JP6096952B1 - スケジューリング装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信ポイントとユーザ端末との最適な組合せパターンの決定に要する処理時間を大幅に短縮する。【解決手段】グループ分類部11が、送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類し、グループ評価値計算部12が、グループに属する組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値を、グループのグループ評価値として計算し、探索対象選択部13が、グループ評価値に基づいて、グループのうちから最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する。【選択図】 図1

Description

本発明は、無線ネットワーク制御技術に関し、特に無線ネットワーク内の各送信ポイントの動作内容(送信状態)を指定することにより、無線ネットワークが有する無線リソースの割り当てを行うためのスケジューリング技術に関する。
スマートフォンの普及に伴って、通信速度の向上や利用帯域の増大など、無線ネットワークに対する社会的要請が大きくなっている。このような状況を背景として、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる次世代移動通信方式の無線インタフェース仕様を適用した無線ネットワークシステムが普及しつつある。このLTEでは、無線アクセス技術の1つとして、複数の送信ポイント(TP:基地局)が協調してユーザ端末(UE:ユーザ無線端末)と信号を送受信するCoMP(Coordinated Multi-point transmission/reception:セル間協調送受信)が採用されている(非特許文献1を参照)。
CoMP技術は、周波数利用効率やセル端ユーザスループットを向上させる重要な技術の1つである。例えば、下り方向の通信(送信ポイントからユーザ端末への送信)において、同時に複数の送信ポイントが同一周波数帯を用いて、各ユーザ端末に送信することで無線リソースの利用効率を高めることができる。しかし、各送信ポイントが異なるユーザ端末に対して送信した場合、複数の送信ポイントから信号を受信可能なユーザ端末にとっては、他の送信ポイントからの信号が所望の受信信号の干渉となって、かえってスループットの低下を招く恐れがある。したがって、このような干渉を抑制しつつ通信速度を向上させるためにCoMPは必要不可欠な技術となっている。
また、無線ネットワークにCoMPを適用するにあたって、システムスループットの最大化を目的とすると、受信状態のよいユーザへのリソース割り当てが優先されることでユーザ間の公平性に問題が生じるため、各ユーザのこれまでの平均レートを考慮したスケジューリングが望ましいとされている(非特許文献2を参照)。
田岡他,「LTE-AdvancedにおけるMIMOおよびセル間協調送受信技術」,NTT DOCOMO テクニカル・ジャーナル,Vol. 18,No. 2,pp.22-30,2010年7月,https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol18_2/vol18_2_022jp.pdf T. Girici,C. Zhu,J. R. Agre,and A. Ephremides,"Proportional Fair Scheduling Algorithm in OFDMA-Based Wireless Systems with QoS Constraints",Journal of Communications and Networks,Vol.12,No.1,pp.30-42,February 2010.
無線ネットワークシステムにおいて、このようなスケジューリングを行う場合、スケジューリング装置は、評価値が最大となる送信ポイントと端末の組合せパターンとして、送信ポイント毎の送信状態、すなわち送信ポイント毎に送信先となる端末あるいは送信停止を指定する情報を決定する。この組合せパターンを決定するために、多数の送信ポイントと端末の組合せパターンの各々について評価値を計算し、評価値が最良の組合せパターンを見つける処理を行い、スケジューリング周期内(例えば1ミリ秒の時間内)に完了する必要がある。
図9は、従来のスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。最適組合せパターンを取得する確実な方法は、組合せ生成部で可能性のあるすべての組合せパターンを生成し、組合せ評価部で組合せパターンの各々について評価値を計算し、最適組合せパターン選択部で評価値が最大となる最適組合せパターンを見つけ出す、つまり総当りで探索を行うものである。
しかし、無線ネットワークの規模(含まれる送信ポイント数やユーザ端末数)が大きくなると、探索空間(可能性のある組合せパターン数)が膨大になる。このため、従来の無線ネットワークシステムのスケジューリング装置では、無線ネットワークの規模が大きくなると、最適組合せパターンを見つけ出すまでの時間が長くなり、スケジューリング周期以内で最適組合せパターンを決定することができない、という問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、送信ポイントとユーザ端末との最適な組合せパターンの決定に要する処理時間を大幅に短縮できるスケジューリング技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるスケジューリング装置は、複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング装置であって、前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類部と、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値を、前記グループのグループ評価値として計算するグループ評価値計算部と、前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択部と、前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成部と、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価部と、前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択部とを備えている。