JP2018095616A - アドレノメデュリン徐放性製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】AM含有粒子の安定性を向上させ、AMの半減期が長く、副作用の少ないAM徐放性製剤を提供する。【解決手段】アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩と、レシチンと、乳化剤とを含有する徐放性製剤;及びアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有する内水相と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有する油相とを混合し、乳化させることによりW/Oエマルションを調製する工程と、前記W/Oエマルションと、乳化剤を含有する外水相とを混合し、乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製する工程を含む、前記徐放性製剤の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、アドレノメデュリン又はその修飾体を含有する徐放性製剤に関する。
アドレノメデュリン(adrenomedullin、以下「AM」とも記載する)は、1993年に褐色細胞組織より単離及び同定された生理活性ペプチドである(非特許文献1)。発見当初、AMは強力な血管拡張性の降圧作用を発揮することが判明した。例えば、特許文献1は、ヒトAMのアミノ酸配列を含む血圧降下作用を有するペプチドを記載する。
その後の研究により、AMは心血管保護作用、抗炎症作用、血管新生作用及び組織修復促進作用等の、多彩な薬理作用を発揮することが明らかになった。また、AMの薬理作用を疾患治療に応用することを目指して、種々の疾患患者に対するAMの投与研究が行われてきた。なかでも、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎)や、末梢血管疾患、急性心筋梗塞、肺高血圧症、心不全等の循環器疾患の治療薬としてのAMの有用性が期待されている。
例えば、特許文献2は、アドレノメデュリンもしくはその誘導体であって、非細菌性の炎症を抑制する活性を有するもの、又はそれらの塩であって非細菌性の炎症を抑制する活性を有するものを有効成分として含有する非細菌性の炎症性腸疾患の予防又は治療剤を記載する。
特許文献3は、ステロイド製剤、免疫抑制剤又は生物学的製剤の使用が困難又は効果不十分な炎症性腸疾患の予防又は治療を必要とする患者における前記炎症性腸疾患の予防又は治療方法であって、有効量のアドレノメデュリン、その修飾体であって炎症を抑制する活性を有するもの、又は前記アドレノメデュリンもしくは前記修飾体の塩であって炎症を抑制する活性を有するものを前記患者に投与することを含む前記予防又は治療方法を記載する。
また、AMの構造活性相関研究から、AMの生物活性に寄与し得る必須配列の特定が進められた(非特許文献2〜9)。
一方、AMを単回投与すると、強力な血管拡張作用により、過度の血圧下降や反射性の交惑神経活性上昇に伴う頻脈やレニン活性の上昇を生じる。また、体内での半減期が非常に短く、作用時間は極めて短時問であった。したがって、疾患患者への投与は、投与量を細かく設定して、持続点滴にて行う必要があった。
AMの生体内における半減期を延長する試みとして、各種のAM誘導体が報告されている(特許文献4〜6及び非特許文献10)。
他方、ペプチドの徐放性製剤として、幾つもの徐放製剤製造技術が知られている。AMはペプチドであるから、これらの技術を適用することも可能である。一例を挙げると、AMとコラーゲンとにより徐放性製剤を構成できる。コラーゲンは、生理的条件下でゲル化し得るものであればいかなるものであってもよく、各種のコラーゲンを用いることができる。様々な型の天然型コラーゲンに加え、哺乳動物(例えばウシ、ブタ、ウマ、ウサギ、ネズミ等)や鳥類(例えばニワトリ等)の皮膚、骨、軟骨、腱、臓器等、魚類(例えばタラ、ヒラメ、カレイ、サケ、マス、マグロ、サバ、タイ、イワシ、サメ等)の皮、骨、軟骨、ひれ、うろこ、臓器等、種々の生物由来のコラーゲン、化学修飾したコラーゲン、遺伝子組換え技術によって得られたコラーゲン、又はこれらのコラーゲンの抗原性を抑えるために酵素処理したアテロコラーゲンを用いることができ(特許文献7〜10)、コラーゲンを担体として添加剤としてグリコサミノグリカンを含有することもできる(特許文献11)。このほか、AMと生体内分解性高分子重合物とで徐放性製剤を構成することもできる。生体内分解性高分子重合物には各種の生体内分解性高分子重合物を使うことができ、限定されるものではないが、例えば脂肪酸エステル等(特許文献12〜14)を用いることができる。また、AMを含有するヒドロゲル組成物も徐放性を有する。ヒドロゲルの組成は、各種の親水性ポリマーを使うことができる(特許文献15〜17)。
また、AM封入ナノ粒子として、AM水溶液(内水相)と、乳酸−グリコール酸共重合体のアセトン/エタノールの混液(油相)とからなるポリマー溶液(W/Oエマルション)を製造し、該W/Oエマルションを、ポリビニルアルコール水溶液あるいはポリビニルアルコール水溶液とキトサン溶液の混液(外水相)で更に乳化して得られるW/O/Wエマルションを、有機溶媒留去後、凍結乾燥して得られるAM封入ナノ粒子が報告されている(非特許文献11)。
しかしながら、非特許文献11に記載のAM封入ナノ粒子は粒子の安定性が低いという問題があった。
Kitamura K, Kangawa K, Kawamoto M, Ichiki Y, Nakamura S, Matsuo H, Eto T. Adrenomedullin: a novel hypotensive peptide isolated from human pheochromocytoma. Biochem Biophys Res Commun, 1993年4月30日, 第192(2)巻, pp. 553-60
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中野覚・江頭健輔、「生理活性ペプチド(アドレノメデュリン)封入ナノ粒子によるDDS技術を基盤とする革新的低侵襲血管内ナノ医療の創製」、木村記念循環器財団研究助成業績報告集、第19集、財団法人木村記念循環器財団、平成24年2月14日、p.7〜13
本発明の課題は、AM含有粒子の安定性を向上させ、AMの半減期が長く、副作用の少ないAM徐放性製剤を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩に、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩と、レシチンと、乳化剤とを配合することにより前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩と、レシチンと、乳化剤とを含有する徐放性製剤。
(2)乳化剤がポリビニルアルコール、コール酸、胆汁酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である前記(1)に記載の徐放性製剤。
(3)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)前記(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)前記(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、及び
(vi)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドである前記(1)又は(2)に記載の徐放性製剤。
(4)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;及び
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の徐放性製剤。
