JP2018099700A - 形鋼状鋼材、フレーム構造物およびそれらの製造方法 - Google Patents

形鋼状鋼材、フレーム構造物およびそれらの製造方法 Download PDF

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赤松 哲弥
Tetsuya Akamatsu
哲弥 赤松
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Abstract

【課題】 鉄骨構造物に組み込む前に行う加工についての作業負担を軽減することができる形鋼状部材とその製造方法を提供する。併せて、形鋼でできたものと同様の構造物でありながら、容易に製造することができるフレーム構造物およびその製造方法を提供する。【解決手段】 1)スリット1を有する板材11と、そのスリット1に嵌り得る肉部2を有する他の板材21とを、事前の加工によって製作しておき、2)上記二種類の板材11・21を、上記スリット1と上記肉部2との結合によって組み合わせ、さらに当該結合部分を溶接することにより、形鋼状鋼材31とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、H形鋼、I形鋼、T形鋼、Z形鋼、C形鋼(溝形鋼)、L形鋼(山形鋼)等の形鋼と同様に、互いに直角をなす複数の板状(帯状)部分(いわゆるフランジやウェブと呼ばれる部分)を有する形鋼状鋼材、および形鋼製のものと同様のフレーム構造物、ならびにそれらの製造方法に関するものである。
形鋼は、建築物や機械類を含む各種の鉄骨構造物を構成するうえできわめて多用される鋼材である。たとえば、図4のように形鋼(図示の例はC形鋼)41が組み合わされてフレーム構造物45が構成される。形鋼は、フランジやウェブと呼ばれる複数の板状部分が互いに直角になるよう一体化されることによりH形、I形、T形、Z形、C形、L形等の横断面をなし、軸方向に長いものとなっている。
形鋼は、一般的には、複数のロールが組み合わされた圧延機(ユニバーサル圧延機等)により、継ぎ目のない一体の鋼材として製造される。
しかし、下記の特許文献1に示されているように、2枚以上の板材を断面H形に組み合わせたうえ溶接することによって、いわゆる溶接H形鋼(溶接形鋼、ビルド形鋼)にする例も知られている。
特開2011−16143号公報
形鋼については、鉄骨構造物の一部として組み込むために、事前に何らかの加工を施しておくことが少なくない。たとえば、階段や床の桁として形鋼を使用する場合に、手摺の支柱を取り付けるための穴を、組み付ける前の形鋼に設けておくことがある。
また、形鋼と形鋼とを真っ直ぐまたは角度を付けて接続しようとする場合、各形鋼の端部にボルト穴を複数形成したり、相手方の形鋼の形状に合わせた溶接用の切欠き(継手部分)を形鋼の端部に設けておいたりするなど、事前の加工を施すのが一般的である。
しかし、上記のように事前に形鋼を加工することは、実際には時間のかかる煩わしい作業である。すなわち、
・ 手摺の支柱の取付け穴や接続用のボルト穴等を形鋼に複数形成するためには、加工の際、形鋼の取扱いに関して手間がかかる。形鋼は、複数の板状部分を一体に含むうえ、通常かなりの長さを有していて相当な重量物であることから、穴あけのための加工機にまで運搬したり、加工の際にその位置や向きを変えたり、さらには加工後に所定の位置まで運搬したりすることが、能率的には行えない。立体的形状を有する形鋼は、保管するためにも大きなスペースを要するため、取扱いについて種々の負担がかかるといえる。
・ 溶接による接続のために、相手方の形鋼の立体的形状に合致するよう形鋼の端部に切欠き加工をすることも、容易には行えない。加工すべき三次元の形状や寸法を当該端部に定めること、およびその形状等のとおりに端部を切り欠くこと等が、技術的に簡単には行えないからである。また、そのような加工をするに関しても、重量物である形鋼を運搬したり、位置や向きを変えたり保管したりするうえで、上記と同様に手間がかかってしまう。
上記のような作業の煩わしさは、形鋼が、圧延機により一体の鋼材として製造されている以上、避けることのできないものである。上記の特許文献1に示されているように、2枚以上の板材を組み合わせて溶接する溶接形鋼として形鋼が製造されている場合にも、それは同じである。
請求項に係る発明は、以上のような課題を解決するためにしたものである。すなわち、鉄骨構造物に組み込む前に行う加工についての作業負担を軽減することができる形鋼状鋼材やその製造方法を提供するものである。また併せて、形鋼でできたものと同様の構造物でありながら、容易に製造することができるフレーム構造物およびその製造方法を提供する。
