以下、実施形態の医用画像管理装置について、添付図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の医用画像管理装置は、例えば、X線CT(Computed Tomography)装置のX線CT画像を管理する医用画像収集装置としても使用することができる。この実施形態では、一例として、画像データのバックアップ及びリストアの制御に関する処理を医用画像管理装置で説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の医用画像管理装置200が含まれる医用システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、該医用システムでは、モデリティ100、バックアップデバイス300が接続された医用画像管理装置200、画像サーバ400A、400B及びMWM(Modality Worklist Management)サーバ500が、ネットワーク600を介して、相互に接続されている。
モデリティ100は、被検体を撮影して医用画像を収集する機能(撮影機能)を有した医用画像収集装置である。モデリティ100は、例えば、X線CT装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置などが該当する。また、画像データのバックアップやリストアの運用に関する処理に関しては、超音波診断装置でも適用し得る。
医用画像管理装置200は、モデリティ100によって撮影された被検体の医用画像の画像データや生データ等を管理する画像データ管理装置である。医用画像管理装置200の詳細は、図2を用いて詳述する。
バックアップデバイス300は、医用画像管理装置200に格納されている画像データや生データをバックアップするためのバックアップデバイスである。バックアップデバイス300は、例えば、DVD−RAM等の光ディスクに代表される各種記録媒体の他、USB−HDDなどの磁気ディスクを用いた記録装置、或いは、メモリカードやUSBメモリ等の半導体記録装置等である。
画像サーバ400A、400Bは、モデリティ100で撮影された画像データ等や医用画像管理装置200に格納されている画像データ等を管理するための情報処理装置である。画像サーバ400A、400Bは、例えば、医用画像の画像データや生データ等を保管、閲覧及び管理する医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)の一部を構成する。なお、画像サーバ400Aと画像サーバ400Bを区別する必要がない時は、単に、画像サーバ400と記載する。
MWMサーバ500は、モダリティワークリスト管理を行うサーバのことである。例えば、モデリティ100や医用画像管理装置200は、モデリティ100で被検体の検査を行う前にMWMサーバ500に問い合わせを行い、検査の予定を意味するワークリストを取得することができる。
ネットワーク600は、接続されている各装置を相互に接続する機能を有している。例えば、医用画像管理装置200は、ネットワーク600を介して、医用画像管理装置200に格納されている画像データを、画像サーバ400A、400Bに送信することができる。
図2は、実施形態の医用画像管理装置200の構成を示す構成図である。
医用画像管理装置200は、処理回路210、データベース220、入力回路230、ディスプレイ240、記憶回路250、通信制御回路260、USB I/F回路270及び内部バス280を備えている。
処理回路210は、プログラムをメモリ(記憶回路250)から読み出し、実行することにより、プログラムに対応する機能を実現するプロセッサを具備する。具体的には、処理回路210(プロセッサ)は、読み出したプログラムを実行することによって、制御機能212、設定機能214及び計算機能216を実現する。
ここで、「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)などの回路を意味する。
プロセッサは、メモリに保存された、もしくはプロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し、実行することで各機能を実現する。プロセッサが複数設けられ場合、プログラムを記憶するメモリは、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは、図2の記憶回路250が各プロセッサの機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。
データベース220は、生データデータベース(図2では、生データDBと記載する)222、画像データデータベース(図2では、画像データDBと記載する)224、及び送信履歴データベース(図2では、送信履歴DBと記載する)226を備えている。生データデータベース222は、例えば、被検体の生データを記憶する。画像データデータベース224は、例えば、被検体の画像データを記憶する。また、送信履歴データベース226は、被検体の生データ或いは画像データが、画像サーバ400に対して既に送信された否かの履歴情報を記憶する。
ここで、生データとは、例えば、被検体を撮影した投影データを意味し、その生データに対して、対数変換処理などの再構成を行うことにより、画像データを生成することができる。また、生成された画像データに対して、拡大/諧調/空間ファイルタ処理や時系列に蓄積されたX線画像の最小値/最大値トレース処理およびノイズを除去するための加算処理(画像処理)を施すことにより、画像が得られる。
また、画像処理を施す前の画像データを処理前画像データというと共に、画像データに画像処理を施した後の画像データを処理後画像データという。なお、特に言及がない場合は、画像データは、処理前画像データを意味するものとする。また、処理前画像データも処理後画像データも、データベース220の画像データデータベース224に格納されるものとする。
データベース220は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)等を含む記憶装置によって構成されている。生データデータベース222及び画像データデータベース224も、ROM、RAM及びHDD等を含む記憶装置によって構成されている。
処理回路210の制御機能212は、保護すべき画像データに対し、プロテクトの設定を受け付けて、そのプロテクトが設定された画像データを、外部のバックアップデバイス300にバックアップする。また、制御機能212は、保護すべき生データに対しても同様に、プロテクトの設定を受け付けて、そのプロテクトが設定された画像データを、外部のバックアップデバイス300にバックアップする。
また、処理回路210の設定機能214は、制御機能212と連携し、消去したくない生データや画像データに対し、保護すべき画像データや生データとしてプロテクトの設定を受け付ける。設定機能214は、例えば、プロテクトが設定された画像データや生データに対し、さらにバックアップすることが必要か不要かを示すフラグの設定を受け付ける。
この場合、処理回路210の制御機能212は、プロテクトが設定された画像データや生データに対し、バックアップの要否を判定するフラグを割り当て、フラグがバックアップの必要を示すときは、画像データや生データを、外部のバックアップデバイス300にバックアップする。
例えば、ある病院における運用例として、例えば、生データや画像データにプロテクトを設定しておき、後で生データに対して再構成を行なったり、後で画像データに対して画像処理を行う運用例がある。このような運用例に対応し、処理回路210の設定機能214は、例えば、プロテクトが設定された生データや画像データに対し、バックアップすることが必要か不要かを示すフラグの設定を受け付ける。
