電流Ipの向きの切り替えを行うための導線36pへの印加電圧の反転に起因するコア33における磁束変化を打ち消すように誘導される電流が導線36pに流れる期間(以下、飽和期間とも称する。)においてコア電流Ipを計測する。
言い換えると、制御部55は、たとえば、上記印加電圧の反転に起因する相互誘導がコア33における導線36pおよび導線36t間に発生する飽和期間においてコア電流Ipを計測する。
また、言い換えると、制御部55は、たとえば、上記印加電圧の反転に起因する自己誘導がコア33における導線36pに発生する飽和期間においてコア電流Ipを計測する。
また、言い換えると、制御部55は、たとえば、上記印加電圧の反転に起因する逆起電力がコア33における導線36pに発生する飽和期間においてコア電流Ipを計測する。
また、言い換えると、制御部55は、たとえば、上記印加電圧の極性が反転してからコア33が磁気飽和するまでの飽和期間においてコア電流Ipを計測する。
具体的には、制御部55は、電圧パルスSpa1,Spb1が反転してからコア電流が一定値を示すまでの飽和期間においてコア電流Ipを計測する。
好ましくは、制御部55は、たとえば、飽和期間に含まれる期間であってコア電流Ipの時間に対する変化の割合の絶対値が所定値以下の状態となる緩慢変化期間においてコア電流Ipを計測する。
この例では、制御部55は、飽和期間ごとにコア電流Ipを計測する。
詳細には、制御部55は、たとえば、互いに異なる2つのコア電流Ipの向きへの切り替えに対応する2つの飽和期間におけるコア電流Ipを計測する。
より詳細には、制御部55は、たとえば、連続する2回のコア電流Ipの向きへの切り替えに対応する2つの飽和期間(以下、連続飽和期間とも称する。)におけるコア電流Ipを計測する。
また、制御部55は、たとえば、飽和期間に含まれる対象期間においてコア電流Ipを計測する。好ましくは、制御部55は、たとえば、緩慢変化期間に含まれる対象期間においてコア電流Ipを計測する。ここで、対象期間は、制御部55がオフ命令またはオン命令をGPIO56へ出力してから所定の遅延時間tsが経過した直後の1または複数のサンプリング期間である。
より詳細には、制御部55は、オフ命令またはオン命令をGPIO56へ出力したタイミングにおけるカウンタ59におけるカウント値を用いて、当該タイミングから遅延時間tsが経過したタイミングを示すカウント値である遅延カウント値を設定する。
制御部55は、カウンタ59におけるカウント値が遅延カウント値と一致するまでADコンバータ57から受ける電圧データを破棄し、カウンタ59におけるカウント値が遅延カウント値と一致すると、ADコンバータ57から受ける電圧データを1つ取得する。
なお、制御部55は、複数の電圧データを取得してもよい。この場合、制御部55は、複数の電圧データのたとえば平均値を採用する。
再び図3および図4を参照して、対象期間Ttを定めるための遅延時間tsの設定方法について説明する。図3および図4に示すように、コア電流Ip1,Ip2は、飽和期間T0〜T3において変化する。
対象期間Ttは、たとえば、コア33の温度および直流電流Itの大きさに応じて飽和期間の長さが変化することを考慮して設定される。
より詳細には、コア電流Ip1,Ip2は、電圧パルスSpa1,Spb1が反転した直後に大きな変化を示し、そして、緩慢変化期間Ts0〜Ts3において緩やかに変化した後、再度大きな変化を示す。ここで、緩慢変化期間Ts0〜Ts3は、上述したように、コア電流Ip1,Ip2の時間に対する変化の割合の絶対値が所定値以下の状態となる期間である。
緩慢変化期間Ts0〜Ts3におけるコア電流Ip1,Ip2の電流値は、たとえば、電圧パルスの極性に応じて、Ix/N+αp(t)およびIx/N−αm(t)のいずれか一方で表すことが可能である。ここで、Ixは、被測定電流Itの電流値である。Nは、導線36pのコア33における巻き数と導線36tのコア33における巻き数との比である。αp(t),αm(t)は、たとえば、コア33の磁気ヒステリシス等に起因する電流値であり、時間tの関数として表すことが可能である。
たとえば、対象期間Ttの開始タイミングすなわち電圧パルスSpa1,Spb1が反転してから遅延時間tsが経過したタイミングにおいて、αp(ts)≒αm(ts)と近似することができる。これにより、Ix/N+αp(ts)およびIx/N−αm(ts)の平均を算出することにより、Ix/Nを取得することができる、すなわち被測定電流Itの電流値を取得することができる。
図3および図4に示すように、飽和期間T0〜T3の長さは、電圧パルスSpa1,Spb1の極性、および被測定電流Itの大きさに応じて異なる。
