JP2018093860A - 有用物質の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大量生産可能であり、活性の高い有用物質を得られる有用物質の生産方法の提供。【解決手段】培養液中に含まれる微生物により有用物質を培養液中に分泌生産する方法であり、培養液中にスピクリスポール酸及び/又はそのアルキレノキサイド付加物を含む有用物質の生産方法。好ましくは培養液中のスピクリスポール酸とそのアルキレノキサイド付加物の合計の含有量が、培養液の重量を基準として、0.001〜5.0重量%であり、さらにアミノ酸、糖類、ペプチド及び界面活性剤)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む有用物質の生産方法。【選択図】なし

Description

本発明は、有用物質の生産方法及びこの生産方法で使用される化合物に関する。
細菌は、アミノ酸及びタンパク質等の有用物質を製造するために広く利用されている。有用物質生産に用いる細菌として、グラム陰性菌(大腸菌等)が多用されており、遺伝子工学技術の進展に伴って医薬上・産業上有用なタンパク質の遺伝子を大腸菌に導入して有用タンパク質を効率的に製造する技術が知られている。
細菌を用いてタンパク質を発現した場合、目的タンパク質を抽出するために、超音波、高圧ホモジナイザー、フレンチプレス等の物理的破砕法が用いられている。しかし、これらの物理的破砕法はタンパク質を取り出す際、細菌の細胞内に存在する目的のタンパク質以外の物質も大量に混入するため、純度が低下するという問題がある。
この問題を解決するタンパク質の生産方法として、界面活性剤を用いたタンパク質の分泌生産方法が知られている。グルタミン酸の生産では、界面活性剤の一種であるポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテートが用いられている(特許文献1)。
また、セルラーゼ及びホスファターゼ等のタンパク質の生産においてもポリオキシエチレンソルビタンモノパルミタートやポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート等が用いられている(非特許文献1及び特許文献2)。
分泌生産を行う際、高い生産性を持続でき、生産時間を長くすることが生産性の向上につながる。しかし、生産量は十分なものではなく、大量生産できないという課題がある。また、得られたタンパク質等の有用物質の活性が低いという課題がある。
国際公開第99/07853号 国際公開第2010/137624号
バイオインダストリー協会発酵と代謝研究会編集、「発酵ハンドブック」、共立出版、2001年7月、253頁
本発明が解決しようとする課題は、大量生産可能であり、活性の高い有用物質を得られる有用物質の生産方法を提供することである。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、培養液中に含まれる微生物により有用物質を培養液中に分泌生産する方法であり、培養液中にスピクリスポール酸及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物(A2)を含む有用物質の生産方法である。
本発明の有用物質の生産方法を用いることで、活性の高い有用物質を大量生産することができる。
本発明は、培養液に含まれる微生物を使用して有用物質を生産する方法であって、培養液中にスピクリスポール酸(A1)及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物(A2)を含む有用物質の生産方法である。
本発明の培養液にはスピクリスポール酸[4,5−ジカルボキシ−4−ペンタデカノリド](A1)又はそのアルキレンオキサイド付加物(A2)を必須成分として含有することが必要である。
スピクリスポール酸のアルキレンオキサイド付加物(A2)としては、スピクリスポール酸(A1)のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの付加物が挙げられ、好ましくはエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイドとプロピレンキサイドのランダム又はブロック付加物であり、より好ましくはエチレンオキサイド単独の付加物ある。
付加モル数(合計)は1〜20モルであり、好ましくは2〜10モルである。
本発明において、微生物としては、グラム陰性菌及びグラム陽性菌等が含まれる。
本発明におけるグラム陰性菌として、以下に例を挙げるがこれに限定するものではない。グラム陰性菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter属)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。
これらのうち、有用物質の生産性の観点から、好ましいのはエシェリチア属菌であり、更に好ましいのは大腸菌である。
グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus属)、サッカロマイセス属(Saccharomyces属)、カンジダ属(Candida属)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium属)、ブレビバチルス属(Brevibacillus属)、ビフィドバクテリウム属 (Bifidobacterium属)、ラクトコッカス属(Lactococcus属)、エンテロコッカス属 (Enterococcus属)、ペディオコッカス属(Pediococcus属)、リューコノストック属 (Leuconostoc属)、ストレプトマイセス属(Streptomyces属)等が挙げられる。
これらうち、有用物質の生産性の観点から、サッカロマイセス属が好ましい。
サッカロマイセス属としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomyces pastorianus)、サッカロマイセス・マンジニ(Saccharomyces mangini)、及びサッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)等が挙げられる。
グラム陽性菌としては、有用物質の生産性の観点から、サッカロマイセス属が好ましく、さらに好ましくはSaccharomyces cerevisiaeである。
なお、本発明において、「有用物質の生産性」とは、有用物質を大量に得ることができることを意味する。
微生物としては、有用物質の生産性の観点から、グラム陰性菌が好ましく、さらに好ましくはエシェリチア属菌であり、特に好ましくは大腸菌である。
本発明で生産する有用物質としては、タンパク質、オリゴ糖及び核酸等が含まれる。
