JP2018100711A - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車レンジにシフト操作を行った直後にブレーキペダルを離して、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況であっても即座にパークロック状態になる車両の制御装置を提供する。【解決手段】パークモジュール32を有する自動変速機TMを備えた車両の制御装置100は、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、ブレーキのブレーキ力が弱まるとパークモジュール32をパークロック状態にする制御部(ATCU10)を有する。【選択図】 図1
Description
本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。
特許文献1に示すように、ドライバによるシフトレバーの選択操作に基づいて、油圧シリンダ及び保持用ソレノイドを制御し、パーキングロック制御あるいはパーキングリリース制御を行うパークバイワイヤシステムが従来から知られている。
ドライバが駐車レンジにシフト操作を行った直後にブレーキペダルを離して、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況が想定される。このような状況は、パークロックがなされておらず、かつ、自動変速機の動力伝達状態が解除されていないおそれがあるため、望ましくない。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたもので、駐車レンジにシフト操作を行った直後にブレーキペダルを離して、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況であっても即座にパークロック状態になる車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様のパークロック機構を有する自動変速機を備えた車両の制御装置は、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、ブレーキのブレーキ力が弱まるとパークロック機構をパークロック状態にする制御部を有する。
本発明の別の態様のパークロック機構を有する自動変速機を備えた車両の制御方法は、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、ブレーキのブレーキ力が弱まるとパークロック機構をパークロック状態にする。
これらの態様によれば、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況であっても即座にパークロック状態にできる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両の概略構成図である。車両は、動力源としてエンジン1を備える。エンジン1の動力は、自動変速機TM、差動装置4を介して、駆動輪5へと伝達される。
自動変速機TMは、トルクコンバータ2と変速機構3とで構成される。自動変速機TMは、レンジとして、ドライブ(D)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、駐車(P)レンジ等を有し、そのいずれか一つを設定レンジとして設定することができる。DレンジとRレンジとは走行レンジを構成し、NレンジとPレンジとは、非走行レンジを構成する。
自動変速機TMの設定レンジは、ドライバがシフター6を操作することによって設定される。シフター6は、例えば、操作後に中立位置に自動的に復帰するモーメンタリ式のシフトレバーであるが、ボタン式のシフトスイッチ等であってもよい。シフター6によってどのレンジが選択されたかは、シフター位置センサ21によって検出される。
変速機構3は、有段の自動変速機構であり、遊星歯車機構と、複数の摩擦係合要素とを有して構成される。変速機構3は、複数の摩擦係合要素の締結状態を変更することでギヤ比及び前進後進を切り換えることができる。以下の説明では、自動変速機TMの設定レンジが走行レンジに設定されているときに締結されるクラッチ、ブレーキを動力伝達クラッチ33(締結要素)と総称する。
変速機構3は、コントロールバルブ部31と、パークロック機構としてのパークモジュール32とをさらに有して構成される。コントロールバルブ部31は、変速機構3の複数の摩擦係合要素の作動油圧を制御する複数のソレノイドを有して構成される。
パークモジュール32は、駐車時に変速機構3の出力軸34を機械的にロックする。自動変速機TMの設定レンジがPレンジに設定された場合は、アクチュエータ32aによってパークロッド32bがロック位置に駆動される。これにより、パークポール35に設けられた係合爪(図示せず)が変速機構3の出力軸34に設けられたパークギヤ(図示せず)に係合し、変速機構3の出力軸34が機械的にロックされる(パークロック状態)。これに対し、自動変速機TMの設定レンジがPレンジ以外のレンジに設定された場合は、アクチュエータ32aによってパークロッド32bがロック解除位置に駆動される。これにより、図示しないパークポール35の係合爪と出力軸34のパークギヤとの係合が解かれ、変速機構3の出力軸34のロックが解除される(パークロック解除状態)。
