JP2018092785A - リチウムイオン二次電池用電解液およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の一実施形態の目的は、リチウムイオン二次電池の寿命特性を改善する電解液を提供することにある。【解決手段】本発明の第1の電解液は、フッ素化カルボン酸エステル化合物と、LiN(FSO2)2と、を含み、前記電解液中のLiN(FSO2)2の含有量が5重量%超、20重量%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電解液、リチウムイオン二次電池、これらの製造方法およびリチウムイオン二次電池を搭載した車両に関する。
リチウムイオン二次電池は、様々な用途に使用されるようになっており、優れた寿命特性が求められている。また、従来よりもエネルギー密度の高い電池の要求もある。高エネルギー密度化の手段の一つとして、電池の動作電圧を高めることが挙げられる。しかしながら、動作電圧の高い電池においては電解液の分解による劣化が問題となっている。このような場合に、フッ素化カルボン酸エステル化合物などの電解液溶媒が分解しにくく、好適であることが知られている。特許文献1には、フッ素化エーテル化合物およびスルホン化合物に加えてフッ素化カルボン酸エステル化合物を含む電解液を使用した場合に、高電位で動作する正極活物質を有する電池であっても良好な寿命特性が得られることが記載されている。
国際公開2013/183665号
上述した特許文献1に記載の電解液を用いたリチウムイオン二次電池であっても、電解液の分解は生じており、充放電サイクルを繰り返すことで、次第に電池の容量が低下していく問題が依然としてある。本発明の一実施形態の目的は、リチウムイオン二次電池の寿命特性を改善する電解液を提供することにある。
本発明の第1の電解液は、式(1)により表されるフッ素化カルボン酸エステル化合物と、LiN(FSOと、を含む電解液であって、前記電解液中のLiN(FSOの含有量が5重量%超、20重量%以下であることを特徴とする。
−CO−R (1)
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方がフッ素含有アルキル基である。)
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の寿命特性を改善する電解液を提供できる。
フィルム外装電池の基本的構造を示す分解斜視図である。 図1の電池の断面を模式的に示す断面図である。
以下、本実施形態の電解液、およびその電解液を用いたリチウムイオン二次電池の一例を構成要素ごとに説明する。
[電解液]
電解液は、電解液溶媒としてフッ素化カルボン酸エステル化合物を含み、支持塩としてLiN(FSOを含む。本明細書において、LiN(FSOをLiFSIと記載することもある。
フッ素化カルボン酸エステル化合物は、下式(1)の構造を有する。
−CO−R (1)
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方がフッ素含有アルキル基である。)
式(1)のRおよびRにおいて、置換または無置換のアルキル基の炭素数は、それぞれ独立に、1以上7以下であることが好ましく、1以上6以下であることがより好ましい。
及びRは置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)等が挙げられる。
本明細書において、フッ素含有アルキル基とは、無置換のアルキル基のうちの少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された構造を有する置換アルキル基を表す。フッ素含有アルキル基のフッ素置換率は、10%以上100%以下であることが好ましい。フッ素置換量の増加によって電解液の耐酸化性が高まるため、高電位正極の使用に適している。フッ素置換量が多すぎると支持塩などの溶解性が下がり、電池の容量が低下する場合がある。フッ素置換率は、さらに好ましくは20%以上95%以下である。式(1)において、RとRが両方ともにフッ素含有アルキル基である場合の方が、耐酸化性が高く好ましい。なお、本明細書において、用語「フッ素置換率」は、フッ素含有化合物(フッ素化化合物)またはフッ素含有化合物に含まれる官能基が有する水素原子数とフッ素原子数の総和に対するフッ素原子数の比率を表す。
フッ素化カルボン酸エステルとしては、具体的には、例えば、ペンタフルオロプロピオン酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸エチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、酢酸2,2−ジフルオロエチル、ヘプタフルオロイソ酪酸メチル、2,3,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル、2−(トリフルオロメチル)−3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、ヘプタフルオロ酪酸エチル、酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロ酢酸イソプロピル、トリフルオロ酢酸tert−ブチル、4,4,4−トリフルオロ酪酸エチル、4,4,4−トリフルオロ酪酸メチル、2,2−ジフルオロ酢酸ブチル、ジフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸n−ブチル、酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、3−(トリフルオロメチル)酪酸エチル、テトラフルオロ−2−(メトキシ)プロピオン酸メチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸3,3,3トリフルオロプロピル、ジフルオロ酢酸メチル、トリフルオロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、酢酸1H,1H−ヘプタフルオロブチル、ヘプタフルオロ酪酸メチル、トリフルオロ酢酸エチルなどが挙げられる。