(5)内水相にアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有し、油相にポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有し、外水相に乳化剤を含有するW/O/Wエマルションの溶媒除去物を含有する徐放性製剤である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の徐放性製剤。
(6)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有する内水相と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有する油相とを混合し、乳化させることによりW/Oエマルションを調製する工程と、前記W/Oエマルションと、乳化剤を含有する外水相とを混合し、乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製する工程を含む、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の徐放性製剤の製造方法。
(7)W/O/Wエマルションが形成された後、油相に含まれる有機溶媒を除去することを含む前記(6)に記載の製造方法。
(8)W/O/Wエマルションが形成された後、凍結乾燥することを含む前記(6)又は(7)に記載の製造方法。
(1)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩と、レシチンと、乳化剤とを含有する徐放性製剤。
(2)乳化剤がポリビニルアルコール、コール酸、胆汁酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である前記(1)に記載の徐放性製剤。
(3)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)前記(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)前記(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、及び
(vi)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドである前記(1)又は(2)に記載の徐放性製剤。
(4)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;及び
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の徐放性製剤。
(5)内水相にアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有し、油相にポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有し、外水相に乳化剤を含有するW/O/Wエマルションの溶媒除去物を含有する徐放性製剤である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の徐放性製剤。
(6)アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有する内水相と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有する油相とを混合し、乳化させることによりW/Oエマルションを調製する工程と、前記W/Oエマルションと、乳化剤を含有する外水相とを混合し、乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製する工程を含む、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の徐放性製剤の製造方法。
(7)W/O/Wエマルションが形成された後、油相に含まれる有機溶媒を除去することを含む前記(6)に記載の製造方法。
(8)W/O/Wエマルションが形成された後、凍結乾燥することを含む前記(6)又は(7)に記載の製造方法。
本発明により、AM含有粒子の安定性を向上させ、AMの半減期が長く、副作用の少ないAM徐放性製剤を提供することが可能となる。
本発明に用いるアドレノメデュリン(AM)は、ヒト褐色細胞組織より単離及び同定されたヒト由来のペプチド(配列番号1、非特許文献1)だけでなく、例えばブタ(配列番号3)、イヌ(配列番号5)、ウシ(配列番号7)、ラット(配列番号9)又はマウス(配列番号11)等の他の非ヒト哺乳動物(例えば温血動物)由来のペプチド(オーソログ)であってもよい。生体内において、これらのペプチドは、そのアミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しており、且つC末端がアミド化されている。本明細書において、前記ペプチドであってジスルフィド結合及びC末端アミド基を有するものを、「天然型アドレノメデュリン」又は単に「アドレノメデュリン」と記載する場合がある。本発明は、前記のいずれのペプチドに対しても適用することができる。
本明細書において、「C末端のアミド化」は、生体内におけるペプチドの翻訳後修飾の一態様を意味し、具体的には、ペプチドのC末端アミノ酸残基の主鎖カルボキシル基がアミド基の形態へ変換される反応を意味する。また、本明細書において、「システイン残基のジスルフィド結合の形成」又は「システイン残基のジスルフィド化」は、生体内におけるペプチドの翻訳後修飾の一態様を意味し、具体的には、ペプチドのアミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合(-S-S-)を形成する反応を意味する。生体内で産生される多くの生理活性ペプチドは、はじめ分子量のより大きな前駆体タンパク質として生合成され、これが細胞内移行の過程で、C末端アミド化及び/又はシステイン残基のジスルフィド化のような翻訳後修飾反応を受けて、成熟した生理活性ペプチドとなる。C末端のアミド化は、通常は、前駆体タンパク質に対し、C末端アミド化酵素が作用することによって進行する。C末端アミド基を有する生理活性ペプチドの場合、その前駆体タンパク質においては、アミド化されるC末端カルボキシル基にGly残基が結合しており、該Gly残基がC末端アミド化酵素によってC末端アミド基に変換される。また、前駆体タンパク質のC末端側プロペプチドには、例えばLys-Arg又はArg-Arg等の塩基性アミノ酸残基の組合せの繰返し配列が存在する(水野、生化学第61巻、第12号、1435〜1461頁(1989))。システイン残基のジスルフィド化は、酸化的条件下で進行し得る。生体内においては、システイン残基のジスルフィド化は、通常は、前駆体タンパク質に対し、タンパク質ジスルフィド異性化酵素が作用することによって進行する。
本発明において、有効成分として含有されるアドレノメデュリンの修飾体は、アドレノメデュリン活性を有するアドレノメデュリンの修飾体であることが必要である。アドレノメデュリン活性は、特に制限はなく、例えば、心血管保護作用、抗炎症作用、血管新生作用、組織修復促進作用、多臓器不全の抑制作用が挙げられる。本発明において、「アドレノメデュリンの修飾体」は、前記で説明した天然型アドレノメデュリンが化学修飾されたペプチドを意味する。
前記アドレノメデュリン又はアドレノメデュリン活性を有するその修飾体は、
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)前記(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)前記(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、及び
(vi)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドであることが好ましい。
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)前記(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)前記(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、及び
(vi)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドであることが好ましい。
