JP2018099957A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Yuta Uchida
裕太 内田
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Abstract

【課題】スノー性能及びドライ性能を少なくとも維持しつつ、排水性を含むウェット性能を向上させる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッドパターンは、タイヤ周方向に延びるセンター主溝と、前記センター主溝から離れた位置からタイヤ周方向に対してタイヤ幅方向の第1の側及び第2の側に向いて延びる前記第1の側及び前記第2の側にある第1、2傾斜ラグ溝と、前記第1、2傾斜ラグ溝それぞれの途中から分岐し、前記第1、2傾斜ラグ溝と同じ傾斜方向に傾斜して前記センターラグ溝に接続した内側分岐ラグ溝と、前記第1、2傾斜ラグ溝の端から屈曲して延びる屈曲ラグ溝と、前記屈曲ラグ溝の途中から、前記第1、2傾斜ラグ溝と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、前記センター主溝に接続したセンター側ラグ溝と、を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、トレッドパターンを備える空気入りタイヤに関する。
オールシーズン用空気入りタイヤ(以降、オールシーズンタイヤという)は、非積雪期に用いる通常のいわゆる「サマータイヤ」と、冬タイヤと呼ばれるスノータイヤとの中間のタイヤとして位置づけられ、北アメリカやヨーロッパで広く用いられている。このオールシーズンタイヤは、雪上路面における操縦性能・制駆動性能(スノー性能)と乾燥路面及びウェット路面での操縦性能(ドライ/ウェット性能)が優れていることが求められている。しかし、スノー性能の向上のために溝やサイプを設けて溝面積を増大させると、トレッドパターンに設けられたブロック要素のブロック剛性が低下してドライ/ウェット性能が低下するという問題があった。
一方、ウェットと氷上雪上路面での制動・駆動の性能とを同時に高度に優れたレベルで両立させることができる空気入りタイヤが知られている(特許文献1)。
この空気入りタイヤのトレッド部の踏面部は、1本以上の中央周方向主溝と、両側端領域から矢筈状に延びる傾斜主溝と、両側端領域近傍の傾斜主溝から分岐する傾斜副溝と、が区画形成する方向性ブロックの配列を有する回転方向指定のタイヤである。傾斜主溝は両側端領域から内側の主溝部分がタイヤ赤道面に対し30〜65度の傾斜角度と傾斜副溝より広い溝幅とを有する。傾斜主溝は、タイヤ回転方向前方の主溝部分の一方の溝縁に2箇所以上の溝縁段差部を有し、傾斜主溝の溝幅を溝縁段差部にて拡幅させている。
特開2001−322406号公報
上記空気入りタイヤは、ウェットと氷上雪上路面での制動・駆動の性能を向上させる冬用空気入りラジアルタイヤであり、オールシーズンタイヤと異なるため、目標とする性能が異なる。このため、この空気入りタイヤのトレッドパターンをオールシーズンタイヤに適用した場合、必ずしも十分な排水性を含むウェット性能が得られない。排水性を向上させるために溝を増やすと、エッジ成分が増えるためスノー性能は向上するが、乾燥路面における操縦性能であるドライ性能が低下する。
そこで、本発明は、スノー性能及びドライ性能を少なくとも維持しつつ、排水性を含むウェット性能を向上させることができるトレッドパターンを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、トレッドパターンを備える空気入りタイヤであって、以下の各形態を含む。
すなわち、空気入りタイヤは、
タイヤ赤道線上に設けられ、タイヤ周方向に延びるセンター主溝と、
前記センター主溝を境としてタイヤ幅方向の第1の側に設けられ、前記センター主溝から離間した位置から延び、前記トレッド部の接地領域のいずれの位置においても、タイヤ幅方向の前記第1の側の外側の方向に、かつ、タイヤ周方向のうち第1の方向に向くようにタイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜した傾斜方向に延びる第1傾斜ラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられた第1傾斜ラグ溝群と、
記センター主溝を境としてタイヤ幅方向の第2の側に設けられ、前記センター主溝から離間した位置から延び、前記トレッド部の接地領域のいずれの位置においても、タイヤ幅方向の前記第2の側の外側の方向に、かつ、タイヤ周方向のうち第1の方向に向くようにタイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜した傾斜方向に延びる第2傾斜ラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられた第2傾斜ラグ溝群と、
前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれの途中から分岐し、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、前記センター主溝に接続した内側分岐ラグ溝が、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれに設けられた内側分岐ラグ溝群と、
記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれのタイヤ赤道線の側の端からタイヤ幅方向の外側に、かつ、前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延び、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれに対応して設けられた屈曲ラグ溝と、
前記屈曲ラグ溝の途中から、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、前記センター主溝に接続したセンター側ラグ溝と、を有する。
前記内側分岐ラグ溝と前記センター側ラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度の差は10度以下である、ことが好ましい。
