JP2018095481A - 窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置、および窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法 - Google Patents
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〔1〕加熱分解により炭素を形成する糖類、芳香族化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸塩、アルコール類、リグニン酸、およびリグニン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物、ならびに酸化アルミニウムを形成するアルミニウム化合物の混合物を、連続的に装入しながら、乾燥、脱水、分解焼成をする、駆動回転しながら加熱する金属円筒管を有し、かつ
金属円筒管が、内部に複数の翼片を放射線状に配置した撹拌羽を備えることを特徴とする、窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置。
〔2〕装入された混合物を、撹拌、掻き揚げ、流動、浮遊、または転動させるように、金属円筒管の内部に備えられた複数の翼片を放射状に配置した撹拌羽が、金属円筒管が回転することにより金属円筒管内面を接触するように回転しながら、衝撃を与える、上記〔1〕記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置。
〔3〕(A)加熱分解により炭素を形成する糖類、芳香族化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸塩、アルコール類、リグニン酸、およびリグニン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物、ならびに酸化アルミニウムを形成するアルミニウム化合物を混合し、混合物を得る工程、
(B)得られた混合物を、駆動回転する加熱した金属円筒管に連続的に装入し、乾燥、脱水、分解焼成をする工程
を、この順に有する窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法であって、
(B)工程で使用する金属円筒管が、内部に複数の翼片を放射線状に配置した撹拌羽を備えることを特徴とする、窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔4〕(B)工程で使用する金属円筒管の内部に備えられた複数の翼片を放射状に配置した撹拌羽が、金属円筒管が回転することにより金属円筒管内面を接触するように回転しながら、衝撃を与え、装入された混合物を、撹拌、掻き揚げ、流動、浮遊、または転動させる、上記〔3〕記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔5〕装入された混合物を、乾燥、脱水、分解焼成するために、金属円筒管を加熱する雰囲気が、真空、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガス、または炭酸ガスであり、加熱する温度が、400℃以上1200℃以下であり、かつ加熱する時間が、1分以上60分未満である、上記〔3〕または〔4〕記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔6〕金属円筒管が、水平面に対して、0.5°以上10°以下である、上記〔3〕〜〔5〕のいずれか記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔7〕金属円筒管の回転速度が、5rpm以上60rpm以下である、上記〔3〕〜〔6〕のいずれか記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔8〕(A)工程での有機化合物が、セルロース、ショ糖、麦芽糖、果糖、フェノール類、ナフタレン、クレオソート油、コールタールピッチ、クエン酸、酢酸アンモニウム、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、またはリグニンスルホン酸塩である、上記〔3〕〜〔7〕のいずれか記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔9〕(A)工程でのアルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、または硝酸アルミニウムである、上記〔3〕〜〔8〕のいずれか記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔10〕窒化アルミニウム前駆体が、顆粒状の炭素/酸化アルミニウム複合粉末であって、酸素に対して、炭素をモル比で1.1以上2.0以下含む、上記〔3〕〜〔9〕のいずれか記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