前記(i)〜(vi)のペプチドにおいて、前記(v)に包含される、アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、C末端がアミド化されており、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチドは、成熟した天然型アドレノメデュリンに相当する。前記(i)のアドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチドは、C末端アミド化及びシステイン残基のジスルフィド化の翻訳後修飾を受ける前の(すなわち未成熟な)形態の天然型アドレノメデュリンに相当する。前記(i)〜(vi)のペプチドにおいて、前記で説明したペプチドを除く他のペプチドは、アドレノメデュリンの修飾体に相当する。
前記(ii)のペプチドは、前記(i)のペプチドの2個のシステイン残基のチオール基を空気酸化するか、又は適切な酸化剤を用いて酸化してジスルフィド結合に変換することにより、形成させることができる。前記(ii)のペプチドの立体構造は、天然型アドレノメデュリンの立体構造と実質的に略同等となる。これにより、アドレノメデュリンの修飾体のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。
前記(iii)のペプチドは、前記(ii)のペプチドのジスルフィド結合をエチレン基に変換することにより、形成させることができる。ジスルフィド結合からエチレン基への置換は、当該技術分野で周知の方法により、行うことができる(O. Kellerら, Helv. Chim. Acta, 1974年, 第57巻, p. 1253)。前記(iii)のペプチドを用いることにより、該ペプチドの立体構造を安定化させることができる。それ故、前記(iii)のペプチドからなるアドレノメデュリンの修飾体は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。
前記(iv)のペプチドにおいて、欠失、置換もしくは付加されているアミノ酸残基は、1〜12個の範囲であることが好ましく、1〜10個の範囲であることがより好ましく、1〜8個の範囲であることが更に好ましく、1〜5個の範囲であることが特に好ましく、1〜3個の範囲であることが最も好ましい。好適な前記(iv)のペプチドは、前記(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、N末端側から1〜15位、1〜12位、1〜10位、1〜8位、1〜5位又は1〜3位のアミノ酸が欠失されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチドである。前記好適なペプチドにおいて、1又は複数個(例えば、1〜5個、1〜3個、又は1もしくは2個)のアミノ酸が更に欠失、置換もしくは付加されていてもよい。前記(iv)のペプチドを用いることにより、該ペプチドのアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。
前記(vi)のペプチドは、C末端アミド化酵素の作用によってC末端のグリシン残基がC末端アミド基に変換されて、前記(v)のペプチドに変換されることができる。それ故、前記(vi)のペプチドを対象に投与することにより、該対象の生体内において、一定時間経過後に、C末端アミド化されたペプチドを形成させることができる。これにより、前記(vi)のペプチドからなるアドレノメデュリンの修飾体は、生体内において、持続的にアドレノメデュリン活性を発現することができる。
前記アドレノメデュリン又はその修飾体は、
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;及び
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドであることがより好ましい。
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;及び
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドであることがより好ましい。
前記(h)のペプチドにおいて、欠失、置換もしくは付加されているアミノ酸残基は、1〜12個の範囲であることが好ましく、1〜10個の範囲であることがより好ましく、1〜8個の範囲であることが更に好ましく、1〜5個の範囲であることが特に好ましく、1〜3個の範囲であることが最も好ましい。好適な前記(h)のペプチドは、前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、N末端側から1〜15位、1〜12位、1〜10位、1〜8位、1〜5位又は1〜3位のアミノ酸が欠失されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチドである。前記好適なペプチドにおいて、1又は複数個(例えば、1〜5個、1〜3個、又は1もしくは2個)のアミノ酸が更に欠失、置換もしくは付加されていてもよい。前記(h)のペプチドを用いることにより、該ペプチドのアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。
本発明において、アドレノメデュリン又はその修飾体は、該化合物自体だけでなく、塩の形態で用いることもできる。アドレノメデュリン又はその修飾体が塩の形態である場合、薬学的に許容し得る塩であることが好ましく、アドレノメデュリン活性を有する薬学的に許容し得る塩であることがより好ましい。本発明の化合物の塩の対イオンとしては、限定するものではないが、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、もしくは置換もしくは非置換のアンモニウムイオンのようなカチオン、又は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、過塩素酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イオン、マレイン酸イオン、ヒドロキシマレイン酸イオン、メチルマレイン酸イオン、フマル酸イオン、アジピン酸イオン、安息香酸イオン、2-アセトキシ安息香酸イオン、p-アミノ安息香酸イオン、ニコチン酸イオン、ケイ皮酸イオン、アスコルビン酸イオン、パモ酸イオン、コハク酸イオン、サリチル酸イオン、ビスメチレンサリチル酸イオン、シュウ酸イオン、酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン、グルコン酸イオン、アスパラギン酸イオン、ステアリン酸イオン、パルミチン酸イオン、イタコン酸イオン、グリコール酸イオン、グルタミン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、シクロヘキシルスルファミン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、イセチオン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、もしくはナフタレンスルホン酸イオンのようなアニオンが好ましい。アドレノメデュリン又はその修飾体が前記の対イオンとの塩の形態である場合、該化合物のアドレノメデュリン活性を、天然型アドレノメデュリンと実質的に略同等のものとすることができる。
本発明の徐放性製剤は、生分解性ポリマーとしてポリ乳酸(PLA)又は乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)を含有する。必要に応じて、ポリエチレングリコール(PEG)−PLA、PEG−PLGAを全生分解性ポリマーに対して1〜20%程度混入させてもよい。
本発明の徐放性製剤は、AM含有粒子の安定性を向上させるため、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩とともにレシチンを含有する。
ポリ乳酸及び乳酸−グリコール酸共重合体における乳酸としては、L−体、D−体及びこれらの混合物のいずれでもよい。
前記ポリ乳酸の重量平均分子量は、好ましくは約1,500〜約30,000、更に好ましくは約2,000〜約20,000、特に好ましくは約3,000〜約15,000である。
