JP2018098596A - 耳あな型補聴器 - Google Patents

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【課題】 音口のメンテナンスが不要な耳あな型補聴器を得る。【解決手段】 耳あな型補聴器1のハウジング11は、耳あな型補聴器1の外耳道への装着時に外耳道の内壁に接触する接触部11aと、接触部11aより先端側で小気室101に接する突出部11bとを有する。突出部11bには開口部11dがある。そして、音響放射部13が、その開口部11dを閉塞しており、振動子14が、ハウジング11の内部に配置され音響放射部13に振動を与える。【選択図】 図2

Description

本発明は、耳あな型補聴器に関するものである。
耳あな型補聴器は、外耳道内に装着されて使用される(例えば特許文献1参照)。耳あな型補聴器は、ハウジング内にイヤホンを内蔵しており、イヤホンによって発生した音は、ハウジングの先端部分に設けられた音口を通って、外耳道内へ出力される。
他方、ある電気音響変換器は、駆動部を備え、その駆動部において、ケースに、ポールピース、コイルおよびマグネットが固定され、ケースに支持されている振動板が磁気的に駆動され、振動伝達部を介して振動板からドーム状の音響放射部へ機械的振動が伝達され、ドーム状の音響放射部から音が放射される(例えば特許文献2参照)。そして、この電気音響変換器では、その駆動部は、第1支持部によって外耳道の内壁に支持されており、音響放射部は、第1支持部とは異なる第2支持部によって外耳道の内壁に支持されており、駆動部と第2支持部とが第1支持部を介して接続されている。
特開2014−239361号公報 特開2002−315098号公報
しかしながら、上述の耳あな型補聴器の場合、音口に耳垢がつまり、その耳垢の除去などといった、音口のメンテナンスが必要になる。
他方、上述の電気音響変換器では、ドーム状の音響放射部が露出しているため、音口が不要であるが、仮に、この電気音響変換器を耳あな型補聴器に適用しようとすると、駆動部およびドーム状の音響放射部をすべて外耳道内に配置しなければならない。しかし、駆動部およびドーム状の音響放射部が直列に接続される構造となっており、比較的全長が長くなるため、外耳道内に納まるように、この電気音響変換器を耳あな型補聴器に適用するのは困難である。また、外耳道内に納めた場合には駆動部が耳あな型補聴器の内部に収容されてしまうため、外耳道の内壁で支持することが困難である。さらに、装用者の外耳道壁の形状によってはドーム状の音響放射部が外耳道壁に触れてしまうおそれがあるが、音響放射部はクッションフォーム等の柔らかい材料からできているため、音響放射部の機械インピーダンスが変化して振動数特性が変化するという問題があり、駆動部が露出しているために落下などにより直接衝撃を受けるおそれがあり、耐衝撃性の点で問題もある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、音口のメンテナンスが不要な耳あな型補聴器を得ることを目的とする。
本発明に係る耳あな型補聴器は、当該耳あな型補聴器の外耳道への装着時に外耳道の内壁に接触する接触部と、接触部より先端側で、当該耳あな型補聴器の外耳道への装着時に外耳道と鼓膜と当該耳あな型補聴器とで形成される小気室に接する突出部とを有するハウジングと、その突出部にある開口部と、開口部を閉塞する音響放射部と、ハウジングの内部に配置され音響放射部に振動を与える振動子とを備える。
本発明によれば、耳あな型補聴器の振動子は、外耳道の内壁に支持させることなくハウジングの内部に配置させることができる。また、音口のない耳あな型補聴器を実現することができるため、音口が詰まって音が聞こえにくくなるということがなくなる。また、当該耳あな型補聴器の音響放射部は外耳道と鼓膜と当該耳あな型補聴器とで形成される小気室に接するため、音響放射部が外耳道壁に触れてその振動数特性に影響を及ぼすおそれもなくなる。さらに振動子は耳あな型補聴器のハウジングの内部に配置されるため、落下などによって直接衝撃を受けるおそれがなく耐衝撃性が向上する。