〔11〕上記〔3〕〜〔10〕のいずれか記載の窒化アルミニウム前駆体を、雰囲気が、窒素ガス、もしくはアンモニアガスであり、加熱する温度が、1400℃以上1700℃未満であり、かつ加熱する時間が、30分以上180分未満で加熱する、窒化アルミニウム粉末の製造方法。
本発明における窒化アルミニウム前駆体(以下、窒化アルミニウム前駆体という)は、炭素/酸化アルミニウム複合粉末であり、酸化アルミニウム粉末の表面が炭素で均質に覆われ、酸化アルミニウム粉末が炭素で結合した顆粒状の粉体である。熱分解で生成する炭素の結晶構造は、通常、無定型であり、酸化アルミニウムの結晶構造は、通常、無定型、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、およびα−アルミナからなる群より選択される少なくとも1種である。炭素/酸化アルミニウム複合粉末の大きさは、0.2μm以上、50μm以下であり、炭素/酸化アルミニウム複合粉末の集合体である顆粒状粉体の大きさは、3μm以上、1000μm以下である。
本発明の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法は、(A)加熱分解により炭素を形成する糖類、芳香族化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸塩、アルコール類、リグニン酸、およびリグニン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物、ならびに酸化アルミニウムを形成するアルミニウム化合物を混合し、混合物を得る工程、
(B)得られた混合物を、駆動回転する加熱した金属円筒管に連続的に装入し、乾燥、脱水、分解焼成する工程を有し、
(B)工程で使用する金属円筒管が、内部に複数の翼片を放射線状に配置した撹拌羽を備える。
C12H22O11(s) → C12H22O11(l)(186℃融解)
→ 無定型C(s)、H2O(g)(>200℃)
また酢酸アンモニウムにおいては、112℃で融解した後、脱水反応によりアセトアミド(融点82℃)が生成する。溶融したアセトアミドは、221℃で蒸発、分解しながら、炭化する。
CH3COONH4(s) → CH3COONH4(l)(112℃融解)
→ CH3CONH2(l)、H2O(g)(脱水)
→ 無定型C(s)、NH3(g)、CO(g)、H2(g)
Al(OH)3(s)
→ Al2O3(s) or γAl2O3(s)、H2O(g)
(脱水200〜550℃)
→ γAl2O3、δAl2O3or θAl2O3
→ αAl2O3(>1200℃)
また、アルミニウム化合物が、ベーマイトBoehmite(AlO(OH))である場合には、
AlO(OH)(s) → γAl2O3(s)(脱水500〜600℃)
硝酸アルミニウムの熱分解過程は、田川博章氏の文献(「硝酸塩の熱分解」、横浜国大環境研紀要、1987年、第14巻、p41−57)によれば、硝酸アルミニウムが、Al(NO3)3・9H2O)である場合、85℃で自らの結晶水に硝酸塩が融解し、150℃に達すると結晶水の喪失と硝酸塩の熱分解が同時に進行し、H2Oガス、NOガス、O2ガスを発生しながらAl2O3へ転化する。分解は、ほぼ600℃で終了する。
Al(NO3)3・9H2O(S)
→ Al(NO3)3・9H2O(l)(85℃融解)
→ 無定型Al2O3(S)、H2O(g)、NO(g)、O2(g)
(150℃から脱水熱分解)
本発明の窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置は、駆動回転する加熱した金属円筒管を有し、金属円筒管の内部に少なくとも1本以上備えられた攪拌羽により、混合物を撹拌、掻き揚げ、流動、浮遊、転動しながら乾燥、脱水、分解焼成する。詳しくは、窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置は、加熱分解により炭素を形成する糖類、芳香族化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸塩、アルコール類、リグニン酸、およびリグニン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物、ならびに酸化アルミニウムを形成するアルミニウム化合物の混合物を、連続的に装入しながら、乾燥、脱水、分解焼成をする、駆動回転しながら加熱する金属円筒管を有し、かつ
金属円筒管が、内部に複数の翼片を放射線状に配置した撹拌羽を備える。
コールタールピッチ(JFEケミカルズ(株)製PK−H(軟化点104℃、固定炭素59質量%)を、ハンマーミル((株)ダルトン製サンプルミル)を用いて、50μm以下の粒度に粉砕し、これと、水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製C−301N(Al(OH)398質量%、水分2質量%、平均粒径:1.5μm(レーザー解析法で測定)、嵩密度0.36g/cm3)とを、乾式混合(日本コークス工業(株)製FM型ミキサー)し、混合物を得た。作製した混合物(コールタールピッチと水酸化アルミニウム(AlO1.5)との炭素C/酸素Oのモル比:1.25)を、スクリューフィダー(300g/分)にて、駆動回転する金属円筒管(傾斜角度:4°、回転速度:30rpm、炉体長さ:1.5m、円筒管内径:143mmφ、撹拌羽:中心から翼片(4片)の羽先端長さ65mm、撹拌羽数:5枚)に装入し、窒素ガス10Ndm3/minを回収側から流しながら、乾燥、脱水、分解焼成処理を行った。