JP2018095171A - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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孝彰 二井
Takaaki Nii
孝彰 二井
藤澤 直樹
Naoki Fujisawa
直樹 藤澤
中村 真也
Shinya Nakamura
真也 中村
鈴木 裕之
Hiroyuki Suzuki
裕之 鈴木
大輝 金本
Daiki Kanemoto
大輝 金本
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Abstract

【課題】車両の側面衝突時における頭部の保護性能をより高めたカーテンエアバッグ装置を提供する。【解決手段】第1ワイヤー41はルーフサイドレール1に沿って前方に延設され、第2ワイヤー42はセンターピラー3に沿って下方に延設されている。車両の側面にバリア側突があると、第2ワイヤー42に荷重が掛かり、第2ワイヤー42はエアバッグの上端部を車幅方向の車室内側へ移動させる。車両の側面にポール側突があると、第1ワイヤー41の何れかに選択的に荷重がかかり、エアバッグの一部の上端部を車幅方向の車室内側へ移動させる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用のカーテンエアバッグ装置に関する。
従来、車両の側面への衝突(側突)による衝撃から乗員を保護するカーテンエアバッグ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。カーテンエアバッグ装置は、車両の側突を検知するセンサーと、ルーフサイドレールに取り付けられるエアバッグと、エアバッグにガスを供給するインフレーターとを備えている。カーテンエアバッグ装置は、車両が側突したことを検知するとインフレーターによりガスを供給し、エアバッグをルーフサイドレールから車室側面に沿って乗員よりも車室外側でカーテン状に展開させ、乗員を保護する。
ところで、車両の側突の状態も様々であり、乗員が受ける影響も側突の状態によって変化する。例えば、比較的、高さが低い障害物が車体側面の広範囲に側突した場合(バリア衝突)、衝突を受けた車体側面(ドア等)の下部側(ドアベルトラインより下側)が車内側へ押圧されて変形する一方、車体側面の上部側(ドアベルトラインより上側)が車室外側へ膨らむように変形するため、エアバッグと、乗員の頭部との間隔が広がる傾向にある。エアバッグと乗員の頭部との間隔が広くなると、乗員の頭部だけが車室外側へ大きく振られてしまう虞があった。
また、例えば、ポールなどの垂直に長尺な柱状の傷害物が車体側面に側突する場合(ポール側突)では、ポールが衝突した部位が大きく車室内側へ変形するため、エアバッグの一部が車室内側へ押し込まれた状態となる。例えば、乗員の頭部より前方側でポールが衝突すると、車両外側斜め前方へ移動する乗員の頭部に対して、エアバッグの前側の部分が乗員側へ変位されるため、頭部の位置によっては、頭部がエアバッグによって押され車室内側へ回転する場合がある。このとき、エアバッグの前方部分(頭部より前方側)の位置が車室内側に変位しているのに対してエアバッグの後方部分(頭部より後方側)の位置は変わらないため、乗員の後頭部とエアバッグとの間隔が広くなるため、頭部の回転を十分に抑制することができない虞があった。
このように従来のカーテンエアバッグ装置には、乗員の保護性能を向上する上で改善の余地があった。
特開2007−145218号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両の側面衝突時における乗員の頭部の保護性能をより高めたカーテンエアバッグ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、車体のルーフサイドレールに沿って配置され、車両の側突時に乗員と車室側面との間で展開するエアバッグを備えたカーテンエアバッグ装置であって、車体側面への衝突を検出する衝突検出手段と、前記衝突検出手段により前記衝突を検知したとき、前記エアバッグの上端部を車幅方向の車室内側へ移動させる移動手段と、を備えることを特徴とするカーテンエアバッグ装置にある。
