JP2018100172A - クレーン - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な位置にフックブロックを移動させることができるクレーンを提供する。【解決手段】ブームの先端部にワイヤロープを介して吊り下げられるフックブロックと、前記ブームを起伏駆動する起伏駆動手段と、前記ブームを伸縮駆動する伸縮駆動手段と、前記ブームを旋回駆動する旋回駆動手段と、前記ワイヤロープを出入駆動する出入駆動手段と、を備えたクレーンであって、前記フックブロックへの操作を入力部として前記起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及び前記出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御する。【選択図】図3
Description
本発明は、クレーンに関する。
従来、走行可能な車両と、車両の上部に旋回可能に設けられた旋回体と、旋回体にヒンジを介して支持され、起伏シリンダによって上下方向に起伏可能、かつ伸縮シリンダによって長さ方向に伸縮可能に設けられたブームと、旋回体のウインチからブームの先端部を廻って下方に垂下されたワイヤロープと、ワイヤロープに吊り下げられたフックブロックと、からなる移動式クレーンが公知とされている(特許文献1参照)。
玉掛け作業において、操縦者は、吊荷周辺の玉掛け作業者と相互に連絡をとりながら操縦し、フックブロックを適切な位置に移動させる。しかし、玉掛け作業者との意思疎通を図ることができない状況では、適切な位置にフックブロックを移動させることが難しい場合があった。また、クレーンから遠く離れた場所で玉掛け作業を行うときには、フックブロックの位置が大きく移動するので微調整ができず、適切な位置にフックブロックを移動させることが難しい場合もあった。
そこで、本発明は、適切な位置にフックブロックを移動させることができるクレーンを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、適切な位置にフックブロックを移動させることができるクレーンを提供することを目的とする。
本発明のクレーンは、ブームの先端部にワイヤロープを介して吊り下げられるフックブロックと、前記ブームを起伏駆動する起伏駆動手段と、前記ブームを伸縮駆動する伸縮駆動手段と、前記ブームを旋回駆動する旋回駆動手段と、前記ワイヤロープを出入駆動する出入駆動手段と、を備えたクレーンであって、前記フックブロックへの操作を入力部として前記起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及び前記出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御する。
前記入力部は、互いに直交する三軸方向に前記フックブロックを移動可能とした操作具で構成される。
前記三軸方向は、一軸方向が鉛直下方に投影した前記ブームの長手方向に沿い、かつ他の一軸方向が重力の作用方向に沿うように定められる。
前記入力部は、前記フックブロックの動作を検出するモーションセンサで構成され、前記フックブロックの動作に前記フックブロックの吊下位置を追従させる。
前記入力部は、前記モーションセンサを作動するスイッチを前記フックブロックに備え、前記スイッチを押している間のみ、前記モーションセンサを作動させる。
フックブロックへの操作を入力部として、前記ブームの起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及び前記ワイヤロープの出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御することで、フックブロックを適切な位置に移動させることができる。
入力部が、互いに直交する三軸方向にフックブロックを移動可能とした操作具で構成されることで、玉掛け作業者は、三軸方向を基準としてフックブロックを動かすことができる。そのため、フックブロックを適切な位置に動かす際の入力部への操作が簡易となる。
三軸方向は、一軸方向が鉛直下方に投影した前記ブームの長手方向に沿い、かつ他の一軸方向が重力の作用方向に沿うように定められることで、玉掛け作業者は、入力部の操作をする際に、三軸方向を容易に把握することができる。
モーションセンサによってフックブロックの動作を検出して、フックブロックの移動先にフックブロックの吊下位置を追従させることで、玉掛け作業者がフックブロックを所望の位置に動かすことによって、フックブロックの吊下位置を所望の位置に移動させることができる。
スイッチを押している間のみ、モーションセンサがフックブロックの動作を検出するように構成されることで、玉掛け者の所望のタイミングでフックブロックの動作にフックブロックの吊下位置を追従させることができる。また、風等の外力によるモーションセンサの作動を防止することができ、意図しない誤作動を防ぐことができる