本発明において乳酸−グリコール酸共重合体とは、乳酸とグリコール酸とから構成される重合体を意味する。本発明に用いる乳酸−グリコール酸共重合体におけるグリコール酸含有量は0重量%を超え約80重量%以下であるが、好ましくは約1重量%〜約55重量%、更に好ましくは約5重量%〜約55重量%である。
本発明に用いる乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量は、好ましくは約1,500〜約70,000、更に好ましくは約5,000〜約70,000、特に好ましくは約6,000〜約55,000である。
乳酸−グリコール酸共重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは約1.2〜約4.0、更に好ましくは約1.5〜約3.5である。
本明細書で用いられる重量平均分子量及び分散度は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した値を意味する。重量平均分子量及び各重合体含有量は、例えば、単分散ポリスチレンを基準物質としてGPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量及びそれらから算出した各重合体含有量である。重量平均分子量及び各重合体含有量の測定は、例えば、高速GPC装置(東ソー(株)製;HLC−8120GPC)で行うことができ、カラムはSuperH4000×2及びSuperH2000(いずれも東ソー(株)製)を使用することができる。移動相としては、テトラヒドロフランを用いることができ、流速は0.6mL/minとすることができる。検出方法では示差屈折率を用いることができる。
なお、ポリ乳酸及び乳酸−グリコール酸共重合体としては市販品を用いることができる。
本発明においてポリ乳酸及び乳酸−グリコール酸共重合体は塩であってもよい。ポリ乳酸及び乳酸−グリコール酸共重合体の塩としては、例えば、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属)や有機塩基(例えば、トリエチルアミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸類)との塩、又は遷移金属(例えば、亜鉛、鉄、銅)との塩及び錯塩が挙げられる。
本発明に用いるレシチンとしては、大豆レシチン、ひまわりレシチン、菜種レシチン、コーンレシチン、サフラワーレシチン等の植物レシチン、卵黄レシチン(卵黄由来ホスファチジルコリン)や牛乳由来レシチン(牛乳由来ホスファチジルコリン)等の動物レシチンが挙げられる。前記レシチンは、天然由来の未精製レシチン(クルードレシチン)、クルードレシチンから中性脂質、脂肪酸、炭水化物、タンパク質、無機塩、ステロール、色素等の不純物を常法により除去して得られる高純度に精製されたレシチン(精製レシチン)のいずれでもよい。更に、レシチン中のホスファチジルコリンを分画して得られる分画レシチン、レシチンをリゾ化処理することにより得られるリゾレシチン、酵素分解処理した酵素レシチンのような改質レシチンでもよい。
アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩の使用量は、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩に対して例えば、約0.001〜約50%(w/w)、好ましくは約0.1〜約10%(w/w)である。
レシチンの使用量は、アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩の使用量に対して、重量比で1倍〜5倍、好ましくは3倍〜4倍である。
本発明に用いる乳化剤としては、一般的に安定なW/O/Wエマルションを形成し得るものであれば特に制限はないが、好ましくはポリビニルアルコール、コール酸、胆汁酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン、グリセリン脂肪酸エステル、更に好ましくはポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン、特に好ましくはポリビニルアルコールが挙げられる。
前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、好ましくは20〜100のエチレンオキサイド単位を持つ硬化ヒマシ油誘導体であり、例えば、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油等が挙げられる。ニッコールHCO(日光ケミカルズ)、EMALEX HC(日本エマルジョン)、ユニオックスHC(日油)等の市販品を使用してもよい。
本発明の徐放性製剤は、好ましくは、内水相にアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有し、油相にポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有し、外水相に乳化剤を含有するW/O/Wエマルションの溶媒除去物を含有する。
なお、本発明における「内水相」、「油相」、「外水相」とは、W/O/Wエマルションの各相と、W/O/Wエマルションの製造に用いる各相の成分をそれぞれ含有する各溶液のいずれを意味してもよい。
〈内水相〉
前記のアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を水に溶解、分散又は懸濁することにより内水相を製造することができる。前記アドレノメデュリン等の水中の濃度は、例えば0.001〜10%(w/v)、好ましくは0.01〜5%(w/v)である。
前記のアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を水に溶解、分散又は懸濁することにより内水相を製造することができる。前記アドレノメデュリン等の水中の濃度は、例えば0.001〜10%(w/v)、好ましくは0.01〜5%(w/v)である。
必要に応じて、内水相成分として酢酸ナトリウム等の酢酸塩、ヒアルロン酸、トレハロース等を加えてもよい。
内水相は、一旦凍結乾燥して粉末状態とした後、適当な濃度となるように水を添加して
溶解して用いてもよい。
溶解して用いてもよい。
〈油相〉
本発明の好ましい態様においては、生分解性ポリマーとしてポリ乳酸(PLA)又は乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)を油相に含有させる。必要に応じて、ポリエチレングリコール(PEG)−PLA、PEG−PLGAを全生分解性ポリマーに対して1〜20%程度混入させてもよい。
本発明の好ましい態様においては、生分解性ポリマーとしてポリ乳酸(PLA)又は乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)を油相に含有させる。必要に応じて、ポリエチレングリコール(PEG)−PLA、PEG−PLGAを全生分解性ポリマーに対して1〜20%程度混入させてもよい。
AM含有W/O/Wエマルションの粒子の安定性を向上させるため、油相にポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩とともにレシチンを含有させることが好ましい。
必要に応じて、油相成分としてポリオキシエチレン硬化ひまし油を加えてもよい。
必要に応じて、油相成分としてポリオキシエチレン硬化ひまし油を加えてもよい。
油相は、通常、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩と、レシチンと、更に必要に応じてその他の成分とを有機溶媒に溶解して製造する。
前記有機溶媒としては、例えばハロゲン化炭化水素(例えば塩化メチレン、クロロホルム、クロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素)、脂肪酸エステル(例えば酢酸エ
チル、酢酸ブチル)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)が挙げられ、中でも塩化メチレンが好ましい。
チル、酢酸ブチル)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレン)が挙げられ、中でも塩化メチレンが好ましい。
