JP2018093419A - スケジューリング装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】最適な組合せの決定に必要な処理時間を短縮する。【解決手段】端末選択部11が、データ送信タイミングTTごとに、UEの一部を、データ送信タイミングTTで送信対象とする対象UEとして選択する。より具体的には、端末選択部11が、複数のデータ送信タイミングTTに1回の割合で、UEを複数の端末グループに分類し、これら端末グループのうちからデータ送信タイミングTTごとに、いずれかの端末グループを順次選択し、選択した端末グループに含まれるUEを対象UEとして選択する。【選択図】 図1

Description

本発明は、無線ネットワーク制御技術に関し、特に無線ネットワーク内の各アンテナの動作内容(送信状態)を指定することにより、無線ネットワークが有する無線リソースの割り当てを行うためのスケジューリング技術に関する。
スマートフォンの普及に伴って、通信速度の向上や利用帯域の増大など、無線ネットワークに対する社会的要請が大きくなっている。このような状況を背景として、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる次世代移動通信方式の無線インタフェース仕様を適用した無線ネットワークシステムが普及しつつある。このLTEでは、無線アクセス技術の1つとして、複数のアンテナ(TP:基地局)が協調して無線端末(UE:ユーザ無線端末)と信号を送受信するCoMP(Coordinated Multi-point transmission/reception:セル間協調送受信)が採用されている(非特許文献1を参照)。
CoMP技術は、周波数利用効率やセル端ユーザスループットを向上させる重要な技術の1つである。例えば、下り方向の通信(TPからUEへの送信)において、同時に複数のアンテナが同一周波数帯を用いて、各UEに送信することで無線リソースの利用効率を高めることができる。しかし、各アンテナが異なるUEに対して送信した場合、複数のアンテナから信号を受信可能なUEにとっては、他のアンテナからの信号が所望の受信信号の干渉となって、かえってスループットの低下を招く恐れがある。したがって、このような干渉を抑制しつつ通信速度を向上させるためにCoMPは必要不可欠な技術となっている。
また、無線ネットワークにCoMPを適用するにあたって、システムスループットの最大化を目的とすると、受信状態のよいユーザへのリソース割り当てが優先されることでユーザ間の公平性に問題が生じるため、各UEのこれまでの平均レートを考慮したスケジューリングが望ましいとされている(非特許文献2を参照)。
田岡他,「LTE-AdvancedにおけるMIMOおよびセル間協調送受信技術」,NTT DOCOMO テクニカル・ジャーナル,Vol. 18,No. 2,pp.22-30,2010年7月,https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol18_2/vol18_2_022jp.pdf T. Girici,C. Zhu,J. R. Agre,and A. Ephremides,"Proportional Fair Scheduling Algorithm in OFDMA-Based Wireless Systems with QoS Constraints",Journal of Communications and Networks,Vol.12,No.1,pp.30-42,February 2010
無線ネットワークシステムにおいて、このようなスケジューリングを行う場合、スケジューリング装置は、評価値が最大となるTPとUEの組合せとして、TPごとの送信状態、すなわちTPごとに送信先となるUEあるいは送信停止を指定する情報を決定する。この組合せを決定するために、多数のTPとUEの組合せの評価値を計算し、評価値が最良の組合せを見つける処理を行い、スケジューリング周期内(例えば1ミリ秒の時間内)に組合せの決定を完了する必要がある。
最適な組合せを取得する確実な方法は、可能性のあるすべての組合せの各々について評価値を計算し評価値が最大となる組合せを見つけ出す、つまり総当りで探索を行うことである。したがって、無線ネットワークの規模(含まれるTP数やUE数)が大きくなると、探索空間(可能性のある組合せ数)が膨大になる。