なお、運用例であるため、例えば、生データと画像データのそれぞれにプロテクトを設定して、そのプロテクトが設定された生データと画像データのそれぞれをバックアップの対象としてもよい。或いは、生データか画像データのいずれか一方にプロテクトを設定して、そのプロテクトが設定された生データか画像データのいずれかをバックアップの対象としてもよい。
また、ある病院における運用例として、例えば、画像データデータベース224に記憶されている画像データを、全て画像サーバ400に送信する運用例がある。
この場合、処理回路210の制御機能212は、送信履歴データベース226を参照し、画像データデータベース224に記憶されている画像データが、外部の画像サーバ400に送信されて保存されているか否かを判定し、画像サーバ400に保存されていない画像データを外部のバックアップデバイス300にバックアップすることができる。
逆の見方をすると、処理回路210の制御機能212は、送信履歴データベース226を参照し、画像データデータベース224に記憶されている画像データが、外部の画像サーバ400に送信されて保存されているか否かを判定し、画像サーバ400に既に保存されている画像データは、バックアップの対象から除外する。この結果、バックアップするデータ量を削減することができる。
また、ある病院における運用例として、例えば、次回の検査時に、過去に被検体を検査した画像データを参照する運用例がある。
この場合、処理回路210の制御機能212は、画像データデータベース224に記憶されている画像データが、検査予約が入っている被検体の画像データに該当する場合は、その画像データを画像データデータベース224から外部のバックアップデバイス300にバックアップすることができる。
また、処理回路210の計算機能216は、例えば、バックアップデバイス300にバックアップする画像データを、バックアップデバイス300に記憶させる際に要する合計時間を計算する。これにより、処理回路210は、計算した合計時間をディスプレイ240に表示させることができる。
入力回路230は、医師や検査技師などの操作者によって操作が可能なポインティングデバイス(マウスなど)やキーボードなどの入力デバイスからの信号を入力する回路であり、ここでは入力デバイス自体も入力回路230に含まれるものとする。この場合、操作に従った入力信号が、入力回路230から処理回路210に送られる。
ディスプレイ240は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)等によって構成される。ディスプレイ240は、例えば、処理回路210の計算機能216によって、バックアップする画像データを外部のバックアップデバイス300に記憶させる際に要する合計時間を計算させ、その合計時間を表示する。
記憶回路250は、ROM、RAM及びHDD等を含む記憶装置により構成されている。記憶回路250は、IPL(Initial Program Loading)、BIOS(Basic Input/Output System)及びデータを記憶したり、処理回路210のワークメモリとして使用されたり、または、データを一時的に記憶する場合に用いられる。HDDは、医用画像管理装置200にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)やデータを記憶する記憶装置である。また、医師や検査技師などの操作者に対するディスプレイ240への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力回路230によって行なうことができるGUI(Graphical User Interface)を、OSに提供することもできる。
通信制御回路260は、通信規格に応じた通信制御を行ない、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した無線LAN(Local Area Network)、近距離無線通信又は電話回線等を通じて、医用画像管理装置200を、ネットワーク600に接続する機能を有している。また、例えば、RS−232CやRS−422Aなどの通信規格や、USB(Universal Serial Bus)などの標準化された通信プロトコルも用いることができ、実施形態では、有線接続であっても無線接続であっても適用できる。
USB I/F回路270は、バックアップデバイス300とUSBの通信規格に応じた通信制御を行ない、データベース220の記憶された画像データや生データを送受信する機能を備えている。
内部バス280は、処理回路210によって医用画像管理装置200が統括制御されるように、各構成要素に接続されている。内部バス280は、例えば、医用画像管理装置200内で、データや信号を伝達するための回路により構成される。
バックアップデバイス300は、前述したように、例えば医用画像管理装置200に接続されており、医用画像管理装置200のデータベース220が記憶する画像データや生データのバックアップ先となっている。バックアップデバイス300は、医用画像管理装置200のバックアップを実行することにより、バックアップ管理データ302と、バックアップ検査データ304を記憶する。
次に、各病院における運用例について、説明する。
図3は、各病院におけるバックアップの対象に、その対象となる画像データもしくは生データにバックアップの要否を判定するフラグの設定を示した運用テーブルを示した図である。なお、この運用テーブルは、医用画像管理装置200の記憶回路250に格納されている。
図3(a)から(c)は、各病院において運用されている様々な運用例を示した運用テーブルである。
図3(a)の運用テーブル1は、バックアップ対象、バックアップ要否、サーバ確認及び予約確認日数の欄を備えている。バックアップ対象の欄は、バックアップの対象が示されている。また、バックアップ要否の欄は、各病院の運用として、バックアップ対象についてバックアップをする必要があるものには要が記載され、バックアップをする必要がないものには不要が記載されている。この要や不要はフラグに該当する。また、サーバ確認の欄は、画像サーバ400に画像データが送信されているか否かの問い合わせが、必要か不要かを示している。また、予約確認日数の欄は、例えば、次回の検査予約が入っている現在から見たこの先の日数として、次回の検査までの日数を規定している。
運用テーブル1(運用例1)では、例えば、プロテクトされた画像データと、プロテクトされた生データは、ともにバックアップを必要とする旨が設定されている。また、画像サーバ400に未送信な未送信画像データは、バックアップを必要とする旨が設定されており、送信先の画像サーバ400に問い合わせが必要であることが示されている。一方、画像サーバ400に未送信な未送信生データは、バックアップを不要とする旨が設定されており、かつ送信先の画像サーバ400に問い合わせが不要であることを示している。また、検査予約済患者画像データは、次回の検査予約が入っている患者について、画像データに対してバックアップを必要とする旨が設定されており、この先10日間、すなわち、向こう10日間の予約を対象とすることを示している。一方、検査予約済患者生データは、バックアップを不要とする旨が設定されている。
運用テーブル2(運用例2)は、他の病院の運用例を示したものである。運用例2が運用例1と異なる点は、プロテクトされた生データと、未送信生データの設定である。運用例2では、例えば、プロテクトされた生データは、バックアップを不要とする旨が設定されている。また、未送信生データは、画像サーバ400に送信してバックアップを必要とする旨の設定がされており、送信先の画像サーバ400に問い合わせが必要であることを示している。