有機溶媒中のポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩の濃度は、該ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩の種類及び重量平均分子量、有機溶媒の種類により異なるが、[ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩の重量/(有機溶媒の重量+ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩の重量)](×100%)で表される値は、通常約0.01〜約90%(w/w)、好ましくは約0.01〜約70%(w/w)である。前記油相は不溶物を含まないことが好ましい。
有機溶媒中のレシチンの濃度は、適宜設定すればよいが、典型的には2〜10mg/mLとすればよい。
〈外水相〉
外水相は前記の乳化剤、好ましくはポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン、更に好ましくはポリビニルアルコールを含有する。
外水相は前記の乳化剤、好ましくはポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン、更に好ましくはポリビニルアルコールを含有する。
外水相中の乳化剤の濃度は、通常約0.001〜約20%(w/w)、好ましくは約0.01〜約10%(w/w)、特に好ましくは約0.05〜約5%(w/w)である。
〈W/O/Wエマルション及び溶媒除去物の調製〉
本発明の好ましい態様において、徐放性製剤は、アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有する内水相と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有する油相とを混合し、乳化させることによりW/Oエマルションを調製し、前記W/Oエマルションと、乳化剤を含有する外水相とを混合し、乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製した後、油相に含まれる有機溶媒を除去し、更に必要に応じて、凍結乾燥することにより、製造することができる。
本発明の好ましい態様において、徐放性製剤は、アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有する内水相と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有する油相とを混合し、乳化させることによりW/Oエマルションを調製し、前記W/Oエマルションと、乳化剤を含有する外水相とを混合し、乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製した後、油相に含まれる有機溶媒を除去し、更に必要に応じて、凍結乾燥することにより、製造することができる。
W/Oエマルションの調製は、好ましくは、強撹拌で、少なくとも30分間撹拌することにより行う。ここで、強撹拌とは、500〜1,500回転/毎分、好ましくは800〜1,200回転/毎分の撹拌をいう。なお、、強撹拌以外では、加圧混合機等の短時間で完全混合できる機器で混合するか、あるいは、超音波で混合してもよい。
本発明におけるW/O/Wエマルションの溶媒除去物とは、前記の有機溶媒除去物、及び凍結乾燥物を包含する。
より具体的には、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩の有機溶媒溶液(油相)に、アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩の水溶液、分散液又は懸濁液(内水相)を添加し、ホモミキサー等で分散、乳化し、W/Oエマルションを調製する。
次いで、前記W/Oエマルションを外水相に添加し、ホモミキサー等を用いて分散、乳化(二次乳化)し、W/O/Wエマルションを調製する。
外水相の使用量は、通常前記W/Oエマルションの約1〜約10,000容量倍、好ましくは約10〜約5,000容量倍、特に好ましくは約15〜約1,000容量倍である。
前記のようにして得られるW/O/Wエマルションを、減圧下で処理などの水中乾燥法に付すことにより、油相中に含まれる有機溶媒を除去してマイクロカプセルを製造することができる。このほか、水中エマルション溶媒拡散法、凍結乾燥あるいは自然乾燥を用いて、W/O/Wエマルションを得ることもできる。
W/O/Wエマルションを用いて得られるマイクロカプセルは、遠心分離、篩過あるいは濾過により分取した後、必要に応じて、マイクロカプセルの表面に付着している乳化剤等を蒸留水又は適切な緩衝液による洗浄で除去する。その後、マイクロカプセルを蒸留水又は適切な緩衝液等に分散して凍結乾燥し、必要に応じて、加温してマイクロカプセル中の水分及び有機溶媒を更に除去する。加温は減圧下に行ってもよい。
本発明の徐放性製剤において、アドレノメデュリン又はその修飾体を単独で使用してもよく、1種以上の薬学的に許容し得る成分と組み合わせて使用してもよい。本発明の徐放性製剤は、所望の投与方法に応じて、当該技術分野で通常使用される様々な剤形に製剤されることができる。それ故、本発明の徐放性製剤はまた、アドレノメデュリン又はその修飾体と、1種以上の薬学的に許容し得る担体とを含有する医薬組成物の形態で提供されることもできる。本発明の徐放性製剤は、前記成分に加えて、薬学的に許容し得る1種以上の担体、賦形剤、結合剤、ビヒクル、溶解補助剤、防腐剤、安定剤、膨化剤、滑沢剤、界面活性剤、油性液、緩衝剤、無痛化剤、酸化防止剤、甘味剤及び香味剤等を含んでもよい。
本発明の徐放性製剤の剤形は、特に限定されず、非経口投与に使用するための製剤であってもよく、経口投与に使用するための製剤であってもよい。また、本発明の徐放性製剤の剤形は、単位用量形態の製剤であってもよく、複数投与形態の製剤であってもよい。非経口投与に使用するための製剤としては、例えば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液又は懸濁液等の注射剤を挙げることができる。注射剤に混和することができる添加剤としては、限定するものではないが、例えば、生理食塩水、ブドウ糖もしくはその他の補助薬(例えば、D-ソルビトール、D-マンニトールもしくは塩化ナトリウム)を含む等張液のようなビヒクル、アルコール(例えばエタノールもしくはベンジルアルコール)、エステル(例えば安息香酸ベンジル)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコール)のような溶解補助剤、ポリソルベート80又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のような非イオン性界面活性剤、ゴマ油又は大豆油のような油性液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、及びその他のpH4〜8に制御できる緩衝液、塩化ベンザルコニウム又は塩酸プロカインのような無痛化剤、ヒト血清アルブミン又はポリエチレングリコールのような安定剤、保存剤、並びに酸化防止剤等を挙げることができる。調製された注射剤は、通常、適当なバイアル(例えばアンプル)に充填され、使用時まで適切な環境下で保存される。
経口投与に使用するための製剤としては、例えば、必要に応じて糖衣や溶解性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、タブレット、シロップ、懸濁液等を挙げることができる。錠剤又はカプセル剤等に混和することができる添加剤としては、限定するものではないが、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム及びアラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン及びアルギン酸のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖又はサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油又はチェリーのような香味剤等を挙げることができる。製剤がカプセル剤の場合、更に油脂のような液状担体を含有してもよい。
