JP2018094020A - 超音波診断装置及び医用画像処理装置 - Google Patents

超音波診断装置及び医用画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大動脈解離の病変部の様子を正確に表示すること。【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、位置合わせ部と、抽出部と、表示制御部とを備える。位置合わせ部は、被検体の超音波画像データと、予め撮像された前記被検体の3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。抽出部は、前記超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。表示制御部は、前記位置合わせの結果に基づいて、抽出された前記情報が重畳された前記X線CT画像データを表示させる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、超音波診断装置及び医用画像処理装置に関する。
致死性の高い重篤な疾患の一つとして、大動脈解離と呼ばれるものがある。大動脈解離は、三層(外膜、中膜、内膜)で形成される大動脈の内膜の一部が損傷し、層状に裂けて内膜と外膜の間に血液が流入してしまう疾患である。大動脈解離を発症すると、血液の循環が悪化する結果、各臓器に虚血を起こし、心臓の大動脈弁が破壊されるなどの危険が生じてしまう。大動脈解離は、治療が遅れてしまった場合の致死率が高く、24時間以内に25%、一週間以内に75%が死に至ると言われている。このため、大動脈解離では、迅速かつ確実な診断が求められている。
大動脈解離の標準的な診断としては、X線CT装置を用いた診断(単純CT検査及び造影CT検査)が行われている。例えば、単純CT検査では、内膜の石灰化の偏位や血栓化した偽腔、破裂により生じた高濃度の血腫の広がりを容易に把握することができる。また、例えば、造影CT検査と組み合わせることにより、解離状態の診断(偽腔開存型、偽腔閉鎖型など)やフラップの断裂などを診断することが行われている。
大動脈解離の主な治療方法としては、血圧を下げる降圧治療と手術とが挙げられる。例えば、急性期には、点滴による降圧治療が行われる。そして、急性期を過ぎると、飲み薬で血圧の管理が行われる。また、手術では、解離した大動脈を人工血管に置換する人工血管置換術や、バイパスとなる人工血管を挿入する人工血管バイパス術が行われている。また、新たな治療法として、解離した大動脈を内側から人工血管(ステント)で押さえつけるステントグラフトと呼ばれる手術法も知られている。いずれの治療方法を選択するかは、内膜の損傷位置、解離の広がり、解離した血管の太さ、分岐血管への血液の流れ、患者状態などを総合的に判断して決定される。
特開2013−183875号公報
本発明が解決しようとする課題は、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示することができる超音波診断装置及び医用画像処理装置を提供することである。
実施形態の超音波診断装置は、位置合わせ部と、抽出部と、表示制御部とを備える。位置合わせ部は、被検体の超音波画像データと、予め撮像された前記被検体の3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。抽出部は、前記超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。表示制御部は、前記位置合わせの結果に基づいて、抽出された前記情報が重畳された前記X線CT画像データを表示させる。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係る位置合わせ機能の処理を説明するための図である。 図3は、第1の実施形態に係る抽出機能の処理を説明するための図である。 図4Aは、第1の実施形態に係る表示制御機能の処理を説明するための図である。 図4Bは、第1の実施形態に係る表示制御機能の処理を説明するための図である。 図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理手順を示すフローチャートである。 図6は、第2の実施形態に係る表示制御機能の処理を説明するための図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波診断装置及び医用画像処理装置を説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、本実施形態に係る超音波診断装置及び医用画像処理装置は、以下の説明に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力装置102と、ディスプレイ103と、心電計104と、位置センサ105と、トランスミッタ106とを有する。超音波プローブ101、入力装置102、ディスプレイ103、及び心電計104は、装置本体100と通信可能に接続される。
超音波プローブ101は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、装置本体100が有する送受信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ101は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
第1の実施形態では、超音波により被検体Pを2次元で走査する超音波プローブ101が用いられる。例えば、超音波プローブ101は、複数の圧電振動子が一列に配列された1Dアレイプローブである。1Dアレイプローブは、例えば、セクタ型超音波プローブ、リニア型超音波プローブ、コンベックス型超音波プローブ等である。ただし、第1の実施形態において、超音波プローブ101は、例えば、超音波により被検体Pを2次元で走査するとともに、被検体Pを3次元で走査することが可能なメカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブであっても良い。メカニカル4Dプローブは、一列に配列された複数の圧電振動子により2次元走査が可能であるとともに、一列に配列された複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで3次元走査が可能である。また、2Dアレイプローブは、マトリックス状に配置された複数の圧電振動子により3次元走査が可能であるとともに、超音波を集束して送受信することで2次元走査が可能である。なお、2Dアレイプローブは、複数断面の2次元走査を同時に行なうことも可能である。
入力装置102は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等を有し、超音波診断装置1の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体100に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