このため、前述した従来技術では、無線ネットワークの規模が大きくなると、最適な組合せを見つけ出すまでの時間が長くなり、スケジューリング周期以内で最適な組合せを決定することができない、という問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、最適な組合せの決定に必要な処理時間を短縮できるスケジューリング技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるスケジューリング装置は、無線ネットワークに設けられた複数のアンテナと、これらアンテナと無線通信すべき無線端末との組み合わせを示す最適組合せパターンを、前記アンテナから前記無線端末へのデータ送信タイミングごとに決定するスケジューリング装置であって、前記データ送信タイミングごとに、前記無線端末の一部を、前記データ送信タイミングで送信対象とする対象無線端末として選択する端末選択部と、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせを示す組合せパターンの候補を順次生成する組合せ生成部と、前記組合せパターンごとに、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせに関する評価値を計算する組合せ評価部と、前記組合せパターンのうち、前記評価値が最大である組合せパターンを前記最適組合せパターンとして保持する最適組合せ保持部とを備えている。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記端末選択部が、複数の前記データ送信タイミングに1回の割合で、前記無線端末を複数の端末グループに分類し、これら端末グループのうちから前記データ送信タイミングごとにいずれかの端末グループを順次選択し、選択した前記端末グループに含まれる無線端末を前記対象無線端末として選択するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記端末選択部が、前記無線端末を分類する際、前記無線端末のうち、前記アンテナに関する電波状態を示すチャネル情報の類似性が低い無線端末同士を、同一の端末グループに分類するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記端末選択部が、前記無線端末を分類する際、前記アンテナに関する電波状態を示すチャネル情報の時間的な変動量の大小に基づいて、前記無線端末を前記端末グループに分類し、これら端末グループのうち前記変動量の大きい端末グループから順に選択するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記端末選択部が、前記無線端末を分類する際、前記無線端末へ送信する送信データ量の大小に基づいて前記無線端末を前記端末グループに分類し、これら端末グループのうち前記送信データ量の大きい端末グループから順に選択するようにしたものである。
また、本発明にかかるスケジューリング方法は、無線ネットワークに設けられた複数のアンテナと、これらアンテナと無線通信すべき無線端末との組み合わせを示す最適組合せパターンを、前記アンテナから前記無線端末へのデータ送信タイミングごとに決定するスケジューリング装置で用いられるスケジューリング方法であって、端末選択部が、前記無線端末のうちから、前記データ送信タイミングで送信対象とする複数の対象無線端末を、前記データ送信タイミングごとに順次選択する端末選択ステップと、組合せ生成部が、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせを示す組合せパターンの候補を複数生成する組合せ生成ステップと、組合せ評価部が、前記組合せパターンごとに、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせに関する評価値を計算する組合せ評価ステップと、最適組合せ保持部が、前記組合せパターンのうち、前記評価値が最大である組合せパターンを前記最適組合せパターンとして保持する最適組合せ保持ステップとを備えている。
本発明によれば、1つの組合せパターンで用いられる無線端末数を削減できるため、最適組合せパターンの探索処理において、候補として用いる組合せパターン数が大幅に削減される。したがって、組合せパターンの評価値を計算する処理に要する時間、さらには最適組合せパターンに到達するまでに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
スケジューリング装置の構成を示すブロック図である。 端末グループとスケジューリング処理との関係を示すシーケンス図である。 スケジューリング処理を示すフローチャートである。 端末グループ分類処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[スケジューリング装置]
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態にかかるスケジューリング装置10について説明する。図1は、スケジューリング装置の構成を示すブロック図である。