電解液中のフッ素化カルボン酸エステル化合物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは40重量%以上である。このような範囲とすることにより、負極表面において効果的に皮膜を形成することができ、電解液の分解をより効果的に抑制できる。電解液中のフッ素化カルボン酸エステル化合物の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。このような範囲とすることにより、フッ素化カルボン酸エステル化合物がもたらすと予測されるSEI皮膜の過剰な生成による電池の内部抵抗上昇を抑えられる。
電解液は、フッ素化カルボン酸エステル化合物以外の電解液溶媒を含んでもよい。その他の電解液溶媒としては、環状カーボネート化合物、スルホン化合物、フッ素化エーテル化合物などが挙げられる。
環状カーボネート化合物としては、特に制限されるものではないが、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、又はビニレンカーボネート(VC)等を挙げることができる。フッ素化環状カーボネートを使用してもよい。フッ素化環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、又はビニレンカーボネート(VC)等の一部又は全部の水素原子をフッ素原子に置換した化合物等を挙げることができる。より具体的には、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(モノフルオロエチレンカーボネート)、(cis又はtrans)4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を用いることができる。環状カーボネートとしては、上で列記した中でも、耐電圧性や、導電率の観点から、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン等が好ましい。環状カーボネートは、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
電解液中の環状カーボネート化合物の含有量は、好ましくは1重量%以上であり、より好ましく2重量%以上である。電解液中の環状カーボネート化合物の含有量は、好ましくは80重量%以下であり、より好ましく50重量%以下である。
スルホン化合物としては、下式(2)の構造を有する化合物が好ましい。
”−SO−R” (2)
(式中、R”およびR”は、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基またはアルキレン基であり、アルキレン基の場合、R”とR”は単結合または二重結合を介して結合して環を形成する。)
式(2)中、R”の炭素数n1およびR”の炭素数n2は、それぞれ独立に、1≦n1≦12、1≦n2≦12であることが好ましく、1≦n1≦6、1≦n2≦6であることがより好ましく、1≦n1≦3、1≦n2≦3であることが更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のものを含む。R”の炭素原子とR”の炭素原子が、単結合または二重結合を介して結合している場合、式(2)で表されるスルホン化合物は、環状化合物である。この場合、R”およびR”の炭素数の総和は、好ましくは2以上12以下、より好ましくは2以上6以下である。
”及びR”は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられる。
式(2)において、R”およびR”がアルキル基であるスルホン化合物(即ち、鎖状スルホン化合物)としては、例えば、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、ブチルメチルスルホン、ジブチルスルホン、メチルイソプロピルスルホン、ジイソプロピルスルホン、メチルtert‐ブチルスルホン、ブチルエチルスルホン、ブチルプロピルスルホン、ブチルイソプロピルスルホン、ジ‐tert‐ブチルスルホン、ジイソブチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルイソブチルスルホン、tert‐ブチルエチルスルホン、プロピルエチルスルホン、イソブチルイソプロピルスルホン、ブチルイソブチルスルホン、イソプロピル(1‐メチルプロピル)スルホンなどが挙げられる。
式(2)において、R”およびR”がアルキレン基であるスルホン化合物(即ち、環状スルホン化合物)としては、例えば、スルホラン(テトラメチレンスルホン)、3−メチルスルホラン等のメチルスルホラン、3,4−ジメチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、トリメチレンスルホン(チエタン1,1−ジオキシド)、1−メチルトリメチレンスルホン、ペンタメチレンスルホン、ヘキサメチレンスルホン、エチレンスルホンなどが挙げられる。