前記屈曲ラグ溝と、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝との接続点のタイヤ幅方向の位置は、タイヤ赤道線と前記トレッドパターンのタイヤ接地幅の半分の長さの8〜23%の距離、タイヤ赤道線から離れている、ことが好ましい。
前記センター側ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、ことが好ましい。
前記内側分岐ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、ことが好ましい。
前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝それぞれに設けられる前記屈曲ラグ溝は、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝に対して前記第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝あるいは隣接第2傾斜ラグ溝と交差してさらに延びている、ことが好ましい。
前記屈曲ラグ溝が前記隣接第1傾斜ラグ溝あるいは前記隣接第2傾斜ラグ溝と交差する点から、前記第2の方向に延びる前記屈曲ラグ溝の部分の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝から前記隣接第1傾斜ラグ溝あるいは前記隣接第2傾斜ラグ溝を交差する点までの前記屈曲ラグ溝の部分の溝深さに比べて深い、ことが好ましい。
前記屈曲ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、ことが好ましい。
前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれからタイヤ幅方向の外側の方向に、かつ、前記第2の方向に延びる外側分岐ラグ溝が設けられ、
前記外側分岐ラグ溝は、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれに対して前記第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝あるいは隣接第2傾斜ラグ溝と交差してさらに延び、該隣接第1傾斜ラグ溝あるいは該隣接第2傾斜ラグ溝に対して前記第2の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝あるいは第2傾斜ラグ溝に接続している、ことが好ましい。
前記外側分岐ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、ことが好ましい。
前記第1傾斜ラグ溝それぞれに設けられた前記内側分岐ラグ溝の前記センター主溝との接続点A1のタイヤ周方向の位置は、前記第1傾斜ラグ溝それぞれに接続した前記屈曲ラグ溝から分岐した前記センター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点B1と、前記第1傾斜ラグ溝それぞれに対して前記第1の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝に接続した屈曲ラグ溝から分岐したセンター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点C1との間に位置し、
前記第2傾斜ラグ溝それぞれに設けられた前記内側分岐ラグ溝の前記センター主溝との接続点A2のタイヤ周方向の位置は、前記第2傾斜ラグ溝それぞれに接続した前記屈曲ラグ溝から分岐した前記センター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点B2と、前記第2傾斜ラグ溝それぞれに対して前記第1の方向に隣り合う第2傾斜ラグ溝に接続した屈曲ラグ溝から分岐したセンター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点C2との間に位置する、ことが好ましい。
前記接続点A1と前記接続点B1とのタイヤ周方向の距離は、前記接続点B1と前記接続点C1とのタイヤ周方向の距離の20〜55%であり、
前記接続点A2と前記接続点B2とのタイヤ周方向の距離は、前記接続点B2と前記接続点C2とのタイヤ周方向の距離の20〜55%である、ことが好ましい。
上述の空気入りタイヤによれば、スノー性能及びドライ性能を少なくとも維持しつつ、排水性を含むウェット性能を向上させることができる。
本実施形態のタイヤの一例のプロファイル断面図である。 本実施形態のタイヤのトレッドパターンの一例を説明する図である。 図2に示す第1傾斜ラグ溝及び第2傾斜ラグ溝の構成を模式的に示す模式図である。 従来のトレッドパターンの例を示す図である。 比較例1のトレッドパターンを示す図である。 比較例2のトレッドパターンを示す図である。
以下、本発明の空気入りタイヤについて添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
以下に説明する本実施形態の空気入りタイヤは、例えば、乗用車用オールシーズンタイヤに適用するが、小型トラック用オールシーズンタイヤあるいはバス・トラック用オールシーズンタイヤに適用することもできる。以下説明する本実施形態の空気入りタイヤは乗用車用オールシーズンタイヤである。
以下の説明において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、比較する位置に対して、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CLから離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、比較する位置に対して、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として空気入りタイヤが回転する方向である。タイヤ周方向は、互いに方向の異なる第1の方向と第2の方向を備える。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、比較する位置に対して、タイヤ径方向に沿って前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、比較する位置に対して、タイヤ径方向に沿って前記回転軸に近づく側をいう。