これは、被測定電流Itの大きさすなわちImin,Imaxに応じた静磁場がコア33に存在するため、コア33の磁気飽和に要する時間が、静磁場の大きさおよび電圧パルスSpa1,Spb1の極性に応じて異なるためである。
たとえば、被測定電流Itの大きさがIminである場合における飽和期間T0の長さは、被測定電流Itの大きさがImaxである場合における飽和期間T2の長さより短い。一方、被測定電流Itの大きさがIminである場合における飽和期間T1の長さは、被測定電流Itの大きさがImaxである場合における飽和期間T3の長さより長い。また、図示しないが、飽和期間の長さは温度に応じて異なる。
これに対して、対象期間Ttは、たとえば、被測定電流Itの測定対象の大きさの範囲Rgi、およびコア33が設けられる環境の温度範囲Rgtを考慮して、ユーザにより決定される。
より詳細には、ユーザは、たとえば、対象期間の決定に用いる計測条件として、計測対象とすべき被測定電流Itの大きさおよび温度を設定する。ここで、計測対象とすべき被測定電流Itの大きさは、たとえば、範囲Rgiの上限の電流値および下限の電流値である。また、計測対象とすべき温度は、たとえば、温度範囲Rgt上限の温度および下限の温度である。
ユーザは、設定した各被測定電流Itの大きさおよび各温度における飽和期間をそれぞれ計測し、計測した各飽和期間に基づいて、対象期間が当該各飽和期間に含まれるように遅延時間tsを決定する。
好ましくは、ユーザは、たとえば、設定した各被測定電流Itの大きさおよび各温度における緩慢変化期間をそれぞれ計測し、計測した各緩慢変化期間に基づいて、対象期間が当該各緩慢変化期間に含まれるように遅延時間tsを決定する。ユーザは、決定した遅延時間tsを制御部55に保持させる操作を電流センサ101に対して行う。
再び図2を参照して、算出部52は、制御部55の計測結果に基づいて、導線36tにおける電流値を算出する。
詳細には、算出部52は、たとえば、制御部55による互いに異なる2つのコア電流Ipの向きへの切り替えに対応する2つの飽和期間におけるコア電流Ipの計測結果に基づいて、直流電流Itの電流値を算出する。
より詳細には、算出部52は、制御部55から周期Tpごとに電圧データを受けて、制御部55から受ける電圧データのうち、連続する2つの電圧データを取得する。この2つの電圧データは、上述のIx/N+αp(t)に比例する値、およびIx/N−αm(t)に比例する値をそれぞれ示す。
算出部52は、取得した2つの電圧データのそれぞれ示す値の平均を算出し、算出結果すなわちIx/Nに比例する値に基づいて被測定電流Itの電流値を算出する。算出部52は、算出した被測定電流Itの電流値を示す電流情報を出力部53へ出力する。
出力部53は、算出部52から受ける電流情報を他の装置たとえばサーバへ送信する。
[電流センサ101の変形例1]
図5は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例の構成を示す図である。
図5を参照して、電流センサ101の変形例1である電流センサ102は、図1に示す電流センサ101と比べて、オペアンプ31A,31Bの代わりに、FET(Field Effect Transistor)(電圧供給部)37A,37Bを備え、さらに、抵抗38A,38Bを備える。
電流センサ102におけるセンスアンプ32、コア33、制御回路34および抵抗35の動作は、図1に示す電流センサ101におけるセンスアンプ32、コア33、制御回路34および抵抗35とそれぞれ同様である。
電流センサ102における抵抗38Aは、電源ノードV1に接続された第1端と、第2端とを有する。抵抗38Bは、電源ノードV2に接続された第1端と、第2端とを有する。
FET37Aは、たとえばNチャネルMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor FET)であり、制御回路34における端子58Aに接続されたゲートと、抵抗38Aの第2端および抵抗35の第1端に接続されたドレインと、接地されたソースとを有する。
FET37Bは、たとえばNチャネルMOSFETであり、制御回路34における端子58Bに接続されたゲートと、抵抗38Bの第2端および導線36pの第2端に接続されたドレインと、接地されたソースとを有する。
上述したように、周期TpごとにハイレベルVHおよびローレベルVLに切り替わる電圧パルスSpa1が、端子58Aから出力される。また、周期TpごとにハイレベルVHおよびローレベルVLに切り替わり、かつ電圧パルスSpa1と位相がπずれている電圧パルスSpb1が、端子58Bから出力される。
