本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、例えば留守中の住宅や一人暮らしまたは高齢者の生活などにおして、住宅又は住人の異常をより確実に且つ迅速に把握することができると共に、所有者が親しみを抱くことで利用の促進も図られる、新規な構造のセキュリティ装置として見守り型ペットロボットを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明の第1の態様は、住宅内を移動可能とする移動手段と、外部からの特定の刺激を検知する刺激検知手段と、該刺激検知手段によって該特定の刺激が検知されたことを条件として、予め設定された所定位置へ移動するように前記移動手段を制御する移動制御手段と、該移動制御手段によって移動した該所定位置において撮像する撮像手段とを、備えていることを特徴とする見守り型ペットロボットである。
本態様では、生活の安全を見守るセキュリティ装置がペットロボットにより構成されていることから、使用者が親しみをもつことができて利用の促進が図られる。しかも、一人暮らしや高齢の住人の寂しさや孤独感が和らげられて、精神的に充足した、穏やかな生活の一助ともなり得る。
特に、かかるペットロボットは、移動手段を備えており、外部からの特定の刺激を検知することで、予め設定された所定位置へ移動して、当該所定の位置で撮像動作を行うことから、前記特許文献1に記載のセキュリティ装置のように特定の場所しか撮影できないという不具合が回避されて、より広範囲な見守り作動が可能となる。それ故、住宅内の異常をより確実に、且つ迅速に把握することができる。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記撮像手段で撮像した撮像情報を記憶する撮像情報記憶手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、撮像情報を記憶する撮像情報記憶手段を備えていることから、例えばペットロボットの所有者や第三者が撮像情報を直ちに確認できない場合であっても、撮像情報記憶手段により記憶された撮像情報を出力することで、住宅内の異常を、発生後であっても把握することができる。また、撮像情報が複数記憶され得る場合には、ペットロボットの所有者がより以前の撮像情報に遡って確認することができて、住宅内の異常を更に確実に把握することができる。さらに、予め記憶しておいた撮像情報と新たに取得した撮像情報とをマッチングすることも可能であり、これにより、特定の人や特定の動作を検知することができる。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記刺激検知手段によって前記特定の刺激が検知されたことを条件として、外部へ信号を送信する送信手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、例えば住宅内で異常が発生した場合に、ペットロボットの所有者の携帯端末や警察、警備会社などに異常が発生した旨を報知することができる。特に、撮像手段により撮影した撮像情報を外部への信号に添付したり、ペットロボットの撮像手段を通じて所有者の携帯端末でリアルタイムで部屋の内部の状況を確認できるようにすることなどにより、ペットロボットの所有者が不在である場合にも、住宅内の異常を迅速に把握することができる。また、住人の容体が悪くなるなどの異常が検知された場合には、離れて暮らす家族や病院などに、その旨が報知されるようになっていてもよい。
本発明の第4の態様は、前記第3の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記送信手段が、外部との信号の相互通信を行なう相互通信手段によって構成されているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、外部との相互通信が可能とされていることから、例えば住宅内に不審人物が侵入するなどの異常が発生した場合には、当該不審人物に警告を発したりすることができる。また、例えば高齢者の具合が悪くなるなどの異常が発生した場合には、医者や看護師に対して、高齢者が自分の容体を伝えることができて、適切なアドバイスを受けたり、迅速な対応をとることができる。
本発明の第5の態様は、前記第1〜第4の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記刺激検知手段が検知する前記特定の刺激が、音と光と振動の少なくとも一つであるものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、音と光と振動の少なくとも一つを検知することができることから、例えば住宅内に不審人物が侵入する際の、当該不審人物が所持する明かりや窓ガラスなどの振動、窓ガラスが割れる音などを検知することができる。あるいは、留守中の住宅内で火災が発生した場合に、その光を検知することなども可能となる。
本発明の第6の態様は、前記第1〜第5の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記移動制御手段において、前記移動手段により移動せしめられる前記所定位置が、前記刺激検知手段によって検知された前記特定の刺激の発生箇所とされているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、住宅内で異常が発生した際に、ペットロボットが、その異常の発生現場(特定の刺激の発生箇所)に移動して撮像動作を行うものであることから、発生した異常を一層確実に、且つ迅速に把握することができる。
本発明の第7の態様は、前記第1〜第6の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、外部から送信された情報の受信手段を備えていると共に、該受信手段によって情報が受信されたことを外部に報知する報知手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、E−Mailや気象情報など外部からの情報を受信することができるとともに、当該情報を受信したことを外部に報知することができる。すなわち、例えば大雨や洪水、地震などの情報を受信して、当該情報を受信した旨をペットロボットの所有者に報知することで、当該所有者が迅速に避難などの対応をとることができて、所有者の安全が図られる。なお、情報を受信した旨の外部への報知は、単に受信したことを報知するだけでもよいし、情報の内容を読み上げるようにしてもよく、例えば家族からのE−Mailをペットロボットが読み上げることで、一人暮らしや高齢の住人の寂しさなどを一層和らげることができる。