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記グループ分類部が、前記組合せパターンに関する、送信ポイントから送信可能なユーザ端末数、送信状態となる送信ポイント数、または、送信停止状態となる送信ポイント数に基づいて、前記組合せパターンを複数のグループに分類するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記グループ評価値計算部が、前記グループに属する前記組合せパターンのそれぞれに基づいて、送信状態とする送信ポイントごとに、当該送信ポイントの接続候補となるユーザ端末のうちから最も受信電力が大きいユーザ端末を選択することにより前記代表パターンを生成するようにしたものである。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記グループ評価値計算部が、前記グループ評価値のうち、過去一定期間内に前記最適組合せパターン選択部で選択された前記最適組合せパターンが属するグループのグループ評価値として、前記最適組合せパターンに関する最適評価値の平均値を用いるようにしたものである。
また、本発明にかかる上記スケジューリング装置の一構成例は、前記候補パターンごとに得られた前記評価値が基準評価値に到達していない場合、前記探索対象グループに関する変更指示を出力するグループ変更部をさらに備え、前記探索対象選択部は、前記変更指示に基づいて、前記探索対象グループを変更するようにしたものである。
また、本発明にかかる他のスケジューリング装置は、複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング装置であって、前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類部と、前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンに関する評価値を代表するグループ評価値を計算するグループ評価値計算部と、前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択部と、前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成部と、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価部と、前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択部とを備え、前記グループ評価値計算部は、前記グループのグループ評価値として、過去一定期間内に前記グループから選択された前記最適組合せパターンの評価値に関する平均値を計算し、前記最適組合せパターンが選択されていないグループの前記グループ評価値として所定の初期値を選択するようにしたものである。
また、本発明にかかるスケジューリング方法は、複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング方法であって、前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類ステップと、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値を、前記グループのグループ評価値として計算するグループ評価値計算ステップと、前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択ステップと、前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成ステップと、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価ステップと、前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択ステップとを備えている。
また、本発明にかかる他のスケジューリング方法は、複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング方法であって、前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類ステップと、前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンに関する評価値を代表するグループ評価値を計算するグループ評価値計算ステップと、前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択ステップと、前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成ステップと、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価ステップと、前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択ステップとを備え、前記グループ評価値計算ステップは、前記グループのグループ評価値として、過去一定期間内に前記グループから選択された前記最適組合せパターンの評価値に関する平均値を計算し、前記最適組合せパターンが選択されていないグループの前記グループ評価値として所定の初期値を選択するようにしたものである。
本発明によれば、最適組合せパターンを探索する対象となる組合せパターンが、特定の探索対象グループに属する組合せパターンに限定されることになる。このため、最適組合せパターンを探索する際に計算する評価値の計算回数を大幅に削減できる。また、探索対象グループの選択時には、グループに属する組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値が計算される。このため、全ての組合せパターンについて評価値を計算する場合と比較して、評価値の計算回数を大幅に削減できる。
したがって、送信ポイントとユーザ端末との最適な組合せパターンの決定に要する処理時間を大幅に短縮することが可能となる。これにより、無線ネットワークの規模が大きい場合でも、最適な組合せパターンを見つけ出すまでの時間を短縮でき、スケジューリング周期以内で最適な組合せパターンを決定することが可能となる。