運用テーブル3(運用例3)は、また別の運用を行う病院の運用例を示したものである。運用例3では、例えば、プロテクトされた画像データは、プロテクトされていてもバックアップが不要であることを示しており、プロテクトされた生データのみバックアップを必要とする旨の設定がされている。この場合、生データをバックアップすることにより、画像データをバックアップしなくても、例えば、生データを再構成することにより、画像データを生成することができるので、運用として可能である。なお、その他の画像データや生データに対しては、バックアップを必要としない設定がされている。
図4は、ある病院の運用として、画像サーバ400に画像データを送信する場合の送信先を示した送信先定義テーブルを示した図である。この送信先定義テーブルも記憶回路250に記憶されている。
図4では、例えば、全ての画像データを画像サーバ400に送信する運用をしている場合において、画像データの種類に応じて送信先の画像サーバ400を定義していることを示している。例えば、高精細画像データ(薄切り)は、画像サーバ400Aに送信され、一方、高精細画像データ(厚切り)は、画像サーバ400Bに送信されることを示している。また、通常画像データ(薄切り)は、画像サーバ400Aに送信され、一方、通常画像データ(厚切り)は、画像サーバ400Bに送信されることを示している。
送信先定義テーブルを参照することにより、処理回路210は、例えば、バックアップ対象の画像データの解像度に応じて(高精細の解像度か通常の解像度かに応じて)、或いは、スライス厚に応じて(薄切りか厚切りかに応じて)、送信する画像サーバを特定することができる。
次に、実施形態の医用画像管理装置200の詳細な動作について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
(バックアップ開始処理)
図5は、実施形態の医用画像管理装置200が、バックアップデバイス300の接続を検出してから、バックアップを開始するまでのバックアップ開始処理の動作を示すフローチャートである。なお、図5において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
まず、サービスエンジニアやサービスマンなどのユーザがバックアップデバイス300を医用画像管理装置200に接続する。そして、そのユーザは、医用画像管理装置200に、サービスを担当するアカウント名でログインする。
医用画像管理装置200は、ディスプレイ240にサービスに関するツールを表示し、ユーザがバックアップツールを選択すると、バックアップデバイス300の接続を検出する(ステップS001)。医用画像管理装置200は、例えば、USB I/F回路270に接続されたバックアップデバイス300をバックアップ先として、バックアップ画面に表示する。
図6は、医用画像管理装置200のディスプレイ240に表示されたバックアップ画面の表示画面例を示した図である。
図6に示すように、ディスプレイ240には、バックアップとリストアを選択する項目があり、そのうちバックアップ先が表示されている。バックアップ先はプルダウンボタンで選択できるようになっており、図6では、バックアップデバイス300の一例として、USB−HDDが表示されている。
ここで、ユーザがUSB−HDDを選択し、OKボタンを押下すると、医用画像管理装置200は、各テーブルを読み込む(ステップS003)。例えば、医用画像管理装置200は、図3に示した病院ごとの運用テーブルや図4に示した送信先定義テーブルを読み込む。また、医用画像管理装置200は、バックアップデバイス300の書き込み速度及び読み出し速度が規定された速度テーブルも読み込む。なお、この速度テーブルも、記憶回路250に記憶されている。
図7は、バックアップ先として選択可能なバックアップデバイスの種類と、そのバックアップ及びリストアを計算するための速度テーブルを示した図である。
図7に示すように、デバイス毎の速度テーブルは、デバイス、Write速度[MB/s]及びRead速度[MB/s]の欄を有している。この速度テーブルでは、デバイスがDVD−RAMの場合は、Write速度が50[MB/s]であり、Read速度が80[MB/s]であることを示している。また、デバイスがUSB−HDDの場合は、Write速度が200[MB/s]であり、Read速度が300[MB/s]であることを示している。
次に、医用画像管理装置200は、運用テーブルを参照しながら、データベース220に格納されている画像データや生データがバックアップを必要としているか否かを判定する。医用画像管理装置200は、例えば、データベース220に格納されているデータが生データか否かを判定して(ステップS005)、対象が生データの場合には(ステップS005のYES)、バックアップデータの要否処理を実行する(ステップS007A)。
一方、対象が生データでない場合は(ステップS005のNO)、対象が画像データか否かを判定し(ステップS009)、対象が画像データの場合には(ステップS009のYES)、バックアップデータの要否処理を実行する(ステップS007B)。
ここで、ステップS007Aのバックアップデータの要否処理は、生データに対して行う処理であり、ステップS007Bのバックアップデータの要否処理は、画像データに対して行う処理である。両者の処理の内容の違いは、データの種別が異なることと、運用の設定が個別に可能な点で異なる。したがって、ここでは、生データのバックアップデータの要否処理を例に説明する。
図8及び図9は、生データのバックアップデータの要否処理を示したサブルーチンである。
まず、医用画像管理装置200の処理回路210は、ステップS003において、記憶回路250から運用テーブルを取得する。処理回路210は、例えば、図3(a)や図3(b)のような運用テーブルを取得する。
処理回路210は、取得した運用テーブルを参照し、生データがバックアップ対象となっているか判定する。ここで、処理回路210は、プロテクトの設定されている生データが対象か否かを判定し(ステップS101)、プロテクトの設定されている生データが対象の場合には(ステップS101のYES)、バックアップをする必要がある旨を示す要か否かを判定する(ステップS103)。
そして、処理回路210は、プロテクトの設定されている生データが、バックアップをする必要がある旨を示す要の場合には(ステップS103のYES)、その生データを、バックアップの対象とする(ステップS121)。
一方、プロテクトの設定されている生データがバックアップ対象でない場合や(ステップS101のNO)、または、バックアップをする必要がない旨を示す不要の場合には(ステップS103のNO)、次の判定として、未送信の生データをバックアップの対象としているか否かを判定する(ステップS105)。
ここで、処理回路210は、運用テーブルにおいて、未送信の生データをバックアップ対象としている場合には(ステップS105のYES)、その生データが画像サーバ400に送信済みか否かを、送信履歴データベース226を参照して、判断する(ステップS107)。処理回路210は、その生データが画像サーバ400に送信済みでない場合には(ステップS109のNO)、その生データを、バックアップの対象とする(ステップS121)。
これに対し、処理回路210は、その生データが画像サーバ400に送信済みの場合には(ステップS109のYES)、画像サーバ400に対して、その生データが実際に格納されているか否かの問い合わせを行う(ステップS111)。例えば、処理回路210は、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格のQ/R(Query Retrieve) FINDというコマンドを利用して、送信先の画像サーバ400に生データが格納されているか判定し(ステップS113)、画像サーバに格納されていない場合には(ステップS113のNO)、その生データをバックアップの対象とする(ステップS121)。