本発明の第8の態様は、前記第1〜第7の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、人を認識する人認識手段を備えていると共に、該人認識手段で認識された人を追従するように前記移動手段を作動制御する人追従制御手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、人を認識して、当該人に追従するように移動できることから、例えば留守中の住宅に不審人物が侵入した際に、当該不審人物を追跡して行動を監視したり、スピーカーなどを内蔵する場合には、警告音を発したりすることもできる。また、所有者が在宅の場合には、所有者を追従するように移動することから、より確実に見守り作動を行うことができるだけでなく、ペットロボットが所有者に懐いているという印象を、所有者に与えることができる。
本発明の第9の態様は、前記第8の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記人認識手段が予め特定された人を認識する特定人認識手段とされていると共に、予め設定された特定の動作を認識する特定動作認識手段を備えており、該特定人認識手段と該特定動作認識手段を含んで前記刺激検知手段が構成されていることにより、該特定人認識手段によって特定された人における該特定の動作が該特定動作認識手段で検出されるようになっているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、特定された人における特定の動作が検出されるようになっていることから、例えばペットロボットの所有者である高齢者が、具合の悪い時に特定の動作を行うことで、ペットロボットが、当該特定の動作を検知して、高齢者の体調不良などの異常を把握することができる。かかる場合には、例えば前記第3の態様と組み合わせて、ペットロボットが高齢者の体調不良を示す特定の動作を検知すると、その旨を、家族や病院などの外部へ報知するようになっていてもよい。
本発明の第10の態様は、前記第9の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記特定動作認識手段が認識する前記特定の動作が、前記特定人認識手段によって特定された人によって日々に繰り返し実行される日常動作の一つであり、該特定動作認識手段において該特定の動作が検知されたことを条件として外部へ信号を送信する送信手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、特定の人によって日々に繰り返し実行される日常動作の一つが特定動作認識手段が認識する特定の動作とされて、かかる特定の動作の検知を条件として外部へ信号が送信されることから、例えば離れて暮らす家族が、一人暮らしの住人や高齢の住人が日常の動作を行っていることをより確実に確認することができて、一人暮らしの人や高齢者の安全確認を容易に行うことができる。
本発明の第11の態様は、前記第9又は第10の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記特定動作認識手段において、該特定作動認識手段が認識する前記特定の動作が、前記特定人認識手段によって特定された人によって日々に繰り返し実行される日常動作の一つとされていると共に、該特定作動認識手段が認識する該特定の動作が所定期間に亘って検知されなかったことを条件として、外部へ信号を送信する送信手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、特定の人によって日々に繰り返し実行される日常動作の一つが特定動作認識手段が認識する特定の動作とされて、かかる特定の動作が所定期間に亘って検知されないことを条件として外部へ信号が送信されることから、例えば離れて暮らす家族が一人暮らしの住人や高齢の住人が日常の動作を行っていないことを確認することができて、一人暮らしの人や高齢者の安否確認を迅速に行うことができる。
本発明の第12の態様は、前記第10又は第11の態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記特定作動認識手段が認識する前記特定の動作として、薬品の服用動作を含むものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、例えば高齢者が薬品を服用したことを離れて暮らす家族や病院が確認できたり、または、薬品を服用しなかったことを家族や病院が確認して、当該高齢者に服用を促す連絡をすることなども可能となる。
本発明の第13の態様は、前記第1〜第12の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記刺激検知手段における前記特定の刺激の検知結果を記憶する検知結果記憶手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、特定の刺激の検知結果を記憶する検知結果記憶手段を備えており、検知結果として、例えば特定の刺激の有無、日時、場所などが記憶され得る。特に、例えば前記第2の態様と組み合わせて、検知結果を、撮像手段により撮影された撮像情報と関連付けて記憶することにより、住宅内において、いつ、どこで、どのような異常があったのかを撮像情報と検知結果とに基づいて把握することができる。
本発明の第14の態様は、前記第1〜第13の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、前記撮像手段で撮像した撮像情報を記憶する撮像情報記憶手段と、前記刺激検知手段における前記特定の刺激の検知結果を記憶する検知結果記憶手段との、少なくとも一方を備えていると共に、タイマ手段を備えており、該タイマ手段に設定された所定の時間に、該撮像情報記憶手段又は該検知結果記憶手段の記憶情報を外部へ送信する送信手段を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、タイマ手段により、所定の時間に、撮像情報記憶手段または検知結果記憶手段に記憶された撮像情報や検知結果が外部へ送信されることから、例えば長期に亘って留守にする場合に、一日の所定の時間に、撮像情報や検知結果を、例えば所有者の携帯端末などに送信して、所有者が外出先でも住宅に異常がないかを確認できるようすることができる。また、例えば高齢者が家族と離れて暮らす場合には、撮像情報や検知結果を家族に送信することで、高齢者と離れて暮らす家族が、定期的に高齢者の安否を確認することができる。
本発明の第15の態様は、前記第1〜第14の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、定期的な料金の支払いを条件として見守り作動に関連するサービスを提供する課金システムが組み合わされて採用されているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、課金システムを採用することによって、例えば使用者毎に対応したより高度なサービスにも効率的に対応できるようにすることも可能になる。具体的には、例えば刺激検知手段によって検知される刺激の種類を多くしたり、検知の感度を向上させたりすることで、住宅における異常などをより幅広く検知することも可能となる。