発明による形鋼状鋼材の製造方法は、直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材の製造方法であって、
1) スリット、穴(ほぞ穴を含む)または凹部(いずれも下記2)に示す組み合わせのためのもの)を有する板材と、それらのスリット、穴または凹部のいずれかに嵌り得る肉部(スリットの隙間に合う厚みを有する部分)または突出部(ほぞを含む。下記2)に示す組み合わせのためのもの)を有する他の板材とを、事前の加工によって製作しておき、
2) 上記二種類の板材を、上記スリット、穴または凹部と上記肉部または突出部との結合によって組み合わせ、さらに当該結合部分を溶接することによって形鋼状にする
ことを特徴とする。
この製造方法によれば、スリット、穴または凹部を有する板材と、その穴等にはまる肉部または突出部を有する他の板材とを組み合わせたうえ溶接をすることにより、一般の形鋼と同様に直角をなす複数の板状部分を含む鋼材を製造することができる。複数の板材を組み合わせたうえで溶接する点では従来の溶接形鋼の製法と同様であるが、発明の製法では、板材を組み合わせる目的で、一方の板材にスリット、穴または凹部を形成し、他方の板材には、そのスリットや穴等にはまる肉部がありまたは突出部を形成したものを使用する。穴等と突出部等とを結合させて上記板材を組み合わせるので、専用の特別な製造設備を使用しなくとも、板材同士の組み合わせの位置を正確に定めて正しい形状の形鋼状部材を製造することができる。
上記のような組み合わせ用のスリット、穴または凹部とともに肉部や突出部をそれぞれの板材に形成することは、板材を形鋼状に組み合わせる前に行っておく。三次元の形状になる前の平面的な板材に形成するのであるから、当該加工を容易に行うことができ、板材の運搬や位置決め、保管等を能率的かつ省スペースで行うことができる。
組み合わせのためのスリットや穴等に限らず、他の部材と接続しまたは他の部材を取り付けるための部分に関しても、三次元形状にされる前の板材に加工するなら、それらの加工にともなう運搬、位置決め、保管等をも容易に行えるようになる。
上記二種類の板材の加工は、鋼板(フラットバー等を含む)のレーザー加工によって行うのが望ましい。
組み合わせのため板材に設ける上記のスリットや穴、凹部または突出部は、鋼板をレーザー加工することにより、寸法や位置について高精度に形成することができる。それにより、形状の誤差が小さい望ましい形鋼状鋼材を製造することが可能である。
上記二種類の板材を加工する際、形鋼状鋼材として使用する長さに合わせて各板材の長さを定めるとともに、形鋼状鋼材として他の部材と接続しまたは他の部材を取り付ける箇所に、当該接続用もしくは取付け用の(したがって前記1)に示した組み合わせ用のものとは別の)スリット、穴(ほぞ穴を含む)、凹部または突出部(ほぞを含む)等を形成しておくのがよい。
すなわち、上記の各板材を、三次元に組み合わせる前の段階で、組み合わせた後の使用時の長さに合う適切な長さにカットし、または他の部材に対する接続用もしくは取付け用のスリット等を形成しておくのである。そのようにすると、各板材を組み合わせて形鋼状鋼材とした後には、カットしたりスリットや穴等を形成したりという加工の必要がなく、形鋼状鋼材をそのまま構造物に組み込むことができる。三次元形状にした後の形鋼状鋼材においては、適切な長さにカットすることも、他の鋼材との接続に適したスリットや穴等を形成することも容易ではないので、板材の状態で上記のように加工するメリットは大きいと言える。
なお、他の部材との接続等のためには、たとえば図1(a)の例のように、添え板(図示せず)を用いて継手とするためのボルト穴4や、図1(b)のように他の板の長穴にはまる突出部5等を設ける。他の部材の取付けのための例としては、形鋼状鋼材のフランジ部に概ね等間隔で立てる手摺用ポール(図示省略)の取付け穴(同)を設ける等するとよい。
発明によるフレーム構造物の製造方法は、直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材により構成されるフレーム構造物の製法であって、上記のいずれかの方法により製造された形鋼状鋼材を接続して製造することを特徴とする。形鋼状部材の当該接続には、上記のとおり、板材を加工する際に形成した接続用のスリット、穴、凹部または突出部を利用するととくに好ましい。