これらスルホン化合物は、一種を単独で又は二種以上を併用して用いることができる。また、本実施形態の一態様として、環状スルホンと鎖状スルホンを併用することが可能である。
フッ素化エーテル化合物としては、下式(3)の構造を有する化合物が好ましい。
−O−R (3)
(式(3)中、RおよびRは、それぞれ独立に、アルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方がフッ素含有アルキル基である。)
アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上5以下であり、より好ましくは1以上3以下である。
およびRは置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等が挙げられる。
フッ素含有アルキル基のフッ素置換率は、20%以上100%以下であることが好ましい。フッ素置換量の増加によって電解液の耐酸化性が高まるため、高電位正極の使用に適している。フッ素置換量が多すぎると支持塩などの溶解性が下がり、電池の容量が低下する場合がある。フッ素置換率は、さらに好ましくは30%以上95%以下であり、最も好ましくは40%以上90%以下である。式(3)において、RとRが両方ともにフッ素含有アルキル基である場合の方が、耐酸化性が高く好ましい。
フッ素含有エーテル化合物としては、例えば、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、1H,1H,2’H,3H−デカフルオロジプロピルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル−2,2−ジフルオロエチルエーテル、イソプロピル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、プロピル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1H,1H,5H−パーフルオロペンチル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1H−パーフルオロブチル−1H−パーフルオロエチルエーテル、メチルパーフルオロペンチルエーテル、メチルパーフルオロへキシルエーテル、メチル1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロピルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1H,1H,2’H−パーフルオロジプロピルエーテル、ヘプタフルオロプロピル1,2,2,2‐テトラフルオロエチルエーテル、メチルノナフルオロブチルエーテル、1,1−ジフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1−ジフルオロエチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、1,1−ジフルオロエチル−1H,1H−ヘプタフルオロブチルエーテル、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル−ジフルオロメチルエーテル、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)エーテル、ノナフルオロブチルメチルエーテル、ビス(1H,1H−ヘプタフルオロブチル)エーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル−1H,1H−ヘプタフルオロブチルエーテル、1H,1H−ヘプタフルオロブチル−トリフルオロメチルエーテル、2,2−ジフルオロエチル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、ビス(トリフルオロエチル)エーテル、ビス(2,2−ジフルオロエチル)エーテル、ビス(1,1,2−トリフルオロエチル)エーテル、1,1,2−トリフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルなどが挙げられる。
これらの中でも、耐電圧性や沸点などの観点から、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル−ジフルオロメチルエーテル、1,1−ジフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル−2,2−ジフルオロエチルエーテル、1,1−ジフルオロエチル−1H,1H−ヘプタフルオロブチルエーテル、1H,1H,2’H,3H−デカフルオロジプロピルエーテル、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)エーテル、1H,1H,5H−パーフルオロペンチル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、ビス(1H,1H−ヘプタフルオロブチル)エーテル、1H,1H,2’H−パーフルオロジプロピルエーテル、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル−1H,1H−ヘプタフルオロブチルエーテル、1H−パーフルオロブチル−1H−パーフルオロエチルエーテル、ビス(2,2,3,3−テトラフルオロプロピル)エーテル、から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