タンパク質としては、酵素{酸化還元酵素(コレステロールオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼ等)、加水分解酵素(リゾチーム、プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及びグルコアミラーゼ等)、異性化酵素(グルコースイソメラーゼ等)、転移酵素(アシルトランスフェラーゼ及びスルホトランスフェラーゼ等)、合成酵素(脂肪酸シンターゼ、リン酸シンターゼ及びクエン酸シンターゼ等)及び脱離酵素(ペクチンリアーゼ等)等}、ホルモンタンパク質{骨形成因子(BMP)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン1〜12、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ナトリウム利尿ペプチド、血液凝固第VIII因子、ソマトメジン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、血清アルブミン及びカルシトニン等}、抗体{1本鎖抗体、IgGラージサブユニット、IgGスモールサブユニット等}、抗原タンパク質{B型肝炎表面抗原等}、機能性タンパク質{プロネクチン(登録商標)、不凍ペプチド、抗菌ペプチド等}、蛍光タンパク質(GFP等)、発光タンパク質(ルシェラーゼ等)及びペプチド(特にアミノ酸組成を限定するものではなく、オリゴペプチド、ジペプチド及びトリペプチド等)等が挙げられる。
これらのタンパク質のうち、タンパク質の作成の容易さの観点から、酵素及びホルモンタンパク質が好ましい。
オリゴ糖としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、パノース、ラフィノース、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖及びフラクトオリゴ糖等が挙げられる。
核酸としては、イノシン一リン酸、アデノシン一リン酸及びグアノシン一リン酸等が挙げられる。
有用物質としては、微生物の有用物質作成の容易さの観点から、タンパク質が好ましく、さらに好ましくは酵素及びホルモンタンパク質である。
有用物質がタンパク質であり、微生物がグラム陰性菌である場合、タンパク質がグラム陰性菌内で発現した後、一部又は全てがペリプラズムへ移行する性質を有している事が好ましい。更に好ましくはペリプラズムへの移行に必要なシグナル配列をOpen Reading Frame(ORF)中にコードしているタンパク質である。
ペリプラズムとは、グラム陰性菌の細胞質膜より外側でグラム陰性菌の最表面までの空間の事である。
ペリプラズムへの移行に必要なシグナル配列としては、Sec分泌シグナル配列、TAT分泌シグナル、α−因子由来分泌シグナル等が挙げられる。
本発明の有用物質の生産方法は、培養液中にスピクリスポール酸(A1)及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物(A2)を必須成分として含むものである。
培養液中のスピクリスポール酸(A1)とのアルキレンオキサイド付加物(A2)の合計の含有量は、培養液の重量〔培地、大腸菌、前記の界面活性剤及びその他培養中に添加する添加剤[後に記載する誘導発現のために用いる添加剤(Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranoside等)及び流加培養で供給する栄養源等]の合計重量、以下において同じ〕を基準として、スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)の溶解度、有用物質の活性及び分泌生産性の観点から、0.001〜5.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜3.0重量%である。
本発明の有用物質の生産方法では、培養液中にさらにアミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含んでもよい。
本発明の有用物質の生産方法で使用されるアミノ酸(B)は、タンパク質構成アミノ酸(B−1)及び非タンパク質構成アミノ酸(B−2)等が挙げられる。
タンパク質構成アミノ酸(B−1)としては、α−アラニン、アルギニン、アスパラギン、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、リシン、セリン、トレオニン及びバリン等が挙げられる。
非タンパク質構成アミノ酸(B−2)としては、β−アラニン、カナバミン、シトルリン、H−ホモアルギニン、イソセリン、グリコシアニン、4アミノ絡酸、ホモセリン、アミノアジピン酸、ジアミノピメリン酸、ジアミノブチル酸、ジアミノプロピオン酸及びイソセリン等が挙げられる。
アミノ酸(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するアミノ酸(B)は、分泌効率の観点から、タンパク質構成アミノ酸であることが好ましく、更に好ましいのはα−アラニン、アルギニン、グリシン、リシン、セリンである。
本発明の有用物質の生産方法で使用される糖類(C)として、好ましいものとしては、二糖(C−1)、糖脂質(C−2)及びシクロデキストリン(C−3)等が挙げられる。
二糖(C−1)としては、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、イソトレハロース、ネオトレハロース、ゲンチオビロース、マンノビオース、ガラクトスクロース、キシロビオース及びプリメベロース等が挙げられる。
糖脂質(C−2)としては、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質及び糖脂質系バイオサーファクタント等が挙げられる。
糖脂質系バイオサーファクタントとしては、ラムノリピッド、ソホロリピッド、トレハロリピッド及びセロビオリピッド等が挙げられる。
シクロデキストリン(C−3)としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、これらの誘導体(メチル化、エチル化、ハイドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、マルト−ス結合化、カチオン化、第4級アンモニウム化、アニオン化、両性化等されたものが含まれ、具体的には2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等)等が挙げられる。
糖類(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用する糖類(C)は分泌効率の観点からスクロース、ラクトース、マルトース及び糖脂質系バイオサーファクタントが好ましく、更に好ましくはスクロース、ラクトース及び糖脂質系バイオサーファクタントである。
本発明の有用物質の生産方法で使用されるペプチド(D)としては、オリゴペプチド(D−1)、ポリペプチド(D−2)及びアシルペプチド系バイオサーファクタント(D−3)等が挙げられる。
オリゴペプチド(D−1)としては、タンパク質構成アミノ酸で構成されるオリゴペプチド及び非タンパク質構成アミノ酸で構成されるオリゴペプチド等が挙げられる。