このような方法で製造されるフレーム構造物は、直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材にて構成されるため、形鋼でできたもの(図4を参照)と同様に機械的強度と剛性を有するものである。上記した製造方法により製造された形鋼状鋼材を用いて製造されることから、構造物として組み込む前の形鋼状鋼材に対して行う加工につき、作業負担を軽減することができる。
発明によるフレーム構造物の別の製造方法は、
i) 板を加工することにより、スリット、穴または凹部を有する第一種板材と、それらのスリット、穴または凹部のいずれかにはまり得る突出部を側縁に有する第二種板材とを製造し、
ii) 複数の上記第二種板材を、それぞれの幅方向(厚さ方向・長さ方向ではなく幅寸法の方向)が平行になるように枠状に接続するとともに、
iii) それら第二種板材の側縁にある上記突出部に上記第一種板材のスリット、穴または凹部を結合させることにより、第一種板材と第二種板材とを、双方の板材の幅方向(同上)が互いに直角になるように組み合わせ、
iv) さらに当該結合部分を溶接する
ことを特徴とする。
この製造方法は、できあがった形鋼状鋼材を接続するのではなく、最終的には形鋼状鋼材となるよう製造した2種類(第一種および第二種)の板材を、たとえば図3のように適切な順序で組み合わせることによって、形鋼でできたものと同様のフレーム構造物を製造するものである。形鋼またはできあがった形鋼状鋼材を用いるのではなく、軽量かつ平面的であってハンドリングや加工等の行いやすい板材を用いてフレーム構造物を製造するのであるから、材料同士の組み合わせや接続(ボルト・ナットまたは溶接による接続。接続用の端部の加工を含む)を簡単かつ能率的に行うことができる。形鋼や形鋼状鋼材を用いる場合に比べて、材料の保管に要するスペースが小さくてすむという利点もある。
この方法で製造されるフレーム構造物は、第一種板材と第二種板材とが、双方の板材の幅方向が互いに直角になるように組み合わされ溶接されてできるものなので、形鋼で構成されたものと同様に機械的強度と剛性を有するといえる。
上記の製造方法については、加工によって上記第二種板材を製造する際、上記のとおり複数の第二種板材を枠状に連結することを容易にする連結用のスリット、穴、凹部または突出部を形成しておくと、さらに好ましい。図3における符号9は、上記連結用のスリットの例である。
第二種板材にそのような連結用のスリット、穴、凹部または突出部を形成しておくと、上記製造方法において複数の第二種板材を上記ii)のとおり枠状に接続することが、きわめて容易になる。そうすると、上記iii)において第一種板材を組み合わせることも、上記iv)において結合部分を溶接することも、スムーズに実施できることとなる。
上記いずれかの方法により製造された形鋼状鋼材は、一般の形鋼と同様に直角をなす複数の板状部分を一体にした鋼材である。そのため、一般の形鋼と同様の機械的強度と剛性を有する、広い用途に使用することができる。他の部材と接続しまたは他の部材を取り付けるための加工は、形鋼状鋼材となった後で行うなら煩わしい作業を伴うが、上記のとおり製造された形鋼状鋼材においては、そのような加工の必要性が極力少ないものとすることが可能である。そしてその点から、鉄骨構造物に組み込むまでを含めた全体のコストを低減することができる。
また、上記いずれかの方法により製造されたフレーム構造物は、直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材にて構成されることから、形鋼でできたものと同様に高い機械的強度と剛性を有している。製造の過程で材料同士の組み合わせや接続を簡単かつ能率的に行えるほか、素材の保管について省スペース化が図れるという利点もある。
発明による形鋼状鋼材の製造方法によれば、専用の特別な製造設備を使用しなくとも、板材同士の組み合わせの位置を正確に定めて正しい形状の形鋼状部材を製造することができる。製造された形鋼状鋼材は、一般の形鋼と同様の機械的強度等を有し、広い用途に使用できるものである。他の部材と接続しまたは他の部材を取り付けるための部分を、三次元形状にされる前の板材に加工することとすれば、それらの加工にともなう運搬、位置決め、保管等をも容易に行えることとなる。
発明によるフレーム構造物の製造方法では、形鋼でできたものと同様に機械的強度等を有する構造物が製造できる。材料同士を接続等するための加工や保管に関する負担を大きく軽減することができる。