電解液は、支持塩としてLiN(FSOを含む。電解液中のLiN(FSOの含有量は、下限として、5重量%超、好ましくは5.5重量%以上、より好ましくは6重量%以上である。LiN(FSOが電解液中に5重量%超存在することにより、リチウムイオン二次電池の寿命特性がより改善される。また、LiN(FSOが電解液中に5重量%超存在することにより、電池内のガス発生量が抑制される。電解液中のLiN(FSOの含有量は、上限として、20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは12重量%以下である。このような範囲でLiN(FSOが含有される場合に、電池の寿命特性を改善できる。
電解液が、支持塩としてLiN(FSOに加えてLiPFを含むことが好ましい。電解液中にLiPFが、少量存在することで、電池の寿命特性が改善される場合がある。LiPFおよびLiN(FSOの総量におけるLiN(FSOの比率は、上限として、好ましくは95mol%以下、より好ましくは90mol%以下である。
LiPFは、リチウムイオン二次電池において一般に使用されている支持塩であるが、水分と反応することによりフッ化水素(HF)を生成することが問題となる場合がある。電池内で生成したフッ化水素は、電解液溶媒を分解することがある。これにより生じた分解物がケイ素材料など負極活物質表面に堆積する。また、フッ化水素は、活物質に使用するケイ素材料の表面を腐食させることもある。分解物が堆積した表面や腐食した表面のケイ素材料は失活する。この結果、失活していない部分に集中してLiとの反応量が高まることとなり、ケイ素材料が膨張して電気的接触が失われる。通常使用される量のLiPFの少なくとも一部をLiN(FSOに置き換えることにより、LiPFに起因すると考えられる、負極活物質、特にはケイ素材料の劣化を抑制できる。このため、LiPFおよびLiN(FSOの総量におけるLiN(FSOの比率は、下限として、好ましくは10mol%以上、より好ましくは30mol%以上である。
その他の支持塩をLiN(FSOと組み合わせて電解液に使用してもよい。その他の支持塩としては特に限定されないが、例えば、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl等が挙げられる。
支持塩の総量は、電解液溶媒1Lに対して、好ましくは0.4mol以上1.5mol以下、より好ましくは0.5mol以上1.2mol以下である。
[正極]
正極は、集電体と、集電体上に設けられた、正極活物質、結着剤および必要に応じ導電剤を含む正極合剤層とを備える。正極活物質としては、特に限定はされないが、スピネル系の材料、層状系の材料、オリビン系の材料などが挙げられる。
スピネル系材料としては、
LiMn
LiMnのMnの一部を置換して寿命を高めた、リチウムに対して4V付近で動作する材料、例えば、
LiMn2−x (4)
(式中、0<x<0.3であり、Mは、金属元素であり、Li、Al、B、Mg,Si,および遷移金属から選ばれる少なくとも一種を含む。);
LiNi0.5Mn1.5などの5V付近の高電圧で動作する材料;および
LiNi0.5Mn1.5に類似した組成で、LiMnの材料の一部を遷移金属で置換した高電位で充放電動作する材料と、さらに別の元素を添加した材料、例えば、
Li(MMn2−x−y)(O4−w) (5)
(式中、0.4≦x≦1.2、0≦y、x+y<2、0≦a≦1.2、0≦w≦1である。Mは遷移金属元素であり、Co、Ni、Fe、Cr及びCuからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、Yは、金属元素であり、Li、B、Na、Al、Mg、Ti、Si、K及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種を含み、Zは、FおよびClからなる群より選ばれる少なくとも一種である。);
等が使用可能である。
式(5)において、Mは、Co、Ni、Fe、Cr及びCuからなる群より選ばれる遷移金属元素を、組成比xの好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上含み、100%で含んでもよい。また、Yは、Li、B、Na、Al、Mg、Ti、Si、K及びCaからなる群より選ばれる金属元素を、組成比yの好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上含み、100%で含んでもよい。
層状系の材料は、一般式LiMO(Mは金属元素)で表されるが、より具体的には、
LiCo1−x (6)
(式中、0≦x<0.3であり、MはCo以外の金属である);
LiNi1−x (7)
(式中、0≦x≦0.8、0<y≦1.2、MはCo、Al、Mn、Fe、Ti及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)、特に、
LiNi1−x (8)
(式中、0.05<x<0.3であり、MはCo、MnおよびAlから選ばれる少なくとも一種を含む金属元素である。);
Li(Li1−x−zMn)O (9)
(式中、0.1≦x<0.3、0.33≦z≦0.8、MはFe、Co、Ni、Ti、Al及びMgのうちの少なくとも一種である。);
で表される層状構造のリチウム金属複合酸化物が挙げられる。