第1の実施の形態にかかるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかる最適組合せパターン探索処理を示すフローチャートである。 第1の実施の形態にかかる探索対象グルーブの選択過程例である。 停止送信ポイント数と組合せパターン数との関係を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかる最適組合せパターン探索処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態にかかるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施の形態にかかる最適組合せパターン探索処理を示すフローチャートである。 従来のスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるスケジューリング装置10の構成について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。
スケジューリング装置10は、全体としてサーバー装置などの情報処理装置からなり、無線ネットワークシステムに設けられている、制御の対象とするN(Nは2以上の整数)個の送信ポイント(TP:基地局)と、各送信ポイントの送信先となるユーザ端末(UE:ユーザ無線端末)との最適な組合せパターンを最適組合せパターンとして選択する機能を有している。
一般には、このような最適組合せパターンを選択する際、送信ポイントとユーザ端末との組合せの候補として組合せパターンを繰り返し生成して評価値の計算を行い、このような試行を無線ネットワークシステムが許容する許容時間内で繰り返し、許容時間が経過した時点で評価値が最大である組合せパターンを実際の送信に用いる組合せパターンとして選択する。
本発明は、このような評価値の計算に要する処理時間が、試行回数、すなわち候補となる組合せパターン数に大きく依存することに着目し、これら組合せパターンを複数のグループに分割し、これらグループのうちグループ内における評価値が最大となるグループを、実際に試行を行う探索対象グループとして選択し、探索対象グループに属する候補パターンごとに計算した評価値のうち、評価値が最大である候補パターンを最適組合せパターンとして選択するようにしたものである。
[スケジューリング装置]
スケジューリング装置10には、主な機能部として、グループ分類部11、グループ評価値計算部12、探索対象選択部13、組合せ生成部14、組合せ評価部15、および最適組合せパターン選択部16が設けられている。
グループ分類部11は、最適組合せパターンの候補となる組合せパターンのそれぞれを、所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類する機能を有している。
無線ネットワークシステムにおいて、1つの送信ポイントから送信可能なユーザ端末の数が1つであると仮定した場合、1回の割当周期で送信可能なユーザ端末数は最大N個であり、最大でN個の送信ポイントが送信状態となる。また、全送信ポイントの中から、1つだけ送信停止状態の送信ポイントがある場合、送信可能なユーザ端末の数は(N−1)個である。同様に、全送信ポイントの中から、2つだけ送信停止状態の送信ポイントがある場合、送信可能なユーザ端末の数は(N−2)個である。
グループ分類部11は、このようにして、送信可能なユーザ端末の数、送信状態の送信ポイントの数、または、送信停止状態の送信ポイントの数などの数値を分類条件として、全組合せパターンを複数のグループに分類する。したがって、送信ポイントの数が10(N=10)である場合、全組合せパターンは10個のグループに分類される。
なお、グループ分けの分類条件は、送信可能なユーザ端末の数に限定されるものではない。例えば、生成するグループの数を少なく済ませるために、送信可能なユーザ端末の数に範囲を持たせることもある。送信ポイントの数が10(N=10)であり、全組合せパターンを2個のグループに分類する場合、送信可能なユーザ端末の数が1以上5以下のグループと、6以上10以下のグループとに分類するようにしてもよい。
グループ評価値計算部12は、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、グループ分類部11が分類したグループごとに、グループに属する各組合せパターンを代表する代表パターンに関する代表評価値を、グループのグループ評価値として計算する機能を有している。
本実施の形態では、あるグループの代表評価値を求める場合、グループに属する組合せパターンのそれぞれに基づいて、送信状態とする送信ポイントごとに、当該送信ポイントの接続候補となるユーザ端末のうちから最も受信電力が大きいユーザ端末を選択した代表パターンを生成し、この代表パターンに関する評価値、すなわちグループに属する組合せパターンから得られる最大評価値を、グループ評価値として計算する。
この際、送信状態とする送信ポイントの数と接続候補となるユーザ端末の数に応じて、複数の代表パターンが生成できる。したがって、グループごとの分類条件に応じた数の送信ポイントに対する、当該送信ポイントに接続可能なユーザ端末の割り当て、に関する全通りについて、代表パターンを生成すればよい。なお、生成する代表パターン数が多い場合には、全代表パターンのうちから、乱数などに基づいて一定数だけ選択するようにしてもよい。
ユーザ端末の受信電力については、送信ポイントが送信した信号をユーザ端末が受信するときの受信電力を測定しておけばよい。なお、受信電力として、ユーザ端末が測定した受信電力値ではなく、ユーザ端末が上りチャネルを通じて基地局に通知したCQI(Channel Quality Indicator)を受信電力値に換算した値や、ユーザ端末が送信した上り信号を各送信ポイントが受信したときの受信電力値から推定した値を、使用することも可能である。
一般に、無線ネットワークシステムでは、組合せパターンに関する評価値として、送信ポイントとユーザ端末の組で送信を行う場合に得られるスループット値を、所定の期間積算した平均スループット値で除した値(Proportional Fairness)を評価指標として用いる。送信ポイントが複数ある場合は、無線ネットワークシステム全体の評価指標を求めるために、各送信ポイントについて求めたProportional Fairnessの値を合算し、その合算した値を評価指標として用いればよい。
また、最大評価値の計算方法は、前述した計算方法に限定されるものではなく、例えば、候補ユーザ端末の中から受信電力が上位のユーザ端末を選択した場合の代表パターンに関する評価値を最大評価値として計算するようにしてもよい。
具体的には、送信ポイントの数が10(N=10)であり、これら送信ポイントから送信可能なユーザ端末の数が5である場合、これらユーザ端末とその接続先である送信ポイントとの組のうちから受信電力が上位5番目までの組を選択し、これら5つの組のみからなる代表パターンに関する評価値を、最大評価値として計算してもよい。