ディスプレイ103は、超音波診断装置1の操作者が入力装置102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データ等を表示したりする。また、ディスプレイ103は、装置本体100の処理状況を操作者に通知するために、各種のメッセージを表示する。また、ディスプレイ103は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。例えば、ディスプレイ103のスピーカーは、装置本体100の処理状況を操作者に通知するために、ビープ音などの所定の音声を出力する。
心電計104は、被検体Pの心電信号を検出する。例えば、心電計104は、2次元走査される被検体Pの生体信号として、被検体Pの心電波形(Electrocardiogram:ECG)を取得する。心電計104は、取得した心電波形を装置本体100に送信する。なお、本実施形態では、被検体Pの心臓の心時相に関する情報を取得する手段の一つとして、心電計104を用いる場合を説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、超音波診断装置1は、心音図の第II音(第二音)の時間若しくはスペクトラムドプラによる心臓の駆出血流の計測により求まる大動脈弁閉鎖(Aortic Valve Close:AVC)時間を取得することで、被検体Pの心臓の心時相に関する情報を取得してもよい。なお、心電計104は、検出部の一例である。
位置センサ105及びトランスミッタ106は、超音波プローブ101の位置情報を取得するための装置である。例えば、位置センサ105は、超音波プローブ101に取り付けられる磁気センサである。また、例えば、トランスミッタ106は、任意の位置に配置され、自装置を中心として外側に向かって磁場を形成する装置である。
位置センサ105は、トランスミッタ106によって形成された3次元の磁場を検出する。そして、位置センサ105は、検出した磁場の情報に基づいて、トランスミッタ106を原点とする空間における自装置の位置(座標)及び方向(角度)を算出し、算出した位置及び方向を後述する処理回路170に送信する。処理回路170に送信された位置センサ105の3次元的な位置情報(位置及び方向)は、超音波プローブ101の位置情報、或いは超音波プローブ101により走査される走査範囲の位置情報に適宜変換されて利用される。例えば、位置センサ105の位置情報は、位置センサ105と超音波プローブ101との位置関係により超音波プローブ101の位置情報に変換される。また、超音波プローブ101の位置情報は、超音波プローブ101と走査範囲との位置関係により走査範囲の位置情報に変換される。なお、走査範囲の位置情報は、走査範囲と走査線上のサンプル点との位置関係により、各画素位置にも変換可能である。つまり、位置センサ105の3次元的な位置情報は、超音波プローブ101により撮像される超音波画像データの各画素位置に変換可能である。
装置本体100は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波データに基づいて2次元の超音波画像データを生成可能な装置である。
装置本体100は、図1に示すように、送受信回路110と、Bモード処理回路120と、ドプラ処理回路130と、画像生成回路140と、画像メモリ150と、内部記憶回路160と、処理回路170とを有する。送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、画像生成回路140、画像メモリ150、内部記憶回路160、及び処理回路170は、互いに通信可能に接続される。また、装置本体100は、院内のネットワーク5に接続される。
送受信回路110は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信回路110は、後述する処理回路170の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路110は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
送受信回路110は、被検体Pを2次元走査する場合、超音波プローブ101から2次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。
ここで、送受信回路110からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
Bモード処理回路120は、送受信回路110から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理回路130は、送受信回路110から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
なお、図1に例示するBモード処理回路120及びドプラ処理回路130は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路120は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路130は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
画像生成回路140は、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成回路140は、Bモード処理回路120が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路140は、ドプラ処理回路130が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す2次元ドプラ画像データを生成する。2次元ドプラ画像データは、速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらを組み合わせた画像である。また、画像生成回路140は、Bモード処理回路120が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成回路140は、ドプラ処理回路130が生成したドプラデータから、血流や組織の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することも可能である。
ここで、画像生成回路140は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成回路140は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路140は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成回路140は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成回路140が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成回路140は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データである「2次元Bモードデータや2次元ドプラデータ」から、表示用の2次元超音波画像データである「2次元Bモード画像データや2次元ドプラ画像データ」を生成する。
画像メモリ150は、画像生成回路140が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ150は、Bモード処理回路120やドプラ処理回路130が生成したデータを記憶することも可能である。画像メモリ150が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成回路140を経由して表示用の超音波画像データとなる。