以下に、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係るクレーン1の全体構成について説明する。クレーン1は、車両2、クレーン装置6を有する。
図1に示すように、車両2は、クレーン装置6を搬送するものである。車両2は、複数の車輪3を有し、エンジン(図示しない)を動力源として走行する。車両2には、アウトリガ5が設けられている。アウトリガ5は、車両2の幅方向両側に油圧によって延伸可能な張り出しビームと地面に垂直な方向に延伸可能な油圧式のジャッキシリンダとから構成されている。車両2は、アウトリガ5を車両2の幅方向に延伸させるとともにジャッキシリンダを接地させることにより、クレーン1の作業可能範囲を広げることができる。
クレーン装置6は、搬送物Wをフックにかけてワイヤロープによって吊り上げるものである。クレーン装置6は、旋回台7、伸縮ブーム8、ジブ9、メインフックブロック10、サブフックブロック11、メインウインチ13、メインワイヤロープ14、サブウインチ15、サブワイヤロープ16、通信部17a・17b(図2参照)、キャビン18、制御装置39(図2参照)等を具備する。
旋回台7は、クレーン装置6を旋回可能に構成するものである。旋回台7は、円環状の軸受を介して車両2のフレーム上に設けられる。円環状の軸受は、その回転中心が車両2の設置面に対して垂直になるように配置されている。旋回台7は、円環状の軸受の中心を回転中心として一方向と他方向とに回転自在に構成されている。また、旋回台7は、油圧式の旋回モータ7a(図2参照)によって回転されるように構成されている。旋回モータ7aは、旋回台7とともに伸縮ブーム8を旋回駆動する旋回駆動手段の一例として設けられる。
伸縮ブーム8は、搬送物Wを吊り上げ可能な状態にワイヤロープを支持するものである。伸縮ブーム8は、複数のブーム部材から構成されている。各ブーム部材は、断面積の大きさの順に入れ子式に挿入されている。伸縮ブーム8には、伸縮シリンダ8a(図2参照)が設けられ、作動油が供給されることで、伸縮ブーム8を軸方向に伸縮自在に構成する。伸縮ブーム8には、起伏シリンダ8bが設けられ、作動油が供給されることで、伸縮ブーム8を起立および倒伏させ、伸縮ブーム8の姿勢を保持している。伸縮シリンダ8aは、伸縮ブーム8を伸縮駆動する伸縮駆動手段の一例として設けられる。起伏シリンダ8bは、伸縮ブーム8を起伏駆動する起伏駆動手段の一例として設けられる。
ジブ9は、クレーン装置6の揚程や作業半径を拡大するものである。ジブ9の基端は、伸縮ブーム8の先端部に連結可能に構成されている。ジブ9は、伸縮ブーム8の先端から揚程や作業半径を拡大する方向に突出した姿勢で保持される。
メインフックブロック10は、搬送物Wを吊るものである。メインフックブロック10には、メインワイヤロープ14が巻き掛けられる複数のフックシーブと、搬送物Wを吊るメインフック10aとが設けられている。サブフックブロック11は、搬送物Wを吊るものである。サブフックブロック11には、搬送物Wを吊るサブフック11aが設けられている。
油圧ウインチであるメインウインチ13は、メインワイヤロープ14の繰り入れ(巻き上げ)および繰り出し(巻き下げ)を行うものである。メインウインチ13は、メインワイヤロープ14が巻きつけられるメインドラムがメイン用油圧モータ13a(図2参照)によって回転されるように構成されている。メインウインチ13は、メイン用油圧モータ13aが一方向へ回転するように作動油が供給されることでメインドラムに巻きつけられているメインワイヤロープ14を繰り出し、メイン用油圧モータ13aが他方向へ回転するように作動油が供給されることでメインワイヤロープ14をメインドラムに巻きつけて繰り入れるように構成されている。メイン用油圧モータ13aは、メインワイヤロープ14を出入駆動する出入駆動手段の一例として設けられる。
油圧ウインチであるサブウインチ15は、サブワイヤロープ16の繰り入れ(巻き上げ)および繰り出し(巻き下げ)を行うものである。サブウインチ15は、サブワイヤロープ16が巻きつけられるサブドラムがサブ用油圧モータ15a(図2参照)によって回転されるように構成されている。サブウインチ15は、サブ用油圧モータ15aが一方向へ回転するように作動油が供給されることでサブドラムに巻きつけられているサブワイヤロープ16を繰り出し、サブ用油圧モータ15aが他方向へ回転するように作動油が供給されることでサブワイヤロープ16をサブドラムに巻きつけて繰り入れるように構成されている。サブ用油圧モータ15aは、サブワイヤロープ16を出入駆動する出入駆動手段の一例として設けられる。
図2に示すように、通信部17a・17bは、所定のデータを無線で送受信する装置によって構成される。通信部17aは、制御装置39に有線によって接続される。通信部17bは、後述のボタン式の操作具又はモーションセンサ30a(図10参照)に有線によって接続される。通信部17bは、操作具の検出信号又はモーションセンサ30aの検出信号を通信部17aに対して無線で送信可能に構成される。通信部17aは、通信部17bによって送信された検出信号を制御装置39に入力する。