また、受信電力が上位5番目までのユーザ端末のうち、同一送信ポイントを接続先とするユーザ端末が含まれている場合、受信電力が大きい方のユーザ端末の組のみを最大評価値の計算対象として選択し、他方の組については未選択とする。そして、不足分については受信電力が次に高いユーザ端末の組であって、同一送信ポイントを接続先としない組を繰り上げて、5つ分の組を代表パターンとして選択してもよい。
また、他の最大評価値の計算方法としては、求める評価値の最大値の精度を良くするために、他の送信ポイントの送信状態により変わる干渉電力を加味して評価値を求めるようにしてもよい。干渉電力を加味するために、各送信ポイントについて選択したユーザ端末のSINRを求め、SINRを基準に上位のユーザ端末を選択するようにしてもよい。
また、他の最大評価値の計算方法としては、求める評価値の最大値の精度を良くするために、グループに属する組合せパターンのそれぞれに基づいて、送信ポイントとユーザ端末の組を総当りで全ての場合において評価を行うようにしてもよい。ただし、この場合は計算量が全組合せパターンについて評価値を計算する場合と変わらなくなるため、組合せ最適化問題の近似解法である山登り法等を用いてもよい。
また、他の最大評価値の計算方法としては、送信ポイント数に応じてエリア全体の電波干渉の強弱が変わるため、電波干渉を書各グループの固定値として加味して、評価値の計算に用いるようにしてもよい。
探索対象選択部13は、グループ評価値計算部12が計算した各グループのグループ評価値を取得して、各々を比較することにより、最もグループ評価値の高いグループを探索対象グループとして選択し、選択したグループを組合せ生成部14へ通知する機能を有している。
組合せ生成部14は、探索対象選択部13から通知された探索対象グループの分類条件に基づいて、最適組合せパターンの選択対象となる候補パターンを生成する機能を有している。
この際、(N−1)個の送信ポイントが送信状態となることを分類条件としたグループについて組合せパターンの生成を行う場合、必ず、(N−1)個の送信ポイントについては送信先のユーザ端末を割当てて、残りの1個の送信ポイントについては送信停止状態となるようなパターンを候補パターンとして生成する。
なお、候補パターンの生成は、必ずしも全ての候補パターンを生成しなくとも良く、例えば、一般に知られる組合せ最適化問題の近似解法(例えば、山登り法)を適用してもよい。このように、グループを決定した後のステップにて、組合せ最適化問題の近似解法を適用することで、評価値の計算を行う組合せパターン数を削減できる効果がある。
また、例えば、送信ポイントの組合せによりさらにグループ分けし、これらグループのグループ評価値を求めた上で、最も良いグループ評価値のグループについてのみ組合せパターンを生成してもよい。この際、(N−1)個の送信ポイントが送信状態となる場合、N個の送信ポイントの中からどの(N−1)個の送信ポイントを選択するかについては、それぞれの選択ごとに得られた評価値に基づき選択すればよい。
組合せ評価部15は、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、組合せ生成部14が生成した候補パターンごとに、当該候補パターンに関する評価値を計算する機能を有している。
一般に、無線ネットワークシステムでは、組合せパターンに関する評価値として、送信ポイントとユーザ端末の組で送信を行う場合に得られるスループット値を、所定の期間積算した平均スループット値で除した値(Proportional Fairness)を評価指標として用いる。送信ポイントが複数ある場合は、無線ネットワークシステム全体の評価指標を求めるために、各送信ポイントについて求めたProportional Fairnessの値を合算し、その合算した値を評価指標として用いればよい。
最適組合せパターン選択部16は、組合せ評価部15が計算した新たな候補パターンの新たな評価値をこれまで保持していた最適組合せパターンの最適評価値と比較し、新たな評価値がこれまで保持していた最適評価値よりも大きい場合は、新たな候補パターンおよび新たな評価値を、新たな最適組合せパターンおよび新たな最適評価値として保持し、新たな評価値がこれまで保持していた最適評価値以下の場合は、更新せず最適組合せパターンおよび最適評価値をそのまま維持する機能を有している。
前述の図9に示した従来のスケジューリング装置との違いは、組合せ生成部14の前段にグループ分類部11およびグループ評価値計算部12を備える点である。これにより、組合せ生成部14の前段にて全候補パターンを複数のグループに分割し、各グループの最大評価値を計算し、各グループの評価値を比較して、組合せパターン生成および組合せパターン評価を行うグループを決めることにより、組合せ生成部14が生成する組合せパターンが制限される。このように、制限を加えて組合せパターンを生成することで、組合せパターン数を削減できる効果がある。さらに、各グループの最大評価値を比較した後、組合せパターン生成を行う探索対象グループを選択しているため、組合せ生成部14にて生成する組合せパターンの中に、必ず全候補パターンの中で最も評価値のよい組合せパターンを含ませることができる。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2を参照して、第1の実施の形態にかかるスケジューリング装置10の動作について説明する。図2は、第1の実施の形態にかかる最適組合せパターン探索処理を示すフローチャートである。
スケジューリング装置10は、定期的あるいは無線ネットワークシステムからの指示に応じて、図2の最適組合せパターン探索処理を実行する。
まず、グループ分類部11は、全候補パターンを、送信可能なユーザ端末の数、送信状態の送信ポイントの数、または、送信停止状態の送信ポイントの数を基準にして、複数のグループに分類する(ステップ100)。
スケジューリング装置10がN個の送信ポイントを対象に無線リソースの割当を行う場合、1つの送信ポイントから送信可能なユーザ端末の数が1つであると仮定した無線ネットワークシステムを例に挙げると、1回の割当周期で送信可能なユーザ端末数は最大N個であり、最大でN個の送信ポイントが送信状態となる。
また、全送信ポイントの中から、1つだけ送信停止状態の送信ポイントがある場合、送信可能なユーザ端末の数は(N−1)個である。同様に、全送信ポイントの中から、2つだけ送信停止状態の送信ポイントがある場合、送信可能なユーザ端末の数は(N−2)個である。
送信ポイントの数が10(N=10)である場合、全組合せパターンを10個のグループに分類する。
なお、グループ分けの方法は、送信可能なユーザ端末の数等に合わせなくとも良い。例えば、生成するグループの数を少なく済ませるために、送信可能なユーザ端末の数に範囲を持たせることもある。送信ポイントの数が10(N=10)であり、全組合せパターンを2個のグループに分類する場合、送信可能なユーザ端末の数が1以上5以下のグループと、6以上10以下のグループとに分ける。