オリゴペプチド(D−1)の内、タンパク質構成アミノ酸で構成されるオリゴペプチドとしては、アラニルグリシルグリシン、トリグリシン、テトラグリシン、アラニルヒスチジン、グリシルセリン、ロイシルグリシン及びロイシルチロシン等が挙げられる。
ポリペプチド(D−2)としては、タンパク質構成アミノ酸で構成されるポリペプチド及び非タンパク質構成アミノ酸で構成されるポリペプチドが挙げられる。
ポリペプチド(D−2)の内、タンパク質構成アミノ酸で構成されるポリペプチドとしては、アミロイドβプロテイン、グルタミン酸リジンコポリマー、ロイシンリジンコポリマー、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリガンマグルタミン酸、ナイシン、マイクロシン、ラクトフェリン及びデプシペプチド等が挙げられる。
オリゴペプチド(D−1)及びポリペプチド(D−2)のアミノ酸数としては、タンパク質の分泌性の観点から、3〜200であることが好ましく、更に好ましくは3〜100である。
アシルペプチド系バイオサーファクタント(D−3)としては、サーファクチン等が挙げられる。
サーファクチンとしては、カネカ・サーファクチン[(株)カネカ製]等として市場から入手できる。
本発明の有用物質の生産方法で使用されるペプチド(D)は、25℃の水に対する溶解度が1.0〜500.0g/Lであることが好ましく、また、質量数が5000未満であることが好ましい。
なお、ペプチド(D)の質量数は、SDS−PAGE法により求めることができる。
ペプチド(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用するペプチド(D)は分泌効率の観点から、タンパク質構成アミノ酸で構成されるオリゴペプチド及びタンパク質構成アミノ酸で構成されるポリペプチドが好ましい。
本発明の有用物質の生産方法で使用される界面活性剤(E)としては、鎖状脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(E−1)、鎖状脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物と脂肪酸とのエステル(E−2)、脂肪酸アミドベタイン(E−3)、アルキルエーテルカルボン酸塩(E−4)、アルキルエーテル硫酸塩(E−5)及びイミダゾリニウムベタイン(E−6)が含まれる。
鎖状脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物(E−1)に用いる鎖状脂肪族アルコールは、炭素数1〜24の鎖状脂肪族アルコールであり、炭素数1〜24の鎖状脂肪族アルコールとしては、炭素数1〜24の鎖状脂肪族1価アルコール[メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール];
炭素数2〜24の鎖状脂肪族2価アルコール[エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1、10−デカンジオール、ラウリルグリコール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等];
炭素数3〜24の3価アルコール[グリセリン及びトリメチロールプロパン等];
炭素数5〜24の鎖状脂肪族3〜8価アルコール[ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等];
糖類[ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体];等が挙げられる。
鎖状脂肪族アルコールの炭素数は、有用物質の分泌性の観点から6〜18が好ましく、更に好ましくは8〜14である。
鎖状脂肪族アルコールに付加するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
鎖状脂肪族アルコールへのアルキレンオキサイドの付加モル数は、培養液への溶解性の観点から1〜30が好ましく、更に好ましくは1〜20である。
鎖状脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド1〜20モル付加物等が挙げられる。
鎖状脂肪族アルコールに対して、アルキレンオキサイドは、ブロック状及び/又はランダム状に付加したものを用いることができる。
この内、ブロック状に付加したものとしては、プルロニックF−127NF[BASF社製]等として、市場から入手できる。
本発明において、鎖状脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物と脂肪酸のエステル(E−2)に用いる脂肪酸は、炭素数2〜22の脂肪酸であり、炭素数2〜22の脂肪酸としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、ラウリン酸及びオレイン酸等が挙げられる。
鎖状脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物と脂肪酸とのエステルの具体例としては、プルロニックF−127NFのラウリン酸1モル縮合物等が挙げられる。
脂肪酸アミドベタイン(E−3)としては、ヤシ油脂肪酸アミドベタイン等(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)及びラウリン酸アミドプロピルベタイン等が挙げられる。
アルキルエーテルカルボン酸塩(E−4)としては、炭化水素基(炭素数8〜24)を有するエーテルカルボン酸の塩が含まれる。
アルキルエーテルカルボン酸塩として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸ナトリウム塩及びラウリルグリコール酢酸ナトリウム塩等が挙げられる
アルキルエーテル硫酸塩(E−5)としては、炭化水素基(炭素数8〜24)を有するエーテル硫酸エステルの塩が含まれる。
アルキルエーテル硫酸塩として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
イミダゾリニウムベタイン(E−6)としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
本発明の有用物質の生産方法で使用されるアミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)は、そのまま使用してもよいし、必要により水と混合して、水性希釈液(水溶液状又は水分散液状)として用いてもよい。
水性希釈液における、有用物質の生産方法で使用されるアミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)の重量割合は、対象となる微生物、生理活性物質の種類及び抽出方法の種類によって適宜選択されるが、有用物質の分泌性及びハンドリング性の観点から、水性希釈液の重量を基準として、0.1〜99重量%が好ましく、更に好ましくは1〜50重量%である。