なお、画像生成回路140は、超音波画像データと、当該超音波画像データを生成するために行なわれた超音波走査の時間とを、心電計104から送信された心電波形に対応付けて画像メモリ150に格納する。後述する処理回路170は、画像メモリ150に格納されたデータを参照することで、超音波画像データを生成するために行なわれた超音波走査時の心時相を取得することができる。
内部記憶回路160は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、内部記憶回路160は、必要に応じて、画像メモリ150が記憶する画像データの保管等にも使用される。また、内部記憶回路160が記憶するデータは、図示しないインターフェースを経由して、外部装置へ転送することができる。なお、外部装置は、例えば、画像診断を行なう医師が使用するPC(Personal Computer)や、CDやDVD等の記憶媒体、プリンター等である。
処理回路170は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路170は、入力装置102を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶回路160から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、及び画像生成回路140の処理を制御する。また、処理回路170は、画像メモリ150や内部記憶回路160が記憶する表示用の超音波画像データをディスプレイ103にて表示するように制御する。
また、処理回路170は、ネットワーク5を経由して院内の各種の装置と通信を行う。例えば、処理回路170は、超音波診断装置1以外の医用画像診断装置により撮像された医用画像データ(X線CT画像データやMRI画像データ等)をネットワーク5経由で受信する。そして、処理回路170は、受信した医用画像データを、自装置が撮像した超音波画像データとともにディスプレイ103に表示させる。なお、表示される医用画像データは、画像生成回路140により画像処理(レンダリング処理)された画像であってもよい。また、超音波画像データとともに表示される医用画像データは、CD−ROM、MO、DVD等の記憶媒体を介して取得される場合であっても良い。
また、処理回路170は、位置合わせ機能171と、抽出機能172と、表示制御機能173とを実行する。なお、処理回路170が実行する位置合わせ機能171、抽出機能172、及び表示制御機能173の処理内容については、後述する。
ここで、例えば、図1に示す処理回路170の構成要素である位置合わせ機能171、抽出機能172、及び表示制御機能173が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で内部記憶回路160に記録されている。処理回路170は、各プログラムを内部記憶回路160から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路170は、図1の処理回路170内に示された各機能を有することとなる。
なお、本実施形態においては、単一の処理回路170にて、以下に説明する各処理機能が実現されるものとして説明するが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは内部記憶回路160に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、内部記憶回路160にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示するために、以下の各処理機能を実行する。
ここで、大動脈解離について説明する。大動脈解離は、三層(外膜、中膜、内膜)で形成される大動脈の内膜の一部が損傷し、層状に裂けて内膜と外膜の間に血液が流入してしまう疾患である。血液が流入してしまった内膜と外膜の間の領域は、本来血液が流れるべきでない場所であり、「偽腔(又は解離腔)」と呼ばれる。また、本来血液が流れるべき大動脈内腔は、「真腔」と呼ばれる。また、層状に裂けた解離内膜は、「フラップ」と呼ばれる。損傷によりフラップに生じた孔(穴)は、真腔から偽腔へ血液が流入する場所であり、「エントリー」と呼ばれる。また、フラップに複数の孔が生じた結果、偽腔から真腔へ血液が戻ることがあり、この孔は、「リエントリー」と呼ばれる。
大動脈解離の診断においては、フラップ、エントリー、及びリエントリーの位置と、解離(偽腔)の進展範囲がX線CT装置を用いた画像診断により同定される。そして、同定された情報に基づいて、解離型の分類(Stanford分類、DeBakey分類)が行われる。そして、解離型の分類結果に加え、合併症の有無、偽腔の血流状態、潰瘍性突出像の有無、偽腔による真腔圧排の程度、分枝虚血などが評価され、治療方針が決定される。
しかしながら、X線CT装置による画像診断のみでは、大動脈解離の病変部の様子を正確に把握できない場合がある。例えば、X線CT装置によって撮像する場合、心臓の拍動や呼吸動により病変部付近が動いてしまうため、フラップが二重又は波状に描出されてしまうため、病変部の様子を正確に把握できない場合がある。また、心位相の違いにより、フラップ、エントリー、及びリエントリーの位置や解離の進展範囲と冠動脈起始部との位置関係などを正確に把握できない場合がある。更には、X線CT装置では形態的な3次元構造を把握するのには優れるが、血流等の機能的な情報を計測することは困難であり、形態情報からだけではエントリーの正しい情報(位置や数など)を捉えられない場合もある。なお、心位相の違いに起因する不正確さを解消するためには、X線CT装置による心電同期撮影を行うことが考えられるが、この方法では被検体Pの被ばく量が増加してしまう。これに対して、超音波診断装置はドップラー計測によるエントリー・リエントリー位置からの血流の流入出の検出やX線CT装置では捉えられない偽腔内の血栓なども捉えることができる。そこで、X線CT装置と比較して体動にロバストであり、かつ血流速等の機能診断に優れた非侵襲な超音波診断装置による画像診断との連携が重要となる。
また、手術による治療が行われる場合には、病変部の術中の様子が術前の様子(X線CT画像の様子)とは異なってしまう場合がある。例えば、術前と術中では、被検体内の水分量が変化する結果、心臓や大動脈を流れる血流量が変化してしまい、病変部の様子が異なってしまう。このため、仮に、術前のX線CT画像によって治療計画を作成したとしても、実際にステントグラフトで大動脈の内壁を押さえつける位置を適宜変更する必要がある。このため、手術による治療が行われる場合にも、超音波診断装置による画像診断との連携が重要である。
そこで、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示するために、以下の各処理機能を実行する。なお、以下の実施形態では、超音波プローブ101であるTEE(transesophageal echocardiography:経食道心エコー用超音波)プローブを術中に経口から挿入して大動脈を含む領域を撮像する場合を説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、術前に超音波走査による画像診断を行う場合にも適用可能である。また、例えば、術中に被検体Pを開胸して超音波走査を行う場合にも適用可能である。
