JP2018094715A - 研磨装置、および研磨具を押圧する押圧パッド - Google Patents

研磨装置、および研磨具を押圧する押圧パッド Download PDF

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Abstract

【課題】研磨具を基板に対して傾斜させながら該研磨具で基板の周縁部を研磨するときに、該周縁部に接触する研磨具の幅を一定に維持することができる研磨装置を提供する。【解決手段】研磨装置は、基板を保持して回転させる基板保持部と、基板保持部に保持された基板の周縁部に研磨具23を押圧する押圧パッド50と、を備える。押圧パッド50は、研磨具23を介して基板の周縁部を押圧する押圧面を有する弾性部材55と、該弾性部材55を支持する支持部材56と、を有しており、支持部材56の前面には、弾性部材55が進入可能な凹部が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、ウェハなどの基板を研磨する研磨装置に関し、特に、研磨テープなどの研磨具を用いて基板の周縁部を研磨する研磨装置に関する。さらに、本発明は、研磨具を基板の周縁部に対して押圧する押圧パッドに関する。
半導体デバイスの製造における歩留まり向上の観点から、基板の周縁部の表面状態の管理が近年注目されている。半導体デバイスの製造工程では、種々の材料がシリコンウェハ上に成膜され、多層構造が形成される。このため、基板の周縁部には不要な膜や表面荒れが形成される。近年では、基板の周縁部のみをアームで保持して基板を搬送する方法が一般的になってきている。このような背景のもとでは、周縁部に残存した不要な膜が種々の工程を経ていく間に剥離して基板に形成されたデバイスに付着し、歩留まりを低下させてしまう。そこで、基板の周縁部に形成された不要な膜を除去するために、研磨装置を用いて基板の周縁部が研磨される。ここで、本明細書では、基板の周縁部を、基板の最外周に位置するベベル部と、このベベル部の径方向内側に位置するトップエッジ部およびボトムエッジ部とを含む領域として定義する。
図23(a)および図23(b)は、基板の一例としてのウェハの周縁部を示す拡大断面図である。より詳しくは、図23(a)はいわゆるストレート型のウェハの断面図であり、図23(b)はいわゆるラウンド型のウェハの断面図である。図23(a)のウェハWにおいて、ベベル部は、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、および側部(アペックス)Rから構成されるウェハWの最外周面(符号Bで示す)である。図23(b)のウェハWにおいては、ベベル部は、ウェハWの最外周面を構成する、湾曲した断面を有する部分(符号Bで示す)である。トップエッジ部は、ベベル部Bよりも径方向内側に位置する平坦部E1である。ボトムエッジ部は、トップエッジ部とは反対側に位置し、ベベル部Bよりも径方向内側に位置する平坦部E2である。トップエッジ部は、デバイスが形成された領域を含むこともある。
このようなウェハWの周縁部に形成された膜を除去する装置として、研磨テープなどの研磨具を用いた研磨装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の研磨装置は、ウェハWを保持して回転させる基板保持部と、研磨テープ(研磨具)をウェハWの周縁部に当接させるための研磨ヘッドとを備えており、研磨ヘッドは、研磨テープをウェハWの周縁部に押し付ける押圧パッドを有している。研磨テープの裏面側に配置された押圧パッドが研磨テープの研磨面をウェハWの周縁部に押圧することで該周縁部を研磨する。研磨具として、研磨テープに代えて、帯状の研磨布を用いてもよい。
図24は、従来の押圧パッドの一例を示す斜視図である。図24に示すように、押圧パッド150は、矩形状の押圧面155aを有する弾性部材155と、弾性部材155が固定されるパッド本体154と、を備えている。弾性部材155は、押圧面155aとは反対側の裏面の全体がパッド本体154に接触した状態で、パッド本体154に固定される。押圧パッド150は、研磨テープの裏面側に配置され、弾性部材155の押圧面155aにより研磨テープの前面(研磨面)をウェハWのベベル部Bに押圧する。押圧パッド150の弾性部材155は、ゴムまたはスポンジなどの材料から形成される。例えば、基板の研磨に適した硬度(例えば、20〜40度)を有するウレタンゴム、シリコーンスポンジなどが弾性部材155の材料として選定される。
図25は、図24に示される押圧パッド150を有する研磨ヘッド130でウェハWのベベル部Bを研磨している状態を示す模式図である。図25に示されるように、研磨ヘッド130は、研磨テープ123をウェハWの周縁部に押し付ける押圧パッド150と、押圧パッド150をウェハWの周縁部に向かって移動させるエアシリンダ(駆動機構)152と、研磨テープ123を所定の方向に送るテープ送り機構142と、を有している。エアシリンダ152へ供給する空気圧を制御することによって、研磨テープ123をウェハWに対して押圧する力が調整される。ウェハWのベベル部Bの研磨中、研磨ヘッド130(すなわち、押圧パッド150)はチルト機構(図示せず)により、ウェハWに対して傾斜させられる。研磨ヘッド130をウェハWに対して傾斜させながら、押圧パッド150の弾性部材155の押圧面155aが研磨テープ123をウェハWのベベル部Bに押し付けることにより、ベベル部B全体を研磨テープ123によって研磨することができる。
特許第5254575号公報
ベベル部B全体を研磨するために、研磨ヘッド130(すなわち、押圧パッド150)をウェハWに対して傾斜させると、ウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ123の幅が変化する。図26は、図24に示される押圧パッド150の弾性部材155の押圧面155aがウェハWの平坦面に対して垂直である場合に、研磨テープ123を介してウェハWのベベル部Bと接触する弾性部材155の押圧面155aの幅を示す模式図である。図27は、図24に示される押圧パッド150の弾性部材155の押圧面155aがウェハWの平坦面に対して傾斜している場合に、研磨テープ123を介してウェハWのベベル部Bと接触する弾性部材155の押圧面155aの幅を示す模式図である。図26および図27では、説明の簡略化のために研磨テープ123は描かれていないが、研磨中にウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ123の幅は、研磨テープ123を介してウェハWのベベル部Bと接触する弾性部材155の押圧面155aの幅に対応する。
図26および図27に示すように、押圧面155aがウェハWの平坦面に対して垂直である場合におけるウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープの幅Waは、押圧面155aがウェハWの平坦面に対して傾斜している場合におけるウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープの幅Wbよりも小さい。ウェハWの平坦面に対する押圧面155aの傾斜角度が大きくなるにつれて、ウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープの幅は大きくなる。
図28は、従来の押圧パッド150で研磨テープ123をウェハWのベベル部Bに押し付けて、該ベベルBを研磨したときに研磨テープ123に付く研磨痕を示した写真である。図28では、ウェハWの平坦面に対する押圧面155aの傾斜角度θを10°毎に変えて、ウェハWのベベル部Bを研磨したときの複数の研磨痕を示している。図29(a),(b),(c)は、ウェハWの平坦面に対する押圧面155aの傾斜角度θを示す模式図である。図29(a),(b),(c)において、研磨テープ123は、押圧面155aの中心に沿った縦断面として図示されている。この傾斜角度θは、図29(a)に示すように、押圧パッド150の弾性部材155の押圧面155aがウェハWの平坦面に対して垂直であるときに0度である。この傾斜角度θは、図29(b)に示すように、押圧面155aの上端がウェハWの平坦面に近づく方向に押圧面155aが傾斜したときにプラスの値となり、図29(c)に示すように、押圧面155aの上端がウェハWの平坦面から遠ざかる方向に押圧面155aが傾斜したときにマイナスの値となる。