本明細書でいうタイヤ接地幅は、タイヤが規定リムに装着されて規定内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて規定荷重に対応する負荷を加えたときに平板上に形成されるタイヤ接地領域におけるタイヤ幅方向の両接地端間の、タイヤ幅方向に沿った最大直線距離をいう。規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
(タイヤ構造)
図1は、本実施形態のタイヤ10の一例のプロファイル断面図を示す。タイヤ10は、トレッドパターンを有するトレッド部10Tと、一対のビード部10Bと、トレッド部10Tの両側に設けられ、一対のビード部10Bとトレッド部10Tに接続される一対のサイド部10Sと、を備える。
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
カーカスプライ層12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ材は、ビードコア16の周りに巻きまわされてタイヤ径方向外側まで延びている。カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側に2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト層14が設けられている。ベルト層14は、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14aは上層のベルト材14bに比べてタイヤ幅方向の幅が広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト層14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられる。トレッドゴム部材18は、上部トレッドゴム18aと下部トレッドゴム18bの積層構造となっている。トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイド部10Sを形成している。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ層12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12の巻きまわした部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、タイヤ10は、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカス層12とビードフィラーゴム部材22との間にビード補強材を備えてもよい。さらに、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆う、有機繊維あるいはスチールコードをゴムで被覆した2層のベルトカバー層30を備えてもよい。本実施形態のタイヤ構造は上記の通りであるが、タイヤ構造は、特に限定されず、公知のタイヤ構造を適用することができる。なお、図1では、後述するトレッドパターンにおける溝の図示は省略されている。
(トレッドパターン)
図2は、タイヤ10のトレッド部10Tに設けられるトレッドパターンの一例を説明する図である。
図2において、紙面上下方向がタイヤ周方向に対応し、紙面左右方向がタイヤ幅方向に対応する。タイヤ周方向に関して、図2中、紙面上方向をタイヤ周方向の第1の方向、紙面下方向をタイヤ周方向の第2の方向という。図2に示すトレッドパターン40は、回転方向が指定されたトレッドパターンであって、回転方向は第2の方向である。第2の方向が回転方向であることは、タイヤ10のサイド部10Sに回転方向を記号化した矢印の情報により表示されている。タイヤ幅方向に関して、図2中、タイヤ赤道線CLに対するタイヤ幅方向両側のうち紙面左側を第1の側、紙面右側を第2の側という。
図2に示すトレッドパターン40は、センター主溝42、第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝46、内側分岐ラグ溝48、屈曲ラグ溝50、及びセンター側ラグ溝52、を主に有する。
センター主溝42は、タイヤ赤道線CL上に設けられ、タイヤ周方向に延びる。センター主溝42は、図2に示すようにタイヤ周方向に直線状に延びてもよいが、ジグザグ状に延びてもよい。直線状にタイヤ周方向に延びるセンター主溝42の場合、タイヤ赤道線CLは、センター主溝42の中心を通ることが好ましいが、タイヤ赤道線CLがセンター主溝42を通る限りにおいて、センター主溝42の溝幅の中心に対してオフセットしてもよい。センター主溝42の溝幅は、タイヤ接地幅の半分の長さの2〜10%の範囲の寸法を有する。
第1傾斜ラグ溝44は、センター主溝42を境としてタイヤ幅方向の第1の側に設けられ、センター主溝42から離間した位置からタイヤ幅方向の第1の側の外側の方向に向かって第1の側のパターンエンドまで延びている。第1傾斜ラグ溝44は、トレッド部のタイヤ接地領域のいずれの位置においても、タイヤ幅方向の第1の側の外側の方向に、かつ、タイヤ周方向のうち第1の方向に向くように、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜した傾斜方向に、タイヤ幅方向の内側から延びている。
複数の第1傾斜ラグ溝44が、タイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられて、第1傾斜ラグ溝群が形成されている。
第2傾斜ラグ溝46は、センター主溝42を境としてタイヤ幅方向の第2の側に設けられ、センター主溝42から離間した位置からタイヤ幅方向の第2の側の外側の方向に向かって第2の側のパターンエンドまで延びている。第2傾斜ラグ溝46は、トレッド部のタイヤ接地領域のいずれの位置においても、タイヤ幅方向の第2の側の外側の方向に、かつ、タイヤ周方向のうち第1の方向に向くようにタイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜した傾斜方向に、タイヤ幅方向の内側から延びている。
複数の第2傾斜ラグ溝46が、タイヤ周方向に間隔をあけて設けられて、第2傾斜ラグ溝群が形成されている。
第1の方向に延びる第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の、第1の方向に対する傾斜角度は、タイヤ接地領域において、10〜90度の範囲にあり、タイヤ幅方向の内側から外側に向かうに連れて徐々に傾斜角度が大きくなっていることが好ましい。
