JP2018097980A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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直人 斉藤
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Abstract

【課題】充放電サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】ここに開示されるリチウムイオン二次電池100は、正極50および負極60を含む電極体20と、非水電解液と、を備える。正極50は、正極活物質、および導電材を含有する正極活物質層54を備える。導電材の表面は、厚さが1nm〜10nmのAlF膜で被覆されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。リチウムイオン二次電池は、特に、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
リチウムイオン二次電池の典型的な構成は、正極および負極と、非水電解液とを備える。正極の典型的な構成では、正極活物質を含有する正極活物質層が正極集電体上に設けられている。正極活物質層は、一般的に、その導電性を向上させるために導電材を含有する。
リチウムイオン二次電池においては、非水電解液の分解により電池特性が劣化することが知られている。そのため、リチウムイオン二次電池では、非水電解液の分解を抑制するための様々なアプローチによる技術が開発されている。なかには、非水電解液の分解を抑制するために導電材を改良するというアプローチによる技術がある。その技術の例として、特許文献1には、導電材として結晶子の小さい、難黒鉛化炭素およびカーボンブラックを併用し、正極活物質の表面積に対する導電材の表面積の割合を所定範囲内にする技術が開示されている。
特開2011−129442号公報
しかしながら本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1に開示の技術には、充放電を繰り返した際の容量の劣化抑制に改善の余地があることを見出した。すなわち、充放電サイクル特性に改善の余地があることを見出した。
そこで本発明の目的は、充放電サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1に開示の技術のように、導電材の種類や表面積を適切に選択しても、導電材と非水電解液が電気的に接触しているため、導電材が非水電解液より電子を受け取ることによって非水電解液の進行が起こり得るものであり、これが充放電サイクル特性を低下させる原因であるという見解に至った。そこで、本発明者らは、この見解に基づき、充放電サイクル特性を改善するために導電材と非水電解液との間の電子の移動を制御することを考え、本発明の完成に至った。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、正極および負極を含む電極体と、非水電解液と、を備える。前記正極は、正極活物質、および導電材を含有する正極活物質層を備える。前記導電材の表面は、厚さが1nm〜10nmのAlF膜で被覆されている。
このような構成によれば、導電材の表面が所定の厚さ以上の絶縁性のAlF膜で被覆されることにより、導電材と非水電解液との間の電子の移動を制御することができ、その結果、充放電サイクル特性を向上することができる。また、AlF膜の厚さが所定の厚さ以下であることにより、リチウムイオン二次電池のその他の電池特性が実使用に適さないレベルにまで損なわれることがない。したがって、このような構成によれば、充放電サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 実施例で評価したリチウムイオン二次電池Aおよびリチウムイオン二次電池BのCV測定結果を示すグラフである。 実施例で評価した各リチウムイオン二次電池の容量維持率および貫通抵抗の結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないリチウムイオン二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。
正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。なかでも、正極シート50が高電位である場合に特に高い充放電サイクル特性向上効果が得られることから、金属Li基準電位で4.5V以上の作動電位を有するリチウム遷移金属酸化物が好ましく、スピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5等)が特に好ましい。
正極活物質層54は、導電材を含有する。そして本実施形態においては、当該導電材の表面は、AlF膜で被覆されている。当該AlF膜の厚さは、1nm〜10nmである。
このように導電材の表面が絶縁性のAlF膜で被覆されることにより、導電材と非水電解液との間の電子の移動を制御することができる。その結果、非水電解液の分解を抑制することができ、リチウムイオン二次電池100の充放電サイクル特性を向上することができる。
AlF膜の厚さが小さすぎると、充放電サイクル特性の向上効果を十分に得ることができない。そのため、AlF膜の厚さは、1nm以上であり好ましくは2nm以上である。一方、AlF膜は絶縁性の膜であることから、AlF膜が厚すぎると、電池特性に悪影響を及ぼしてリチウムイオン二次電池100が実使用に適さなくなる。そのため、AlF膜の厚さは、10nm以下であり好ましくは5nm以下である。
導電材の母材(すなわち、AlF膜で被覆される材料)には、例えば、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。
なお、AlF膜の厚さは、公知方法に従い求めることができる。例えば、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)を備える透過型電子顕微鏡等を用いて求めることができる。
AlF膜で被覆された導電材は、例えば、上記の炭素材料等の母材の表面にAlスパッタリングでAlを堆積させ、次いでこれをフッ酸水溶液で処理することにより作製することができる。AlF膜の厚さは、スパッタリング条件を適宜調整することにより制御することができる。
正極活物質層54は、正極活物質、および導電材以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、バインダが挙げられる。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボナート(VC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<導電材の作製>
アセチレンブラック粒子を回転させながら、ターゲットにAlを用い、アセチレンブラック粒子全面にAlをスパッタリングした。スパッタリングは、直流電流を用いて0.1nm/hの製膜速度で行った。スパッタリング時間を変更することで、異なる膜厚を有するAlコートアセチレンブラック粒子を得た。得られたAlコートアセチレンブラック粒子を5wt%フッ酸水溶液に30分間浸漬し、アセチレンブラック粒子の表面にAlF膜を形成させた。