本発明の第16の態様は、前記第1〜第15の何れかの態様に係る見守り型ペットロボットにおいて、生物の擬似的な外観を備えているものである。
本態様に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、外観的に親しみ易くなり、住宅内を移動していても違和感を抱かせ難くなる。特に生物のペットを模すことで、生物としてのペットを飼育することが難しい場合でも、所有者に対してペットを持つことと類似の環境を与えることが可能になる。また、ペットロボットを提供することにより、ペット産業界で問題となっている動物虐待などの問題の低減にも資することとなる。
本発明に従う構造とされた見守り型ペットロボットによれば、特定の刺激が検知されることで、所定位置に移動して、当該所定位置で撮像動作を行うことから、住宅内の異常をより確実に、且つ迅速に把握することができるとともに、所有者に精神的な安らぎを与えることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての見守り型のペットロボット10が、全体外観において示されている。
本実施形態のペットロボット10は、胴部12に対して、各2本の前脚部14,14及び後脚部16,16と、頭部18と、尾部20が設けられて、全体として猫型の外観形状を有することでペットロボットとされている。各構造部分は樹脂や金属などの硬質材で形成されており、必要に応じて、外表面を着色したり、布等の軟質材で覆ったり、植毛等することによって、適宜の意匠や肌触りなどが付与され得る。
また、胴部12や頭部18は、中空構造とされたり空洞部や内部空所が形成されることにより、見守り用の各種作動を実行するための後述する各種の機器が装備され得るようになっている。
なお、ペットロボット10の外観形状や具体的構造は限定されるものでない。例えば、本実施形態の猫型に代えて同じ四足動物である犬等の外観を採用することが可能であることは勿論、疑似的なペット等の動物の外観を有しない単純なボックス形状等であっても良いし、或いは二足歩行する人型の外観を備えていても良い。
また、本実施形態では、胴部12に対して頭部18と尾部20が固定的に取り付けられているが、胴部12に対して頭部18及び/又は尾部20を可動とし、電動モータと駆動制御手段とにより、首を動かすようにして頭部18を上下方向や左右方向に動かしたり、回動させたり、尾を振るようにして尾部20を動かしたりしても良い。特に頭部18を、例えば略鉛直軸回りの所定角度範囲で回動可能とすれば、後述するように、頭部18に装着した撮像手段による撮像範囲を、胴部12の移動なしで広い範囲に亘って変化させることが可能になる。その結果、より効率的に撮像画像などを取得することができる。
各2本の前脚部14,14及び後脚部16,16は、それぞれ、第一脚部14a,16aと、第二脚部14b,16bと、足部14c,16cとを有している。第一脚部14a,16aは、それぞれ、胴部12に対して一軸回りの回動作動で屈曲可能に取り付けられて第一関節部22を構成している。第一脚部14a,16aと第二脚部14b,16bとは、互いに一軸回りの回動作動で屈曲可能に連結されて第二関節部24を構成している。更に、第二脚部14b,16bと足部14c,16cとは、互いに一軸回りの回動作動で屈曲可能に連結されて第三関節部26を構成している。
このように外観的に四足動物を模した機械的構造を備えた本実施形態のペットロボット10は、図2及び図3に示す物理的構成と機能的構成を備えている。
先ず、四足動物に類似した移動手段が構成されている。具体的には、各2本の前脚部14,14及び後脚部16,16における各第一〜三の関節部22,24,26には、それぞれ関節を屈曲作動させるアクチュエータとしての電動モータ30,32,34が装備されている。そして、これら各電動モータ30,32,34に対して、バッテリー36からの給電がパワーコントローラ38で制御されることにより、ペットロボット10が四足歩行するようになっている。
なお、パワーコントローラ38は、中央演算処理装置(CPU)40において、予め記憶手段42に記憶された移動制御プログラムに従って、各電動モータ30,32,34への給電制御を実行するようになっている。具体的には、例えば前進歩行の指令が中央演算処理装置(CPU)40からパワーコントローラ38へ出力されると、4本の脚部14,14,16,16において1つずつ順次に脚を持ち上げて前方へ送り出す作動を繰り返すことで、ペットロボット10を前方へ移動させるように、各脚の電動モータ30,32,34への給電制御が実行される。また、前方へ送り出す脚の歩幅を4本の脚部間で相互に異ならせることで、左右に曲がった歩行を実現したり、持ち上げた遊脚を後方へ送り出す作動を繰り返すことで後退の歩行を実現するように、パワーコントローラ38による電動モータ30,32,34の作動制御が実行されることとなる。
この際、例えば前方歩行に際して、前方に送り出す作動をする遊脚の電動モータの負荷(消費電力)が大きくなった場合には、何らかの障害物が前方に存在すると推定し、所定量の後退作動の実行後に右又は左への旋回歩行を実行するように移動制御プログラムによる歩行制御を行なわせることができる。或いは、遊脚を上方へ持ち上がる高さをより高くするように電動モータを追加作動させてから前方へ送り出すことで、前方の障害物を乗り越えたり、前方の障害物の上に乗り上げたりするように、歩行制御を行なわせることなども可能である。
また、前後の各脚部14,14,16,16の第一関節部22の回動軸をボールジョイントなどを用いて傾動可能にすると共に、傾動駆動用の電動モータを採用することで、各脚部14,16の送り出し方向を斜め前方や斜め後方に変更することも可能である。これにより、例えば実質的に移動を伴わないで方向転換する作動も可能になる。
次に、このような4本の脚部14,14,16,16と、複数の電動モータ30,32,34、および電動モータ30へのバッテリー36からの給電を制御して歩行作動させるパワーコントローラ38を含んで構成された移動手段44を備えたペットロボット10は、住宅内を移動可能とされているとともに、例えば留守中の住宅や一人暮らしまたは高齢者の生活において異常がないかを見守るための機構を備えている。ペットロボット10により見守られる対象は限定されるものではないが、以下の説明では、不審人物による住宅内への侵入と、高齢者の容体が悪くなるということと、所有者において日々行われる動作の一つである服薬動作が適切に行われているかということ、の見守りについて例示する。なお、これらは何れもが検知される必要はなく、何れか一つでよい。