図28に示される写真から分かるように、傾斜角度θの絶対値が大きくなるにつれて、研磨痕の長さが大きくなっていく。例えば、傾斜角度θが0°のときの研磨痕の長さLaは、傾斜角度θが70°のときの研磨痕の長さLbよりも小さい。この研磨痕の長さの違いは、ウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ123の幅の違いに相当する。ウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ123の幅が小さくなると、該ベベル部Bの研磨に寄与する研磨テープ123の量が減少する。その結果、押圧面155aの傾斜角度θの絶対値が小さいときの研磨レートは、押圧面155aの傾斜角度θの絶対値が大きいときの研磨レートよりも低くなってしまう。
さらに、図28に示される写真から分かるように、傾斜角度θの絶対値が小さいときは、研磨痕の中央領域の色の明度は研磨痕の外側領域の色の明度よりも高い。研磨痕のこの明度の違いは、図30に示すように、研磨テープ123とウェハWのベベル部Bとの接触領域における中央の押圧力Faが、研磨テープ123とウェハWのベベル部Bとの接触領域における外側の押圧力Fbよりも大きいことを意味する。この場合、研磨テープの接触領域の中央部で研磨テープ123の目詰まりが発生しやすくなり、研磨レートが低下する。
そこで、本発明は、研磨具を基板に対して傾斜させながら該研磨具で基板の周縁部を研磨するときに、該周縁部に接触する研磨具の幅を一定に維持することができる研磨装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、このような研磨装置で用いられる研磨具を押圧する押圧パッドを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、基板を保持して回転させる基板保持部と、前記基板保持部に保持された基板の周縁部に研磨具を押圧する押圧パッドと、を備え、前記押圧パッドは、前記研磨具を介して前記基板の周縁部を押圧する押圧面を有する弾性部材と、前記弾性部材を支持する支持部材と、を有しており、前記支持部材の前面には、前記弾性部材が進入可能な凹部が形成されていることを特徴とする研磨装置が提供される。
一実施形態では、前記押圧パッドは、前記弾性部材の両端部を前記支持部材に固定する固定手段をさらに備える。
一実施形態では、前記凹部の底面は湾曲している。
一実施形態では、前記弾性部材の前記押圧面の反対側の裏面にはシートが貼付されている。
一実施形態では、前記研磨具は、研磨テープからなる。
一実施形態では、前記弾性部材の前記押圧面には、該押圧面の反対側の裏面に向かって延びる溝が形成されており、前記弾性部材は、前記溝により分割されたブロック体を有する。
一実施形態では、前記研磨具は、前記ブロック体の前面に取り付けられた砥石である。
本発明の一態様によれば、基板の周縁部を研磨するための研磨具を該周縁部に押し付ける押圧パッドであって、前記研磨具を介して前記基板の周縁部を押圧する押圧面を有する弾性部材と、前弾性部材を支持する支持部材と、を有し、前記支持部材の前面には、前記弾性部材が進入可能な凹部が形成されていることを特徴とする押圧パッドが提供される。
一実施形態では、前記押圧パッドは、前記弾性部材の両端部を前記支持部材に固定する固定手段をさらに備える。
一実施形態では、前記凹部の底面は湾曲している。
一実施形態では、前記弾性部材の前記押圧面の反対側の裏面にはシートが貼付されている。
一実施形態では、前記研磨具は、研磨テープからなる。
一実施形態では、前記弾性部材の前記押圧面には、該押圧面の反対側の裏面に向かって延びる溝が形成されており、前記弾性部材は、前記溝により分割されたブロック体を有する。
一実施形態では、前記ブロック体の前面には、前記研磨具として用いられる砥石が取り付けられている。
本発明によれば、押圧パッドが回転する基板の周縁部に研磨具を押し付けたときに、押圧パッドの弾性部材は、支持部材の凹部に進入し、弾性部材が基板の周縁部に沿った形状に変形する。その結果、研磨具を基板に対して傾斜させながら該研磨具で基板の周縁部を研磨するときに、基板に接触する研磨具の幅を一定に維持することができる。
一実施形態に係る研磨装置を示す平面図である。 図1に示す研磨装置の縦断面図である。 研磨ヘッドの拡大図である。 一実施形態に係る押圧パッドを概略的に示した斜視図である。 図4に示される押圧パッドの概略正面図である。 図4に示される押圧パッドの概略側面図である。 図5のA−A線断面図である。 図8(a)は、図4に示されるシリコーンスポンジの概略斜視図であり、図8(b)は、図8(a)に示されるシリコーンスポンジの概略正面図である。 図9(a)は、図4に示される支持部材の正面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線断面図である。 図7のC−C線断面図である。 研磨ヘッドがウェハのベベル部を研磨している様子を示す図である。 研磨ヘッドがウェハのトップエッジ部を研磨している様子を示す図である。 研磨ヘッドがウェハのボトムエッジ部を研磨している様子を示す図である。 弾性部材が支持部材の凹部に進入している状態を示す模式図である。 図15(a)は、押圧パッドの弾性部材の押圧面がウェハの平坦面に対して垂直である場合に、ウェハのベベル部に押し返されることによって変形した弾性部材を示す模式図であり、図15(b)は、図15(a)に示される押圧パッドによって押圧される研磨テープとウェハのベベル部との接触領域における押圧力を示した模式図である。 図16(a)は、押圧パッドの弾性部材の押圧面がウェハの平坦面に対して傾斜している場合に、ウェハのベベル部に押し返されることによって変形した弾性部材を示す模式図であり、図16(b)は、図16(a)に示される押圧パッドによって押圧される研磨テープとウェハのベベル部との接触領域における押圧力を示した模式図である。 押圧パッドで研磨テープをウェハのベベル部に押し付けて、該ベベルを研磨したときに研磨テープに付く研磨痕を示した写真である。 別の実験の結果を示すグラフである。 別の実施形態に係る押圧パッドを示す断面図である。 さらに別の実施形態に係る押圧パッドの断面図である。 さらに別の実施形態に係る押圧パッドの断面図である。 さらに別の実施形態に係る押圧パッドの断面図である。 図23(a)および図23(b)は、基板の周縁部を示す拡大断面図である。 従来の押圧パッドの一例を示す斜視図である。 図24に示される押圧パッドを有する研磨ヘッドでウェハのベベル部を研磨している状態を示す模式図である。 図24に示される押圧パッドの弾性部材の押圧面がウェハの平坦面に対して垂直である場合に、研磨テープを介してウェハのベベル部と接触する弾性部材の押圧面の幅を示す模式図である。 図24に示される押圧パッドの弾性部材の押圧面がウェハの平坦面に対して傾斜している場合に、研磨テープを介してウェハのベベル部と接触する弾性部材の押圧面の幅を示す模式図である。 図24に示される押圧パッドで研磨テープをウェハのベベル部に押し付けて、該ベベル部を研磨したときに研磨テープに付く研磨痕を示した写真である。 図29(a),(b),(c)は、ウェハの平坦面に対する押圧面の傾斜角度を示す模式図である。 図24に示される押圧パッドによって押圧される研磨テープとウェハのベベル部との接触領域における押圧力を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は一実施形態に係る研磨装置を示す平面図であり、図2は図1に示す研磨装置の縦断面図である。図1および図2に示すように、この研磨装置は、その中央部に、基板の一例であるウェハWを水平に保持し、回転させる回転保持機構(基板保持部)3を備えている。図1においては、回転保持機構3がウェハWを保持している状態を示している。回転保持機構3は、ウェハWの裏面を真空吸着により保持する皿状の保持ステージ4と、保持ステージ4の中央部に連結された中空シャフト5と、この中空シャフト5を回転させるモータM1とを備えている。ウェハWは、搬送機構のハンド(図示せず)により、ウェハWの中心が中空シャフト5の軸心と一致するように保持ステージ4の上に載置される。