上記式(7)において、Niの含有量が高いこと、即ちxが0.5未満が好ましく、さらに0.4以下が好ましい。このような化合物としては、例えば、LiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)などが挙げられ、特に、LiNiβCoγMnδ(0.75≦β≦0.85、0.05≦γ≦0.15、0.10≦δ≦0.20)が挙げられる。より具体的には、例えば、LiNi0.8Co0.05Mn0.15、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi0.8Co0.1Al0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2等を好ましく用いることができる。
また、熱安定性の観点では、Niの含有量が0.5を超えないこと、即ち、式(7)において、xが0.5以上であることも好ましい。また特定の遷移金属が半数を超えないことも好ましい。このような化合物としては、LiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、0.2≦β≦0.5、0.1≦γ≦0.4、0.1≦δ≦0.4)が挙げられる。より具体的には、LiNi0.4Co0.3Mn0.3(NCM433と略記)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Co0.2Mn0.3(NCM523と略記)、LiNi0.5Co0.3Mn0.2(NCM532と略記)、LiNi0.4Mn0.4Co0.2、など(但し、これらの化合物においてそれぞれの遷移金属の含有量が10%程度変動したものも含む)を挙げることができる。また、Ni含有量が少ない領域においては、充電状態の結晶安定性が高いために、充電電圧をLiの標準電極電位に対して、4.35V以上で使用することができる。
上記式(9)で表されるリチウム酸化物としては、Li(Li0.2Ni0.2Mn0.6)O、Li(Li0.15Ni0.3Mn0.55)O、Li(Li0.15Ni0.2Co0.1Mn0.55)O、Li(Li0.15Ni0.15Co0.15Mn0.55)O、Li(Li0.15Ni0.1Co0.2Mn0.55)O、などが挙げられる。
オリビン系の材料は、一般式:
LiMPO (10)
(式中、Mは、Co、Fe、Mn、及びNiのうちの少なくとも一種である。)
で表される。具体的には、LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPOなどが挙げられ、これらの構成元素の一部を別の元素で置換したもの、例えば、酸素部分をフッ素で置換したものを使用することもできる。上記LiMPOにおいて、MはCoおよびNiのうちの少なくとも一種を含むことによって、リチウムに対して4.5V以上の高い電位で動作する正極材料となり、電池のエネルギー密度を高めることができる。このような理由から、Mの組成比のうち80%以上がCoおよび/またはNiであることがより好ましく、特に以下の一般式(11)で表される材料が好ましい。
LiMPO (11)
(式中、Mは、Co、及びNiのうちの少なくとも一種である。)
このほかにも、正極活物質としてNASICON型、リチウム遷移金属シリコン複合酸化物などを使用することができる。正極活物質は、一種を単独で、または二種以上を混合して使用することができる。
LiN(FSOは、正極活物質と反応してガスを発生させる場合がある。上記の正極活物質の中でも、ガス発生量が少ない層状系材料が好ましく、特に、式(7)および(9)で表されるものが好ましい。
正極用結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。前記のもの以外にも、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。SBR系エマルジョンのような水系の結着剤を用いる場合、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を用いることもできる。上記の正極用結着剤は、混合して用いることもできる。
使用する結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、活物質100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましい。
正極活物質を含む塗工層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電剤を添加してもよい。導電剤としては、鱗片状、煤状、線維状の炭素質微粒子等、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、気相法炭素繊維等が挙げられる。
正極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。特に、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄・ニッケル・クロム・モリブデン系のステンレスを用いた集電体が好ましい。
本実施形態に係る正極は、例えば、正極活物質、結着剤及び溶媒を含むスラリーを調製し、これを正極集電体上に塗布し、正極合剤層を形成することにより作製できる。
[負極]
負極は、集電体と、集電体上に設けられた、負極活物質、結着剤および必要に応じ導電剤を含む負極合剤層とを備える。