本発明の徐放性製剤は、デポー製剤として製剤化することもできる。この場合、デポー製剤の剤形の本発明の徐放性製剤を、例えば皮下もしくは筋肉に埋め込み、又は筋肉注射により投与することができる。本発明の徐放性製剤をデポー製剤に適用することにより、アドレノメデュリン又はその修飾体のアドレノメデュリン活性を、長期間に亘って持続的に発現することができる。
本発明の徐放性製剤は、医薬として有用な1種以上の他の薬剤と併用することもできる。この場合、本発明の徐放性製剤は、アドレノメデュリン又はその修飾体と1種以上の他の薬剤とを含む単一の医薬の形態で提供されてもよく、アドレノメデュリン又はその修飾体と1種以上の他の薬剤とが別々に製剤化された複数の製剤を含む医薬組合せの形態で提供されてもよい。医薬組合せの形態の場合、それぞれの製剤を同時又は別々に(例えば連続的に)投与することができる。
アドレノメデュリン又はその修飾体は、天然の生理活性ペプチドであるアドレノメデュリンと同一又は類似する構造を有する。このため、アドレノメデュリン又はその修飾体は、安全で低毒性である。それ故、本発明の徐放性製剤は、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎)や、末梢血管疾患、急性心筋梗塞、肺高血圧症、心不全等の循環器疾患の予防又は治療を必要とする様々な対象に適用することができる。前記対象は、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば、ブタ、イヌ、ウシ、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、ネコ、サル、マントヒヒ、チンパンジー等の温血動物)の被験体又は患者であることが好ましい。前記対象に本発明の徐放性製剤を投与することにより、前記疾患を予防又は治療することができる。
本発明の徐放性製剤を、対象、特にヒト患者に投与する場合、正確な投与量及び投与回数は、対象の年齢、性別、予防又は治療されるべき症状、疾患及び/又は障害の正確な状態(例えば重症度)、並びに投与経路等の多くの要因を鑑みて、担当医が治療上有効な投与量及び投与回数を最終的に決定すべきである。それ故、本発明の徐放性製剤において、有効成分であるアドレノメデュリン又はその修飾体は、治療上有効な量及び回数で、対象に投与される。例えば、本発明の徐放性製剤をヒト患者に投与する場合、有効成分であるアドレノメデュリン又はその修飾体の投与量は、通常は、1日に体重60 kg当り0.01〜10 mgの範囲であり、典型的には、1日に体重60 kg当り0.01〜1 mgの範囲である。
本発明の徐放性製剤の投与経路及び投与回数は、特に限定されず、経口的に単回もしくは複数回投与されてもよく、非経口的に単回もしくは複数回投与されてもよい。本発明の徐放性製剤は、静脈投与、注腸投与、皮下投与、筋肉内投与又は腹腔内投与のような非経口的経路で投与されることが好ましく、静脈投与されることがより好ましい。また、本発明の徐放性製剤は、単回投与されることが好ましい。本発明の徐放性製剤は、静脈に単回投与するために使用されることが特に好ましい。アドレノメデュリンは、強力な血管拡張作用を有する。このため、治療上有効な量のアドレノメデュリンを単回投与する場合、強力な血管拡張作用により、過度の血圧低下、反射性の交感神経活性上昇に伴う頻脈、及び/又はレニン活性の上昇のような望ましくない副反応を引き起こす可能性がある。それ故、本発明の徐放性製剤を対象の静脈に単回投与することにより、アドレノメデュリンの血管拡張作用に起因する望ましくない副反応を抑制しつつ、対象の疾患を予防又は治療することができる。
本発明の徐放性製剤の有効成分であるアドレノメデュリン又はその修飾体は、当該技術分野で通常使用される手段により製造することができる。アドレノメデュリン又はその修飾体の製造は、例えば、固相系又は液相系のペプチド合成法を用いてもよく、アドレノメデュリンを産生し得るヒト又は非ヒト哺乳動物の組織又は細胞から、天然ペプチドを精製する方法を用いてもよい。或いは、アドレノメデュリンを産生し得るヒト又は非ヒト哺乳動物におけるアドレノメデュリンをコードするDNA(例えば、配列番号2、4、6、8、10又は12)を使用して、大腸菌又は出芽酵母等の形質転換系で組換えタンパク質を大量発現させる方法を用いてもよい。或いは、予め製造されたペプチドを購入等して用いてもよい。いずれの場合も、本発明の徐放性製剤の製造方法の実施形態に包含される。
前記の手段によって製造されたペプチドにおいて、該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基のチオール基をジスルフィド化することにより、該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチドを得ることができる。また、前記の手段によって製造されたペプチドにおいて、該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基の間で形成されたジスルフィド結合をエチレン基によって置換することにより、該ジスルフィド結合がエチレン基によって置換されたペプチドを得ることができる。前記ジスルフィド化反応及びエチレン基による置換反応は、当該技術分野で通常使用される条件に基づき実施することができる。
アドレノメデュリン又はその修飾体がそれらの保護形態である場合、本発明の徐放性製剤の製造方法において、所望により、前記の手段によって製造されたペプチドに1種以上の保護基を導入する保護工程、及び/又は、前記の手段によって製造されたペプチドの保護形態の1種以上の保護基を脱保護する脱保護工程を実施してもよい。前記保護工程及び脱保護工程は、当該技術分野で通常使用される保護化反応及び脱保護化反応によって実施することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)作製例1
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び大豆レシチン30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌(1,000回転/毎分;以下同様)下、アドレノメデュリン(AM)水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び大豆レシチン30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌(1,000回転/毎分;以下同様)下、アドレノメデュリン(AM)水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
次に、強撹拌で得られたW/Oエマルション液を0.3%ポリビニルアルコール、0.2%ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日油株式会社製ユニオックスTMHC−40)を含んだ0.9%NaCl水溶液100mLに、室温下、滴下した。沈殿、滞留が発生しない程度に、撹拌を継続した。撹拌は、少なくとも1時間以上実施した。顕微鏡下、W/O/Wエマルションが形成されたことを確認後、塩化メチレンを減圧留去した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
最終的W/O/W粒子の確認は、顕微鏡で行った。複数回の作製により得られた最終的な製剤には、AMが、1〜3mg含有されていた。
最終的W/O/W粒子の確認は、顕微鏡で行った。複数回の作製により得られた最終的な製剤には、AMが、1〜3mg含有されていた。
(実施例2)作製例2
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び動物レシチン(卵黄由来ホスファチジルコリン)30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌下、AM水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び動物レシチン(卵黄由来ホスファチジルコリン)30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌下、AM水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