図1は、本発明の実施の形態に係る耳あな型補聴器を示す側面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る耳あな型補聴器を示す断面図である。 図3は、本発明の実施の形態2に係る耳あな型補聴器を示す断面図である。 図4は、本発明の実施の形態3に係る耳あな型補聴器を示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態4に係る耳あな型補聴器を示す断面図である。
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る耳あな型補聴器を示す側面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る耳あな型補聴器を示す断面図である。
本発明の実施の形態に係る耳あな型補聴器1は、図1に示すように、外耳道内に配置される気導型の耳あな型補聴器であって、外耳道の開口側となる内壁に密着するハウジング11を備える。ハウジング11は、既製のものでも、オーダーメイドのものでもよい。そして、耳あな型補聴器を外耳道に挿入することで、耳あな型補聴器1と外耳道と鼓膜とによって小気室101が形成される。
ハウジング11は、耳あな型補聴器1の外耳道への装着時に外耳道の内壁に接触する接触部11aと、接触部11aより先端側で、耳あな型補聴器1の外耳道への装着時に小気室101に接する突出部11bとを有する。突出部11bは、外耳道の内壁に接触せず、耳あな型補聴器1は、小気室101に接する突出部11bから音を発する。
また、後端部11cでは、例えば、リング状のワイヤー12がハウジング11に対して設けられるとともに、図示せぬマイクロホン、電池ホルダなどが耳あな型補聴器1内に設けられている。なお、ワイヤー12は、耳あな型補聴器1を外耳道から着脱する際に使用される。ハウジング11には、後端部11c側にマイクロホンまたは電池ホルダのための開口を有するが、上述の接触部11aおよび突出部11bには、後述の開口部11d以外の開口は有さない。
さらに、ハウジング11には、図示せぬ音響信号処理用の電子回路(例えばIC(Integrated Circuit)チップ)が内蔵されている。その電子回路は、マイクロホン、電池ホルダ(電池ホルダ内の電池)、後述の振動子14に電気的に接続されており、電池ホルダ内の電池から供給される電力を使用して、マイクロホンが外来音を変換して得られた電気信号に対して所定の信号処理を行い、信号処理後の音響電気信号を振動子14に出力する。
ハウジング11の突出部11bには、開口部11dが形成されている。特に、実施の形態1では、開口部11dは、ハウジング11の突出部11bにおいて、外耳道の内壁に対向する領域11b1に形成されている。
そして、実施の形態1に係る耳あな型補聴器1は、図2に示すように、ハウジング11の開口部11dを閉塞する音響放射部13と、ハウジング11の内部に配置され音響放射部13に振動を与える振動子14とを備える。
ハウジング11は、比較的硬質の樹脂(例えばABS樹脂、アクリル系樹脂など)製である。開口部11dは、ハウジング11のサイズ、後述の振動子14のサイズなどを考慮したサイズで形成される。また、例えば、開口部11dは、振動子14の形状に対応する形状で形成される。例えば、振動子14が略直方体である場合には、開口部11dの開口面は、略長方形とされる。
音響放射部13は、開口部11dを閉塞し、振動子14により生成された振動を音波として小気室101内に出力する。実施の形態1では、音響放射部13は、開口部11dを閉塞する膜部材13aと、膜部材13aを開口部11dの周囲端部に固定する固定部13bとを備える。固定部13bは、開口部11dに対応するリング形状で所定の厚みの枠部材であって、膜部材13aに固定されており、固定部13bが開口部11dの縁部(ここでは図2に示すように切り欠きが形成されている部分)に、接着などにより音響放射部13がハウジング11に固定される。なお、膜部材13aと固定部13bとを一体として成形してもよい。
例えば、膜部材13aは、弾性を有する樹脂(例えばエラストマ)製の膜状部材である。固定部13bは、例えば、開口部11dの形状に対応する枠形状を有する樹脂製または金属製の部材であり、膜部材13aの周囲端部に固定(例えば接着)されるとともに、開口部11dの縁部に固定(例えば接着)される。なお、可能であれば、固定部13bを使用せずに、膜部材13aをハウジング11へ直接固定してもよい。いずれの場合でも膜部材13aは固定部13bの端面または開口部11dの縁部を含む平面状になる。