負極活物質としては、金属、金属酸化物、炭素などを挙げることができる。これらの中でも構成元素としてケイ素を含む材料(以下、ケイ素材料とも呼ぶ)が好ましい。ケイ素材料としては、金属ケイ素、ケイ素を含む合金、組成式SiO(0<x≦2)で表されるケイ素酸化物などが挙げられる。ケイ素を含む合金に使用されるその他の金属は、好ましくは、Li、Al、Ti、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、Laから成る群より選択される。本実施形態において、ケイ素を含む合金およびケイ素酸化物が特に好ましい。
ケイ素材料の量は、特に制限されない。ケイ素材料の量は、好ましくは負極活物質の総量の5重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。負極活物質は、リチウムを吸蔵放出し得る物質である。本明細書において、例えば結着剤など、リチウムを吸蔵放出しない物質は、負極活物質には含まれない。
ケイ素材料を、その他の負極活物質と組み合わせて使用することもできる。特に、ケイ素材料は、炭素とともに使用することが好ましい。炭素とともに使用することでケイ素による膨張収縮の影響を緩和して、電池のサイクル特性を改善することができる。ケイ素材料と炭素を混合して使用してよく、ケイ素材料の粒子表面を炭素で被覆して使用してもよい。炭素としては、例えば、黒鉛、非晶質炭素、グラフェン、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物等が挙げられる。ここで、結晶性の高い黒鉛は、電気伝導性が高く、銅などの金属からなる負極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
ケイ素材料と組み合わせて使用することができる炭素以外の負極活物質として、ケイ素以外の金属、金属酸化物も挙げられる。金属としては、例えば、Li、Al、Ti、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La、またはこれらの2種以上の合金等が挙げられる。また、これらの金属又は合金は1種以上の非金属元素を含んでもよい。金属酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、またはこれらの複合物等が挙げられる。また、金属酸化物に、窒素、ホウ素および硫黄の中から選ばれる一種または2種以上の元素を、例えば0.1〜5重量%添加することもできる。こうすることで、金属酸化物の電気伝導性を向上させることができる。
負極結着剤としては、特に制限されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。また、前記の複数の樹脂からなる混合物や、共重合体、さらにその架橋体であるスチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。さらに、SBR系エマルジョンのような水系のバインダを用いる場合、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤を用いることもできる。
使用する結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、活物質100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましい。
負極は、導電性を向上させる観点から、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子等の導電材を含んでよい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、銅、銀、およびそれらの合金を使用できる。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
本実施形態に係る負極は、例えば、負極活物質、結着剤及び溶媒を含むスラリーを調製し、これを負極集電体上に塗布し、負極合剤層を形成することにより作製できる。
[セパレータ]
セパレータは、荷電体の透過を阻害せずに正極および負極の導通を抑制し、電解液に対して耐久性を有するものであれば、いずれであってもよい。具体的な材質としては、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンならびにポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド等の芳香族ポリアミド(アラミド)等が挙げられる。これらは、多孔質フィルム、織物、不織布等として用いることができる。
[絶縁層]
正極、負極、およびセパレータの少なくとも1つの表面に絶縁層を形成してもよい。絶縁層の形成方法としては、ドクターブレード法、ディップコーティング法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。正極、負極、セパレータの形成と同時に絶縁層を形成することもできる。絶縁層を構成する物質としては、酸化アルミニウムやチタン酸バリウムなどの絶縁性フィラーとSBRやPVDFなどの結着剤との混合物などが挙げられる。
[リチウムイオン二次電池の構造]
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、例えば、図1および図2のような構造を有する。このリチウムイオン二次電池は、電池要素20と、それを電解質と一緒に収容するフィルム外装体10と、正極タブ51および負極タブ52(以下、これらを単に「電極タブ」ともいう)とを備えている。