位置合わせ機能171は、被検体Pの超音波画像データと、予め撮像された被検体Pの3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。例えば、位置合わせ機能171は、2次元の超音波画像データ(Bモード画像データ)と、3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。なお、位置合わせ機能171は、位置合わせ部の一例である。
図2は、第1の実施形態に係る位置合わせ機能171の処理を説明するための図である。図2では、2次元のBモード画像データと3次元のX線CT画像データとの位置合わせについて説明する。
まず、操作者は、被検体Pの体内が予め撮像されたX線CT画像データを他装置から受信する要求を行う。これにより、位置合わせ機能171は、図2の左図に示すように、位置合わせの対象となるX線CT画像データ(ボリュームデータ)を取得する。また、操作者は、表示対象となる被検体Pの体内を撮像するための超音波走査を行う。例えば、操作者は、超音波プローブ101を用いて、所定の断面で被検体Pの2次元超音波走査を行う。
そして、操作者は、ディスプレイ103に表示された超音波画像(図2に示すUL2D画像)を参照しながら、目印(メルクマール)となる特徴部位が超音波画像内に描出されるように、位置センサ105が取り付けられた超音波プローブ101を操作する。また、操作者は、特徴部位が描出されたX線CT画像データの断面像がディスプレイ103に表示されるように、入力装置102を介してMPR(Multi Planar Reconstructions)処理用の断面位置を調整する。
そして、操作者は、X線CT画像データの断面像に描出された特徴部位と同一の部位がUL2D画像上に描出されると、確定ボタンを押下する。これにより、ディスプレイ103に表示される超音波画像が一時的にフリーズ(静止)されるとともに、フリーズされた超音波画像の各画素位置の情報が位置センサ105の3次元的な位置情報に基づいて取得される。
そして、操作者は、固定されたUL2D画像及びX線CT画像データの断面像のそれぞれにおいて、特徴部位の中心位置を、例えばマウスを用いて指定する。これにより、位置合わせ機能171は、UL2D画像において指定された特徴部位と、X線CT画像データにおいて指定された特徴部位とが同一座標であると特定する。つまり、位置合わせ機能171は、UL2D画像において指定された特徴部位の座標を、X線CT画像データにおいて指定された特徴部位の座標として特定する。
同様に、操作者は、他の特徴部位を用いて、X線CT画像データにおける他の特徴部位の座標を特定する。例えば、大動脈解離の診断では、大動脈の分岐部や心臓の心尖部などが特徴部位として用いられる。そして、複数(3点以上)の特徴部位についてX線CT画像データ上の座標が特定されると、位置合わせ機能171は、特定された各座標を用いて、3次元空間における超音波画像データの位置情報とX線CT画像データの座標情報との変換関数を生成する。これにより、例えば、超音波プローブ101の位置が移動して新たな超音波画像データが生成された場合であっても、位置合わせ機能171は、当該超音波画像データとX線CT画像データとの座標を対応づけることができる。
このように、位置合わせ機能171は、2次元のBモード画像データと、3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。なお、上述した位置合わせ機能171の説明はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、位置合わせ機能171は、3次元のBモード画像データと、3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行ってもよい。また、位置合わせ機能171が位置合わせを行う方法は、上記の方法に限定されるものではなく、例えば、相互相関法を用いた位置合わせ等の公知の技術を用いて行っても良い。
また、例えば、位置合わせ機能171は、超音波画像データの収集時に検出された心電信号により特定される心時相に対応する心時相のX線CT画像データを位置合わせの対象として、位置合わせを行うこともできる。例えば、X線CT画像データが静止画データ(1フレーム分)ではなく、所定のフレームレート(ボリュームレート)で再構成された1心拍分(複数フレーム分)のボリュームデータを含む動画データ(4次元X線CT画像データ)である場合には、各ボリュームデータの心時相の情報が含まれている。そこで、位置合わせ機能171は、収集された超音波画像データと、この超音波画像データの収集時に検出された心電信号により特定される心時相に対応する心時相のX線CT画像データとの位置合わせを行う。例えば、位置合わせ機能171は、収集された超音波画像データの心時相がR波時相であれば、R波時相のX線CT画像データを用いて位置合わせを行う。
抽出機能172は、超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。例えば、抽出機能172は、超音波画像データに描出された血管内腔の組織形態情報及び血流情報を抽出する。なお、抽出機能172は、抽出部の一例である。
図3は、第1の実施形態に係る抽出機能172の処理を説明するための図である。図3には、大動脈の軸方向に対して略直交する断面が撮像された超音波画像データを例示する。図3に例示の超音波画像データは、背景画像であるBモード画像データ上にドプラ画像データに基づく血流情報(例えば、速度画像)が重畳された画像データである。
図3に示すように、抽出機能172は、例えば、血管内腔の輪郭を、セグメンテーションや血管内腔の形状パターンを用いたパターンマッチングに基づいて抽出する。そして、抽出機能172は、抽出した輪郭に含まれる領域を抽出領域として決定する。そして、抽出機能172は、抽出領域に含まれる組織形状情報と血流情報とを超音波画像データから抽出する。
ここで、抽出領域には、フラップ、エントリー(孔)、偽腔、及び真腔などの組織形状情報と、真腔から偽腔へ流入する(或いは流出する)血流情報とが含まれる。なお、図3に例示の血流情報において、真腔を流れる血流は、超音波による走査方向に対して略直交するため、血流情報として描出され難い。また、偽腔内を流れる血流は、滞留しているため、ウォールフィルタにより除去される。このため、図3に例示の血流情報には、例えば、エントリーを通って真腔から偽腔へ流入する血流が赤系の色調(TOWARD方向)で描出される。なお、リエントリーを流れる血流であれば、青系の色調(AWAY方法)で描出される。
このように、抽出機能172は、超音波画像データに描出された血管内腔の組織形状情報及び血流情報を抽出する。なお、上述した抽出機能172の説明はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。図3の例では、速度画像が適用される場合を例示したが、これに限定されるものではなく、パワー画像や分散画像など、任意のドプラ画像データが適用されてもよい。また、例えば、抽出機能172により抽出される情報は、図3の例に限定されるものではない。以下、抽出機能172により抽出される情報について、説明する。