先ず、本実施形態のペットロボット10は、目的とする見守り作動だけでなく、例えば目的とする移動作動を実現したり、所有者や外部の第三者との情報のやりとりを実現したり等するのに利用される各種の機能付加機器として、複数種類の外部付加機器46を備えている。かかる外部付加機器46は、ペットロボット10の本体に内蔵装備されるものに限らず、例えば住宅内に装着されたセンシング機器からの送信情報をペットロボット10が受信する機器の態様で装備されても良い。
具体的には、外部付加機器46として、CCDカメラなどの撮像手段48と、スピーカーなどの発音手段50と、音声入力装置としてのマイク手段52の他、ペットロボット10の作動状態の外部表示や各種設定のための入出力装置としても適宜に利用され得るモニタ手段54や、各種情報を含む信号を外部へ無線送信するための送信手段56、各種情報を含む信号を外部から無線受信するための受信手段58、光を検知する光センサなどの光検知手段60、振動を検知する振動センサなどの振動検知手段62、温度などを検知する温度センサなどの温度検知手段64、ペットロボット10に触れたことを検知する圧力センサなどの圧力検知手段66、現在の時刻などを把握する時計手段68などを備えている。
なお、光検知手段60を構成する光センサ、振動検知手段62を構成する振動センサ、温度検知手段64を構成する温度センサ、圧力検知手段66を構成する圧力センサなどは、何れも、従来公知のものが採用され得る。また、送信手段56や受信手段58は、赤外線などの光の送受信装置も採用可能であるが、好適には電磁波の送受信装置によって構成され、無線LANや無線電話、ブルートゥース(登録商標)などの各種規格の装置が何れも採用可能である。本実施形態では、送受信用のアンテナが尾部20に内蔵されており、これら送信手段56と受信手段58とを含んで外部との信号の相互通信を行う相互通信手段70が構成されている。
また、時計手段68は、単に時刻を把握したり表示する機能に加えて、適宜に設定される日時や時刻、或いは所定時間経過後に外部へ電気信号を出力し得るタイマ手段としても機能し得る。時計手段(タイマ手段)68は、ペットロボット10本体に装備される他、例えば外部のタイマ本体から送信されるタイマ信号を受信手段58で受信することで構成されていても良い。さらに、光検知手段60や振動検知手段62、温度検知手段64などは、例えば住宅の内部または外部に設けられてもよく、これら各手段60,62,64により光や振動、温度上昇などが検知されることで信号が送信されて、当該信号をペットロボット10に設けられた受信手段58で受信するようになっていてもよい。
さらに、このような外部付加機器46との間で信号を送受信して、見守り作動の実行や結果の報知などを行なうペットロボット10の作動の制御を行なうための制御手段72と、かかる作動の実行に際して用いられ又は得られる各種データを保存する記憶手段42とを、ペットロボット10は、備えている。なお、制御手段72は、ハードウェアとして、マイクロプロセッサからなる中央演算処理装置(CPU)40の他、必要に応じてGPU(画像処理ユニット)等が追加されたり、MCU(マイクロコントローラ)などが採用され得る。また、記憶手段42は、一般に読み書き可能な半導体メモリが好適に採用されるが、電子データを記憶する各種記憶装置が適宜に採用可能である。
本実施形態の制御手段72は、後述する刺激検知手段によって特定の刺激が検知されたことを条件として、予め設定された所定位置へ移動するように移動手段44を制御する移動制御手段74と、特定の人を認識する特定人認識手段76を含んで構成されて人を認識する人認識手段78と、当該人認識手段78によって認識された人を追従するように移動手段44を作動制御する人追従制御手段80と、特定人認識手段76によって特定された人における予め設定された特定の動作を認識する特定動作認識手段82とを、含んで構成されている。
本実施形態の記憶手段42は、作動プログラム記憶手段84と、撮像情報記憶手段86と、検知結果記憶手段88と、送信先記憶手段90と、送信内容記憶手段92と、特定人記憶手段94と、特定動作記憶手段96と、所定時刻記憶手段98と、間取記憶手段100と、刺激検知量記憶手段102と、人認識情報記憶手段104と、移動先記憶手段106などを含んで構成されている。
作動プログラム記憶手段84は、ペットロボット10の歩行移動や各種見守り作動などの作動を実行するために各種外部付加機器46の制御処理を制御手段72に実行させるためのプログラムを記憶している。すなわち、作動プログラム記憶手段84に記憶された作動プログラムに基づいて、移動手段44が、移動制御手段74により制御されて、例えば移動先記憶手段106に記憶された所定の移動先までペットロボット10が移動するようになっている。さらに、撮像情報記憶手段86は、撮像手段48で取得された画像データなどの撮像情報を常時又は適時に記憶する。なお、撮像手段48で取得された画像データは、静止画だけでなく動画であってもよい。検知結果記憶手段88は、後述する刺激検知手段による特定の刺激が検知されたか否か、また、特定の刺激が検知された場合は、時刻、場所、刺激の強さなどの検知結果を、例えば所定時間毎、或いは特定の刺激が検知されたタイミングで記憶する。なお、特定の刺激は、刺激検知量記憶手段102に記憶された所定の刺激量(刺激の強さ)より大きい場合に検知されるようになっており、所定の刺激量より小さい場合には、特定の刺激が入力されたとしても検知されないようになっていてもよい。また、特定の刺激が検知された時間および場所は、時計手段68により把握された時間と間取記憶手段100に記憶された住宅内の間取情報に基づいて決定される。更にまた、これら撮像手段48で取得された画像データや刺激検知手段により検知された特定の刺激の検知結果は、所定時刻記憶手段98に記憶された所定の時刻に、自動的に外部に送信されるようになっていてもよい。
さらに、送信先記憶手段90および送信内容記憶手段92は、刺激検知手段により特定の刺激が検知された場合にE−Mailなどを送信する外部の送信先とE−mailの内容を記憶する。尤も、かかる送信内容記憶手段92は必須なものではなく、刺激検知手段により特定の刺激が検知された場合に、単なる信号が外部に送信されるようになっていてもよい。また、人認識情報記憶手段104は、人認識手段78で人を認識するための情報を記憶しており、当該人を認識するための情報としては、撮像手段48により取得された人の外形状やマイク手段52により取得された話し声や足音、温度検知手段64により取得された体温などが例示される。特に、特定人記憶手段94として、特定の人の画像情報や声音情報、身体情報などを記憶することで、特定人認識手段76により、特定の人が認識され得る。さらに、特定動作記憶手段96として、特定の人が特定の動作を行う際の身体の動きや声音情報、温度変化などを記憶することで、特定動作認識手段82により、特定の人の特定の動作が認識され得る。