次に、強撹拌で得られたW/Oエマルション液を0.2%ポリビニルアルコール、0.3%ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日油株式会社製ユニオックスTMHC−40)を含んだ0.9%NaCl水溶液100mLに、室温下、滴下した。沈殿、滞留が発生しない程度に、撹拌を継続した。撹拌は、少なくとも1時間以上実施した。顕微鏡下、W/O/Wエマルションが形成されたことを確認後、塩化メチレンを減圧留去した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
最終的W/O/W粒子の確認は、顕微鏡で行った。複数回の作製により得られた最終的な製剤には、AMが、0.5〜2mg含有されていた。
(実施例3)作製例3
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び大豆レシチン30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌下、AM水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び大豆レシチン30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌下、AM水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
次に、強撹拌で得られたW/Oエマルション液を0.2%ポリビニルアルコール、0.2%ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日油株式会社製ユニオックスTMHC−40)、0.1%ゼラチンを含んだ0.9%NaCl水溶液100mLに、室温下、滴下した。沈殿、滞留が発生しない程度に、撹拌を継続した。撹拌は、少なくとも1時間以上実施した。顕微鏡下、W/O/Wエマルションが形成されたことを確認後、塩化メチレンを減圧留去した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
最終的W/O/W粒子の確認は、顕微鏡で行った。複数回の作製により得られた最終的な製剤には、AMが、0.5〜2mg含有されていた。
(実施例4)作製例4
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び大豆レシチン30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌下、AM水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸:グリコール酸=50:50、重量平均分子量:約38,000〜54,000、シグマアルドリッチ)150mg及び大豆レシチン30mgを塩化メチレン5mLに室温で溶解した。次に、強撹拌下、AM水溶液(20mg/mL)0.5mLを前記塩化メチレン溶液にゆっくり滴下し、30分間強撹拌を実施した。
次に、強撹拌で得られたW/Oエマルション液を0.4%ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日油株式会社製ユニオックスTMHC−40)を含んだ0.9%NaCl水溶液100mLに、室温下、滴下した。沈殿、滞留が発生しない程度に、撹拌を継続した。撹拌は、少なくとも1時間以上実施した。顕微鏡下、W/O/Wエマルションが形成されたことを確認後、塩化メチレンを減圧留去した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
塩化メチレンを除去した後、遠心分離にて溶液系(生理食塩水系)に置換した。
最終的W/O/W粒子の確認は、顕微鏡で行った。複数回の作製により得られた最終的な製剤には、AMが、1〜3mg含有されていた。
(比較例1)
大豆レシチンを使用しない以外は実施例1と同様の手法によりW/O/Wエマルションの形成を試みた。しかし、粒子の形成及び安定性が悪く、顕微鏡確認により粒子形成が認められた粒子量は、実施例1で得られた粒子量に対して、1/10以下であった。
大豆レシチンを使用しない以外は実施例1と同様の手法によりW/O/Wエマルションの形成を試みた。しかし、粒子の形成及び安定性が悪く、顕微鏡確認により粒子形成が認められた粒子量は、実施例1で得られた粒子量に対して、1/10以下であった。
(比較例2)
大豆レシチンを使用しない以外は実施例4と同様の手法によりW/O/Wエマルションの形成を試みた。このときも比較例1と同様に、顕微鏡確認により粒子形成が認められた粒子量は、実施例4で得られた粒子量に対して、1/10以下であった。
大豆レシチンを使用しない以外は実施例4と同様の手法によりW/O/Wエマルションの形成を試みた。このときも比較例1と同様に、顕微鏡確認により粒子形成が認められた粒子量は、実施例4で得られた粒子量に対して、1/10以下であった。
(実施例5)粒子特性解析(放出試験)
実施例1で作製した粒子をAM換算で2.4μMとなる懸濁液を2mL準備した。懸濁液は50mM酢酸ナトリウム(+1.5mM MgCl2、+2.5mM CaCl2、+5mM KCl、+135mM NaCl)、pH5.2で調製した。AM換算2.4μM懸濁液を0.4mL分注し、5本準備した。調製直後に、分注した1本を1200rpmで5分間遠心を実施し、遠心上清を集めた。この遠心上清を開始時間の0時間の値とした。残り4本を45℃の恒温槽に入れた。30分、1時間、3時間後に、分注バイアルを先と同様に、それぞれ1200rpmで5分間遠心を実施し、遠心上清を集めた。
実施例1で作製した粒子をAM換算で2.4μMとなる懸濁液を2mL準備した。懸濁液は50mM酢酸ナトリウム(+1.5mM MgCl2、+2.5mM CaCl2、+5mM KCl、+135mM NaCl)、pH5.2で調製した。AM換算2.4μM懸濁液を0.4mL分注し、5本準備した。調製直後に、分注した1本を1200rpmで5分間遠心を実施し、遠心上清を集めた。この遠心上清を開始時間の0時間の値とした。残り4本を45℃の恒温槽に入れた。30分、1時間、3時間後に、分注バイアルを先と同様に、それぞれ1200rpmで5分間遠心を実施し、遠心上清を集めた。
それぞれの遠心上清について、逆相HPLCによるAMの濃度定量、あるいはELISA法にてAM濃度を測定した(一般的なELISA法、あるいはIRMA法(Ohta H, Tsuji T, Asai Sら,One-step direct assay for mature-type adrenomedullin with monoclonal antibodies. Clin Chem,第45巻,p.244−251,1999年)で検出できる。)。
図1に示すように、初期は少し放出が速いが、その後緩やかにAMが放出されることを観察した。45℃で4.5時間後、粒子中のAMが約10%放出されていた。
(実施例6)薬物動態
7週齢の雄性SHRの皮下に実施例1の製剤(AM換算60nmol/kg)を単回投与して血中のアドレノメデュリン濃度を観察した。投与1日後、4日後にペントバルビタール50mgを腹腔内投与し、麻酔下にて尾静脈より毎回300μL採血し、EDTA−2Na 300μg、アプロチニン21μgを添加して、10分、3,000回転にて10分間で遠心分離して血漿を得た。血漿中AM濃度を、IRMA法にて測定した。
7週齢の雄性SHRの皮下に実施例1の製剤(AM換算60nmol/kg)を単回投与して血中のアドレノメデュリン濃度を観察した。投与1日後、4日後にペントバルビタール50mgを腹腔内投与し、麻酔下にて尾静脈より毎回300μL採血し、EDTA−2Na 300μg、アプロチニン21μgを添加して、10分、3,000回転にて10分間で遠心分離して血漿を得た。血漿中AM濃度を、IRMA法にて測定した。
図2に示すように、製剤投与群において1日後及び4日後に血中にAMを検出できた。一方、AM投与では半減期が短いため、通常1日後には検出限界以下に達する。本製剤に明確な持続性効果があることが判明した。
(実施例7)薬効試験
(1)血圧上昇抑制作用