中空シャフト5は、ボールスプライン軸受(直動軸受)6によって上下動自在に支持されている。保持ステージ4の上面には溝4aが形成されており、この溝4aは、中空シャフト5を通って延びる連通路7に連通している。一実施形態では、中空シャフト5を通って延びる連通路7に連通する溝4aが形成されたシートを保持ステージ4の上面に貼り付けてもよい。溝4aは、例えば、シートを打ち抜き加工することにより形成される。連通路7は中空シャフト5の下端に取り付けられたロータリジョイント8を介して真空ライン9に接続されている。連通路7は、処理後のウェハWを保持ステージ4から離脱させるための窒素ガス供給ライン10にも接続されている。これらの真空ライン9と窒素ガス供給ライン10を切り替えることによって、ウェハWを保持ステージ4の上面に真空吸着し、離脱させる。
中空シャフト5は、この中空シャフト5に連結されたプーリーp1と、モータM1の回転軸に取り付けられたプーリーp2と、これらプーリーp1,p2に掛けられたベルトb1を介してモータM1によって回転される。モータM1の回転軸は中空シャフト5と平行に延びている。このような構成により、保持ステージ4の上面に保持されたウェハWは、モータM1によって回転される。
ボールスプライン軸受6は、中空シャフト5がその長手方向へ自由に移動することを許容する軸受である。ボールスプライン軸受6は円筒状のケーシング12に固定されている。したがって、本実施形態においては、中空シャフト5は、ケーシング12に対して上下に直線動作ができるように構成されており、中空シャフト5とケーシング12は一体に回転する。中空シャフト5は、エアシリンダ(昇降機構)15に連結されており、エアシリンダ15によって中空シャフト5および保持ステージ4が上昇および下降できるようになっている。
ケーシング12と、その外側に同心上に配置された円筒状のケーシング14との間にはラジアル軸受18が介装されており、ケーシング12は軸受18によって回転自在に支持されている。このような構成により、回転保持機構3は、ウェハWをその中心軸Crまわりに回転させ、かつウェハWを中心軸Crに沿って上昇下降させることができる。
図1に示すように、回転保持機構3に保持されたウェハWの周囲には4つの研磨ヘッド組立体(研磨部)1A,1B,1C,1Dが配置されている。研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dの径方向外側には研磨テープ供給機構2A,2B,2C,2Dがそれぞれ設けられている。研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dと研磨テープ供給機構2A,2B,2C,2Dとは隔壁20によって隔離されている。隔壁20の内部空間は研磨室21を構成し、4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dおよび保持ステージ4は研磨室21内に配置されている。一方、研磨テープ供給機構2A,2B,2C,2Dは隔壁20の外側(すなわち、研磨室21の外)に配置されている。研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dは互いに同一の構成を有し、研磨テープ供給機構2A,2B,2C,2Dも互いに同一の構成を有している。以下、研磨ヘッド組立体1Aおよび研磨テープ供給機構2Aについて説明する。
研磨テープ供給機構2Aは、研磨具の一例である研磨テープ23を研磨ヘッド組立体1Aに供給する供給リール24と、ウェハWの研磨に使用された研磨テープ23を回収する回収リール25とを備えている。供給リール24は回収リール25の上方に配置されている。供給リール24および回収リール25にはカップリング27を介してモータM2がそれぞれ連結されている(図1には供給リール24に連結されるカップリング27とモータM2のみを示す)。それぞれのモータM2は、所定の回転方向に一定のトルクをかけ、研磨テープ23に所定のテンションをかけることができるようになっている。
研磨テープ23は長尺の帯状の研磨具であり、その片面が研磨面を構成している。研磨テープ23は、PETシートなどからなる基材テープと、基材テープの上に形成されている研磨層とを有している。研磨層は、基材テープの一方の表面を被覆するバインダ(例えば、樹脂)と、バインダに保持された砥粒とから構成されており、研磨層の表面が研磨面を構成している。研磨具として、研磨テープ23に代えて、帯状の研磨布を用いてもよい。
研磨テープ23は供給リール24に巻かれた状態で研磨テープ供給機構2Aにセットされる。研磨テープ23の側面は巻き崩れが生じないようにリール板で支持されている。研磨テープ23の一端は回収リール25に取り付けられ、研磨ヘッド組立体1Aに供給された研磨テープ23を回収リール25が巻き取ることで研磨テープ23を回収するようになっている。研磨ヘッド組立体1Aは研磨テープ供給機構2Aから供給された研磨テープ23をウェハWの周縁部に当接させるための研磨ヘッド30を備えている。研磨テープ23は、研磨テープ23の研磨面(前面)がウェハWを向くように研磨ヘッド30に供給される。
研磨テープ供給機構2Aは複数のガイドローラ31,32,33,34を有しており、研磨ヘッド組立体1Aに供給され、研磨ヘッド組立体1Aから回収される研磨テープ23がこれらのガイドローラ31,32,33,34によってガイドされる。研磨テープ23は、隔壁20に設けられた開口部20aを通して供給リール24から研磨ヘッド30へ供給され、使用された研磨テープ23は開口部20aを通って回収リール25に回収される。
図2に示すように、ウェハWの上方には上側供給ノズル36が配置され、回転保持機構3に保持されたウェハWの上面中心に向けて研磨液を供給する。また、ウェハWの裏面と回転保持機構3の保持ステージ4との境界部(保持ステージ4の外周部)に向けて研磨液を供給する下側供給ノズル37を備えている。研磨液には通常純水が使用されるが、研磨テープ23の砥粒としてシリカを使用する場合などはアンモニアを用いることもできる。さらに、研磨装置は、研磨処理後に研磨ヘッド30を洗浄する洗浄ノズル38を備えており、研磨処理後にウェハWが回転保持機構3により上昇した後、研磨ヘッド30に向けて洗浄水を噴射し、研磨処理後の研磨ヘッド30を洗浄できるようになっている。
中空シャフト5がケーシング12に対して昇降した時にボールスプライン軸受6やラジアル軸受18などの機構を研磨室21から隔離するために、図2に示すように、中空シャフト5とケーシング12の上端とは上下に伸縮可能なベローズ19で接続されている。図2は中空シャフト5が下降している状態を示し、保持ステージ4が研磨位置にあることを示している。研磨処理後には、エアシリンダ15によりウェハWを保持ステージ4および中空シャフト5とともに搬送位置まで上昇させ、この搬送位置でウェハWを保持ステージ4から離脱させる。
隔壁20は、ウェハWを研磨室21に搬入および搬出するための搬送口20bを備えている。搬送口20bは、水平に延びる切り欠きとして形成されている。したがって、搬送機構に把持されたウェハWは、水平な状態を保ちながら、搬送口20bを通って研磨室21内を横切ることが可能となっている。隔壁20の上面には開口20cおよびルーバー40が設けられ、下面には排気口(図示せず)が設けられている。研磨処理時は、搬送口20bは図示しないシャッターで閉じられるようになっている。したがって、排気口から図示しないファン機構により排気をすることで研磨室21の内部には清浄空気のダウンフローが形成されるようになっている。この状態において研磨処理がされるので、研磨液が上方へ飛散することが防止され、研磨室21の上部空間を清浄に保ちながら研磨処理をすることができる。