また、処理回路210は、次の判定として、その生データが画像サーバに格納されている場合(ステップS113のYES)、運用テーブルにおいて、検査予約済患者生データをバックアップする必要があるか否かを判定し(ステップS115)、検査予約済患者生データをバックアップの対象としている場合には(ステップS115のYES)、例えば、MWMサーバ500に検査予約が入っているかの問い合わせを行い(ステップS117)、次回の検査予約が入っている場合には(ステップS119のYES)、その生データをバックアップの対象とする(ステップS121)。
そして、処理回路210は、前述した速度テーブルを参照し、バックアップの対象となったそれぞれの生データについて、バックアップ時間を算出し、算出したそれぞれのバックアップ時間をトータルバックアップ時間に足し込んで、バックアップ対象となるすべての生データの合計バックアップ時間を求める(ステップS123)。そして、バックアップデータの要否処理を終了し、図5のステップS011に移行する。
なお、検査予約済患者生データをバックアップの対象としていない場合や(ステップS115のNO)、次回の検査予約が入っていない場合にも(ステップS119のNO)、バックアップデータの要否処理を終了する。
処理回路210は、1つの生データのバックアップデータの要否処理(ステップS007A)または、1つの画像データのバックアップデータの要否処理(ステップS007B)が終了すると、図5のステップS011に進み、データベース220に格納されている生データと画像データとの全てについて判定したか判断する(ステップS011)。そして、判定していない生データや画像データが存在する場合には(ステップS011のNO)、処理回路210は、ステップS005に戻り、同様の処理を繰り返す。
一方、生データと画像データの全てについてバックアップの要否を判定した場合には(ステップS011のYES)、処理回路210は、ディスプレイ240にバックアップに関する確認メッセージを表示するとともに、バックアップを開始するか否かの入力を受け付ける(ステップS013)。
図10は、医用画像管理装置200のディスプレイ240に表示されたバックアップを開始する旨の表示画面を示した表示画面例である。
図10に示すように、ディスプレイ240には、バックアップに要する時間が表示され、バックアップを開始する場合には、OKボタンを押下するようになっている。また、ディスプレイ240には、バックアップをキャンセルするCancelボタンも設けられており、Cancelボタンを押下することにより、バックアップを中止することもできる。
図5のフローチャートにおいて、処理回路210は、バックアップを開始することを示すOKボタンが押下された場合には(ステップS015のYES)、バックアップを開始する(ステップS017)。
一方、バックアップを開始しないことを示すCancelボタンが押下された場合には(ステップS015のNO)、バックアップをせずに終了する。なお、ステップS009において、対象が画像データでない場合にも(ステップS009のNO)、バックアップをせずに終了する。
図11は、医用画像管理装置200のデータベース220の画像データまたは生データが、バックアップデバイス300にバックアップされたときのバックアップ管理データ302を示した図である。
図11に示すように、バックアップ管理データ302は、医用画像管理装置200のデータベース220から、バックアップデバイス300に格納されたバックアップ検査データ304の一覧を示している。
バックアップ管理データ302は、検査、データ数、トータルサイズ[MB]、属性、バックアップ理由及びリストア状況の欄を有している。バックアップ検査データ304は、検査と関係づけられており、検査の欄には、それぞれのバックアップ検査データ304の識別番号等の識別情報が示され、データ数の欄にはそのバックアップ検査データ304のデータ数が示されている。また、トータルサイズの欄には、そのバックアップ検査データ304のトータルのデータサイズが示されており、属性の欄には、バックアップ検査データ304が画像データであるのか生データであるのかを示す属性の識別が示されている。また、バックアップ理由の欄には、その病院における運用として、バックアップ理由が記載されており、リストア状況の欄には、リストアがされたか否かが示されている。
なお、バックアップデバイス300にバックアップされた直後は、まだリストアは実行されていないので、まだリストアが実行されていないことを示す、「未」が記載されている。
例えば、検査「111」は、データ数が「100」であり、トータルのデータサイズは、50[MB]であり、属性は、「画像データ」であり、バックアップ理由は、画像サーバに未送信であることを示す「未送信」と記載されている。また、検査「222」は、データ数が「2000」であり、トータルのデータサイズは、1000[MB]であり、属性は、「画像データ」であり、バックアップ理由は、「未送信」と記載されている。
また、検査「333」は、データ数が「10」であり、トータルのデータサイズは、2000[MB]であり、属性は、「生データ」であり、バックアップ理由は、プロテクトが設定されたことを示す「プロテクト」と記載されている。また、検査「444」は、データ数が「200」であり、トータルのデータサイズは、100[MB]であり、属性は、「画像データ」であり、バックアップ理由は、「プロテクト」と記載されている。また、検査「555」は、データ数が「400」であり、トータルのデータサイズは、200[MB]であり、属性は、「画像データ」であり、バックアップ理由は、次回の検査予約が入っていることを示す「検査予約済」と記載されている。
バックアップデバイス300に、上記のバックアップ管理データ302と、バックアップの対象である画像データや生データからなるバックアップ検査データ304を保存する(即ち、バックアップする)ことにより、バックアップ処理を終了する。
次に、実施形態の医用画像管理装置200のリストアの動作について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
(リストア開始処理)
図12は、実施形態の医用画像管理装置200が、バックアップデバイス300の接続を検出してから、リストアを開始するまでのリストア開始処理の動作を示すフローチャートである。なお、図12において、Sに数字を付した符号は、フローチャートの各ステップを示している。
なお、リストアとは、外部のバックアップデバイス300に記憶させた画像データや生データを、データベース220の記憶されていた元の記憶領域に、復元することを意味するものとする。
図12に示すように、まず、ユーザがバックアップデバイス300を接続する。そして、そのユーザは、医用画像管理装置200に、サービスを担当するアカウント名でログインする。
医用画像管理装置200は、ディスプレイ240にサービスに関するツールを表示し、ユーザがリストアツールを選択すると、バックアップデバイス300の接続を検出する(ステップS201)。医用画像管理装置200は、例えば、USB I/F回路270に接続されたバックアップデバイス300をリストア元として、リストア画面に表示する。
図13は、医用画像管理装置200のディスプレイ240に表示されたリストア画面の表示画面例を示した図である。
図13に示すように、ディスプレイ240には、バックアップとリストアを選択する項目があり、そのうちリストア先が表示されている。リストア先はプルダウンボタンで選択できるようになっており、図13では、バックアップデバイス300の一例として、USB−HDDが表示されている。
