以下に、本発明の実施の形態による電子機器の一例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態による電子機器の一例である撮像装置の外観を示す斜視図である。そして、図1(a)は撮像装置をレンズユニットを外して正面側から示す斜視図であり、図1(b)は撮像装置を背面側から示す斜視図である。
図示の撮像装置は、例えば、デジタル一眼レフカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、カメラ本体1を有している。カメラ本体(つまり、カメラ筐体)1の背面には、後述する撮像センサーで得られた撮影画像および各種設定画面などを表示する液晶表示装置(以下TFTと呼ぶ)2が配設されている。そして、カメラ本体1の背面上部には光学系を介して被写体像を確認するためのファインダー接眼窓3が配設されている。
図1(a)において、カメラ本体1の左側には、ユーザーがカメラ本体1を保持(把持)するためのグリップ部4が規定されている。このグリップ部4はカメラ本体1を背面から見た場合、光軸中心よりも右側(一側)に設けられる。そして、グリップ部4は、ユーザーが握りやすいように被写体側(つまり、正面側)に突出する突形状に成形されている。
なお、以下の説明では、カメラ本体1を背面から見た場合、光軸中心よりも右側を右側と呼び、光軸中心よりも左側を左側と呼ぶ。
図2は、図1に示すカメラの主要な内部構成を説明するための斜視図である。そして、図2(a)はカメラの内部構成を示す斜視図であり、図2(b)はカメラの内部構成を分解して示す斜視図である。
図示のカメラは、カメラの動作を制御するマイクロコンピュータ(以下MPUと呼ぶ)10を備えている。当該MPU(制御部)10は制御基板5に実装されており、カメラ制御に係る信号(制御信号)は制御基板5に設けられた配線によってMPU10に伝送される。
図示のように、制御基板5は略コ字形状であって、当該コ字形状の開口部に後述する撮像基板6が入れ子で配置される。これによって、カメラ本体1においてZ方向におけるスペースを省スペース化している。
MPU10は、カメラの動作を制御するので、多数の制御信号などが集結する。このため、MPU10は制御基板6において基板面積が広い箇所に配置することが望ましい。図示の例では、グリップ部4によって比較的広い基板面積が確保可能な制御基板5の右側部分にMPU10が配置される。なお、MPU10による制御については後述する。
撮像基板6には、撮像センサー(撮像素子)11が実装されており、撮像センサー11には、撮像レンズを介して光学像が結像し、撮像センサー11は光学像に応じた撮像信号(出力信号)を出力する。さらに、撮像基板6には撮像系で用いられる各種電気回路(図示せず)が配線されている。そして、撮像基板6はプレート8に固定される。プレート8は、図中Z方向にその位置が調整可能にビス12a、12b、および12cとバネ(図示せず)とによって、樹脂などで成形された本体25に取り付けられている。プレート8の位置調整によって撮像センサー11は所定のフランジバック位置に位置づけられる。
シールド板(シールド部材)9は、撮像基板6の周囲に位置する電気回路による撮像基板6に対するノイズの影響を低減させるために用いられ、撮像基板6上に配置される。シールド板9はステンレス鋼又はブリキなどの導電部材によって成形される。
撮像フレキシブル配線基板7は、撮像センサー11によって得られた撮像信号が伝送される配線基板である。撮像フレキシブル配線基板7は、シールド板9に近接して配置されており、撮像基板6と制御基板5とを電気的に接続する。
なお、撮像フレキシブル配線基板7は、導体層を2層備える両面フレキシブル配線基板である。また、撮像センサー11で得られた撮像信号は、撮像フレキシブル配線基板7が所定の特性インピーダンスを有するように、差動信号で伝送される。撮像フレキシブル配線基板7の配線経路および配線パターンについては後述する。
このように、撮像センサー11で得られた撮像信号は、撮像基板6から撮像フレキシブル配線基板7を介して制御基板5に実装されたMPU10に伝送される。
電源基板13には、電源系の電気回路が配線されている。電源基板13は電池(バッテリー)14から電力を受けて、カメラ本体に備えられた基板およびユニットに電源を供給する。電池14は、カメラ本体1を省スペース化するため、グリップ部4において突形状の部分に配置される。この結果。電源基板13および電池14は、グリップ部4が位置するカメラ本体1の右側に配置されることになる。