キャビン18は、操縦席を覆うものである。キャビン18は、旋回台7における伸縮ブーム8の側方に設けられている。キャビン18の内部には、操縦席が設けられている。操縦席には、メインウインチ13を操作するためのメイン用操作具、サブウインチ15を操作するためのサブ用操作具、伸縮ブーム8を操作するための起伏用操作具、クレーン1を移動させるためのハンドル等が設けられている。
図2に示すように、制御装置39は、クレーン1の操縦者の操作又は後述の入力を介して各種のアクチュエータを作動させるクレーン作業用のものである。制御装置39は、旋回モータ7aと接続され、旋回モータ7aを駆動させることでブーム旋回角を変更することができる。制御装置39は、伸縮シリンダ8aと接続され、伸縮シリンダ8aを駆動させることでブーム長さを変更することができる。制御装置39は、起伏シリンダ8bと接続され、起伏シリンダ8bを駆動させることでブーム起伏角を変更することができる。制御装置39は、メイン用油圧モータ13aと接続され、メイン用油圧モータ13aを駆動させることで、メインワイヤロープ14の繰り入れ又は繰り出しをすることができる。制御装置39は、サブ用油圧モータ15aと接続され、サブ用油圧モータ15aを駆動させることで、サブワイヤロープ16の繰り入れ又は繰り出しをすることができる。
このように構成されるクレーン1は、車両2を走行させることで任意の位置にクレーン装置6を移動させることができる。また、クレーン1は、起伏シリンダ8bで伸縮ブーム8を任意の起伏角度に起立させて、伸縮ブーム8を任意のブーム長さに延伸させたりジブ9を連結させたりすることでクレーン装置6の揚程や作業半径を拡大することができる。
図3から図11を用いて、入力部の各実施形態について説明する。クレーン1は、メインフックブロック10への操作を入力部として伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御してメインフックブロック10を適切な位置に移動させる。メインフックブロック10は、伸縮ブーム8の先端部にメインワイヤロープ14を介して吊り下げられている。
図3及び図4及び図5を用いて、入力部の第一実施形態について説明する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、入力部20は、ボタン式の操作具によって構成され、メインフックブロック10に設けられる。入力部20は、互いに直交する三軸方向にメインフックブロック10を移動可能としている。入力部20は、メインフックブロック10の表面、具体的には、複数のメインフックシーブの回転軸を支持する側板のうち、何れか一方の外表面に設けられる。本実施形態では、互いに直交する三軸方向とは、一軸方向が鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向に沿い、かつ他の一軸方向が重力の作用方向に沿うように定められる。つまり、入力部20を構成するボタン式の操作具は、重力の作用方向である鉛直上下方向及び鉛直上下方向と直交し、かつ、伸縮ブーム8を鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向(操縦者から見て前後方向)及び鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向と直交する方向(操縦者から見て左右方向)にメインフックブロック10を移動可能とする。
図3(a)及び図3(b)に示すように、入力部20は、ボタン式の操作具によって構成され、メインフックブロック10に設けられる。入力部20は、互いに直交する三軸方向にメインフックブロック10を移動可能としている。入力部20は、メインフックブロック10の表面、具体的には、複数のメインフックシーブの回転軸を支持する側板のうち、何れか一方の外表面に設けられる。本実施形態では、互いに直交する三軸方向とは、一軸方向が鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向に沿い、かつ他の一軸方向が重力の作用方向に沿うように定められる。つまり、入力部20を構成するボタン式の操作具は、重力の作用方向である鉛直上下方向及び鉛直上下方向と直交し、かつ、伸縮ブーム8を鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向(操縦者から見て前後方向)及び鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向と直交する方向(操縦者から見て左右方向)にメインフックブロック10を移動可能とする。