本発明で用いる培養液は、微生物等の宿主の資化可能な炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地(TB培地等)を培養して得ることができる。
界面活性剤(E)の含有量は、菌体増殖の観点から、培養液の重量を基準として、0.1〜10.0重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.3〜3.8重量%である。
また、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物のそれぞれの重量割合は、分泌効率の観点から、培養液の重量を基準として、0.05〜5.0重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜3.0重量%である。
本発明において、培養液中には、上記のアミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物以外にも、その他の界面活性剤(G)等を含んでいてもよい。
その他の界面活性剤(G)としては、上記のスピクリスポール酸、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)を除く両性界面活性剤(G−1)、アニオン性界面活性剤(G−2)、ノニオン性界面活性剤(G−3)及びカチオン界面活性剤(G−4)が挙げられる。
前記の両性界面活性剤(G−1)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤〔ベタイン型両性界面活性剤[アルキルジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)及びラウリン酸アミドプロピルベタイン等)、アルキルジヒドロキシアルキルベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)及び硬化ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等]〕;
スルホベタイン型両性界面活性剤(ペンタデシルスルホタウリン等);
及びアルキルアミンオキサイド型両性界面活性剤(ラウリルジメチルアミンオキサイド等)等が含まれる。
前記のアニオン性界面活性剤(G−2)としては、エーテルカルボン酸(ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸及びラウリルグリコール酢酸等);
エーテル硫酸エステル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸等);
スルホン酸塩(ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩及びナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等);
スルホコハク酸塩(ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸二ナトリウム塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム塩及びスルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム塩等);
脂肪酸塩(オクチル酸ナトリウム塩、ラウリル酸ナトリウム塩及びステアリン酸ナトリウム塩等);
アシル化アミノ酸塩;
並びに天然由来のカルボン酸及びその塩(ケノデオキシコール酸、コール酸及びデオキシコール酸等)等が挙げられる。
前記のノニオン性界面活性剤(G−3)としては、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物[オクチルフェノールのエチレンオキサイド1〜20モル及び/又はプロピレンオキサイド1〜20モル付加物並びにノニルフェノールのエチレンオキサイド1〜20モル及び/又はプロピレンオキサイド1〜20モル付加物等];
脂肪酸アルキレンオキサイド付加物[オレイン酸のエチレンオキサイド9モル付加物(HLB=11.8)、ジオレイン酸のエチレンオキサイド12モル付加物(HLB=10.4)、ジオレイン酸のエチレンオキサイド20モル付加物(HLB=12.9)及びステアリン酸のエチレンオキサイド9モル付加物(HLB=11.9)等]等が含まれる。
なお、本発明におけるHLBとは下記式で計算される数値である(藤本武彦著、界面活性剤入門、142頁、三洋化成工業株式会社発行)。
HLB=20×{親水基の分子量/界面活性剤の分子量}
前記のカチオン界面活性剤(G−4)としては、アミン塩型カチオン界面活性剤(ステアリルアミンアセテート等);
及び第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド及びアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等)等が含まれる。
本発明の有用物質生産方法は、有用物質を分泌生産する工程(a)及び培養液から有用物質を分離する工程(b)を含むことが好ましい。
工程(a):有用物質を生産する微生物を培養する培養液と、スピクリスポール酸を同時に存在させて有用物質を細胞外(培養液中)に分泌させる工程。
工程(b):工程(a)の後、培養液から有用物質を分離する工程。
以下に、本発明の方法で分泌させる有用物質(例えばタンパク質)を、微生物(例えば大腸菌)内で生産する方法の一例[(i)〜(iii)]を示す。
(i)発現ベクターの作成
(i−1)目的タンパク質を発現している細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、該mRNAから単鎖のcDNAを、次に二重鎖DNAを合成し、該二本鎖DNAをファージDNA又はプラスミドに組み込む。得られた組み換えファージ又はプラスミドを宿主大腸菌に形質転換しcDNAライブラリーを作成する。
(i−2)目的とするDNAを含有するファージDNA又はプラスミドをスクリーニングする方法としては、ファージDNA又はプラスミドと目的タンパク質遺伝子又は相補配列の一部をコードするDNAプローブとのハイブリダイゼーション法が挙げられる。
(i−3)スクリーニング後のファージ又はプラスミドから目的とするクローン化DNA又はその一部を切りだし、該クローン化DNA又はその一部を発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することによって、目的遺伝子の発現ベクターを作成することができる。内膜を移行させるシグナル配列(ペリプラズムに目的物質を発現させるシグナル配列)をコードするDNAを同時に連結することもできる。
(ii)培養[前記の工程(a)に該当]
(ii−1)宿主大腸菌を(i−3)で作成した発現ベクターで形質転換して組み換え大腸菌を作成し、組み換え大腸菌を前培養する。前培養は培地上(LB培地等)で15〜43℃で3〜72時間行う。