図3は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の構成を模式的に示す模式図である。図3では、理解が容易にできるように、溝は直線で表示している。
図3に示すように、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のそれぞれには、内側分岐ラグ溝48及び屈曲ラグ溝50が接続されている。
内側分岐ラグ溝48は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のそれぞれの途中から分岐し、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、センター主溝42に接続している。すなわち、内側分岐ラグ溝48は、タイヤ幅方向の内側に向かって進むにつれ、第2の方向に進むように傾斜している。
複数の内側分岐ラグ溝48が、タイヤ周方向に間隔をあけて、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のそれぞれに設けられた内側分岐ラグ溝群を形成している。
また、内側分岐ラグ溝48が第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46から分岐するタイヤ幅方向の位置は、タイヤ接地幅の半分の長さの15〜35%の距離、タイヤ赤道線CLから離れていることが好ましい。
屈曲ラグ溝50は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のそれぞれのタイヤ幅方向の内側の端(タイヤ赤道線CL側の端)から屈曲するように、タイヤ幅方向外側方向に、かつ、第2の方向に延びる溝である。屈曲ラグ溝50は、第1傾斜ラグ溝42及び第2傾斜ラグ溝44のそれぞれに対応して設けられている。
屈曲ラグ溝50は、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46に対して第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差してさらに延びている。隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差してさらに延びる屈曲ラグ溝50は、さらに、隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46に対して第2の方向に隣接する第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46に到達することなく、ブロック陸部の領域内で閉塞している。
センター側ラグ溝52は、屈曲ラグ溝50の途中から、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、センター主溝42に接続している。センター側ラグ溝52が、屈曲ラグ溝50から分岐する位置は、屈曲ラグ溝50が第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46と交差する位置までの溝に沿った長さの10〜40%であることが、センター領域の排水性を向上させてウェット性能を向上させる点から好ましい。センター側ラグ溝52のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46のタイヤ幅方向内側の端におけるタイヤ周方向に対する傾斜角度に比べて大きいことが好ましい。また、センター側ラグ溝52のタイヤ周方向に対する傾斜角度は、例えば55〜85度であることが好ましい。
センター側ラグ溝52と内側分岐ラグ溝48は、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46とセンター主溝42とを接続するラグ溝としてタイヤ周方向に交互に設けられていることが好ましい。
トレッドパターン40には、さらに、図2に示されるように、外側分岐ラグ溝54、及びブロック陸部の領域内で閉塞する切欠き溝56,58が設けられている。
外側分岐ラグ溝54は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46それぞれからタイヤ幅方向の外側の方向に、かつ、第2の方向に延びる溝である。外側分岐ラグ溝52の、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46における分岐位置は、内側分岐ラグ溝48の、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46における分岐位置と、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46を挟んで略対向する位置に設けられている。
外側分岐ラグ溝54は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46それぞれに対して第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差してさらに延び、隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46に対して第2の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46に接続している。すなわち、外側分岐ラグ溝54は、この外側分岐ラグ溝54からタイヤ周方向の第2の方向に見て2つ目の第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46と接続されている。したがって、1つの第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46には、1つの外側分岐ラグ溝52が分岐する分岐位置と、1つの外側分岐ラグ溝52が横切る横断位置があり、分岐位置は横断位置よりタイヤ幅方向内側にある。
外側分岐ラグ溝54が、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46から分岐して第2の方向に延びる分岐位置は、タイヤ幅方向に関して、タイヤ接地幅の半分の長さの15〜35%の距離、タイヤ赤道線CLから離れていることが好ましい。
切欠き溝56は、タイヤ周方向に隣接する2つの第1傾斜ラグ溝44の間、あるいはタイヤ周方向に隣接する2つの第2傾斜ラグ溝46の間であって、この第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46を接続する2つの外側分岐ラグ溝52の間の領域に、ブロック陸部の領域内で閉塞するように設けられている。