このスケジューリング装置10は、無線ネットワークに設けられた複数のアンテナ(以下、TPという)と、これらTPと無線通信すべき無線端末(以下、UEという)との組み合わせを示す最適組合せパターンを、TPからUEへのデータ送信タイミングごとに決定する機能を有している。
[発明の原理]
通常、各TPから送信するデータの送信先となるUEを決める際、TPとUEとの組合せパターンを候補として順次生成して、これら組合せパターンの評価値をそれぞれ計算する。この試行を、予め設定されている探索アルゴリズムに基づいて、データ送信タイミングに合わせて繰り返し実行し、データ送信タイミングが到来した時点で、それまでに得られた評価値が最大である組合せパターンを、実際のデータ送信に用いる最適組合せパターンとして決定する。
ここで、このようなスケジューリング処理では、1回のデータ送信タイミングですべてのUEをいずれかのTPに割り当てる必要はない。これはデータ送信タイミングが、例えば1ミリ秒などの極めて短い周期で繰り返し到来するため、あるデータ送信タイミングにおいて任意のUEがいずれのTPに割り当てられなかったとしても、後続するデータ送信タイミングで割り当てれば、データ送信に関して大きな影響はないからである。
一方、組合せパターン数は、組合せパターンで割り当てるUEの数に応じて、大きく変化する。例えば、UEおよびTPの数をそれぞれXおよびYとした場合、UEとTPのすべての組み合わせを網羅するには、(X+1)Y個の組合せパターンが必要となる。なお、この試算では、TPに対していずれのUEも割り当てない場合の数も考慮されている。
本発明は、このようなデータ送信タイミングとTPに対するUEの割り当てとの関係に着目し、すべてのUEのうちから、次のデータ送信タイミングで送信対象とする複数の対象UEを、データ送信タイミングごとに選択するようにしたものである。
これにより、組合せパターンで用いるUE数、すなわち上記Mの値を削減できるため、TPのべき乗単位で組合せパターン数を大幅に削減できる。したがって、組合せパターンの評価値を計算する処理に要する時間、さらには最適組合せパターンに到達するまでに要する時間を大幅に短縮できる。
[本実施の形態の詳細構成]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるスケジューリング装置10の構成について詳細に説明する。
図1に示したスケジューリング装置10には、主な機能部として、端末選択部11、組合せ生成部12、組合せ評価部13、および最適組合せ保持部14が設けられており、これら機能部は、専用の回路で実現してもよく、予め登録されているプログラムをCPUで実行することにより実現してもよい。
端末選択部11は、データ送信タイミングごとに、スケジューリング対象となる全UEのうちの一部UEを当該データ送信タイミングで送信対象とする対象UEとして選択し、組合せ生成条件として組合せ生成部12へ通知する機能を有している。
対象UEの選択方法としては、複数のデータ送信タイミングに1回の割合で、UEを複数の端末グループに分類し、これら端末グループのうちからデータ送信タイミングごとにいずれかの端末グループを順次選択し、選択した端末グループに含まれるUEを対象UEとして選択する方法がある。
図2は、端末グループとスケジューリング処理との関係を示すシーケンス図である。
この例では、時刻T1から時刻T2までの長さの更新周期TCごとに更新されるチャネル情報CHに基づいて、全UEが2つの端末グループGa,Gbに分類されている。チャネル情報CHは、各UEで定期的に計測されて通知される、あるいは定期的に推定される、それぞれのUEにおける周囲のTPからの無線電波の受信強度を示すデータである。
図2に示すように、1つの更新周期TC内には、N個のデータ送信タイミングTT#1,TT#2,…,TT#Nが設けられており、これらデータ送信タイミングTTごとに、最適組合せP#1,P#2,…,P#Nをそれぞれ決定するためのスケジューリング処理SC#1,SC#2,…,SC#Nが実行される。
なお、データ送信タイミングTT#n(nは1〜Nの整数)のスケジューリング処理SC#nで決定された最適組合せP#nは、次のデータ送信タイミングTT#n+1におけるデータ送信処理TR#nで用いられる。
したがって、更新周期TC内に設けられたN個のデータ送信タイミングTTのうち、前半のスケジューリング処理SCでは端末グループGaに属するUEが対象UEとして選択されて、これら端末グループGaの対象UEだけを用いた組合せパターンが生成される。また、後半のスケジューリング処理SCでは端末グループGbに属するUEが対象UEとして選択されて、これら端末グループGaの対象UEだけを用いた組合せパターンが生成される。