図1に示すように、研磨ヘッド30はアーム60の一端に固定され、アーム60は、ウェハWの接線方向に平行な回転軸Ctまわりに回転自在に構成されている。アーム60の他端はプーリーp3,p4およびベルトb2を介してモータM4に連結されている。モータM4が時計回りおよび反時計回りに所定の角度だけ回転することで、アーム60が軸Ctまわりに所定の角度だけ回転する。本実施形態では、モータM4、アーム60、プーリーp3,p4、およびベルトb2によって、ウェハWの表面に対して研磨ヘッド30を傾斜させるチルト機構が構成されている。
チルト機構は、移動台61に搭載されている。移動台61は、ガイド62およびレール63を介してベースプレート65に移動自在に連結されている。レール63は、回転保持機構3に保持されたウェハWの半径方向に沿って直線的に延びており、移動台61はウェハWの半径方向に沿って直線的に移動可能になっている。移動台61にはベースプレート65を貫通する連結板66が取り付けられ、連結板66にはリニアアクチュエータ67がジョイント68を介して連結されている。リニアアクチュエータ67はベースプレート65に直接または間接的に固定されている。
リニアアクチュエータ67としては、エアシリンダや位置決め用モータとボールネジとの組み合わせなどを採用することができる。このリニアアクチュエータ67、レール63、ガイド62によって、研磨ヘッド30をウェハWの半径方向に直線的に移動させる移動機構が構成されている。すなわち、移動機構はレール63に沿って研磨ヘッド30をウェハWへ近接および離間させるように動作する。一方、研磨テープ供給機構2Aはベースプレート65に固定されている。
図3は研磨ヘッド30の拡大図である。図3に示すように、研磨ヘッド30は、研磨テープ23の研磨面をウェハWに対して所定の力で押圧する押圧機構41を備えている。また、研磨ヘッド30は、研磨テープ23を供給リール24から回収リール25へ送るテープ送り機構42を備えている。研磨ヘッド30は複数のガイドローラ43,44,45,46,47,48,49を有しており、これらのガイドローラはウェハWの接線方向と直交する方向に研磨テープ23が進行するように研磨テープ23をガイドする。
研磨ヘッド30に設けられたテープ送り機構42は、テープ送りローラ42aと、テープ把持ローラ42bと、テープ送りローラ42aを回転させるモータM3とを備えている。モータM3は研磨ヘッド30の側面に設けられ、モータM3の回転軸にテープ送りローラ42aが取り付けられている。テープ把持ローラ42bはテープ送りローラ42aに隣接して配置されている。テープ把持ローラ42bは、図3の矢印NFで示す方向(テープ送りローラ42aに向かう方向)に力を発生するように図示しない機構で支持されており、テープ送りローラ42aを押圧するように構成されている。
モータM3が図3に示す矢印方向に回転すると、テープ送りローラ42aが回転して研磨テープ23を供給リール24から研磨ヘッド30を経由して回収リール25へ送ることができる。テープ把持ローラ42bはそれ自身の軸まわりに回転することができるように構成され、研磨テープ23が送られるに従って回転する。
押圧機構41は、研磨テープ23の裏面側に配置された押圧パッド50と、この押圧パッド50をウェハWの周縁部に向かって移動させるエアシリンダ(駆動機構)52とを備えている。エアシリンダ52はいわゆる片ロッドシリンダである。エアシリンダ52へ供給する空気圧を制御することによって、研磨テープ23をウェハWに対して押圧する力が調整される。ウェハWの周囲に配置された4つの研磨ヘッド組立体1A,1B,1C,1Dのチルト機構、押圧機構41、テープ送り機構42、および各研磨ヘッド組立体を移動させる移動機構は、それぞれ独立に動作が可能なように構成されている。
図4は、一実施形態に係る押圧パッド50を概略的に示した斜視図であり、図5は、図4に示される押圧パッド50の概略正面図であり、図6は、図4に示される押圧パッド50の概略側面図である。
図4乃至図6に示すように、押圧パッド50は、研磨テープ23をウェハWの周縁部に直接押圧する平坦な押圧面55aを有する弾性部材55と、弾性部材55を支持する板状の支持部材56とを備えている。弾性部材55および支持部材56の詳細な構成は後述する。本実施形態では、押圧パッド50は、さらに、パッド本体54を有しており、支持部材56は、弾性部材55とパッド本体54との間に挟まれている。
弾性部材55は、スポンジまたはゴムなどの材料から形成される。例えば、ウェハWの研磨に適した硬度(例えば、20〜40度)を有するシリコーンスポンジが弾性部材55の材料として選定される。弾性部材55は、ウェハWの研磨に適した硬度(例えば、20〜40度)を有するゴム(例えば、ウレタンゴム)から形成されてもよい。支持部材56は、弾性部材55よりも硬い材料から形成される。以下で説明される実施形態では、弾性部材55は、シリコーンスポンジから形成されており、該弾性部材55をシリコーンスポンジ55と称する。
研磨テープ23の裏面(すなわち、研磨面とは反対の面)を直接押圧するシリコーンスポンジ55の押圧面55aは矩形状であり、押圧面55aの幅(ウェハWの周方向に沿った寸法)D1は、高さ(ウェハWの表面に垂直な方向に沿った寸法)D2よりも大きく形成されている。
本実施形態では、押圧パッド50は、パッド本体54の前面に形成された2つの突起部54a,54bを有している。これらの突起部54a,54bは、レールのような形状を有しており、並列に配置されている。突起部54a,54bは、ウェハWの周方向に沿って湾曲している。より具体的には、突起部54a,54bは、ウェハWの曲率と実質的に同じ曲率を有する円弧形状を有している。
2つの突起部54a,54bは、回転軸Ct(図1参照)に関して対称に配置されており、図5に示すように、押圧パッド50の正面から見たときに突起部54a,54bは回転軸Ctに向かって内側に湾曲している。研磨ヘッド30は、突起部54a,54bの先端間の中心線(すなわち回転軸Ct)がウェハWの厚さ方向における中心と一致するように設置される。突起部54a,54bは、研磨ヘッド30の前面に配置されたガイドローラ46,47(図3参照)よりもウェハWに近接して配置されており、研磨テープ23は突起部54a,54bによって裏面から支持されている。突起部54a,54bを含むパッド本体54は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの樹脂から形成されている。
図4および図5に示されるように、シリコーンスポンジ55は、2つの突起部54a,54bの間に配置される。シリコーンスポンジ55の高さは、突起部54a,54bの高さよりもやや低くなっている。研磨ヘッド30を水平に維持した状態で押圧パッド50がエアシリンダ52によってウェハWに向かって移動されると、シリコーンスポンジ55は、研磨テープ23をその裏面側からウェハWのベベル部Bに対して押圧する。
図7は、図5のA−A線断面図であり、図8(a)は、図4に示されるシリコーンスポンジ55の概略斜視図であり、図8(b)は、図8(a)に示されるシリコーンスポンジ55の概略正面図である。図9(a)は、図4に示される支持部材56の正面図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線断面図である。図9(b)には、支持部材56によって支持されるシリコーンスポンジ55が仮想線(点線)で描かれている。図10は、図7のC−C線断面図である。
図7に示すように、シリコーンスポンジ55の両端部55c,55dは、支持部材56によって支持され、シリコーンスポンジ55の両端部55c,55dは、後述する固定手段70によって支持部材56に固定される。