車両の駆動を制御する制御装置100は、自動変速機TMを制御するATCU10と、シフトコントロールユニットとしてのSCU20と、エンジン1を制御するECU30と、車体側動作要素を制御するBCM40と、メータコントロールユニットとしてのMCU50と、ブレーキ装置7を制御するBCU60と、を備える。
駆動輪5及び図示しない従動輪には油圧式のブレーキ装置7が設けられている。ブレーキ装置7から車両に作用するブレーキ力はドライバによるブレーキペダルの踏み込み量に応じて調整される他、BCU60からの信号を受けて任意のタイミングでブレーキ力を車両に作用させることができる。
ATCU10は、自動変速機コントロールユニットであり、自動変速機TMの制御を行う。ATCU10には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ11、車速VSPを検出する車速センサ12、パークモジュール32のパークロッド32bの位置を検出するパーキングポジションセンサ13、自車位置における路面の勾配を検出する勾配センサ14、ブレーキペダルの踏み込みの有無を検出するブレーキスイッチ15等からの信号が入力される。
SCU20は、シフター位置センサ21からの信号に基づき、シフター6によって選択されたレンジに対応する要求レンジ信号を生成してATCU10に出力する。
ECU30は、エンジンコントロールユニットであり、エンジン1を制御する。ECU30は、エンジン1の回転速度NE、スロットル開度TVO等をATCU10に出力する。
BCM40は、ボディコントロールモジュールであり、車体側動作要素を制御する。車体側動作要素は例えば、車両のドアロック機構等であり、エンジン1のスタータを含む。BCM40は、車両のドアロックを検出するドアロックスイッチのON・OFF信号、エンジン1のイグニッションスイッチのON・OFF信号等をATCU10に出力する。
MCU50は、メータコントロールユニットであり、車室内に設けられたメータ、警告灯、ディスプレイ、自動変速機TMの設定レンジを表示するレンジインジケータ51等を制御する。
BCU60は、ブレーキコントロールモジュールであり、ブレーキ装置7によるブレーキ力を制御する(以下では、ブレーキ装置7を単に「ブレーキ」ともいう。)。
ATCU10は、CAN70を介してSCU20、ECU30、BCM40、MCU50、BCU60と相互通信可能に接続される。
ATCU10は、SCU20からの要求レンジ信号に基づき、自動変速機TMの設定レンジを設定する。ATCU10は、自動変速機TMの設定レンジに応じて、次に説明するように制御指令値をコントロールバルブ部31に出力する。
自動変速機TMのレンジをDレンジに設定した場合、ATCU10は、車速VSP、アクセル開度APOに基づき、変速マップを参照して目標変速段を決定し、目標変速段を達成するための制御指令値をコントロールバルブ部31に出力する。これにより、複数のソレノイドが制御指令値に応じて制御され、複数の摩擦係合要素の作動油圧が調整され、目標変速段が達成される。
自動変速機TMの設定レンジをRレンジに設定した場合、ATCU10は、目標変速段を後進段に決定し、目標変速段を達成するための制御指令値をコントロールバルブ部31に出力する。この場合、後進段を達成するように複数のソレノイドが制御される。
自動変速機TMの設定レンジをPレンジ又はNレンジに設定した場合、ATCU10は、動力伝達クラッチ33を解放させるための制御指令値(クラッチ解放指令)をコントロールバルブ部31に出力する。設定レンジがPレンジである場合は、さらに、ATCU10は、パークモジュール32のアクチュエータ32aを動作させ、変速機構3の出力軸34を機械的にロックする(パークロック状態)。本実施形態では、ATCU10は、パークモジュール32を制御する制御部に相当する。
次に、図2を参照しながら、ATCU10が実行するパークロック制御について説明する。図2は、ATCU10が実行するパークロック制御の内容を示すフローチャートである。
ステップS11では、ATCU10は、ブレーキがオンのときに走行レンジ(D、Rレンジ)から駐車レンジ(Pレンジ)へのシフト操作がなされたか、言い換えると、走行レンジから駐車レンジへのシフト操作されたときにブレーキがオンかを判断する。具体的には、ATCU10は、ブレーキスイッチ15からの信号に基づきブレーキペダルが踏み込まれているか判断するとともに、シフター位置センサ21からの信号に基づきシフター6が走行レンジから駐車レンジに操作されたかを判断する。ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた場合には、ステップS12に進む。ブレーキがオフの状態で走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた場合には、ステップS16に進む。