さらに、振動子14は、内蔵の電子回路から供給される音響電気信号に応じて振動し、音響放射部13を振動させる。振動子14は、例えば、バランスドアーマチュア型の小型振動子ユニットであって、金属や比較的硬質な樹脂でモールドされている。さらに、振動子14は、外耳道内に装着される耳あな型補聴器1のハウジング11内に配置されるため、少なくとも外耳道の径より幅の小さいサイズとされる。例えば、振動子14としては、特開2015−139041号公報に記載の電気機械変換器等が使用できる。
実施の形態1では、振動子14は、略直方体形状を有し、振動子14の振動方向に垂直な面が開口部11dの開口面より小さい。これにより振動子14は膜部材13aが薄い場合でも開口部11dの周囲に触れることなく振動する。振動子14の振動方向に垂直な面が、音響放射部13(ここでは、膜部材13a)に直接固定(例えば接着)され、開口部11d内に配置されている。振動子14は音響放射部13以外の要素に接触するとその要素の機械インピーダンスが負荷となって振動数特性に影響を受けるため、音響放射部13のみに固定することが望ましい。ただし、振動子14は、その振動に影響を与えないような部材(例えば、衝撃吸収用ゲル剤など)を介して他の構成要素に接触してもよい。
次に、実施の形態1に係る耳あな型補聴器1の動作について説明する。
耳あな型補聴器1が装着されると、図2に示すように、音響放射部13は、外耳道の内壁には接することなく、小気室101に接する。この状態で、振動子14に音響電気信号が印加されると、振動子14は、音響電気信号に従って、音響放射部13の膜部材13aに対して垂直方向に振動し、膜部材13aを振動させる。
そして、音響放射部13の膜部材13aが振動することで、その音響電気信号に対応する音波が生じ、小気室101を介して鼓膜へ到達する。
このとき、音響放射部13の一方の面が小気室101に接し、他方の面がハウジング11内となる。他方の面では、小気室101側に発生する音波と逆位相の音波が発生するが、小気室101とハウジング11内は、音響放射部13とハウジング11により、空間的に分離されるので、この逆位相の音波は小気室101には伝搬しないため、小気室101における音波の低音域の相殺が起きにくく、低音域の音響特性が良好になる。
以上のように、上記実施の形態1によれば、ハウジング11は、耳あな型補聴器1の外耳道への装着時に外耳道の内壁に接触する接触部11aと、接触部11aより先端側で小気室101に接する突出部11bとを有する。突出部11bには開口部11dがあり、音響放射部13が、その開口部11dを閉塞しており、振動子14が、ハウジング11の内部に配置され音響放射部13に振動を与える。
これにより、ハウジング11の開口部11dが音響放射部13により閉塞されており、音口などの開口がないため、音口のメンテナンスが不要な耳あな型補聴器1が得られる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係る耳あな型補聴器を示す断面図である。
実施の形態2では、図3に示すように、振動子14が、スペーサ21を介して音響放射部13(膜部材13a)に固定される。具体的には、スペーサ21が振動子14に固定されるとともに、音響放射部13(膜部材13a)に固定されている。なお、スペーサ21は、ハウジング11の肉厚より大きい高さを有する柱状部材であって、振動子14から音響放射部13への可聴帯域の振動が伝達可能なように比較的硬質の樹脂製または金属製とされる。
スペーサ21の断面は、開口部11dの開口面より小さく、振動子14の振動方向に垂直な面が開口部11dの開口面より大きい場合には、実施の形態2のように、スペーサ21を介して振動子14が音響放射部13に対して固定され、音響放射部13から離間した位置でハウジング11の中空部分に配置される。
なお、実施の形態2に係る耳あな型補聴器のその他の構成および動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3に係る耳あな型補聴器1を示す断面図である。