図8(a)および図8(b)に示すように、シリコーンスポンジ55は、該シリコーンスポンジ55の両側面からそれぞれ突出する固定突起55e,55fを有している。固定突起55e,55fは、シリコーンスポンジ55の長手方向に沿って延びている。固定突起55eは、シリコーンスポンジ55の一方の端部55cの一部を構成し、固定突起55fは、シリコーンスポンジ55の他方の端部55dの一部を構成する。
図9(a)および図9(b)に示すように、支持部材56の前面56aには、凹部57が形成される。凹部57は、支持部材56の両端部58,59に挟まれた位置に形成される。すなわち、支持部材56は、凹部57が形成される凹部領域と、凹部領域の外側にそれぞれ位置し、支持部材56の両端部58,59をそれぞれ構成する2つの端部領域とを含んでいる。シリコーンスポンジ55の一方の端部55cは、支持部材56の一方の端部58(すなわち、一方の端部領域)が対向するシリコーンスポンジ55の一部分である。本実施形態では、固定突起55eを含むシリコーンスポンジ55の端部55cは、支持部材の端部58と接触している。支持部材56の一方の端部領域は、固定突起55eと対向する固定領域と、固定突起55e以外のシリコーンスポンジ55の端部55cと対向する支持領域とから構成される。同様に、シリコーンスポンジ55の他方の端部55dは、支持部材56の他方の端部59(すなわち、他方の端部領域)が対向するシリコーンスポンジ55の一部分である。本実施形態では、固定突起55fを含むシリコーンスポンジ55の端部55dは、支持部材の端部59と接触している。支持部材56の他方の端部領域は、固定突起55fと対向する固定領域と、固定突起55f以外のシリコーンスポンジ55の端部55dと対向する支持領域とから構成される。支持領域は、シリコーンスポンジ55を確実に支持するために支持部材56に形成された領域であり、固定領域は、シリコーンスポンジ55の両端部55c,55dを後述する固定手段70によって支持部材56に固定するために形成された領域である。
支持部材56に凹部57を形成することにより、支持部材56の前面56aは、凹部57の底面57aと、端部58の前面58aと、端部59の前面59aとに分割される。すなわち、端部58の前面58aは、一方の端部領域における支持部材56の前面に相当し、端部59の前面59aは、他方の端部領域における支持部材56の前面に相当する。本実施形態では、凹部57の底面57aは、凹部57の一方の側面57bを介して支持部材56の一方の端部58の前面58aに接続され、凹部57の他方の側面57cを介して支持部材56の他方の端部59の前面59aに接続されている。
図7に示されるように、支持部材56の両端部58,59の前面58a,59aは、シリコーンスポンジ55の押圧面55aとは反対側の裏面55bに接触している。より具体的には、支持部材56の両端部58,59の前面58a,59aは、固定突起55eを含むシリコーンスポンジ55の端部55cの裏面と、固定突起55fを含むシリコーンスポンジ55の端部55dの裏面とにそれぞれ接触している。支持部材56の裏面(すなわち、支持部材56の前面56aとは反対側の面)56bは、パッド本体54に接触している。
次に、シリコーンスポンジ55の両端部55c,55dを支持部材56に固定する固定手段70について、図7および図10を参照して説明する。この固定手段70は、押圧パッド50の両端部にそれぞれ設けられ、固定ブロック71と、該固定ブロック71にねじ込まれるねじ72とを有する。図10に示されるように、固定手段70の固定ブロック71は、段差部71aを有しており、L字状の断面形状を有している。段差部71aは、図8(a)および図8(b)に示されるシリコーンスポンジ55の固定突起55e(または55f)に対応する形状を有しており、この段差部71aに固定突起55e(または55f)が嵌め込まれる。固定ブロック71には、ねじ72が螺合するねじ孔71bが形成されており、支持部材56の各端部領域の固定領域(図9(b)参照)には、ねじ72が挿入される貫通孔56cが形成されている。貫通孔56cは、ねじ孔71bに対応する位置に形成される。パッド本体54の両端部にも、ねじ72が挿入される貫通孔54cがそれぞれ形成されており、これら貫通孔54cは、ねじ孔71bに対応する位置に形成される。
シリコーンスポンジ55の両端部55c,55dを、支持部材56の両端部58,59に支持させた状態で、シリコーンスポンジ55の固定突起55e,55fに固定ブロック71の段差部71aをそれぞれ嵌め込む。この状態で、ねじ72をパッド本体54の貫通孔54cおよび支持部材56の貫通孔56cに挿入し、さらに、固定ブロック71のねじ孔71bにねじ込む。この固定動作により、シリコーンスポンジ55の両端部55c,55dを支持部材56に固定し、さらに、シリコーンスポンジ55が固定された支持部材56をパッド本体54に固定することができる。
シリコーンスポンジ55および支持部材56をパッド本体54に固定する固定手段は、固定ブロック71とねじ72とを含む上述の実施形態に限定されない。例えば、シリコーンスポンジ55の両端部55c,55d、支持部材56、およびパッド本体54を挟むクリップで、シリコーンスポンジ55を支持部材56に固定し、同時に、これらシリコーンスポンジ55および支持部材56をパッド本体54に固定してもよい。あるいは、接着剤でシリコーンスポンジ55の両端部55c,55dを支持部材56の両端部58,59に接着(すなわち、固定)し、シリコーンスポンジ55が固定された支持部材56を接着剤またはねじでパッド本体54に固定してもよい。
図11は、研磨ヘッド30がウェハWのベベル部Bを研磨している様子を示す図である。ウェハWのベベル部を研磨するときは、図11に示されるように、上述のチルト機構により研磨ヘッド30の傾斜角度を断続的または連続的に変化させながら、押圧パッド50により研磨テープ23をウェハWのベベル部に押し当てる。研磨中に、研磨テープ23をテープ送り機構42により所定の速度で送ってもよい。
さらに、本実施形態の押圧パッド50を有する研磨ヘッド30は、ウェハWのトップエッジ部およびボトムエッジ部を研磨することができる。すなわち、図12に示されるように、上述のチルト機構により研磨ヘッド30を上方に傾けて、突起部54aにより研磨テープ23をウェハWのトップエッジ部に押圧し、トップエッジ部を研磨することができる。さらに、図13に示されるように、研磨ヘッド30を下方に傾けて、突起部54bにより研磨テープ23をウェハWのボトムエッジ部に押圧し、ボトムエッジ部を研磨することができる。
このように、本実施形態の研磨ヘッド30は、トップエッジ部E1、ベベル部B、およびボトムエッジ部E2を含むウェハWの周縁部全体を研磨することができる。研磨ヘッド組立体1A〜1D(図1参照)は、この研磨ヘッド30をそれぞれ有している。したがって、研磨装置のスループットを向上させるために、全ての研磨ヘッド組立体1A〜1Dがトップエッジ部E1、ベベル部B、およびボトムエッジ部E2を含むウェハWの周縁部全体を研磨してもよい。あるいは、研磨ヘッド組立体1Aでトップエッジ部E1を研磨し、研磨ヘッド組立体1Bでベベル部Bを研磨し、研磨ヘッド組立体1Cでボトムエッジ部E2を研磨してもよい。
ウェハWのベベル部Bを研磨するために、エアシリンダ52によって押圧パッド50のシリコーンスポンジ55を、研磨テープ23を介してウェハWのベベル部Bに所定の力で押圧すると、シリコーンスポンジ55がウェハWのベベル部Bに押し返されて変形する。このとき、支持部材56の前面56aには、凹部57が形成されており、シリコーンスポンジ55はその両端部55c,55dで支持部材56に支持されているので、シリコーンスポンジ55は、支持部材56の凹部57に容易に進入することができる。