ステップS12では、ATCU10は、動力伝達クラッチ33を解放するためのクラッチ解放指令をコントロールバルブ部31に出力する。具体的には、ATCU10は、変速機構3の複数の摩擦係合要素の作動油圧を制御する複数のソレノイドに印加する電流を低下させる。
ステップS13では、ATCU10は、ブレーキスイッチ15からの信号に基づきブレーキがオフの状態か、具体的には、ブレーキがオンの状態が中断されたかを判断する。ブレーキがオンの状態が継続されていれば、ステップS14に進み、ブレーキがオフの状態であれば、ステップS17に進む。なお、ステップS17については後述する。
ステップS14では、ATCU10は、動力伝達クラッチ33が解放されたかを判断する。具体的には、変速機構3の複数の摩擦係合要素を作動するための作動油の圧力を圧力センサで検出し、検出された作動油の圧力が所定値以下になった時に動力伝達クラッチ33が解放されたと判断する。動力伝達クラッチ33が解放されていれば、ステップS15に進み、動力伝達クラッチ33が解放されていなければ、ステップS13に戻る。
なお、動力伝達クラッチ33が解放されたかの判断は、例えば、ATCU10がクラッチ解放指令を出力してから一定時間経過したときに動力伝達クラッチ33が解放されたと判断するようにしてもよい。あるいは、ATCU10から上記複数のソレノイドに印加される電流値が、所定値以下になった時に動力伝達クラッチ33が解放されたと判断するようにしてもよい。
ステップS15では、パークモジュール32をパークロック状態にする。具体的には、ATCU10がパークモジュール32のアクチュエータ32aに指令を与え、パークロッド32bをロック位置に駆動する。これにより、変速機構3の出力軸34に設けられたパークギヤにパークポール35の係合爪が噛み込み、出力軸34を機械的にロックする。
また、上述のように、ステップS11で、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされていないと判断された場合、ステップS16に進む。
ステップS16では、ステップS12と同様に、ATCU10は、動力伝達クラッチ33を解放するためのクラッチ解放指令をコントロールバルブ部31に出力する。
そして、ステップS17に進み、ATCU10は、直ちにパークモジュール32をパークロック状態にし、変速機構3の出力軸34を機械的にロックする。その後、ステップS18に進み、動力伝達クラッチ33が解放される。
このように、本実施形態の制御装置100では、走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、ブレーキがオフになると動力伝達クラッチ33が解放されたか否かにかかわらず、パークモジュール32をパークロック状態にし、出力軸34を機械的にロックする。
続いて、図3〜図5を参照しながら、パークロック制御が実行される様子について説明する。
はじめに、図3を参照して説明する。図3は、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされ、クラッチ解放が完了した後にブレーキがオフになった場合のタイムチャートである。
まず、ドライバがシフター6を操作して自動変速機TMの設定レンジを走行レンジから駐車レンジに変更する(時刻t1)。なお、時刻t1よりも前は、車両は、ブレーキペダルが踏まれた状態で停止しているか、ブレーキペダルが踏まれて停止直前の低速状態にある。
ATCU10は、設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定する(時刻t2)。なお、時刻t1と時刻t2との時間の差は、シフター6が操作されてから、ATCU10によって設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定されるまでの間の演算処理に要する時間である。
ATCU10は、設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定すると、直ちにクラッチ解放指令を出力する。これにより、変速機構3の複数の摩擦係合要素を作動させる作動油の圧力が徐々に低下する。
そして、作動油の圧力が所定値Pt以下に低下すると(時刻t3)、ATCU10は、動力伝達クラッチ33が解放されたと判断し、直ちにパークモジュール32をパークロック状態にし、変速機構3の出力軸34を機械的にロックする。なお、作動油の圧力が所定値Ptになると、動力伝達クラッチ33の伝達トルク容量が0になる。伝達トルク容量が0になると動力伝達が生じない状態(つまり、クラッチ解放状態)になる。