例えば、抽出機能172は、図3に例示の超音波画像データから、ドプラ画像データ若しくはBモード画像データを抽出してもよい。言い換えると、抽出機能172は、超音波プローブ101による走査範囲全体を抽出領域として、ドプラ画像データ若しくはBモード画像データを抽出する。
また、例えば、抽出機能172は、Bモード画像データから、大動脈解離に関する情報として、フラップ、フラップの孔(エントリー及びリエントリー)、偽腔、及び偽腔内に生じた血栓のうち少なくとも一つの輪郭(構造物の輪郭)を抽出することができる。これらの構造物の抽出方法は、上述したセグメンテーションとパターンマッチングを組み合わせた方法であってもよいし、従来の如何なる技術が適用されてもよい。なお、抽出機能172は、フラップ、孔(エントリー若しくはリエントリー)、真腔、偽腔、及び偽腔内の血栓のうち、全ての構造物の輪郭をそれぞれ抽出してもよいし、任意の構造物を一つ(若しくは複数)選択して抽出してもよい。なお、孔については、後述するように、ドプラ画像データから抽出される血流情報と組み合わせることでエントリーであるかリエントリーであるかを識別可能である。
また、例えば、抽出機能172は、ドプラ画像データから、フラップの孔を流れる血流の情報、真腔内を流れる血流の情報、及び偽腔内を流れる血流の情報の少なくとも一つを抽出することができる。一例としては、抽出機能172は、所定の速度範囲に含まれる血流情報及び/又は所定の方向の血流情報を抽出することで、エントリー、リエントリー、真腔、偽腔などの情報を抽出する。例えば、真腔の血流は、心臓から拍出される動脈血であるため他の領域と比較して極めて速く、軸方向に沿った方向であるという特徴を有する。また、エントリーの血流は、動脈血が孔を通って流入するものであるため、動脈血ほどではないがある程度の速さで流れ、真腔から偽腔へ向かう方向であるという特徴を有する。また、リエントリーの血流は、偽腔から孔を通って流出するものであるため、動脈血ほどではないがある程度の速さで流れ、偽腔から真腔へ向かう方向であるという特徴を有する。また、偽腔の血流は、内膜と外膜との間に滞留した血流であるため、他の領域と比較して遅く、血栓などにより流れの方向も定まっていないという特徴を有する。例えば、抽出機能172は、エントリー、リエントリー、真腔、及び偽腔の特徴に応じて、ウォールフィルタの速度範囲や抽出される血流の方向を設定することで、エントリー、リエントリー、真腔、及び偽腔の領域をそれぞれ抽出することができる。なお、抽出機能172は、エントリー、リエントリー、真腔、及び偽腔のうち、全ての領域をそれぞれ抽出してもよいし、任意の領域を一つ(若しくは複数)選択して抽出してもよい。また、抽出機能172は、組織の移動情報を収集する組織ドプラを用いて、大動脈解離に関する構造物の情報を抽出してもよい。また、抽出機能172は、ドプラ画像データにおけるスペックルをフレーム間で相互相関法により追跡(tracking)することで血流の方向を画像化し、この画像化された血流の方向を示す情報を抽出してもよい。
また、抽出機能172は、Bモード画像データから得られる情報と、ドプラ画像データから得られる情報とを組み合わせることで、大動脈解離に関する情報を抽出してもよい。例えば、抽出機能172は、まず、Bモード画像データから得られる抽出されるフラップに対して交わる方向の血流情報を、エントリー又はリエントリーとして抽出することができる。更に、抽出機能172は、分散画像から血液が滞留する領域を偽腔として識別し、偽腔へ向かう方向の血流情報をエントリー、その反対方向の血流情報をリエントリーとして抽出してもよい。
表示制御機能173は、位置合わせの結果に基づいて、抽出された大動脈解離に関する情報が重畳されたX線CT画像データを表示させる。例えば、表示制御機能173は、大動脈を含む領域が撮像されたX線CT画像データに対してボリュームレンダリング処理を行って、大動脈全体が描出されたボリュームレンダリング画像を生成する。そして、表示制御機能173は、位置合わせ機能171によって生成された変換関数を用いて、収集された超音波画像データの3次元位置情報をX線CT画像データの座標情報に対応づける。そして、表示制御機能173は、抽出機能172によって抽出された血管内腔の組織形状情報及び血流情報を、X線CT画像データに基づくボリュームレンダリング画像の対応する位置に重畳させる。そして、表示制御機能173は、血管内腔の組織形状情報及び血流情報が重畳されたボリュームレンダリング画像をディスプレイ103に表示させる。なお、表示制御機能173は、表示制御部の一例である。
図4A及び図4Bは、第1の実施形態に係る表示制御機能173の処理を説明するための図である。図4A及び図4Bには、表示制御機能173により表示される表示画面を例示する。
図4A及び図4Bに示すように、表示制御機能173により表示される表示画面には、表示領域R1、表示領域R2、表示領域R3、及び表示領域R4が含まれる。このうち、表示領域R1は、X線CT画像データに基づく画像が表示される領域であり、例えば、大動脈全体が描出された静止画のボリュームレンダリング画像が表示される。また、表示領域R2は、超音波画像データに基づく画像が表示される領域であり、略リアルタイムで収集された超音波画像データが表示される。また、表示領域R3は、被検体Pの心電信号に基づく心電図が表示される領域であり、例えば、心電計104により検出された現在の心時相(現在表示されている超音波画像データに対応する心時相)が示される。また、表示領域R4は、大動脈解離に関する参考図が表示される領域であり、例えば、DeBakey分類の3a型に対応するイラストが表示される。なお、表示領域R4に表示される参考図は、操作者の指示により適宜切り替え可能であり、他の分類型、或いは被検体Pの治療方針に関する情報など、任意の情報を表示可能である。
図4Aに示す例では、表示制御機能173は、図3の超音波画像データから抽出された血管内腔の組織形状情報及び血流情報を、表示領域R1のボリュームレンダリング画像上に重畳表示させる。具体的には、表示制御機能173は、図3の抽出領域の位置情報をX線CT画像データにおける座標情報に変換することで、抽出領域に含まれる血管内腔の組織形状情報及び血流情報をボリュームレンダリング画像上に重畳表示させる。これにより、表示制御機能173は、大動脈の全体像が描出されたボリュームレンダリング画像上に略リアルタイムの病変部の様子を表示することができる。
また、表示制御機能173は、被検体Pに当接される超音波プローブ101の位置を示す情報、及び、超音波プローブ101により走査される走査範囲を示す情報が重畳されたX線CT画像データを表示させる。図4Aでは、表示制御機能173は、超音波プローブ101を表すイラストと、走査範囲に対応する枠線とを、ボリュームレンダリング画像上に重畳表示させる。これにより、表示制御機能173は、超音波プローブ101が現在当接されている位置、及び、超音波プローブ101により現在走査されている範囲を表示することができる。
また、図4Bに示す例では、表示制御機能173は、超音波画像データから抽出される血栓の領域を、ボリュームレンダリング画像上に重畳表示させる。このとき、例えば、操作者が大動脈の下流側から上流側に超音波プローブ101を移動させて超音波走査を行うと、表示制御機能173は、移動の過程で検出された血栓の情報をボリュームレンダリング画像上に蓄積させて表示することができる(図4Bの表示領域R1)。