なお、図2では、チャネル情報に基づいて各UEを端末グループに分類する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各UEの送信データ量など、他のデータに基づいて各UEを端末グループに分類してもよい。また、端末グループ数は、図2のように2つに限定されるものではなく、3つ以上の端末グループに分類してもよい。
また、端末グループに対するデータ送信タイミングの割り当てについては、各端末グループに対して等しく割り当ててもよく、端末グループに属するUE数やこれらUEの送信データ量に基づいて割り当ててもよい。例えば、図2の例では、端末グループGaに分類されたUEの数がN/2個のデータ送信タイミングで送信可能なUE数の上限より少ない場合、Gaに割当てるデータ送信タイミング数を減らし、端末グループGbに割当てるデータ送信タイミング数を増やすようにしてもよい。
組合せ生成部12は、端末選択部11から通知された組合せ生成条件に基づいて、組合せ生成条件で指定された対象UEとTPとの組み合わせを示す組合せパターンの候補を順次生成する機能を有している。組合せ生成部12では、組合せパターンの生成を開始した時点から所定の時間が経過した時点、または、所定の組合せパターン数の生成を終了した時点、で組合せパターンの生成を止めることもある。パターン組合せの生成方法は、一般に知られる探索アルゴリズムを用いる。例えば、全ての組合せを網羅的に生成する総当り法のほか、山登り法や貪欲法など、公知の組合せ最適化問題の近似解法を適用することができる。また、組合せパターンを生成する際は、TPが送信停止状態となる組合せも含めて生成する。
組合せ評価部13は、組合せ生成部12で生成された組合せパターンごとに、対象UEとTPとの組み合わせに関する評価値を計算する機能を有している。評価値は、予め設定されている評価式に基づき計算される。評価式で用いるパラメータとしては、各TPの無線スループットの和、つまりシステム全体の無線スループットや、無線ネットワークシステムにおいて一般に用いられる、それぞれのTPとUEの組合せで送信を行う場合に得られるスループット値を、所定の期間積算した平均スループット値で除した値(Proportional Fairness、PFメトリック)を用いることもある。
最適組合せ保持部14は、組合せ評価部13で計算された評価値が最大である組合せパターンを最適組合せパターンとして保持する機能を有している。具体的には、組合せ生成部12、組合せ評価部13、および最適組合せ保持部14が、パイプライン処理で連動して動作し、組合せ生成部12で新たな組合せパターンが生成されるごとに、組合せ評価部13が新たな組合せパターンの評価値を計算し、最適組合せ保持部14が、新たな組合せパターンの評価値がこれまで保持していた最適組合せパターンの評価値よりも大きい場合のみ、新たな組合せパターンとその評価値を最適組合せパターンとして保持する。
[端末グループ分け(チャネル情報の類似性)]
次に、端末選択部11におけるUEの端末グループ分けについて詳細に説明する。
まず、UEのチャネル情報に基づき端末グループ分けを行う場合について説明する。
チャネル情報は、各UEで定期的に計測されて通知される、あるいは定期的に推定される、それぞれのUEにおける周囲のTPからの無線電波の受信強度を示すデータである。
ここで、異なるUEに関するチャネル情報が、同じTPからの無線電波について同様の受信強度を示す場合、これらUEの存在位置が近いと考えられる。したがって、これらUEに対して同一データ送信タイミングで送信データを送信する場合、これらUEが同一TPに割り当てられる可能性が高く、このような場合には当該TPに対するトラヒックの集中が発生するとともに、電波干渉による通信障害が発生する可能性も高くなる。
このため、本実施の形態において、端末選択部11が、各UEを分類する際、UEのうち、TPに関する電波状態を示すチャネル情報の類似性が低いUE同士を、同一の端末グループに分類するようにしてもよい。これにより、存在位置が近いUEは異なるグループに分類されるため、これらUEが異なる組合せパターンに含まれることになる。したがって、同一データ送信タイミングでこれらUEが同一TPに割り当てられる可能性を回避されて、TPに対するトラヒックの集中や、電波干渉による通信障害の発生を抑止でき、良好な無線サービスを提供することが可能となる。
[端末グループ分け(チャネル情報の変動量)]
一方、UEで得られる受信強度の単位時間あたりの変動量は、UEの移動速度に大きく影響される。これは、UEの移動速度が大きいほど、TPとの距離の変化が大きいため、TPから送信された無線電波の変化も多くなるからである。
したがって、チャネル情報の変動量が大きい場合、チャネル情報が得られた時点から短い時間でUEの無線環境が変わる可能性が高く、チャネル情報の精度が劣化しやすい。一方、チャネル情報の変動量が小さい場合、チャネル情報が得られた時点からある程度時間が経過してもUEの無線環境が変わる可能性が低く、チャネル情報の精度は劣化しにくい。