(ii−2)タンパク質の生産に用いる培養液を121℃、20分間オートクレーブ滅菌を行い、ここに培地(TB培地等の微生物等の宿主の資化可能な炭素源、窒素源その他の必須栄養素を含む培地)で前培養した組み換え大腸菌を培養する。培養は、15〜43℃で12〜72時間行う。
この培養液に、誘導発現のため、Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranoside等を添加し、続いて、スピクリスポール酸と、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用する場合は、上記化合物と培養液を混合し均一化したものを、培養液として用いて同様の操作を行う。
また、培養液に、前記のIsopropyl β−D−1−thiogalactopyranoside等を添加してから6時間から72時間後に上記化合物を加える場合は、上記化合物を加えてから1〜1000時間培養を継続する。
なお、上記の培養工程中、大腸菌の栄養源(消泡剤及びアンピシリン等を含有するグリセリン/タンパク質溶液等)を供給する流加培養を実施しても良い。
(iii)精製[前記の工程(b)に該当]
(iii−1)培養液中に分泌されたタンパク質は、遠心分離、中空糸分離及びろ過等で、微生物及び微生物残さと分離される。
(iii−2)タンパク質を含む培養液は、イオン交換カラム、ゲルろ過カラム、疎水カラム、アフィニティカラム及び限外カラム等のカラム処理を繰り返し、エタノール沈殿、硫酸アンモニウム沈殿及びポリエチレングリコール沈殿等の沈殿処理を行うことよって分離精製される。
(iii−1)で分離された宿主大腸菌は、その後、新たに培養液を供給することにより、更に培養することができる。その培養液等を更に(iii)の工程に供し精製、培養を繰り返すことにより、タンパク質の連続生産を行うことができる。
上記の(iii)のタンパク質の分離・取り出し工程におけるカラムクロマトグラフィーに使用される充填剤としては、シリカ、デキストラン、アガロース、セルロース、アクリルアミド及びビニルポリマー等が挙げられ、市販品ではSephadexシリーズ、Sephacrylシリーズ、Sepharoseシリーズ(以上、Pharmacia社製)、Bio−Gelシリーズ(Bio−Rad社製)等がある。
本発明の有用物質生産方法は、スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)と、微生物とを培養液中に同時に存在させて、有用物質を培養液中に分泌させる工程を含む。
この工程において、微生物が生存している限り、微生物が有用物質を作成し培養液中に分泌することができる。
また、微生物が有用物質を作成する能力を有していれば、作成する有用物質の種類は問わず本発明の生産方法が使用できる。
本発明の有用物質生産方法は、微生物内で作成した有用物質が微生物のペリプラズムに移行している場合に特に有効である。有用物質がペリプラズムに移行していることによって、有用物質が培養液中に分泌されやすくなる。
本発明の有用物質生産方法の有用物質の生産量の評価は、分泌効率比で表すことができる。
分泌効率比とは、本技術により微生物内の有用物質が微生物外へ分泌される比率を示す指標であり、分泌させる有用物質、使用する微生物、使用する本特許記載の化合物により変化する指標である。なお、本発明においては、下記式によって定義される。
分泌効率比=(Xp/Xs)/(Yp/Ys)
Xp:本発明を用いて有用物質を生産した培養液を、遠心分離して得た培養上清中の有用物質量
Xs:本発明を用いて有用物質を生産した培養液の乾燥菌体密度
Yp:スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)を添加しないこと以外は本発明の方法と同様にして有用物質を生産した培養液を、遠心分離して得た培養上清中の有用物質量
Ys:スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)を添加しないこと以外は本発明の方法と同様にして有用物質を生産した培養液の乾燥菌体密度
本発明において乾燥菌体密度とは、培養液1L中に含まれる微生物を乾燥させた状態の微生物の重量を表す。乾燥菌体密度は、次の手順(1)〜(5)により求める。
手順(1):あらかじめ容器(遠心チューブ)の重量を測定しておく。
手順(2):培養液100mlを手順(1)の容器入れ、遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、微生物を集菌する。
手順(3):容器中の集菌した微生物を、0.9重量%NaCl水溶液[手順(2)で使用した培養液と同じ体積]で洗い、再度遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、微生物を集菌する。
手順(4):手順(3)で得られた微生物を容器にいれたままの状態で、105℃にて10時間乾燥させた後、容器と微生物の合計の重量を測定する。
手順(5):手順(4)の後更に105℃で2時間乾燥させた後、容器と微生物の合計の重量を測定して重量変化が、手順(4)で測定した微生物の重量[容器と微生物の合計の重量から手順(1)で測定した容器の重量を減算]の重量を基準として2重量%以下であることを確認する。
手順(5)と手順(1)の測定値と手順(2)で使用した培養液の体積(L)を下記式に当てはめることにより、乾燥菌体密度を求める。
乾燥菌体密度(g/L)=([手順(5)の測定値]−[手順(1)の測定値])/[手順(2)で使用した培養液の体積(L)]
本発明の有用物質の生産方法における乾燥菌体密度は、有用物質生産量の観点から、培養液の体積を基準として1.5〜500g/Lであることが好ましく、更に好ましくは3〜200g/Lであり、特に好ましくは4〜100g/Lである。
微生物が大腸菌である場合の乾燥菌体密度は、有用物質の生産が実施可能な観点から、培養液の体積を基準として、1.5〜500g/Lであることが好ましく、更に好ましくは3〜100g/Lであり、特に好ましくは10〜50g/Lであり、最も好ましくは12〜27g/Lである。
また、本発明の有用物質生産方法を用いて生産した有用物質の活性の評価は、活性値比で表すことができる。
活性値比とは、本技術により菌体外に分泌された有用物質の活性を示す指標であり、分泌させる有用物質、使用する微生物、使用する本特許記載の化合物により変化する指標である。なお、本発明においては、下記式によって定義される。
活性値比=(Xa/Xp)/(Ya/Yp)
Xa:本発明を用いて有用物質を生産した培養液を、遠心分離して得た培養上清中のタ ンパク質の活性(酵素等としての活性)
Ya:スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)を添加しないこと以外は本発明の方法と同様にして有用物質を生産した培養液を、遠心分離して得た培養上清中の有用物質の活性(酵素等としての活性)
Xp:分泌効率比で説明したXpと同じ
Yp:分泌効率比で説明したYpと同じ
本発明が、高い有用物質生産量を発揮する理由としては、詳細は不明であるが、スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)