図1(a)・(b)のそれぞれは、発明による形鋼状鋼材31・32をその製造手順とともに示す斜視図である。 図2(a)・(b)のそれぞれは、発明による形鋼状鋼材33・34をその製造手順とともに示す斜視図である。 図3は、発明によるフレーム構造物35の製造過程を示す斜視図である。 図4は、形鋼41で製造された従来の一般的なフレーム構造物45を示す斜視図である。
図1(a)・(b)および図2(a)・(b)は、発明による形鋼状鋼材31〜34とそれぞれの製造方法を示す模式図である。いずれの例も、2種類の板材(鋼板またはフラットバー)を、双方の広幅面が直角になるよう組み合わせることによって形鋼(H形鋼)状に形成するものである。ただし、2種類の板材は、互いに組み合わせる前に、その組み合わせの位置や角度を定めるために役立つ加工を施しておく。
図1(a)の例は、スリット1を形成した2種類の板材11・21(前者が2枚、後者が1枚)を組み合わせるものである。スリット1は、板材11・21間の組み合わせの便宜のため、左図のとおり長手方向に延びたものとして、レーザー加工により板材11の中央1箇所および板材21の両側2箇所にそれぞれに形成している。スリット1の幅は相手側の板材21・11の厚さをやや上回るものとし、スリット1の長さは板材11・21の全長の概ね半分とする。スリット1の延長線上の位置にあたるスリット1のない部分は、各板材11・21の厚さがそのまま残る部分であってスリット1が嵌る肉部2となっている。
板材11・21は、形鋼状の鋼材として構造物に組み込む際の寸法に合わせて長さを定め、また板材11の両端部(またはさらに板材21の両端部)には、上記スリット1とともに、他の鋼材との接続のためのボルト穴4を形成している。上記のスリット1もこのボルト穴4も、組み合わせる前の板材11・21(左図のとおりそれぞれが板の状態にあるとき)に対して加工をすませておくものとする。
上記のような2種類の板材11・21を、互いのスリット1の位置が一直線上に並ぶように他方の肉部2に嵌め入れることによって、右図のように組み合わせる。そのうえで、結合させた各スリット1と肉部2との間を連続または不連続に溶接をすることにより、一体の形鋼状鋼材31とする。
このようにして製造した形鋼状鋼材31は、長手方向の両端部(フランジの部分)に、他の鋼材等との接続に使用するボルト穴4を有している。両端部にボルト穴4があるために、形鋼状鋼材31同士の接続は、同様のボルト穴を有する添え板(図示省略)とボルト・ナットとを用いて適切かつ容易に行うことができる。
そのため、板材11・21同士を組み立てて形鋼状鋼材31を構成した後は、そのような接続のための加工を行う必要がない。立体的な鋼材になった後はボルト穴等を加工することが前述のとおり容易でないことを考慮すると、一体化した後に接続のための加工が不要であることのメリットは大きい。
図1(b)の例も、スリット1を形成した2種類の板材12・22(前者が1枚、後者が2枚)を組み合わせるものである。板材12の両側2箇所と板材22の中央1箇所に、端部から中央付近にまで長手方向に延びたスリット1を形成し、当該スリット1が嵌る肉部2をその先に残しておく点も、図1(a)の例と同じである。スリット1の幅は、やはり図1(a)の例と同様に、相手側の板材22・12の肉部2がはまる寸法とする。
この図1(b)の例では、端部にボルト穴を形成するのではなく、接続用の継手とする突出部5を端部に形成している。突出部5は、ウェブとする側の板材12を、フランジとする他方の板材22よりも長くし、前者の端部を舌片状に突出させたものである。このような突出部5も、上記の各スリット1とともに、組み合わせる前の板材12・22(左図のとおりそれぞれが板の状態にあるとき)にレーザー加工によって形成しておく。
そうした2種類の板材12・22を、図1(a)の例と同様、互いのスリット1の位置が一直線上に並ぶように他方の肉部2に嵌め入れて右図のように組み合わせる。そのうえで、結合させた各スリット1と肉部2との間を連続または不連続に溶接することにより、一体の形鋼状鋼材32とする。
製造された図1(b)の形鋼状鋼材32は、ウェブに相当する部分の長手方向の端部に上記のとおり突出部5を有するため、それを用いて他の鋼材と接続することができる。たとえば図示のように、突出部5が?(ほぞ)として挿入され得る?穴Xaを有する鋼材Xに対して、そのまま簡単に接続することが可能である。形鋼状に組み立てられた後は、接続のための加工が不要であるため、図1(a)の例と同様の利点がある。