そして、本実施形態では、作動プログラム記憶手段84に記憶されたソフトウェアが、制御手段72のハードウェアにロードされて特定の演算処理を実行する装置が実現されることによって、制御手段72において、ペットロボット10の移動を制御する移動制御手段74が構成されるようになっている。更に、人を物から区別して特定の個人を認識する特定人認識手段76を含む人認識手段78と、認識した人を追従するように移動手段44を作動制御する人追従制御手段80と、特定の個人の特定の動作を認識する特定動作認識手段82も、作動プログラム記憶手段84から所定のソフトウェアが制御手段72にロードされることによって、それぞれ構成されるようになっている。
以下、本実施形態のペットロボット10における見守り作動の具体例一例として、留守中の住宅における見守りを、フローチャートを参照しつつ説明する。
ペットロボット10がON状態になる(S01)と、S2において、撮像手段48を作動して撮像情報を取得する。なお、かかる撮像情報は、所定時間毎に撮影されて取得されてもよいが、本実施形態では、動画として連続的に取得される。そして、S3において、留守中の住宅に何らかの変化があれば、外部からの刺激として、ペットロボット10に刺激が入力される。
ここにおいて、ペットロボット10に検知される刺激としては、何等限定されるものではないが、本実施形態では、音と光と振動の少なくとも一つとされている。すなわち、例えば不審人物が住宅内に侵入する際の玄関ドアの開閉音や振動、窓ガラスの割れる音や振動、不審人物が所持している明かりの光などを外部からの刺激として検知するようにされている。したがって、光を検知する光検知手段60や音を検知するマイク手段52、振動を検知する振動検知手段62などを含んで刺激検知手段が構成されている。なお、刺激として検知される光は、撮像手段48により取得された撮像情報を解析することで得られてもよく、刺激検知手段として、光検知手段60に代えて、撮像手段48が採用されてもよい。また、例えば住宅内からの火災を検知するようになっていてもよく、光検知手段60または撮像手段48により炎の光を検知してもよい。あるいは、温度検知手段64で炎により高温となるところを検知するようになっていてもよく、かかる場合には、刺激検知手段が、温度検知手段64を含んで構成される。
なお、何等かの刺激が入力されるまでは、即ちS02やS03=NOの場合には、ペットロボット10は、住宅内の所定位置で待機していてもよいし、住宅内を自律的に巡回していてもよい。
そして、刺激が入力された場合(S03=YES)、刺激検知量記憶手段102から予め設定された刺激の大きさを読み出し(S04)、刺激検知手段により検知された刺激の大きさが、予め設定された刺激の大きさより大きいか比較する。刺激検知手段により検知された刺激の大きさが設定値より小さい場合(S05=NO)には、住宅に異常がなかったものとして、S03およびS04の操作を繰り返す。一方、刺激検知手段により検知された刺激の大きさが設定値より大きい場合(S05=YES)には、住宅に異常があったものとして、特定の刺激として検知されることとなる(S06)。なお、ステップS03〜06に代えて、予め設定された所定レベル以上の大きさの刺激だけを検出する刺激検知手段を採用して、刺激の有無を判定するステップを採用しても良い。
留守中の住宅に対して異常が検出されれば、即ち刺激検知手段により特定の刺激が検知されれば、予め間取記憶手段100に記憶しておいた住宅の間取りを読み出して、ペットロボット10の現在位置と刺激(異常)の発生箇所を確認する(S07)。そして、時計手段68により把握される刺激(異常)の発生時刻と発生箇所(部屋)とを検知結果として検知結果記憶手段88に記憶する(S08)。さらに、ペットロボット10が、所定位置、本実施形態では当該刺激の発生箇所に向かうように移動手段44が移動制御手段74により制御されることで、ペットロボット10が、刺激(異常)の発生箇所に移動する(S09)。ここで、当該刺激(異常)の発生箇所において撮像手段48により撮像動作が行われることにより、刺激の発生箇所における異常が撮像されて、上記検知結果と関連付けて撮像情報記憶手段86に記憶される(S10)。これにより、留守中の住宅における異常が把握され得て、見守り作動が完了する(S11)。
なお、ペットロボット10の現在位置は、例えばGPS等の測位装置を備えることでペットロボット10に検知させる他、住宅内に固定カメラやビーコン装置などを装備することでペットロボット10の現在位置を特定して位置情報を取得および記憶させることなども可能である。また、住宅内の間取りの情報の利用は必須ではなく、例えばビーコンや固定カメラを採用すればペットロボット10を誘導して目的の場所に移動させたり、ペットロボット10の現在位置を基準として刺激の発生箇所の方向を特定することも可能になる。また、撮像手段48による撮像動作は、少なくとも刺激(異常)の発生箇所で実行されていれば良く、例えばペットロボット10において常時撮像状態としておくことで、撮像の開始や停止の処理を不要とすることも可能である。
なお、かかる見守り作動においては、図5に示される作動も併せて採用されることが好適である。すなわち、刺激検知手段により特定の刺激が検知されたことを条件として(T01)、上記S06〜S11の工程を経て、刺激の発生箇所において撮像手段48により撮像情報が取得される(T02)。かかる撮像情報中に人が含まれているかを確認するため、人認識情報記憶手段104から、予め記憶されていた人を認識するための情報を読み出す(T03)。当該情報に基づいて人認識手段78により、撮像情報中に人が認識されなければ(T04=NO)、例えば住宅の異常が不審人物による異常ではなかったものとして、住宅の見守り作動を終了する(T05)。
なお、人認識手段78では、人らしき物が撮像画中に存在するか否かを判定できれば良く、例えば外形による判定(パターン認識による判定)の他、経時的な撮像画を対象とした動く物体の有無による判定でも良い。犬などの動物の侵入まで、人と同様に画像認識するようにしても良い。また、撮像画像中の対象物について大きさの判定を併せて行なうことで、人などの認識精度の向上を図ることもできる。
一方、刺激の発生箇所において撮像された撮像画像中に人が含まれている場合(T04=YES)、即ち人認識手段78により撮像情報中に人が認識されれば、当該人が、ペットロボット10の所有者などの特定の人であるかを確認するために、特定人記憶手段94に記憶された特定人の情報を読み出し(T06)、特定人認識手段76により、撮像情報中において認識された人のデータと特定人のデータとのマッチングを行う(T07)。そして、撮像情報中において認識された人が所有者などの特定の人であれば(T08=YES)、住宅に異常はなかったものとして、見守り作動を終了する(T05)。
なお、画像のマッチング処理に際しては、画像処理分野において近年に実用化が進んでいるディープラーニングの処理技法を用いた人工知能の分野でのマッチング処理、例えば大域特徴と局所特徴の学習による画像の認識処理なども採用することが可能であり、それによって、より的確な特定人の検出作動が実現可能となる。また、特定人の検索を、上述の如き画像処理に代えて、又は加えて、音声のマッチング処理や、身長等の特徴値のマッチング処理を採用して行なうこともできる。身長等は、例えば光学式の測距装置を装備しておけば、特定人との距離と画像上のサイズとによって算出することができる。