切欠き溝58は、上記領域のタイヤ幅方向の外側に、ブロック陸部の領域で閉塞するように設けられている。切欠き溝56,58は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の第2の方向の溝壁から延びている。
屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58のタイヤ幅方向に対して傾斜する傾斜方向は、タイヤ幅方向外側に進むにつれタイヤ周方向の第2の方向に進む方向である。この傾斜方向は、第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝46、内側分岐ラグ溝48、及びセンター側ラグ溝52の傾斜方向と異なる向きである。屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58の傾斜方向は、お互いに略平行であることが好ましい。略平行とは、2つの溝の中心線の間の成す傾斜角度が10度以下、好ましくは8度以下であることをいう。屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58の傾斜方向は、タイヤ幅方向に対して10〜60度傾いた方向であることが好ましい。
タイヤ周方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝44の間及びタイヤ周方向に隣り合う第2傾斜ラグ溝46の間に設けられるブロック陸部のそれぞれには、サイプ70,72が設けられている。サイプ70,72の一方の端は、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46に接続し、多方の端は、センター主溝42、隣接する第1傾斜ラグ溝44,46、あるいは、センター側ラグ溝52に接続されている。
第1の側にあるブロック陸部の領域に設けられるサイプ70の傾斜方向は、タイヤ幅方向内側に進むにつれ第1の方向に進む方向、すなわち、第1の側にある屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58の傾斜方向と同じである。サイプ70は、第1の側にある屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58と略平行に設けられていることが好ましい。略平行とは、サイプの中心線と溝の中心線の間の成す傾斜角度が10度以下、好ましくは8度以下であることをいう。サイプの傾斜方向とは、サイプの始端と終端を結んだ直線の傾斜方向をいう。
第2の側にあるブロック陸部の領域に設けられるサイプ72の傾斜角度は、タイヤ幅方向内側に進むにつれ第1の方向に進む方向、すなわち、第2の側にある屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58の傾斜方向と同じである。サイプ72は、第2の側にある屈曲ラグ溝50、外側分岐ラグ溝54、及び切欠き溝56,58と略平行に設けられていることが好ましい。略平行とは、サイプの中心線と溝の中心線の間の成す傾斜角度が10度以下、好ましくは8度以下であることをいう。
さらに、トレッドパターン40の、外側分岐ラグ溝52のタイヤ幅方向外側の領域には、パターンエンドと、タイヤ周方向に隣り合う2つの第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46と、外側分岐ラグ溝52で囲まれたブロック陸部が設けられている。このブロック陸部には、外側分岐ラグ溝52に開口するサイプ74,76が設けられている。サイプ74は、第1の側に設けられ、その傾斜方向は、タイヤ幅方向内側に進むにつれ第2の方向に進む方向、すなわち、第1傾斜ラグ溝44の傾斜方向と同じである。サイプ76は、第2の側に設けられ、その傾斜方向は、タイヤ幅方向内側に進むにつれ第2の方向に進む方向、すなわち、第2傾斜ラグ溝46の傾斜方向と同じである。
このように、本実施形態のトレッドパターン40では、センター側ラグ溝52と、内側分岐ラグ溝48は、タイヤ幅方向に対して、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46と同じ傾斜方向に傾斜しているので、すなわち、タイヤ幅方向内側に進むに連れてタイヤ周方向のうち第2の方向に進むように、タイヤ幅方向に対して傾斜しているので、排水性を効率よく排除することができる。したがって、本実施形態のタイヤ10は、スノー性能及びドライ性能を少なくとも維持しつつ、排水性を含むウェット性能を向上させることができる。
また、内側分岐ラグ溝48とセンター側ラグ溝52のタイヤ周方向に対する傾斜角度の差は10度以下であることが好ましく、より好ましくは8度以下、最も好ましくは0度、すなわち平行である。内側分岐ラグ溝48とセンター側ラグ溝52のタイヤ周方向に対する傾斜角度の差は、内側分岐ラグ溝48の溝幅の中心線とセンター側ラグ溝52の溝幅の中心線の、タイヤ周方向に対する傾斜角度の差をいう。このように、傾斜角度を調整することにより、内側分岐ラグ溝48の溝長さとセンター側ラグ溝52の溝長さを略同じにすることができ、センター主溝42に沿って設けられる、内側分岐ラグ溝48とセンター側ラグ溝52でタイヤ周方向に挟まれたブロック陸部60,62のブロック剛性を互いに近づけることができるので、ドライ性能を向上させることができる。
屈曲ラグ溝50と、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46との接続点のタイヤ幅方向の位置を、タイヤ赤道線CLとタイヤ接地幅の半分の長さの8〜23%の距離、好ましくは12〜19%の距離、タイヤ赤道線から離れるように設けることにより、すなわち、タイヤ赤道線CL近傍領域に上記接続点を設けることにより、雪上路面を走行中、トレッド部のセンター領域において、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46に進入する雪を固めて大きな雪柱せん断力を発生させるので、スノー性能を向上させることができる。タイヤのトラクションには、センター領域のトラクションの寄与が高いので、スノー性能の中のトラクションを特に向上させることができる。