このため、本実施の形態において、端末選択部11が、各UEを分類する際、TPに関する電波状態を示すチャネル情報の時間的な変動量の大小に基づいて、UEを端末グループに分類し、これら端末グループのうち変動量の大きい端末グループから順に選択するようにしてもよい。これにより、チャネル情報の精度が劣化しやすいUEから先に選択されて組合せパターンが生成され、更新期間の先頭に位置するデータ送信タイミングから優先してこれらUEにTPが割り当てられることになる。したがって、チャネル情報の精度の劣化により発生する、UEとTPとの割り当て誤差を最小限に抑制でき、これによる送信エラーを低減して、良好な無線サービスを提供することが可能となる。
[端末グループ分け(データ送信量)]
また、UEから送信すべき送信データ量が大きい場合、これら送信データの送信を完了するまでの所要時間が比較的長くなるため、送信完了までにUEの無線環境が変わる可能性が高く、チャネル情報の精度が劣化しやすい。一方、送信データ量が小さい場合、これら送信データの送信を完了するまでの所要時間が比較的短くなるため、送信完了までにUEの無線環境が変わる可能性が低く、チャネル情報の精度は劣化しにくい。
このため、本実施の形態において、端末選択部11が、各UEを分類する際、それぞれのUEの送信データ量の大小に基づいて、UEを端末グループに分類し、これら端末グループのうち送信データ量の大きい端末グループから順に選択するようにしてもよい。これにより、チャネル情報の精度が劣化しやすいUEから先に選択されて組合せパターンが生成され、更新期間の先頭に位置するデータ送信タイミングから優先してこれらUEにTPが割り当てられることになる。したがって、チャネル情報の精度の劣化により発生する、UEとTPとの割り当て誤差を最小限に抑制でき、これによる送信エラーを低減して、良好な無線サービスを提供することが可能となる。
これらUEのグループ分けについては、それぞれ単独で適用してもよく、これらを組み合わせて適用してもよい。例えば、チャネル情報の変動量が高くて送信データ量も大きいUEを第1の端末グループに分類し、その他を第2の端末グループに分類し、第1の端末グループに属するUEから順にTPを割り当るようにしてもよい。これにより、無線環境が変わる可能性が高いUEを優先して対象UEとして選択でき、全体として良好な無線サービスを提供することが可能となる。
[本実施の形態の動作]
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態にかかるスケジューリング装置10の動作について説明する。図3は、スケジューリング処理を示すフローチャートである。図4は、端末グループ分類処理を示すフローチャートである。
[スケジューリング処理]
まず、図3を参照して、本実施の形態にかかるスケジューリング処理について説明する。スケジューリング装置10は、更新周期TCごとに更新されるチャネル情報に同期して、図3のスケジューリング処理を実行する。
図3のスケジューリング処理において、まず、端末選択部11は、後述する図4の対象UE選択処理を実行することにより、スケジューリング対象となるすべてのUEを複数の端末グループに分類する(ステップ100)。
続いて、端末選択部11は、更新周期TC内に設けられている複数のデータ送信タイミングTTごとに、上記分類で得られた端末グループのうちから、任意の端末グループ、例えばチャネル情報の変動量が大きいものから順に、あるいは送信データ量が大きいものから順に1つ選択し(ステップ101)、選択された端末グループに属するUEの端末IDのリストを、当該データ送信タイミングで送信対象とする対象UEの組合せ生成条件として出力する(ステップ102)。これにより、この組合せ生成条件に基づいて、次のデータ送信タイミングで用いる最適組合せパターンの探索処理が開始される。
探索処理において、まず、組合せ生成部12は、所定の探索アルゴリズムに従って、端末選択部11からの組合せ生成条件で指定された対象UEとTPとの組み合わせを示す新たな組合せパターンの候補を1つ生成する(ステップ103)。組合せパターンを生成する際は、各TPが送信停止状態となる組合せも含めて生成する。
続いて、組合せ評価部13は、組合せ生成部12で生成された新たな組合せパターンについて、対象UEとTPとの組み合わせに関する新たな評価値を計算する(ステップ104)。
この後、最適組合せ保持部14は、組合せ評価部13が計算した新たな組合せパターンの新たな評価値を、これまで保持していた保持組合せパターンの保持評価値と比較する(ステップ105)。ここで、新たな評価値が、保持評価値よりも高くてこれまで生成した組合せパターンの最大値を示す場合(ステップ105:YES)、新たな組合せパターンと新たな評価値とを更新保持する(ステップ106)。