第1の態様では、車両の側面への衝突によってエアバッグの上端部を車室内側(車幅方向内側)に移動させることができる。これにより、エアバッグと乗員の頭部との間隔を狭くすることができ、頭部の車外側(車幅方向外側)への変位を抑制することができるので、乗員の頭部の保護性能を高めることが可能となる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載するカーテンエアバッグ装置であって、前記エアバッグは、前記上端部に車両の前後方向に複数設けられて前記車体側に支持される支持部を有し、前記移動手段は、前記ルーフサイドレールに沿って車両の前後方向に複数並設されて前記複数の前記支持部を車室内側へ移動可能に支持することを特徴とするカーテンエアバッグ装置にある。
第2の態様では、乗員の頭部とエアバッグとの間の間隔をより的確に狭くすることができる。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載するカーテンエアバッグ装置であって、前記衝突検出手段は、車体側面の衝突箇所を判定し、前記移動手段は、前記衝突箇所に応じて、前記複数の支持部の全てまたは一部を車室内側へ移動させることを特徴とするカーテンエアバッグ装置にある。
第3の態様では、車体側面の衝突箇所から側突の態様を予測でき、側突の態様に応じてエアバッグの支持部を移動させることができるので、側突の態様に応じてより的確に乗員の頭部を保護することができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載するカーテンエアバッグ装置であって、前記移動手段は、前記車体側面の衝突箇所がセンターピラーを含む場合に、前記複数の支持部の全てを車室内側へ移動させることを特徴とするカーテンエアバッグ装置にある。
第4の態様では、バリア側突のようにセンターピラーを含む車体側面の広範囲に障害物が衝突した場合に、エアバッグの上端部全体を車室内側へ移動することができるので、乗員の頭部が車外側へ大きく振られることを抑制することができる。
本発明の第5の態様は、第3又は第4の態様に記載するカーテンエアバッグ装置であって、前記移動手段は、前記車体側面の衝突箇所がルーフサイドレールを含む場合に、前記複数の支持部のうち、前記衝突箇所の後方でかつ最も近い位置にある支持部の移動を禁止するとともに移動を禁止した支持部の後方側に位置する前記支持部を車室内側へ移動させることを特徴とするカーテンエアバッグ装置にある。
第5の態様では、ポール側突のように柱状の障害物が車体側面に衝突した場合に、衝突箇所に位置するエアバッグの部位と衝突箇所より後方側に位置するエアバッグの部位を、移動を禁止した支持部を中心に車室内側へ回転させることができるので、エアバッグを、乗員の頭部に対して前方からだけでなく、後方からも近づけることができるので、頭部が衝突箇所でエアバッグに押されて車室内側へ回転することを抑制することができる。
本発明の第6の態様は、第2から第5の何れか一つの態様に記載するカーテンエアバッグ装置であって、前記移動手段は、前記エアバッグの前記支持部に接続されたワイヤーを含み、前記ワイヤーが、前記ルーフサイドレールおよびセンターピラーに沿って配索され、側突により前記ルーフサイドレールまたは前記センターピラーが変形した際に、前記エアバッグの前記支持部を車幅方向の車室内側へ引っ張るよう構成されていることを特徴とするカーテンエアバッグ装置にある。
第6の態様では、ワイヤーを配索させるだけの簡素な構造で、移動手段および衝突検出手段をワイヤーで兼用させることができる。
本発明によれば、車両の側面衝突時における乗員の頭部の保護性能をより高めたカーテンエアバッグ装置が提供される。
エアバッグが展開した状態でのカーテンエアバッグ装置の正面図である。 図1の前方側の一部を拡大した正面図である。 ワイヤーの配置を示す概略図である。 車幅方向を法線とする断面における取付部の断面図である。 車両の前後方向を法線とする断面における取付部の断面図である。 ルーフサイドレールに設けられたカッターを示す断面図である。 エアバッグが展開したときの動作を表すカーテンエアバッグの上面図である。 エアバッグが展開したときの動作を表すカーテンエアバッグの上面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
〈実施形態1〉
図1はエアバッグが展開した状態でのカーテンエアバッグ装置の正面図であり、図2は図1の前方側の一部を拡大した正面図である。車両の前後方向をX方向とし、車幅方向をY方向とし、高さ方向をZ方向とする。以後の図においても同様である。
図1に示すように、本実施形態の車両の車室は、車室側面の一部を構成し、前後方向に沿ったルーフサイドレール1、フロントピラー2及びセンターピラー3を備えている。