入力部20を構成するボタン式の操作具は、鉛直上下方向及び前後方向及び左右方向の三軸方向にメインフックブロック10をそれぞれ移動可能なスイッチ20a・20b・20c・20d・20e・20fを備える。スイッチ20aはメインフックブロック10の上移動を可能とし、スイッチ20bは、メインフックブロック10の下移動を可能とし、スイッチ20cはメインフックブロック10の左移動を可能とし、スイッチ20dはメインフックブロック10の右移動を可能とし、スイッチ20eはメインフックブロック10の前移動を可能とし、スイッチ20fはメインフックブロック10の後移動を可能とする。各スイッチ20a・20b・20c・20d・20e・20fを押している間、伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びワイヤロープの出入駆動手段のうち少なくとも一つが駆動されるように構成される。入力部20の検出信号は、通信部17b・17aを介して制御装置39に入力される(図2参照)。
制御装置39は、入力部20の検出信号に基づいて、伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御することで、メインフックブロック10を互いに直交する三軸方向に移動させる。
図4(a)に示すように、制御装置39は、メインフックブロック10の上移動を可能とするスイッチ20aが押されると、メインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、メインワイヤロープ14を繰り上げる。同様に、制御装置39は、メインフックブロック10の下移動を可能とするスイッチ20bが押されると、メインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、メインワイヤロープ14を繰り下げる。
図4(b)に示すように、制御装置39は、メインフックブロック10の左移動を可能とするスイッチ20cが押されると、旋回駆動手段及び伸縮駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の左旋回を行うとともに伸長させた上でメインワイヤロープ14を繰り下げる、又は旋回駆動手段及び起伏駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の左旋回を行うとともに倒伏させた上でメインワイヤロープ14を繰り上げる。同様に、制御装置39は、メインフックブロック10の右移動を可能とするスイッチ20dが押されると、旋回駆動手段及び伸縮駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の右旋回を行うとともに伸長させた上でメインワイヤロープ14を繰り下げる、又は旋回駆動手段及び起伏駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の右旋回を行うとともに倒伏させた上でメインワイヤロープ14を繰り上げる。
図4(c)に示すように、制御装置39は、メインフックブロック10の前移動を可能とするスイッチ20eが押されると、起伏駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の倒伏を行うとともにメインワイヤロープ14を繰り上げる、又は伸縮駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の伸長を行うとともにメインワイヤロープ14を繰り下げる。同様に、制御装置39は、メインフックブロック10の後移動を可能とするスイッチ20fが押されると、起伏駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の起立を行うとともにメインワイヤロープ14を繰り下げる、又は伸縮駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段を駆動制御して、伸縮ブーム8の収縮を行うとともに、メインワイヤロープ14を繰り上げる。
以上のように、メインフックブロック10への操作を入力部として(メインフックブロック10に設けられる入力部20を介して)、伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御することで、メインフックブロック10を適切な位置に移動させることができる。そのため、操縦者と玉掛け作業者との間での意思疎通を図ることなく、メインフック10aを所望の位置(例えば、搬送物Wの玉掛け作業位置)に移動することができる。
また、無線型のリモコンを操作することで各種の駆動手段を駆動制御してメインフックブロック10を所望の位置に移動させることができる構成のクレーンは、一方の手が無線型のリモコンの操作で塞がってしまう。これに対して、本実施形態のクレーン1は、一方の手でメインフックブロック10の移動操作を行いながらメインフックブロック10を支持することができる。そのため、他方の手で玉掛けワイヤロープをメインフック10aに係止させることで、玉掛け作業者一人でメインフックブロック10の位置を微調整しながら玉掛け作業を行うことができる。