ここで、ユーザがUSB−HDDを選択し、OKボタンを押下すると、医用画像管理装置200は、各テーブルを読み込む(ステップS203)。例えば、医用画像管理装置200は、テーブルの一例として、図7に示した速度テーブルなどを読み込む。
次に、医用画像管理装置200の処理回路210は、バックアップ管理データ302を読み込む(ステップS205)。処理回路210は、速度テーブルと、バックアップ管理データ302とから、各検査のデータのリストアに必要なリストア時間をそれぞれ算出し、トータルリストア時間を足し込む(ステップS207)。
処理回路210は、ディスプレイ240にリストアに関する確認メッセージを表示するとともに、リストアを開始するか否かの入力を受け付ける(ステップS209)。
図14は、医用画像管理装置200のディスプレイ240に表示されたリストアを開始する旨の表示画面を示した表示画面例である。
図14に示すように、ディスプレイ240には、リストアに要する時間が表示され、リストアを開始する場合には、OKボタンを押下するようになっている。また、ディスプレイ240には、リストアをキャンセルするCancelボタンも設けられており、リストアを中止することもできる。
処理回路210は、リストアを開始することを示すOKボタンが押下された場合には(ステップS211のYES)、リストアを開始する(ステップS213)。
一方、リストアを開始しないことを示すCancelボタンが押下された場合には(ステップS211のNO)、リストアをせずに終了する。
以上説明したように、医用画像処理装置300は、画像データが記憶されているデータベース220と、バックアップを制御する制御機能212を備えている。処理回路210は、データベース220に記憶されている画像データが、検査予約が入っている患者の画像データに該当する場合は、その画像データを、データベース220から外部のバックアップデバイス300にバックアップする。
これにより、実施形態の医用画像管理装置200は、画像データのバックアップ作業及びリストア作業を効率的に実施し、ユーザの作業時間を減らすと共に、装置の非稼働時間を軽減することができる。
なお、実施形態では、病院ごとの設定された運用テーブルにより自動的にバックアップ及びリストアを実行することができるが、医用画像管理装置200では、さらにユーザによってバックアップする画像データや生データを個別に設定することもできる。
(第1の変形例)
例えば、ある病院の運用例として、生データにプロテクトを設定し、後で再構成を実施する運用を行っていたと仮定する。そして、バックアップ時間に余裕がある場合であって、生データを再構成する際に参照可能な画像データが存在する場合には、その画像データもバックアップ対象とすることができる。
その反対に、バックアップ時間に余裕がない場合には、バックアップするデータを減らすこともできる。例えば、病院の運用例によっては、検査予約が入っている患者について、過去の検査結果を参照する運用をしている場合、その患者の画像データが画像サーバに送信済みの場合は、バックアップおよびリストアをせず、その画像サーバからリストア時に、リトリーブするようにしてもよい。
また、病院の運用例によっては、生データや画像データの全てを画像サーバに送信する運用している場合において、データベース220に未送信の画像データが存在する場合、生データのバックアップ時間の方が画像データのバックアップ時間より速い場合は、画像データではなく、生データとその再構成の方法とをバックアップするようにしてもよい。同様に、画像処理後の画像データが存在する場合に、処理前画像データをバックアップして画像処理を実行する方がバックアップ時間が速い場合は、処理前画像データと画像処理方法をバックアップするようにしてもよい。
例えば、医用画像管理装置200は、バックアップする画像データを、外部のバックアップデバイス300に記憶させる際に要する合計時間を計算し、その合計時間を表示する。処理回路210は、表示された合計時間により、ユーザの指示に応じて、外部のバックアップデバイス300にバックアップする画像データのうち、一部の画像データをバックアップの対象から除外する設定を受け付ける。
また、処理回路210は、表示された合計時間により、ユーザの指示に応じて、データベース220に記憶されている画像データのうちバックアップしない画像データを、外部のバックアップデバイス300に、さらにバックアップする設定を受け付ける。
図15及び図16は、図5で示したバックアップ開始処理の動作を示すフローチャートに、さらに、バックアップ時間における余裕の有無に応じて、バックアップ対象を増やす処理や減らす処理の動作を示すフローチャートである。
図15と図16に示すフローチャートが、図5に示すフローチャートと異なる点は、図5のステップS013において、バックアップ画面の表示方法が変更され、バックアップ対象を増やしたり、減らすことの選択ができる点である。
図17は、図15のステップS013Aにおいて、医用画像管理装置200のディスプレイ240に表示されたバックアップ画面の表示画面例を示した図である。
図17に示すように、ディスプレイ240には、バックアップに要する時間が表示され、このままバックアップを実施(すなわち開始)する場合には、OKボタンを押下する。図17では、さらに、バックアップ対象を増やすか減らす選択をすることができるボタンも表示されている。増やすボタンを押下すると、バックアップ対象を増やすことができ、一方、減らすボタンを押下すると、バックアップ対象を減らすことができる。なお、Cancelボタンは、前述したように、バックアップを中止する。
処理回路210は、ディスプレイ240に表示された表示画面により、バックアップを開始するOKボタンが押下されなかった場合は(図15のステップS015AのNO)、図16のステップS019に進み、ユーザの入力は、バックアップを増やす処理が選択されたか否かの判定を行う(ステップS019)。
処理回路210は、バックアップを増やす処理が選択された場合には(ステップS019のYES)、増やす処理を行う(ステップS021)。
図18は、増やす処理を示したサブルーチンである。
医用画像管理装置200の処理回路210は、検査一覧を示したバックアップ一覧を、記憶回路250から取得する。
バックアップ一覧には、例えば、検査、データ数、トータルサイズ[MB]及びバックアップ対象の欄を有している。
バックアップ一覧では、例えば、複数種類の検査を示しており、各検査に、データ数と、トータルサイズ[MB]がそれぞれ記載されている。
次に、処理回路210は、既にバックアップの対象となっている全ての検査に、バックアップの対象であることを示すチェックを入れる(ステップS303)。
処理回路210は、バックアップ対象にチェックを入れた状態で、ディスプレイ240に一覧で表示する(ステップS305)。
図19は、医用画像管理装置200のデータベース220に記憶されている検査一覧の一例を示したバックアップ一覧を示す図である。
図19に示すように、バックアップ一覧には、検査、データ数、トータルサイズ[MB]及びバックアップ対象の欄を有している。
このバックアップ一覧では、例えば、検査が「111」から「777−1」までの10種類の検査を示しており、各検査に、データ数と、トータルサイズ[MB]がそれぞれ記載されている。また、バックアップの対象として、検査「111」、「111−1」、「222」、「333」、「444」、「555」にチェックが入っている。
処理回路210は、ユーザの選択を受け付けるようになっており(ステップS307)、例えば、検査「111−2」、「666」、「777」、「777−1」などの検査について、バックアップ対象の追加を受け付ける。