図14は、シリコーンスポンジ55が支持部材56の凹部57に進入している状態を示す模式図である。図15(a)は、押圧パッド50のシリコーンスポンジ55の押圧面55aがウェハWの平坦面に対して垂直である場合に、ウェハWのベベル部Bに押し返されることによって変形したシリコーンスポンジ55を示す模式図であり、図15(b)は、図15(a)に示される押圧パッド50によって押圧される研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における押圧力を示した模式図である。図16(a)は、押圧パッド50のシリコーンスポンジ55の押圧面55aがウェハWの平坦面に対して傾斜している場合に、ウェハWのベベル部Bに押し返されることによって変形したシリコーンスポンジ55を示す模式図であり、図16(b)は、図16(a)に示される押圧パッド50によって押圧される研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における押圧力を示した模式図である。
図14乃至図16(b)では、発明の理解を助けるために、模式化された押圧パッド50が描かれている。より具体的には、シリコーンスポンジ55、支持部材56、パッド本体54、および固定手段70の固定ブロック71のみが模式化して描かれている。さらに、図15(a)、図15(b)、図16(a)、および図16(b)では、説明の簡略化のために研磨テープ23は描かれていないが、ウェハWのベベル部Bの研磨中は、図14に示されるように、押圧パッド50は、研磨テープ23をウェハWのベベル部Bに対して押圧する。より具体的には、押圧パッド50のシリコーンスポンジ55の押圧面55aが直接研磨テープ23の裏面に接触し、この状態で、押圧パッド50は、研磨テープ23の前面(研磨面)をウェハWのベベル部Bに対して押圧する。研磨中にウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ23の幅は、研磨テープ23を介してウェハWのベベル部Bと接触するシリコーンスポンジ55の押圧面55aの幅に対応する。
図14に示されるように、エアシリンダ52によって押圧パッド50のシリコーンスポンジ55を、研磨テープ23を介してウェハWのベベル部Bに所定の力で押圧すると、シリコーンスポンジ55は支持部材56の凹部57に進入するように変形する。支持部材56の凹部57に進入したシリコーンスポンジ55の裏面55bは、凹部57の底面57aに接触し、シリコーンスポンジ55は、図15(a)および図16(a)に示されるように、ウェハWのベベル部Bに沿った形状に変形する。このように、シリコーンスポンジ55が進入可能な凹部57を支持部材56に形成することによって、シリコーンスポンジ55がウェハWのベベル部Bに沿った形状に変形することができる。その結果、シリコーンスポンジ55の押圧面55aをウェハWに対して傾斜させても、研磨テープ23がウェハWのベベル部Bに接触する幅を一定に維持することができる。すなわち、押圧面55aがウェハWの平坦面に対して垂直である場合におけるウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ23の幅W1(図15(a)参照)は、押圧面55aがウェハWの平坦面に対して傾斜している場合におけるウェハWのベベル部Bと接触する研磨テープ23の幅W2(図16(a)参照)と同一である。
シリコーンスポンジ55は、その内部に複数の微小な空隙を含む発泡体である。シリコーンスポンジ55は、例えば、成形型内でシリコーンを発泡させることにより形成される。成形型から取りだした直後のシリコーンスポンジ55の表面は、凹凸の無い円滑な平坦面である。しかしながら、この平坦面を切削すると、シリコーンスポンジ55内の空隙が露出する。すなわち、切削されたシリコーンスポンジ55の表面には、凹凸が現れる。例えば、シリコーンスポンジ55の高さを調節するために、シリコーンスポンジ55の押圧面55aおよび/または裏面55bを切削すると、切削された押圧面55aおよび/または裏面55bに凹凸が現れる。
押圧面55aおよび/または裏面55bに凹凸を有するシリコーンスポンジ55をウェハWのベベル部Bに押し付けると、押圧面55aおよび/または裏面55bの凹凸が潰れて、シリコーンスポンジ55がウェハWのベベル部Bに沿った所望の形状に変形できないことがある。したがって、シリコーンスポンジ55の押圧面55aおよび/または裏面55bに切削加工などの加工処理を施さず、該押圧面55aおよび/または裏面55bを円滑な平坦面として構成するのが好ましい。
図17は、本実施形態に係る押圧パッド50で研磨テープ23をウェハWのベベル部Bに押し付けて、該ベベルBを研磨したときに研磨テープ23に付く研磨痕を示した写真である。図17では、ウェハWの平坦面に対する押圧面55aの傾斜角度θを10°毎に変えて、ウェハWのベベル部Bを研磨したときの複数の研磨痕を示している。この傾斜角度θは、押圧パッド50のシリコーンスポンジ55の押圧面55aがウェハWの平坦面に対して垂直であるときに0度である。この傾斜角度θは、押圧面55aの上端がウェハWの平坦面に近づく方向に押圧面55aが傾斜したときにプラスの値となり、押圧面55aの上端がウェハWの平坦面から遠ざかる方向に押圧面55aが傾斜したときにマイナスの値となる。
図17の写真から分かるように、研磨痕の長さは、全ての傾斜角度でほぼ同一である。例えば、傾斜角度θが0°のときの研磨痕の長さL1は、傾斜角度θが70°のときの研磨痕の長さL2とほぼ同一である。このように、本実施形態に係る押圧パッド50の使用により、研磨テープ23をウェハWに対して傾斜させながら該研磨テープ23でウェハWのベベル部Bを研磨するときに、ウェハWに接触する研磨テープ23の幅を一定に維持することができる。その結果、押圧面55aの傾斜角度θを変えても、研磨レートが変わらないので、従来の押圧パッド150(図24参照)を用いてウェハWのベベル部Bを研磨する場合と比較して、研磨装置のスループットを向上させることができる。
さらに、図17の写真から分かるように、全ての傾斜角度θで、研磨痕の中央領域における色の明度は研磨痕の外側領域における色の明度とほぼ同一である。これは、図15(b)および図16(b)に示すように、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における中央の押圧力F1が、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における外側の押圧力F2とほぼ同一であることを意味する。したがって、従来の押圧パッド150(図24参照)を用いてウェハWのベベル部Bを研磨する場合と比較して、研磨テープ23の中央領域で研磨テープ23の目詰まりが発生しにくくなる。その結果、ウェハWのベベル部Bの研磨レートが低下しないので、研磨装置のスループットを向上させることができる。
本実施形態に係るシリコーンスポンジ(弾性部材)55は、その内部に複数の微小な空隙を有するが、該シリコーンスポンジ55の押圧面55aと裏面55bとが一体的に変形する中実構造を有する。すなわち、シリコーンスポンジ55には、該シリコーンスポンジ55の押圧面55aのみの変形を許容する内部空間が形成されていない。シリコーンスポンジ55がこのような内部空間が形成された中空構造を有する場合も、押圧パッド50をウェハWのベベル部Bに押圧したときに、シリコーンスポンジ55の押圧面55aをウェハWの周方向に沿って湾曲させることができる。しかしながら、この場合、シリコーンスポンジ55の押圧面55aの変形量を管理することが困難である。シリコーンスポンジ55の押圧面55aが大きく変形すると、ウェハWのトップエッジ部E1および/またはボトムエッジ部E2に研磨テープ23が接触して、ウェハWを傷つけてしまうことがある。さらに、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における中央の押圧力が、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における外側の押圧力よりも大きくなり、研磨テープの中央領域で研磨テープ23の目詰まりが発生しやすくなる。