次に、グループ評価値計算部12は、グループ分類部11が分類したグループごとに、グループに属する各組合せパターンを代表する代表パターンに関する代表評価値を計算し、得られた代表評価値をグループ評価値として出力する(ステップ101)。
この際、グループに属する組合せパターンのそれぞれから、最も受信電力が大きいユーザ端末とその接続先となる送信ポイントとの組を、予め指定された数だけ選択することにより代表パターンを生成する。
この後、探索対象選択部13は、グループごとにグループ評価値計算部12で計算したグループ評価値を比較し(ステップ102)、最もグループ評価値の高いグループを最適組合せパターンの探索対象とする探索対象グループとして選択する(ステップ103)。
続いて、組合せ生成部14は、探索対象選択部13が選択した探索対象グループに関する分類条件に基づいて、最適組合せパターンの選択対象となる候補パターンを生成する(ステップ104)。
次に、組合せ評価部15は、組合せ生成部14が生成した送信ポイントとユーザ端末の候補パターンについて、所定の評価値計算式に基づいて評価値を計算する(ステップ105)。
続いて、最適組合せパターン選択部16は、組合せ評価部15が計算した新たな評価値を、これまで保持していた最適組合せパターンに関する最適評価値と比較し(ステップ106)、新たな評価値のほうが最適評価値より大きい場合(ステップ106:YES)、新たな評価値を新たな最適評価値として保持するとともに、新たな組合せパターンを最適組合せパターンとして保持する(ステップ107)。
一方、新たな評価値のほうがこれまで保持していた最適評価値以下である場合(ステップ106:NO)、最適評価値および最適組合せパターンは更新しない。
この後、組合せパターンの決定に許容される許容時間が満了したか否か判定し(ステップ108)、満了していない場合には(ステップ108:NO)、ステップ104に戻って、組合せ生成部14による、前述の探索対象グループを組合せパターン生成の条件とした、新たな候補パターンの生成へ移行する。
一方、許容時間が満了した場合(ステップ108:YES)、一連の最適組合せパターン探索処理が終了する。これにより、最適組合せパターン選択部16が保持している最適組合せパターンが、最終的な最適組合せパターンとして特定されて出力されることになる。
図3は、第1の実施の形態にかかる探索対象グルーブの選択過程例である。ここでは、送信ポイント数=3でユーザ端末=3の場合が例として示されている。
まず、候補となり得る組合せパターンが送信停止となる停止送信ポイントの数によりグループに分類される。グループ1は、停止送信ポイント数が2、つまり、3つの送信ポイントのうち、2つの送信ポイントが送信停止となるような組合せパターンのグループである。同様に、グループ2は、停止送信ポイント数が1、グループ3は、停止送信ポイント数が0のグループである。
このように、停止送信ポイント数により、グループ分けが行われた後、各グループのグループ評価値が計算される。ここで、グループ1のグループ評価値は4、グループ2のグループ評価値は6、グループ3のグループ評価値は5であったものとする。
したがって、これらグループ評価値が比較され、グループ2の評価値が最大であるため、グループ2が探索対象グループとして選択されることになる。
図4は、停止送信ポイント数と組合せパターン数との関係を示すグラフである。ここでは、送信ポイント数を32、ユーザ端末数を256とした場合に、停止送信ポイント数に対する計算を行う組合せパターン数を示している。可能性のある全ての組合せパターンについて、評価値を計算して評価を行う場合、その組合せパターン数は、停止送信ポイント数によらず一定であり、この場合、1076(10の76乗)程度になる。それに対し、本発明では、グループ分類部11にて、停止送信ポイント数に応じてグループを分けて、その中から1つグループを選択した後に評価値の計算を行う。そのため、停止送信ポイント数が多いグループを選択した場合、評価値を計算する組合せパターンを大幅に減らすことができる。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、グループ分類部11が、送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類し、グループ評価値計算部12が、グループに属する組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値を、グループのグループ評価値として計算し、探索対象選択部13が、グループ評価値に基づいて、グループのうちから最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択するようにしたものである。
これにより、最適組合せパターンを探索する対象となる組合せパターンが、特定の探索対象グループに属する組合せパターンに限定されることになる。このため、最適組合せパターンを探索する際に計算する評価値の計算回数を大幅に削減できる。
また、探索対象グループの選択時には、グループに属する組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値が計算される。このため、全ての組合せパターンについて評価値を計算する場合と比較して、評価値の計算回数を大幅に削減できる。
したがって、送信ポイントとユーザ端末との最適な組合せパターンの決定に要する処理時間を大幅に短縮することが可能となる。これにより、無線ネットワークの規模が大きい場合でも、最適な組合せパターンを見つけ出すまでの時間を短縮でき、スケジューリング周期以内で最適な組合せパターンを決定することが可能となる。
また、本実施の形態において、グループ分類部11が、組合せパターンに関する、送信ポイントから送信可能なユーザ端末数、送信状態となる送信ポイント数、または、送信停止状態となる送信ポイント数に基づいて、組合せパターンを複数のグループに分類するようにしたので、同一グループに含まれる組合せパターン間で送信状態とするユーザ端末数が統一される。このため、グループ評価値の計算に用いる代表パターン数を低減でき、探索対象グループの選択に要する処理時間を短縮できる。
また、本実施の形態において、グループ評価値計算部12が、グループに属する組合せパターンのそれぞれに基づいて、送信状態とする送信ポイントごとに、当該送信ポイントの接続候補となるユーザ端末のうちから最も受信電力が大きいユーザ端末を選択することにより代表パターンを生成するようにしてもよい。
これにより、グループに属する組合せパターンから得られうる最大評価値に近しい値が得られる代表パターンを生成することができる。このため、代表パターンから得られたグループ評価値に基づき、最適組合せパターンが得られる可能性が高いグループを探索対象グループとして適切に選択できる。