以上のように、一連の玉掛け作業の中で、メインフックブロック10を触る(操作する)ことで、メインフックブロック10の位置を適宜変更しながら作業を行うことができ、玉掛け作業の効率化を図ることができる。また、搬送物Wの重心を確認するための試し吊りを行う際にも、メインフック10aを玉掛け作業者が移動させることができるため、玉掛け作業の効率化を図ることができる。
また、入力部20が、互いに直交する三軸方向にメインフックブロック10を移動可能とした操作具によって構成されることで、玉掛け作業者は、三軸方向を基準としてメインフックブロック10を動かすことができるため、入力部20の操作が簡易となる。さらに、互いに直交する三軸方向が、一軸方向が鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向に沿い、かつ他の一軸方向が重力の作用方向に沿うように定められることで、クレーン1の操縦者から見た視点を基準として三軸方向を設定できる。そのため、玉掛け作業者は、入力部20の操作をする際に、三軸方向を容易に把握することができる。以上の構成において、互いに直交する三軸方向として、一軸方向が鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向を前後方向として設定したが、これに限定されない。
図5を用いて、メインフックブロック10の移動制御における作業半径Rの変更時の駆動制御について説明する。ここでの作業半径Rとは、旋回台7の旋回中心からメインフックブロック10の中心を通る鉛直線までの水平距離を指す。
制御装置39は、作業半径Rが変更される信号を検出した場合、本実施形態では、メインフックブロック10の左右方向又は前後方向への移動の信号を検出した場合、少なくとも伸縮駆動手段を用いてメインフックブロック10を目標移動先(目標作業半径)に移動させた場合(図5(a)参照)の定格総荷重W1と、少なくとも起伏駆動手段を用いてメインフックブロック10を目標移動先(目標作業半径)に移動させた場合(図5(b)参照)の定格総荷重W2と、に基づいて伸縮駆動手段又は起伏駆動手段のうち、どちらを用いて移動制御を行うかを判断している。目標移動先とは、メインフックブロック10が現在位置(作業半径R)から移動方向に所定の距離(ΔR)だけ移動した位置を指す。
図5(c)に示すように、目標作業半径がaである場合、伸縮ブーム8の起伏角を変更することなく、伸縮ブーム8のブーム長さを変更することでメインフックブロックを移動させた場合(図5(a)参照)の定格総荷重W1はβとなり、伸縮ブーム8のブーム長さを変更することなく、伸縮ブーム8の起伏角を変更することで目標作業半径aとなるようにメインフックブロック10を移動させた場合(図5(b)参照)の定格総荷重W2はαとなり、定格総荷重W1・W2は異なっている。
以上の構成において、制御装置39は、作業半径Rが変更される信号を検出した場合、定格総荷重W1と、定格総荷重W2と、を算出する。そして、制御装置39は、算出される定格総荷重W1・W2のうち、大きい一方の駆動手段を駆動制御して作業半径Rを変更してメインフックブロック10を移動方向に移動させる。
以上のように、算出される定格総荷重W1・W2のうち、大きい一方の駆動手段を用いることで、負荷率が小さくなる駆動手段を用いて目標移動先にメインフックブロック10を移動させることができる。そのため、より安全な作業姿勢でメインフックブロック10を所望の位置に移動させることができる。
また、制御装置39の移動制御は、入力部20を構成するボタン式の操作具が押されること(メインフックブロック10への操作が開始されること)で、開始される。メインフックブロック10への操作が開始されると、キャビン18内の操縦者による操作より、玉掛け作業者によるメインフックブロック10への操作が優先されるように構成されている。なお、メインフックブロック10への操作が行われる段階では、入力部20を構成するボタン式の操作具は、モバイルバッテリによって電力が供給されて電源が入っている状態であり、操作具の検出信号を通信部17a・17bを介して制御装置39に送信可能となっている。
図6及び図7及び図8を用いて、メインフックブロック10の移動制御について説明する。メインフックブロック10の移動制御において、ボタン式の操作具のスイッチが押されている間、制御装置39は、作業半径Rが所定の距離(ΔR)だけ変更される毎に、伸縮駆動手段又は起伏駆動手段のいずれか一方を用いる判断を行っている。また、メインフックブロック10の移動制御において、予め設定される所定の速度でメインフックブロック10が移動するように各駆動手段は駆動制御される。