本実施形態に係るカーテンエアバッグ装置10は、車両の車室側面の上方において、X方向(車両の前後方向)にルーフサイドレール1に沿って配置されたエアバッグ20を備えている。エアバッグ20は、2枚の布状の部材を縫合して袋状に形成されている。エアバッグ20を展開する前においては、エアバッグ20は上下方向にロール状に折り畳んだ状態とされている。
このように折り畳まれたエアバッグ20は、複数の取付部50により、ルーフサイドレール1とフロントピラー2に取り付けられている。なお、カーテンエアバッグ装置10は、図示しない内装部材であるフロントピラーガーニッシュやルーフヘッドライニングにより覆われている。
図1及び図2に示すように、カーテンエアバッグ装置10は、エアバッグ20にガスを供給するインフレーター6を備えている。車両が側方から衝突され、車体の側部に所定値以上の加速度を検知した場合に、センサーからの信号を受けてインフレーター6からガスが噴射される。インフレーター6から噴出されるガスによりエアバッグ20は展開し、図示しないフロントピラーガーニッシュやルーフヘッドライニングを内側から押圧し、その隙間から車室内へ展開する。そして、エアバッグ20は、車室の側面と乗員との間でカーテン状に展開する。
エアバッグ20は、特に図示しないが、2枚のシート状の部材の周縁部を縫合して袋状としたものである。エアバッグ20は、車両の前後方向に並設され、仕切部35によって仕切られた複数のチャンバー30を備えている。チャンバー30は、エアバッグ20のうち、インフレーター6からのガスで膨張する部分である。本実施形態では、車両の高さ方向(Z方向)に沿う複数の仕切部35を車両の前後方向に設けることで、複数のチャンバー30が形成されている。
チャンバー30を形成する仕切部35の構成に特に限定はない。本実施形態では、エアバッグ20を構成する2枚のシート部材を縫合することで仕切部35としている。また、エアバッグ20の上端部には、エアバッグ20を車体に支持するための支持部21が車両の前後方向に間隔を空けて複数並設されている。本実施形態では、複数のチャンバー30の間の仕切部35の上部に支持部21が設けられている。
このような構成のエアバッグ20は、その上端部(支持部21)が取付部50によって、ルーフサイドレール1及びフロントピラー2に取り付けられている。詳細は後述するが、取付部50は、エアバッグ20の上端部(支持部21)を、車幅方向内側(車室内側)へ移動させる移動手段の一例である。本実施形態では、移動手段としての取付部50が複数の支持部21の位置に合わせて車両の前後方向に複数並設されており、エアバッグ20の上端部は、複数の箇所(支持部21)で車室内側へ移動可能とされている。各取付部50は、仕切部35の上方に位置するように配置されている。もちろん、個数や取り付ける箇所に特に限定はない。
図3は、ワイヤー40の配置を示す概略図であり、ルーフサイドレール1及びフロントピラー2を直線状に表している。
図3に示すように、取付部50には、移動手段に含まれるワイヤー40が取り付けられている。詳細は後述するが、ワイヤー40は取付部50においてエアバッグ20の上端部(支持部21)に接続され、当該上端部を車室内側に引っ張るための紐状の部材である。
本実施形態では、一つの取付部50に対して二本のワイヤー40が設けられている。このうち一本を第1ワイヤー41と称し、他の一本を第2ワイヤー42と称する。これらの第1ワイヤー41と第2ワイヤー42とを区別しないときは、ワイヤー40と総称する。
なお、複数ある取付部50のうち最も前方側の取付部50は、第2ワイヤー42のみで第1ワイヤー41は設けられていない。
第1ワイヤー41は4本設けられており、これらを個別に第1ワイヤー41a〜第1ワイヤー41dとも称し、特に区別しない場合は第1ワイヤー41と総称する。
第1ワイヤー41は、取付部50からルーフサイドレール1に沿って車両の前方側に配索されており、端部がルーフサイドレール1又はフロントピラー2に固定されている。第1ワイヤー41は、図示しない内装部材であるフロントピラーガーニッシュやルーフヘッドライニングで覆われている。複数ある取付部50のうち、隣接する3つの取付部50を一つの組とする。同図では、4つの取付部50が設けられているので、3つの組P、組Q、組Rがある。