を用いることで、有用物質の生産量低下の原因となる培養中に生産した有用物質の変性及び/又は分泌した有用物質の凝集を抑制していることが考えられる。
スピクリスポール酸(A1)及びそのアルキレンオキサイド付加物(A2)
、アミノ酸(B)、糖類(C)及びペプチド(D)を用いない場合でも、有用物質の変性及び/又は分泌した有用物質の凝集を抑制する性質をもっている化合物を用いた場合であれば、同じく有用物質の生産量を向上させる効果があると考えられる。
また、本発明の方法で得られる有用物質は、酵素等として高い活性を示し、特に、ペプチド(D)としてポリグルタミン酸、グルタミン酸リジンコポリマー、サーファクチン若しくはアミロイドβプロテインを用いた時、アミノ酸(B)としてアラニン、アルギニン、グリシン若しくはリシンを用いた時、糖類(C)としてスクロース、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン若しくはラムノリピッドを用いた時、又はこれらの化合物を併用して用いた時に更に高い活性を示す。これについても、前述したように、スピクリスポール酸、アミノ酸(B)、糖類(C)及びペプチド(D)を用いることで、培養中に生産した有用物質の変性及び/又は分泌した有用物質の凝集を抑制しているためと推測される。
以下の実施例、比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を意味する。
<製造例1:大腸菌(α)の作製>
プライマー1と2(表1)を用いてPCR法により大腸菌株W3110のアルカリホスファターゼ(phoA)遺伝子を増幅した。PCR断片を制限酵素NdeIとBamHIで処理後、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNdeI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合した。その後λDE3 Lysogenization Kit(Novagen社)を用いて、大腸菌株AG1(ToYoBo社)を改変して作製したAG1(DE3)大腸菌株にこのプラスミドを形質転換してアルカリホスファターゼ発現株[大腸菌(α)]を作製した。発現したアルカリホスファターゼがペリプラズム画分に局在することをMETHODS IN ENZYMOLOGY 353巻 2002年 121頁の方法に基づいて解析し確認した。
<製造例2:大腸菌(β)の作製>
プライマー3と4(表1)を用いてPCR法によりBacillus licheni
formisのbglC遺伝子を増幅した。PCR断片を制限酵素NdeIとBamHIで処理後、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNdeI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合した。その後BL21(DE3)大腸菌株(Novagen社)にこのプラスミドを形質転換しセルラーゼ発現株[大腸菌(β)]を作製した。発現したセルラーゼがペリプラズム画分に局在することをMETHODS IN ENZYMOLOGY 353巻 2002年 121頁の方法に基づいて解析し確認した。
Figure 2018093860
<製造例3:スピクリスポール酸のエチレンオキサイド2モル付加物(A−2)の作製>
撹拌および温度調節機能の付いたステンレス製オートクレーブに、スピクリスポール酸164重量部(0.5モル)、水酸化カリウム0.3部を投入し、系内を窒素で置換した後、減圧下で、120℃にて1時間脱水を行った。次いでエチレンオキサイド44重量部(1モル)を150℃にて導入した。反応物に「キョーワード600(協和化学工業株式会社製)」を3部投入し、90℃にて触媒を吸着処理後、ろ過し、スピクリスポール酸のエチレンオキサイド2モル付加物(A−2)を得た。
<製造例4:スピクリスポール酸のエチレンオキサイド5モル付加物(A−3)の作製>
製造例3において、エチレンオキサイド44重量部を110重量部に変更する以外は同様にして、スピクリスポール酸のエチレンオキサイド5モル付加物(A−3)を得た。
<製造例5:スピクリスポール酸のエチレンオキサイド10モル付加物(A−4)の作製>
製造例3において、エチレンオキサイド44重量部を220重量部に変更する以外は同様にして、スピクリスポール酸のエチレンオキサイド10モル付加物(A−4)を得た。
<製造例6:スピクリスポール酸のエチレンオキサイド5モル・プロピレンオキサイド2モル付加物(A−5)の作製>
製造例3において、エチレンオキサイド44重量部を、エチレンオキサイド110 重量部とプロピレンオキサイド58重量部に変更する以外は同様にして、スピクリスポール酸のエチレンオキサイド5モル・プロピレンオキサイド2モル付加物(A−5)を得た。
<実施例1〜20及び比較例1〜9:大腸菌(α)の培養と大腸菌(α)が産生するホスファターゼの評価>
製造例1で作製した大腸菌(α)の培養液1mlをLB培地[LB Broth, Miller、Difco Laboratories製]10mlに植菌して37℃で12時間振とう培養して前培養液を作製した。
上記の前培養液を遠心分離機[Suprema21、(株)トミー精工製]を用いて、遠心分離し(7000rpm×15分)、上清液除去後の菌体をTB培地(Difco社)10mlに再懸濁し、Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranosideを終濃度1mMとなるように添加した。
さらに、表2に記載するスピクリスポール酸(A1)、そのアルキレンオキサイド付加物(A2)と、必要によりアミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を、培養液の重量[培地、前培養液、Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranoside並びに添加するスピクリスポール酸(A1)、そのアルキレンオキサイド付加物(A2)、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)の合計重量]を基準として、表2に記載する重量%となるように添加し、37℃で振とう培養を開始し、大腸菌(α)内で、タンパク質であるホスファターゼを生産し、生産したホスファターゼを培養液中に分泌させた。
振とう培養開始後から21時間後に、培養液をサンプリングし、分泌効率(相対比)及び活性値比(相対比)を評価し、結果を表2と表3に記載した。
Figure 2018093860
Figure 2018093860
<実施例21〜40及び比較例10〜18:大腸菌(β)の培養と大腸菌(β)が産生するセルラーゼの評価>
製造例2で作製した大腸菌(β)の終夜培養液0.5mlをLB培地[LB Broth, Miller、Difco Laboratories製]5mlに植菌して30℃で3時間振とう培養を行い、前培養液を作製した。