以上のようにして、厚さが、0.5nm、1nm、2nm、3nm、5nm、10nm、および15nmのAlF膜で被覆されたアセチレンブラック粒子を得た。なお、アセチレン表面にAlF膜が形成されていることは、TEM−EDX解析により確認した。
以下の実験には、このAlF膜で被覆されたアセチレンブラック粒子、およびアセチレンブラック粒子そのもの(すなわち、Alスパッタリングおよびフッ酸水溶液処理されていないアセチレンブラック粒子;AlF膜の膜厚が0nm)を導電材として用いた。
<CV測定評価>
導電材としての厚さ5nmのAlF膜で被覆されたアセチレンブラック粒子と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデンとを、導電材:バインダ=5:5の質量比でN−メチルピロリドンと混合し、正極層形成用スラリーを調製した。この正極層形成用スラリーをアルミニウム箔に塗布して乾燥した後、プレスして正極シートを作製した。
負極シートとしてシート状金属Liを準備した。
また、セパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
作製した電極体に集電体を取り付け、非水電解液と共にラミネートケースに収容し、封止することによってリチウムイオン二次電池Aを得た。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比50:50の混合溶媒に1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させたものを使用した。
また、導電材として、アセチレンブラック粒子そのもの(すなわち、Alスパッタリングおよびフッ酸水溶液処理されていないアセチレンブラック粒子;AlF膜の膜厚が0nm)を用いた以外は、上記と同様にしてリチウムイオン二次電池Bを得た。
これらのリチウムイオン二次電池Aおよびリチウムイオン二次電池Bについて、サイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行なった。CV測定は、OCV電圧から上限電圧である5.5Vまで掃引速度1mV/secで1サイクル行なった。測定結果を図3に示す。
図3が示すように、AlF膜で被覆されたアセチレンブラック粒子を用いたリチウムイオン二次電池Aは、アセチレンブラック粒子そのものを用いたリチウムイオン二次電池Bに比べ、電流が流れ始める電圧が高くなっており、さらに電流量も減少している。したがって、アセチレンブラック粒子をAlF膜で被覆することにより、導電材と非水電解液との間の電子の移動を制御することができ、これにより、非水電解液の分解を抑制できるものと考えられる。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質としてのLiNi0.5Mn1.5と、上記各導電材と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデンとを、正極活物質:導電材:バインダ=90:5:5の質量比でN−メチルピロリドンと混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。この正極活物質層形成用スラリーをアルミニウム箔に塗布して乾燥した後、プレスして正極シートを作製した。
作製した正極シートの貫通抵抗を下記の手順で測定した。
また、負極活物質としての平均粒子径20μmの天然黒鉛と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴムと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを、負極活物質:バインダ:増粘剤=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。この負極活物質層形成用スラリーを銅箔に塗布して乾燥した後、プレスして負極シートを作製した。
また、セパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
作製した電極体に集電体を取り付け、非水電解液と共にラミネートケースに収容し、封止することによって評価用リチウムイオン二次電池を得た。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比50:50の混合溶媒に1mol/Lの濃度でLiPFを溶解させたものを使用した。
<正極の貫通抵抗測定>
抵抗測定用に2cm×2.5cmのシート状に切り取った正極を2枚用意し、この2枚の正極を活物質層を対向させて集電体で挟む形に重ね合わせた。集電体の両側から2000Nの圧力を加えつつ、電流印加装置から両集電体間に電流を流したときの電圧から正極シートの垂直方向の抵抗値(貫通抵抗)を測定した。結果を図4に示す。
<充放電サイクル特性評価>
各評価用リチウムイオン二次電池を25℃の環境下に置いた。初期充電として1/5Cの電流値で4.9Vまで定電流充電を行った後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後、1/5Cの電流値で3.5Vまで定電流放電し、このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
次いで各リチウムイオン二次電池を、4.9Vまで2Cで定電流充電および3.5Vまで2Cで定電流放電を1サイクルとする充放電を100サイクル繰り返した。100サイクル充放電後の放電容量を初期容量と同じ方法で求めた。初期容量に対する100サイクル充放電後の放電容量の比(すなわち、初期容量を1とした場合の100サイクル充放電後の放電容量の値)を容量維持率として算出した。結果を図4に示す。
図4が示すように、アセチレンブラック粒子を被覆するAlF膜の厚さが1nm以上になると容量維持率の増加が見られ、AlF膜の厚さが2nm以上になると容量維持率が顕著に上昇した。しかしながら、AlF膜の厚さが5nmを超えると貫通抵抗が大きく増加し、AlF膜の厚さが10nmを超えると貫通抵抗が顕著に増加した。AlF膜の厚さが10nmを超えると電池特性への悪影響が大きくなり、リチウムイオン二次電池は実使用に適さないと考えられる。
したがって、リチウムイオン二次電池に、表面が厚さ1nm〜10nmのAlF膜で被覆されている導電材を用いることにより、充放電サイクル特性を有効に高めることができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極および負極を含む電極体と、
    非水電解液と、
    を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極が、正極活物質、および導電材を含有する正極活物質層を備え、
    前記導電材の表面が、厚さが1nm〜10nmのAlF膜で被覆されている、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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