センター側ラグ溝52の溝深さは、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の溝深さに比べて浅いことが好ましい。これにより、センター領域におけるブロック陸部60,62におけるブロック剛性を高くすることができ、この結果、ドライ性能、特に初期操舵応答性を向上させることができる。センター側ラグ溝52の溝深さは例えば3〜5mmであり、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の溝深さの溝深さは6〜9mmである。
また、内側分岐ラグ溝48の溝深さは、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の溝深さに比べて浅いことが好ましい。これにより、センター領域におけるブロック陸部60,62におけるブロック剛性を高くすることができ、この結果、ドライ性能、特に初期操舵応答性を向上させることができる。内側分岐ラグ溝48の溝深さは、例えば3〜5mmである。
屈曲ラグ溝50は、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46に対して第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差してさらに延びているので、排水性能を向上させることができる他、ブロック陸部が形成されてエッジ成分が増加するので、スノー性能を向上させることができる。
屈曲ラグ溝50の溝深さは、外側部分44b,46bの溝深さに比べて浅い、ことが好ましい。これにより、ブロック陸部のブロック剛性を調整することができ、ドライ性能を向上させることができる。
屈曲ラグ溝50が、第2の方向に隣接する隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差する点から、第2の方向に延びる屈曲ラグ溝50の部分(この部分を部分Aという)の溝深さは、第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46から隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46を交差する点までの屈曲ラグ溝50の部分(この部分を部分Bという)の溝深さに比べて深い、ことが好ましい。これにより、ブロック陸部のブロック剛性を調整することができ、ドライ性能を向上させることができる。部分Aの溝深さは、例えば4〜7mmであり、部分Bの溝深さは、例えば3〜6mmである。
外側分岐ラグ溝54は、上述したように、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のそれぞれに対して第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差してさらに延び、隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46に対して第2の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝44あるいは第2傾斜ラグ溝46に接続している。このため、排水性能を向上させることができる他、ブロック陸部が形成されてエッジ成分が増加するので、スノー性能を向上させることができる。
外側分岐ラグ溝54の溝深さは、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の溝深さに比べて浅い、ことが好ましい。これにより、ブロック陸部のブロック剛性を調整することができ、ドライ性能を向上させることができる。外側分岐ラグ溝54の溝深さは、例えば3〜7mmである。
第1傾斜ラグ溝44それぞれに設けられた内側分岐ラグ溝48のセンター主溝42との接続点A1(図3参照)のタイヤ周方向の位置は、第1傾斜ラグ溝44それぞれに接続した屈曲ラグ溝50から分岐したセンター側ラグ溝52とセンター主溝42との接続点B1(図3参照)と、第1傾斜ラグ溝44それぞれに対して第1の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝44に接続した屈曲ラグ溝50から分岐したセンター側ラグ溝52とセンター主溝42との接続点C1(図3参照)との間に位置し、さらに、第2傾斜ラグ溝46それぞれに設けられた内側分岐ラグ溝48のセンター主溝42との接続点A2(図3参照)のタイヤ周方向の位置は、第2傾斜ラグ溝46それぞれに接続した屈曲ラグ溝50から分岐したセンター側ラグ溝52とセンター主溝42との接続点B2(図3参照)と、第2傾斜ラグ溝46それぞれに対して第1の方向に隣り合う第2傾斜ラグ溝46に接続した屈曲ラグ溝50から分岐したセンター側ラグ溝52とセンター主溝42との接続点C2(図3参照)との間に位置する、ことが好ましい。これにより、ブロック陸部のブロック剛性を調整することができ、ドライ性能を向上させることができる。
このとき、接続点A1と接続点B1とのタイヤ周方向の距離は、接続点B1と接続点C1とのタイヤ周方向の距離の20〜55%であることが好ましく、25〜50%であることがより好ましい。また、接続点A2と接続点B2とのタイヤ周方向の距離は、接続点B2と接続点C2とのタイヤ周方向の距離の20〜55%である、ことが好ましく、25〜50%であることがより好ましい。
(実施例、従来例、比較例)
本実施形態の効果を確認するために、種々のトレッドパターンを有するタイヤを作製した。作製したタイヤの構造はいずれも、図1に示す構造を採用した。
作製したタイヤのタイヤサイズは、195/65R15 91Hである。作製したタイヤを15×6.0Jのリムに装着し(空気圧200kPa)、前輪駆動の1500ccの乗用車に装着した。
上記乗用車を、テストコースの乾燥路面及びウェット路面上を走行させ、ドライバによるドライ性能及びウェット性能の官能評価を行った。ウェット性能では、特に排水性能(ハイドロプレーニング性能)を特に注目して評価を行った。
また、乗用車を、テストコース中の雪上路面上を走行させ、トラクション性能とブレーキング性能の官能評価を行った。
いずれの評価結果も、従来例を100として指数化した。指数が高いほど、各性能が高いことを意味する。
従来例は、図4に示すトレッドパターンを用いた。従来例のトレッドパターンでは、図2に示すトレッドパターンに対して、内側分岐ラグ溝48及びセンター側ラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜方向が異なり、図4に示す内側分岐ラグ溝48及びセンター側ラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜方向は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のタイヤ幅方向に対する傾斜方向と異なる。