処理回路210は、図19のバックアップ対象のチェックの追加を受け付けると、そのユーザによる追加を反映し、バックアップ時間を再計算する(ステップS309)。処理回路210は、再計算したバックアップ時間を更新し、バックアップ一覧の下欄に表示されているバックアップ予定時間を変更する。
処理回路210は、ユーザの入力を待ち受けており(ステップS311)、OKボタンが押下されると、ユーザの入力は完了し(ステップS311のYES)、図15のステップS013Aに移動する。ユーザの入力が完了しない場合は(ステップS311のNO)、再度、ユーザによる追加を受け付ける(ステップS307)。
他方、処理回路210は、バックアップを増やす処理が選択されなかった場合には(図16のステップS019のNO)、バックアップを減らす処理が選択されたか否かの判定を行い(ステップS023)、減らす処理が選択された場合には(ステップS023のYES)、減らす処理が実行される(ステップS025)。
図20及ぶ図21は、減らす処理を示したサブルーチンである。なお、処理回路210は、例えば、図15のステップS003Aにおいて、図22に示す各テーブルを読み込むことを想定する。
図22は、減らす処理を実行する際に参照するテーブル群を示した図である。
図22(a)は、図3で示した運用テーブル1に、リストア優先度を設けたテーブルである。このテーブルは、リストア優先度に応じて、生データや画像データのバックアップを減らすことができる。例えば、プロテクトされた画像データや生データは、リストア優先度が高いため、バックアップし、かつ、リストアをすることを示している。未送信画像データと未送信生データは、リストア優先度が中であるため、バックアップ時間によっては、バックアップせず、画像サーバからリトリーブすることができる。また、検査予約済患者の生データおよび画像データは、いずれもリストア度が低いため、バックアップ時間に余裕がない場合には、画像サーバ名と検査の識別子をバックアップの対象とすることができる。なお、リストア優先度の詳細については、バックアップを減らす処理とリストアを減らす処理が関連しているため、第2の変形例でも説明する。
図22(b)は、生データに再構成を処理する際の再構成の種類と、再構成時間を示したテーブルである。再構成種は、例えば、3つの再構成の方法が記載されており、それぞれの再構成に要する速度として、IRは、1[f/s]と、再生構成関数Aは、10[f/s]と、再構成関数Bは、50[f/s]と、記載されている。
図22(c)は、画像データに画像処理を施す際の画像処理の種類と、処理速度を示したテーブルである。画像処理種は、例えば、3つの画像処理の方法が記載されており、それぞれの画像処理に要する速度として、MPRは、5[f/s]と、MIPは、5[f/s]と、Substractionは、10[f/s]と、記載されている。
図22(d)は、画像サーバ400A、400Bから生データや画像データを受信するときの受信速度を示したテーブルである。サーバには、画像サーバ400A、400Bのサーバ名が記載されており、画像サーバ400Aの受信速度は、20[f/s]と、画像サーバ400Bの受信速度は、10[f/s]と、記載されている。
図20のフローチャートを参照すると、処理回路210は、例えば、リストア優先度の低い画像データから判定することができ、対象が、検査予約済患者画像データか否かを判定する(ステップS401)。処理回路210は、対象が、検査予約済患者画像データの場合には(ステップS401のYES)、例えば、画像サーバ400に問い合わせをして画像データの存在を確認する(ステップS403)。そして、画像サーバ400に検査に対応する画像データが存在する場合には(ステップS405のYES)、その画像データの識別子と画像サーバ名を、バックアップの候補とする(ステップS407)。
一方、対象が、検査予約済患者画像データでない場合や(ステップS401のNO)、画像サーバ400に検査に対応する画像データが存在しない場合には(ステップS405のNO)、次に、生データか画像データの処理後のデータが存在するか否かの判定する(ステップS409)。処理後の生データか画像データが存在する場合(ステップS409のYES)、処理前の生データか画像データと、その処理方法を、バックアップの候補とする(ステップS411)。
処理後の生データか画像データが存在しない場合は(ステップS409のNO)、対応する生データが存在するか否かを判定する(ステップS413)。そして、対応する生データが存在する場合には(ステップS413のYES)、生データのバックアップ時間と、画像データのバックアップ時間をそれぞれ算出する(ステップS415)。
そして、生データのバックアップ時間の方が、画像データのバックアップ時間より速い場合には(ステップS417のYES)、生データとその再構成方法を、バックアップの候補とする(ステップS419)。
一方、対応する生データが存在しない場合や(ステップS413のNO)、生データのバックアップ時間の方が、画像データのバックアップ時間より遅い場合には(ステップS417のNO)、バックアップ時間を短くする候補とならないので、図21のステップS421に進み、全ての検査について判定したか判断する(ステップS421)。
この実施形態では、生データを再構成したり画像データを画像処理すると、一般的には、処理後のデータの方が処理前のデータよりも容量が大きくなるため、処理後のデータをそのままバックアップするとバックアップ時間がより多く必要となる。そこで、例えば、処理前のデータが存在する場合、すなわち、再構成する前の生データや、画像処理をする前の画像データの方が存在する場合には、処理前のデータの方がバックアップ時間が速いと判断し、自動的にバックアップの候補とする。
処理回路210は、全ての検査について判定したか判断し(ステップS421)、まだ判定していない他の検査がある場合には(ステップS421のNO)、ステップS401から繰り返す。そして、全ての検査について判定した場合は(ステップS421のYES)、バックアップ管理データ302を生成するともに、バックアップ一覧を表示する(ステップS423)。
図23は、バックアップを減らす処理を実行したときのバックアップ管理データ302Cを示した図である。図23では、図11に示したバックアップ管理データ302に対して、リストア優先度を付加するとともに、運用によって、バックアップ時間が短くなるように、バックアップの候補が選択されたことを示している。
例えば、図23の検査「222」は、図11の検査「222」に対応するが、図11の属性は「画像データ」であったため、生データとその再構成方法をバックアップとして保存する方がバックアップ時間が速いため、属性が「生データ+再構成方法」に変更されている。また、リストア優先度が低いため、生データをリストアした後、別途、再構成を後から実行する。
また、図23の検査「444」は、図11の検査「444」に対応するが、図11の属性は、「画像データ」であったが、例えば、処理前画像データと、その画像処理方法を、バックアップとして保存する方が、処理後画像データのバックアップ時間よりも速いため、属性が「画像データ+画像処理方法」に変更されている。また、リストア優先度が高いため、画像データをリストアした後、早期に画像処理を実行することが好ましい。
また、図23の検査「555」は、図11の検査「555」に対応するが、図11の属性は「画像データ」であったが、検査予約済患者画像データに該当し、画像サーバ400などの外部のサーバに送信されていることから、属性が「画像識別子+サーバ名」に変更されている。この場合、画像データそのものはバックアップしないため、バックアップ時間を大幅に短縮することができる。
図24は、バックアップを減らす処理を実行し、ディスプレイ240にバックアップ一覧を表示させたときの表示画面例を示した図である。