[第2の実施の形態]
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるスケジューリング装置10について説明する。図5は、第2の実施の形態にかかるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、実際に特定した最適組合せパターンに関する最適評価値の平均評価値を、最適組合せパターンが属するグループごとに計算しておき、探索対象グループを選択する際に用いるグループ評価値として用いる点が第1の実施の形態と相違する。
図5に示すように、本実施の形態にかかるスケジューリング装置10には、主な機能部として、グループ分類部11、グループ評価値計算部12、探索対象選択部13、組合せ生成部14、組合せ評価部15、および最適組合せパターン選択部16が設けられている。
グループ分類部11は、最適組合せパターンの候補となる組合せパターンのそれぞれを、所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類する機能を有している。
グループ評価値計算部12は、グループ分類部11が分類したグループごとに、グループに属する組合せパターンに関する評価値を代表するグループ評価値を計算する機能として、グループのグループ評価値として、過去一定期間内にグループから選択された最適組合せパターンの評価値に関する平均値を計算する機能と、最適組合せパターンが選択されていないグループのグループ評価値として所定の初期値を選択する機能とを有している。
探索対象選択部13は、グループ評価値計算部12が計算した各グループのグループ評価値を取得して、各々を比較することにより、最もグループ評価値の高いグループを探索対象グループとして選択し、選択したグループを組合せ生成部14へ通知する機能を有している。
組合せ生成部14は、探索対象選択部13から通知された探索対象グループの分類条件に基づいて、最適組合せパターンの選択対象となる候補パターンを生成する機能を有している。
組合せ評価部15は、任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、組合せ生成部14が生成した候補パターンごとに、当該候補パターンに関する評価値を計算する機能を有している。
最適組合せパターン選択部16は、組合せ評価部15が計算した新たな候補パターンの新たな評価値をこれまで保持していた最適組合せパターンの最適評価値と比較し、新たな評価値がこれまで保持していた最適評価値よりも大きい場合は、新たな候補パターンおよび新たな評価値を、新たな最適組合せパターンおよび新たな最適評価値として保持し、新たな評価値がこれまで保持していた最適評価値以下の場合は、更新せず最適組合せパターンおよび最適評価値をそのまま維持する機能を有している。
このうち、グループ分類部11、探索対象選択部13、組合せ生成部14、組合せ評価部15、および最適組合せパターン選択部16の詳細については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図6を参照して、第2の実施の形態にかかるスケジューリング装置10の動作について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる最適組合せパターン探索処理を示すフローチャートである。
スケジューリング装置10は、定期的あるいは無線ネットワークシステムからの指示に応じて、図6の最適組合せパターン探索処理を実行する。
まず、グループ分類部11は、全候補パターンを、送信可能なユーザ端末の数、送信状態の送信ポイントの数、または、送信停止状態の送信ポイントの数を基準にして、複数のグループに分類する(ステップ200)。
次に、グループ評価値計算部12は、グループ分類部11が分類したグループごとに、グループに属する組合せパターンに関する評価値を代表するグループ評価値を計算して出力する(ステップ201)。
この際、グループのグループ評価値として、過去一定期間内にグループから選択された最適組合せパターンの評価値に関する平均値を計算しておき、最適組合せパターンが選択されていないグループのグループ評価値として所定の初期値を選択する。
この後、探索対象選択部13は、グループごとにグループ評価値計算部12で計算したグループ評価値を比較し(ステップ202)、最もグループ評価値の高いグループを最適組合せパターンの探索対象とする探索対象グループとして選択する(ステップ203)。
続いて、組合せ生成部14は、探索対象選択部13が選択した探索対象グループに関する分類条件に基づいて、最適組合せパターンの選択対象となる候補パターンを生成する(ステップ204)。
次に、組合せ評価部15は、組合せ生成部14が生成した送信ポイントとユーザ端末の候補パターンについて、所定の評価値計算式に基づいて評価値を計算する(ステップ205)。
続いて、最適組合せパターン選択部16は、組合せ評価部15が計算した新たな評価値を、これまで保持していた最適組合せパターンに関する最適評価値と比較し(ステップ206)、新たな評価値のほうが最適評価値より大きい場合(ステップ206:YES)、新たな評価値を新たな最適評価値として保持するとともに、新たな組合せパターンを最適組合せパターンとして保持する(ステップ207)。
一方、新たな評価値のほうがこれまで保持していた最適評価値以下である場合(ステップ206:NO)、最適評価値および最適組合せパターンは更新しない。
この後、組合せパターンの決定に許容される許容時間が満了したか否か判定し(ステップ208)、満了していない場合には(ステップ208:NO)、ステップ204に戻って、組合せ生成部14による、前述の探索対象グループを組合せパターン生成の条件とした、新たな候補パターンの生成へ移行する。
一方、許容時間が満了した場合(ステップ208:YES)、グループ評価値計算部12は、過去一定期間内に最適組合せパターン選択部16で選択された最適組合せパターンに関する最適評価値に基づいて、当該最適組合せパターンが属するグループごとに計算した最適評価値の平均値を、グループのグループ評価値として計算し(ステップ209)、一連の最適組合せパターン探索処理が終了する。これにより、最適組合せパターン選択部16が保持している最適組合せパターンが、最終的な最適組合せパターンとして特定されて出力されることになる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、グループ評価値計算部12が、過去一定期間内に最適組合せパターン選択部16でグループから選択された最適組合せパターンの評価値に関する平均値をグループのグループ評価値として計算し、最適組合せパターンが選択されていないグループのグループ評価値として所定の初期値を選択するようにしたものである。