図2(a)の例は、結合可能な穴6と突出部7とをそれぞれ形成した2種類の板材13・23(前者が2枚、後者が1枚)を組み合わせるものである。穴6は、一方の板材13の幅方向の中央位置に、長手方向に等間隔に並べて複数形成し、突出部7は、他方の板材23の両サイド(幅方向両側の縁部)にやはり複数形成する。突出部7は、それぞれが穴6に嵌り得るよう、穴6と同様の形状(長方形または長円形)および寸法にし、穴6と等間隔に形成している。板材13・23の長さは、構造物への組み込みを考慮して定めてある。
また、ウェブとする側の板材23を、フランジとする他方の板材13よりも長くし、前者の両端部を舌片状の突出部5としている。上記した穴6と突出部7、および舌片状に形成した突出部5は、いずれも、組み合わせる前の板材13・23(左図のとおりそれぞれが板の状態にあるとき)に対してレーザー加工することにより形成する。
そうした2種類の板材13・23を、板材23の両縁部の突出部7を板材13の幅中央に形成された穴6に嵌め込むことによって結合させ、その状態で穴6と突出部7とを(またはさらに他の部分を)溶接する。そうして一体にすることにより、右図に示す形鋼状鋼材33を得る。
製造された図2(a)の形鋼状鋼材33は、ウェブに相当する部分の長手方向の両端部に舌片状の突出部5を有するため、それを用いて他の鋼材と接続することができる。形鋼状の鋼材33となった後に接続用の加工をすることが不要であるため、図1(a)・(b)の例と同様に有利である。
図2(b)の例も、結合可能な穴6と突出部7とをそれぞれ形成した2種類の板材14・24(前者が2枚、後者が1枚)を組み合わせるものである。穴6と突出部7とは、図2(a)の例と同様に形成する。
この図2(b)の例では、他の鋼材との接続のために、板材14の両端部(またはさらに板材24の両端部)にボルト穴4を形成している。上記の穴6や突出部7とともにこれらのボルト穴4も、組み合わせる前の板材14・24(左図のとおりそれぞれが板の状態にあるとき)に対して加工をすませておく。
上記した加工ずみの2種類の板材14・24を、図2(a)の例と同様、板材24の両縁部の突出部7を板材14の幅中央の穴6に嵌め込むことによって結合させ、その状態で穴6と突出部7とを(またはさらに他の部分を)溶接する。そうして一体にすることにより、右図に示す形鋼状鋼材34を得ることができる。
こうして製造した形鋼状鋼材34は、長手方向の両端部に、他の鋼材等との接続に使用するボルト穴4を有しているため、それを用いて他の鋼材と接続することができる。形鋼状鋼材34となった後に接続用の加工をすることが不要であるため、図1・図2の他の例と同様の利点を有する。
図3は、発明によるフレーム構造物35について示す斜視図である。前記した図4の例では、通常の形鋼(C形鋼)41を組み合わせてフレーム構造物45を構成するが、図3の例では、事前に製造された形鋼(または形鋼状鋼材)を用いるのではなく、組み合わされて形鋼状鋼材となるよう製造した2種類の鋼製の板材(第一種板材15等および第二種板材25等)を、適切な順序で組み合わせることによって、最終的には形鋼でできたものと同様のフレーム構造物35を製造する。
図3のフレーム構造物35は、下記i)〜iv)の手順によって製造する。すなわち、
i) フラットバー(平鋼)を加工することにより、幅方向の中央部分に等間隔で穴6を有する第一種板材15・15a・15b・15c…と、それら穴6に嵌り得る突出部7を一方の側縁上に等間隔で有する第二種板材25・25a・25b…をそれぞれ製造する。穴6や突出部7をたとえばレーザー加工で形成するとき、第二種板材25・25a・25b…の両端部付近に、下記ii)において隣接の第二種板材との接続を容易にするスリット9をも形成しておく。
ii) 上記第二種板材25・25a・25b…を、それぞれの幅方向が平行になるように(つまり、広幅面がたとえば作業床と直角になる向きに)して枠状に接続する。上記のスリット9を利用すると、隣り合う第二種板材25・25a・25b…同士を直角に接続することが容易になる。
iii) それら第二種板材25・25a・25b…の側縁にある複数の突出部7に、上記第一種板材15・15a・15b・15c…の穴6をそれぞれ結合させることにより、第一種板材と第二種板材とを、双方の板材の幅方向が互いに直角になるように(つまり、第一種板材の広幅面がたとえば作業床と平行になる向きに)組み合わせる。
iv) 第二種板材同士を上記ii)の接続部分において溶接するとともに、第一種板材と第二種板材とを、上記iii)によって結合させた突出部7と穴6との間を(またはさらに他の部分を)溶接することにより一体化させる。