ステップS110において、移動制御が開始されると、制御装置39は、前後方向の信号を検出したか否かを判定する。前後方向の信号を検出した場合、ステップS120に移行させる。前後方向の信号を検出していない場合、ステップS210に移行させる。
ステップS120において、制御装置39は、前後方向の移動制御Aが開始されると、ステップS130に移行させる。
ステップS130において、制御装置39は、伸縮駆動手段を用いて目標移動先にメインフックブロック10を移動させた場合の定格総荷重W1と、起伏駆動手段を用いて目標移動先にメインフックブロック10を移動させた場合の定格総荷重W2と、を算出してステップS140に移行させる。
ステップS140において、制御装置39は、定格総荷重W1が定格総荷重W2よりも大きいか否かを判定する。定格総荷重W1が定格総荷重W2よりも大きい場合、ステップS150に移行させる。定格総荷重W1が定格総荷重W2よりも大きくない場合、ステップS160に移行させる。
ステップS150において、制御装置39は、検出された信号に基づいて、伸縮駆動手段及び出入駆動手段を駆動制御して前後方向にメインフックブロック10を移動させて前後方向の移動制御Aは終了となり、ステップS170に移行させる。
ステップS160において、制御装置39は、検出された信号に基づいて、起伏駆動手段及び出入駆動手段を駆動制御して前後方向にメインフックブロック10を移動させて前後方向の移動制御Aは終了となり、ステップS170に移行させる。
ステップS170において、制御装置39は、入力部の信号が非検出であるか否かを判定する。入力部の信号が非検出である場合、メインフックブロック10の移動制御は終了となる。入力部の信号が非検出でない場合、ステップS110に移行させる。
ステップS210において、制御装置39は、左右方向の信号を検出したか否かを判定する。左右方向の信号を検出した場合、ステップS220に移行させる。左右方向の信号を検出していない場合、ステップS310に移行させる。
ステップS220において、制御装置39は、左右方向の移動制御Bが開始されると、ステップS230に移行させる。
ステップS230において、制御装置31は、伸縮駆動手段を用いて目標移動先にメインフックブロック10を移動させた場合の定格総荷重W1と、起伏駆動手段を用いて目標移動先にメインフックブロック10を移動させた場合の定格総荷重W2と、を算出してステップS240に移行させる。
ステップS240において、制御装置39は、定格総荷重W1が定格総荷重W2よりも大きいか否かを判定する。定格総荷重W1が定格総荷重W2よりも大きい場合、ステップS250に移行させる。定格総荷重W1が定格総荷重W2よりも大きくない場合、ステップS260に移行させる。
ステップS250において、制御装置39は、検出された信号に基づいて、旋回駆動手段及び伸縮駆動手段及び出入駆動手段を駆動制御して左右方向にメインフックブロック10を移動させて左右方向の移動制御Bは終了となり、ステップS170に移行させる。
ステップS260において、制御装置39は、検出された信号に基づいて、旋回駆動手段及び起伏駆動手段及び出入駆動手段を駆動制御して左右方向にメインフックブロック10を移動させて左右方向の移動制御Bは終了となり、ステップS170に移行させる。
ステップS310において、制御装置39は、出入駆動手段を駆動制御してメインワイヤロープ14を繰り上げ、又は、繰り下げを行ってメインフックブロック10を上下方向に移動させて、ステップS170に移行させる。
図9に示すように、互いに直交する三軸方向は、重力の作用方向を鉛直上下方向とし、鉛直下方に投影した伸縮ブーム8の長手方向を左右方向とし、投影した伸縮ブーム8の長手方向と直交する方向を前後方向として設定される。この際、左右方向は、操作具が設けられるメインフックブロック10の表面と相対する方向からみて左方向及び右方向が設定される。同様に、前後方向は、入力部20が設けられるメインフックブロック10の表面と相対する方向からみて前方向及び後方向が設定される。以上のように、三軸方向を入力部20が設けられるメインフックブロック10の表面と相対する方向を基準として設定することで、入力部20を操作する玉掛け作業者からみた視点を基準とした操作が可能となる。ゆえに、容易に三軸方向を認識することができ、所望の位置にメインフック10aを移動させることができる。
入力部20は、スイッチ20a・20b・20c・20d・20e・20fから構成されているがこれに限定されない。入力部20は、操作レバーであってもよいし、液晶パネルで構成してもよい。
また、入力部20は、互いに直交する三軸方向にメインフックブロック10を移動させるものとして設けられているがこれに限定されない。入力部20は、例えば、伸縮ブーム8の起伏操作及び伸縮操作及び旋回台7の旋回操作及びワイヤロープの出入操作をそれぞれ行うように構成してもよい。この場合、操作具として各操作に対応するスイッチを配置してもよいし、各操作に対するレバーを配置してもよい。