動力伝達クラッチ33が締結された状態で、パークモジュール32をパークロック状態にすると、変速機構3の出力軸34は、駆動源(エンジン1)からのトルクが残留トルクとして作用した状態でロックされてしまう。具体的には、駆動源(エンジン1)からのトルクが作用した状態で、出力軸34に設けられたパークギヤがパークポール35に係合することにより、パークギヤがパークポール35に噛みこんだ状態となる。この状態からパークロック状態を解除する(駐車レンジから他のレンジに操作する)と、残留トルクが一気に解放されるためショックや衝撃音が発生する。そこで、本実施形態では、駐車レンジにシフト操作した後にブレーキのオン状態が継続した場合には、動力伝達クラッチ33を解放した後にパークモジュール32をパークロック状態にする。これにより、変速機構3の出力軸34に駆動源(エンジン1)からのトルクが作用した状態でロックされることが抑制されるので、パークモジュール32のパークロック状態を解除したときにショックや衝撃音が発生することを防止できる。
次に、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後であってパークモジュール32がパークロック状態になる前に、ブレーキがオフになった場合について、図4に示すタイムチャートを参照して説明する。
図3に示すタイムチャートと同様に、まず、ドライバがシフター6を操作して自動変速機TMの設定レンジを走行レンジから駐車レンジに変更する(時刻t1)。そして、ATCU10は、設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定する(時刻t2)。
ATCU10は、設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定すると、直ちにクラッチ解放指令を出力する。これにより、変速機構3の複数の摩擦係合要素を作動させる作動油の圧力が徐々に低下する。
作動油の圧力が所定値Ptまで低下する前に、ドライバがブレーキペダルから足を離すなどしてブレーキがオフになると(時刻t4)、ATCU10は、直ちにパークモジュール32をパークロック状態にし、変速機構3の出力軸34を機械的にロックする。その後、作動油の圧力が所定値Pt以下まで低下すると動力伝達クラッチ33は解放される(時刻t3)。
このような状況は、例えば、ドライバが走行レンジから駐車レンジにシフト操作を行った直後にブレーキペダルを離して、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況である。このような状況は、パークロックがなされておらず、かつ、動力伝達クラッチ33の動力伝達状態が解除されていないため、望ましくない。
このため、本実施形態では、走行レンジから駐車レンジにシフト操作を行った後であってパークモジュール32がパークロック状態になる前にブレーキがオフになった場合には、動力伝達クラッチ33の動力伝達状態が解除されたか否かにかかわらず、直ちにパークモジュール32がパークロック状態にし、変速機構3の出力軸34を機械的にロックする。これにより、駐車レンジにシフト操作を行った直後にブレーキペダルを離して駐車ブレーキを掛けずに降車しても、即座にパークロック状態になるので車両が勝手に移動することを防止できる。
次に、ブレーキがオフの状態で走行レンジから駐車レンジにシフト操作をした場合について、図5に示すタイムチャートを参照して説明する。
図3に示すタイムチャートと同様に、まず、ドライバがシフター6を操作して自動変速機TMの設定レンジを走行レンジから駐車レンジに変更する(時刻t1)。なお、時刻t1よりも前は、車両は、ブレーキペダルが踏まれていない状態で停止しているか、ブレーキペダルが踏まれていない状態で低速状態にある。
そして、ATCU10は、設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定する(時刻t2)。ATCU10は、設定レンジが駐車レンジに変更されたと判定すると、クラッチ解放指令を出力する。これと同時に、ATCU10は、ブレーキがオフの状態であるので、直ちにパークモジュール32をパークロック状態にし、変速機構3の出力軸34を機械的にロックする。
ATCU10からクラッチ解放指令が出力されることにより、変速機構3の複数の摩擦係合要素を作動させる作動油の圧力が徐々に低下する。その後、作動油の圧力が所定値Pt以下まで低下すると(時刻t3)、動力伝達クラッチ33は解放される。
このように、本実施形態における制御装置100のATCU10は、ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、ブレーキがオフになるとパークモジュール32をパークロック状態にする。
これにより、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況であっても即座にパークロック状態にできる。
上記実施形態では、ブレーキスイッチ15によってブレーキのオン、オフを判定しているが、ブレーキ力(車両の移動を制限する力)を検出し、検出されたブレーキ力が所定値以下になった場合に、パークモジュール32をパークロック状態にするように構成してもよい。この変形例について、図6に示すフローチャートを参照しながら、具体的に説明する。なお、以下では、図2に示すフローチャートと異なる点を中心に説明し、図2に示すフローチャートと同一の構成には、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