電池要素20は、図2に示すように、複数の正極30と複数の負極40とがセパレータ25を間に挟んで交互に積層されたものである。正極30は、金属箔31の両面に電極材料32が塗布されており、負極40も、同様に、金属箔41の両面に電極材料42が塗布されている。なお、本発明は、必ずしも積層型の電池に限らず捲回型などの電池にも適用しうる。
リチウムイオン二次電池は図1および図2のように電極タブが外装体の片側に引き出された構成であってもよいが、リチウムイオン二次電池は電極タブが外装体の両側に引き出されたものであってもいい。詳細な図示は省略するが、正極および負極の金属箔は、それぞれ、外周の一部に延長部を有している。負極金属箔の延長部は一つに集められて負極タブ52と接続され、正極金属箔の延長部は一つに集められて正極タブ51と接続される(図2参照)。このように延長部どうし積層方向に1つに集めた部分は「集電部」などとも呼ばれる。
フィルム外装体10は、この例では、2枚のフィルム10−1、10−2で構成されている。フィルム10−1、10−2どうしは電池要素20の周辺部で互いに熱融着されて密閉される。図1では、このように密閉されたフィルム外装体10の1つの短辺から、正極タブ51および負極タブ52が同じ方向に引き出されている。
当然ながら、異なる2辺から電極タブがそれぞれ引き出されていてもよい。また、フィルムの構成に関し、図1、図2では、一方のフィルム10−1にカップ部が形成されるとともに他方のフィルム10−2にはカップ部が形成されていない例が示されているが、この他にも、両方のフィルムにカップ部を形成する構成(不図示)や、両方ともカップ部を形成しない構成(不図示)なども採用しうる。
[リチウムイオン二次電池の製造方法]
本実施形態によるリチウムイオン二次電池は、通常の方法に従って作製することができる。積層ラミネート型のリチウムイオン二次電池を例に、リチウムイオン二次電池の製造方法の一例を説明する。まず、乾燥空気または不活性雰囲気において、正極および負極を、セパレータを介して対向配置して、電極素子を形成する。次に、この電極素子を外装体(容器)に収容し、電解液を注入して電極に電解液を含浸させる。その後、外装体の開口部を封止してリチウムイオン二次電池を完成する。
[組電池]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を複数組み合わせて組電池とすることができる。組電池は、例えば、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を2つ以上用い、直列、並列又はその両方で接続した構成とすることができる。直列および/または並列接続することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。組電池が備えるリチウムイオン二次電池の個数については、電池容量や出力に応じて適宜設定することができる。
[車両]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池またはその組電池は、車両に用いることができる。本実施形態に係る車両としては、ハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バス等の商用車、軽自動車等)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)が挙げられる。なお、本実施形態に係る車両は自動車に限定されるわけではなく、他の車両、例えば電車等の移動体の各種電源として用いることもできる。
正極活物質としてのLi(Li0.2Ni0.2Mn0.6)Oに、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(3重量%)と、導電剤としてカーボンブラック(3重量%)とを混合して正極合剤とした。該正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、正極用スラリーを調製した。この正極用スラリーを厚さ20μmのアルミニウム製集電体の片面に、均一に塗布した。単位面積当たりの初回充電容量が4.5mAh/cmとなるように塗布膜の厚さを調整した。乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成型することにより正極を作製した。
負極活物質としてSiOを用いた。ここで使用したSiOは、SiとSiOを複合化した粒子であり、粒子の表面には炭素を被覆させた(重量比:ケイ素酸化物/炭素=95/5)。SiOを、N−メチルピロリドンにポリイミドバインダを溶かした溶液に分散させ、負極用スラリーを作製した。負極活物質、結着剤の重量比は90/10とした。この負極用スラリーを厚さ10μmのCu集電体上に均一に塗布した。単位面積当たりの初回充電容量が5.0mAh/cmとなるように塗布膜の厚さを調整した。その後、300℃の熱処理を行った。
3cm×3cmに切り出した正極と負極をセパレータを介して対向するように配置させた。セパレータには、厚さ25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムを用いた。
電解液は、溶媒と支持塩を混合することによって作製した。溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸エチル(EFP)、ジエチルカーボネート(DEC)を使用し、支持塩には、LiPFとLiFSIを使用した。