したがって、FET37Aにおけるゲートが端子58AからハイレベルVHの電圧を受ける場合、FET37Bにおけるゲートは、端子58BからローレベルVLの電圧を受ける。
このような場合、FET37Aがオンし、FET37Aにおけるドレインおよびソース間において電流が流れる、すなわち抵抗38Aの第2端が接地される。一方、FET37Bがオフし、FET37Bにおけるドレインおよびソース間における電流が制限される、すなわち抵抗38Bの第2端は接地されない。
また、FET37Aにおけるゲートが端子58AからローレベルVLの電圧を受ける場合、FET37Bにおけるゲートは、端子58BからハイレベルVHの電圧を受ける。
このような場合、FET37Bがオンし、FET37Bにおけるドレインおよびソース間において電流が流れる、すなわち抵抗38Bの第2端が接地される。一方、FET37Aがオフし、FET37Aにおけるドレインおよびソース間における電流が制限される、すなわち抵抗38Aの第2端は接地されない。
すなわち、抵抗38Aの第2端と抵抗38Bの第2端との間における電圧は、周期Tpごとに反転する。
これにより、導線36pには、周期Tpごとに極性が反転する印加電圧に基づくコア電流Ipが供給される。
[電流センサ101の変形例2]
図6は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例の構成を示す図である。
図6を参照して、電流センサ101の変形例2である電流センサ103は、図1に示す電流センサ101と比べて、制御回路34の代わりに、制御回路40を備え、さらに、抵抗39A,39Bを備える。
電流センサ103におけるオペアンプ31A,31B、センスアンプ32、コア33および抵抗35の動作は、図1に示す電流センサ101におけるオペアンプ31A,31B、センスアンプ32、コア33および抵抗35とそれぞれ同様である。
電流センサ103における抵抗39Aは、電源ノードV2に接続された第1端と、第2端とを有する。抵抗39Bは、抵抗39Aの第2端に接続された第1端と、接地された第2端とを有する。
オペアンプ31Bは、抵抗39Aの第2端に接続された非反転入力端子と、反転入力端子と、反転入力端子および導線36pの第2端に接続された出力端子と、電源ノードV2に接続された正電源端子と、接地された負電源端子とを有する。
オペアンプ31Bは、ボルテージフォロワとして機能し、電源ノードV2から供給される電力によって動作する。
図7は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例における制御回路の構成を示す図である。
図7を参照して、制御回路40は、図2に示す制御回路34と比べて、GPIO56Bを備えない構成である。
制御回路40における算出部52、出力部53、ADコンバータ57およびカウンタ59の動作は、図1に示す制御回路34における算出部52、出力部53、ADコンバータ57およびカウンタ59とそれぞれ同様である。
図8は、本発明の実施の形態に係る電流センサが処理する電圧パルスの信号電圧の時間変化、およびコア電流の時間変化の一例を示す図である。なお、図8において、横軸は時間を示す。
図7および図8を参照して、オペアンプ31Aは、たとえば、制御部55の制御に従って、導線36pの第1端に電圧パルスSpa1を印加する。
詳細には、制御部55は、カウンタ59におけるカウント値を監視し、たとえば、オフ命令およびオン命令を周期TPごとに交互にGPIO56Aへ出力する。
GPIO56Aは、制御部55からオン命令を受けると、ハイレベルVH1の電圧を有する電圧パルスSpa1を、制御部55からオフ命令を受けるまで継続して端子58Aへ出力する。
そして、GPIO56Aは、制御部55からオフ命令を受けると、ローレベルVL1の電圧を有する電圧パルスSpa1を、制御部55からオン命令を受けるまで継続して端子58Aへ出力する。
再び図6を参照して、オペアンプ31Aは、GPIO56Aから出力された電圧を端子58A経由で非反転入力端子において受けて、受けた電圧と同じレベルの電圧を出力端子から出力する。
オペアンプ31Bは、抵抗39A,39Bによって電源ノードV2の電圧が分圧された電圧Vrefを非反転入力端子において受けて、受けた電圧Vrefと同じレベルの電圧を出力端子から出力する。
ここで、抵抗39A,39Bの抵抗値は、たとえば、電圧Vrefが電圧パルスSpa1の最大電圧VH1および最小電圧VL1の中間電圧になるように設定されている。この中間電圧は、最大電圧VH1および最小電圧VL1間の電圧であればよく、ここでは、最大電圧VH1および最小電圧VL1の中間値である。