本実施形態では、中実構造を有するシリコーンスポンジ55の両端部55c,55dを、凹部57を有する支持部材56の両端部58,59で支持している。このような構成により、押圧パッド50をウェハWのベベル部Bに押圧したときに、シリコーンスポンジ55の押圧面55aおよび裏面55bが一体に変形して、シリコーンスポンジ55が凹部57に容易に侵入することができる。凹部57に進入したシリコーンスポンジ55はその裏面55bが凹部57の底面57aに支持された状態で、ウェハWのベベル部Bの形状に沿って変形する。したがって、ウェハWのベベル部の形状、研磨テープ23の幅、研磨テープ23をウェハWに対して押圧する力などに基づいて、凹部57の形状(例えば、凹部57の幅、深さDpなど)および支持部材56における支持領域の幅Wd(図9(b)参照)を最適化することにより、シリコーンスポンジ55の変形量を所望の値に管理することができる。さらに、図15(b)および図16(b)に示されるように、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における中央の押圧力F1と、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における外側の押圧力F2とをほぼ同一にすることができる。
上述した押圧パッド50を有する研磨ヘッド30を用いて、ベアシリコンウェハのベベル部Bを研磨する実験を行った。実験では、研磨ヘッド30の傾斜角度(すなわち、シリコーンスポンジ55の押圧面55aの傾斜角度θ)が0°、70°、および−70°のときに、押圧パッド50で研磨テープ23をベアシリコンウェハのベベル部Bに所定時間押し付けたときの研磨面積(μm)を計測した。さらに、支持部材56における支持領域の幅Wdと、凹部57の深さDp(図9(b)参照)とを変えた複数回の実験が行われた。さらに、比較例として、同一の条件で従来の押圧パッド150(図24参照)で研磨テープ23をベアシリコンウェハのベベル部Bに押し付けたときの研磨面積(μm)を計測した。表1は、研磨ヘッド30の傾斜角度が0°のときの実験結果を表し、表2は、研磨ヘッド30の傾斜角度が70°のときの実験結果を表し、表3は、研磨ヘッド30の傾斜角度が−70°のときの実験結果を表す。
表1乃至表3から分かるように、上述した押圧パッド50を用いて研磨されたベアシリコンウェハの研磨面積は、従来の押圧パッド150を用いて研磨されたベアシリコンウェハの研磨面積よりも多い。したがって、本実施形態に係る押圧パッド50を用いることにより、ベアシリコンウェハWを効率よく研磨することができる。さらに、支持部材56における支持領域の幅Wdが3mmまたは5mmであり、かつ凹部57の深さDpが0.5mmであるときに、研磨面積が大きく増加していることが分かる。
さらに、上述した押圧パッド50を有する研磨ヘッド30を用いて、ベアシリコンウェハ上にシリコン窒化膜を積層したウェハのベベル部全体を研磨する別の実験を行った。説明の便宜上、ベアシリコンウェハ上にシリコン窒化膜を積層したウェハWをSiNウェハと称する。別の実験では、押圧パッド50を有する研磨ヘッド30を断続的に傾斜させて、各角度でSiNウェハのシリコン窒化膜を200nmだけ研磨するのに必要な時間を測定した。さらに、別の実験は、支持部材56における支持領域の幅Wdと、凹部57の深さDp(図9(b)参照)とを変えて複数回行われた。さらに、比較例として、従来の押圧パッド150(図24参照)を有する研磨ヘッド30を断続的に傾斜させて、各角度でSiNウェハのシリコン窒化膜を200nmだけ研磨するのに必要な時間を測定した。
別の実験の結果を図18のグラフに示す。図18に示されるグラフで、縦軸は、シリコン窒化膜を200nmだけ研磨するのに必要な時間を表し、横軸は、研磨ヘッド30の傾斜角度を表す。図18に示されるグラフで、比較例である従来の押圧パッド150を有する研磨ヘッド30の結果は、太い実線で描かれている。
図18に示されるグラフから分かるように、本実施形態に係る押圧パッド50を有する研磨ヘッド30によるシリコン窒化膜の研磨時間は、従来の押圧パッド150を有する研磨ヘッド30によるシリコン窒化膜の研磨時間よりも短い。特に、支持部材56の凹部57の深さDpが0.5mmの押圧パッド50を用いた場合に、シリコン窒化膜の研磨時間を大きく低減することができる。より具体的には、従来の押圧パッド150を有する研磨ヘッド30を用いた場合は、SiNウェハのベベル部全体におけるシリコン窒化膜の研磨時間は69秒である。これに対し、支持部材56の凹部57の深さDpが0.5mmの押圧パッド50を有する研磨ヘッド30を用いた場合は、SiNウェハのベベル部全体におけるシリコン窒化膜の研磨時間は52秒である。したがって、上述した押圧パッド50を有する研磨ヘッド30でシリコン窒化膜を研磨する場合の研磨時間は、従来の研磨パッド150を有する研磨ヘッド130でシリコン窒化膜を研磨する場合の研磨時間より約25%短くなる。
図19は、別の実施形態に係る押圧パッド50を示す断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図4乃至図10を参照して説明された実施形態と同一であるため、その重複する説明を省略する。図19に示される押圧パッド50の凹部57は、湾曲した底面57aを有する。より具体的には、凹部57の底面57aは、円弧状に湾曲した形状を有する。本実施形態では、凹部57の底面57aは、直接、支持部材56の両端部58,59の前面58a,59aに接続されている。すなわち、本実施形態の凹部57は、図9(a)および図9(b)に示される凹部57の側面57b,57cを有していない。一実施形態では、湾曲した底面58aを、凹部57の側面58b,58cを介して支持部材56の両端部58,59の前面58a,59aに接続してもよい。
湾曲した底面58aを有する凹部57にも、シリコーンスポンジ55が進入可能である。支持部材56の凹部57に進入したシリコーンスポンジ55の裏面55bは、凹部57の湾曲した底面57aに接触し、シリコーンスポンジ55は、ウェハWのベベル部Bに沿った形状に変形する。したがって、研磨テープ23をウェハWに対して傾斜させながら該研磨テープ23でウェハWのベベル部Bを研磨するときに、ウェハWに接触する研磨テープ23の幅を一定に維持することができる。さらに、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における押圧力を均一にすることができる。凹部57の底面57aは、ウェハWのベベル部の曲率半径と実質的に同じ曲率半径を有する円弧形状を有するのが好ましい。この場合、支持部材56の凹部57に進入したシリコーンスポンジ55の裏面55bが凹部57の湾曲した底面57aに接触したときに、シリコーンスポンジ55は、ウェハWの周方向に沿ったベベル部Bと同一形状に変形することができる。
図20は、さらに別の実施形態に係る押圧パッド50の断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図4乃至図10を参照して説明された実施形態と同一であるため、その重複する説明を省略する。図20に示される押圧パッド50は、研磨テープ23の裏面との摩擦を少なくするために、シリコーンスポンジ55の押圧面55aに貼り付けられたシート73を有する。このシート73は、テフロン(登録商標)加工などの摩擦係数を低減するための処理が施された表面を有しており、この表面が研磨テープ23の裏面と接触する。さらに、本実施形態では、シート73と同一の構成を有するシート74がシリコーンスポンジ55の裏面55bに貼り付けられている。
シリコーンスポンジ55の押圧面55aと裏面55bに同一の構成を有するシート73,74が貼り付けられているので、シリコーンスポンジ55の押圧面55aがウェハWのベベル部Bを押圧して、シリコーンスポンジ55が変形するときに、シリコーンスポンジ55の裏面55bがシリコーンスポンジ55の押圧面55aの変形に応じて変形することができる。すなわち、シリコーンスポンジ55が凹部57に適切に進入して、シリコーンスポンジ55がウェハWのベベル部Bに沿った形状に変形することができる。その結果、シリコーンスポンジ55の押圧面55aにシート73が貼り付けられていても、研磨テープ23をウェハWに対して傾斜させながら該研磨テープ23でウェハWのベベル部Bを研磨するときに、ウェハWに接触する研磨テープ23の幅を一定に維持することができる。さらに、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における押圧力を均一にすることができる。