図10及び図11を用いて、入力部の第二実施形態について説明する。
図10及び図11(a)に示すように、入力部30は、メインフックブロック10の動作を検出するモーションセンサ30aによって構成される。モーションセンサ30aは、少なくとも加速度センサと、ジャイロセンサと、地磁気センサと、を備え、メインフックブロック10の移動方向及び移動距離を検出可能に構成される。モーションセンサ30aは、メインフックブロック10に設けられる。モーションセンサ30aには、作動スイッチ30bが接続される。作動スイッチ30bは、モーションセンサ30aを作動するものであり、作動スイッチ30bを押している間のみ、モーションセンサ30aがメインフックブロック10の動作を検出し、検出信号を通信部17a・17bを介して制御装置39に入力する。
図10及び図11(a)に示すように、入力部30は、メインフックブロック10の動作を検出するモーションセンサ30aによって構成される。モーションセンサ30aは、少なくとも加速度センサと、ジャイロセンサと、地磁気センサと、を備え、メインフックブロック10の移動方向及び移動距離を検出可能に構成される。モーションセンサ30aは、メインフックブロック10に設けられる。モーションセンサ30aには、作動スイッチ30bが接続される。作動スイッチ30bは、モーションセンサ30aを作動するものであり、作動スイッチ30bを押している間のみ、モーションセンサ30aがメインフックブロック10の動作を検出し、検出信号を通信部17a・17bを介して制御装置39に入力する。
制御装置39は、モーションセンサ30aの検出信号に基づいて、メインフックブロック10の動きにメインフックブロック10の吊下位置を追従するように伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御する。ここでの、メインフックブロック10の吊下位置とは、玉掛け作業者によるメインフックブロック10への操作(外力)の影響を加味しない伸縮ブーム8の先端部からメインワイヤロープ14を介して下方に吊り下げられるメインフックブロック10の位置を指す。
図11(b)を用いて、モーションセンサ30aを用いたメインフックブロック10の所望の位置への移動制御について説明する。
メインフックブロック10の所望の位置への移動制御は、玉掛け作業者が作動スイッチ30bを押す、又はクレーン1の操縦者がキャビン18内において所定の操作を行う(玉掛け開始スイッチ(図示しない)を押す)と開始される。玉掛け作業者が作動スイッチ30bを押しながら、メインフックブロック10を所望の位置に動かす(操作する)と、モーションセンサ30aがメインフックブロック10の動作(移動方向及び移動距離)を制御装置39に入力する。制御装置39は、メインフックブロック10の移動方向及び移動量に基づいて、伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御してメインフックブロック10の吊下位置を所望の位置に配置する。玉掛け作業者が作動スイッチ30bの押すことを止める、又は、玉掛け完了信号を送信するスイッチ(図示しない)を玉掛け作業者が押して玉掛け作業完了信号を送信すると、移動制御は終了となる。メインフックブロック10の移動制御が行われている間は、玉掛け作業者による操作はクレーン1の操縦者による操作に対して優先して行われるように構成される。
メインフックブロック10の所望の位置への移動制御は、玉掛け作業者が作動スイッチ30bを押す、又はクレーン1の操縦者がキャビン18内において所定の操作を行う(玉掛け開始スイッチ(図示しない)を押す)と開始される。玉掛け作業者が作動スイッチ30bを押しながら、メインフックブロック10を所望の位置に動かす(操作する)と、モーションセンサ30aがメインフックブロック10の動作(移動方向及び移動距離)を制御装置39に入力する。制御装置39は、メインフックブロック10の移動方向及び移動量に基づいて、伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御してメインフックブロック10の吊下位置を所望の位置に配置する。玉掛け作業者が作動スイッチ30bの押すことを止める、又は、玉掛け完了信号を送信するスイッチ(図示しない)を玉掛け作業者が押して玉掛け作業完了信号を送信すると、移動制御は終了となる。メインフックブロック10の移動制御が行われている間は、玉掛け作業者による操作はクレーン1の操縦者による操作に対して優先して行われるように構成される。
以上のように、モーションセンサ30aによってメインフックブロック10の動作を検出して、メインフックブロック10の移動先にメインフックブロック10の吊下位置が追従するように伸縮ブーム8の起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及びメインワイヤロープ14の出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御することで、玉掛け作業者がメインフック10aを所望の位置に動かす(操作する)ことによって、メインフックブロック10の吊下位置を所望の位置に移動させることができる。