前培養液5mLを50mLの培地〔酵母エキス[日本製薬(株)製]1.2g、ポリペプトン[日本製薬(株)製]0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤[信越化学工業(株)製、「KM−70」]0.3g、1mM硫酸マグネシウム、微量金属溶液[塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg]、100mg/Lアンピシリン〕に植菌し微生物培養装置[エイブル(株)製、製品名「BioJr.8」]を用いて、pH6.8、30℃を維持したまま通気攪拌培養を開始した。
培養開始から3時間後に、Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranosideを終濃度1mMとなるように添加し、更に表3に記載するスピクリスポール酸と、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を、培養液の重量[培地、前培養液、Isopropyl β−D−1−thiogalactopyranoside、後に添加するグリセリン/タンパク質溶液並びに添加するスピクリスポール酸、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)の合計重量]を基準として、表3に記載する重量%となるように添加し、培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液〔50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤[信越化学工業(株)製、「KM−70」]、100mg/L アンピシリン〕を定量送液ポンプ[MP−1000、東京理科器械(株)製]を用いて2ml/hrの速度で滴下を開始し、大腸菌(β)内でタンパク質であるセルラーゼを生産し、生産したセルラーゼを培養液中に分泌させた。
培養開始後から48時間後に培養液をサンプリングし、分泌効率(相対比)及び活性値比(相対比)を評価し、結果を表4と表5に記載した。
Figure 2018093860
Figure 2018093860
なお、表2〜5におけるスピクリスポール酸(A−1)とそのアルキレンオキサイド付加物(A−2)〜(A−5)、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)は、以下のものを使用した。
(A−1):スピクリスポール酸[東京化成工業(株)製]
(A−2):スピクリスポール酸エチレンオキサイド2モル付加物
(A−3):スピクリスポール酸のエチレンオキサイド5モル付加物
(A−4):スピクリスポール酸のエチレンオキサイド10モル付加物
(A−5):スピクリスポール酸のエチレンオキサイド5モル・プロピレンオキサイド2モル付加物
アラニン[和光純薬工業(株)製]
アルギニン[和光純薬工業(株)製]
グリシン[和光純薬工業(株)製]
リシン[和光純薬工業(株)製]
スクロース[和光純薬工業(株)製]
2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン[和光純薬工業(株)製]
ラムノリピッド[東京化成工業(株)製]
ポリグルタミン酸[25℃の水に対する溶解度:15g/L、ポリ−L−グルタミン酸、シグマアルドリッチ社]
グルタミン酸リジンコポリマー[25℃の水に対する溶解度:32g/L、グルタミン酸リジンコポリマー、シグマアルドリッチ社製]
サーファクチン[25℃の水に対する溶解度:30g/L、カネカ・サーファクチン、(株)カネカ製]
アミロイドβプロテイン[25℃の水に対する溶解度:1g/L、和光純薬工業(株)製]
(E−1):ヤシ油脂肪酸アミドベタイン[レボン2000、三洋化成工業(株)製]
(E−2):ラウリルアルコールのエチレンオキサイド1モル付加物[ニューポールDDE−10、三洋化成工業(株)製]
(E−3):2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン[レボン105、三洋化成工業(株)製]
(E−4):ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム[ビューライトECA、三洋化成工業(株)製]
(E−5):ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム[サンデッドEN、三洋化成工業(株)製]
(E−6):プルロニックF−127NF[BASF社製]
(E−7):プルロニックF−127NFのラウリン酸1モル縮合物:製造例3で得たもの
[分泌効率比の評価方法]
分泌効率比を以下の式によって定義した。分泌効率比は、本技術によりグラム陰性菌内のタンパク質がグラム陰性菌外へ分泌される比率を示す指標である。
分泌効率比=(Xp/Xs)/(Yp/Ys)
Xp:実施例1〜40及び比較例1〜18で得た各培養液を遠心分離(13000G×15min)して得た培養上清中のタンパク質量(タンパク質の重量についての詳細な測定方法は以下に記載)
Xs:実施例1〜40及び比較例1〜18で得た各培養液の乾燥菌体密度
Yp:実施例1〜20及び比較例1〜9においは、比較例1のタンパク質量、実施例21〜40及び比較例10〜18においては、比較例10のタンパク質量
Ys:実施例1〜20及び比較例1〜9においは、比較例1の乾燥菌体密度、実施例21〜40及び比較例10〜18においては、比較例10の乾燥菌体密度
<タンパク質量の定量方法>
培養液を回収後のタンパク質の重量は、培養上清中の総タンパク質をSDS−PAGEで解析をして、タンパク質バンドの濃淡をImageJ(National Institutes of Health,USA)により数値化し、生産した組み換えタンパク質量の定量を行った。(当業者が行う標準的な方法に基づいて行った。)
<乾燥菌体密度測定方法>
実施例1〜40及び比較例1〜18における乾燥菌体密度は、次の手順(1)〜(5)により求めた。
手順(1):あらかじめ容器(遠心チューブ)の重量を測定しておく。
手順(2):実施例1〜24及び比較例1〜18で得た各培養液100mlを手順(1)の容器入れ、遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、グラム陰性菌を集菌する。
手順(3):容器中の集菌したグラム陰性菌を、0.9重量%NaCl水溶液[手順(2)で使用した培養液と同じ体積]で洗い、再度遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、グラム陰性菌を集菌する。
手順(4):手順(3)で得られたグラム陰性菌を容器にいれたままの状態で105℃で10時間乾燥させた後、容器とグラム陰性菌の合計の重量を測定する。
手順(5):手順(4)の後更に105℃で2時間乾燥させた後、容器とグラム陰性菌の合計の重量を測定して重量変化が、手順(4)で測定したグラム陰性菌の重量[容器とグラム陰性菌の合計の重量から手順(1)で測定した容器の重量を減算]の重量を基準として2重量%以下であることを確認する。重量変化が2重量%より大きい場合は、重量変化が無くなるまで105℃で乾燥を持続する。