図24に示すように、バックアップを減らす処理を実行したときは、図23のバックアップ管理データ302Cに対応したバックアップする内容を、ディスプレイ240に表示させている。図24では、検査、データ数、トータルサイズ[MB]、バックアップ種の欄を備えている。
このバックアップ一覧では、バックアップ種の欄において、「生データ、画像データ、そのもの」、「生データ+再構成方法」、「画像データ+画像処理方法」及び「リストア時に画像サーバから取得」の欄を備えている。
図23と同様に、図24の検査「222」は、図11の検査「222」に対応するが、生データとその再構成方法をバックアップとして保存する方が、バックアップ時間が速いため、「生データ+再構成方法」でバックアップすることを示している。また、図24の検査「444」は、図11の検査「444」に対応するが、例えば、処理前の画像データと、その画像処理方法をバックアップとして保存する方が、バックアップ時間が速いため、「画像データ+画像処理方法」により、バックアップすることを示している。図24の検査「555」は、図11の検査「555」に対応するが、検査予約済患者画像データに該当し、リストア時に、画像サーバ400などの外部のサーバから画像識別子が示す画像データを取得することを示している。
図21のフローチャートに戻り、処理回路210は、ユーザの選択を受け付けるようになっており(ステップS425)、例えば、図24の表示画面において、入力回路230を使用してラジオボタンを変更することにより、バックアップの選択を受け付ける。
処理回路210は、ユーザによる選択を反映し、バックアップ時間を再計算する(ステップS427)。処理回路210は、バックアップ時間を再計算すると、例えば、ディスプレイ240のバックアップ一覧の下欄にバックアップ予定時間を表示する。
処理回路210は、ユーザがOKボタンを押下することにより、ユーザの入力は完了し(ステップS429のYES)、バックアップを減らす処理を終了する。一方、ユーザの入力が完了していない場合には(ステップS425のNO)、引き続き、ユーザの選択を受け付けるようになっている。
処理回路210は、減らす処理が終了すると、図15のステップS013Aに移動して、ステップS013と同様にディスプレイ240にバックアップに関する確認メッセージを表示するとともに、例えば、図17の表示画面により、バックアップを実施(すなわち開始)するか否かの入力を受け付ける(ステップS013A)。
以上説明したように、第1の変形例は、バックアップの対象を増やす処理や減らす処理を実行することができるので、ユーザは、バックアップ時間の余裕の有無に応じて、バックアップ予定時間を調整することができる。
(第2の変形例)
実施形態では、バックアップ時間やリストア時間に余裕がない場合、さらにリストアの方法を変更することにより、リストアに要する時間を削減することできる。
第2の変形例では、処理回路210は、例えば、リストアの対象の画像データに優先順位を割り当てて、その優先順位に従って、リストアの対象の画像データをリストアさせることができる。
図25は、実施形態の医用画像管理装置200が、リストアの処理の対象を減らし、リストアに要する時間を削減する動作を示すフローチャートである。
図25は、図12に示したリストア開始処理の動作を示すフローチャートに対し、ステップS213とステップS215とが追加されている。したがって、ステップS213とステップS215について説明する。
処理回路210は、例えば、ディスプレイ240にリストアに関する確認メッセージを表示するとともに、リストアを開始するか否かの入力を受け付ける(ステップS209)。この場合、処理回路210は、リストア対象を減らすか否かの表示を行なうことができる。
図26は、医用画像管理装置200のディスプレイ240に表示されたリストア対象を減らす旨の表示画面を示した表示画面例である。
図26に示すように、ディスプレイ240には、リストアに要する時間が表示されるとともに、このままリストアを実施するか、リストア対象を減らすか選択することができるようになっている。例えば、ユーザがリストア対象を減らすボタンを押下することにより(ステップS213のYES)、リストアの減らす処理を実行する。
図27及び図28は、リストアの減らす処理を示したサブルーチンである。
まず、医用画像管理装置200の処理回路210は、バックアップ管理データ302を読み込み、リストア優先度を取得する(ステップS501)。例えば、処理回路210は、図23のバックアップ管理データ302Cを読み込み、リストア優先度を取得する。
処理回路210は、画像データや生データについて優先度が低いか否か判定し(ステップS503)、例えば、優先度の低い画像データや生データについては(ステップS503のYES)、リストア対象から除外する(ステップS505)。
一方、優先度の低くない画像データや生データについては(ステップS503のNO)、データの属性が生データと再構成方法(生データ+再構成方法)でバックアップされているか否か判定する(ステップS507)。
ここで、生データと再構成方法でバックアップされている場合には(ステップS507のYES)、その生データについては「後で再構成する」を選択する(ステップS509)。他方、生データと再構成方法でバックアップされていない場合には(ステップS507のNO)、画像データと画像処理方法(画像データ+画像処理方法)でバックアップされているか否か判定する(ステップS511)。
ここで、画像データと画像処理方法でバックアップされている場合には(ステップS511のYES)、「後で画像処理」を選択する(ステップS513)。これに対し、画像データと画像処理方法でバックアップされていない場合には(ステップS511のNO)、画像識別子と画像サーバ(画像識別子+画像サーバ)でバックアップされているか否か判定する(ステップS515)。
そして、画像識別子と画像サーバでバックアップされている場合には(ステップS515のYES)、その画像サーバから後でリトリーブを選択する(ステップS517)。一方、画像識別子と画像サーバでバックアップされていない場合には(ステップS515のNO)、バックアップ対象の全ての生データと画像データについて、判定が済んだか判断するようになっており(ステップS519)、判定が済んでいない生データと画像データについては、ステップS501に戻り、上記の処理を繰り返す。
一方、全ての生データと画像データについて判定が済んだ場合には(ステップS519のYES)、リストア一覧を表示する(ステップS521)。
図29は、リストアを減らす処理を実行し、ディスプレイ240にリストア一覧を表示させたときの表示画面例を示した図である。
図29では、検査、データ数、トータルサイズ[MB]、リストア対象、リストア方法の欄を備えている。
このリストア一覧では、リストア方法の欄において、「完全」、「生データ+再構成方法」、「画像データ+画像処理方法」及び「識別子+画像サーバ」の欄を備えている。
このリストア一覧が、図24のバックアップ一覧と異なるところは、リストア対象の欄と、リストア方法の欄であり、そのバックアップ一覧と異なるところについて説明する。
リストア対象の欄は、チェックボックスによりリストアを実行する選択の入力欄となっており、ユーザの選択を受け付けるようになっている。また、リストア方法は、リストアする方法を示したものであり、リストア対象に選択された検査について、リストアの方法をラジオボタンで選択するようになっている(ステップS523)。