金属円筒管の加熱温度は、供給側:600℃、中央部:700℃、回収側:800℃であり、加熱部の滞留時間は、7分であった。回収された顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末は、黒色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:0.3μm〜2.0μm、顆粒の粒径:3μm〜300μmであり、良好な流動性と充填性(嵩密度:0.72g/cm3)を示した。図4に、実施例1で製造した炭素/酸化アルミニウム前駆体粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。図4の上図からわかるように、炭素/酸化アルミニウム前駆体粉末は、顆粒状であった。図5に、実施例1で製造した炭素/酸化アルミニウム複合前駆体粉末のX線回折図を示す。X線回折は、リガク製MiniFlex600で測定した。図5の上図の黒線は、測定値であり、図5の上図の灰色縦線と下図の縦線は、γ−Al2O3のICDD社製PDF−2/Release2013データベースのPDFカード番号:01−075−0921の回折線である。X線回折の結果、γ−Al2O3のピークを含むが、γ−Al2O3の結晶性が悪く、他の結晶性が悪い結晶相も多く含み、無定型であった。EDX定量分析から炭素C/酸素Oのモル比は1.2であった。
顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末を、窒素雰囲気下のカーボン炉内で、加熱温度1675℃、加熱時間45分の還元窒化反応を行った後、室温まで窒素雰囲気で冷却し、これを更に、大気中800℃、3時間の焼成を行った。取り出した粉末は、灰白色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:0.3μm〜2.0μmであり、粉末の凝結は無く、流動性、分散性は、良好であった。図6に、実施例1で製造した還元窒化後の窒化アルミニウム粉末のSEM写真を、図7に、実施例1で製造した大気焼成後の窒化アルミニウム粉末のSEM写真を示す。図4の下図と図6の下図の比較から、還元窒化反応では、大きな粒径の変化はなく、図6の下図と図7の下図の比較から、大気焼成による、大きな粒径の変化がないことがわかった。図8に、実施例1で製造した窒化アルミニウム粉末のX線回折図を示す。X線回折は、リガク製MiniFlex600で測定した。図8の上図の灰色線は、測定値であり、図8の上図の黒縦線と下図の縦線は、AlNのICDD社製PDF−2/Release2013データベースのPDFカード番号:01−076−0702の回折線である。X線回折の結果、AlNの単相を示した。EDX定量分析では、アルミニウムが75質量%、窒素が24質量%、酸素が1.0質量%、炭素が0.82質量%であった。参考に、図9に、実施例1で製造に使用した水酸化アルミニウム粉末のSEM写真を示す。工程順に、図9の下図、図4の下図、図6の下図、図7の下図を比較すると、粒径に大きな変化がないことがわかった。
<窒化アルミニウム前駆体の製造>
ショ糖(関東化学(株)製試薬1級、C12H22O11、分子量:342.2965)と、クエン酸(関東化学(株)製試薬1級、COH(CH2COOH)2COOH、分子量192.124)と、実施例1で使用した水酸化アルミニウムとを、ショ糖と水酸化アルミニウム(AlO1.5)とのC/Oモル比:1.5、およびクエン酸と水酸化アルミニウム(AlO1.5)とのC/Oモル比:0.4で、混合物の炭素C/酸素Oのモル比:1.9の割合で、予備混合し、ハンマーミル((株)ダルトン製サンプルミル)を用いて、粉砕した。粉砕物を、実施例1で使用した駆動回転する金属円筒管(回転速度40rpm)に装入し、加熱温度は、供給側700℃、中央部800℃、回収側800℃以外は同様の条件で、処理を行った。加熱部の滞留時間は、5分であった。回収された顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末は、黒色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:0.4μm〜2.0μm、顆粒の粒径:50μm〜800μmであり、良好な流動性と充填性(嵩密度:0.75g/cm3)を示した。顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末は、X線回折の結果、無定型であった。EDX定量分析から炭素C/酸素Oのモル比は1.2であった。
顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末を、窒素雰囲気下のカーボン炉内で、加熱温度1600℃、加熱時間120分の還元窒化反応を行った後、室温まで窒素雰囲気で冷却し、これを更に、大気中800℃、3時間の焼成を行った。取り出した粉末は、灰白色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:0.2μm〜1.5μmであり、粉末の凝結は無く、流動性、分散性は、良好であった。X線回折の結果、AlNの単相を示し、EDX定量分析では、アルミニウムが72質量%、窒素が26質量%、酸素が0.95質量%、炭素が1.3質量%であった。