すなわち、オペアンプ31Aにおける出力端子とオペアンプ31Bにおける出力端子との間における電圧すなわち印加電圧の極性は、周期Tpごとに反転する。具体的には、印加電圧は、周期Tpごとに(VH1−VL1)/2および(VL1−VH1)/2に切り替わる。
これにより、導線36pには、周期Tpごとに極性が反転する印加電圧に基づくコア電流Ipが供給される。
[電流センサ101の変形例3]
図9は、本発明の実施の形態に係る電流センサの変形例の構成を示す図である。
図9を参照して、電流センサ101の変形例3である電流センサ104は、図1に示す電流センサ101と比べて、さらに、参照電圧を供給する図示しない供給回路を備える。
電流センサ104におけるオペアンプ31A,31B、センスアンプ32、コア33、制御回路34および抵抗35の動作は、図1に示す電流センサ101におけるオペアンプ31A,31B、センスアンプ32、コア33、制御回路34および抵抗35とそれぞれ同様である。
電流センサ104では、オペアンプ31A,31Bは、コンパレータとして機能する。参照電圧は、供給回路から参照電圧ノードVr1,Vr2経由で供給される。
この参照電圧は、最大電圧VHおよび最小電圧VL間の電圧であればよく、ここでは、最大電圧VHおよび最小電圧VLの中間値である。なお、参照電圧ノードVr1経由で供給される電圧、および参照電圧ノードVr2経由で供給される電圧は、互いに異なってもよい。
オペアンプ31Aは、制御回路34における端子58Aに接続された非反転入力端子と、参照電圧ノードVr1に接続された反転入力端子と、抵抗35の第1端に接続された出力端子と、電源ノードV1に接続された正電源端子と、接地された負電源端子とを有する。
オペアンプ31Bは、制御回路34における端子58Bに接続された非反転入力端子と、参照電圧ノードVr2に接続された反転入力端子と、導線36pの第2端に接続された出力端子と、電源ノードV2に接続された正電源端子と、接地された負電源端子とを有する。
上述したように、周期TpごとにハイレベルVHおよびローレベルVLに切り替わる電圧パルスSpa1が、端子58Aから出力される。また、周期TpごとにハイレベルVHおよびローレベルVLに切り替わり、かつ電圧パルスSpa1と位相がπずれている電圧パルスSpb1が、端子58Bから出力される。
したがって、オペアンプ31Aにおける非反転入力端子が端子58AからハイレベルVHの電圧を受ける場合、オペアンプ31Bにおける非反転入力端子は、端子58BからローレベルVLの電圧を受ける。
このような場合、オペアンプ31Aにおける出力端子の電圧が電源ノードV1の電圧となり、かつオペアンプ31Bにおける出力端子がゼロボルトとなる。
また、オペアンプ31Aにおける非反転入力端子が端子58AからローレベルVLの電圧を受ける場合、オペアンプ31Bにおける非反転入力端子は、端子58BからハイレベルVHの電圧を受ける。
このような場合、オペアンプ31Aにおける出力端子がゼロボルトとなり、かつオペアンプ31Bにおける出力端子の電圧が電源ノードV2の電圧となる。
すなわち、オペアンプ31Aにおける出力端子とオペアンプ31Bにおける出力端子との間における電圧は、周期Tpごとに反転する。
これにより、導線36pには、周期Tpごとに極性が反転する印加電圧に基づくコア電流Ipが供給される。
なお、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、コア電流Ipの向きが周期Tpごとに切り替わる構成であるとしたが、これに限定するものではない。コア電流Ipの向きが1回だけ切り替わる構成であってもよい。この場合、算出部52は、たとえば、切り替え前のコア電流Ipの向きに応じてαp(t)またはαm(t)を算出し、算出結果およびコア電流Ipの大きさからIx/Nを算出する。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサは、連続飽和期間におけるコア電流Ipをそれぞれ計測し、計測した各コア電流Ipの平均値に基づいて、直流電流Itの電流値を算出してサーバへ電流情報を送信する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電流センサ101は、飽和期間単位でコア電流Ipを計測し、計測したコア電流Ipに基づいて、直流電流Itの電流値を算出してサーバへ電流情報を送信する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサには、電圧供給部として、オペアンプ31A,31BおよびFET37A,37Bのいずれか一方が設けられる構成であるとしたが、これに限定するものではない。