図21は、さらに別の実施形態に係る押圧パッド50の断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図4乃至図10を参照して説明された実施形態と同一であるため、その重複する説明を省略する。図21に示される押圧パッド50のシリコーンスポンジ55の押圧面55aには、該押圧面55aから裏面55bに向かって延びる複数の(図21では、2つの)溝78が形成されている。これら溝78は、互いに平行に等間隔で配列される。複数の溝78がシリコーンスポンジ55の押圧面55aに形成されることにより、シリコーンスポンジ55には、複数の(図21では、3つの)ブロック体80が形成される。本実施形態では、シリコーンスポンジ55の押圧面55aは、複数のブロック体80の前面から構成される。
複数のブロック体80が形成されたシリコーンスポンジ55を用いると、シリコーンスポンジ55は、ウェハWのベベル部Bに沿った形状に変形しやすくなる。その結果、研磨テープ23をウェハWに対して傾斜させながら該研磨テープ23でウェハWのベベル部Bを研磨するときに、ウェハWに接触する研磨テープ23の幅を一定に維持することができる。さらに、研磨テープ23とウェハWのベベル部Bとの接触領域における押圧力を均一にすることができる。
図22は、さらに別の実施形態に係る押圧パッド50の断面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図21を参照して説明された実施形態と同一であるため、その重複する説明を省略する。図22に示される押圧パッド50のシリコーンスポンジ55にも、押圧面55aから裏面55bに向かって延びる複数の溝78が形成されている。したがって、図22に示される押圧パッド50のシリコーンスポンジ55には、複数のブロック体80が形成されている。
図22に示されるシリコーンスポンジ55の複数のブロック体80の前面には、砥石82がそれぞれ取り付けられている。この砥石82は、ウェハWのベベル部Bを研磨するための研磨具である。すなわち、本実施形態では、研磨テープ23の代わりに、研磨具として砥石82が用いられる。したがって、図22に示される押圧パッド50を用いると、上述した研磨テープ供給機構2A〜2Dが不要であるため、研磨装置をコンパクトかつ安価に製造することができる。
本実施形態の押圧パッド50を有する研磨ヘッド30を用いてウェハWのベベル部Bを研磨する場合も、シリコーンスポンジ55は、ウェハWのベベル部Bに沿った形状に変形する。その結果、砥石82をウェハWに対して傾斜させながら該砥石82でウェハWのベベル部Bを研磨するときに、ウェハWに接触する砥石82の幅を一定に維持することができる。さらに、砥石82とウェハWのベベル部Bとの接触領域における押圧力を均一にすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、図20乃至図22に示される実施形態において、凹部57の底面57aが図19に示される湾曲形状を有していてもよい。さらに、図22に示される砥石82を、図7または図19に示されるシリコーンスポンジ55の押圧面55aに取り付けてもよい。この場合、押圧面55aの全体に砥石82を取り付けてもよいし、押圧面55aの一部にのみ、砥石82を取り付けてもよい。例えば、砥石82は、押圧パッド50を基板のベベル部Bに押し付けたときに変形する押圧面55aの一部にのみ取り付けられる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1A〜1D 研磨ヘッド組立体(研磨部)
2A〜2D 研磨テープ供給機構
3 回転保持機構(基板保持部)
4 保持ステージ
5 中空シャフト
6 ボールスプライン軸受
7 連通路
9 真空ライン
10 窒素ガス供給ライン
15 エアシリンダ
20 隔壁
24 供給リール
25 回収リール
30 研磨ヘッド
41 押圧機構
42 テープ送り機構
43〜49 ガイドローラ
50 押圧パッド
52 エアシリンダ(駆動機構)
54 パッド本体
55 弾性部材(シリコーンスポンジ)
56 支持部材
57 凹部
67 リニアアクチュエータ
70 固定手段
71 固定ブロック
72 ねじ
80 ブロック体
82 砥石

Claims (14)

  1. 基板を保持して回転させる基板保持部と、
    前記基板保持部に保持された基板の周縁部に研磨具を押圧する押圧パッドと、を備え、
    前記押圧パッドは、
    前記研磨具を介して前記基板の周縁部を押圧する押圧面を有する弾性部材と、
    前記弾性部材を支持する支持部材と、を有しており、
    前記支持部材の前面には、前記弾性部材が進入可能な凹部が形成されていることを特徴とする研磨装置。
  2. 前記押圧パッドは、前記弾性部材の両端部を前記支持部材に固定する固定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記凹部の底面は湾曲していることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨装置。
  4. 前記弾性部材の前記押圧面の反対側の裏面にはシートが貼付されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨装置。
  5. 前記研磨具は、研磨テープからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨装置。
  6. 前記弾性部材の前記押圧面には、該押圧面の反対側の裏面に向かって延びる溝が形成されており、
    前記弾性部材は、前記溝により分割されたブロック体を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨装置。
  7. 前記研磨具は、前記ブロック体の前面に取り付けられた砥石であることを特徴とする請求項6に記載の研磨装置。
  8. 基板の周縁部を研磨するための研磨具を該周縁部に押し付ける押圧パッドであって、
    前記研磨具を介して前記基板の周縁部を押圧する押圧面を有する弾性部材と、
    前記弾性部材を支持する支持部材と、を有し、
    前記支持部材の前面には、前記弾性部材が進入可能な凹部が形成されていることを特徴とする押圧パッド。
  9. 前記弾性部材の両端部を前記支持部材に固定する固定手段をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の押圧パッド。
  10. 前記凹部の底面は湾曲していることを特徴とする請求項8または9に記載の押圧パッド。
  11. 前記弾性部材の前記押圧面の反対側の裏面にはシートが貼付されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の押圧パッド。
  12. 前記研磨具は、研磨テープからなることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の押圧パッド。
  13. 前記弾性部材の前記押圧面には、該押圧面の反対側の裏面に向かって延びる溝が形成されており、
    前記弾性部材は、前記溝により分割されたブロック体を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の押圧パッド。
  14. 前記ブロック体の前面には、前記研磨具として用いられる砥石が取り付けられていることを特徴とする請求項13に記載の押圧パッド。
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