組Pの最も後方側の取付部50に設けられた第1ワイヤー41aは、その前方の二つの取付部50の間まで延設されている。換言すれば、取付部50に取り付けられた第1ワイヤー41は、2つ前方の取付部50まで延設されている。残りの組Q、組Rについても同様である。このように第1ワイヤー41を配置することで、一部を除いて、例えば、第1ワイヤー41a、第1ワイヤー41bなど、取付部50の間に複数の第1ワイヤー41が配設されていることになる。なお、第1ワイヤー41は組の最も後方の取付部50を起点として、2つ前方の取付部50よりもさらに前方に配索されていてもよい。
第2ワイヤー42は5本設けられており、これらを個別に第2ワイヤー42a〜第2ワイヤー42eとも称し、特に区別しない場合は第2ワイヤー42と総称する。
第2ワイヤー42は、取付部50からルーフサイドレール1に沿って車両の後方側に配索された後、車両の下方側へ屈曲してセンターピラー3に沿って配索されている。これらの5本の第2ワイヤー42は、センターピラー3の下方で、高さ方向においてほぼ同位置でセンターピラー3に固定されている。第2ワイヤー42は、図示しない内装部材であるフロントピラーガーニッシュやルーフヘッドライニング、およびセンターピラーガーニッシュで覆われている。
図4は、車幅方向を法線とする断面における取付部の断面図であり、図5は、車両の前後方向を法線とする断面における取付部の断面図である。
図4及び図5に示すように、取付部50は、ルーフサイドレール1に固定されたケース部51を備えている。ケース部51は車両の下方に開口した箱状の部材であり、車幅方向に延設されている。ケース部51の内部には、車幅方向に沿って延びるガイド部材52が設けられている。ガイド部材52は、車幅方向に沿った係合溝53を両側面に有している。
また、エアバッグ20の上端部の支持部21には、可動板54が固定ねじ55で固定されている。可動板54は、係合溝53に係合する一対の係合片56を有している。可動板54は、係合片56が係合溝53に摺動可能に係合しており、ガイド部材52の係合溝53に沿って車幅方向に移動可能となっている。つまり、エアバッグ20の支持部21が取付部50において車幅方向へ移動可能に支持されている。
なお、可動板54は、通常の状態では、係合溝53(ガイド部材52)の最も車外側(車幅方向外側)に位置(初期位置)されており、規制手段58で車室内側への移動が禁止されている。規制手段58は、本実施形態では、ケース部51から可動板54の車室内側に突出されたピンからなり、所定以上の荷重が作用すると変形または破断するよう構成されている。なお、規制手段58は、上記構成に限定されるものではなく、可動板54に所定以上の荷重が作用した時のみ規制が解除されるよう構成されていればよい。
また、ケース部51の内部には、可動板54よりも車室側(図5の左側)に第1滑車61が設けられ、可動板54よりも車外側(図5の右側)に第2滑車62が設けられている。これらの第1滑車61及び第2滑車62は、図4の平面視において左右対称となるようそれぞれ二つ設けられている。
第1ワイヤー41の端部は、可動板54に固定されている。そして、第1ワイヤー41は、第1滑車61によって折り返され、第2滑車62によってケース部51の上面側に設けられた挿通孔57に案内されている。挿通孔57からケース部51の外部に出た第1ワイヤー41は、ルーフサイドレール1やフロントピラー2に固定されている(図3参照)。このようにして、第1ワイヤー41は、可動板54とルーフサイドレール1又はフロントピラー2とで両端が固定されている。第2ワイヤー42についても同様であり、可動板54とセンターピラー3とで両端が固定されている。
第1ワイヤー41及び第2ワイヤー42は何れも、緊張状態で固定されている。このような第1ワイヤー41の任意の部分に荷重がかかると、第1ワイヤー41により可動板54が車室内側へ引っ張られる。第2ワイヤー42についても同様である。このようにワイヤー40が可動板54を車室内側に引っ張ると規制手段58による規制が解除され、可動板54がガイド部材52の係合溝53に沿って車室内側へ移動されるので、可動板54を介してエアバッグ20の上端部の支持部21を車室内側に移動させることができる。
なお、ワイヤー40は、可動板54を引っ張る場合に限定されず、ワイヤー40にエアバッグ20の支持部21を直接引っ張らせてもよい。
図6は、ルーフサイドレールに設けられたカッターを示す断面図である。図6に示すように、ルーフサイドレール1の車室側表面と、ルーフヘッドライニングの車外側表面とには、対向する一組のカッター5が設けられている。そして、これらのカッター5の間に第1ワイヤー41が設けられている。