このように、表示制御機能173は、超音波画像データから抽出された大動脈解離に関する情報を、X線CT画像データに基づくボリュームレンダリング画像上に重畳表示させる。なお、上述した表示制御機能173の説明はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記の例では、表示画面上に、表示領域R1、表示領域R2、表示領域R3、及び表示領域R4がそれぞれ表示される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御機能173は、表示領域R2、表示領域R3、及び表示領域R4を表示しなくてもよい。表示制御機能173は、少なくとも表示領域R1を表示すればよい。
また、上記の例では、大動脈解離に関する情報として、血管内腔の組織形状情報及び血流情報(図4A)及び血栓の領域(図4B)がボリュームレンダリング画像に重畳される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。つまり、表示制御機能173は、抽出機能172によって抽出された情報であれば、如何なる情報であっても重畳することが可能である。例えば、表示制御機能173は、超音波プローブ101による走査範囲全体を抽出領域として、ドプラ画像データ若しくはBモード画像データが抽出される場合には、抽出されたドプラ画像データ若しくはBモード画像データをボリュームレンダリング画像に重畳させる。また、例えば、表示制御機能173は、フラップ、孔(エントリー若しくはリエントリー)、真腔、偽腔、及び偽腔内の血栓など、大動脈解離に関する構造物の輪郭が抽出される場合には、抽出された構造物(一つ若しくは複数)の輪郭をボリュームレンダリング画像に重畳させる。また、例えば、表示制御機能173は、所定の速度範囲に含まれる血流情報及び/又は所定の方向の血流情報が抽出される場合には、抽出された血流情報をボリュームレンダリング画像に重畳させる。この場合、例えば、表示制御機能173は、血流情報により抽出されるエントリー、リエントリー、真腔、偽腔などの領域を重畳させてもよいし、スペックルトラッキングにより画像化された血流の方向を示す情報を重畳させてもよい。また、表示制御機能173は、抽出機能172により抽出される各種の情報を適宜組み合わせてボリュームレンダリング画像に重畳させてもよい。
また、例えば、上記の例では、X線CT画像データがボリュームレンダリング画像として表示される場合を例示したが、これに限らず、例えば、サーフェスレンダリング画像などの他のレンダリング画像であってもよい。また、表示領域R1に大動脈の全体像が表示される場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、大動脈の一部(分岐部周辺など)が表示される場合であっても良い。また、表示領域R1に表示された超音波プローブ101のイラスト及び走査範囲の枠線は、いずれか一方が表示される場合であっても良いし、いずれも表示されなくてもよい。
また、上記の例では、静止画のボリュームレンダリング画像が表示される場合を説明したが、これに限らず、4次元X線CT画像データが用いられる場合には動画像として表示されてもよい。この場合、表示制御機能173は、拍動に伴って動く大動脈の様子を表示領域R1に表示することができる。また、表示制御機能173は、略リアルタイムで表示される超音波画像データと、この超音波画像データの心時相に対応する心時相のX線CT画像データに基づくボリュームレンダリング画像を同期表示することができる(心電同期)。
図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。図5に示す処理手順は、例えば、大動脈解離の病変部に関する画像を表示する旨の表示要求を操作者から受け付けた場合に開始される。
ステップS101において、処理回路170は、表示要求を操作者から受け付けたか否かを判定する。例えば、入力装置102は、大動脈解離の病変部に関する画像を表示する旨の表示要求を操作者から受け付け、受け付けた表示要求を処理回路170へ送る。処理回路170は、入力装置102により転送された表示要求を受け付けると、表示要求を受け付けたと判定し(ステップS101肯定)、ステップS102以降の処理を開始する。なお、表示要求を受け付けない場合には(ステップS101否定)、ステップS102以降の処理は開始されず、処理回路170の各処理機能は待機状態である。
ステップS101が肯定されると、ステップS102において、処理回路170は、超音波画像データを撮像する。例えば、処理回路170は、送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、及び画像生成回路140の制御を行って、略リアルタイムによる超音波画像データの収集を開始する。
ステップS103において、位置合わせ機能171は、超音波画像データと、術前のX線CT画像データとを位置合わせする。例えば、位置合わせ機能171は、2次元の超音波画像データ(Bモード画像データ)と、3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。すなわち、位置合わせ機能171は、3次元空間における超音波画像データの位置情報とX線CT画像データの座標情報との変換関数を生成する。
ステップS104において、抽出機能172は、超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。例えば、抽出機能172は、超音波画像データに描出された血管内腔の組織形態情報及び血流情報を抽出する。
ステップS105において、表示制御機能173は、大動脈解離に関する情報を、術前のX線CT画像データに重畳させる。例えば、表示制御機能173は、位置合わせ機能171によって生成された変換関数を用いて、収集された超音波画像データの3次元位置情報をX線CT画像データの座標情報に対応づける。そして、表示制御機能173は、抽出機能172によって抽出された血管内腔の組織形状情報及び血流情報を、X線CT画像データに基づくボリュームレンダリング画像の対応する位置に重畳させる。
ステップS106において、表示制御機能173は、画像を表示させる。例えば、表示制御機能173は、大動脈解離に関する情報が重畳されたX線CT画像データ(ボリュームレンダリング画像)を表示させる。
上述してきたように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1において、位置合わせ機能171は、被検体Pの超音波画像データと、予め撮像された被検体Pの3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。抽出機能172は、超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。表示制御機能173は、位置合わせの結果に基づいて、抽出された情報が重畳されたX線CT画像データを表示させる。これによれば、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示することができる。