ステップS21では、ATCU10は、ブレーキ力が所定値超過の状態のときに走行レンジ(D、Rレンジ)から駐車レンジ(Pレンジ)へのシフト操作がなされたか、言い換えると、走行レンジから駐車レンジへのシフト操作されたときにブレーキ力が所定値を超過しているかを判断する。
具体的に説明すると、制御装置100では、ブレーキ力として、例えば、ブレーキ装置7を駆動するための作動油の圧力(以下、「ブレーキ圧」という。)を圧力センサによって検出する。ATCU10は、圧力センサによって検出されたブレーキ圧が所定値を超過しているかを判断するとともに、シフター位置センサ21からの信号に基づきシフター6が走行レンジから駐車レンジに操作されたかを判断する。ブレーキ圧が所定値超過の状態で走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた場合には、ステップS12に進む。ブレーキ圧が所定値以下で走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた場合には、ステップS16に進む。
ステップS12では、ATCU10は、動力伝達クラッチ33を解放するためのクラッチ解放指令をコントロールバルブ部31に出力する。
ステップS23では、ブレーキ力が所定値以下であるか否かを判断する。具体的には、ATCU10は、ブレーキ圧が所定値以下に低下したかを判断する。ブレーキ圧が所定値超過の状態が継続されていれば、ステップS14に進み、ブレーキが所定値以下に低下すれば、ステップS17に進む。
ステップS14及びステップS16以降のフローについて、図2に示す実施形態と同様であるので、説明を省略する。
ここで、上記ステップS21及びステップS23において判断に用いられるブレーキ力の所定値について説明する。
本変形例では、ブレーキ力の所定値を車両が動き出すブレーキ力(以下、「第1ブレーキ力」という。)に設定する。これにより、ブレーキ力が第1ブレーキ力以下であるとき、つまり、車両が動き出したときには、即座にパークロック状態にすることができる。
なお、ブレーキ力の所定値を、第1ブレーキ力よりも少し大きな値(以下、「第2ブレーキ力」という。)、あるいは、第1ブレーキ力よりも少し小さな値(以下、「第3ブレーキ力」という。)に設定してもよい。
所定値を第1ブレーキ力に設定すると、車両移動の抑制と残留トルクの抑制とのバランスが良い制御にすることができる。所定値を第2ブレーキ力に設定すると、車両移動の抑制と残留トルクの抑制とのバランスを考慮しつつ、車両移動の抑制の優先度を高くした制御にすることができる。また、所定値を第3ブレーキ力に設定すると、車両移動の抑制と残留トルクの抑制とのバランスを考慮しつつ、残留トルクの抑制の優先度を高くした制御にすることができる。
なお、この変形例において、例えば、ステップS21において、圧力センサによって検出されたブレーキ圧が所定値を超過しているか判断するとともに、この時点でのブレーキ圧を記憶し、ステップS23において、ブレーキ圧が記憶されたブレーキ圧よりも弱まったか否かを判断するように構成してもよい。
また、所定値をエンジン1の駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力とに応じて変化させてもよい。この変形例について、以下に具体的に説明する。
駆動力とは、エンジン回転に基づいて車両を移動させるようとする力である。駆動力は、エンジン回転に応じて変化する。
道路勾配に起因して車両に働く力とは、道路勾配に応じて車両を移動させるようとする力である。道路勾配に起因して車両に働く力は、平坦路では、値が0になり、降坂路では駆動力と同じ方向であるので正の値になり、登坂路では駆動力と反対方向であるので負の値になる。さらに、道路勾配が大きくなるほど、道路勾配に起因して車両に働く力も大きくなる。道路勾配は、上述した勾配センサ14によって検出される。
エンジン1の駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力との合計とブレーキ力が等しくなれば、車両は停止する。つまり、これら力は、「ブレーキ力=駆動力+道路勾配に起因して車両に働く力」という関係になる。
平坦路では、道路勾配に起因して車両に働く力は0であるので、「ブレーキ力=駆動力」という関係になる。このため、ブレーキ力と駆動力とが釣り合う値に、ブレーキ力の所定値を設定する。
降坂路では、「ブレーキ力=駆動力+道路勾配に起因して車両に働く力(正の値)」という関係になる。降坂路では、駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力とが同じ方向に作用するので、ブレーキ力と、駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力との和と、が釣り合うような値に、ブレーキ力の所定値を設定する。