<窒化アルミニウム前駆体の製造>
フェノール粉末(DIC(株)製OI―305A、残炭率:50質量%)と、酢酸アンモニウム(関東化学(株)製試薬1級、CH3COONH4、分子量77.0825)と、実施例1で使用した水酸化アルミニウムとを、フェノール粉末と水酸化アルミニウム(AlO1.5)とのC/Oモル比:1.0、および酢酸アンモニウムと水酸化アルミニウム(AlO1.5)とのC/Oモル比:0.75で、混合物の炭素C/酸素Oのモル比:1.75の割合で、予備混合し、ハンマーミル((株)ダルトン製サンプルミル)を用いて、粉砕した。粉砕物を、実施例1で使用した駆動回転する金属円筒管(傾斜角度:3°、回転速度:50rpm)に装入し、加熱温度は、供給側:650℃、中央部:700℃、回収側:800℃以外は同様の条件で、処理を行った。加熱部の滞留時間は、13分であった。回収された顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末は、黒色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:0.2μm〜2.0μm、顆粒の粒径:20μm〜900μmであり、良好な流動性と充填性(嵩密度:0.69g/cm3)を示した。X線回折の結果、無定型であった。EDX定量分析から炭素C/酸素Oのモル比は1.3であった。
顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末を、窒素雰囲気下のカーボン炉内で、加熱温度1650℃、加熱時間90分の還元窒化反応を行った後、室温まで窒素雰囲気で冷却し、これを更に、大気中800℃、3時間の焼成を行った。取り出した粉末は、灰白色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:0.3μm〜1.5μmであり、粉末の凝結は無く、流動性、分散性は、良好であった。X線回折の結果、AlNの単相を示し、EDX定量分析では、アルミニウムが72質量%、窒素が27質量%、酸素が0.52質量%、炭素が0.94質量%であった。
<窒化アルミニウム前駆体の製造>
水酸化アルミニウム粉末(住友化学(株)製C−12(Al(OH)391質量%、水分9質量%、平均粒径:50μm(レーザー解析法で測定)、嵩密度1.1g/cm3)以外は実施例1と同様の条件で、処理を行った。加熱部の滞留時間は、6分であり、回収された顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末は、黒色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:20μm〜65μm、顆粒の粒径:30μm〜100μmであり、良好な流動性と充填性(嵩密度:0.92g/cm3)を示した。X線回折の結果、無定型であった。EDX定量分析から炭素C/酸素Oのモル比は1.2であった。
顆粒状炭素/酸化アルミニウム複合粉末を、窒素雰囲気下のカーボン炉内で、加熱温度1675℃、加熱時間120分の還元窒化反応を行った後、室温まで窒素雰囲気で冷却し、これを更に、大気中800℃、3時間の焼成を行った。取り出した粉末は、灰白色を呈し、走査電子顕微鏡による直接観察から粉末の粒径:20μm〜60μmであり、粉末は、結晶粒子(粒径:0.5〜2.0μm)の集合体から構成されていた。粉末間の凝結は無く、流動性、分散性は、良好であった。X線回折の結果、AlNの単相を示し、EDX定量分析では、アルミニウムが73質量%、窒素が26質量%、酸素が0.54質量%、炭素が0.87質量%であった。
実施例1で使用した水酸化アルミニウム粉末を、700℃で脱水焼成し、得られたγAl2O3粉末(住友化学(株)製平均粒径:1.5μm)と電気化学工業(株)製アセチレンブラック(品名:デンカブラック、平均粒径:35nm)とを、炭素C/酸素Oのモル比1.5の割合で計量し、三井コークス工業(株)製FMミキサー、およびダルトン(株)製サンプルミルを用いて、粉砕混合した。これを前駆体として、加熱温度1700℃、360分にしたこと以外は、実施例1と同様の還元窒化反応、大気焼成を行った。得られた窒化アルミニウム粉末は、反応装置から取り出したとき、アンモニア臭があり、粉末は凝結、塊状化があった。図10に、比較例1で製造した窒化アルミニウム粉末のSEM写真を示す。比較例1の窒化アルミニウム粉末は、粒成長による粒子の粗大化と焼結が見られた。
実施例1で用いたコールタールと水酸化アルミニウム粉末との混合物を、アルミナ製容器に装填(装填高さ:3cm)し、窒素雰囲気で800℃、1時間の加熱処理を行い、乾燥、脱水、熱分解した。室温に冷却し、取り出した混合物は、容器形状に強固にブロック化していた。これを機械粉砕し、数mm以下の塊状物とし、実施例1と同様に還元窒化、大気焼成を行った。得られた塊状生成物の一部は、表面は灰白色、内部は黒色が呈した。X線回折の結果、AlN/γAl2.85O3.45N0.55(質量比(%)75/25)を示し、EDX定量分析では、アルミニウムが67質量%、窒素が20質量%、酸素が13質量%、炭素が0.73質量%であった。