電圧供給部が、電流センサ101の外部に設けられる構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、制御部55は、ユーザにより決定された遅延時間tsにより定まる対象期間においてコア電流を計測する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部55は、飽和期間においてコア電流を計測する構成であれば、たとえば、特定の条件を考慮せずに汎用的に使用可能な任意の対象期間においてコア電流を計測する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、対象期間は、被測定電流Itの測定対象の大きさの範囲Rgi、およびコア33が設けられる環境の温度範囲Rgtを考慮して設定されるとしたが、これに限定するものではない。対象期間は、たとえば、コア33の温度および直流電流Itの大きさのいずれか一方に応じて飽和期間の長さが変化することを考慮して設定されてもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、制御部55は、連続する2回のコア電流Ipの向きへの切り替えに対応する2つの飽和期間におけるコア電流Ipを計測する構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御部55は、たとえば、連続しない2回のコア電流Ipの向きへの切り替えであって互いに異なる2つの向きへの切り替えに対応する2つの飽和期間におけるコア電流Ipを計測する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、図1、図5および図8に示す回路を用いて導線36pへ電流を供給する構成であるとしたが、これに限定するものではない。電流センサ101では、図1、図5および図8に示す回路と異なる回路を用いて導線36pへ電流を供給する構成であってもよい。
ところで、特許文献1に記載の電流センサでは、磁電変換手段としてのホール素子、およびホール素子を動作させるための定電流回路が設けられる。このように、ホール素子を用いる構成では、高価な素子および周辺回路が必要となり、コストが上昇するため好ましくない。より低コストな電流センサが求められる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る電流センサは、導線36tが挿通されるコア33と、コア33に巻回された導線36pと、導線36pに流れるコア電流Ipを計測する制御部55と、制御部55の計測結果に基づいて、導線36tにおける電流値を算出する算出部52とを備える。導線36tには直流電流Itが供給される。コア電流Ipの向きは切り替え可能である。そして、制御部55は、コア電流Ipの向きの切り替えを行うための導線36pへの印加電圧の反転に起因するコア33における磁束変化を打ち消すように誘導される電流が導線36pに流れる飽和期間T0〜T3においてコア電流Ipを計測する。
このように、飽和期間においてコア電流Ipを計測し、計測結果に基づいて導線36tにおける電流値を算出する構成により、高価な素子および周辺回路を用いることなく導線36tにおける電流値を算出することができるので、電流センサ101のコストをより低減することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、制御部55は、飽和期間T0〜T3に含まれる対象期間Ttにおいてコア電流Ipを計測する。そして、対象期間Ttは、コア33の温度Tおよび直流電流Itの大きさに応じて飽和期間の長さが変化することを考慮して設定される。
このように、飽和期間の長さがコア33の温度Tおよび直流電流Itの大きさに応じて変化することに着目し、飽和期間の長さが変化することを考慮して対象期間Ttが設定される構成により、コア電流Ipの計測により適した対象期間Ttを設定することができるので、より正しい直流電流Itの電流値を安定に算出することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、制御部55は、互いに異なる2つのコア電流Ipの向きへの切り替えに対応する2つの飽和期間におけるコア電流Ipを計測する。そして、算出部52は、制御部55による上記2つの飽和期間におけるコア電流Ipの計測結果に基づいて、直流電流Itの電流値を算出する。
このような構成により、互いに異なる2つのコア電流Ipの向きにそれぞれ対応する、コア33における磁気ヒステリシスに起因するコア電流Ipのシフトを相殺することができるので、直流電流Itの電流値を簡易な処理でより正しく算出することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、オペアンプ31Aは、導線36pの第1端に電圧パルスSpa1を印加する。そして、オペアンプ31Bは、導線36pの第2端に電圧パルスSpa1と反対の極性を有する電圧パルスSpq2を印加する。