これにより、グループ評価値を計算する際、各グループに関する最適評価値の平均値を参照するだけでよく、組合せパターンに関する評価値を計算をする必要がなくなるため、探索対象グループを特定するまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。また、過去に最適組合せパターンとして用いた組合せパターンの評価値に基づいて探索対象グループを選択できるため、無線の電波環境等に変化がない場合、これまでに得られている最適評価値の平均値と同程度の性能が得られる効果がある。
なお、本実施の形態では、グループ評価値を計算する際、各グループに関する最適評価値の平均値を参照しているため、グループを代表する代表パターンの生成および評価値計算を行う必要がない。このため、第1の実施の形態とは独立して本実施の形態を実施できる。なお、本実施の形態を第1の実施の形態と組合せ実施してもよく、この際、最適組合せパターンが選択されていないグループのグループ評価値として初期値を用いず、第1の実施の形態と同様にして、グループを代表する代表パターンを生成し、代表パターンの評価値をグループ評価値として計算してもよい。
[第3の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるスケジューリング装置10について説明する。図7は、第3の実施の形態にかかるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、図7に示すように、組合せ生成部14が組合せ生成の条件として用いるグループを試行の途中で変更する点が第1の実施の形態と相違する。
すなわち、本実施の形態にかかるスケジューリング装置10には、第1の実施の形態の構成に対してグループ変更部17が追加されている。
グループ変更部17は、組合せ評価部15で計算した各候補パターンに関する評価値に基づいて、探索対象グループに属する候補パターンが、所定の目標パターン数に到達した時点で、これら候補パターンの評価値が所定の目標評価値に到達しているか否かを判定する機能と、到達していない場合は、探索対象選択部13に対してグループ変更指示を通知する機能とを有している。
探索対象選択部13は、グループ変更部17からのグループ変更指示に応じて、グループ評価値が次に高いグループを新たな探索対象グループとして選択し、選択したグループを組合せ生成部14へ通知する機能を有している。
本実施の形態にかかるスケジューリング装置10のその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細説明は省略する。
[第3の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、第3の実施の形態にかかるスケジューリング装置10の動作について説明する。図8は、第3の実施の形態にかかる最適組合せパターン探索処理を示すフローチャートである。
スケジューリング装置10は、定期的あるいは無線ネットワークシステムからの指示に応じて、図8の最適組合せパターン探索処理を実行する。なお、図8において、前述した図2の最適組合せパターン探索処理と同じまたは同等なステップには同一符号を付してあり、これらステップに関する詳細説明は省略する。
ステップ105の後、グループ変更部17は、組合せ評価部15において、組合せ生成部14が生成した探索対象グループに属する各候補パターンの生成数が、予め設定されている目標パターン数に到達しているか判定し(ステップ300)、目標パターン数に到達していない場合には(ステップ300:NO)、ステップ106へ移行する。
一方、候補パターンの生成数が目標パターン数に到達している場合(ステップ300:YES)、グループ変更部17は、これら候補パターンの評価値のいずれかが、予め設定されている目標評価値に到達しているか判定する(ステップ301)。
ここで、目標評価値に到達している場合には(ステップ301:YES)、ステップ106へ移行する。
一方、目標評価値に到達していない場合(ステップ301:NO)、グループ変更部17は、探索対象選択部13に対してグループ変更指示を通知する。
これに応じて、探索対象選択部13は、グループ評価値が次に高いグループを新たな探索対象グループとして選択し、選択したグループを組合せ生成部14へ通知し(ステップ302)、ステップ104へ移行する。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、グループ変更部17が、組合せ評価部15で計算した各候補パターンに関する評価値に基づいて、探索対象グループに属する候補パターンが、所定の目標パターン数に到達した時点で、これら候補パターンの評価値が所定の目標評価値に到達しているか否かを判定し、到達していない場合は、探索対象選択部13に対してグループ変更指示を通知し、探索対象選択部13が、このグループ変更指示に応じて、グループ評価値が次に高いグループを新たな探索対象グループとして選択するようにしたものである。
これにより、探索対象グループに属する各候補パターンの生成数が目標パターン数に到達しており、これら候補パターンの評価値がいずれも目標評価値に到達していない場合には、探索対象グループが切り替えられることになる。
したがって、候補パターンの評価値が目標パターン数以上にわたり目標評価値に到達しない場合には、その探索対象グループでの探索が打ち切られて、次にグループ評価値が高いグループからなる探索対象グループでの探索が開始されるため、より高い評価値の最適組合せパターンを比較的早期に見つけることができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
10…スケジューリング装置、11…グループ分類部、12…グループ評価値計算部、13…探索対象選択部、14…組合せ生成部、15…組合せ評価部、16…最適組合せパターン選択部、17…グループ変更部。

Claims (8)

  1. 複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング装置であって、
    前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類部と、
    任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値を、前記グループのグループ評価値として計算するグループ評価値計算部と、
    前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択部と、