車両にポール等の柱状の障害物が側突したとき(ポール側突時)、障害物によってルーフサイドレール1が車室内側に押し潰される。ルーフサイドレール1がヘッドライニング4に向けて押し潰さると、一組のカッター5により、その間の第1ワイヤー41が切断される仕組みとなっている。
図3に示すように、カッター5は、取付部50の間に複数並んだ第1ワイヤー41のうち、前方側の取付部50に取付られた第1ワイヤー41を切断するように配置されている。例えば、左から2番目と3番目の取付部50の間には、第1ワイヤー41aと第1ワイヤー41bとが配索されている。これらのうち、より前方側の取付部50に接続された第1ワイヤー41bを切断するようにカッター5が配設されている。なお、本実施形態では、ルーフサイドレール1が押し潰されることでカッター5が第1ワイヤー41を切断する構成とされているが、カッター5に別途駆動手段を設け、駆動手段によりカッター5を作動させることで第1ワイヤー41を切断する構成としてもよい。
上述した構成のカーテンエアバッグ装置10を搭載した車両が側突されたときの動作について説明する。まず、図3及び図7を用いて、比較的高さが低く、障害物がセンターピラーを含む車両側面の広範囲に側突した場合(バリア側突)について説明する。図7は、バリア側突でエアバッグが展開したときの動作を表すカーテンエアバッグの上面図である。
障害物がセンターピラー3を含む車両側面に側突したとき、センターピラー3が障害物により押し潰され、その内部に固定された第2ワイヤー42に荷重が掛かる。本実施形態では5本の第2ワイヤー42が設けられているので、5本全てに側方からの荷重が掛かる。これにより、第2ワイヤー42は、取付部50の可動板54(図4及び図5参照)を車室内側へ引っ張る。この結果、5つの取付部50の全てにおいて可動板54が車室内側へ移動され、エアバッグ20の全ての支持部21を車室内側へ移動させるので、エアバッグ20の上端部全体が車室内側へ傾斜する。
なお、支持部21がエアバッグ20のチャンバー30間を仕切る仕切部35の上部に設けられているので、エアバッグ20において比較的変形し易い仕切部35の上部が移動されることとなり、移動中にエアバッグ20が仕切部35で折れ曲がることが抑制され、エアバッグ20の上端部全体の車室内側へ移動がスムーズとなる。また移動後も仕切部35での変形が抑制されるのでより確実に頭部140を保護することができる。
このようにエアバッグ20の上端部全体が車室内側へ傾斜するので、エアバッグ20と乗員の頭部140との間隔を狭くすることができる。したがって、乗員の頭部140が、車外側(車幅方向外側)へX軸周りに大きく振られるように変位されることを抑制することができ、乗員の頭部140を適切に保護することができる。
なお、第2ワイヤー42は、センターピラー3に配設された部分がバリア側突によって変形することで車体側面への衝突を検出するとともに衝突箇所(センターピラー3)を判定する衝突検出手段としても機能している。すなわち、第2ワイヤー42は、移動手段であるとともに、衝突検出手段の機能も兼ねた部材である。
次に、図3及び図8を用いて、障害物として高さ方向に長尺な柱状のポール150が乗員の頭部の前方側に側突した場合(ポール衝突)について説明する。図8は、エアバッグが展開したときの動作を表すカーテンエアバッグの上面図である。
ポール150は、車両の側面全体ではなく、一部に側突する。ここでは、乗員の頭部140より前方の左から3番目と4番目の取付部50の間でルーフサイドレール1にポール150が側突したとする。これらの取付部50の間が衝突箇所となる。また、この衝突箇所にてポール150を受け止める左から3番目のチャンバー30を被衝突チャンバー30Aと称し、被衝突チャンバー30Aの後方側に隣接する左から2番目のチャンバーを隣接チャンバー30Bと称する。
ポール150の側突により、ルーフサイドレール1の衝突箇所が変形すると、被衝突チャンバー30Aがポール150(ルーフサイドレール1)に押されて車室内側へ移動される。同時に第1ワイヤー41bと第1ワイヤー41cとに荷重が掛かる(図3参照)。第1ワイヤー41bに荷重が掛かる結果、左から2番目の取付部50が支持するエアバッグ20の支持部21が第1ワイヤー41bによって引かれることにより、被衝突チャンバー30Aと後方側で隣接する隣接チャンバー30Bが車室内側へ移動される。