このような構成により、電圧パルスのパルス強度を抑制しながらコア33を磁気飽和させることができるので、オペアンプ31A,31Bへ供給すべき電圧を下げることができる。また、極性の反転する印加電圧を発生させるための電圧パルスSpa1,Spa2用の電圧をたとえばハイレベルVHおよびローレベルVLの2種類にすることができる。これにより、オペアンプ31A,31Bの電源回路を簡素化することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電流センサでは、オペアンプ31Aは、導線36pの第1端に電圧パルスSpa1を印加する。そして、オペアンプ31Bは、導線36pの第2端に電圧パルスSpa1の最大電圧VH1および最小電圧VL1の中間電圧Vrefを印加する。
このような構成により、電圧パルスの生成回路を1つにすることができるので、電流センサ101のコストをより低減することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
第1の導線が挿通されるコアと、
前記コアに巻回された第2の導線と、
前記第2の導線に流れるコア電流を計測する計測部と、
前記計測部の計測結果に基づいて、前記第1の導線における電流値を算出する算出部とを備え、
前記第1の導線には直流電流が供給され、
前記コア電流の向きは切り替え可能であり、
前記計測部は、前記向きの切り替えを行うための前記第2の導線への印加電圧の反転に起因する前記コアにおける磁束変化を打ち消すように誘導される電流が前記第2の導線に流れる飽和期間において前記コア電流を計測し、
前記コアは、環状の磁性体であり、
前記計測部は、前記飽和期間に含まれる期間であって、前記コア電流の時間に対する変化の割合の絶対値が所定値以下の状態となる緩慢変化期間において前記コア電流を計測する、電流センサ。
31A,31B オペアンプ(電圧供給部)
32 センスアンプ
33 コア
34 制御回路
35 抵抗
36p,36t 導線
37A,37B FET(電圧供給部)
38A,38B 抵抗
39A,39B 抵抗
40 制御回路
52 算出部
53 出力部
55 制御部(計測部)
56A,56B GPIO
57 ADコンバータ
58A,58B,58C 端子
59 カウンタ
101,102,103,104 電流センサ

Claims (5)

  1. 第1の導線が挿通されるコアと、
    前記コアに巻回された第2の導線と、
    前記第2の導線に流れるコア電流を計測する計測部と、
    前記計測部の計測結果に基づいて、前記第1の導線における電流値を算出する算出部とを備え、
    前記第1の導線には直流電流が供給され、
    前記コア電流の向きは切り替え可能であり、
    前記計測部は、前記向きの切り替えを行うための前記第2の導線への印加電圧の反転に起因する前記コアにおける磁束変化を打ち消すように誘導される電流が前記第2の導線に流れる期間において前記コア電流を計測する、電流センサ。
  2. 前記計測部は、前記期間に含まれる対象期間において前記コア電流を計測し、
    前記対象期間は、前記コアの温度および前記直流電流の大きさの少なくともいずれか一方に応じて前記期間の長さが変化することを考慮して設定される、請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記計測部は、互いに異なる2つの前記向きへの切り替えに対応する2つの前記期間における前記コア電流を計測し、
    前記算出部は、前記計測部による前記2つの期間における前記コア電流の計測結果に基づいて前記電流値を算出する、請求項1または請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記第2の導線の第1端に電圧パルスを印加するともに、前記第2の導線の第2端に前記電圧パルスと反対の極性を有する電圧パルスを印加する電圧供給部をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電流センサ。
  5. 前記第2の導線の第1端に電圧パルスを印加するともに、前記第2の導線の第2端に前記電圧パルスの最大電圧および最小電圧の中間電圧を印加する電圧供給部をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電流センサ。
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