手順(5)と手順(1)の測定値と手順(2)で使用した培養液の体積(L)を下記式に当てはめることにより、乾燥菌体密度を求める。
乾燥菌体密度(g/L)=([手順(5)の測定値]−[手順(1)の測定値])/[手順(2)で使用した培養液の体積(L)]
[活性値比の評価方法]
活性値比とは、本技術により菌体外に分泌されたタンパク質の活性を示す指標であり、分泌させるタンパク質、使用するグラム陰性菌、使用する本特許記載の化合物により変化する指標である。なお、本発明においては、下記式によって定義される。
活性値比=(Xa/Xp)/(Ya/Yp)
Xa:実施例1〜40及び比較例1〜18で得た各培養液遠心分離して得た上清液中のタンパク質の活性(タンパク質の活性についての詳細な測定方法は以下に記載)
Ya:実施例1〜20及び比較例1〜9においは、比較例1の上清液中のタンパク質の活性、実施例21〜40及び比較例10〜18においては、比較例10の上清液中のタンパク質の活性
Xp:分泌効率比で説明したXpと同じ
Yp:分泌効率比で説明したYpと同じ
<実施例1〜20及び比較例1〜9において、大腸菌(α)を使って生産したタンパク質の活性測定:アルカリホスファターゼ活性測定>
12.4gのジエタノールアミン(MW=105.14、純度85%)を80mlの蒸留水で希釈後、1MのMgCl2 0.5mlを添加する。更に37℃に保温した状態で、2N塩酸でpHを9.8に調整し、最終液量を100mlとすることで、溶液A[1Mジエタノールアミン緩衝液(pH9.8)]を調製した。
溶液Aに、0.67Mとなるようにp−ニトロフェニルリン酸を溶解し、溶液Bを調整した。
溶液A2.9mlと溶液B0.1mlをエッペンドルフチューブに投入した後に37℃に温調し、続いて実施例1〜12及び比較例1〜9で得た各培養液を遠心分離(13000G×15min)して得た培養上清0.1mlをエッペンドルフチューブに投入し、3秒間転倒混和した。転倒混和後の液をセル(光路長=1.0cm)に移し、水を対照に37℃に制御された分光光度計[PharmaSpec UV−1700、(株)島津製作所製]で405nmの吸光度を、セルに移してから3、4及び5分後に読み取り、時間(分)をX軸、吸光度をY軸とするX−Y座標図プロットし、最小二乗法で直線を引いた時の傾きから1分間あたりの吸光度変化を求める(ΔODTEST)。ブランクは、培養液0.1mlの代わりに、水0.1mlを加え、同様に1分間あたりの吸光度変化を求める(ΔODBLANK)。これらの値を用いて、下記の式よりアルカリホスファターゼ活性を求めた。
アルカリホスファターゼ活性(U/ml)={(ΔODTEST−ΔODBLANK)×3.1}/{18.2×1.0×0.1}
3.1:培養上清添加後の反応液量(ml)
18.2:上記測定条件における、p−ニトロフェノールのミリモル分子吸光係数(cm2/μmol)
1.0:光路長(cm)
0.1:酵素溶液の添加量(ml)
<実施例21〜40及び比較例10〜18において、大腸菌(β)を使って生産したタンパク質の活性測定:セルラーゼ活性測定>
セルラーゼ活性としてエンド−1,4−β−グルカナーゼ活性を測定した。
pH7.5の100mMリン酸バッファー水溶液に、17.5g/Lになるようにカルボキシメチルセルロース[和光純薬工業(株)製]を溶解し、基質溶液を調整した。
実施例13〜24及び比較例10〜18で得た各培養液を遠心分離(13000G×15min)して得た培養上清5μLと、基質溶液3mLとを混合し、この混合液を、粘度計(TVE−22L粘度計、2rpm)の40℃に温調したカップに移す。
混合直後に粘度を読み取り、更に1、2、3、4、5及び6分後に粘度を読み取り、時間(分)をX軸、粘度(mPa・s)をY軸とするX−Y座標図プロットし、最小二乗法で直線を引いた時の傾きの絶対値をセルラーゼ活性(エンド−1,4−β−グルカナーゼ活性)と定義した。
表2〜5において、実施例5及び14と比較例1との比較、実施例13及び33と比較例10との比較から、培養液中にスピクリスポール酸又はそのアルキレンオキサイド付加物を含有することで、活性が低下することなく、タンパク質の分泌効率が高くなっており、活性の高いタンパク質を大量に分泌生産できることがわかる。
また、界面活性剤(E)を含む実施例1、8、11、12、16、19及び20と比較例5、8及び9との比較、実施例22、28、31、32、36、39及び40と比較例14,17及び18との比較から、比較例においては界面活性剤を培養液中に含むことで分泌効率は上昇するもののタンパク質の活性が低くなるところ、実施例においては培養液中にスピクリスポール酸を含有することで、活性が低下することなく大量に分泌生産できることがわかる。
また、実施例2〜4,6,7,9〜12、14、15及び17〜20と比較例2〜4及び6〜9との比較、実施例23〜27、29〜32、34、35及び37〜40と比較例11〜13及び15〜18との比較から、アミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)を用いた場合も、スピクリスポール酸を培養液中に含有することで、活性が高いタンパク質を大量に分泌生産できることがわかる。
本発明の有用物質の製造方法は、有用物質を生産菌から抽出する際に使用できる。製造される有用物質としては、酵素、ホルモンタンパク質、抗体及びペプチド等が挙げられるが、中でも、製造される有用物質が酵素(プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ及びアミラーゼ等)の場合には、食品加工用、洗浄剤用、繊維処理用、製紙用途又は酵素変換用途等として好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 培養液中に含まれる微生物により有用物質を培養液中に分泌生産する方法であり、培養液中にスピクリスポール酸(A1)及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物(A2)を含む有用物質の生産方法。
  2. 培養液中のスピクリスポール酸(A1)とそのアルキレンオキサイド付加物(A2)の合計の含有量が、培養液の重量を基準として、0.001〜5.0重量%である請求項1に記載の有用物質の生産方法。
  3. 培養液中に、さらにアミノ酸(B)、糖類(C)、ペプチド(D)及び界面活性剤(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む請求項1又は2に記載の有用物質の生産方法。
  4. 微生物がグラム陰性菌である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
JP2017149968A 2016-08-04 2017-08-02 有用物質の生産方法 Active JP6900269B2 (ja)

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