実施の形態3では、上述の音響放射部13の代わりに音響放射部31が使用される。音響放射部31は、硬質の樹脂などで形成され、開口部11d内の音響放射板31aと、開口部11dに沿ってハウジング11に固定される固定部31bと、固定部31bと音響放射板31aとを接続する弾性接続部31cとを備える。
固定部31bは、固定部13bと同様の枠形状を有する樹脂製や金属製などの部材である。なお、可能であれば、固定部31bを使用せずに、弾性接続部31cをハウジング11へ直接固定してもよい。
弾性接続部31cは、図4に示すように外側に凸状のコルゲーションであってもよいし、内側に凸状のコルゲーションであってもよいし、平板状の弾性膜(例えば、エラストマ)であってもよい。
弾性接続部31cは、音響放射板31aおよび固定部31bに比べスチフネスが小さくなっており、音響放射板31aを振動可能な状態で支持している。
なお、実施の形態3に係る耳あな型補聴器のその他の構成および動作については実施の形態1または実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。例えば、実施の形態2のように、開口部11dが小さい場合には、音響放射板31aと振動子14との間に、スペーサ21と同様のスペーサを設けてもよい。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4に係る耳あな型補聴器1を示す断面図である。
実施の形態4では、開口部11dは、突出部11bにおいて、鼓膜に対向する領域11b2(図1参照)に形成されている。
なお、実施の形態4に係る耳あな型補聴器のその他の構成および動作については実施の形態1〜3のいずれかと同様であるので、その説明を省略する。例えば、実施の形態3のように、実施の形態4においても上述の音響放射部13の代わりに音響放射部31を使用してもよい。
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
本発明は、例えば、耳あな型補聴器に適用可能である。
1 耳あな型補聴器
11 ハウジング
11a 接触部
11b 突出部
11d 開口部
13,31 音響放射部
13a 膜部材
13b 固定部
14 振動子
21 スペーサ
31a 音響放射板
31b 固定部

Claims (6)

  1. 耳あな型補聴器において、
    当該耳あな型補聴器の外耳道への装着時に前記外耳道の内壁に接触する接触部と、前記接触部より先端側で、当該耳あな型補聴器の外耳道への装着時に前記外耳道と鼓膜と当該耳あな型補聴器とで形成される小気室に接する突出部とを有するハウジングと、
    前記突出部にある開口部と、
    前記開口部を閉塞する音響放射部と、
    前記ハウジングの内部に配置され前記音響放射部に振動を与える振動子と、
    を備えることを特徴とする耳あな型補聴器。
  2. 前記音響放射部は、前記開口部を閉塞する膜部材と、前記膜部材に固定され前記開口部に沿って前記ハウジングに固定される固定部とを備えることを特徴とする請求項1記載の耳あな型補聴器。
  3. 前記音響放射部は、前記開口部内の音響放射板と、前記開口部に沿って前記ハウジングに固定される固定部と、前記固定部と前記音響放射板とを接続する弾性接続部とを備えることを特徴とする請求項1記載の耳あな型補聴器。
  4. 前記振動子は、略直方体形状を有し、
    前記振動子の振動方向に垂直な面は、前記開口部の開口面より小さく、
    前記振動子は、前記音響放射部に直接固定されること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の耳あな型補聴器。
  5. スペーサをさらに備え、
    前記振動子は、略直方体形状を有し、
    前記振動子の振動方向に垂直な面が前記開口部の開口面より大きく
    前記振動子は、前記スペーサを介して前記音響放射部に固定されること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の耳あな型補聴器。
  6. 前記開口部は、前記突出部において、前記外耳道の内壁に対向する領域にあることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の耳あな型補聴器。
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