Claims (11)
- 加熱分解により炭素を形成する糖類、芳香族化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸塩、アルコール類、リグニン酸、およびリグニン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物、ならびに酸化アルミニウムを形成するアルミニウム化合物の混合物を、連続的に装入しながら、乾燥、脱水、分解焼成をする、駆動回転しながら加熱する金属円筒管を有し、かつ
金属円筒管が、内部に複数の翼片を放射線状に配置した撹拌羽を備えることを特徴とする、窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置。 - 装入された混合物を、撹拌、掻き揚げ、流動、浮遊、または転動させるように、金属円筒管の内部に備えられた複数の翼片を放射状に配置した撹拌羽が、金属円筒管が回転することにより金属円筒管内面を接触するように回転しながら、衝撃を与える、請求項1項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造装置。
- (A)加熱分解により炭素を形成する糖類、芳香族化合物、有機カルボン酸、有機カルボン酸塩、アルコール類、リグニン酸、およびリグニン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物、ならびに酸化アルミニウムを形成するアルミニウム化合物を混合し、混合物を得る工程、
(B)得られた混合物を、駆動回転する加熱した金属円筒管に連続的に装入し、乾燥、脱水、分解焼成をする工程
を、この順に有する窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法であって、
(B)工程で使用する金属円筒管が、内部に複数の翼片を放射線状に配置した撹拌羽を備えることを特徴とする、窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。 - (B)工程で使用する金属円筒管の内部に備えられた複数の翼片を放射状に配置した撹拌羽が、金属円筒管が回転することにより金属円筒管内面を接触するように回転しながら、衝撃を与え、装入された混合物を、撹拌、掻き揚げ、流動、浮遊、または転動させる、請求項3項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- 装入された混合物を、乾燥、脱水、分解焼成するために、金属円筒管を加熱する雰囲気が、真空、窒素ガス、アンモニアガス、水素ガス、または炭酸ガスであり、加熱する温度が、400℃以上1200℃以下であり、かつ加熱する時間が、1分以上60分未満である、請求項3または4記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- 金属円筒管が、水平面に対して、0.5°以上10°以下である、請求項3〜5のいずれか1項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- 金属円筒管の回転速度が、5rpm以上60rpm以下である、請求項3〜6のいずれか1項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- (A)工程での有機化合物が、セルロース、ショ糖、麦芽糖、果糖、フェノール類、ナフタレン、クレオソート油、コールタールピッチ、クエン酸、酢酸アンモニウム、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、またはリグニンスルホン酸塩である、請求項3〜7のいずれか1項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- (A)工程でのアルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、または硝酸アルミニウムである、請求項3〜8のいずれか1項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- 窒化アルミニウム前駆体が、顆粒状の炭素/酸化アルミニウム複合粉末であって、酸素に対して、炭素をモル比で1.1以上2.0以下含む、請求項3〜9のいずれか1項記載の窒化アルミニウム前駆体の連続製造方法。
- 請求項3〜10のいずれか1項記載の窒化アルミニウム前駆体を、雰囲気が、窒素ガス、もしくはアンモニアガスであり、加熱する温度が、1400℃以上1700℃未満であり、かつ加熱する時間が、30分以上180分未満で加熱する、窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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JP6963890B2 (ja) | 2021-11-10 |
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