シールド板15は、電源基板13から当該電源基板13の周囲に位置する電気回路に対するノイズの影響を低減するために用いられる。そして、シールド板15は電源基板13上に配置される。なお、シールド板15は、ステンレス鋼又はブリキなどの導電部材によって成形される。
シールド板15には、後述する測光フレキシブル配線基板17を固定するためのツメ形状部15aおよび15bが形成されている。また、電源基板13は、制御基板5にコネクタ(図示せず)によって接続され、これによって、電源基板13から制御基板5に電力が供給される。
測光センサー16は、被写体の露光量を電気信号に変換するためのセンサーである。測光センサー16は、例えば、縦横200×300の画素を有するCCDセンサーである。測光センサー16は複数の領域に分割され、当該領域毎にその輝度および色を検出する。
測光センサー16は測光フレキシブル配線基板17に実装されており、測光フレキシブル配線基板17はファインダーユニット18の上部に配置される。測光センサー16は測光センサーホルダー19によって保持される。この際、測光センサー16を撮像センサー11に対して適正な位置関係とするため、測光センサーホルダー29は図中XおよびZ方向にその位置が調整可能にファインダーユニット18に取り付けられる。
測光フレキシブル配線基板17は、MPU10が実装された制御基板5の右側に接続されて、ツメ形状部15aおよび15bによってシールド板15に固定される。測光フレキシブル配線基板17は、導体層を2層備える両面フレキシブル配線基板であり、測光センサー16によって得られた測光信号(出力信号)を伝送するための配線が備えられている。
測光センサー16で得られた測光信号は、測光フレキシブル配線基板17が所定の特性インピーダンスを有するように、差動信号で伝送される。測光フレキシブル配線基板17の配線経路および配線パターンについては後述する。
液晶フレキシブル配線基板20は、シールド板15に近接して配置され、ファインダー内液晶(図3参照)と制御基板5を接続する。これによって、制御基板5から撮像素子11によって得られた撮像信号に応じた画像信号がファインダー内液晶に送られて、ファインダー内液晶に画像が表示される。
なお、画像信号は、液晶フレキシブル配線基板20が所定の特性インピーダンスを有するように差動信号で伝送される。液晶フレキシブル配線基板20の配線経路および配線パターンについては後述する。
また、ファインダー内液晶は、カメラの撮影設定などをユーザーに対して表示する液晶表示装置である。図示のカメラには光学ファインダーが搭載されているので、ここでは、ファインダー内液晶22には撮影設定などの表示のみが行われるが、カメラの構成によって、撮像センサー11で得られた撮影画像をスルー画として表示するEVFを備えるようにしてもよい。
図3は、図1に示すカメラの制御系の一例を説明するためのブロック図である。
カメラにはMPU10が備えられており、MPU10はカメラ全体の制御を司る。MPU10は、例えば、撮像センサー11の出力である撮像信号に対して所定の画像処理を行って画像信号を生成する。そして、MPU10は当該画像信号を表示制御部21に送る。
表示制御部21は、画像信号に応じた画像を表示部(TFT)2に表示する。さらに、表示制御部21は、MPU10の制御下でカメラにおける撮影設定などの情報をファインダー内液晶22に表示する。さらに、MPU10は、測光センサー16の出力である測光信号に対して所定の処理を行って、撮影の際の露出を決定する。
なお、ファインダー内液晶22がEVFである場合には、表示制御部21は、MPU10の制御下で画像信号に応じた画像をスルー画としてファインダー内液晶22に表示する。また、MPU10の駆動に必要な電源は電池14から供給される。
図4は、図2に示す撮像フレキシブル配線基板の構成を説明するための図である。そして、図4(a)は撮像フレキシブル配線基板における導体層を示す斜視図であり、図4(b)は撮像フレキシブル配線基板の第1導体層における配線の一例を示す図である。また、図4(c)は撮像フレキシブル配線基板の第2導体層における配線の一例における配線を示す図であり、図4(d)は撮像フレキシブル配線基板の第1導体層における配線の他の例を示す図である。さらに、図4(e)は撮像フレキシブル配線基板の第2導体層における配線の他の例を示す図である。