それに対して、撮像情報中において認識された人が所有者などの特定の人でない場合(T08=NO)、住宅内に不審人物が侵入したものとして、送信先記憶手段90に予め記憶された送信先と送信内容記憶手段92に予め記憶された送信内容とをそれぞれ読み出して、当該送信先に対して当該送信内容のE−Mailを送信手段56により送付する(T09)。その際には、当該E−Mailに、刺激の発生箇所において撮像された撮像画像を撮像時刻、採取した音の録音情報等の適宜の情報と併せて添付することが好適である。なお、このようなE−Mailの送信先としては、住宅の所有者(ペットロボット10の所有者)や、警察または警備会社などが適当である。その後、人追従制御手段80により、不審人物を追従して(T10)、追従しながら撮像して撮像情報を取得しつつ、撮像情報を検知結果と関連付けて撮像情報記憶手段86に記憶する(T12)。これにより、見守り作動を終了する(T05)。なお、記憶する撮像情報には、撮像時刻や録音情報等の適宜の情報を含ませることができる。
また、上記T10においてペットロボット10が不審人物を追いかけた場合には、例えばT09においてE−Mailを送付された送付先の者(例えば所有者や警察または警備会社)が相互通信手段70をもって不審人物に侵入行為を止めるように促したり、発音手段50によって警告音などを発したりすることも可能である。かかる場合には、例えば所有者や警察または警備会社の人が、撮像情報をリアルタイムで確認しつつ、警告などを行うことが好適である。
さらに、ペットロボット10と外部との相互通信手段70による通信を利用して、ペットロボット10の作動を外部からコントロールすることも有効である。例えば、メールなどで警告等を受信した所有者に限らず、ガスコンロの火を止めたか電灯を消したかなどを外出先で心配になった所有者などが、ペットロボット10を外部から操作して、必要に応じて目的とする場所まで移動させて、撮像画像や採取音を略リアルタイムで外部送信させるなどの対応をとることができる。このような外部からの操作は、例えば刺激(異常)の検知によって異常の発生を検出したペットロボット10が、目的とする場所まで移動する動作を補助することも可能とする。
次に、見守り作動の具体的な別例として、住宅内で一人暮らしや高齢の住人の容体が悪くなったという態様と、一人暮らしや高齢の住人の日々の動作の一つである服薬動作を見守る態様を、以下に説明する。なお、これらは何れも特定の人(例えばペットロボット10の所有者)を見守る態様であることから、先ず、ペットロボット10が特定の人を検出する作動を説明する。
すなわち、図6に示されるように、ペットロボット10がON状態になると(U01)、特定人記憶手段94から特定の人を認識するための記憶画像を読み出す(U02)と共に、撮像手段48による撮像作動を開始する(U03)。そして、取得された撮像情報をバッファに記憶し(U04)、上記U02で特定人記憶手段94から読み出した特定人の記憶画像とのマッチング処理を行なう(U05)。かかる画像のマッチング処理による特定人の有無の判定(U06)の結果、特定人の存在が検出された場合(U06=YES)には、特定人検出作動を終了する(U07)。特定人の存在が検出されなかった場合(U06=NO)は、適宜移動しつつU04およびU05の作動を繰り返す。特定人検出作動の終了後、必要に応じて、人追従制御手段80により特定人を追従するようになっていてもよい。
さらに、人追従制御手段80による特定人の追従移動の実行は、例えば撮像手段48としての撮像カメラの撮像フレーム内での人の移動方向に対応して、移動手段44を制御し、撮像フレーム内に特定人が捉えられた状態を維持するようにペットロボット10を移動させることで実現され得る。なお、撮像フレームから特定人が外れてしまった場合には、マイク手段52から入力される音情報に基づいて、音や特定の音声の音源に向かうように移動手段44を制御して、人追従作動の継続を試みるようにしても良い。
また、対象となる人に、IDタグ等を装着させても良い。そして、ペットロボット10に無線式のIDタグ検知手段等を装備させることで、特定人を一層効率的に且つ正確に検索したり追従制御することが可能になる。
そして、特定人が検出された状態で、当該特定人が、容体が悪くなった状態を示す特定の動作を行うことで、ペットロボット10がかかる特定の動作を検知して、特定人の容体が悪くなったことを把握する。すなわち、図7に示されるように、特定人が検出された状態(V01)で、特定動作記憶手段96から特定の動作の記憶画像を読み出す(V02)とともに、撮像手段48により得られた撮像情報をバッファに記憶する(V03)。そして、当該撮像情報と特定の動作の記憶画像とのマッチングを行い(V04)、特定動作認識手段82により特定の動作が検出されなければ(V05=NO)、V03に戻り撮像動作を継続する。一方、特定動作認識手段82により特定の動作が検出されれば(V05=YES)、特定人による特定の動作が特定の刺激として検知されて(V06)、間取記憶手段100から住宅の部屋の間取りを読み出して、現在位置と特定の刺激があった部屋を確認する(V07)とともに、時計手段68により把握される時刻と刺激があった部屋の情報を検知結果として検知結果記憶手段88に記憶する(V08)。その後、移動制御手段74により制御された移動手段44により所定位置まで移動した(V09)後、当該所定位置での撮像情報を上記検知結果と関連付けて撮像情報記憶手段86に記憶する(V10)ことで、見守り作動を終了する(V11)。
ここにおいて、特定人の容体が悪くなったことを示す特定の動作は、何等限定されるものではないが、例えば特定人が床に倒れたり、所定時間以上に亘ってしゃがみ込んだままであったりするなど、予め特定された所定のポーズをとったり、所定の姿勢になることで、特定人の容体が悪くなったことを示すようにしてもよく、これらは撮像手段48により検知され得る。または、ペットロボット10の圧力検知手段66が設けられた場所(例えば、脚部14,16や尾部20)に触れることで容体が悪くなったことを示すようにしてもよく、かかる場合には、圧力検知手段66により検知され得る。さらには、特定の音声、例えば容体が悪くなったことを示す合言葉のようなものやうめき声、悲鳴、特定人が倒れる音などで容体が悪くなったことを示すようにしてもよく、これらはマイク手段52により検知され得る。したがって、これらの場合には、撮像手段48や圧力検知手段66、マイク手段52などが刺激検知手段となり得て、これら刺激検知手段により特定人の特定の動作が検出されることで特定の刺激として検知されることから、刺激検知手段が、特定人認識手段76と特定動作認識手段82も含んで構成されている。