登坂路では、「ブレーキ力=駆動力+道路勾配に起因して車両に働く力(負の値)」という関係になる。登坂路では、駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力とが反対方向に作用するので、ブレーキ力と、駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力との差と、が釣り合うような値に、ブレーキ力の所定値を設定する。
このように、この変形例では、ATCU10は、駆動力と道路勾配に起因して車両に働く力とに応じてブレーキ力の所定値を変化させる。これにより、登坂路や降坂路などに駐車しようとする場合に、車両が動き出そうとしても、即座にパークロック状態になるので、車両のずり下がりを確実に防止できる。
また、ブレーキ力が少しでも弱まっただけで即座にパークロックした場合と比較すると、即座にパークロックしないブレーキ力の領域があるので、残留トルクが発生することをその分抑制できる。
なお、この変形例では、車両が停止している状態(エンジン回転がアイドリング状態)であれば、道路勾配にかかわらず駆動力は一定になるので、ブレーキ力の所定値は道路勾配のみに応じて変更されるということになる。このため、ブレーキ力の所定値を、道路勾配に起因して車両に働く力のみに応じて変化させるようにしてもよい。
上記変形例では、ブレーキ力を圧力センサによって検出されたブレーキ圧から求めていたが、これに限らず、例えば、ブレーキペダルの踏力や、ブレーキペダルの位置に基づいて、ブレーキ力を求めてもよい。
以上のように、本実施形態における制御装置100のATCU10は、ブレーキがオンのとき(具体的には、ブレーキスイッチ15からの信号に基づいてブレーキがオンであると判断されたとき、あるいは、ブレーキ力が所定値超過のとき)に走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、ブレーキ装置7のブレーキ力が弱まる(具体的には、ブレーキ力が所定値以下になった(ブレーキがオフであるときを含む。この場合は、所定値は0になる。)とき、あるいは、ブレーキ力が少しでも弱まったとき)とパークモジュール32をパークロック状態にする。
これにより、駐車ブレーキを掛けずに降車するような状況であっても即座にパークロック状態にできる(請求項1、4に対応する効果)。
また、本実施形態における制御装置100のATCU10は、走行レンジから駐車レンジへのシフト操作後にブレーキ力が所定値超過の状態が継続した場合には、動力伝達クラッチ33が解放された後にパークモジュール32をパークロック状態にする。
これにより、変速機構3の出力軸34に残留トルクが発生することを抑制できるので、パークロック状態を解除するときにショックや衝撃音が発生することを防止できる(請求項2に対応する効果)。
また、本実施形態における制御装置100のATCU10は、ブレーキ力が道路勾配に応じて変更される所定値以下になると、パークロック機構をパークロック状態にする。
道路勾配に応じて車両が動き出すブレーキ力は変化するので、ブレーキ力の所定値を道路勾配に応じて変更することで、登坂路や降坂路に駐車する場合であっても、車両が極力動かないようにすることができる(請求項3に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
3 変速機構
6 シフター
7 ブレーキ装置
10 ATCU(制御部)
30 ECU
32 パークモジュール(パークロック機構)
33 動力伝達クラッチ(締結要素)
34 出力軸
100 制御装置
6 シフター
7 ブレーキ装置
10 ATCU(制御部)
30 ECU
32 パークモジュール(パークロック機構)
33 動力伝達クラッチ(締結要素)
34 出力軸
100 制御装置
Claims (4)
- パークロック機構を有する自動変速機を備えた車両の制御装置であって、
ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、前記ブレーキのブレーキ力が弱まると前記パークロック機構をパークロック状態にする制御部を有することを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1に記載の車両の制御装置であって、
前記自動変速機は締結要素を有し、
前記制御部は、前記シフト操作後に前記ブレーキ力が所定値超過の状態が継続した場合には、前記締結要素が解放された後に前記パークロック機構をパークロック状態にすることを特徴とする車両の制御装置。 - 請求項1又は請求項2の車両の制御装置であって、
前記制御部は、前記ブレーキ力が道路勾配に応じて変更される所定値以下になると、前記パークロック機構をパークロック状態にすることを特徴とする車両の制御装置。 - パークロック機構を有する自動変速機を備えた車両の制御方法であって、
ブレーキがオンのときに走行レンジから駐車レンジへのシフト操作がなされた後に、前記ブレーキのブレーキ力が弱まると前記パークロック機構をパークロック状態にすることを特徴とする車両の制御方法。
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