比較例1は、図5に示すトレッドパターンを用いた。比較例1のトレッドパターンでは、図2に示すトレッドパターンに対して、内側分岐ラグ溝48のタイヤ幅方向に対する傾斜方向が異なり、図5に示す内側分岐ラグ溝48のタイヤ幅方向に対する傾斜方向は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のタイヤ幅方向に対する傾斜方向と異なる。
比較例2は、図6に示すトレッドパターンを用いた。比較例2のトレッドパターンでは、図2に示すトレッドパターンに対して、センター側ラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜方向が異なり、図6に示すセンター側ラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜方向は、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のタイヤ幅方向に対する傾斜方向と異なる。
実施例1〜12のトレッドパターンは、いずれも図2に示すように、内側分岐ラグ溝48及びセンター側ラグ溝52のタイヤ幅方向に対する傾斜方向が、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46のタイヤ幅方向に対する傾斜方向と同じであるトレッドパターンを用い、センター側ラグ溝52の屈曲ラグ溝50から分岐する分岐位置、内側分岐ラグ溝48とセンター側ラグ溝52の傾斜角度差、あるいは溝の溝深さを種々変更した。
下記表1〜5には、各実施例、比較例、従来例の仕様とその評価結果を示す。表中、欄に示す符号“←“は、その欄の内容が、左欄の内容と同じであることを意味する。
表中、“内側分岐ラグ溝とセンター側ラグ溝の傾斜角度差”とは、内側分岐ラグ溝48とセンター側ラグ溝52の、第1の方向に対する傾斜角度の差を表す。
表中、“センター側ラグ溝の分岐位置”は、センター側ラグ溝52が、屈曲ラグ溝50から分岐するタイヤ幅方向の位置がタイヤ赤道線CLからタイヤ接地幅の半分の長さの何%離れた位置であるかを表す。
表中、溝深さにおける”=“の表示は、溝深さが等しいことを意味し、”<“は、溝深さの大小関係を示す。A<Bは、Aの溝深さがBよりも浅いことを表す。溝深さの調整については、溝深さに差を設ける場合、溝深さに2mmの差をつけ、溝体積の合計が略一定になるように全体の溝の溝深さを調整した。
表1〜4の“部分A”とは、屈曲ラグ溝50の一部分であって、第2の方向に隣接する隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差する点から、さらに第2の方向に延びる部分であり、“部分B”とは、屈曲ラグ溝50の一部分であって、屈曲ラグ溝50が第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝46と接続する位置から隣接第1傾斜ラグ溝44あるいは隣接第2傾斜ラグ溝46と交差する点までの部分である。
Figure 2018099957
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表1の実施例1、従来例、及び比較例1,2の比較より、内側分岐ラグ溝48の傾斜方向と、センター側ラグ溝52の傾斜方向が、第1傾斜ラグ溝44及び第2傾斜ラグ溝46の傾斜方向と同じであることにより、ウェット性能が向上することがわかる。
また、表1,2の実施例1,2,3の比較より、内側分岐ラグ溝48とセンター側ラグ溝52が10度以下であることにより、ドライ性能が向上することがわかる。
表1,2,3の実施例1,4〜7の比較より、屈曲ラグ溝50から分岐するセンター側ラグ溝52のタイヤ幅方向の分岐位置は、タイヤ赤道線CLからタイヤ接地幅の半分の長さの8〜23%の距離離れていることで、スノー性能が向上することがわかる。
表3,4の実施例8〜12の比較より、センター側ラグ溝52の溝深さ<第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝66の溝深さ、内側分岐ラグ溝48の溝深さ<第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝66の溝深さ、屈曲ラグ溝50の溝深さ<第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝66の溝深さ、外側分岐ラグ溝54の溝深さ<第1傾斜ラグ溝44、第2傾斜ラグ溝66の溝深さ、部分Bの溝深さ<部分Aの溝深さ、であることにより、ドライ性能が向上することがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明の空気入りタイヤは上記実施形態あるいは実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
12 カーカスプライ層
14 ベルト層
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
30 ベルトカバー層
40 トレッドパターン
42 センター主溝
44 第1傾斜ラグ溝
46 第2傾斜ラグ溝
48 内側分岐ラグ溝
50 屈曲ラグ溝
52 センター側ラグ溝
54 外側分岐ラグ溝
56,58 切欠き溝
60,62 ブロック陸部
70,72,74,76 サイプ

Claims (12)

  1. トレッド部にトレッドパターンが設けられた空気入りタイヤであって、
    タイヤ赤道線上に設けられ、タイヤ周方向に延びるセンター主溝と、
    前記センター主溝を境としてタイヤ幅方向の第1の側に設けられ、前記センター主溝から離間した位置から延び、前記トレッド部の接地領域のいずれの位置においても、タイヤ幅方向の前記第1の側の外側の方向に、かつ、タイヤ周方向のうち第1の方向に向くようにタイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜した傾斜方向に延びる第1傾斜ラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられた第1傾斜ラグ溝群と、