一方、第1ワイヤー41cにも側突による荷重が掛かるが、カッター5により切断される。この結果、第1ワイヤー41cが接続されていた取付部50(図8では取付部50C)が支持する被衝突チャンバー30Aの後方側で最も近い位置にある支持部21は移動が禁止される。すなわち、被衝突チャンバー30Aと隣接チャンバー30Bとの間の上端部(支持部21)は車室内側へは移動しない。このため、被衝突チャンバー30Aと隣接チャンバー30B(左から2番目のチャンバー30)が、それぞれ移動が禁止された支持部21(仕切部35)を中心にして車室内側へ回転する。すなわち、被衝突チャンバー30Aおよび被衝突チャンバー30Aの後方側に隣接する隣接チャンバー30Bがそれぞれ互いの間を仕切る仕切部35を中心にして乗員の頭部140へ向かうように車室内側へ回転され前後から頭部140を挟むように移動する。
上述したようにポール150が衝突した衝突箇所である被衝突チャンバー30Aの車室内側への移動に対応して、被衝突チャンバー30Aの後方に隣接する隣接チャンバー30Bについても第1ワイヤー41bの作用により車室内側へ移動される。
このように、ポール150が側突した場合であっても、乗員の頭部140の前方のみならず、後方においてもエアバッグ20との間隔を狭くすることができ、頭部140を後方側からも押さえることができる。したがって、頭部140が、車室内側(車幅方向内側)を向くようにZ軸周りに回転されることを抑制することができ、頭部140の保護性能をより高めることができる。
また、エアバッグ20のうち被衝突チャンバー30Aより前方側のチャンバー30(左から4番目と5番目のチャンバー30)については、第2ワイヤー42(第2ワイヤー42d、42e)と連結される取付部50に支持された支持部21が車室内側に移動されるので、より確実に被衝突チャンバー30Aが車室内側に移動され、乗員の頭部140を前後から確実に保護することができる。
なお、第1ワイヤー41は、ルーフサイドレール1又はフロントピラー2に配設された部分がポール150の側突によって変形することで車体側面への衝突を検出するとともに衝突箇所(ルーフサイドレール1またはフロントピラー2)を判定する衝突検出手段としても機能している。すなわち、第1ワイヤー41は、移動手段であるとともに、衝突検出手段の機能も兼ねた部材である。
以上に説明したように、本実施形態のカーテンエアバッグ装置10は、車両の側面への衝突によって第1ワイヤー41及び第2ワイヤー42に荷重が掛かり、この第1ワイヤー41及び第2ワイヤー42の引っ張る力によって、エアバッグ20の上端部を車室内側に移動させることができる。これにより、エアバッグ20と乗員の頭部140との間隔を狭くすることができ、頭部140が、X軸周りに車外側(車幅方向外側)へ大きく振られたり、Z軸周りに車室内側(車幅方向内側)へ回転することを抑制することができる。
本実施形態のカーテンエアバッグ装置10は、エアバッグ20の支持部21を移動可能に支持する移動手段として、取付部50及びワイヤー40を複数備えている。これにより、エアバッグ20の全体に亘り上端部(支持部21)を車室側に移動させることができ、又は、エアバッグ20の上端部(支持部21)の一部のみを車室内側に移動させることができる。これにより、バリア側突やポール側突といった側突の態様に応じて、エアバッグ20の上端部の支持部21を適宜移動することができ、乗員の頭部140とエアバッグ20との間の間隔をより的確に狭くすることができる。
本実施形態のカーテンエアバッグ装置10は、第1ワイヤー41をルーフサイドレール1とフロントピラー2に配索し、第2ワイヤー42をセンターピラー3に配索し、側突によりルーフサイドレール1またはセンターピラー3が変形した際に作用する荷重を受けてエアバッグ20の上端部(支持部)を引っ張って移動させるように構成している。
これにより、移動手段である第1ワイヤー41および第2ワイヤー42が車体側面への衝突および衝突箇所を検出する衝突検出手段として機能するので、移動手段と衝突検出手段をワイヤー40で兼用することができ、簡素な構成とすることができる。
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
実施形態1では、ルーフサイドレール1及びフロントピラー2に沿ってエアバッグ20が設けられていたが、取り付ける箇所に特に限定はない。また、エアバッグ20は左席側に設けられていたがこれに限定されず、右席側に配置されていてもよい。
実施形態1では、移動手段は、取付部50を備えていたが、これに限定されない。エアバッグ20の上端部を車室内側へ移動させることができる構成であればよい。また、移動手段として5つの取付部50が設けられていたが個数に限定はない。複数ではなく一つの移動手段であってもよい。