次に、最適組合せ保持部14は、現在実行している探索処理の収束が確認された場合や、次のデータ送信タイミングの到来に応じて、探索処理を終了するか否かを判定し(ステップ107)、終了しない場合には(ステップ107:NO)、ステップ103へ戻って、新たな組合せパターンの生成・評価を実行する。
なお、ステップ105において、新たな評価値が、保持評価値以下の場合(ステップ105:NO)、同様にしてステップ103へ戻って、新たな組合せパターンの生成・評価を開始する。
一方、探索処理を終了した場合(ステップ107:YES)、最適組合せ保持部14は、それまでの探索処理で最終的に保持している保持組合せパターンを最適組合せパターンとして出力する(ステップ108)。これにより、この最適組合せパターンに基づいて、次のデータ送信タイミングにおけるUEとTPとの組み合わせが設定されることになる。
この後、端末選択部11は、チャネル情報CHの更新期間TCが終了したか確認し(ステップ109)、終了していない場合には(ステップ109:NO)、ステップ101に戻って、新たなデータ送信タイミングTTに対する端末グループの選択および探索処理を開始する。
また、更新期間TCが終了した場合には(ステップ109:YES)、ステップ100に戻って、新たなチャネル情報に基づく端末グループの分類処理を開始する。
[端末グループ分類処理]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる端末グループ分類処理について説明する。端末選択部11は、図3のステップ100において、図4に示す端末グループ分類処理を実行する。ここでは、各UEのチャネル情報と送信データ量とに基づいて、これらUEを2つの端末グループGa,Gbに分類する場合を例として説明する。このうちGaはGbより優先して先にTPを割り当てるUEのグループである。
図4の端末グループ分類処理において、まず、端末選択部11は、スケジューリング対象となる全UEに関するチャネル情報を取得し(ステップ200)、前回取得したチャネル情報からの変動量をUEごとに計算する(ステップ201)。
次に、端末選択部11は、例えばフレームバッファ(図示せず)に蓄積されているUE宛データに関するデータ量を取得することにより、各UEが次のデータ送信タイミングに送信すべき送信データ量(最大値)を取得する(ステップ202)。
この後、端末選択部11は、各UEから未分類のUEを1つ選択し(ステップ210)、ステップ201で得られた選択UEの変動量と予め設定されている変動量しきい値とを比較する(ステップ211)。ここで、選択UEのチャネル変動量が変動量しきい値を上回っている場合(ステップ211:YES)、端末選択部11は、ステップ202で得られた選択UEの送信データ量と予め設定されている送信量しきい値とを比較する(ステップ212)。
ここで、選択UEの送信データ量が送信量しきい値を上回っている場合(ステップ212:YES)、端末選択部11は、選択UEを端末グループGaに分類する(ステップ213)。
一方、ステップ211において、選択UEの変動量が変動量しきい値以下である場合(ステップ211:NO)、および、ステップ212において、選択UEの送信データ量が送信しきい値以下の場合(ステップ212:NO)、端末選択部11は、選択UEを端末グループGbに分類する(ステップ214)。
この後、端末選択部11は、すべてのUEの分類が終了したか確認し(ステップ215)、未分類のUEが存在する場合には(ステップ215:NO)、ステップ210へ戻って新たなUEの分類処理を開始する。
一方、すべてのUEについて分類終了した場合には(ステップ215:YES)、一連の端末グループ分類処理を終了する。
なお、図4のステップ202で計算する任意のUEの変動量については、当該UEと各TPからの無線電波の受信強度の変動量の平均値を用いてもよく、当該UEにとって受信強度が最良のTPのみに関する変動量を用いてもよい。
また、図4の例では、チャネル情報と送信データ量とを用いてUEを分類する例を示したが、UEの分類の例はこれに限定されない。例えば、チャネル情報とその変動量のみを用いて複数の端末グループに分類することもある。また、送信データ量のみを用いてUEを分類することもある。
また、チャネル情報の類似性が低いUEを同一端末グループに分類してもよい。この際、まず、各UEで受信感度が最良であるTPに基づき、各UEをTPグループに分類し、同一TPグループのUEが選択されないよう、UEをそれぞれ選択して端末グループを生成するようにしてもよい。これにより、チャネル情報の類似性が低いUE同士を、同一端末グループに分類することができる。
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、端末選択部11が、データ送信タイミングTTごとに、UEの一部を、データ送信タイミングTTで送信対象とする対象UEとして選択するようにしたものである。