図4(a)に示すように、撮像フレキシブル配線基板7は、ポリイミド等の絶縁体で成形されたベース材35を有している。そして、ベース材35の表裏(一主面および当該一主面に対向する他主面)には、それぞれ銅箔などの導体によって信号パターンが形成された第1導体層301および第2導体層302が備えられている。つまり、撮像フレキシブル配線基板7は両面フレキシブル配線基板である。
第1導体層301には撮像信号線30が配線され、第2導体層302にはメッシュ状のGND信号線31が配線されている。図示の例では、撮像信号線30のインピーダンスが100Ωとなるように配線が設定される。
図4(b)および図4(c)に詳しく示すように、第1導体層301においては、線幅30a、撮像信号線30間のクリアランス30b、および周囲信号線32とのクリアランス30cを所定の値に設定する。さらに、メッシュ状のGND信号線31における残銅率を所定の率に設定して撮像信号線30のインピーダンスを所定のインピーダンスとする。
ここでは、撮像信号線30のインピーダンスが100Ωとなるように、インピーダンスを決定する要素である導電体(撮像信号線30、周囲信号線32、およびGND信号線31)の形状および位置関係を規定する。
なお、残銅率とは、フレキシブル配線基板の面積に対して導体が占める面積の割合のことをいう。そして、GND信号線31の残銅率は、メッシュ状の導体のスリット幅とスリット間隔とを調整することによって設定される。また、図示の例では、周囲信号線32はGND線であるが、GND線以外であってもよい。
さらには、ここでは、撮像信号線30が隣り合うようにして配線して第1導体層を形成しているが、図4(d)に示すように、撮像信号線30の間に周囲信号線32を配線するようにしてもよい。
また、GND信号線31については、残銅率の調整が可能であれば、図4(e)に示すように斜め方向に延びるスリットを有するメッシュ形状としてもよく、その他の形状であってもよい。このような配線の手法は、所定のインピーダンスを得るための一般的な差動信号の配線仕様である。
上述の配線仕様によってインピーダンスを管理するが、カメラに配置された導電部材が撮像信号線30に近接すると、撮像信号線30のインピーダンスが所定のインピーダンスよりも低い方に変動してしまう。つまり、撮像信号線30のインピーダンスが100Ωになるように配線したとしても、導電部材が近接すると、当該導電部材が撮像信号線30のインピーダンスを決定する要素となる。そして、導電部材によって撮像信号線30のインピーダンスが変動する。
なお、周囲導電体の配線容量が大きい程、撮像信号線30に電流が流れ易くなるので、導電部材がインピーダンスを決定する要素として加わることによって、周囲導電体の配線容量は増えて、撮像信号線30のインピーダンスが低下する。
図示の例では、撮像フレキシブル配線基板7は、シールド板9と近接しており、これによって、撮像信号線30のインピーダンスが変動してしまう恐れがある。このため、シールド板9と接近する箇所については、シールド板9によるインピーダンスの影響を考慮して、撮像フレキシブル配線基板7の配線を変更して、所定のインピーダンスを得る。
図5は、図2に示す撮像フレキシブル配線基板においてシールド板との近接部分の配線を説明するための図である。そして、図5(a)は撮像フレキシブル配線基板とシールド板との位置関係を示す図であり、図5(b)は撮像フレキシブル配線基板の配線を示す図である。
図5(a)に示すように、撮像フレキシブル配線基板7はシールド板9と近接している。投影領域7a(斜線で示す領域)は撮像フレキシブル配線基板7に対してシールド板9を投影した領域であり、撮像信号線30のインピーダンスに影響が生じる領域である。撮像信号線30は差動信号線として配線されるので、対となる信号線のインピーダンスが異なると、適正な撮影画像を得ることができない。
そこで、撮像信号線30を、シールド板9の端辺9aおよび9bに対して略直角に交差させて、対となる2本の信号線がシールド板9から影響を受ける配線長30dを一致させる。これによって、対となる2本の信号線のインピーダンスを揃えることが可能となって、適正な撮影画像を得ることができる。