上記の正極、負極、セパレータ、及び電解液を、ラミネート外装体の中に配置し、ラミネートを封止し、リチウムイオン二次電池を作製した。正極と負極は、タブが接続され、ラミネートの外部から電気的に接続された状態とした。
作製した電池を、20mAで充電し、上限電圧が4.5Vに達した後は、全充電時間が2.5時間になるまで定電圧で充電した。その後、20mAで下限電圧1.5Vになるまで定電流で放電した。この充放電を200回繰り返した。セルは45℃の恒温槽内に配置し、充放電を行った。1サイクル目の容量に対する200サイクル目の容量の比率を、45℃200サイクル後容量維持率として評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018092785
続いて、電解液溶媒に、エチルメチルスルホン(EMS)、EC、およびEFPを使用し、EC/EMS/EFP=3/57/40(体積比)となるように調整し、支持塩として、LiPFとLiFSIを所定量混合した電解液を作製した。この電解液、および実施例1と同じ正負極を使ったセルで同様の評価を行った。150サイクル後の容量維持率の評価結果を表2に示す。
Figure 2018092785
表2に示されるように、LiFSIの濃度が、5wt%超の場合に良好な寿命特性の結果が得られた。
続いて、電解液溶媒に、エチレンカーボネート(EC)、および、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル(MTFP)を使用し、EC/MTFP=30/70(体積比)となるように調整し、支持塩として、LiPFとLiFSIを所定量混合した電解液を作製した。この電解液、および実施例1と同じ正負極を使ったセルで同様の評価を行った。温度45℃で300サイクル後のセル体積増加量を評価した結果をを表3に示す。
Figure 2018092785
表3に示されるように、LiFSIの濃度が、5wt%超の場合にセル体積増加量が小さかった。セル体積の増加は、セル内部で発生するガス量を示しており、LiFSIの添加により、ガス発生量が低減できた。
本発明による電極およびこの電極を有する電池は、例えば、電源を必要とするあらゆる産業分野、ならびに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野において利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル機器の電源;電気自動車、ハイブリッドカー、電動バイク、電動アシスト自転車等を含む電動車両、電車、衛星、潜水艦等の移動・輸送用媒体の電源;UPS等のバックアップ電源;太陽光発電、風力発電等で発電した電力を貯める蓄電設備;等に、利用することができる。
10 フィルム外装体
20 電池要素
25 セパレータ
30 正極
40 負極

Claims (9)

  1. 式(1)により表されるフッ素化カルボン酸エステル化合物と、LiN(FSOと、を含む電解液であって、前記電解液中のLiN(FSOの含有量が5重量%超、20重量%以下であることを特徴とする、電解液。

    −CO−R (1)
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方がフッ素含有アルキル基である。)
  2. LiPFを含むことを特徴とする、請求項1に記載の電解液。
  3. 前記LiPFおよび前記LiN(FSOの総量における前記LiN(FSOの比率が、10mol%以上90mol%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の電解液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  5. 式(2)または(3)により表される層状リチウム酸化物を含む正極を含むことを特徴とする、請求項4に記載のリチウムイオン二次電池。

    LiNi1−x (2)
    (式中、0≦x≦0.8、0<y≦1.2、MはCo、Al、Mn、Fe、Ti及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。)

    Li(Li1−x−zMn)O (3)
    (式中、0.1≦x<0.3、0.33≦z≦0.8、MはFe、Co、Ni、Ti、Al及びMgのうちの少なくとも一種である。)
  6. ケイ素を含む合金またはケイ素酸化物を含む負極を含むことを特徴とする、請求項4または5に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記電解液中のフッ素化カルボン酸エステル化合物の含有量が、10重量%以上90重量%以下であることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を搭載した車両。
  9. 正極と負極とをセパレータを介して積層して電極素子を製造する工程と、
    前記電極素子と電解液とを外装体に封入する工程と、
    を含み、
    前記電解液が、式(1)により表されるフッ素化カルボン酸エステル化合物と、電解液の5重量%超、20重量%以下のLiN(FSOと、を含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。

    −CO−R (1)
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基であり、RおよびRの少なくとも一方がフッ素含有アルキル基である。)
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