以上により、平面(たとえば上記の作業床)に沿って形鋼状鋼材(上の例ではT形鋼状の鋼材)が配置されたフレーム構造物35が完成する。
上記のような製造方法では、平面的であり軽量であるためにハンドリングや加工等の行いやすい上記の板材15・25等を用いて構造物35を構成するのであるから、材料同士の組み合わせや接続を簡単かつ能率的に行うことができる。重い形鋼をハンドリングすることにより三次元の複雑な接続用端部を形成したりボルト穴を設けたりする必要はないのである。また、組み立てる前の材料の保管について所要スペースが小さくてすむというメリットも生じる。
上記では、第二種板材を先に作業床上に並べ、次いでその上に第一種板材を組み付けたが、第一種板材を先に置いたうえで第二種板材を組み合わせるのもよい。すなわち、作業床上にまず第一種板材15・15a・15b・15c…を水平にして配置し、次いでその上に第二種板材25・25a・25b…を、前者の各穴6に後者の各突出部7を結合させることにより、双方の板材が互いに直角になるように組み合わせる。結合させた突出部7と穴6との間などを溶接することにより、上記と同様のフレーム構造物ができあがる。
なお、本発明によれば、以上の各図の例にならってH形やT形以外の横断面を有する形鋼状鋼材やフレーム構造物を製造することも可能である。
1 スリット
2 肉部
4 ボルト穴
5 (舌片状の)突出部
6 穴
7 (側縁の)突出部
11・12・13・14・21・22・23・24 板材
15・15a・15b・15c 第一種板材
25・25a・25b 第二種板材
31・32・33・34 形鋼状鋼材
35 フレーム構造物

Claims (7)

  1. 直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材の製造方法であって、
    スリット、穴または凹部を有する板材と、それらのスリット、穴または凹部のいずれかに嵌り得る肉部または突出部を有する他の板材とを、事前の加工によって製作しておき、
    上記二種類の板材を、上記スリット、穴または凹部と上記肉部または突出部との結合によって組み合わせ、さらに当該結合部分を溶接することによって形鋼状にする
    ことを特徴とする形鋼状鋼材の製造方法。
  2. 上記二種類の板材の加工を、鋼板のレーザー加工により行うことを特徴とする請求項1に記載した形鋼状鋼材の製造方法。
  3. 上記二種類の板材を加工する際、形鋼状鋼材として使用する長さに合わせて各板材の長さを定めるとともに、形鋼状鋼材として他の部材と接続しまたは他の部材を取り付ける箇所に、当該接続用もしくは取付け用のスリット、穴、凹部または突出部を形成しておくことを特徴とする請求項1または2に記載した形鋼状鋼材の製造方法。
  4. 直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材によって構成されるフレーム構造物の製造方法であって、
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法により製造された形鋼状鋼材を連結することを特徴とするフレーム構造物の製造方法。
  5. 直角をなす複数の板状部分を含む形鋼状鋼材によって構成されるフレーム構造物の製造方法であって、
    板を加工することにより、スリット、穴または凹部を有する第一種板材と、それらのスリット、穴または凹部のいずれかにはまり得る突出部を側縁に有する第二種板材とを製造し、
    複数の上記第二種板材を、それぞれの幅方向が平行になるように枠状に接続するとともに、
    それら第二種板材の側縁にある上記突出部に上記のスリット、穴または凹部を結合させることにより、第一種板材と第二種板材とを、双方の板材の幅方向が互いに直角になるように組み合わせ、
    さらに当該結合部分を溶接する
    ことを特徴とするフレーム構造物の製造方法。
  6. 加工によって上記第二種板材を製造する際、上記のとおり複数の第二種板材を枠状に接続することを容易にする接続用のスリット、穴、凹部または突出部を形成しておくことを特徴とする請求項5に記載したフレーム構造物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの方法により製造されたことを特徴とする形鋼状鋼材またはフレーム構造物。
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