    前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成部と、
    任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価部と、
    前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択部と
    を備えることを特徴とするスケジューリング装置。
  2. 請求項1に記載のスケジューリング装置において、
    前記グループ分類部は、前記組合せパターンに関する、送信ポイントから送信可能なユーザ端末数、送信状態となる送信ポイント数、または、送信停止状態となる送信ポイント数に基づいて、前記組合せパターンを複数のグループに分類することを特徴とするスケジューリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスケジューリング装置において、
    前記グループ評価値計算部は、前記グループに属する前記組合せパターンのそれぞれに基づいて、送信状態とする送信ポイントごとに、当該送信ポイントの接続候補となるユーザ端末のうちから最も受信電力が大きいユーザ端末を選択することにより前記代表パターンを生成することを特徴とするスケジューリング装置。
  4. 請求項1または請求項2のいずれかに記載のスケジューリング装置において、
    前記グループ評価値計算部は、前記グループ評価値のうち、過去一定期間内に前記最適組合せパターン選択部で選択された前記最適組合せパターンが属するグループのグループ評価値として、前記最適組合せパターンに関する最適評価値の平均値を用いることを特徴とするスケジューリング装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスケジューリング装置において、
    前記候補パターンごとに得られた前記評価値が基準評価値に到達していない場合、前記探索対象グループに関する変更指示を出力するグループ変更部をさらに備え、
    前記探索対象選択部は、前記変更指示に基づいて、前記探索対象グループを変更する
    ことを特徴とするスケジューリング装置。
  6. 複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング装置であって、
    前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類部と、
    前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンに関する評価値を代表するグループ評価値を計算するグループ評価値計算部と、
    前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択部と、
    前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成部と、
    任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価部と、
    前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択部とを備え、
    前記グループ評価値計算部は、前記グループのグループ評価値として、過去一定期間内に前記グループから選択された前記最適組合せパターンの評価値に関する平均値を計算し、前記最適組合せパターンが選択されていないグループの前記グループ評価値として所定の初期値を選択する
    ことを特徴とするスケジューリング装置。
  7. 複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング方法であって、
    前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類ステップと、
    任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンのそれぞれを代表する代表パターンに関する代表評価値を、前記グループのグループ評価値として計算するグループ評価値計算ステップと、
    前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択ステップと、
    前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成ステップと、
    任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価ステップと、
    前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択ステップと
    を備えることを特徴とするスケジューリング方法。
  8. 複数の送信ポイントを有する無線ネットワークに対して、これら送信ポイントと各ユーザ端末との間で無線通信を行うための無線リソースを割り当てる際に用いる最適組合せパターンを、前記送信ポイントと当該送信ポイントの送信状態との組合せパターンのうちから探索するスケジューリング方法であって、
    前記組合せパターンのそれぞれを所定の分類条件に基づいて複数のグループに分類するグループ分類ステップと、
    前記グループごとに、前記グループに属する前記組合せパターンに関する評価値を代表するグループ評価値を計算するグループ評価値計算ステップと、
    前記グループ評価値に基づいて、前記グループのうちから前記最適組合せパターンを探索する対象となる探索対象グループを選択する探索対象選択ステップと、
    前記探索対象グループに属する前記組合せパターンを、前記最適組合せパターンを探索するための候補パターンとして順次生成する組合せ生成ステップと、
    任意の組合せパターンに基づく無線リソース割り当ての評価値を計算する評価値計算式に基づいて、前記候補パターンごとに、当該候補パターンに関する前記評価値を計算する組合せ評価ステップと、
    前記候補パターンのうち、前記評価値が最も大きい候補パターンを前記最適組合せパターンとして選択する最適組合せパターン選択ステップとを備え、
    前記グループ評価値計算ステップは、前記グループのグループ評価値として、過去一定期間内に前記グループから選択された前記最適組合せパターンの評価値に関する平均値を計算し、前記最適組合せパターンが選択されていないグループの前記グループ評価値として所定の初期値を選択する
    ことを特徴とするスケジューリング方法。
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