なお、ここでは、撮像信号線30をシールド板9の端辺9aおよび9bに対して略直角に交差させる例について説明したが、対となる2本の信号線の配線長30dが同等になるのであれば、略直角に交差しなくてもよい。
第2導体層302には、メッシュ形状のGND信号線31が配線されており、GND信号線31の残銅率はシールド板9との位置関係に応じて変更される。図示のように、GND信号線31には、第1の残銅率領域31aおよび第2の残銅率領域31bが存在する。
ここでは、第2の残銅率領域31bの残銅率は第1の残銅率領域31aの残銅率よりも低い。つまり、メッシュ形状において、第2の残銅率領域31bは第1の残銅率領域31aよりも粗い。言い替えると、第2の残銅率領域31bの配線密度は第1の残銅率領域31aの配線密度よりも低い。
残銅率変化領域(配線密度変化領域)31cは、第1の残銅率領域31aの残銅率から第2の残銅率領域31bの残銅率にその残銅率が徐々に変化する領域である。前述のように、残銅率を変更する際には、メッシュ状の導体の線幅とスリット間隔とを調整することによって残銅率を変更する。
上述の残銅率変化領域31cを設けることによって、残銅率が急激に変化することに起因するインピーダンスの変動を低減させることができる。また、残銅率変化領域31cに対応させてシールド板9の端辺9aおよび9bを配置する。
これによって、シールド板9と撮像フレキシブル配線基板7との位置関係にばらつきが生じても、残銅率が緩やかに変化するので、位置関係のばらつきによるインピーダンスの影響を低減することができる。
第1の残銅率領域31aは、シールド板9が近接しない状態において撮像信号線30のインピーダンスが100Ωとなるようにその残銅率が設定されている。一方、第2の残銅率領域31bはシールド投影領域7aに配置される。
第2の残銅率領域31bの残銅率はシールド板9が近接することによる撮像信号線30のインピーダンスの低下を考慮してインピーダンスを高めるように第1の残銅率領域31aの残銅率よりも低くする。そして、残銅率変化領域31cにシールド板9の端辺9aおよび9bが配置される。
残銅率変化領域31cの幅は、部品の寸法バラつきと撮像センサーの位置調整量との和よりも大きくする。これによって、シールド板9と撮像フレキシブル配線基板7との位置関係にばらつきが生じたとしても、シールド板9の端辺9aおよび9bが常に残銅率変化領域31cに収まる。その結果、撮像信号線30のインピーダンスの変動を低減することができる。
上述の構成によって、撮像信号線30にシールド板9が近接する場合においても、所定のインピーダンスを得ることが可能となる。さらには、撮像信号線30の線幅30aは均一な幅で配線されているので、曲げなどによる信号線断線の恐れが少ない。
図6は、図2に示す測光フレキシブル配線基板の構成を説明するための図である。そして、図6(a)は測光フレキシブル配線基板における導体層を示す斜視図であり、図6(b)は測光フレキシブル配線基板の第1導体層における配線の一例を示す図である。また、図6(c)は測光フレキシブル配線基板の第2導体層における配線の一例における配線を示す図である。
図6(a)に示すように、測光フレキシブル配線基板17は、ポリイミド等の絶縁体で成形されたベース材45を有している。そして、ベース材45の表裏面には、それぞれ銅箔などの導体によって信号パターンが形成された第1導体層401および第2導体層402が備えられている。つまり、撮像フレキシブル配線基板17は両面フレキシブル配線基板である。
第1導体層401には測光信号線40が配線され、第2導体層402にはメッシュ状のGND信号線41が配線されている。図示の例では、測光信号線40のインピーダンスが100Ωとなるように配線が設定される。
図6(b)および図6(c)に詳しく示すように、第1導体層401においては、線幅40a、測光信号線40間のクリアランス40b、および周囲信号線42とのクリアランス40cを所定の値に設定する。さらに、メッシュ状のGND信号線41における残銅率を所定の率に設定して測光信号線40のインピーダンスを所定のインピーダンスとする。
ここでは、測光信号線40のインピーダンスが100Ωとなるように、インピーダンスを決定する要素である導電体(測光信号線40、周囲信号線42、およびGND信号線41)の形状および位置関係を規定する。