また、刺激が検知された時点において、特定人とペットロボット10とが別の部屋にいる場合には、ペットロボット10が特定人の近傍まで移動するようにしてもよいし、例えば人追従制御手段80により特定人に追従している場合には、例えば撮像時に特定人の全体が、障害物のない状態で撮像できる位置まで移動するようにしてもよく、上記V09やV10における所定位置は何等限定されるものではない。
さらに、上記図7に示される見守り作動では、以下の図8に示される作動が併せて採用されることが好ましい。すなわち、図8に示されるように、特定の刺激が検出される(特定人が特定の動作を行う)ことを条件として(W01)、送信先記憶手段90に記憶された送信先に対して、送信内容記憶手段92に記憶された内容のE−Mailを送信手段56により送信して(W02)、見守り作動を実行する(W03)。かかる場合には、E−Mailに、撮像情報記憶手段86に記憶された所定位置における撮像画像が添付されることが好ましく、当該撮像画像は、日時や場所などの検知結果が関連付けられていることがより好ましい。このようなステップW01〜03の処理は、例えば図7のV10とV11の間にステップW02を実行することによっても実現され得る。
本作動では、E−Mailの送信先として離れて暮らす家族や病院などが適当であり、所有者の容体が悪くなったとしても、その旨が家族や病院に連絡されることから、早期の対応が可能となる。特に、ペットロボット10に設けられている相互通信手段70により、病院の医師や看護師とテレビ電話などでリアルタイムで会話したりすることで、適切なアドバイスを受けたり、救急搬送を要請したりすることができて、所有者の容体の悪化に対してより適切な対応をとることができる。
なお、このような相互通信手段70では、例えばE−Mailでの相互通信も可能であり、受信手段58により、家族や医師または看護師からE−Mailなどの外部からの情報を受信することも可能である。この際、E−Mailを受信した旨を発音手段50で所有者に対して報知してもよいし、更にはE−Mailの内容を読み上げるようにしてもよい。または、E−Mailを受信した旨をモニタ手段54に表示するなどしてもよく、E−Mailなどの情報を受信したことを外部に報知する報知手段が、これら発音手段50やモニタ手段54により構成され得る。
あるいは、図7に示された作動フローにおいて、容体が悪くなったことを示す特定の動作に代えて、日常生活において特定人が行なう特定の動作を刺激として検出すると共に、検出結果として得られた撮像情報や時刻情報を適宜の時刻(例えば予め設定された毎日の特定時刻や一週間毎など)に外部の親族などへ自動的に送信することも可能であり、それによって、例えば独居人における日々の生活が特段の変わりなく営まれていることを、外部の親族などに報知させることも可能となる。具体的には、例えば図9に示されるように、特定の刺激が検出される(特定人が特定の動作を行う)ことを条件として(X01)、撮像および撮像結果と撮像時刻の情報記憶を実行しておくと共に、時計手段(タイマ手段)68により、所定時刻記憶手段98に予め記憶された情報送信用の所定時間であると判定された場合(X02=YES)、上記家族や病院などの送信先に、撮像情報記憶手段86に記憶された情報(検知結果と関連付けられた撮像情報)が添付されたE−Mailを送信手段56により送信して(X03)、当該E−Mailの送信をもって見守り作動を実行してもよい(X04)。これにより、家族や病院が、所定時間毎に、ペットロボット10の所有者が変わりない日常生活を過ごしているか否かを定期的に知ることができる。また、少し容体が悪くなったことを示す特定の動作も異常検知対象とすることで、多少の異常があった場合に、異常があった時間、場所などを撮像情報とともに把握することもできる。
次に、図10を示して、見守り作動の一例としての日々の動作の見守りのうち、具体的な一例として服薬動作の見守りについて説明する。すなわち、特定動作認識手段82によって認識される特定の動作が、特定人認識手段76によって認識される特定人(例えば、所有者)によって日々に繰り返される日常動作の一つとされており、かかる日常動作が薬品の服薬動作とされている。先ず、特定人が検出された状態(Y01)で、特定動作記憶手段96から服薬動作の記憶画像を読み出す(Y02)とともに、撮像手段48により得られた撮像情報をバッファに記憶する(Y03)。そして、当該撮像情報と服薬動作の記憶画像とのマッチングを行い(Y04)、服薬動作が検出されなければ(Y05=NO)、当該服薬動作が所定期間行われていないか否かを判定する(Y06)。服薬動作が検出されない期間が所定期間より短ければ(Y06=NO)、Y03に戻り撮像動作を継続する。一方、服薬動作が検出されない期間が所定期間以上であれば(Y06=YES)、送信先記憶手段90に記憶された送信先に、送信内容記憶手段92に記憶された内容のE−Mailを送信手段56により送信して(Y07)、見守り作動を終了する(Y08)。
一方、服薬動作が検出されれば(Y05=YES)、当該服薬動作が特定の刺激として検知されて(Y09)、時計手段68により把握される時刻の情報を検知結果として検知結果記憶手段88に記憶する(Y10)。その後、移動制御手段74により制御された移動手段44により所定位置まで移動した(Y11)後、当該所定位置での撮像情報を上記検知結果と関連付けて撮像情報記憶手段86に記憶する(Y12)ことで、見守り作動を終了する(Y08)。
ここにおいて、刺激検知手段により検知される服薬の動作は何等限定されるものではないが、特定の瞬間的動作に限定されず、実際に薬品を口に含み嚥下する動作(一連の経時的動作)を検知するようになっていてもよいし、薬品を所定位置から取り出す動作を検知するようになっていてもよい。また、薬品の収容部をペットロボット10内部に設けてもよく、当該収容部から薬品が取り出されたことを検知するようになっていてもよい。これらの場合には、刺激検知手段が、例えば撮像手段48や、薬品の取出を検知するセンサを含んで構成される。
また、Y11における所定位置は、例えば所有者の近傍であってよく、撮像手段48によって所有者の全身が、障害物で隠れることなく撮像できる位置であってもよい。なお、刺激を検知したことを条件として所定位置へ移動する制御を実行する移動制御手段74は、既に撮像に適した場所にペットロボット10がいる場合に、適切な位置にいることを確認することとなり、物理的には移動しない制御態様を実行することとなる。
更にまた、Y07におけるE−Mailの送信先は、例えば離れて暮らす家族や病院などが採用される。すなわち、所定期間に亘って服薬の動作が検知されない場合には、その旨を家族や病院が知ることができて、所有者に服薬を促したり、所有者の容体を確認等すことも可能である。