より具体的には、端末選択部11が、複数のデータ送信タイミングに1回の割合で、UEを複数の端末グループに分類し、これら端末グループのうちからデータ送信タイミングTTごとに、いずれかの端末グループを順次選択し、選択した端末グループに含まれるUEを対象UEとして選択するようにしたものである。
これにより、1つの組合せパターンで用いられるUE数を削減できるため、最適組合せパターンの探索処理において、候補として用いる組合せパターン数が大幅に削減される。したがって、組合せパターンの評価値を計算する処理に要する時間、さらには最適組合せパターンに到達するまでに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
10…スケジューリング装置、11…端末選択部、12…組合せ生成部、13…組合せ評価部、14…最適組合せ保持部。

Claims (6)

  1. 無線ネットワークに設けられた複数のアンテナと、これらアンテナと無線通信すべき無線端末との組み合わせを示す最適組合せパターンを、前記アンテナから前記無線端末へのデータ送信タイミングごとに決定するスケジューリング装置であって、
    前記データ送信タイミングごとに、前記無線端末の一部を、前記データ送信タイミングで送信対象とする対象無線端末として選択する端末選択部と、
    前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせを示す組合せパターンの候補を順次生成する組合せ生成部と、
    前記組合せパターンごとに、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせに関する評価値を計算する組合せ評価部と、
    前記組合せパターンのうち、前記評価値が最大である組合せパターンを前記最適組合せパターンとして保持する最適組合せ保持部と
    を備えることを特徴とするスケジューリング装置。
  2. 請求項1に記載のスケジューリング装置であって、
    前記端末選択部は、複数の前記データ送信タイミングに1回の割合で、前記無線端末を複数の端末グループに分類し、これら端末グループのうちから前記データ送信タイミングごとにいずれかの端末グループを順次選択し、選択した前記端末グループに含まれる無線端末を前記対象無線端末として選択することを特徴とするスケジューリング装置。
  3. 請求項2に記載のスケジューリング装置であって、
    前記端末選択部は、前記無線端末を分類する際、前記無線端末のうち、前記アンテナに関する電波状態を示すチャネル情報の類似性が低い無線端末同士を、同一の端末グループに分類することを特徴とするスケジューリング装置。
  4. 請求項2に記載のスケジューリング装置であって、
    前記端末選択部は、前記無線端末を分類する際、前記アンテナに関する電波状態を示すチャネル情報の時間的な変動量の大小に基づいて、前記無線端末を前記端末グループに分類し、これら端末グループのうち前記変動量の大きい端末グループから順に選択することを特徴とするスケジューリング装置。
  5. 請求項2に記載のスケジューリング装置であって、
    前記端末選択部は、前記無線端末を分類する際、前記無線端末へ送信する送信データ量の大小に基づいて前記無線端末を前記端末グループに分類し、これら端末グループのうち前記送信データ量の大きい端末グループから順に選択することを特徴とするスケジューリング装置。
  6. 無線ネットワークに設けられた複数のアンテナと、これらアンテナと無線通信すべき無線端末との組み合わせを示す最適組合せパターンを、前記アンテナから前記無線端末へのデータ送信タイミングごとに決定するスケジューリング装置で用いられるスケジューリング方法であって、
    端末選択部が、前記無線端末のうちから、前記データ送信タイミングで送信対象とする複数の対象無線端末を、前記データ送信タイミングごとに順次選択する端末選択ステップと、
    組合せ生成部が、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせを示す組合せパターンの候補を複数生成する組合せ生成ステップと、
    組合せ評価部が、前記組合せパターンごとに、前記対象無線端末と前記アンテナとの組み合わせに関する評価値を計算する組合せ評価ステップと、
    最適組合せ保持部が、前記組合せパターンのうち、前記評価値が最大である組合せパターンを前記最適組合せパターンとして保持する最適組合せ保持ステップと
    を備えることを特徴とするスケジューリング方法。
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