なお、GND信号線41の残銅率は、メッシュ状の導体のスリット幅とスリット間隔とを調整することによって設定される。また、図示の例では、周囲信号線42はGND線であるが、GND線以外であってもよい。さらに、測光フレキシブル配線基板17において、上述の配線仕様ではなく、例えば、図4(d)および図4(e)で説明した配線仕様を用いるようにしてもよい。
上述の配線仕様によって、測光フレキシブル配線基板17におけるインピーダンスを管理するが、カメラに配置された導電部材が測光信号線40に近接すると、測光信号線40のインピーダンスが所定のインピーダンスよりも低い方に変動してしまう。つまり、測光信号線40のインピーダンスが100Ωになるように配線したとしても、導電部材が近接すると、当該導電部材が測光信号線40のインピーダンスを決定する要素となる。そして、導電部材によって測光信号線40のインピーダンスが変動する。
なお、周囲導電体の配線容量が大きい程、測光信号線40に電流が流れ易くなるので、導電部材がインピーダンスを決定する要素として加わることによって、周囲導電体の配線容量は増えて、測光信号線40のインピーダンスが低下する。
図示の例では、測光フレキシブル配線基板17は、シールド板15と近接しており、これによって、測光信号線40のインピーダンスが変動してしまう恐れがある。このため、シールド板15と接近する箇所については、シールド板15によるインピーダンスの影響を考慮して、測光フレキシブル配線基板17の配線を変更して、所定のインピーダンスを得る。
図7は、図2に示す測光フレキシブル配線基板においてシールド板との近接部分の配線を説明するための図である。そして、図7(a)は測光フレキシブル配線基板とシールド板との位置関係を示す図であり、図7(b)は測光フレキシブル配線基板の配線を示す図である。
図7(a)に示すように、測光フレキシブル配線基板17はシールド板15と近接している。投影領域17a(斜線で示す領域)は測光フレキシブル配線基板17に対してシールド板15を投影した領域であり、測光信号線40のインピーダンスに影響が生じる領域である。
測光フレキシブル配線基板17は、投影領域17aにおいて測光信号線40が配線されていない部分においてシールド板15のツメ形状部15aおよび15bによって、シールド板15に固定される。
これによって、測光フレキシブル配線基板17とシールド15との位置のばらつきを低減させることができ、インピーダンスに対する影響のばらつきを低減することが可能となる。
測光信号線40は差動信号線として配線されるので、対となる信号線のインピーダンスが異なると、適正な測光値を得ることができない。そこで、測光信号線40を、シールド板15の端辺15cおよび15dに対して略直角に交差させて、対となる2本の信号線がシールド板15から影響を受ける配線長40dを一致させる。
これによって、対となる2本の信号線のインピーダンスを揃えることが可能となって、適正な測光値を得ることができる。
なお、ここでは、測光信号線40をシールド板15の端辺15cおよび15dに対して略直角に交差させる例について説明したが、対となる2本の信号線の配線長40dが同等になるのであれば、略直角に交差しなくてもよい。
第2導体層402には、メッシュ形状のGND信号線41が配線されており、GND信号線41の残銅率はシールド板15との位置関係に応じて変更される。図示のように、GND信号線41には、第1の残銅率領域41aおよび第2の残銅率領域41bが存在する。
ここでは、第2の残銅率領域41bの残銅率は第1の残銅率領域41aの残銅率よりも低い。つまり、メッシュ形状において、第2の残銅率領域41bは第1の残銅率領域41aよりも粗い。
残銅率変化領域41cは、第1の残銅率領域41aの残銅率から第2の残銅率領域41bの残銅率にその残銅率が徐々に変化する領域である。前述のように、残銅率を変更する際には、メッシュ状の導体の線幅とスリット間隔とを調整することによって残銅率を変更する。
上述の残銅率変化領域431cを設けることによって、残銅率が急激に変化することに起因するインピーダンスの変動を低減させることができる。また、残銅率変化領域41cに対応させてシールド板15の端辺15cおよび15dを配置する。
これによって、シールド板15と測光フレキシブル配線基板17との位置関係にばらつきが生じても、残銅率が緩やかに変化するので、位置関係のばらつきによるインピーダンスの影響を低減することができる。