以上の構成において、一方の手でメインフックブロック10の移動操作を行いながらメインフックブロック10を支持することができる。そのため、他方の手で玉掛けワイヤロープをメインフック10aに係止させることで、玉掛け作業者一人でメインフックブロック10の吊下位置を微調整しながら玉掛け作業を行うことができる。
また、作動スイッチ30bを押している間のみ、モーションセンサ30aがメインフックブロック10の動作を検出し、検出信号を通信部17a・17bを介して制御装置39に入力するように構成されることで、玉掛け者の所望のタイミングでメインフックブロック10の動作にメインフックブロック10の吊下位置を追従させることができる。また、風等の外力によるモーションセンサ30aの作動を防止することができ、意図しない誤作動を防ぐことができる。
以上の構成において、モーションセンサ30aを作動させる手段として作動スイッチ30bを設けているが、これに限定されない。例えば、触覚センサ等を用いて玉掛け作業者がメインフックブロック10に接触したときにのみモーションセンサ30aを作動させてもよい。また、メインフックブロック10の動きを検出するのにモーションセンサ30aを用いているが、これに限定されない。例えば、メインワイヤロープ14に歪ゲージを設け、メインワイヤロープ14に加わる引張力又は圧縮力に基づいてメインフックブロック10の動きを検出するように構成してもよい。
1:クレーン、7:旋回台、7a:旋回モータ、8:伸縮ブーム、8a:伸縮シリンダ、8b:起伏シリンダ、10:メインフックブロック、10a:メインフック、11:サブフックブロック、11a:サブフック、13a:メイン用油圧モータ、14:メインワイヤロープ、15a:サブ用油圧モータ、16:サブワイヤロープ、17a・17b:通信部、20:入力部、20a・20b・20c・20d・20e・20f:スイッチ、30:入力部、30a:モーションセンサ、30b:作動スイッチ
Claims (5)
- ブームの先端部にワイヤロープを介して吊り下げられるフックブロックと、前記ブームを起伏駆動する起伏駆動手段と、前記ブームを伸縮駆動する伸縮駆動手段と、前記ブームを旋回駆動する旋回駆動手段と、前記ワイヤロープを出入駆動する出入駆動手段と、を備えたクレーンであって、
前記フックブロックへの操作を入力部として前記起伏駆動手段及び伸縮駆動手段及び旋回駆動手段及び前記出入駆動手段のうち少なくとも一つを駆動制御するクレーン。 - 前記入力部は、互いに直交する三軸方向に前記フックブロックを移動可能とした操作具で構成される請求項1に記載のクレーン。
- 前記三軸方向は、一軸方向が鉛直下方に投影した前記ブームの長手方向に沿い、かつ他の一軸方向が重力の作用方向に沿うように定められる請求項2に記載のクレーン。
- 前記入力部は、前記フックブロックの動作を検出するモーションセンサで構成され、前記フックブロックの動作に前記フックブロックの吊下位置を追従させる請求項1に記載のクレーン。
- 前記入力部は、前記モーションセンサを作動するスイッチを前記フックブロックに備え、
前記スイッチを押している間のみ、前記モーションセンサを作動させる請求項4に記載のクレーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016247236A JP2018100172A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | クレーン |
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JP2018100172A true JP2018100172A (ja) | 2018-06-28 |
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ID=62714066
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JP2016247236A Pending JP2018100172A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | クレーン |
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2016
- 2016-12-20 JP JP2016247236A patent/JP2018100172A/ja active Pending
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