例えば、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波画像データから略リアルタイムの大動脈解離に関する情報を抽出し、大動脈の全体が描出されたX線CT画像データに重畳させる。このため、超音波診断装置1は、病変部の全体像とともに信頼性の高いリアルタイムの情報を操作者に提示することができる。したがって、操作者は、X線CT画像データに体動によるアーチファクトが生じてしまい、病変部の様子が正確に描出できなかったとしても、病変部の全体像をX線CT画像データで把握しつつ、アーチファクトに関する部位については超音波画像データから抽出された情報を参照して把握することができる。また、操作者、病変部の術中の様子が術前の様子(X線CT画像の様子)とは異なっていたとしても、病変部の全体像をX線CT画像データで把握しつつ、略リアルタイムの病変部の様子を超音波画像データから抽出された情報を参照して把握することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、2次元の超音波画像データが用いられる場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、超音波診断装置1は、直交2断面の超音波画像データを用いることが可能である。
第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、図1に例示した超音波診断装置1と同様の構成を備え、表示制御機能173の処理の一部が相違する。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と相違する点を中心に説明することとし、第1の実施形態において説明した構成と同様の機能を有する点については、説明を省略する。
第2の実施形態に係る表示制御機能173は、超音波画像データとして、被検体Pの大動脈の軸方向に沿った第1断面像と、大動脈の軸に略直交する第2断面像とを、X線CT画像データと同時に表示させる。
図6は、第2の実施形態に係る表示制御機能173の処理を説明するための図である。図6には、表示制御機能173により表示される表示画面を例示する。なお、図6では、3次元の超音波走査を実行可能な超音波プローブ101(TEEプローブ)により撮像された3次元の超音波画像データが用いられる場合を説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。
図6に示すように、表示制御機能173により表示される表示画面には、表示領域R1、表示領域R2−1、表示領域R2−2、表示領域R3、及び表示領域R4が含まれる。このうち、表示領域R3及び表示領域R4については、図4A及び図4Bと同様であるので説明を省略する。
ここで、表示領域R2−1及び表示領域R2−2には、直交2断面の超音波画像データが表示される。例えば、画像生成回路140は、パターンマッチングなどの画像処理を用いて、3次元の超音波画像データから大動脈の領域を検出する。そして、画像生成回路140は、検出した大動脈の領域に対して1画素(ボクセル)ずつ縮める収縮処理を行って大動脈の芯線(軸)を検出する。そして、画像生成回路140は、芯線に沿った方向のMPR像及び芯線に略直交するMPR像を、3次元の超音波画像データに対するMPR処理により生成する。表示制御機能173は、画像生成回路140により生成された芯線に沿った方向のMPR像を表示領域R2−1に表示させ、芯線に略直交するMPR像を表示領域R2−2に表示させる。
また、表示制御機能173は、スペックルトラッキングにより画像化された血流の方向を示す情報を超音波画像データ上に表示させる。図6に示す例では、表示制御機能173は、表示領域R2−1及び表示領域R2−2に表示された直交2断面のMPR像上に、血流の方向を示す矢印の画像を表示させる(ベクトル表示)。なお、血流の方向を示す情報を表示する方法としては、例えば、ドプラ画像データにおけるスペックルをフレーム間で相互相関法により追跡することで血流の方向を画像化する方法などが適用可能である。
また、表示制御機能173は、3次元的なMPR像の位置を示す情報を、X線CT画像データ上に重畳表示させる。図6に示す例では、表示制御機能173は、表示領域R1のX線CT画像データに基づくボリュームレンダリング画像上に、直交2断面のMPR像の位置に対応する枠線を重畳表示させる。
このように、表示制御機能173は、大動脈の軸方向に沿った第1断面像と、大動脈の軸に略直交する第2断面像とを、X線CT画像データと同時に表示させる。なお、上述した表示制御機能173の説明はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、図6では、3次元の超音波走査を実行可能な超音波プローブ101により撮像された3次元の超音波画像データが用いられる場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一列に並んだ複数の振動子を90度回転させることで、直交2断面を走査可能な超音波プローブ101により、直交2断面の超音波画像データが撮像される場合であってもよい。また、図6の例では、表示される直交2断面の超音波画像データは、必ずしも軸方向及び軸に直交する方向に対応する断面でなくてもよい。すなわち、表示制御機能173は、任意の方向の2断面(或いは3以上の断面)の超音波画像データを表示することができる。また、表示制御機能173は、第1の実施形態と同様に、2断面の超音波画像データから抽出される大動脈解離に関する情報をX線CT画像データ側に重畳することもできる。
このように、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、直交2断面の超音波画像データを用いて表示することが可能である。これにより、超音波診断装置1は、より閲覧性の高い画像を操作者に提供することが可能となる。なお、第1の実施形態にて説明した内容は、直交2断面の超音波画像データが表示される点を除き、第2の実施形態においても適用可能である。
(その他の実施形態)
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
(医用画像処理装置)
例えば、上述した実施形態では、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示するための上記の処理機能が、超音波診断装置1において実行される場合を説明した。具体的には、上述した実施形態では、超音波診断装置1上で参照画像としてX線CT画像データを表示させ、表示させたX線CT画像データに超音波画像データから得られる情報をフィードバックして重畳表示させる場合を説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態に係る超音波診断装置1の処理機能は、医用画像処理装置にて実行されてもよい。
例えば、上記の処理機能は、医用画像処理装置としてのマルチモダリティワークステーションにおいて実行される。ここで、マルチモダリティワークステーションとは、例えば、複数種類の医用画像診断装置により撮像された画像データを処理することが可能な装置である。