第1の残銅率領域41aは、シールド板15が近接しない状態において測光信号線40のインピーダンスが100Ωとなるようにその残銅率が設定されている。一方、第2の残銅率領域41bはシールド投影領域17aに配置される。
第2の残銅率領域41bの残銅率はシールド板15が近接することによる測光信号線40のインピーダンスの低下を考慮してインピーダンスを高めるように第1の残銅率領域41aの残銅率よりも低くする。そして、残銅率変化領域41cにシールド板15の端辺15cおよび15dが配置される。
残銅率変化領域41cの幅は、部品の寸法バラつきと測光センサー16の位置調整量との和よりも大きくする。
これによって、シールド板15と測光フレキシブル配線基板17との位置関係にばらつきが生じたとしても、シールド板15の端辺15cおよび15dが常に残銅率変化領域41cに収まる。その結果、測光信号線40のインピーダンスの変動を低減することができる。
上述の構成によって、測光信号線40にシールド板15が近接する場合においても、所定のインピーダンスを得ることが可能となる。さらには、測光信号線40の線幅40aは均一な幅で配線されているので、曲げなどによる信号線断線の恐れが少ない。
図8は、図2に示す液晶フレキシブル配線基板の構成を説明するための図である。そして、図8(a)は液晶フレキシブル配線基板における導体層を示す斜視図であり、図8(b)は液晶フレキシブル配線基板の第1導体層における配線の一例を示す図である。また、図8(c)は液晶フレキシブル配線基板の第2導体層における配線の一例における配線を示す図である。
図8(a)に示すように、液晶フレキシブル配線基板20は、ポリイミド等の絶縁体で成形されたベース材55を有している。そして、ベース材55の表裏面には、それぞれ銅箔などの導体によって信号パターンが形成された第1導体層501および第2導体層502が備えられている。つまり、液晶フレキシブル配線基板20は両面フレキシブル配線基板である。
第1導体層501には画像信号線50が配線され、第2導体層502にはメッシュ状のGND信号線51が配線されている。図示の例では、画像信号線50のインピーダンスが100Ωとなるように配線が設定される。
図8(b)および図8(c)に詳しく示すように、第1導体層501においては、線幅50a、画像信号線50間のクリアランス50b、および周囲信号線52とのクリアランス50cを所定の値に設定する。さらに、メッシュ状のGND信号線51における残銅率を所定の率に設定して画像信号線50のインピーダンスを所定のインピーダンスとする。
ここでは、画像信号線50のインピーダンスが100Ωとなるように、インピーダンスを決定する要素である導電体(画像信号線50、周囲信号線52、およびGND信号線51)の形状および位置関係を規定する。
GND信号線51の残銅率は、メッシュ状の導体のスリット幅とスリット間隔とを調整することによって設定される。また、図示の例では、周囲信号線52はGND線であるが、GND線以外であってもよい。さらに、液晶フレキシブル配線基板20において、上述の配線仕様ではなく、例えば、図4(d)および図4(e)で説明した配線仕様を用いるようにしてもよい。
上述の配線仕様によってインピーダンスを管理するが、カメラに配置された導電部材が画像信号線50に近接すると、画像信号線50のインピーダンスが所定のインピーダンスよりも低い方に変動してしまう。つまり、画像信号線50のインピーダンスが100Ωになるように配線したとしても、導電部材が近接すると、当該導電部材が画像信号線50のインピーダンスを決定する要素となる。そして、導電部材によって画像信号線50のインピーダンスが変動する。
なお、周囲導電体の配線容量が大きい程、画像信号線50に電流が流れ易くなるので、導電部材がインピーダンスを決定する要素として加わることによって、周囲導電体の配線容量は増えて、画像信号線50のインピーダンスが低下する。
図示の例では、液晶フレキシブル配線基板20は、シールド板15と近接しており、これによって、画像信号線50のインピーダンスが変動してしまう恐れがある。このため、シールド板15と接近する箇所については、シールド板15によるインピーダンスの影響を考慮して、液晶フレキシブル配線基板20の配線を変更して、所定のインピーダンスを得る。