実施形態1では、移動手段としてワイヤー40を用いたが、このような態様に限定されない。例えば、エアバッグ20の上端部を車外側から車室内側へ向けて押圧するアクチュエータを移動手段として採用することができる。このようなアクチュエータは、側突があった際に、ECUからの制御信号によりエアバッグ20の上端部を車室内側へ押圧するように構成すればよい。
実施形態1では、ワイヤー40をルーフサイドレール1やセンターピラー3に沿って配索させ、側突によりワイヤー40に荷重が作用することでエアバッグ20の上端部(支持部21)を引っ張る構成としたが、このような態様に限定されない。例えば、側突があったことを検出するセンサーを衝突検出手段として用い、検出結果に連動してワイヤー40を引き込む駆動手段を設けてもよい。この場合、センサーによる検出結果を演算処理して側突の衝突箇所を判定したり側突の形態を推定するようにすればよい。
実施形態1では、第1ワイヤー41と第2ワイヤー42とを用いたが、これに限定されない。例えば、第1ワイヤー41のみ、又は第2ワイヤー42のみを用いる態様でもよい。
1 ルーフサイドレール
10 カーテンエアバッグ装置
20 エアバッグ
21 支持部
30 チャンバー
30A 被衝突チャンバー
30B 隣接チャンバー
35 仕切部
40 ワイヤー
41、41a、42b、41c、41d 第1ワイヤー
42、42a、42b、42c、42d、42e 第2ワイヤー
50 取付部

Claims (6)

  1. 車体のルーフサイドレールに沿って配置され、車両の側突時に乗員と車室側面との間で展開するエアバッグを備えたカーテンエアバッグ装置であって、
    車体側面への衝突を検出する衝突検出手段と、
    前記衝突検出手段により前記衝突を検知したとき、前記エアバッグの上端部を車幅方向の車室内側へ移動させる移動手段と、を備える
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載するカーテンエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、前記上端部に車両の前後方向に複数設けられて前記車体側に支持される支持部を有し、
    前記移動手段は、前記ルーフサイドレールに沿って車両の前後方向に複数並設されて前記複数の前記支持部を車室内側へ移動可能に支持する
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  3. 請求項2に記載するカーテンエアバッグ装置であって、
    前記衝突検出手段は、車体側面の衝突箇所を判定し、
    前記移動手段は、前記衝突箇所に応じて、前記複数の支持部の全てまたは一部を車室内側へ移動させる
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  4. 請求項3に記載するカーテンエアバッグ装置であって、
    前記移動手段は、前記車体側面の衝突箇所がセンターピラーを含む場合に、前記複数の支持部の全てを車室内側へ移動させる
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  5. 請求項3または4に記載するカーテンエアバッグ装置であって、
    前記移動手段は、前記車体側面の衝突箇所がルーフサイドレールを含む場合に、前記複数の支持部のうち、前記衝突箇所の後方でかつ最も近い位置にある支持部の移動を禁止するとともに移動を禁止した支持部の後方側に位置する前記支持部を車室内側へ移動させる
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  6. 請求項2から請求項5の何れか一項に記載するカーテンエアバッグ装置であって、
    前記移動手段は、前記エアバッグの前記支持部に接続されたワイヤーを含み、
    前記ワイヤーが、前記ルーフサイドレールおよびセンターピラーに沿って配索され、側突により前記ルーフサイドレールまたは前記センターピラーが変形した際に、前記エアバッグの前記支持部を車幅方向の車室内側へ引っ張るよう構成されている
    ことを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
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