7週齢の雄性ウィスターラットの皮下に実施例1の製剤(AM換算60nmol/kg)、又は対照として生理食塩水を単回投与してテイルカフ法にて血圧を測定し、血圧の経過を観察した。なお、測定は投与7日後、9日後に行った。
(1)血圧上昇抑制作用
7週齢の雄性ウィスターラットの皮下に実施例1の製剤(AM換算60nmol/kg)、又は対照として生理食塩水を単回投与してテイルカフ法にて血圧を測定し、血圧の経過を観察した。なお、測定は投与7日後、9日後に行った。
図3に投与前血圧からの変動値を示す。生理食塩水投与群では、著しい血圧上昇が確認されたが、本発明製剤投与群においては生理食塩水投与群と比較して、明確に血圧上昇が抑制された。
また、9日後のラットを解剖し、心臓重量と体重を測定した。両群の心臓重量/体重比を比較すると、実施例1の製剤投与群の方が心臓重量/体重比が低く抑えられる傾向が確認された。
(2)初期血圧変動
11〜14週齢の雄性ウィスターラットをイソフルランの吸入により麻酔導入して、気管切開の後、イソフルラン濃度1.5%〜2.5%、流量0.6〜0.8L/minにて吸入麻酔管理を行った。右頸静脈を単離し、26G相当のカテーテルチューブを挿入し、次に、左頸動脈を単離し、23G相当のカテーテルチューブを挿入した。右頸静脈のカテーテルチューブより、ヘパリン加生理食塩水(生理食塩水100mL+ヘパリン1000単位)を2.4ml/時間で補液した。実施例1の製剤AM換算60nmol/kg、又はAM30nmol/kgをラットに皮下投与した。次いで、頸動脈に挿入したカテーテルを圧トランスデューサーに接続し、血圧を経時的に測定した。
11〜14週齢の雄性ウィスターラットをイソフルランの吸入により麻酔導入して、気管切開の後、イソフルラン濃度1.5%〜2.5%、流量0.6〜0.8L/minにて吸入麻酔管理を行った。右頸静脈を単離し、26G相当のカテーテルチューブを挿入し、次に、左頸動脈を単離し、23G相当のカテーテルチューブを挿入した。右頸静脈のカテーテルチューブより、ヘパリン加生理食塩水(生理食塩水100mL+ヘパリン1000単位)を2.4ml/時間で補液した。実施例1の製剤AM換算60nmol/kg、又はAM30nmol/kgをラットに皮下投与した。次いで、頸動脈に挿入したカテーテルを圧トランスデューサーに接続し、血圧を経時的に測定した。
図4に投与前からの血圧変動値を示す。図4に示すようにAM投与群において投与直後の著しい血圧降下が認められた。一方、実施例1の製剤投与群においては投与量が倍量にも関わらず血圧降下は軽微であった。
Claims (8)
- アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩と、レシチンと、乳化剤とを含有する徐放性製剤。
- 乳化剤がポリビニルアルコール、コール酸、胆汁酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ゼラチン及びグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の徐放性製剤。
- アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、
(i)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)アドレノメデュリンのアミノ酸配列からなり、且つ該アミノ酸配列中の2個のシステイン残基がジスルフィド結合を形成しているペプチド、
(iii)前記(ii)のペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(iv)前記(i)〜(iii)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド、
(v)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド、及び
(vi)前記(i)〜(iv)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド
からなる群より選択されるペプチドである請求項1又は2記載の徐放性製剤。 - アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体が、
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号1のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(b)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号3のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(c)配列番号5のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(d)配列番号7のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号7のアミノ酸配列からなり、且つ16位のシステイン残基と21位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(e)配列番号9のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号9のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(f)配列番号11のアミノ酸配列からなるペプチド、又は配列番号11のアミノ酸配列からなり、且つ14位のシステイン残基と19位のシステイン残基とがジスルフィド結合を形成しているペプチド;
(g)前記(a)〜(f)のいずれかのペプチドにおいて、前記ジスルフィド結合が、エチレン基によって置換されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(h)前記(a)〜(g)のいずれかのペプチドにおいて、1〜15個のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加されており、且つアドレノメデュリン活性を有するペプチド;
(i)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端がアミド化されているペプチド;及び
(j)前記(a)〜(h)のいずれかのペプチドにおいて、C末端にグリシン残基が付加されているペプチド;
からなる群より選択されるペプチドである請求項1〜3のいずれか1項に記載の徐放性製剤。 - 内水相にアドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有し、油相にポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有し、外水相に乳化剤を含有するW/O/Wエマルションの溶媒除去物を含有する徐放性製剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の徐放性製剤。
- アドレノメデュリンもしくはアドレノメデュリン活性を有するその修飾体又はそれらの塩を含有する内水相と、ポリ乳酸もしくは乳酸−グリコール酸共重合体又はそれらの塩、及びレシチンを含有する油相とを混合し、乳化させることによりW/Oエマルションを調製する工程と、前記W/Oエマルションと、乳化剤を含有する外水相とを混合し、乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の徐放性製剤の製造方法。
- W/O/Wエマルションが形成された後、油相に含まれる有機溶媒を除去することを含む請求項6記載の製造方法。
- W/O/Wエマルションが形成された後、凍結乾燥することを含む請求項6又は7記載の製造方法。
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CN113230451A (zh) * | 2021-04-02 | 2021-08-10 | 长春圣博玛生物材料有限公司 | 一种可注射的皮肤填充剂及其制备方法 |
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