図9は、図2に示す液晶フレキシブル配線基板においてシールド板との近接部分の配線を説明するための図である。そして、図9(a)は液晶フレキシブル配線基板とシールド板との位置関係を示す図であり、図9(b)は液晶フレキシブル配線基板の配線を示す図である。
図9(a)に示すように、液晶フレキシブル配線基板20はシールド板15と近接している。投影領域20a(斜線で示す領域)は液晶フレキシブル配線基板20に対してシールド板15を投影した領域であり、画像信号線50のインピーダンスに影響が生じる領域である。画像信号線50は差動信号線として配線されるので、対となる信号線のインピーダンスが異なると、適正な表示画像を得ることができない。
そこで、画像信号線50を、シールド板15の端辺15eaおよび15fに対して略直角に交差させて、対となる2本の信号線がシールド板15から影響を受ける配線長50dを一致させる。これによって、対となる2本の信号線のインピーダンスを揃えることが可能となって、適正な表示画像を得ることができる。
なお、ここでは、画像信号線50をシールド板15の端辺15eaおよび15fに対して略直角に交差させる例について説明したが、対となる2本の信号線の配線長50dが同等になるのであれば、略直角に交差しなくてもよい。
第2導体層502には、メッシュ形状のGND信号線51が配線されており、GND信号線51の残銅率はシールド板15との位置関係に応じて変更される。図示のように、GND信号線51には、第1の残銅率領域51aおよび第2の残銅率領域51bが存在する。ここでは、第2の残銅率領域51bの残銅率は第1の残銅率領域51aの残銅率よりも低い。つまり、メッシュ形状において、第2の残銅率領域51bは第1の残銅率領域51aよりも粗い。
残銅率変化領域51cは、第1の残銅率領域51aの残銅率から第2の残銅率領域51bの残銅率にその残銅率が徐々に変化する領域である。前述のように、残銅率を変更する際には、メッシュ状の導体の線幅とスリット間隔とを調整することによって残銅率を変更する。
上述の残銅率変化領域51cを設けることによって、残銅率が急激に変化することに起因するインピーダンスの変動を低減させることができる。また、残銅率変化領域51cに対応させてシールド板15の端辺15eおよび15fを配置する。
これによって、シールド板15と液晶フレキシブル配線基板20との位置関係にばらつきが生じても、残銅率が緩やかに変化するので、位置関係のばらつきによるインピーダンスの影響を低減することができる。
第1の残銅率領域51aは、シールド板15が近接しない状態において画像信号線50のインピーダンスが100Ωとなるようにその残銅率が設定されている。一方、第2の残銅率領域51bはシールド投影領域20aに配置される。
第2の残銅率領域51bの残銅率はシールド板15が近接することによる画像信号線50のインピーダンスの低下を考慮してインピーダンスを高めるように第1の残銅率領域51aの残銅率よりも低くする。そして、残銅率変化領域51cにシールド板15の端辺15eおよび15fが配置される。
残銅率変化領域51cの幅は、部品の寸法バラつきよりも大きくする。これによって、シールド板15と液晶フレキシブル配線基板20との位置関係にばらつきが生じたとしても、シールド板15の端辺15eおよび15fが常に残銅率変化領域51cに収まる。その結果、画像信号線50のインピーダンスの変動を低減することができる。
上述の構成によって、画像信号線50にシールド板15が近接する場合においても、所定のインピーダンスを得ることが可能となる。さらには、画像信号線50の線幅50aは均一な幅で配線されているので、曲げなどによる信号線断線の恐れが少ない。
このように、本発明の実施の形態では、GND信号線の残銅率を導電部材による影響を考慮して調整する。これによって、信号線と導電部材とが近接する状態であっても、信号線の断線の懸念を核なくして、しかも簡単な構成で所定のインピーダンスを確保することができる。
なお、上述の実施の形態では、撮像フレキシブル配線基板7、測光フレキシブル配線基板17、および液晶フレキシブル配線基板20における配線について説明した。一方、所定のインピーダンスで配線を行う必要があるフレキシブル配線基板について同様にして適応することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。