    記センター主溝を境としてタイヤ幅方向の第2の側に設けられ、前記センター主溝から離間した位置から延び、前記トレッド部の接地領域のいずれの位置においても、タイヤ幅方向の前記第2の側の外側の方向に、かつ、タイヤ周方向のうち第1の方向に向くようにタイヤ周方向及びタイヤ幅方向に対して傾斜した傾斜方向に延びる第2傾斜ラグ溝がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられた第2傾斜ラグ溝群と、
    前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれの途中から分岐し、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、前記センター主溝に接続した内側分岐ラグ溝が、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれに設けられた内側分岐ラグ溝群と、
    記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれのタイヤ赤道線の側の端からタイヤ幅方向の外側に、かつ、前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延び、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれに対応して設けられた屈曲ラグ溝と、
    前記屈曲ラグ溝の途中から、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝と同じ傾斜方向に傾斜してタイヤ幅方向の内側に延び、前記センター主溝に接続したセンター側ラグ溝と、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記内側分岐ラグ溝と前記センター側ラグ溝のタイヤ周方向に対する傾斜角度の差は10度以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記屈曲ラグ溝と、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝との接続点のタイヤ幅方向の位置は、タイヤ赤道線と前記トレッドパターンのタイヤ接地幅の半分の長さの8〜23%の距離、タイヤ赤道線から離れている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記センター側ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記内側分岐ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝それぞれに設けられる前記屈曲ラグ溝は、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝に対して前記第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝あるいは隣接第2傾斜ラグ溝と交差してさらに延びている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記屈曲ラグ溝が前記隣接第1傾斜ラグ溝あるいは前記隣接第2傾斜ラグ溝と交差する点から、前記第2の方向に延びる前記屈曲ラグ溝の部分の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝あるいは前記第2傾斜ラグ溝から前記隣接第1傾斜ラグ溝あるいは前記隣接第2傾斜ラグ溝を交差する点までの前記屈曲ラグ溝の部分の溝深さに比べて深い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記屈曲ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれからタイヤ幅方向の外側の方向に、かつ、前記第2の方向に延びる外側分岐ラグ溝が設けられ、
    前記外側分岐ラグ溝は、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝のそれぞれに対して前記第2の方向に隣り合う隣接第1傾斜ラグ溝あるいは隣接第2傾斜ラグ溝と交差してさらに延び、該隣接第1傾斜ラグ溝あるいは該隣接第2傾斜ラグ溝に対して前記第2の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝あるいは第2傾斜ラグ溝に接続している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記外側分岐ラグ溝の溝深さは、前記第1傾斜ラグ溝及び前記第2傾斜ラグ溝の溝深さに比べて浅い、請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記第1傾斜ラグ溝それぞれに設けられた前記内側分岐ラグ溝の前記センター主溝との接続点A1のタイヤ周方向の位置は、前記第1傾斜ラグ溝それぞれに接続した前記屈曲ラグ溝から分岐した前記センター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点B1と、前記第1傾斜ラグ溝それぞれに対して前記第1の方向に隣り合う第1傾斜ラグ溝に接続した屈曲ラグ溝から分岐したセンター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点C1との間に位置し、
    前記第2傾斜ラグ溝それぞれに設けられた前記内側分岐ラグ溝の前記センター主溝との接続点A2のタイヤ周方向の位置は、前記第2傾斜ラグ溝それぞれに接続した前記屈曲ラグ溝から分岐した前記センター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点B2と、前記第2傾斜ラグ溝それぞれに対して前記第1の方向に隣り合う第2傾斜ラグ溝に接続した屈曲ラグ溝から分岐したセンター側ラグ溝と前記センター主溝との接続点C2との間に位置する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記接続点A1と前記接続点B1とのタイヤ周方向の距離は、前記接続点B1と前記接続点C1とのタイヤ周方向の距離の20〜55%であり、
    前記接続点A2と前記接続点B2とのタイヤ周方向の距離は、前記接続点B2と前記接続点C2とのタイヤ周方向の距離の20〜55%である、請求項11に記載の空気入りタイヤ。
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