さらに、かかる服薬動作の見守り作動においても、前記図8や図9に示される作動が併せて採用されることが好適である。すなわち、特定の動作である服薬動作が検知されることで、離れて暮らす家族や病院にE−Mailが送信手段56により送信されるようになっていてもよく、これにより、所有者が適切に服薬しているか否かを容易に知ることができる。また、時計手段(タイマ手段)68により設定された所定の時間に、撮像情報を、検知結果と関連付けて送付するようになっていてもよく、これにより、家族や病院が、定期的に、所有者が適切に服薬しているか否かを知ることができる。
上記の如きペットロボット10によれば、刺激検知手段によって特定の刺激が検知されたことを条件として、所定位置へ移動して、当該所定位置で撮像動作を行うことから、留守中の住宅で異常があった場合や、一人暮らしや高齢の住人の生活に異常があった場合、所有者が適切に服薬しているか否かなどを、より確実に把握することができる。
また、本実施形態のペットロボット10は、撮像手段48および送信手段56とモニタ手段54および受信手段58を備えていることから、例えば撮像手段48で撮像した静止画や動画の画像データを外部に送信したり、外部からの静止画や動画の画像データを受信してモニタ表示したりすることも可能である。それ故、例えば所有者の安否を画像で確認することもできるし、テレビ電話のように使用者が外部の第三者と交信することも可能となる。なお、ペットロボット10がモニタ手段を備えない場合でも、ペットロボット10の受信手段58による受信データを、別途に準備したテレビなどのモニタ装置に送信することで画像表示可能としても良い。
更にまた、ペットロボット10が備える記憶手段42を構成する各種記憶手段84,86,88,90,92,94,96,98,100,102,104,106は、全てをペットロボット10に内蔵装備させる必要はない。例えば、無線送受信機能を利用して、外部に設置したサーバ装置の記憶手段を利用することも可能である。例えば複数の端末等からアクセス可能なクラウドシステムを利用して記憶手段を構成すれば、外部からの作動や見守り状況の結果を一層容易に確認等することも可能になる。
その他、ペットロボット10は、4足や2足による歩行型の移動手段の他、回転式のタイヤなどによる移動手段や、クローラタイプの移動手段なども適宜に採用可能である。各種の移動手段は、ペットロボット10が移動する環境を考慮して、例えば段差の有無や階段の有無、障害物の程度などを考慮して、適宜に採用され得る。
また、本発明において採用される撮像手段や作動プログラムを含む制御手段は、特に限定されるものでなく、汎用的なものも実用レベルで採用できる。因みに、ペットロボット10に装備できる程度のカメラサイズで、画像データのパターンマッチングの処理の高速な実行機能を備えた処理システムが、現在の技術でも実現可能であることは、例えば既に市販されているコグネックス社(Cognex Corporation)の商品名である「インサイト マイクロ 8000シリーズ」(In−Sight Micro 8400等) を考慮すれば理解されるところである。
更にまた、本発明において外部からの各種指令信号や測定結果等をペットロボット10へ入力するに際しては、情報の無線送受信機構による他に、タッチスイッチ等を用いて手動入力するようにしても良いし、マイク手段52から入力される音声を公知の言語認識ソフト等を用いて中央演算処理装置(CPU)40により処理することで音声を認識して入力することも可能である。
さらに、前述の留守中の住宅における見守りについて、特定の刺激が検知されたことを条件として移動手段により移動せしめられる位置は、刺激(異常)の発生位置に限定されるものではない。例えば、留守中の住宅に窓から不審人物が侵入した場合、玄関から出ていくことが多いことから、玄関付近に移動して、その様子を撮像するようにしてもよく、このような移動先の情報は移動先記憶手段106に記憶されて、例えば刺激の検知を条件として読み出される。
また、刺激検知手段により検知される日々の動作として服薬動作を例示したが、服薬動作に限定されるものでなく、例えば食事動作や睡眠動作であってもよい。
更にまた、本発明においては、ペットロボット10に関する使用者へのサービスを、会員制度をもって提供することも可能であり、それによって継続した保守や管理の他、一層充実した利便性を提供することもできる。具体的には、ソフトウェアやハードウェアの点検や修理を、会員制度をもって、定期的に又は必要に応じて提供するサービスを実施することが可能である。
具体的には、例えば使用してきた愛着のあるペットロボット10について、引っ越しや住宅立て替えなどに対応して、適合した移動手段や機能となるようにハードウェアの一部を交換するサービスの他、使用期間に応じて次第に成長して大型化するようにハードウェアの一部又は全部を交換するサービスを提供することも可能である。また、使用してきた愛着のあるペットロボット10について、外観を維持しつつ制御系のCPUや外部付加機器46などのハードウェアを交換して処理速度の向上や見守り対象の追加や変更等を図ったり、ソフトウェアを変更して必要な機能を適宜に追加又は削除することで、環境等の変化に対応した都度のオリジナル化を実現することも可能である。
また、ペットロボットについて、例えば特定の香りを発するようにすることも可能であり、その際に、香りの種類を、会員を対象として選択可能にしたり、定期的に変更可能にする等のサービスを提供しても良い。一般に愛玩動物を含む動物は体臭を有しており、体臭を含めて所有者は愛着心を抱くことも多いことから、ペットロボットについて所有者が希望する香りを付することも、親密さを向上させるのに有効である。なお、システムや運用コストの観点から、会員制を採用することで提供するサービスの種類や選択肢を増加させることも容易となることから、例えば発する声や対応可能な刺激の種類などについても選択対象とすることも容易となる。
或いは、会員制度をもってクラウドシステム等による記憶手段の提供を利用可能とし、例えば無線式の送受信手段を介して、インターネット上のサーバーシステムなどに常時接続することなども可能である。これにより、例えば移動するペットロボット10で得られる撮像画像を、連続的に一週間や一ヶ月などの比較的に長期間に亘って外部の記憶手段に記憶させておくことも可能になり、外部の記憶手段に記憶した画像データを適宜に利用して、住宅や生活における異常の把握等を行なうことも可能となる。
なお、会員制の管理システムとしては、ペットロボット10の使用者毎について、個人を特定できる氏名や住所などの情報を含む単なる会員登録だけでサービスを提供することも可能であるが、定期的又は一時的な会員料金の支払いを条件としてサービスを提供するようにしても良い。会員料金の支払いおよびサービス提供の管理システムは、例えば本出願人が特開2010−205294号公報などで提示したコンタクトレンズを提供するための会員制度であって、定期的な会員料金の支払いを要件として会員サービスを提供する管理システムなどを利用することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。