例えば、検査「111」では、リストア対象として選択されており、バックアップした画像データを、そのまま(完全)リストアすることを示している。検査「222」では、リストア対象として選択されていないため、リストア方法を選択することができないようになっている。検査「333」では、リストア対象として選択されており、バックアップした画像データをそのままリストアすることを示している。検査「444」では、リストア対象として選択されており、バックアップした画像データをリストアするとともに、後でその画像データについて画像処理を行うことを示している。検査「555」では、リストア対象として選択されており、後で、例えば、画像サーバ400などから画像識別子をトリガにしてリトリーブすることを示している。
図28のフローチャートに戻り、処理回路210は、ユーザの選択を反映し、リストア時間を再計算する(ステップS525)。処理回路210は、例えば、リストア対象のチェックボックスにおいて、検査が新たに追加されたり、ラジオボタンでリストア方法を変更することにより、リストア時間を再計算し、ディスプレイ240のリストア一覧の下欄にリストア予定時間を表示する。
ユーザがOKボタンを押下することにより、リストアの減らす処理を終了し、処理回路210は、図25のステップS207に移動する。そして、再び、図26の表示画面を表示して、処理回路210は、確認メッセージに表示と、ユーザの入力を受け付けるようになっている(ステップS207)。
以上説明したように、第2の変形例のリストアを減らす処理では、バックアップを減らす処理と連動して、リストアの対象となる検査の画像データや生データのリストア方法をリストア優先順位によって変更することにより、さらにリストアに要する時間を削減することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態では、第1の実施形態において、医用画像管理装置200の状態に応じて、バックアップ対象を最適化するようになっている。
例えば、ソフトウェアのバージョンアップや医用画像管理装置200自体の更新の場合は、第1の実施形態をそのまま適用することができる。一方、例えば、医用画像管理装置200において故障があり、故障部品を交換する場合、故障個所に応じて、バックアップ対象やリストア対象を最適化する必要がある。
例えば、医用画像管理装置200の処理回路210は、バックアップデバイス300にバックアップさせる画像データのうち、故障個所における画像データは、バックアップの対象から除外し、その画像データを生成可能な生データを、データベース220からバックアップデバイス300にバックアップさせる。
図30は、故障個所に応じて、バックアップやリストアの対象を変更する概念を示した最適化テーブルである。
図30に示すように、この最適化テーブルでは、送信履歴、画像データ、生データ及びリストアの対象の欄を有している。この最適化テーブルにおいて、「なし」は「故障無し」を示しており、「故障あり」は、該当するデータを記憶するデータベースが故障していることを示している。また、リストアの対象の欄に記載したデータは、そのデータをバックアップし、バックアップしたデータをそのままリストアの対象とすることを示している。
図30では、例えば、生データデータベース222、画像データデータベース224、及び送信履歴データベース226のいずれもデータベースにも故障がない状態の場合は、画像データと生データの全データをバックアップ及びリストアの対象とすることを示している。また、生データを記憶する生データデータベース222のみが「故障あり」の場合には、生データデータベース222以外の画像データデータベース224の画像データを、バックアップやリストアの対象とすることを示している。また、画像データを記憶する画像データデータベース224のみが「故障あり」の場合には、画像データデータベース224以外の生データデータベース222の生データを、バックアップやリストアの対象とすることを示している。
生データデータベース222および画像データデータベース224が故障している場合には、これらのバックアップを取ることができないため、データベース220をリストアの対象とすることができない。
しかしながら、例えば、図4に示した送信先定義テーブルも参照し、送信履歴データベース226に故障がないことを示す「なし」の場合は、その送信先の画像サーバから画像データをリトリーブすることができる。
すなわち、生データデータベース222や画像データデータベース224が故障している場合は、これらのバックアップを取ることができないが、送信履歴データベース226が「故障なし」の場合には、送信履歴データベース226を参照することができる。参照によって、その生データや画像データが画像サーバ400に送信されていたことが判った場合には、その送信先の画像サーバ400からリトリーブする(取り戻す)ようにしてもよい。なお、生データデータベース222、画像データデータベース224及び送信履歴の全てが「故障あり」を示している場合には、バックアップ及びリストアの対象とすることができない。
以上説明したように、第2の実施形態では、医用画像管理装置200の状態に応じて、バックアップ対象やリストア対象を最適化することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態において例示した、バックアップやリストア時の予定時間の代わりに、希望時間の入力を受け付けるようにしてもよい。
医用画像管理装置200の処理回路210は、例えば、バックアップに要する所定時間の設定を受け付けて、所定時間の近傍で、画像データのバックアップが終了するように、バックアップする画像データを設定する。また、リストアも同様に、リストアに要する所定時間の設定を受け付けて、所定時間の近傍で、画像データのリストアが終了するように、リストアする画像データを設定する。
図31は、バックアップ画面やリストア画面に希望時間を入力し、その希望時間に近い条件で、バックアップやリストアの対象を抽出する表示画面例を示した図である。
図31(a)では、ディスプレイ240において、バックアップ画面に希望時間を入力する例を示している。図31(b)では、ディスプレイ240において、リストア画面に希望時間を入力する例を示している。
第3の実施形態では、第1の実施形態において、バックアップやリストアに必要な時間を算出する計算機能216を利用して、希望時間に近い時間となるようにバックアップやリストアの時間を算出し、バックアップやリストアが希望時間の近傍で終了させることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、画像データのバックアップ作業及びリストア作業を効率的に実施し、サービスエンジニアの作業時間を減らすと共に、装置の非稼働時間を軽減することができる。
ここまで説明してきた各実施形態では、バックアップデバイス300が医用画像管理装置200に接続されるものとしてきたが、バックアップデバイス300をCT装置等のモダリティ100に接続するようにしてもよい。CT装置等のモダリティ100においても、生データデータベース222、画像データデータベース224、及び送信履歴データベース226等を有するデータベース220を備えている場合がある。このような場合、モダリティ100に前述した処理回路210と同様の機能を持たせることにより、医用画像処理装置1を介することなく、CT装置等のモダリティ100に接続されたバックアップデバイス300に、画像データ等を直接バックアップすることができる。
なお、実施形態の説明における処理回路210は、特許請求の範囲の記載におけるバックアップデータ決定部及び記憶処理部の一例である。また、実施形態の説明におけるデータベース220は、特許請求の範囲の記載における画像記憶部の一例である。また、実施形態の説明における記憶回路250は、特許請求の範囲の記載における保存情報記憶部の一例である。また、実施形態の説明におけるバックアップデバイス300は、特許請求の範囲の記載におけるバックアップ装置又は記録媒体の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。