例えば、マルチモダリティワークステーションは、上記の処理回路170と同様の処理回路を備える。この処理回路は、位置合わせ機能171と、抽出機能172と、表示制御機能173とを実行する。具体的には、マルチモダリティワークステーションは、院内のネットワーク若しくは記憶媒体を介して被検体PのX線CT画像データ及び超音波画像データを取得する。ここで、超音波画像データは、超音波診断装置により略リアルタイムで撮像されたものであってもよいし、予め撮像されたものでもよい。そして、マルチモダリティワークステーションの位置合わせ機能171は、被検体Pの超音波画像データと、予め撮像された被検体Pの3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う。マルチモダリティワークステーションの抽出機能172は、超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。マルチモダリティワークステーションの表示制御機能173は、位置合わせの結果に基づいて、抽出された情報が重畳されたX線CT画像データを表示させる。これによれば、マルチモダリティワークステーションは、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示することができる。
一例として、マルチモダリティワークステーションが図6に示した表示処理を実行する場合を説明する。例えば、マルチモダリティワークステーションは、被検体Pが撮像された直交2断面の超音波画像データを超音波診断装置から受信するとともに、同じ被検体Pが術前に撮像されたX線CT画像データをX線CT装置から受信する。そして、マルチモダリティワークステーションの位置合わせ機能171は、受信した直交2断面の超音波画像データと、術前のX線CT画像データとの位置合わせを行う。そして、マルチモダリティワークステーションの抽出機能172は、直交2断面の超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する。そして、マルチモダリティワークステーションの表示制御機能173は、位置合わせの結果に基づいて、表示領域R1にX線CT画像データを表示させるとともに、表示領域R2−1及び表示領域R2−2に直交2断面の超音波画像データを表示させる。また、マルチモダリティワークステーションの表示制御機能173は、表示領域R1のX線CT画像データ上に、抽出された大動脈解離に関する情報を表示することもできる。これにより、例えば、例えば、マルチモダリティワークステーションは、手術室や救急救命室にあるモニタに、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示させることができる。なお、ここでは一例として、マルチモダリティワークステーションが図6の表示処理(第2の実施形態の処理)を実行する場合を説明したが、これに限らず、図4A及び図4Bの表示処理(第1の実施形態の処理)が実行されてもよい。
また、例えば、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、上記の実施形態で説明した医用画像処理方法は、予め用意された医用画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この医用画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
また、上記の実施形態において、略リアルタイムとは、処理対象となる各データが発生するたびに、即時に各処理を行うことを指す。つまり、リアルタイムとは、被検体が撮像される時刻と画像が表示される時刻とが完全に一致する場合に限らず、画像生成処理に要する時間によって画像がやや遅れて表示される場合を含む。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、大動脈解離の病変部の様子を正確に表示することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
170 処理回路
171 位置合わせ機能
172 抽出機能
173 表示制御機能

Claims (10)

  1. 被検体の超音波画像データと、予め撮像された前記被検体の3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う位置合わせ部と、
    前記超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する抽出部と、
    前記位置合わせの結果に基づいて、抽出された前記情報が重畳された前記X線CT画像データを表示させる表示制御部と
    を備える、超音波診断装置。
  2. 前記抽出部は、前記情報として、前記大動脈解離における解離内膜、前記解離内膜の孔、及び偽腔内に生じた血栓のうち少なくとも一つの輪郭を、前記超音波画像データであるBモード画像データから抽出する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記抽出部は、前記情報として、前記大動脈解離における解離内膜の孔を流れる血流の情報、真腔内を流れる血流の情報、及び偽腔内を流れる血流の情報のうち少なくとも一つを、前記超音波画像データであるドプラ画像データから抽出する、
    請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記表示制御部は、前記被検体に当接される超音波プローブの位置を示す情報、及び、前記超音波プローブにより走査される走査範囲を示す情報のうち少なくとも一つが重畳された前記X線CT画像データを表示させる、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  5. 前記被検体の心電信号を検出する検出部を更に備え、
    前記位置合わせ部は、前記超音波画像データの収集時に検出された心電信号により特定される心時相に対応する心時相の前記X線CT画像データを位置合わせの対象として、前記位置合わせを行う、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  6. 前記表示制御部は、更に、2次元走査により撮像された前記超音波画像データを、前記X線CT画像データと同時に表示させる、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  7. 前記表示制御部は、更に、前記超音波画像データとして、前記被検体の大動脈の軸方向に沿った第1断面像と、前記大動脈の軸に略直交する第2断面像とを、前記X線CT画像データと同時に表示させる、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  8. 前記表示制御部は、更に、3次元走査により撮像された前記超音波画像データに基づいて、前記大動脈解離における解離内膜のレンダリング画像を、前記X線CT画像データと同時に表示させる、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  9. 前記抽出部は、前記X線CT画像データから前記大動脈解離に関する形態情報を抽出し、
    前記表示制御部は、前記X線CT画像データから抽出された形態情報に基づいて加工された超音波画像データを表示させる、
    請求項1〜8のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  10. 被検体の超音波画像データと、予め撮像された前記被検体の3次元のX線CT画像データとの位置合わせを行う位置合わせ部と、
    前記超音波画像データにおいて、大動脈解離に関する情報を抽出する抽出部と、
    前記位置合わせの結果に基づいて、抽出された前記情報が重畳された前記X線CT画像データを表示させる表示制御部と
    を備える、医用画像処理装置。
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